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JP3783213B2 - 冷凍熟成種の製法および冷凍熟成種の流通方法 - Google Patents

冷凍熟成種の製法および冷凍熟成種の流通方法 Download PDF

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JP3783213B2
JP3783213B2 JP2003059560A JP2003059560A JP3783213B2 JP 3783213 B2 JP3783213 B2 JP 3783213B2 JP 2003059560 A JP2003059560 A JP 2003059560A JP 2003059560 A JP2003059560 A JP 2003059560A JP 3783213 B2 JP3783213 B2 JP 3783213B2
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達也 鈴木
里美 市川
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株式会社ベーカリーシステム研究所
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷凍熟成種の製法および冷凍熟成種の流通方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、小麦、ライ麦、米、ジャガイモなどの農産物からなる発酵基質を使用してパンを製造する時に、膨化補助、風味や食感の向上、栄養補給などのために各種の熟成種生地[例えば、ヨーロッパやアメリカのサワー種(ドイツサワー、イタリアのパネトーネサワー)、日本の酒種など]を製造し、そしてパン製造時にその熟成種生地をパン生地に添加してパンを製造することが古くから行われてきた。
【0003】
このような熟成種生地は、特定のベーカリー店舗あるいはパン製造工場などで長年にわたる経験に基づきかつ職人の感に頼って手間をかけて製造される。しかし職人のいない普通のベーカリー店舗あるいはパン製造工場などでは良好な熟成種生地を製造できないので、工業的に化学的調合されたり、液化濃縮されたり、乾燥粉末などの形態で製造されたものを購入して、それをパン製造時にパン生地に添加してパンを製造することが行われている。
しかし工業的に製造されたこれらの代替品は、物理的、化学的に品質が安定しておらず、例えば飛散するなどにより有機酸、高級アルコールなどの香味物質の含有量が変化してしまい、そのような代替品を用いるとパンの風味、味などのバランスが悪くなり、伝統的なよい風味、味などを常に安定してだせないという問題があった。
【0004】
小麦粉、イースト、水を混ぜ合わせ混捏して前発酵させて液状または流動体状の前発酵種とし、この前発酵種と残余の小麦粉、イーストおよび水を混捏して生地を作り、この生地あるいはさらに処理をした生地を冷凍する工程からなる冷凍パン生地の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−23688号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記冷凍パン生地の製造方法で製造されるのは、冷凍することにより発酵力が低下するのを抑制した発酵力の大きい冷凍パン生地であり、解凍すればパン生地が得られるので、このパン生地を用いて発酵させればパン生地を膨らませるガス発生があり、直接パンを製造することができるものである。
本発明の第1の目的は、品質が安定しており、伝統的なよい風味と食感、香味などを常に安定してだせ、長年にわたる経験に基づきかつ職人の感に頼って手間をかけて製造される熟成種生地と同等の性能を有する冷凍熟成種を効率よく製造する製法を提供することであり、
本発明の第の目的は、そのような冷凍熟成種を安定して流通させ使用してよい風味と食感、香味などを有するパンを作れる冷凍熟成種の流通方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の請求項記載の冷凍熟成種の製法は、パンの製造時に、膨化補助、風味や食感の向上のために解凍してパン生地に添加して用いられる、パン生地を膨らませるガス発生の有無が問題とされない冷凍熟成種の製法であって、発酵基質、元種、水を必須成分として含み、必要に応じて必要量の生イーストを配合した液状材料を適正発酵させて液種を作り、前記液種を発酵基質と混捏する際に、必要に応じて必要量の塩、ショートニングを配合して混捏して得られる混捏生地を再度適正発酵させて得られる熟成種生地を、分割し、急速冷凍することにより冷凍熟成種を製造する冷凍熟成種の製法であって、
下記の(1)〜(6)工程により冷凍熟成種を製造することを特徴とする。
(1)発酵基質100質量部に対して、生イースト0〜10質量部、サワー元種0.1〜10質量部、水100〜250質量部を攪拌・混合して液状材料を調製する工程
(2)工程(1)で調製した液状材料を熟成タンク内で攪拌しつつ20〜35℃で4〜48時間熟成し、液状材料のpHが3.7〜4.5となるまで適正発酵させた後、過熟成を避けるため10℃以下に冷却して液種を作る工程。
(3)発酵基質110〜200質量部に対して、工程(2)で作った液種を100〜500質量部、塩を0〜10質量部、ショートニングを0〜20質量部配合して、混捏生地のpHが4.0〜5.5となるまで混捏して混捏生地を調製する工程。
(4)工程(3)で調製した混捏生地を発酵室内で温度10〜35℃、湿度60〜90%で2〜48時間熟成し、生地のpHが4.0〜5.0となるまで適正発酵させる工程。
(5)適正発酵させた熟成種生地を適宜の大きさに分割する工程。
(6)分割した熟成種生地を生地温度−10℃〜−30℃に急速に冷凍する工程。
【0008】
本発明の冷凍熟成種は、パンの製造時に、膨化補助、風味や食感の向上のために解凍してパン生地に添加して用いられる、パン生地を膨らませるガス発生の有無が問題とされない冷凍熟成種であって、品質が安定しており、使用時に解凍すれば、長年にわたる経験に基づきかつ職人の感に頼って手間をかけて製造される熟成種生地と同等の性能を有する熟成種生地になり、パンを製造する際にパン生地に添加して伝統的なよい風味と食感、香味などを常に有する美味しいパンを提供できる。
【0009】
本発明において、発酵基質としてライ麦粉を用いることができる。
ライ麦粉は製パン性が悪く適当な熟成種がないと美味しいパンができなかったが、本発明の冷凍熟成種を用いて伝統的な美味しいライ麦パンを作れる。
【0010
一旦、各成分を配合して液状材料を作り、それを適正発酵させて液種を作り、この液種を発酵基質と混捏する際に、必要に応じて必要量の塩、ショートニングを配合して混捏して得られる混捏生地を再度適正発酵させて得られる熟成種生地を用いると、品質がより安定しており、パンを製造する際にパン生地に添加して使用すれば伝統的なよい風味と食感、香味などを常に有する美味しいパンをより安定して提供できる。
【0011
本発明の製法により、本発明の冷凍熟成種を効率よく安定して製造することができる。
【0012
本発明の請求項は、請求項1に記載の冷凍熟成種を密封包装し、密封包装した冷凍熟成種を梱包して冷凍庫に保管し、保管された冷凍熟成種の中から、店舗あるいはパン製造工場などのクライアントから発注された量の冷凍熟成種を取り出して、冷凍庫付き配送車で運搬し、発送後速やかにクライアントの冷凍庫に納入保管する配送過程を含み、使用時に冷凍保管された冷凍熟成種の必要量を解凍してパン生地に添加して使用することを特徴とする冷凍熟成種の流通方法である。
【0013
本発明の冷凍熟成種をプラスチックフィルムなどで密封包装し、段ボール、プラスチックなどの容器に梱包して例えば温度−10℃〜−30℃に維持された冷凍庫に保管しておき、保管した冷凍熟成種の中から、店舗あるいはパン製造工場などのクライアントから発注された量だけの冷凍熟成種を取り出して、冷凍庫付き配送車で運搬し、発送後速やかにクライアントの冷凍庫に納入保管するようにすれば、安定した優れた品質を維持でき、クライアントが使用時に冷凍熟成種の必要量を例えば0〜30℃まで解凍すれば、長年にわたる経験に基づきかつ職人の感に頼って手間をかけて製造される熟成種生地と同等の性能を有する熟成種生地になり、パンを製造する際にパン生地に添加して使用し、常法によりパンを製造すれば伝統的なよい風味と食感、香味などを有する美味しいパンを常に安定して提供できる。
【0014
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の冷凍熟成種の一例である冷凍ライ熟成種を製造する工程の例を示す概略図である。
工程(イ)において、発酵基質としてのライ麦粉100質量部に対して、生イースト0.5質量部、サワー生元種(市販品)1質量部、糖質0質量部、35℃湯10質量部、水160質量部の全部を予備攪拌タンク1に投入し、均一な液相になるまで攪拌・混合し液状材料を調製した後、液状材料を図示しない搬送ポンプにて熟成タンク2に搬送する。
本発明で用いる発酵基質とは、穀物(例えば小麦、ライ麦、米など)、芋類(例えばジャガイモ、サツマイモなど)、果物(例えばリンゴ、ブドウなど)などの農産物一般を意味し、本発明においてはこれらから選ばれる発酵基質を2種以上混合して使用することもできる。
本発明で用いる元種とは、天然由来の乳酸菌・酵母などを増殖させた生地・粉末状・液状の形態のものであり、本発明においてはこれらから選ばれる元種を2種以上混合して使用することもできる。
本発明で用いる生イ−ストとは、一般にパン酵母と称されサッカロミセス セルビシェ(Saccharomyces cerevisiae)が一般的である、天然より搾出された酵母を工業的に純粋培養増殖させたものであり、培養後の処理法法により生イースト、クリームイースト、ドライイースト、インクスタンドドライイーストの4種類に分類され、本発明ではこの生イーストを使用するが、他の3種類のイーストを含めた4種類のイーストから選ばれるイーストを2種以上混合して使用することもできる。
【0015
ライ麦粉100質量部に対して、生イーストは0〜10質量部が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。サワー生元種はスターターとして市販されており、適正な量使用することが好ましく、サワー生元種により異なるが0.1〜10質量部が好ましく、より好ましくは0.5〜1.5質量部である。
市販のスターターの中には温水での復水が必要なものがあり上記例ではそのタイプを使用した。復水は30〜38℃、好ましくは33〜36℃のものを用い、それに分散させ10〜20分間の前処理(予備発酵)させることが好ましい。糖質はスターターの性質に合わせたものを用いるが、上記例では使用しない例を示した。液状材料を熟成タンク2に搬送して熟成する工程が次にあり、水の構成比率を多くすることにより流動性のある液状材料となり、流動性を高めて攪拌することにより均一な温度管理が可能となり、熟成タンク2内でスターターの均一な熟成を効率よく行うことが可能となる。水は100〜250質量部、好ましくは110〜200質量部である。
【0016
工程(ロ)において、熟成タンク2内での攪拌は、10分〜12時間おきに速度1〜15rpmで1分間〜2時間攪拌し、熟成温度20〜35℃、好ましくは24〜30℃で、熟成時間4〜48時間、好ましくは4〜24時間熟成する。液状材料全部を均一な温度、攪拌条件で適正に熟成させることが肝要である。
熟成の終了は液状材料のpHが3.7〜4.5、好ましくは3.9〜4.3になった時、適正な熟成が行われたことを示し、過熟成を避けるため2〜10℃、好ましくは4〜6℃に冷却して液温度を低下させるのが望ましい。
【0017
次に工程(ハ)において、大型混捏ミキサ3へ強力小麦粉100質量部、ライ麦粉30質量部からなる発酵基質、塩を4質量部入れるとともに、工程(ロ)で液温度を低下させた液種を200質量部搬送して、1〜4分、好ましくは2〜3分ミキシングを行う。その後、ショートニングを4質量部配合して、1〜4分、好ましくは2〜3分ミキシングを行う。ミキシング終了時の生地温度は15〜35℃、望ましくは20〜30℃にすることが好ましく、生地のpHは4.0〜5.5、望ましくは4.3〜5.0にすることが好ましい。
塩やショートニングを配合するとベタ付き、ダレがなくなり取り扱い易くなるので好ましい。
ミキシング終了後の生地7は、熟成用コンテナ5に移し、次の工程(ニ)に搬送する。
【0018
次に工程(ニ)において、工程(ハ)で調製した混捏生地7を発酵室6内で温度10〜35℃、湿度60〜90%、好ましくは温度20〜28℃、湿度70〜80%の安定させた発酵室6内で2〜48時間熟成させる。熟成終了時の熟成種生地7のpHは4.0〜5.0、好ましくは4.0〜4.5となるまで適正発酵させるのがよい。
【0019
次に工程(ホ)において、適正熟成させた熟成種生地7をパン生地製造量に応じたベーカリー各店舗・パン製造工場の使用状況に対応させた適宜の大きさ形態の、例えば10g〜10kgに機械分割して小分割物8にする。ベーカリ各店舗・パン製造工場において解凍して使用する際に使用し易いように形態は生地玉、シートなどに分割し、必要に応じた成型、メイキャップを行って次の凍結工程に搬送することが好ましい。
【0020
次に工程(ヘ)において、計量、成型、メイキャップを行った熟成種生地を速やかにブラストフリーザなどの冷凍機を用いて生地温度−10℃〜−30℃、好ましくは−18〜−22℃に急速に冷凍することが望ましい。これにより本発明の冷凍熟成種が製造される。
【0021
次に工程(ト)において、凍結させた本発明の冷凍熟成種を外気に触れないように速やかにプラスチックフィルムなどで密封包装し、段ボール、プラスチックなどの箱に入れて梱包する。
【0022
次に工程(チ)において、例えば−10℃〜−30℃、好ましくは−18〜−22℃の温度の安定した冷凍庫9に保管することが望ましい。
【0023
次に工程(リ)において、冷凍熟成種を密封包装し、密封包装した冷凍熟成種を梱包して例えば温度−10℃〜−30℃に維持した冷凍庫に保管し、保管された冷凍熟成種の中から、店舗あるいはパン製造工場などのクライアントから発注された量の冷凍熟成種を取り出して、冷凍庫付き配送車で運搬する。発送後速やかにクライアントの冷凍庫に納入保管し、使用時に冷凍保管された冷凍熟成種の必要量を例えば0〜30℃、好ましくは15〜25℃まで、室温ないし公知の設備(リターダー、冷蔵庫、システムホイロなど)などで解凍して昇温させる。
【0024
本発明の冷凍熟成種を解凍した後、パンを製造する際に、パン生地に添加して、常法によりパンを製造すれば伝統的なよい風味と食感、香味などを有する美味しいパンを常に安定して製造できる。
本発明の冷凍熟成種のパン生地への添加量は、パンの種類により変化し、パンの種類に応じて最適の添加量を決めることが望ましい。
本発明の冷凍熟成種は例えば温度−10℃〜−30℃に維持された冷凍庫で冷凍保管時に凍結障害を受けて発酵力が低下したり、あるいは発酵力がなくなる場合があるが、本発明の冷凍熟成種はパンを製造する際にパン生地に添加して使用されるので、パン生地を膨らませるガス発生の有無が問題とされない。
【0025
(パンの製造1):
次に、上記のようにして製造した本発明の冷凍ライ熟成種を解凍して、下記の配合および工程により、バイツエンミッシュブロートを製造し、その酸味、風味、味をドイツパンにふれる機会の多い20人のパネラーにより評価し、比較のために本発明の冷凍ライ熟成種の替わりに、本格的熟成種生地(デトモルト方式)を用いた場合(ブランク)と対比した。
【0026
また、比較のために本発明の冷凍ライ熟成種の替わりに、市販の代替品である濃縮風味液種を用いた場合、および市販の粉末風味種(液化濃縮→フリーズドライにより製造されたもの)を用いた場合についても同様にして、バイツエンミッシュブロートを製造し、その酸味、風味、味を評価した。
【0027
(配合)
小麦粉 70質量部
ライ麦粉 15質量部
生イースト 2質量部
食塩 1.8質量部
水 48質量部
冷凍ライ熟成種 40質量部
【0028
(工程)
ミキシング:低速5分、中速2分
捏上温度:28℃
第1発酵:25分
分割計量:500g
ベンチ:15分
成型:ブール成型他
第2発酵:60分
焼成:220℃、40分(スチーム)
【0029
(パンの製造2):
上記のようにして製造した本発明の冷凍ライ熟成種を解凍して、下記の配合および工程により、ミッシュブロートを製造し、パンの製造1と同様にして風味、味を評価した。
【0030
(配合)
小麦粉 50質量部
ライ麦粉 25質量部
生イースト 1.6質量部
食塩 1.8質量部
水 45質量部
冷凍ライ熟成種 50質量部
【0031
(工程)
ミキシング:低速5分
捏上温度:28℃
第1発酵:15分
分割計量:1kg
ベンチ:なし
成型:ブール成型他
第2発酵:60分
焼成:220℃、40分(スチーム)
【0032
(パンの製造3):
上記のようにして製造した本発明の冷凍ライ熟成種を解凍して、下記の配合および工程により、ロッゲンミッシュブロートを製造し、パンの製造1と同様にして風味、味を評価した。
【0033
(配合)
小麦粉 30質量部
ライ麦粉 35質量部
生イースト 1.4質量部
食塩 1.8質量部
水 39質量部
冷凍ライ熟成種 56質量部
【0034
(工程)
ミキシング:低速3分
捏上温度:30℃
第1発酵:10分
分割計量:1kg
ベンチ:なし
成型:ブール成型他
第2発酵:60分
焼成:230℃、40分(スチーム)
【0035
(パンの製造4):
上記のようにして製造した本発明の冷凍ライ熟成種を解凍して、下記の配合および工程により、ベルリーナラントブロートを製造し、パンの製造1と同様にして風味、味を評価した。
【0036
(配合)
小麦粉 20質量部
ライ麦粉 50質量部
生イースト 1.4質量部
食塩 1.8質量部
水 40質量部
冷凍ライ熟成種 56質量部
【0037
(工程)
ミキシング:低速3分
捏上温度:30℃
第1発酵: 5分
分割計量:1kg
ベンチ:なし
成型:ブール成型他
第2発酵:60分
焼成:230℃、40分(スチーム)
【0038
(パンの製造5):
上記のようにして製造した本発明の冷凍ライ熟成種を解凍して、下記の配合および工程により、バイツェンミッシュブロート レザンノアを製造し、パンの製造1と同様にして風味、味を評価した。
【0039
(配合)
小麦粉 70質量部
ライ麦粉 15質量部
生イースト 2質量部
食塩 1.8質量部
水 49質量部
冷凍ライ熟成種 40質量部
くるみ 30質量部
レーズン 20質量部
【0040
(工程)
ミキシング:低速5分中速2分(クルミ、レーズン低速2分)
捏上温度:30℃
第1発酵:30分
分割計量:350g
ベンチ:20分
成型:ブール成型他
第2発酵:60分
焼成:220℃、30分(スチーム)
【0041
(パンの製造6):
上記のようにして製造した本発明の冷凍ライ熟成種を解凍して、下記の配合および工程により、ツィーベルブロートを製造し、パンの製造1と同様にして風味、味を評価した。
【0042
(配合)
小麦粉 50質量部
小麦粉全粒粉 10質量部
ライ麦粉 24質量部
生イースト 1.8質量部
食塩 1.8質量部
水 50質量部
冷凍ライ熟成種 50質量部
ロースト玉葱 10質量部
【0043
(工程)
ミキシング:低速4分中速2分(ロースト玉葱低速1分)
捏上温度:28℃
第1発酵:20分
分割計量:500g
ベンチ:10分
成型:ブール成型他
第2発酵:60分
焼成:220℃、40分(スチーム)
【0044
その結果、パンの製造1で製造された本発明のバイツエンミッシュブロートは、酸味はブランクより若干マイルドであり、風味はフルーテイな風味でブランクとほぼ同等であり、味は濃厚な旨味がありブランクとほぼ同等であった。
それに対して、市販の濃縮風味液種を用いたパンは、酸味については焼成直後は酸臭強いが時間の経過とともにかなり薄くなり、風味については若干薬品(香料)臭がするがブランクに近く、味についてはブランクと同じ性質の味だが旨味が薄かった。
また、市販の粉末風味種(液化濃縮→フリーズドライにより製造されたもの)を用いたパンは、酸味については焼成直後は酸臭強いが時間の経過とともにかなり薄くなり、風味については穀物臭が強く、味については酸味のみの味に近く、かなり旨味が薄かった。
また、パンの製造2〜6で製造されたいずれのパンにおいても、パンの製造1で製造された本発明のバイツエンミッシュブロートの結果と同様に、本格的熟成種生地を用いた場合のパンと同等の風味・味であり、明らかに市販の代替品である濃縮風味液種や粉末風味種を用いた場合より優れていた。
【0045
なお、上記実施形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮するものではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【0046
【発明の効果】
本発明の請求項記載の冷凍熟成種の製法は、パンの製造時に、膨化補助、風味や食感の向上のために解凍してパン生地に添加して用いられる、パン生地を膨らませるガス発生の有無が問題とされない冷凍熟成種の製法であって、発酵基質、元種、水を必須成分として含み、必要に応じて必要量の生イーストを配合した液状材料を適正発酵させて液種を作り、前記液種を発酵基質と混捏する際に、必要に応じて必要量の塩、ショートニングを配合して混捏して得られる混捏生地を再度適正発酵させて得られる熟成種生地を、分割し、急速冷凍することにより冷凍熟成種を製造する冷凍熟成種の製法であって、前記の(1)〜(6)工程により冷凍熟成種を製造することを特徴とするものであり、
この冷凍熟成種は、パンの製造時に、膨化補助、風味や食感の向上のために解凍してパン生地に添加して用いられる、パン生地を膨らませるガス発生の有無が問題とされない冷凍熟成種であって、品質が安定しており、使用時に解凍すれば、長年にわたる経験に基づきかつ職人の感に頼って手間をかけて製造される熟成種生地と同等の性能を有する熟成種生地になり、パンを製造する際にパン生地に添加して伝統的なよい風味と食感、香味などを常に有する美味しいパンを提供できるという顕著な効果を奏する。
本発明において、発酵基質としてライ麦粉を用いることができる。
ライ麦粉は製パン性が悪く適当な熟成種がないと美味しいパンができなかったが、本発明の冷凍熟成種を用いて伝統的な美味しいライ麦パンを作れるというさらなる顕著な効果を奏する。
一旦、各成分を配合して液状材料を作り、それを適正発酵させて液種を作り、この液種を発酵基質と混捏する際に、必要に応じて必要量の塩、ショートニングを配合して混捏して得られる混捏生地を再度適正発酵させて得られる熟成種生地を用いると、品質がより安定しており、パンを製造する際にパン生地に添加して使用すれば伝統的なよい風味と食感、香味などを常に有する美味しいパンをより安定して提供できるというさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の製法により、本発明の冷凍熟成種を効率よく安定して製造することができるというさらなる顕著な効果を奏する
【0047
本発明の請求項は、請求項1に記載の冷凍熟成種を密封包装し、密封包装した冷凍熟成種を梱包して冷凍庫に保管し、保管された冷凍熟成種の中から、店舗あるいはパン製造工場などのクライアントから発注された量の冷凍熟成種を取り出して、冷凍庫付き配送車で運搬し、発送後速やかにクライアントの冷凍庫に納入保管する配送過程を含み、使用時に冷凍保管された冷凍熟成種の必要量を解凍してパン生地に添加して使用することを特徴とする冷凍熟成種の流通方法であり、冷凍熟成種をプラスチックフィルムなどで密封包装し、段ボール、プラスチックなどの容器に梱包して例えば温度−10℃〜−30℃に維持された冷凍庫に保管しておき、保管した冷凍熟成種の中から、店舗あるいはパン製造工場などのクライアントから発注された量だけの冷凍熟成種を取り出して、冷凍庫付き配送車で運搬し、発送後速やかにクライアントの冷凍庫に納入保管するようにすれば、安定した優れた品質を維持でき、クライアントが使用時に冷凍熟成種の必要量を例えば0〜30℃まで解凍すれば、長年にわたる経験に基づきかつ職人の感に頼って手間をかけて製造される熟成種生地と同等の性能を有する熟成種生地になり、パンを製造する際にパン生地に添加して使用し、常法によりパンを製造すれば伝統的なよい風味と食感、香味などを有する美味しいパンを常に安定して提供できるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (イ)〜(リ)は、本発明の冷凍熟成種の一例である冷凍ライ熟成種を製造する工程の例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 予備攪拌タンク
2 熟成タンク
3 大型混捏ミキサ
5 熟成用コンテナ
6 発酵室
7 熟成種生地
8 小分割物
9 冷凍庫

Claims (2)

  1. パンの製造時に、膨化補助、風味や食感の向上のために解凍してパン生地に添加して用いられる、パン生地を膨らませるガス発生の有無が問題とされない冷凍熟成種の製法であって、発酵基質、元種、水を必須成分として含み、必要に応じて必要量の生イーストを配合した液状材料を適正発酵させて液種を作り、前記液種を発酵基質と混捏する際に、必要に応じて必要量の塩、ショートニングを配合して混捏して得られる混捏生地を再度適正発酵させて得られる熟成種生地を、分割し、急速冷凍することにより冷凍熟成種を製造する冷凍熟成種の製法であって、
    下記の(1)〜(6)工程により冷凍熟成種を製造することを特徴とする冷凍熟成種の製法。
    (1)発酵基質100質量部に対して、生イースト0〜10質量部、サワー元種0.1〜10質量部、水100〜250質量部を攪拌・混合して液状材料を調製する工程
    (2)工程(1)で調製した液状材料を熟成タンク内で攪拌しつつ20〜35℃で4〜48時間熟成し、液状材料のpHが3.7〜4.5となるまで適正発酵させた後、過熟成を避けるため10℃以下に冷却して液種を作る工程。
    (3)発酵基質110〜200質量部に対して、工程(2)で作った液種を100〜500質量部、塩を0〜10質量部、ショートニングを0〜20質量部配合して、混捏生地のpHが4.0〜5.5となるまで混捏して混捏生地を調製する工程。
    (4)工程(3)で調製した混捏生地を発酵室内で温度10〜35℃、湿度60〜90%で2〜48時間熟成し、生地のpHが4.0〜5.0となるまで適正発酵させる工程。
    (5)適正発酵させた熟成種生地を適宜の大きさに分割する工程。
    (6)分割した熟成種生地を生地温度−10℃〜−30℃に急速に冷凍する工程。
  2. 請求項に記載の冷凍熟成種を密封包装し、密封包装した冷凍熟成種を梱包して冷凍庫に保管し、保管された冷凍熟成種の中から、店舗あるいはパン製造工場などのクライアントから発注された量の冷凍熟成種を取り出して、冷凍庫付き配送車で運搬し、発送後速やかにクライアントの冷凍庫に納入保管する配送過程を含み、使用時に冷凍保管された冷凍熟成種の必要量を解凍してパン生地に添加して使用することを特徴とする冷凍熟成種の流通方法
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