JP3774527B2 - 画像記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は交換可能な複数個の印字ヘッドユニットを有する画像記録装置に関し、特に、複数ユニット間のノズル配列方向のずれを補正可能に構成した画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタやファクシミリなどの記録装置は、印字データに基づいてヘッドの記録素子を駆動するとともに、被記録材を搬送(副走査)しながらドットパターンから成る画像を形成していくように構成されている。また、記録方式としては、1ライン分の記録素子を配列した記録ヘッドにより搬送(副走査)のみで記録していくライン記録方式と、1行ずつ搬送し、キャリッジに搭載した記録ヘッドで被記録材の幅方向(主走査方向)に走査しながら記録するシリアル記録方式とがある。
【0003】
さらにカラー印字用のものにあっては、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー等のインク色に応じ複数個の記録ヘッドが装着される。このような記録装置は、一般に記録ヘッドおよびヘッド駆動回路等を含む記録ヘッド部をユニット化し、ユニット毎に交換可能に構成されている。しかし、シリアルプリンタ装置においては、各色ヘッド間のメカ的なバラツキあるいはヘッドユニット交換後のメカ的なずれにより、各色を重ねた時のドットずれを生じるため、各ヘッド間のメカ的なずれを極力小さくするように調整しなければならず、正確な調整は困難であった。
【0004】
特開昭61−222746号公報には、ラインプリンタ装置においてこのような問題点を解決するための手法が記載されている。特開昭61−222746号公報に記載された手法は、ホストコンピュータから送られてくる印字データを任意長のシフトレジスタに入れ、このシフトレジスタの任意のシフト出力ラインをセレクトし、ラッチすることにより各色ヘッドユニット間の横レジの調整を行うものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例は、ラインプリンタ装置におけるヘッドユニット間の横レジの調整に関するものであったが、複数個のヘッドユニットを備えたシリアルプリンタ装置においても同様の問題が有り、図9(A),(B)に示すような複数個のヘッドユニットA,B間の縦方向(ノズル配列方向)のずれを調整するために印字データを補正する必要がある。さらに、近年は印字解像度が高くなる傾向にあって、1ドットのドット径が小さくなっており、わずかなメカ的なずれが画像上では多くのドットずれとして現れるので画像品位の低下の要因となっている。
【0006】
そこで、従来のシリアルプリンタにおいては、図10に示すように例えば128ノズル印字するために(128+n)ノズルのヘッドユニットA,Bを用いて両ヘッドユニットA,B間のノズル配列方向のずれ量に対してnノズル相当分以内で補正を行い、128ノズルによる印字を可能としていた。しかしながら、1ノズルのドット径が小さくなるにつれて、補正のための前記nの値を大きくしなければならず、ノズル数の多い長尺ヘッドには適していない。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、複数個のヘッドユニット間のノズル配列方向のずれを補正することでドットずれのない高品位の画像を得ることのできる画像記録装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の画像記録装置は、所定方向に配列されたM個のノズルで構成されるノズル列をそれぞれ有する第1の記録ヘッドと第2の記録ヘッドについて前記第1の記録ヘッドに対して前記第2の記録ヘッドが前記所定方向にNノズル分ずれており、前記第1の記録ヘッドと第2の記録ヘッドを被記録材に対して走査させて記録する画像記録装置であって、前記ノズル列に対応したデータをLビット単位で保持するメモリ手段と、前記メモリ手段について前記所定方向に沿った連続するアドレスから2×Lビット分のデータを保持する第1保持手段と、前記第1保持手段で保持されている2×Lビット分のデータを入力し、前記メモリ手段が保持するLビット単位のデータの境界と各走査の記録で使用するデータの境界との差分に基づいてシフトした後、Lビット分のデータを出力する第1シフト出力手段と、前記第1シフト出力手段が出力するLビット分のデータを順に入力し、前記M個のノズルに対応するMビットデータを保持する第2保持手段と、前記第2保持手段で保持されている前記Mビットデータを前記所定方向のNノズル分のずれに応じてシフトして出力する第2シフト出力手段と、前記第2シフト出力手段が出力した前記Mビットデータを前記第2の記録ヘッドへ転送する転送手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
図1は本発明を実施するのに好適なシリアルプリンタの制御系のブロック図である。
【0021】
111は、プリンタ駆動部112の制御等を行うMPUである。104は、MPU111が実行するプログラムを格納しておくROMである。101は、ホストコンピュータ等からのデータを受信するインターフェイス(I/F)である。受信したデータはDRAM等のメモリ102の記憶領域内の受信バッファ(不図示)に格納される。受信バッファに格納されたデータはコマンド解析が行われてからDRAM等のメモリ102(以下、DRAM102とも記す)の記憶領域内のイメージバッファ(不図示)に保持される。
【0022】
103は、インターフェイス制御や画像変換、本実施の形態における印字データ処理、印字データの転送、印字タイミングの制御等を行うASICである。ASIC103内部の106は、イメージバッファに保持されているデータに対して、解像度変換や主走査方向(キャリッジ走査方向)順次のデータを主走査方向とほぼ垂直な副走査方向(搬送方向)順次のデータに変換するHV変換等を行う画像変換回路である。ASIC103内部の印字データ処理回路107は、HV変換後のデータに対するマスク処理や複数のヘッドユニット間の縦方向(記録素子であるノズルの配列方向)のずれを補正する印字データ処理を行う。
【0023】
ASIC103内部の108は、記録ヘッド110を駆動する駆動信号を発生したり、各ヘッド間の駆動タイミングのディレイ等の設定を行う印字タイミング制御回路である。ASIC103内部の109は、印字データ処理が行われた実際に印字(記録)するデータを記録ヘッド110へ転送する印字データ転送回路である。このようにして、記録ヘッド110は、印字データ転送回路109から転送される印字データ及び印字タイミング制御回路108から与えられる駆動信号によって、所定のタイミングで印字を行う。
【0024】
本実施の形態においては、ほぼ副走査方向に128ノズルを配列された複数のヘッドユニットから成る記録ヘッドを有するシリアルプリンタについて説明を行う。
【0025】
図2は本実施の形態における印字データ処理回路の詳細ブロック図である。
【0026】
201a,201b,201cはレジスタであり、記録ヘッドの上端のマスク値、下端のマスク値、データシフト量に応じた値を設定する。ここで、上端は搬送方向の上流側の端部、下端は搬送方向の下流側の端部とする。202aはラッチであり、DRAM102から読み出したデータDATA[15..0]をラッチする。202bはラッチであり、ラッチ202aからのデータをラッチする。ラッチ202aと202bで、16ビット幅のシフトレジスタを構成している。203はビットシフト回路であり、ラッチ202aの出力である現在の最新データとラッチ202bの出力である前に読み出したデータからレジスタ201cに設定された値だけデータをシフトする。ビットシフト回路203では、この設定値により0〜15ビットのシフトが可能であり、これにより任意に使用ノズルを変化させることができる。
【0027】
204は16ビット×8個のデータラッチであり、ビットシフト回路203によるビットシフト後のデータを8本のラッチ信号DTLT[7..0]によって16ビット単位でラッチする。したがって、データラッチ204の出力データは記録ヘッドの記録幅分の128ビットになる。205はマスクパターン発生回路であり、レジスタ201a,201bに設定された値に応じて128ノズル分のマスクパターンを発生する。
【0028】
206はマスク回路であり、データラッチ204にラッチされたデータに対してマスクパターン発生回路205で生成したマスクパターンによってデータをマスクする。207はシフトクロック発生回路であり、ずれ補正のためにシフトレジスタ208に供給するシフトクロックをヘッドユニットのずれ量に応じて生成する。208はシフトレジスタであり、これにより、マスク回路206でマスク処理をしたデータに対してヘッドユニット間のノズル配列方向のずれを補正する。
【0029】
本実施の形態では、上記のような構成によって、それぞれのノズル配列方向と略垂直方向に並置された複数個のヘッドユニット間の縦方向(ノズル配列方向)のドットずれを補正すると共に、記録パス数に応じて任意に使用ノズルを変化させて印字を行うことを実現している。
【0030】
以下にデータの流れに沿って、本実施の形態を説明する。まず、ホストコンピュータから送られた入力データをインターフェイス101を介して受信し、受信したデータはDRAM等のメモリ102の記憶領域内の受信バッファに格納する。受信バッファに格納されたデータは、コマンド解析が行われてからDRAM等のメモリ102の記憶領域内のイメージバッファに保持される。
【0031】
ここで、イメージバッファに格納されたデータは主走査方向順次のデータであるため、イメージバッファに記録ヘッドの記録幅分のラスタデータ(主走査方向順次のラインデータ)が格納されたところで、画像変換回路106によって副走査方向順次のデータに変換(HV変換)され、変換後のデータをイメージバッファに書き戻す。このようにして、記録ヘッドの1走査分に相当する量の印字データが格納された後、イメージバッファから記録ヘッドの各記録素子に対応した印字データを読み出し、印字データ処理を行う。
【0032】
ところで、それぞれのノズル配列方向と略垂直方向に並置された複数個(ここでは2個とする)のヘッドユニットを有するシリアルプリンタにおいては、図9に示したとおりヘッドユニット間にノズル配列方向のずれが生じる。図9(A)と(B)では、それぞれ2ドット分逆方向にずれている。図9(A)または(B)の場合、ユニットAで印字したドットとユニットBで印字したドットが重なるようにするためには、どちらかのユニットを基準としてもう一方のユニットのデータを補正しなければならない。
【0033】
例えば図9(A)の場合は、ユニットBを基準としてユニットAのデータを2ドット分補正しなければならない。すなわち、ユニットBの上端を基準としてノズル下端方向にユニットAのデータを2ドット分シフトさせる。なお、図9(B)の場合は、ユニットAの上端を基準としてユニットBのデータを同方向に2ドット分シフトさせるて補正する。以下、図9(A)の場合について説明する。
【0034】
このヘッドユニット間のノズル配列方向の2ドット分のずれのために、2パス印字時においては128ノズルのうち最大126ノズルを使用し、4パス印字時においては最大124ノズルを使用して印字を行う。このとき、例えば2パス印字時においては、図3(A)に示すように1行印字毎に63ノズル相当を搬送してマルチパス印字を行い、4パス印字時においては図3(B)に示すように1行印字毎に31ノズル相当を搬送してマルチパス印字を行う。
【0035】
図4は、126ノズルを使用して2パス印字を行った時のDRAM上のデータと記録ヘッドの各ノズルとの対応を表す説明図である。記録ヘッド上の実線は16ノズル単位の区切りを、破線はDRAM上のデータの区切り(16ビット単位)を表している。
【0036】
図4に示すように126(=2×63)ノズルを使用して2パス印字を行う場合、搬送量は前記のとおり63ノズル相当となる。しかし、DRAMのバス幅は16ビットであるため、63ノズル搬送して2パス印字すると両者が整数比の関係に無いので各スキャンの境界がDRAM上のデータの境界と異なる場合がある。たとえば、2回目のスキャンでは1ドット、3回目のスキャンでは2ドット、4回目のスキャンでは3ドット相当異なる。そこで、後に図7を参照して説明するとおりDRAMから16ビットのデータを2回読み出して、ビットシフト設定レジスタ201cに設定された値に基づいてビットシフト回路203によってデータをシフトすることで、記録ヘッドの上端から8分割した各16ノズルに対応したデータを順次生成し、このデータにより印字を行う。
【0037】
図2においては、DRAMから読み出した16ビットのデータはラッチクロックLTCLK信号によってラッチ202aに順次ラッチされていくが、ラッチ202aと202bは16ビット幅のシフトレジスタを構成しているので、1つ前のラッチクロックLTCLK信号によってラッチ202aにラッチしたデータはラッチ202bにラッチされる。つまり、ラッチ202aにラッチされているデータがn番目に読み出したデータとすると、ラッチ202bにラッチされているデータは(n−1)番目に読み出したデータとなる。これらのデータからビットシフト回路203によってシフトしたデータは、16ビット単位で順次データラッチ204にラッチされる。
【0038】
以上のように、データをDRAMから読み出してデータラッチ204にラッチするまでのタイミングを図5に示す。
【0039】
システムクロックSYSCLK(図5(A))に同期してDRAMから読み出したデータDATA[15..0](図5(B))をラッチクロックLTCLK信号(図5(C))によってラッチ202aにラッチすると同時に、ラッチ202aにラッチされていたデータをラッチ202bにラッチする。DRAMから2回データを読み出したところでビットシフトしたデータSFTDAT[15..0](図5(D))が生成され、ラッチ信号DTLT7によってデータラッチ204の上端16ビットにラッチされる。ラッチクロックLTCLK信号およびラッチ信号DTLTは、システムクロックSYSCLKと同期している。
【0040】
以後、同様にDRAMからデータを読み出す毎にビットシフトしたデータSFTDAT[15..0](図5(D))が生成され、ラッチ信号DTLT6,…,DTLT1,DTLT0(図5(E)〜(H))によってデータラッチ204に16ビット単位で順次ラッチされる。128ノズル分のデータを生成するためにはDRAMから16ビットのデータを9回読み出すことになる。
【0041】
ここで、記録ヘッドの記録幅分の128ビットのデータを生成したが、使用するデータは上端から126ビットのデータであるため、下端の2ビットのデータをマスクする必要がある。
【0042】
そこで、上端マスク設定レジスタ201a及び下端マスク設定レジスタ201bに設定されている値に基づいてマスクパターン発生回路205によりマスクパターンを生成し、マスク回路206により下端の2ビットのデータをマスクする。ここまでの処理で実際に印字する126ビットのデータが生成されたので、次に実際のヘッドユニット間のノズル配列方向のずれを補正する。
【0043】
図9(A)のヘッドユニット間の位置関係においては、ユニットBを基準としているので生成したデータのMSBがユニットAの記録ヘッド上端から3ノズル目の位置に対応するようにすればよい。そこで、シフトクロック発生回路207で生成したシフトクロックによってシフトレジスタ208でデータを2ドット分シフトすることによってヘッドユニット間のノズル配列方向のずれを補正する。ユニットBは基準であるため、このデータに対してシフトクロックを発生しないのでデータはシフトしない。
【0044】
図9(A)のような2ドットのずれに対しては、以上のような印字データ処理によりヘッドユニット間のノズル配列方向の物理的なずれを補正し、ドットずれのない高精細な画像を得ることができる。ずれ量が異なる場合には、シフトクロック発生回路207のシフトクロックによるシフト量を可変する。また、本実施の形態においては記録ヘッドの最上端のノズルから使用するようにしたが、ビットシフト回路203のシフト量の設定と、16ビット単位でデータをラッチするデータラッチ204のラッチの設定により記録ヘッドの任意の位置のノズルにデータを対応させて印字することが可能である。例えば、図6のように記録パス数に応じて任意に使用ノズル数をたとえば126ノズルに変化させて印字を行うことによってドットずれのない高品位の画像を得ることができる。
【0045】
(第2の実施の形態)
上記実施の形態においては、複数のヘッドユニット間のノズル配列方向のずれに対してずれ量を補正すると共に、ずれ量と記録パス数に応じて使用ノズル数を変化させて印字する方法について述べた。さらに、本実施の形態においては、上記実施の形態の構成から成るシリアルプリンタに対して小規模の回路を追加することによって複数の記録ヘッドユニット間のノズル配列方向のずれを補正した上で紙などの被記録材の下端印字を行う制御について述べる。
【0046】
図7は、本実施の形態における印字データ処理回路の詳細ブロック図である。
【0047】
701a,701b,701cはレジスタであり、記録ヘッドの上端のマスク値、下端のマスク値、データシフト量に応じた値を設定する。702aはラッチであり、DRAM102から読み出したデータDATA[15..0]をラッチする。702bはラッチであり、ラッチ702aからのデータをラッチする。ラッチ702aと702bで、16ビット幅のシフトレジスタを構成している。703はビットシフト回路であり、ラッチ702aの出力である現在の最新データとラッチ702bの出力である前に読み出したデータからレジスタ701cに設定された値だけデータをシフトする。ビットシフト回路703では、この設定値により0〜15ビットのシフトが可能であり、これにより任意に使用ノズルを変化させることができる。
【0048】
704は16ビット×8個のデータラッチであり、ビットシフト回路703によるビットシフト後のデータを8本のラッチ信号DTLT[7..0]によって16ビット単位でラッチする。したがって、データラッチ704の出力データは記録ヘッドの記録幅分の128ビットになる。705はマスクパターン発生回路であり、レジスタ701a,701bに設定された値に応じて128ノズル分のマスクパターンを発生する。
【0049】
706はマスク回路であり、データラッチ704にラッチされたデータに対してマスクパターン発生回路705で生成したマスクパターンによってデータをマスクする。707はシフトクロック発生回路であり、ずれ補正のためにシフトレジスタ708と709に供給するシフトクロックをずれ量に応じて生成する。708はシフトレジスタであり、これにより、マスク回路706でマスク処理をしたデータに対してヘッドユット間のノズル配列方向のずれを補正する。709はシフトレジスタであり、これにより、シフトレジスタ707と逆方向にデータをシフトする。710はセレクタであり、シフトレジスタ708の出力データとシフトレジスタ709の出力データを選択的に切り替え出力する。
【0050】
上記実施の形態と同様に図9(A)に示したずれがある場合について考えると、下端印字を行う場合、ユニットAの下端を基準としてノズル上端方向にユニットBのデータを2ドット分シフトすることによってずれ量を補正しなければならない。
【0051】
ここで、図8は下端印字時の印字データ処理を表した図である。例えば、印字画像のDRAM上の$00a0h番地から$00aah番地に格納されているデータのうち斜線のついたドットが有効印字データを表しているとする。印字画像の最下端に相当する$00aah番地に格納されている16ビットデータのうち下位のLSBから2ビット目までは無効であるから、下端印字を行うためにはこのLSBから3ビット目のデータが記録ヘッドの最下端のノズルに対応するように補正しなければならない。
【0052】
そこで、図8においてはビットシフト設定レジスタ701cに読み出したデータを14ビットシフトするように値を設定する。上記で述べたのと同様に、読み出し先頭アドレスを$00a0h番地としてDRAMから2回データを読み出してビットシフトしたデータSFTDAT[15..0]を生成し、ラッチ信号DTLT4によってデータラッチ704にラッチする。その後、DRAMからデータを読み出す毎にビットシフトしたデータSFTDAT[15..0]を生成し、ラッチ信号DTLT3,…DTLT0によって順次データラッチ704に16ビット単位でラッチする。
【0053】
ここで、有効印字データ(図8において斜線のついたドット)は記録ヘッドの各ノズルに対応した位置に格納されたが、その他のノズルのデータ(図8において、白ぬきのドット80)はどのような値かわからないので、マスクする必要がある。そこで、上端マスク設定レジスタ701a及び下端マスク設定レジスタ701bに無効なデータをマスクするようにマスクする数を設定し、その値に基づいてマスクパターン発生回路705によりマスクパターンを生成する。マスク回路706は有効印字データが格納されているノズル以外のデータをマスクする。
【0054】
ここまでの処理で実際に印字するノズルのデータが生成されたので、次に実際のヘッドユニット間のノズル配列方向のずれを補正する。図9(A)のヘッドユニット間の位置関係においては、ユニットAを基準としているのでユニットBの記録ヘッド下端から3ノズル目の位置に生成したデータのLSBが対応するようにすればよい。そこで、シフトクロック発生回路707で生成したシフトクロックによって、被記録材の印字箇所に応じた所定の方向に適宜データをシフトすることによってヘッドユニット間のノズル配列方向のずれを補正する。
【0055】
シフトレジスタ708は、図2のシフトレジスタ208と同様データのMSBからLSBの方向(記録ヘッドの上端から下端の方向)へデータをシフトし、通常印字時(被記録材の下端付近以外の箇所の印字)は、セレクタ710によりシフトレジスタ708のデータを選択出力して印字データ転送回路109にデータを出力する。また、シフトレジスタ709はLSBからMSBの方向(記録ヘッドの下端から上端の方向)へデータをシフトするように構成されており、被記録材の下端位置で印字するときには、セレクタ710によりシフトレジスタ709のデータを選択出力して印字データ転送回路109にデータを出力する。
【0056】
以上のような印字処理により複数のヘッドユニット間のノズル配列方向のずれに対してずれ量を補正すると共に、紙などの被記録材の下端印字を行う制御を実現している。したがって、紙などの被記録材の印字領域を最大限広くとることが可能となり、紙などの被記録材の下端においてもドットずれのない高品位の画像を提供することができる。
【0057】
(その他)
なお、本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が達成できるからである。
【0058】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書,同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書,同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0059】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書,米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基いた構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録を確実に効率よく行うことができるようになるからである。
【0060】
さらに、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのような記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0061】
加えて、上例のようなシリアルタイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0062】
また、本発明の記録装置の構成として、記録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるので、好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げることができる。
【0063】
また、搭載される記録ヘッドの種類ないし個数についても、例えば単色のインクに対応して1個のみが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数のインクに対応して複数個数設けられるものであってもよい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるかいずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0064】
さらに加えて、以上説明した本発明実施例においては、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もしくは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよい。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合のインクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0065】
さらに加えて、本発明インクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、記録ヘッドのノズル配列方向のずれに応じて、データの補正処理を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するのに好適なシリアルプリンタの制御系のブロック図である。
【図2】第1の実施の形態における印字データ処理回路の詳細ブロック図である。
【図3】第1の実施の形態における2パス印字、4パス印字時の記録ヘッドの使い方を表す説明図である。
【図4】第1の実施の形態において2パス印字を行った時のDRAM上のデータと記録ヘッドの各ノズルとの対応を表す説明図である。
【図5】DRAMからデータを読み出してデータラッチ204にラッチするまでのタイミングを表すタイミングチャートである。
【図6】第1の実施の形態におけるヘッドユニット間のずれ補正方法を表す説明図である。
【図7】第2の実施の形態における印字データ処理回路の詳細ブロック図である。
【図8】第2の実施の形態における下端印字時のデータ処理を表した説明図である。
【図9】複数のヘッドユニット間の位置関係を表す図である。
【図10】従来例におけるヘッドユニット間のずれ補正方法を表す説明図である。
【符号の説明】
101 インターフェイス
102 メモリ
103 ASIC
104 ROM
105 インターフェイス制御部
106 画像変換回路
107 印字データ処理回路
108 印字タイミング制御回路
109 印字データ転送回路
110 記録ヘッド
111 MPU
112 プリンタ駆動部
201a,201b,201c,701a,701b,701c レジスタ
202a,202b,702a,702b ラッチ
203,703 ビットシフト回路
204,704 ラッチ
205,705 マスクパターン発生回路
206,706 マスク回路
207,707 シフトクロック発生回路
208,708,709 シフトレジスタ
710 セレクタ
Claims (8)
- 所定方向に配列されたM個のノズルで構成されるノズル列をそれぞれ有する第1の記録ヘッドと第2の記録ヘッドについて前記第1の記録ヘッドに対して前記第2の記録ヘッドが前記所定方向にNノズル分ずれており、前記第1の記録ヘッドと第2の記録ヘッドを被記録材に対して走査させて記録する画像記録装置であって、
前記ノズル列に対応したデータをLビット単位で保持するメモリ手段と、
前記メモリ手段について前記所定方向に沿った連続するアドレスから2×Lビット分のデータを保持する第1保持手段と、
前記第1保持手段で保持されている2×Lビット分のデータを入力し、前記メモリ手段が保持するLビット単位のデータの境界と各走査の記録で使用するデータの境界との差分に基づいてシフトした後、Lビット分のデータを出力する第1シフト出力手段と、
前記第1シフト出力手段が出力するLビット分のデータを順に入力し、前記M個のノズルに対応するMビットデータを保持する第2保持手段と、
前記第2保持手段で保持されている前記Mビットデータを前記所定方向のNノズル分のずれに応じてシフトして出力する第2シフト出力手段と、
前記第2シフト出力手段が出力した前記Mビットデータを前記第2の記録ヘッドへ転送する転送手段とを備えたことを特徴とする画像記録装置。 - 前記第2シフト出力手段は、前記Mビットデータを前記被記録材の搬送方向の下流側に向けてシフトするシフト出力手段と、前記搬送方向の上流側に向けてシフトするシフト出力手段とを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記第1の記録ヘッドと前記第2の記録ヘッドによりマルチパス記録を行う場合、前記Mビットデータのうち有効データをパス数に応じて抽出するデータ抽出手段を更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像記録装置。
- 前記第1シフト出力手段がシフトする量を設定するシフト数設定手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記Nノズル分のずれに応じて前記Mビットデータの一部をマスクするマスク手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記第1保持手段は、前記メモリ手段からLビット単位でデータを読み出すことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記第1保持手段のLビット単位の読出しと、第1シフト出力手段のLビットデータの出力を、同じクロック信号に基づいて行うことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 前記ノズル列に対応したデータは、主走査方向順次のラインデータを副走査方向順次に変換したデータであることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
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