JP3783455B2 - ステッピングモータの制御装置、制御方法およびプリンタ - Google Patents
ステッピングモータの制御装置、制御方法およびプリンタ Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステッピングモータの制御装置および方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
キャリッジあるいは紙送り機構の駆動源としてステッピングモータが採用されているプリンタでは、その励磁方式を切替えてキャリッジあるいは紙送り速度が制御される。このため、ASIC等でハード的に複数の励磁方式、たとえば、1相、2−2相、1−2相あるいはW1−2相などの励磁方式によりステッピングモータを駆動する制御装置が知られている。もちろん、このような制御装置はプリンタに限らずステッピングモータの速度を制御する必要のある機器に多く用いられている。このような制御装置の1つには、相励磁信号を生成するためのカウンタを用いた方式のものがある。このカウンタ(以降においては相励磁カウンタ)は、最もステート(ステップ角、ステッピングアングル)の数の多い励磁方式(相励磁モード)に基づき作成した相励磁テーブルのステート数を基準に用意されている。このため、最もステート数の多い相励磁モードに対し、それよりステート数の少ない相励磁モードでステッピングモータを駆動するときは、1ステップで更新するカウンタの値を2倍、あるいは4倍等することによりそのステートに適した相励磁信号が出力されるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この装置において励磁方式を切替える、すなわち、相切替えを行う場合は、切替える励磁方式でロータがとりうるステップ角で行わなければならない。このため、相切替えを行うときは、ステッピングモータのステップ角をソフトあるいはハード的に確認し相切替えを行うタイミングを判断しなければならない。あるいは、ステッピングモータを駆動するプログラムを作成する際にステップ単位で検討し、誤りのないステップ角で相切替えが行われるようにする必要がある。
【0004】
ステッピングモータのステップ角を常にモニタしながら適当なステップ角になったときに相切替えを行う方法は、モニタするためのハードウェアおよびモニタリング時間が必要になり、さらに、相切替えをすべきときにステップ角が適当でないとすぐには相切替できない。したがって、制御速度はそれほど早くできず、コスト面でもメリットは少ない。さらに、相切替えの応答速度が低下する可能性がある。このため、制御性は良好とは言えない。ステップ角をモニタしないで相切替えをしても多くの場合ステッピングモータはそのまま回転させることができるかもしれないが、励磁方式と合致しないステップ角でロータが回転する可能性が高いので、騒音や振動の原因となり、また、ステッピングモータの耐久性にも悪影響を与える。
【0005】
一方、ステッピングモータを制御するシーケンスあるいはプログラムを作成する際にステップ単位で明確に定めておけば、騒音などの心配はなく、適切なタイミングで相切替えできる。しかしながら、様々な条件を考慮してステッピングモータをステップ角の単位でプログラムミングするのは大変な時間と労力がかかり開発コストが増大する。また、何らかの衝撃やプログラム作成時には意図しない要因によってステップ角が変動することは往々にしてあることであり、そのような事態のときはやはり相切替え時のステップ角が適当ではなくなるので騒音や振動など上記と同様の問題が発生する。
【0006】
そこで、本発明においては、相切替えするときに切替え可能なステップ角になるまで常に確認する手間を省くことができ、その一方で、相切替えを行うタイミングにおけるステップ角が適当ではなくても振動や騒音などを発生させることなく相切替えできる制御装置および制御方法を提供することを目的としている。
【0007】
また、何らかの要因で相切替えするときのステップ角が適当でなかったときは何らかの異常が発生している。しかしながら、ステップ角を常に監視する方法では適当なステップ角になったときに相切替えされるので、そのような異常は判明しない。また、詳細に検討されたシーケンスあるいはプログラムが用いられているときは異常が発生したのか否かは分からない。
【0008】
そこで、本発明においては、さらに、相切替えするタイミングでステップ角が予期しない、すなわち適当なステップ角でなかったことを判断できる制御装置および制御方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明においては、ステッピングモータの全ステップ角をサイクリックにカウントする2進のカウンタを用意し、相切替えのタイミングで切替え後の励磁方式のステップ角と合致しないときはカウンタの値を強制的に補正するようにしている。さらに、補正するときのステップ角は、切替えの先の励磁方式に適当したステップ角となる、最小のステップ角の2倍あるいは4倍など適当な角度になっていないときである。したがって、2進カウンタの最下位ビットあるいは最下位ビットから適当なビット列をハードあるいはソフトにより強制的に0にすることにより簡単に補正できる。
【0010】
すなわち、本発明の、ステッピングモータを複数の励磁方式で駆動可能な制御装置においては、ステッピングモータの最小ステップ角をカウントするビットを最下位ビットとして全ステップ角をサイクリックにカウントする2進のカウンタであって、該当するステップ角の相励磁信号を生成可能な相励磁カウンタと、この相励磁カウンタの値をステッピングモータの回転方向および励磁方式に従って増減する更新手段と、励磁方式を切替えるときに相励磁カウンタの値が切替え後の励磁方式に対応していないときは、更新手段により相励磁カウンタを更新する前に、切替え後の励磁方式に応じた該相励磁カウンタの最下位ビットまたは下位のビット列を0にする補正手段とを有する。
【0011】
また、本発明のステッピングモータの最小ステップ角を最下位ビットとしてカウントし、全ステップ角をサイクリックにカウントする2進のカウンタであって、該当するステップ角の相励磁信号を生成可能な相励磁カウンタを用い、ステッピングモータを複数の励磁方式で駆動する制御方法においては、相励磁カウンタの値をステッピングモータの回転方向および励磁方式に従って増減する更新工程と、励磁方式を切替えるときに相励磁カウンタの値が切替え後の励磁方式に対応していないときは、更新工程の前に、切替え後の励磁方式に応じた該相励磁カウンタの最下位ビットまたは下位のビット列を0にする補正工程とを有する。
【0012】
本発明の制御装置および制御方法においては、励磁方式を切替えるときにステップ角が合致しないときは相励磁カウンタの最下位ビット、あるいは励磁方式によっては最下位も含めた下位の適当な長さのビット列を0にすることにより相励磁カウンタを励磁方式に対応したカウントに補正し、その後、励磁方式と回転方向にしたがって相励磁カウンタを更新している。したがって、励磁方式を切替えるときにステップ角が合致しないときであっても、ステップ角が適当になるまでモニタリングしながら待つ必要はなく、切替え後の励磁方式に合致した最も近いステップ角を相励磁した後に、その切替え後の励磁方式に合致したステップ角で動かすことができる。このため、必要なときはいつでも相切替えすることができる。さらに、ステップ角が対応していないときでもステップ角を切替え後の励磁方式に合致したステップ角に補正してから切替えるので、騒音や振動が発生することはない。また、ステッピングモータの寿命に影響を与えることもない。
【0013】
さらに、本発明の制御装置および制御方法により、切替えするときにステップ角が合致しなくてもスムーズに相切替えされるので、ステッピングモータを制御するシーケンスあるいはプログラムを開発するときもステップ角単位で詳細に検討しなくても良い。このため、これらの開発期間およびコストを大幅に低減できる。
【0014】
また、補正手段により相励磁カウンタを強制操作したことを記憶可能な異常モニタ手段を設けておくことにより、本来、励磁方式を切替えるためにステップ角が一致するであろう予定のタイミングでステップ角がずれていた異常を検出することができる。したがって、プログラムあるいはシーケンスに含まれた異常を容易に確認でき、デバックできる。また、ステッピングモータを搭載したプリンタなどの機器を駆動中に異常騒音や異常振動が発生したときに、ステッピングモータの制御がその要因であるか否かも確認することができる。
【0015】
本発明の制御装置および制御方法により、2−2相、1−2相およびW1−2相の励磁方式で4相のステッピングモータを駆動する場合は、相励磁カウンタには4ビットカウンタが採用でき、補正手段あるいは補正工程においては、切替え後の励磁方式が1−2相のときは相励磁カウンタの最下位ビットを強制的に0にし、切替え後の励磁方式が2−2相のときは相励磁カウンタの最下位ビットから2つのビット列を強制的に0にすれば良い。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しながら、本発明をさらに説明する。図1に、本発明にかかる制御装置を搭載したプリンタを示してある。本例のプリンタ1は、インクジェット方式あるいはインパクトドット方式などの印刷用のヘッド2が印刷用紙5の走査方向に往復動するシリアルタイプのプリンタである。ヘッド2を搭載したキャリッジ3はタイミングベルト4などの駆動機構により走査方向、本図においては左右の方向に駆動され、タイミングベルト4の駆動源としてステッピングモータ10が採用されている。印刷ヘッド2は、印刷を開始する位置まで移動する速度と印刷する速度が異なるなど、複数の速度で駆動されることがある。このような場合は、ステッピングモータ10を駆動する励磁方式を変えることで制御される。印刷ヘッド2に限らず、印刷用紙5の紙送り機構(不図示)においても給紙の速度と印刷するときの速度が異なり、その場合の制御も同様に行われる。
【0017】
本例のプリンタ1は、ステッピングモータ10に対し制御回路30から適当な実効電力の駆動パルスを供給して駆動する。制御回路30は、ステッピングモータ10の励磁方式がセットされる励磁方式選択レジスタ(モードレジスタ)32と、回転方向がセットされる方向指示レジスタ33と、その他の設定条件、たとえば、後述する相切替え時の補正動さ有無などをセットする初期設定レジスタ31を備えている。制御回路30は、さらに、ロータ11の各ステップ角を定義できる相励磁カウンタ35を備えており、この相励磁カウンタ35の値にしたがい駆動回路20から適当な実効電力および極性の駆動パルスがステ−タ12の各コイルL1、L2、L3およびL4に供給される。そして、この相励磁カウンタ35は、ステッピングモータ10を駆動する条件が設定されたレジスタ31、32および33の内容にしたがって動作するカウンタ制御部40によりアップまたはダウンカウントされる。
【0018】
カウンタ制御部40は、レジスタ31、32あるいは33の内容を判断して全体的な制御を行う中央制御部41と、相励磁カウンタ35に対し回転方向に応じて所定のカウントを加算または減算する更新部42と、励磁方式を切替えるときに相励磁カウンタ35の値が適当でないときにカウンタ35の値を強制的に補正する補正部43を備えている。さらに、補正部43で相励磁カウンタ35の値を強制的に変更したことを異常モニタレジスタ39にセットする異常出力部44を備えている。このような機能を備えたカウンタ制御部40は、ステートマシンによってハード的に実現することも可能であり、あるいは、マイクロプログラムにより実現することも可能である。
【0019】
以下においては、4相のステッピングモータ10に対し、2−2相、1−2相およびW1−2相の励磁方式を切替えて駆動する例を説明する。図2に、各励磁方式における相励磁カウンタ35の値と、ステッピングモータ10のステ−タ12に供給される相励磁信号を示してある。相励磁カウンタ35は2進のカウンタであり、最もステップ角の数の多いW1−2相の16ステップ角に合わせて4ビットのカウンタが採用されている。そして、図2(c)に示すようにW1−2相でステッピングモータ10を駆動するときは相励磁カウンタ35においては、最下位ビットがカウントアップまたはカウントダウンされる。ステート番号36は、ロータ11を制御可能なステップ角に対応している。したがって、図2(a)に示した2−2相、図2(b)に示した1−2相および図2(c)に示したW1−2相で共通したステート番号が用いられており、ステート番号を参照することによりロータ11の角度がわかるようになっている。相励磁信号37は、A相およびB相を構成するコイルL1、L2およびL3、L4に供給される信号レベルを示しており、その比率がさらに表中に示されている。
【0020】
このように、本例の制御回路30においては、相励磁カウンタ35の値に対し相励磁信号37が一義的に設定されている。したがって、相励磁カウンタ35の値を設定することにより、ステッピングモータ10に対し適当な駆動パルスが供給され、ロータ11を所定の角度だけ回転させることができる。さらに、本例の相励磁カウンタ35は2進のカウンタであり、最下位ビットも用いて最もステート数の多いW1−2相の各状態が定義できるようにしている。したがって、ステート数が1/2の8つとなる1−2相においては、図2(b)に示すように、相励磁カウンタ35を2づつ、すなわち2進「10」づつカウントアップあるいはダウンすることにより1−2相の励磁方式でロータ11が移動するステートの相励磁信号を出力できる。同様に、ステート数が4つとなる2−2相の励磁方式においては、相励磁カウンタ35を4づつ、すなわち2進「100」づつカウントアップあるいはダウンすることにより、この励磁方式に合致するステートの相励磁信号を出力できる。
【0021】
したがって、たとえば、W1−2相の励磁方式から1−2相の励磁方式に切替えるときは共通のステートの相励磁信号が出力されている必要があるが、その条件が満足しているか否かは相励磁カウンタ35の最下位ビットが「0」か否かで容易に判断できる。また、2−2相の励磁方式に切替えるときは、相励磁カウンタ35の下位ビット2つが「00」であるか否かで切替え可能なステートであるか否かを容易に判断できる。
【0022】
さらに、相切替えするときのステートが切替え後の励磁方式と共通したものでないときは、切替え後の励磁方式が1−2相のときは、相励磁カウンタ35の最下位ビットを強制的に「0」にして、回転方向に応じて2進「10」を加算あるいは減算することにより、相切替え時のステートに最も近く、切替え後の励磁方式、すなわち1−2相の励磁方式に対応するステートの相励磁信号を出力することができる。したがって、その後は1−2相の励磁方式で相励磁カウンタ35を更新することにより、所定のステート(ステップ角)の相励磁信号を順次出力することができる。2−2相の励磁方式に切替えるときは、下位2ビットを強制的に「00」にした後に、回転方向に応じて2進「100」を増減すれば良い。
【0023】
図3に示したフローチャートに基づき、本例の制御装置30の動作についてさらに説明する。まず、ステップ51において、初期レジスタ31、モードレジスタ32および回転方向レジスタ33を初期設定する。この際、相励磁カウンタ35にも初期の励磁相を設定する。初期の励磁相は相励磁カウンタ35に直接設定しても良く、あるいは、初期設定レジスタに初期励磁相を設定する領域を設けておいても良い。
【0024】
次に、ステップ52で、ステートの異常をチェックする。すなわち、相励磁カウンタ35にセットされた初期の励磁相がモードレジスタ32に設定された励磁方式に合致するか否かをチェックする。2−2相がセットされていれば、相励磁カウンタ35の下位2ビットは「00」である必要がある。また、1−2相がセットされていれば、相励磁カウンタ35の最下位ビットは「0」である必要がある。
【0025】
相励磁カウンタ35の値がモードレジスタ32にセットされた励磁方式と一致しない場合は、プログラムあるいはマシンの状態に何らかの異常があるので、ステップ53において、異常出力部44により異常モニタレジスタ39を異常にセットする。これにより、後で、ジョブ中に異常が発生したか否かを明確に判断できる。また、異常モニタレジスタ44に異常がセットされた段階で、プリンタなどの動作を停止して、ユーザあるいはオペレータが異常の内容をチェックできるようにしておくことも可能である。このような設定は、初期設定レジスタに含め、ジョブ毎に変えることも容易である。
【0026】
相励磁カウンタ35の値がモードレジスタ32にセットされている励磁方式と一致しない場合は、さらに、ステップ54で、補正部43により、励磁次カウンタ35の値を補正する。2−2相がセットされている場合は、相励磁カウンタ35の下位2ビットを「00」にし、1−2相が選択されている場合は相励磁カウンタ35の最下位ビットを「0」にする。W1−2相がセットされている場合は、相励磁カウンタ35に設定可能ないずれのステートも選択しうるので、相励磁カウンタ35の値をチェックする必要はない。
【0027】
ステップ52においてステートの異常が見つからなかったとき、あるいは、ステップ54において励磁方式と合うように相励磁カウンタ35の値が補正されると、ステップ55において、回転方向レジスタ33にセットされた回転方向、およびモードレジスタ32にセットされた励磁方式に基づき更新部42により、相励磁カウンタ35の値が更新される。
【0028】
本例では、2−2相で回転方向がCCW(反時計方向)の場合は、相励磁カウンタ35に2進「0100」を加算する。2−2相で回転方向がCW(時計方向)の場合は、相励磁カウンタ35から2進「0100」を減じる。同様に、本例では、1−2相で回転方向がCCWの場合は、相励磁カウンタ35に2進「0010」を加算し、回転方向がCWの場合は、相励磁カウンタ35から2進「0010」を減じる。さらに、W1−2相で回転方向がCCWの場合は、相励磁カウンタ35に2進「0001」を加算し、回転方向がCWのときは、相励磁カウンタ35から2進「0001」を減じる。
【0029】
このように相励磁カウンタ35の値を更新することにより、各励磁方式および回転方向における次のステートの相励磁信号が出力され、ロータ11が回転する。
【0030】
ステップ55において、制御装置30に励磁方式を変更する指示が入力されると、ステップ57において、モータ10を停止させるのか否かを確認する。停止する命令が出力されているときは、ステップ58で駆動回路20からの駆動パルスを停止しロータ11の回転を止める。一方、モータ10の停止命令でないときは、ステップ59においてモードレジスタ32に新しい励磁方式を格納し、ステップ52に戻って相励磁カウンタ35のカウント値が新しい励磁方式に合致するものであるか否かを判断する。
【0031】
モータ10を駆動中に励磁方式を変更する指示があったときのステップ52、53および54における処理は上記と同様である。まず、ステップ52において、切替え後の励磁方式により、例えば、W1−2相から2−2相に変更するときは相励磁カウンタ35の下位2ビットが0であるか否かを確認し、合致しないときはステップ53で異常モニタレジスタ39をセットする。そして、相励磁カウンタ35の下位2ビットをステップ54で強制的に「00」に設定し、その後、方向がCCWであれば2進「0100」を加算する。したがって、W1−2相で駆動中に2−2相に相切替えしたときに、2−2相のステートになっていない場合でも、切替え時のステートにもっとも近い2−2相のステートに相励磁カウンタ35がセットされ、その相励磁信号が出力される。そして、励磁方式が切り替わった後は、2−2相のピッチで相励磁カウンタ35の値が変化する。W1−2相から1−2相、あるいは1−2相から2−2相に励磁方式を切替える場合も同様である。
【0032】
このように、本例の制御装置30および制御方法においては、励磁方式を切替えるタイミングで、ステッピングモータ10のステートが、切り替え後の励磁方式とは合致しない場合でも、補正部43で強制的に相励磁カウンタ35を操作し、その後、カウンタ35を更新することにより切替え後の励磁方式のステートでステッピングモータ10を駆動することができる。そして、本例においては、2進のカウンタを用いているので、補正するときは切替え後の励磁方式に対応した下位ビットを強制的に0にするだけで良い。このため、切替え時のステート番号を把握したり、切替え後のステート番号を演算するなどの処理は一切不要であり、簡単なハードウェアあるいはソフトウェアで相励磁カウンタ35の値を適切に補正できる。
【0033】
したがって、本例の制御装置および制御方法を採用することにより、ステッピングモータの速度を変更するために相切替えを行うときに、ステップ角(ステート)を監視して適当なステップ角になるタイミングになるまで相切替えを待つようなハードあるいはソフトウェアは不要であり、極めて簡単に、そして短時間に相切替えを行うことができる。また、切替え時にステップ角に異常があっても、補正することにより、タイミングを調整しなくても相切替え後は、所定のステップ角でステッピングモータを駆動できる。したがって、切替え時に異常が発生したときでも、その後、モータを駆動する間に振動あるいは騒音が発生し、モータの寿命を縮めるようなこともない。
【0034】
また、本発明により、切替え時にステップ角が対応していないという異常があっても実際にはスムーズに相切替えを行ってステッピングモータの速度調整が行える。このため、ステッピングモータを制御するプログラムあるいはシーケンスを開発する際も、多少のバグやエラーが含まれている状態でも実用上は問題なくステッピングモータを制御できる。したがって、プログラムあるいはシーケンスを開発する時間およびコストをセーブすることができ、ステッピングモータを用いたプリンタなどの機器の開発時間およびコストを低減することができる。
【0035】
さらに、本例の制御装置および制御方法においては、相切替え時にステップ角に異常があったときは、専用のレジスタに記憶できるようにしている。したがって、製品全体のシーケンスの中で異常があったときに、それが相励磁モードの切替えに起因するものであるか否かを判断し、エラーの修正に役立てることができる。さらに、ステップ角の自動補正を行わないようにすることももちろん可能であり、開発中に設計的な異常の有無を発見することも容易となる。
【0036】
なお、以上においては、4相のステッピングモータを用いて励磁方式が2−2相、1−2相およびW1−2相を例に本発明を説明しているが、このような例に限定されないことはもちろんである。WW1−2相などのさらにステップ角の小さな励磁方式においても本発明を適用することができる。
【0037】
また、相励磁カウンタとして4ビットのカウンタを採用しているが、5ビット以上のカウンタを用いてももちろん良い。しかしながら、W1−2相の16ステートをサイクリックにカウントするには、最上位ビットから4ビット目でステートをカウントすることが望ましい。したがって、W1−2相においては、2進「10」でカウンタを増減し、4ビット目を最下位ビットとすることにより上記のように処理することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明においては、ステップ角の相励磁信号を生成可能な2進の相励磁カウンタを設け、励磁方式を切替えるときにステップ角が切替え後の励磁方式と一致しないときは相励磁カウンタを切替え後の励磁方式と一致するように強制的に補正し、その後、切り替え後の励磁方式に従ってカウンタを増減するようにしている。さらに、2進の相励磁カウンタを採用することにより、最下位ビットあるいは最下位から所定のビット列を0にすることで補正することができる。したがって、励磁方式を切替えるときに、ステップ角が合わない異常があっても、最も近い適当なステップ角から切替え後の励磁方式でスムーズにステッピングモータを駆動できる。
【0039】
このため、本発明にかかるステッピングモータの制御装置および制御方法を採用することにより、プリンタなどに採用されているステッピングモータの励磁方式を切替えて速度制御するときに、ステッピングモータのステップ角が適当な値になるまで監視するようなハードあるいはソフトウェアは不要になる。そして、切替えるタイミングであれば、ステップ角が合致しない場合でもスムーズに励磁方式を切替えることができる。
【0040】
さらに、本発明を採用することにより、ステッピングモータの制御用のプログラムあるいはシーケンスの開発時間および費用を削減することができる。また、本発明の制御装置および制御方法においては、ステップ角に異常があれば、それを補正するようにしているので、そのタイミングでステップ角の異常の有無をレジスタなどに記憶できる。したがって、その情報をプログラム開発あるいは製品に不具合が発生したときのログとして有効活用することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す相励磁カウンタの値と、励磁方式との関係を示す表であり、図2(a)は2−2相、図2(b)は1−2相、および図2(c)はW1−2相の励磁方式を示している。
【図3】図1に示す制御装置における処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 プリンタ
2 ヘッド
3 キャリッジ
5 印刷用紙
10 ステッピングモータ
11 ロータ
12 ステータ
20 駆動回路
30 モータ制御装置
35 相励磁カウンタ
39 異常モニタレジスタ
40 カウンタ制御部
41 中央制御部
42 更新部
43 補正部
44 異常出力部
Claims (5)
- ステッピングモータを複数の励磁方式で駆動可能な制御装置であって、
ステッピングモータの最小ステップ角をカウントするビットを最下位ビットとして全ステップ角をサイクリックにカウントする2進のカウンタであって、該当するステップ角の相励磁信号を生成可能な相励磁カウンタと、
この相励磁カウンタの値をステッピングモータの回転方向および励磁方式に従って増減する更新手段と、
励磁方式を切替えるときに前記相励磁カウンタの値が切替え後の励磁方式に対応しているかどうかを判断する判断手段と、
前記相励磁カウンタの値が切替え後の励磁方式に対応していないときは、前記更新手段により前記相励磁カウンタを更新する前に、切替え後の励磁方式に応じた該相励磁カウンタの最下位ビットまたは最下のビット列を0にする補正手段と、
前記補正手段により前記相励磁カウンタを操作したことを記憶可能な異常モニタ手段と、を有するステッピングモータの制御装置。 - 請求項1において、前記制御装置は、2−2相、1−2相およびW1−2相の励磁方式で4相のステッピングモータを駆動可能であり、
前記相励磁カウンタは4ビットで、前記補正手段は、切替え後の励磁方式が1−2相のときは前記相励磁カウンタの最下位ビットを強制的に0にし、切替え後の励磁方式が2−2相のときは前記相励磁カウンタの最下位ビットから2つのビット列を強制的に0にすることを特徴とするステッピングモータの制御装置。 - ステッピングモータの最小ステップ角を最下位ビットとしてカウントし、全ステップ角をサイクリックにカウントする2進のカウンタであって、該当するステップ角の相励磁信号を生成可能な相励磁カウンタを用い、ステッピングモータを複数の励磁方式で駆動する制御方法であって、
前記相励磁カウンタの値をステッピングモータの回転方向および励磁方式に従って増減する更新工程と、
励磁方式を切替えるときに前記相励磁カウンタの値が切替え後の励磁方式に対応しているかどうかを判断する判断工程と、
前記相励磁カウンタの値が切替え後の励磁方式に対応していないときは、前記更新工程の前に、切替え後の励磁方式に応じた該相励磁カウンタの最下位ビットまたは下位のビット列を0にする補正工程と、
前記補正工程により前記相励磁カウンタを操作したことを記憶する異常モニタ工程と、を有するステッピングモータの制御方法。 - 請求項3において、4ビットの前記相励磁カウンタにより、2−2相、1−2相およびW1−2相の励磁方式で4相のステッピングモータを駆動し、
前記補正工程では、切替え後の励磁方式が1−2相のときは前記相励磁カウンタの最下位ビットを強制的に0にし、切替え後の励磁方式が2−2相のときは前記相励磁カウンタの最下位ビットから2つのビット列を強制的に0にすることを特徴とするステッピングモータの制御方法。 - ステッピングモータによりキャリッジまたは紙送り機構を駆動するプリンタにおいて、請求項1に記載の制御装置を有することを特徴とするプリンタ。
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