JP3776666B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板を用いた半導体装置に関し、特に、耐圧性を高めるための電界緩和手段が組み込まれた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体基板にトランジスタのような種々の回路素子を組み込んで形成される集積回路では、素子の機能部分として、半導体基板の表面に、該半導体基板の導電型と逆の導電型を示す第1の不純物領域が形成される。この不純物領域に、該不純物領域から半導体基板を覆う酸化膜上に伸びる電路を経て、半導体基板との間に逆電圧が印加されると、その電圧値に応じて、前記電路下で半導体基板の表面に沿って不純物領域から空乏層が伸びる。
【0003】
この空乏層が周辺の回路部分に達すると、該回路部分の電気特性に強い悪影響を及ぼす。この周辺回路への空乏層の伸長を防止する技術として、半導体基板と同一の導電型を示しかつ該基板の不純物濃度よりも高い不純物濃度を有する第2の不純物領域を、チャンネルストッパとして半導体基板に設ける技術がある。
【0004】
しかしながら、単にチャンネルストッパを設けたのみでは、比較的低い電圧の印加によっても空乏層がチャンネルストッパに到達し、その後の電圧の増加により、第1の不純物領域と半導体基板との接合面での接合耐圧よりも低い電圧値で、空乏層でのブレークダウンが生じてしまう。
そこで、本願発明者等は、特開平11−204632号(特願平10−17848号)公報に示されているように、電路下の酸化膜内に前記電路に沿って互いに間隔をおいて配置される電極を配置すると共に、該電極に前記半導体基板の電位を付与する電界緩和技術を提案した。
【0005】
この電界緩和技術によれば、各電極により電圧の増大に伴い段階的に空乏層の伸びが段階的に規制され、すなわち、電圧の増大に伴い段階的に空乏層の伸長を許すことにより、空乏層でのブレークダウン電圧と前記接合耐圧とのバランスを考慮することができ、これにより、半導体装置の全体的な耐圧特性の向上が図られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような耐圧向上技術は、所定の基板電位の印加を受ける前記電極を前記電路の伸長方向に相互に間隔をおいて配置する必要があり、電極間に所定の間隔を保持する必要があることから、前記した多数の電極を必要とするとき、素子のコンパクト化のために、その寸法の低減を図る上で、有利とは言えない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、耐圧性を損なうことなくさらにコンパクト化を図り得る半導体装置を提供することにある。
【0008】
本発明は、前記した電界緩和技術では、各電極が空乏層の伸びを抑制し、この電極による空乏層の伸びの抑制と、各電極を埋設する前記電気絶縁膜の電極間の領域、すなわち電極間のスペース領域での空乏層の伸びとの組み合わせにより、空乏層でのブレークダウン電圧と前記接合耐圧とのバランスを保持するように、空乏層の伸びが段階的に制御されることに着目し、基本的には、前記電極間に前記電気絶縁膜よりも空乏層の伸長を促進させる手段を配置することにより、前記したバランスを崩すことなく、両電極間の間隔の実質的な低減を図り、これにより耐圧性を損なうことなく半導体装置のコンパクト化を達成することを特徴とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、p型またはn型のいずれか一方の導電型を示す半導体基板と、p型またはn型の他方の導電型を示し、半導体基板の表面に設けられた電気絶縁膜上に伸びる電路を経て半導体基板との間に逆方向電位が印加される第1の不純物領域と、該第1の不純物領域から電路下で該電路に沿って伸長しようとする空乏層の伸びを規制すべく、第1の不純物領域から間隔をおいて半導体基板の表面に形成され半導体基板と同一の導電型を示しかつ該半導体基板の不純物濃度よりも高い不純物濃度を有する第2の不純物領域と、該第2の不純物領域に向けての空乏層の伸長を抑制すべく、前記電気絶縁膜中で前記電路の伸長方向へ相互に間隔をおいて配置されかつ半導体基板とほぼ同電位におかれる複数の細幅部を備える抑制電極層とを含む半導体装置を対象とする。
【0010】
本発明は、前記抑制電極層の前記細幅部間に、前記空乏層の前記第2の不純物領域へ向けての伸長を促進させる伸長促進手段を配置したことを特徴とする。
【0011】
前記抑制電極層の前記細幅部を埋設する前記電気絶縁膜に比較して前記空乏層の伸長をより促進させる前記伸長促進手段は、該伸長促進手段および前記抑制電極層を含む電界緩和手段の電界緩和効果を損なうことなく、各細幅部間の間隔の低減を可能とし、また両不純物領域間の間隔の低減をも可能にすることから、半導体素子の耐圧性の低下を招くことなく、そのコンパクト化が可能となる。
【0012】
前記伸長促進手段は、前記細幅部間で、前記半導体基板上の前記電気絶縁膜上に伸びる前記電路に設けられた前記基板へ向けて突出する突起部と前記半導体基板の前記表面との間で規定される前記電気絶縁膜の肉薄部で構成することができる。
前記電気絶縁膜は、その前記肉薄部で、他の部分に比較して厚さ寸法が低減することから、該電気絶縁膜上の前記電路に印加される電位により、前記空乏層の伸びが促進される。
【0013】
前記伸長促進手段は、前記抑制電極層の前記細幅部間に対応する領域に配置された伸長促進電極で構成することができる。
前記伸長促進電極は、前記抑制電極層と同一面上で該抑制電極層の前記各細幅部から間隔をおいて配置することができる。また、この配置例に代えて、前記伸長促進電極を電気絶縁膜内で前記抑制電極層と前記半導体基板の前記表面との間の平面上の前記細幅部間に対応する領域に配置することができる。
【0014】
これらの前記伸長促進電極は、電気的に浮遊状態あるいは前記第1の不純物領域の電位とほぼ等しい電位におくことができる。いずれの場合にしても、前記抑制電極層の前記細幅部間を満たす前記電気絶縁膜に比較して空乏層の伸長が促進されるが、促進効果を高める上で、伸長促進電極に第1の不純物領域の電位とほぼ等しい電位を印加することが望ましい。
【0015】
前記伸長促進手段は、前記電気絶縁膜の誘電率よりも大きな誘電率を示す誘電体で構成することができる。前記電気絶縁膜領域の部分的な誘電率の増大は、該電気絶縁膜の実質的な厚さ寸法の低減として作用することから、前記電気絶縁膜の前記した部分的な低減と同様な効果が得られる。
【0017】
さらに、前記抑制電極層の前記細幅部間のスリットの工夫によっても、前記半導体装置の耐圧性の低下を招くことなくそのコンパクト化を達成することが可能となる。
すなわち、前記抑制電極層の前記細幅部間のスリットに、前記第1の不純物領域から伸びる前記電路の伸長方向へ向けて該電路の側縁に関して鋭角的に該電路から伸び出して空乏層の第2の不純物領域への伸長を促進させる伸長端を形成することができる。各伸長促進用のスリットは、前記電気絶縁膜で満たされているが、電路の側方から前記空乏層の伸長方向へはみ出して伸びることから、空乏層の伸長を伸長端の伸長方向へ案内することにより、該空乏層でのブレークダウンを効果的に抑制することができ、各スリットの幅寸法すなわち前記細幅部間の間隔の低減が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態について詳細に説明する。
〈具体例1〉
図1および図2は、本発明に係る半導体装置の具体例1を示す。
本発明に係る半導体装置10は、図示の例では、高耐圧ダイオードであり、例えば20Ω・cmの固有抵抗値を有するN型シリコンからなる半導体基板11に組み込まれている。
【0019】
半導体基板11の表面には、アノードとして、円形の第1の不純物領域12が形成されている。第1の不純物領域12は、半導体基板11の導電型とは逆のP型の導電性を示す。
また、半導体基板11の表面には、図2に明確に示されているように、第1の不純物領域12から間隔をおいて該不純物領域を取り巻く第2の不純物領域13が形成されている。第2の不純物領域13は、半導体基板11と同一の導電型を示し、しかもその不純物濃度が半導体基板11のそれよりも大きな高濃度不純物領域である。この第2の不純物領域13は、ダイオードのカソードとして使用され、また後述するチャンネルストッパとしても機能する。
【0020】
半導体基板11の表面には、図1に示されているように、電気絶縁膜14が形成されている。電気絶縁膜14は、図2では、図面の簡素化のために省略されている。
図1に示す例では、電気絶縁膜14は、半導体基板11上を直接的に覆う例えば1μmの厚さ寸法を有する下層14aと該下層を部分的に覆う例えば1μmの厚さ寸法を有する上層14bとで構成された積層構造を備える。下層14aは、例えば半導体基板11の熱酸化により、形成することができる。上層14bは、例えばCVD法により、形成することができる。
【0021】
図1に示されているように、下層14aにおける上層14bから露出する部分には、第1の不純物領域12を露出させるためのコンタクトホール15が形成されており、このコンタクトホール15を経て、コンタクト16が第1の不純物領域12に接続されている。コンタクト16には、図示の例では、電気絶縁膜14上で第1の不純物領域を覆って配置される図2に示すような円形のフィールドプレート17が、コンタクト16と一体的に、形成されている。
【0022】
フィールドプレート17は、従来よく知られているように、第1の不純物領域12の周辺を取り巻いて形成される後述する全体に円形の空乏層(19)の縁部での局部的な電界の集中を防止して、この電界を緩和する作用をなす。フィールドプレート17は、例えば導電性を示すポリシリコンから成り、図示の例では、フィールドプレート17に一体的に、第1の不純物領域12に接続される電路18が形成されている。
【0023】
電路18は、図2に示すように、フィールドプレート17の外縁から第2の不純物領域13を横切るように、電気絶縁膜14上を第2の不純物領域13の上方の領域に伸びる。
第2の不純物領域13には、図示しない従来よく知られた配線が接続されており、該配線および第1の不純物領域12から伸びる電路18を経て、第1の不純物領域12をアノードとし、第2の不純物領域13をカソードとして、両者間に逆方向電圧が印加される。
【0024】
アノード12およびカソード13間に逆方向電圧が印加されると、第1の不純物領域12の外縁には、図1に示すように、空乏層19が形成される。
前記逆方向電圧が比較的低いとき、空乏層19は、第1の不純物領域12の近傍で、該不純物領域を取り巻くように全体に円形状に形成される。このとき、空乏層19の縁部は、図1に仮想線19aで示すように、フィールドプレート17の縁部により規定される該縁部に対応する円形領域に向けて、周方向にほぼ均一に、拡大が図られる。その結果、従来よく知られたフィールドプレート17の前記した電界緩和作用により、円形空乏層19aでの局部的な電界集中によるブレークダウンが防止される。
【0025】
アノード12およびカソード13間の前記逆方向電圧が増大すると、その電圧の増大に伴い、フィールドプレート17により拡張を促進された空乏層19が、さらに全体的に拡張しようとする。また、空乏層19の縁部(19a)のうち、電路18下に対応する部分が、該電路下で、チャンネルストッパとして機能する第2の不純物領域13に向けて、さらに、伸長しようとする。
【0026】
空乏層19の縁部(19a)の前記した全体的な拡張を規制しかつ該縁部(19a)のうちの電路18下に対応する部分の第2の不純物領域13へ向けての前記した伸長を好適に制御するために、抑制電極層20が例えば1000Åの厚さ寸法を有する導電性ポリシリコンで形成されている。
【0027】
抑制電極層20は、図2に明確に示されているように、ほぼ第2の不純物領域13を覆って環状に形成され、さらにその内縁20aが第2の不純物領域13を越えて第1の不純物領域12に向けて張り出す。抑制電極層20は、前記した空乏層19の伸びを規制すべく、図1に示す配線21を経て、第2の不純物領域13の電位すなわち半導体基板11の電位が付与されている。
【0028】
空乏層19の縁部19aは、従来よく知られているように、基板電位を付与された抑制電極層20の内縁20aに達すると、その拡張を抑制される。
また、空乏層19の電路18下での前記した伸長を好適に制御するために、抑制電極層20には、前記電路18に交差してこれを横切る方向に伸長しかつそれぞれが幅寸法sを有する複数のスリット22が相互に並列的に形成されている。図示の例では、各スリット22は、相互に相等しい間隔wをおいて配列されている。
【0029】
図2に示された電路18の伸長方向に沿う線I-Iに沿って得られた図1の断面図で明示されているように、抑制電極層20には、前記スリット22により、第2の不純物領域13上に位置する電極本体部分23aと、相互にスリット22の幅寸法に対応する間隔sをおいて第1の不純物領域12上へ向けて配列されかつそれぞれが幅寸法wを有する複数の電極細幅部23bとが、規定されている。
【0030】
抑制電極層20は、前記したとおり、配線21により、第2の不純物領域13に電気的に接続されており、これにより第2の不純物領域13の電位である半導体基板11の電位に保持されていることから、電極本体部分23aおよび各電極細幅部23bは、電路18下での空乏層19の伸長を規制する。また、電極本体部分23aおよび電極細幅部23bは、適正な間隔sをおいて、第2の不純物領域13から第1の不純物領域12に向けて電路18の伸長方向へ配列されていることから、従来よく知られているように、前記した逆方向電圧値の増大に伴って、空乏層19が電路18に沿って第2の不純物領域13に向けて伸長しようとするとき、この空乏層19の伸長が好適な制御を受ける。
【0031】
すなわち、前記した逆方向電圧の印加によって、図1に仮想線で示されているように、フィールドプレート17により規定される円形の空乏層19aが形成された後、さらに第1の不純物領域12および第2の不純物領域13間の前記逆方向電位が増大すると、空乏層19aでの電界集中による該空乏層でのブレークダウン前に、空乏層19aは、第1の不純物領域12に最も近接して配置された電極細幅部23bの外縁で規定される点a1に達する。点a1に達した空乏層19bは、電極細幅部23bにより、該細幅部の外縁で規定される点a1で、前記逆方向電圧の増大に拘わらず、その伸長を強く抑制される。
引き続いて前記逆方向電位が増大すると、さらに、空乏層19がブレークダウンを生じる前に、空乏層19は、さらに、スリット22を介して隣り合う外方の電極細幅部23bへの伸びを許される。以下、空乏層19は、前記したと同様な第2の不純物領域13側の各電極細幅部23bおよび電極本体部分23aにより、それぞれの縁部で規定される各点(a2〜a5)で、順次、段階的な伸長(19a〜19f)の規制を受け、最終的に第2の不純物領域13に達する。
【0032】
この空乏層19の段階的な伸長の制御により、空乏層19でのブレークダウン電圧値と、第1の不純物領域12および半導体基板11との間の接合耐圧値とがほぼ等しくなるように両者のバランスが図られ、これにより、半導体装置10の耐圧性の向上が図られる。
【0033】
前記したような空乏層19の伸長を好適に制御する抑制電極層20に関連して、図1に示されているように、本発明に係る半導体装置10には、空乏層19の第2の不純物領域13へ向けての伸長を促進する伸長促進手段24が設けられている。
【0034】
図1に示す具体例1では、伸長促進手段24は、電極本体部分23aおよび各電極細幅部23b間を満たす電気絶縁膜14の肉薄部14−1からなる。
電気絶縁膜14は、図の例では、半導体基板11上を覆う下層14aと、該下層上に形成された上層14bとの積層からなるが、上層14b上に形成された電路18には、電極本体部分23aおよび各電極細幅部23b間で半導体基板11へ向けて突出する突起部18aが設けられている。各突起部18aは、抑制電極層20に間隔をおいてその上面の近傍に伸びる。
【0035】
電路18の各突起部18aは、半導体基板11へ向けて突出することにより、電路18の非突起部分と半導体基板11との間を満たす電気絶縁膜14の厚さ寸法t1よりも小さな厚さ寸法t2を有する前記した肉薄部14−1を電極本体部分23aおよび各電極細幅部23b間に規定する。
【0036】
この肉薄部14−1の形成のために、半導体基板11上に形成された電気絶縁膜14の下層14a上に抑制電極層20を形成し、その後、抑制電極層20をほぼ均一な厚さ寸法で覆う上層14bを形成した後、上層14bのスリット22の位置にあたる部分に、例えばホトリソ・エッチング技術を用いてたとえば約0.5μmの深さのエッチング溝を形成する。このエッチング溝が形成された上層14b上に、従来よく知られた方法により電路18のための材料を堆積し、これにホトリソ・エッチング技術を施すことにより、前記エッチング溝に対応した部分に突起部18aを有する電路18を形成することができ、これにより前記した肉薄部14−1を形成することができる。
【0037】
各電極細幅部23b間に形成された肉薄部14−1では、非肉薄部に比較して、電路18と、電気絶縁膜14が形成される半導体基板11の表面との間の距離が減少することから、前記電路18に印加される電位に基づく静電効果により、スリット22の領域での空乏層19の伸びが促進される。そのため、空乏層19の伸びを促進させる肉薄部14−1を形成することにより、適正に空乏層19の伸びを促進させるためのスリット22の幅寸法sを例えば6μmから4μmに低減させることができ、これにより電極細幅部23b間の間隔sを従来よりも小さく設定することが可能となる。
【0038】
従って、伸長促進手段24が設けられた本発明に係る半導体装置10によれば、前記した耐圧性を損なうことなく、各スリット22の幅寸法sすなわち電極細幅部23b間あるいは該電極細幅部と電極本体部分23aとの間の間隔sの低減を図ることができ、これにより第1の不純物領域12と第2の不純物領域13との間の間隔をも小さく設定することが可能となり、半導体装置10のコンパクト化が達成される。
【0039】
〈具体例2〉
図3に示す具体例2では、伸長促進手段24は、抑制電極層20と同様な導電材料からなる伸長促進電極24aを備える。伸長促進電極24aは、抑制電極層20が配置された平面と同一平面である下層14a上で、電極細幅部23b間に、あるいは該電極細幅部23bと電極本体部分23aとの間に、抑制電極層20から電気的に絶縁されて、配置されている。また、伸長促進電極24aは、図3に示す例では、フィールドプレート17から伸びる電路24bを経て、第1の不純物領域12の電位が付与されている。
【0040】
第2の不純物領域13の電位を与えられる電極細幅部23b間あるいは該電極細幅部と電極本体部分23aとの間には、伸長促進電極24aが配置され、該促進電極には、空乏層19の伸びを抑制すべく第2の不純物領域13の電位が付与される抑制電極層20の電位と逆極性の電位である第1の不純物領域12の電位が付与される。
そのため、例えば電極細幅部23b間に配置された伸長促進電極24aは、両電極細幅部23b間あるいは該電極細幅部と電極本体部分23aとの間で、細幅部23bによる空乏層19の伸びを規制する作用とは逆の、空乏層19の伸長を促進させる作用をなす。
その結果、電極細幅部23b間および該電極細幅部と電極細幅部23bとの間に配置された伸長促進電極24aは、電極細幅部23b間および該電極細幅部と電極細幅部23bとの間の適正な間隔sを、例えば4μmから3μmに低減させることを可能とする。
【0041】
従って、伸長促進電極24aを備える伸長促進手段24によれば、具体例1におけると同様に、半導体装置10の耐圧性の低下を招くことなく、該半導体装置のコンパクト化が可能となる。
【0042】
伸長促進電極24aを浮遊電極とすることによっても、該伸長促進電極に前記した空乏層19の伸長を促進する作用を担わせることができる。しかしながら、抑制電極層20と同一平面上に配置される伸長促進電極24aでは、これに充分な前記した伸長促進作用を担わせる上で、第1の不純物領域12と同一電位を付与することが望ましい。
【0043】
〈具体例3〉
図4に示す具体例3では、伸長促進手段24は、具体例2におけると同様に、電気絶縁膜14内に埋設された伸長促進電極24aからなる。
伸長促進電極24aは、半導体基板11の前記表面上に形成された電気絶縁膜14の最下層となる第1の下層部分14a−1上に、具体例2に示した伸長促進電極24aと同様な導電性材料で、電路18の前記した伸長方向に相互に間隔をおいて並列的に形成されている。第1の下層部分14a−1上には、伸長促進電極24aを埋設する第2の下層部分14a−2が形成される。この第2の下層部分14a−2上には、抑制電極層20が、その電極細幅部23b間あるいは該細幅部および電極本体部分23a間に対応する領域に、前記伸長促進電極24aが位置するように、形成される。
【0044】
これにより、前記伸長促進電極24aは、電気絶縁膜14内で抑制電極層20と前記半導体基板11の前記表面との間の平面(14a−1)上の前記細幅部間に対応する領域に形成される。各伸長促進電極24aは、前記スリット22に沿って伸長する。
【0045】
図4に示す伸長促進手段24では、各伸長促進電極24aは第1の不純物領域12に接続されておらず、電気的に浮遊状態におかれている。しかしながら、伸長促進電極24aは、抑制電極層20が設けられた平面の下方にあり、従って、抑制電極層20よりも半導体基板11に近接して配置されていることから、具体例2に示した伸長促進電極24aよりも半導体基板11に近接して配置されている。また、図4に示すとおり、伸長促進電極24aの幅寸法をスリット22の幅寸法sよりも大きく設定することができる。
そのため、具体例3に示す伸長促進電極24aは、たとえ浮遊電極であっても、空乏層19の伸長促進作用に関して、具体例2に示した伸長促進電極24aとほぼ同等もしくはそれ以上の効果を発揮する。
【0046】
従って、具体例3の伸長促進電極24aによれば、電極細幅部23b間の間隔sあるいは電極細幅部23bと電極本体部分23aとの間隔sを例えば3μmから1μmに低減させることができ、これにより半導体装置10の一層のコンパクト化が可能となる。
【0047】
〈具体例4〉
図5は、伸長促進手段24が、電気絶縁膜14の誘電率よりも大きな誘電率を示す誘電体24aからなる。誘電体24aは、電気絶縁膜14内の電極細幅部23b間および該電極細幅部と電極本体部分23aとの間に埋設されている。
【0048】
誘電体24aは、電気絶縁膜14に比較して大きな誘電率を示す絶縁材料により、形成することができる。
この誘電体24aの形成のために、半導体基板11上の下層14aに形成された抑制電極層20を覆う上層14bの形成後、この電気絶縁膜14の上層14bのスリット22に対応する部分が、例えばホトリソ・エッチング技術を用いて1μmの深さで除去される。
この除去されたエッチング溝を電気絶縁膜14の下層14aおよび上層14bよりも誘電率の大きな誘電体材料(24a)で埋め込むべく、該誘電体材料が例えば1.5μmの厚さで成長される。
その後、例えば従来よく知られた化学的機械研磨(CMP)により、誘電体材料(24a)のうち、上層14b上の不要な誘電体材料が、例えば0.5μmの厚さ分、除去され、これにより、上層14b内の所定箇所に誘電体24aが形成される。
【0049】
誘電体24aが埋め込まれた電気絶縁膜14(下層14aおよび上層14b)上には、前記したと同様な電路18が形成される。この電路18下に位置する誘電体24aは、他の電気絶縁膜14の誘電率よりも大きな値を示すことから、静電効果上、電気絶縁膜14に比較して実質的に厚さ寸法の小さな部分として機能する。
このことから、誘電体24aは、具体例1に示した肉薄部14−1と同様に、該肉薄部に対応する誘電体24aを除く他の部分(14)に比較して、空乏層19の伸長を強く促進する機能を有する。
【0050】
従って、誘電体24aからなる伸長促進手段24を備える半導体装置10によれば、前記した各具体例1〜3におけると同様に、適正なスリット22の幅寸法sを例えば6μmから4μmの値に低減することが可能となり、これにより半導体装置10のコンパクト化を図ることができる。
【0051】
以下に示す具体例5および具体例6は、抑制電極層20の電極細幅部23bの配置、あるいは抑制電極層20に形成されるスリット22の形状を工夫することにより、半導体装置10の耐圧性の低下を招くことなくそのコンパクト化を図る例を示す。
【0052】
〈具体例5〉
図6は、抑制電極層20の前記した電極細幅部23bを第1の不純物領域12を取り巻くように、電気絶縁膜14内で全体的に環状に配列した例を示す。
半導体基板11を覆う電気絶縁膜14内に配置される抑制電極層20には、図示しないが前記したと同様な配線21により、半導体基板11の電位すなわち第2の不純物領域13の電位が付与されている。この抑制電極層20には、それぞれが幅寸法sを有するスリット22が、第1の不純物領域12を取り巻くように抑制電極層20の内縁20aに沿って、相互に間隔をおいて形成されている。
【0053】
内縁20aの直線縁部では、スリット22は、相互に相等しい間隔wをおいて図6で見て縦あるいは横方向に整列して形成されており、このスリット22の配列により、スリット22間には、複数の電極細幅部23bがその幅寸法wの方向をスリット22のそれに一致させて相互に並列的に配列されている。
【0054】
フィールドプレート17から伸長する電路18は、スリット22あるいは電極細幅部23bの伸長方向に沿って、フィールドプレート17の縁部から図6で見て横方向に伸長する第1の引き出し線部分18bと、該第1の引き出し線部分からこれと直角に、複数の電極細幅部23bの幅方向(w)に一致してこれらを横切るように伸長する第2の引き出し線部分18cと、該第2の引き出し線部分18cの先端からこれと直角にかつ第1の引き出し線部分18bに平行に伸長する第3の引き出し線部分18dとを備える。
【0055】
図6の具体例5に示す半導体装置110では、抑制電極層20が埋設された電気絶縁膜14上を伸長する電路18が、第1、第2および第3の引き出し線部分18b、18cおよび18dからなるクランク状を呈する。
従って、第1の不純物領域12および第2の不純物領域13間の前記逆方向電位の増大によって、空乏層19の伸長端(19aから19f)が電路18に沿って伸長するとき、空乏層19の第1の引き出し線部分18b下の伸長端が、第1の引き出し線部分18bと直角方向の第2の引き出し線部分18c下に至ると、変形部である第2の引き出し線部分18cに沿って案内され、さらに第3の引き出し線部分18dに至ると、この第3の引き出し線部分18dに沿って、その伸長が案内される。
【0056】
空乏層19の伸長端が第2の引き出し線部分18cすなわち変形部18c下に案内されると、この第2の引き出し線部分18c下には、該引き出し部分の伸長方向に相互に間隔sをおいて、所定の基板電位を付与される電極細幅部23bが形成されていることから、この電極細幅部23bの前記したと同様な伸長抑制作用により、空乏層19が適正にその伸長の制御を受ける。
【0057】
この空乏層19の伸長を制御する電極細幅部23bは、具体例5では、全体的に第1の不純物領域12を取り巻く周方向へ配列されている。
他方、具体例1に示した例では、電極細幅部23bが第1の不純物領域12から第2の不純物領域13へ向けての直線的に配列されている。そのため、必要とする電極細幅部23bの数が増大すると、両者12および13間の距離の増大を招いてしまう。
これに対し、具体例5によれば、前記したとおり、電極細幅部23bは、第1の不純物領域12から第2の不純物領域13へ向けての直線的に配列されることなく、全体的に第1の不純物領域12を取り巻く周方向へ配列されている。従って、電路18が必要数の電極細幅部23bを横切るように第2の引き出し線部分18cを設定しても、第1の不純物領域12から第2の不純物領域13へ向けての直線距離が増大することはない。
【0058】
このことから、第1の不純物領域12および第2の不純物領域13間の距離の増大を招くことなく、必要数の電極細幅部23bを確保することができることから、所望の耐圧性の低下を招くことなく半導体装置110のコンパクト化を達成することが可能となる。
【0059】
また、電路18の第3の引き出し線部分18dを図6で見た半導体装置110の縦方向および横方向のいずれの方向へも必要に応じて引き出すことができることから、配線の自由度が高まる。
【0060】
〈具体例6〉
図7に示す具体例6の半導体装置110では、抑制電極層20に形成されるスリット22の形状に工夫を与えることにより、必要とされるスリット22の幅寸法sの低減が図られる。
【0061】
図7に示す半導体装置110では、フィールドプレート17の縁部から第2の不純物領域13へ向けて伸長する電路18下で電気絶縁膜14内に埋設された抑制電極層20に形成されるスリット22は、電路18の幅方向に形成される中央部22aと、該中央部の両端からそれぞれ電路18の伸長方向へ向けて、該電路の側縁18eに関して角度θで鋭角的に電路18から伸び出す一対の伸長端22bとを備える。
【0062】
電路18下に沿って案内される空乏層19がスリット22に達すると、このスリット22に沿って、空乏層19の先端が案内される。このとき、具体例6では、スリット22の両端が空乏層19の伸長方向へ角度的に伸長していることから、空乏層19が効果的にスリット22の伸長端22bへ向けてその伸長を案内される。
【0063】
その結果、各スリット22間に規定される各電極細幅部23bでの空乏層19の伸長が規制された状態では、対応するスリット22の伸長端22bへの空乏層19の伸びが許されることから、このスリット22の伸長端22bへ向けて空乏層19の伸長分、該空乏層での電界の緩和を図ることができ、これにより各スリット22の実質的な幅寸法sの低減が可能となる。
【0064】
〈その他の例1〉
図8および図9は、フィールドプレート17に関連して、該フィールドプレートの縁部に対応する円形空乏層19の縁部での電界の緩和を防止する技術を開示する。
図8および図9に示された半導体装置120では、第1の不純物領域12および第2の不純物領域13が形成された半導体基板11には、下層14aおよび上層14bからなる電気絶縁膜14が形成されている。また、電気絶縁膜14の下層14a上に形成された抑制電極層20に関連して、2つの伸長促進電極24aが配置されている。
抑制電極層20には、前記したと同様に、半導体基板11の電位が付与されており、この基板電位が付与される電極本体部分23aに環状のスリット22により区画された電極細幅部23bが形成されている。この電極細幅部23bは、接続部20bを介して電極本体部分23aに接続されている。
【0065】
また、抑制電極層20が形成された下層14a上には、抑制電極層20と同一面上で、電極細幅部23bに同心的な環状の伸長促進電極24aが、対をなして、形成されている。
内方の環状伸長促進電極24aは、図8に示された線IX−IXに沿って得られた図9に明確に示されているように、フィールドプレート17の縁部下に配置されている。また、外方の環状伸長促進電極24aは、内方伸長促進電極24aと、環状電極細幅部23bとの間で、両者に間隔をおいて配置されている。両伸長促進電極24aは、浮遊電極である。
【0066】
両伸長促進電極24aは、空乏層19のフィールドプレート17の縁部での伸長を促進しかつ空乏層19を電路18下に沿って円滑に案内することにより、フィールドプレート17の縁部での空乏層19の電界の緩和を図る作用をなす。
このフィールドプレート17の縁部下の内方伸長促進電極24aの配置によるフィールドプレート17の縁部での電界緩和作用により、電気絶縁膜14の電路18下での厚さ寸法を例えば1.5μm以下の厚さ寸法とすることが可能となり、半導体装置120の薄型化が可能となる。
【0067】
〈その他の例2〉
図10および図11に示される半導体装置120は、フィールドプレート17を第1メタル層により形成すると共に、このフィールドプレート17にコンタクト18−2を介して接続される第2メタル層により、電路18を形成した例を示す。
第1の不純物領域12および第2の不純物領域13が形成された半導体基板11上には、例えば1μmの厚さ寸法を有する下層14a、例えば1μmの厚さ寸法を有する上層14bおよび例えば0.5μmの厚さ寸法を有する最上層14cからなる電気絶縁膜14が形成されている。
【0068】
抑制電極層20は、下層14a上に形成され、この抑制電極層20を覆って上層14bが形成されている。この上層14bおよびフィールドプレート17を覆って、最上層14cが形成されており、該最上層上に電路18が形成されている。
【0069】
図10および図11に示す半導体装置120によれば、電気絶縁膜14の厚さ寸法の増大により、耐圧特性の向上を図ることが可能となり、これにより抑制電極層20に単一の電極細幅部23bを設けることで、半導体装置120に必要な耐圧特性を得ることが可能となり、これにより、半導体装置120のコンパクト化を達成することが可能となる。
【0070】
前記したところでは、本発明に係る半導体装置として、ダイオードの例を示したが、本発明は、これに限らず、例えばMOSトランジスタ、その他の半導体素子に適宜採用することができる。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、前記したように、空乏層の伸びを抑制する抑制電極層の各細幅部間に、該抑制電極層を埋設する前記電気絶縁膜よりも空乏層の伸長を促進させる手段を配置することにより、該伸長促進手段および前記抑制電極層を含む電界緩和手段の電界緩和効果を損なうことなく、従って、前記した接合耐圧と空乏層のブレークダウン電圧とのバランスを崩すことなく、各細幅部間の間隔の低減を図ることができ、これにより、耐圧性を損なうことなく半導体装置のコンパクト化を達成することができる。
【0072】
また、本発明によれば、前記した抑制電極層の前記細幅部を前記第1の不純物領域を取り巻く周方向に配列することにより、両不純物領域間の寸法の増大を招くことなく、前記抑制電極層の多数の前記細幅部の配置が可能となることから、寸法の増大を招くことなく効果的な電界緩和が可能となり、これにより耐圧性を損なうことなく半導体装置のコンパクト化を達成することができる。
【0073】
さらに、本発明によれば、前記抑制電極層の前記細幅部間のスリットに、前記第1の不純物領域から伸びる前記電路の伸長方向へ向けて該電路の側縁に関して鋭角的に該電路から伸び出す伸長端を形成することにより、空乏層の伸長を伸長端の伸長方向へ案内することができ、空乏層でのブレークダウンを効果的に抑制することができることから、各スリットの幅寸法すなわち前記細幅部間の間隔の低減が可能となり、これにより耐圧性を損なうことなく半導体装置のコンパクト化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体装置の具体例1を示す断面図である。
【図2】具体例1の半導体装置を部分的に示す平面図である。
【図3】本発明に係る半導体装置の具体例2を示す断面図である。
【図4】本発明に係る半導体装置の具体例3を示す断面図である。
【図5】本発明に係る半導体装置の具体例4を示す断面図である。
【図6】本発明に係る半導体装置の具体例5を示す平面図である。
【図7】本発明に係る半導体装置の具体例6を示す平面図である。
【図8】本発明に係る半導体装置の他の例を示す平面図である。
【図9】図8に示す半導体装置の断面図である。
【図10】本発明に係る半導体装置のさらに他の例を示す平面図である。
【図11】図10に示す半導体装置の断面図である。
【符号の説明】
10 半導体装置
11 半導体基板
12 第1の不純物領域
13 第2の不純物領域
14 電気絶縁膜
18 電路
19(19a、19b…) 空乏層
20 抑制電極層
22 スリット
22b スリットの伸長端
23b 電極細幅部
24 伸長促進手段
24a 伸長促進電極、誘電体
Claims (10)
- p型またはn型のいずれか一方の導電型を示す半導体基板と、p型またはn型の他方の導電型を示し、前記半導体基板の表面に設けられた電気絶縁膜上に伸びる電路を経て前記半導体基板との間に逆方向電位が印加される第1の不純物領域と、該第1の不純物領域から前記電路下を該電路に沿って伸長しようとする空乏層の伸びを規制すべく、前記第1の不純物領域から間隔をおいて前記半導体基板の表面に形成され前記一方の導電型を示しかつ前記半導体基板の不純物濃度よりも高い不純物濃度を有する第2の不純物領域と、該第2の不純物領域に向けての前記空乏層の伸長を抑制すべく、前記電気絶縁膜中で前記電路の伸長方向へ相互に間隔をおいて配置されかつ前記半導体基板とほぼ同電位におかれる複数の細幅部を備える抑制電極層とを含み、該抑制電極層の前記細幅部間には、前記空乏層の前記第2の不純物領域への伸長を促進させる伸長促進手段が設けられていることを特徴とする半導体装置。
- 前記伸長促進手段は、前記細幅部間で、前記半導体基板上の前記電気絶縁膜上に伸びる前記電路に設けられた前記基板へ向けて突出する突起部と前記半導体基板の前記表面との間で規定される前記電気絶縁膜の肉薄部である請求項1記載の半導体装置。
- 前記伸長促進手段は、前記抑制電極層の前記細幅部間に対応する領域に配置された伸長促進電極を備える請求項2記載の半導体装置。
- 前記伸長促進手段は、前記電気絶縁膜の誘電率よりも大きな誘電率を示す誘電体からなる請求項2記載の半導体装置。
- 前記伸長促進電極は、前記抑制電極層と同一面上で該抑制電極層の前記各細幅部から間隔をおいて配置されている請求項3記載の半導体装置。
- 前記伸長促進電極は、前記電気絶縁膜内で前記抑制電極層と前記半導体基板の前記表面との間の平面上の前記細幅部間に対応する領域に配置されている請求項3記載の半導体装置。
- 前記伸長促進電極は、電気的に浮遊状態におかれている請求項3記載の半導体装置。
- 前記伸長促進電極は、前記第1の不純物領域の電位とほぼ等しい電位におかれる請求項3記載の半導体装置。
- p型またはn型のいずれか一方の導電型を示す半導体基板と、p型またはn型の他方の導電型を示し、前記半導体基板の表面に設けられた電気絶縁膜上に伸びる電路を経て前記半導体基板との間に逆方向電位が印加される第1の不純物領域と、該第1の不純物領域から前記電路下を該電路に沿って伸長しようとする空乏層の伸びを規制すべく、前記第1の不純物領域から間隔をおいて前記半導体基板の表面に形成され前記一方の導電型を示しかつ前記半導体基板の不純物濃度よりも高い不純物濃度を有する第2の不純物領域と、該第2の不純物領域に向けての前記空乏層の伸長を抑制すべく、前記電気絶縁膜中で前記電路の伸長方向へ相互に間隔をおいて配置されかつ前記半導体基板とほぼ同電位におかれる複数の細幅部を備える抑制電極層とを含み、該抑制電極層の前記細幅部間には、前記第1の不純物領域から伸びる前記電路の伸長方向へ向けて該電路の側縁に関して鋭角的に該電路から伸び出して前記空乏層の前記第2の不純物領域への伸長を促進させる伸長端を有する伸長促進用スリットが規定されている半導体装置。
- 前記スリットは、その両端に前記した伸長端を有する請求項11に記載の半導体装置。
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