JP3770015B2 - 筒内直噴式圧縮着火機関 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒内直噴式圧縮着火機関に係り、特に運転条件が低負荷時または高回転速度時の燃焼特性を改善した筒内直噴式圧縮自己着火機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の圧縮着火式機関としては、たとえば特開平7−332141号公報に示されている第1従来技術がある。
【0003】
この第1従来技術では、吸気ポートに燃料を噴射するエンジンにおいて、圧縮比を高めることによって圧縮上死点付近のシリンダ内温度・圧力を高め、圧縮自着火燃焼を実現したものである。これによって火花点火ガソリンエンジンを上回る稀薄燃焼限界と低燃費を得ている。
【0004】
また、特開平11−72039号公報、特開平11−72038号公報に示される第2従来技術が知られている。この第2従来技術によれば、一部の燃料の噴射を圧縮行程後半で行い、圧縮上死点までにこの燃料の改質または燃焼予反応を促進し、その後に残部の燃料を噴射することにより、低負荷時の燃焼安定限界を拡大しようとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1従来技術は、単に圧縮比を高めることにより圧縮着火燃焼を実現しようとしたもので、理論空燃比近傍の混合気で火花点火を行う全負荷運転時ではノッキング発生に伴う点火進角限界が遅角し、通常の圧縮比の火花点火ガソリンエンジンに比べ、大幅にトルクが低下するという問題点があった。
【0006】
また、第2従来技術においては、ガソリンのようなセタン価の低い燃料では、圧縮比を大幅に高めるか、吸気を加圧、加熱するような手段を講じない場合、燃料の改質・予反応が十分に進まず、稀薄燃焼限界が限られ、十分な燃費向上を図れないという問題点があった。
【0007】
特に、機関低負荷時には空気過剰率大により、予反応が起こりづらくなり、機関高回転速度時には、予反応開始から圧縮上死点までの実時間が短縮されるため、十分な予反応が行われず、燃焼不安定となり易く、運転可能領域の制限により、十分な燃費向上を図れないことが考えられる。
【0008】
以上の問題点に鑑み本発明の課題は、全負荷火花点火時のトルク低下を抑制するとともに、圧縮自己着火運転の低負荷時及び高回転速度時に燃料の改質及び予反応を確実に起こさせて低負荷時及び高回転速度時の安定燃焼限界を拡大して十分な燃費向上を図った筒内直噴式圧縮着火機関を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、筒内に直接燃料噴射を行う少なくとも1本の燃料噴射弁と点火栓とを備えた筒内直噴式圧縮着火機関において、少なくとも圧縮自己着火運転の低負荷時に排気弁閉時期を進角するとともに吸気弁開時期を遅角して排気上死点を含む前後の期間に燃焼室密閉期間を有するバルブタイミングを設定するバルブタイミング制御手段と、運転条件が前記低負荷時に、ピストン冠面またはピストンクレビス部のいずれかに噴射燃料の一部が前記以外の運転条件時より多く付着または滞留するように前記燃料噴射弁からの燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段と、を備えたことを要旨とする。
【0010】
上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、筒内に直接燃料噴射を行う少なくとも1本の燃料噴射弁と点火栓とを備えた筒内直噴式圧縮着火機関において、少なくとも圧縮自己着火運転の高回転速度時に排気弁閉時期を進角するとともに吸気弁開時期を遅角して排気上死点を含む前後の期間に燃焼室密閉期間を有するバルブタイミングを設定するバルブタイミング制御手段と、運転条件が前記高回転速度時に、ピストン冠面またはピストンクレビス部のいずれかに噴射燃料の一部が前記以外の運転条件時より多く付着または滞留するように前記燃料噴射弁からの燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段と、を備えたことを要旨とする。
【0011】
上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の筒内直噴式圧縮着火機関において、前記燃料噴射制御手段は、前記燃料噴射弁に供給する燃料圧力を制御することにより前記ピストンへの燃料付着または滞留を制御することを要旨とする。
【0012】
上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、請求項1または請求項2記載の筒内直噴式圧縮着火機関において、前記燃料噴射制御手段は、燃料噴射時期の遅角化または進角化により前記ピストンへの燃料付着または滞留を制御することを要旨とする。
【0013】
上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の筒内直噴式圧縮着火機関において、前記燃料噴射弁からの燃料噴射を少なくとも2回以上にわけて行い、そのうち1回は圧縮行程後半から膨張行程前半の期間に噴射することを要旨とする。
【0014】
上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の筒内直噴式圧縮着火機関において、運転条件に応じて、圧縮着火燃焼と火花点火燃焼を切り換え、火花点火燃焼時は排気弁閉時期および吸気弁開時期を概ね排気上死点付近とすることを要旨とする。
【0015】
上記課題を解決するため、請求項7記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の筒内直噴式圧縮着火機関において、圧縮着火燃焼時のある一定以上の負荷において、排気弁閉時期および吸気弁開時期を概ね排気上死点付近とすることを要旨とする。
【0016】
〔作用〕
上記構成によれば、燃料が希薄となるので高い改質率が必要となる一定以下の低負荷時、または燃料の改質時間が不足する一定以上の高回転速度時に、燃料噴射弁に供給する燃料圧力を他の運転条件時より低下させる。これにより、圧縮行程中に噴射される燃料噴霧の微粒化及び燃料噴霧内への空気の導入の程度が低くなり、比較的大きい燃料粒が噴射され、ピストン冠面への燃料の付着が多くなる。
【0017】
圧縮上死点付近では、1サイクル前の圧縮行程で噴射された燃料が十分改質されているので、圧縮時の高温高圧で圧縮着火燃焼を起こす。圧縮行程中に噴射されピストン冠面に多く付着した燃料の一部は、膨張行程で燃焼せずピストン冠面付近に未燃焼燃料として残留する。続く排気行程の前半では主に燃焼室上部やシリンダ中央付近の既燃ガスが排出され、ピストン冠面付近の未燃ガスは排出される前に排気弁が閉じられる。一部の既燃ガスとともに燃焼室に密閉された未燃ガスは、密閉期間中の圧縮による高温・高圧のために十分に改質され、燃焼の予反応が起きる。またこの高温のために、ピストン冠面に付着している燃料は蒸発し未燃ガスに加わえられ、一部は改質される。
【0018】
この密閉期間中の圧縮仕事は吸気弁が開かれるまでの吸気行程前半の膨張仕事により回収される。吸気行程後半で筒内圧力がほぼ大気圧に戻った時点で、吸気弁が開かれ新気が筒内に吸入される。次いで圧縮行程に移り、圧縮行程中の燃料噴射が行われるサイクルを繰り返す。
【0019】
こうして一定以下の低負荷時、または一定以上の高回転速度時に、燃料改質の度合いを他の運転条件時より進めて、安定した圧縮着火燃焼を起こさせることができるので、全負荷火花点火燃焼時のトルクを低下させることなく、圧縮着火燃焼運転領域を拡大し、十分な燃費低減を図ることができる。
【0020】
また本発明によれば、燃料が希薄となるので高い改質率が必要となる一定以下の低負荷時、または燃料の改質時間が不足する一定以上の高回転速度時に、燃料噴射弁に供給する燃料圧力を他の運転条件時より低下させるとともに燃料噴射弁から燃料を噴射する燃料噴射時期を他の運転条件時より遅角化させる。
【0021】
これにより、燃料圧力が低下するとともに、遅角化により圧縮行程が進むので燃焼噴射弁前面の圧力が高まるので相対的な燃料圧力をさらに低下させ、ピストン冠面への燃料の付着が他の運転条件時より多くなる。
【0022】
この燃料圧力低下と噴射時期の遅角化との併用は、燃料噴射弁の噴口の指向する方向とシリンダ軸の方向との成す角度が小さいときに、燃料噴射時の燃料噴射弁先端部とピストン冠面との距離が短くなるので、特に有効である。
【0023】
また本発明によれば、燃料が希薄となるので高い改質率が必要となる一定以下の低負荷時、または燃料の改質時間が不足する一定以上の高回転速度時に、燃料噴射弁から燃料を噴射する燃料噴射時期を他の運転条件時より進角化させる。
【0024】
これにより、特に燃料噴射弁の噴口の指向する方向とシリンダ軸の方向との成す角度が比較的大きいとき、噴射時期の進角化による噴射時の筒内圧力が低下するので、これに比例して空気抵抗が低下するため燃料噴霧の飛距離が大きくなり、ピストンクレビス部に付着する燃料の量が他の運転条件時より多くなる。
【0025】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、筒内に直接燃料噴射を行う少なくとも1本の燃料噴射弁と点火栓とを備えた筒内直噴式圧縮着火機関において、少なくとも圧縮自己着火運転の低負荷時に排気弁閉時期を進角するとともに吸気弁開時期を遅角して排気上死点を含む前後の期間に燃焼室密閉期間を有するバルブタイミングを設定するバルブタイミング制御手段と、運転条件が前記低負荷時に、ピストン冠面またはピストンクレビス部のいずれかに噴射燃料の一部が前記以外の運転条件時より多く付着または滞留するように前記燃料噴射弁からの燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段とを備えたことにより、圧縮自己着火運転の低負荷時にピストン冠面またはピストンクレビス部に付着または滞留した燃料は、前記燃焼室密閉期間中の高温高圧に曝されて気化し、さら燃料改質または燃焼予反応が十分起こり、空燃比が大きい運転領域でも確実に圧縮自己着火燃焼が生じ、圧縮自己着火運転の低負荷時の安定燃焼限界を拡大して十分な燃費向上を図ることができるという効果がある。
【0026】
請求項2記載の発明によれば、筒内に直接燃料噴射を行う少なくとも1本の燃料噴射弁と点火栓とを備えた筒内直噴式圧縮着火機関において、少なくとも圧縮自己着火運転の高回転速度時に排気弁閉時期を進角するとともに吸気弁開時期を遅角して排気上死点を含む前後の期間に燃焼室密閉期間を有するバルブタイミングを設定するバルブタイミング制御手段と、運転条件が前記高回転速度時に、ピストン冠面またはピストンクレビス部のいずれかに噴射燃料の一部が前記以外の運転条件時より多く付着または滞留するように前記燃料噴射弁からの燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段とを備えたことにより、圧縮自己着火運転の高回転速度時にピストン冠面またはピストンクレビス部に付着または滞留した燃料は、前記燃焼室密閉期間中の高温高圧に曝されて気化し、さら燃料改質または燃焼予反応が生じる時間的余裕が確保され、圧縮自己着火運転の機関回転速度が高い運転領域でも確実に圧縮自己着火燃焼が生じ、高回転速度時の安定燃焼限界を拡大して十分な燃費向上を図ることができるという効果がある。
【0027】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の発明の効果に加えて、前記燃料噴射制御手段は、前記燃料噴射弁に供給する燃料圧力を制御することにより前記ピストンへの燃料付着または滞留を制御するようにしたので、燃料圧力の制御のみでピストンへの燃料付着量を制御することができるという効果がある。
【0028】
請求項4記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の発明の効果に加えて、前記燃料噴射制御手段は、燃料噴射時期の遅角化または進角化により前記ピストンへの燃料付着または滞留を制御するようにしたので、燃料噴射時期の制御のみで安定燃焼限界を拡大した筒内直噴式圧縮着火機関を提供することができるという効果がある。
【0029】
請求項5記載の発明によれば、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、前記燃料噴射弁からの燃料噴射を少なくとも2回以上にわけて行い、そのうち1回は圧縮行程後半から膨張行程前半の期間に噴射するようにしたので、高負荷時または低回転速度時における過剰な燃料改質を避けつつ、安定燃焼限界を拡大した筒内直噴式圧縮着火機関を提供することができるという効果がある。
【0030】
請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の発明の効果に加えて、運転条件に応じて、圧縮着火燃焼と火花点火燃焼を切り換え、火花点火燃焼時は排気弁閉時期および吸気弁開時期を概ね排気上死点付近とするようにしたので、高負荷時の高出力と低負荷時の低燃費とを両立させることができるという効果がある。
【0031】
請求項7記載の発明によれば、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の発明の効果に加えて、圧縮着火燃焼時のある一定以上の負荷において、排気弁閉時期および吸気弁開時期を概ね排気上死点付近とするようにしたので、中負荷時から低負荷時まで安定燃焼限界を拡大した筒内直噴式圧縮着火機関を提供することができるという効果がある。
【0032】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0033】
図1は本発明に係る筒内直噴式圧縮着火機関の第1の実施形態を示すシステム構成図である。
【0034】
図1において、燃焼室1は、シリンダヘッド2とシリンダ3とピストン4により形成されている。燃焼室1と吸気ポート5との間を開閉する吸気弁6は、吸気カム7により駆動される。燃焼室1と排気ポート8との間を開閉する排気弁9は、排気カム10により駆動される。
【0035】
吸気カム7と排気カム10とは、バルブタイミング可変機構13により、例えばカムプロフィールを切替可能となっており、排気上死点直前で吸気弁が開くとともに排気上死点直後に排気弁が閉じる通常のバルブタイミングと、排気上死点前に排気弁が閉じるとともに排気上死点後に吸気弁が開くことにより排気上死点付近で燃焼室の密閉期間(慣用的にマイナスオーバーラップと呼ばれ、以下、マイナスO/Lと略す)を有するマイナスO/Lバルブタイミングとが切替可能となっている。
【0036】
燃焼室1の略頂部には、点火栓11と燃料噴射弁12とが設けられ、燃焼室1の内部へ燃料噴射弁12から直接燃料を噴射することができるとともに、火花点火燃焼時には、点火栓11から火花放電することにより混合気へ点火することができるようになっている。燃料噴射弁12は、噴口の指向する方向と、シリンダ軸方向との成す角度が比較的小さい燃料噴射弁である。
【0037】
また、機関の各種状態を検出するセンサとして、クランク角センサ21、アクセル開度センサ22、吸気量センサ23、水温センサ24、油温センサ25が設けられ、これら各種センサの検出信号は、エンジンコントロールユニット(以下、ECUと略す)30へ入力されている。
【0038】
ECU30は、クランク角センサ21及びアクセル開度センサ22により与えられるエンジン回転速度及びエンジン負荷に基づいて運転条件を判定する運転条件判定部31と、運転条件判定部31の指示に基づいてバルブタイミング可変機構13にバルブタイミングを切り換えさせるバルブタイミング制御部32と、運転条件判定部31の指示に基づいて燃料噴射弁12からの燃料噴射態様を切り替えてピストン冠面またはピストンクレビス部に付着または滞留する燃料量を制御する燃料噴射制御部33とを備えている。
【0039】
運転条件判定部31は、例えば図10(a)に示すような運転条件判定マップを備え、エンジン回転速度及びエンジン負荷に基づいて、火花点火運転領域、通常バルブタイミングの圧縮着火運転領域、排気上死点付近で吸排気弁が共に閉状態の燃焼室の密閉期間付圧縮着火運転領域を判定する。
【0040】
図10は、第1実施形態における燃焼形態を示す運転領域マップであり、火花点火運転領域、通常のバルブタイミングによる圧縮着火運転領域、及び圧縮上死点付近で吸排気弁が共に閉じた密閉期間を有するバルブタイミングによる圧縮自己着火運転領域が設けられている。
【0041】
図10(a)に示すように、一定以上の高回転領域および高負荷領域では、排気弁閉時期及び吸気弁開時期が共に排気TDC付近に設定された通常のバルブタイミングを選択するとともに、火花点火燃焼を行う。
【0042】
中回転速度以下の中負荷領域では、上記通常のバルブタイミングによる圧縮自己着火運転を行い、中回転以下の低負荷領域では、排気上死点付近で排気弁及び吸気弁が共に閉じた密閉期間(マイナスオーバラップ、以下マイナスO/Lと略す)を有するバルブタイミングによる圧縮自己着火運転を行う。
【0043】
そして、図10(b)に示すように、密閉期間付圧縮自己着火運転領域においては、例えばBB’線に示すようにエンジン負荷が小さい場合に、ピストン冠面またはピストンクレビス部に付着又は滞留する燃料量が多くなるように燃料噴射する。
【0044】
また、図10(c)に示すように、密閉期間付圧縮自己着火運転領域においては、例えばAA’線に示すようにエンジン回転速度が高い場合に、ピストン冠面またはピストンクレビス部に付着又は滞留する燃料量が多くなるように燃料噴射する。
【0045】
図1の運転条件判定部31は、エンジン回転速度及びエンジン負荷の判定結果に応じて、火花点火運転領域または通常バルブタイミングの圧縮着火運転領域の場合には、通常バルブタイミングを選択するようにバルブタイミング制御部32に指示し、密閉期間付圧縮着火運転領域の場合には密閉期間付バルブタイミングを選択するようにバルブタイミング制御部32に指示する。
【0046】
バルブタイミング制御部32は、バルブタイミング可変機構13に対し、例えば吸気カム7及び排気カム10のカムプロフィールの切替を指示することにより、通常バルブタイミングまたは密閉期間付バルブタイミングを実現させる。
【0047】
図5は、(d)、(e)は、本実施形態におけるバルブタイミングを示す図である。通常のバルブタイミングでは、排気上死点(排気TDC)前に吸気弁が開き、排気TDC後に排気弁が閉じるバルブオーバラップ動作を行って、吸排気効率を高めている。
【0048】
一方、マイナスO/Lを有するバルブタイミングでは、排気TDC前に排気弁を閉じて、排気TDC後に吸気弁を開く、マイナスO/L動作を行う。
【0049】
これにより、通常のバルブタイミングによるPV線図は図5(b)となり、マイナスO/L動作時のPV線図は、図5(c)となる。
【0050】
燃料噴射制御部33は、運転条件判定部31の指示に従って、燃料噴射態様を切り替えて、ピストン冠面またはピストンクレビス部に付着または滞留する燃料量を制御するものであり、燃料ポンプ14の吐出圧力を制御する燃料圧力制御部34と、燃料噴射弁12から燃料噴射する時期を制御する燃料噴射時期制御部35とを備えている。
【0051】
すなわち燃料噴射制御部33は、火花点火燃焼時には、燃料噴射時期を吸気行程として均質混合気を形成するように、通常のバルブタイミング時の圧縮着火燃焼時には、ピストン冠面またはピストンクレビス部に付着または滞留する燃料が少なくなるように、密閉期間付圧縮着火燃焼時には、ピストン冠面またはピストンクレビス部に付着または滞留する燃料量を機関負荷及び回転速度に応じて変化させるように、燃料ポンプ14の吐出圧力即ち燃料圧力、及び燃料噴射弁12からの燃料噴射時期を制御するものである。
【0052】
図3は、第1実施形態における燃料噴射の形態を示すものであり、図3(a)は、低負荷時の燃料噴射形態を示し、図3(b)は通常時の燃料噴射形態を示すものである。
【0053】
密閉期間付圧縮着火燃焼運転の低負荷時には、図3(a)に示すように、燃料圧力低下による粒径粗大に伴って、霧化の悪化および大粒径液滴の貫徹力増加による付着量増大、または燃料噴射時期の遅角により噴射弁〜冠面間距離が短くなることで、冠面に衝突する噴霧量が増加することによる付着量大となるように燃料噴射弁12から燃料噴射する。
【0054】
通常の圧縮着火時には、図3(b)に示すように、燃料圧力または(および)燃料噴射時期を通常として、燃料のピストン冠面4aへの付着量が少なくなるように燃料噴射弁12から燃料噴射する。
【0055】
次に、図6の筒内状態模式図に基づいて、第1実施形態における部分負荷時のある定められたエンジン負荷・回転速度時の圧縮着火燃焼におけるエンジンの作動を説明する。
【0056】
圧縮着火燃焼の低負荷時には、運転条件判定部31からバルブタイミング制御部32を介してバルブタイミング可変機構13を作動させることにより、排気弁閉時期(EVC)を進角し、吸気弁開時期(IVO)を遅角して、排気上死点付近に燃焼室の密閉期間(マイナスO/L)を設けるようバルブタイミングを選択する。
【0057】
図6(a)に示す排気行程前半では、通常のエンジンと同じくシリンダの排気ガスは排気弁9から排気ポート8へと排出される。図6(b)に示す排気行程後半では、排気弁9を閉じて高温の排気ガスを閉じ込め、再度圧縮を行い、筒内に高温、高圧の状態を形成する。ここで、前サイクルの圧縮行程にピストン4の冠面に積極的に燃料が付着するように燃料噴射を行うため、噴射した燃料の一部が燃焼せずにピストン冠面付近に未燃燃料18aとして残留する。
【0058】
この排気行程前半には、主に燃焼室上部やシリンダ中央付近の排気ガスが排出されるため、ピストン冠面付近に付着または滞留したガソリンは排気行程前半には排出されず、筒内に残留し、排気弁閉後の再圧縮により、高温高圧ガス中で、気化し、さらに燃焼の予反応が起こり反応性の高い組成に改質される。
【0059】
吸気行程前半では吸気弁6及び排気弁9を閉じた状態のまま、改質された燃料を含む混合気を大気圧近くまで膨張させ、排気行程後半の圧縮仕事を回収することができるので、排気上死点付近に密閉期間を設けたことによるポンピングロスは無くなる。次いで、図6(c)に示す吸気行程後半に吸気弁6を開き、新気を吸気ポート5から燃焼室内へ吸入する。
【0060】
図6(d)に示す圧縮行程では改質された燃料を含む混合気と新気が混合された状態で圧縮され、圧縮行程後半にて燃料噴射弁12から負荷に応じた燃料噴射を行う。そして改質された燃料を基にした予反応が圧縮とともに生じ、圧縮上死点付近において圧縮着火燃焼が起こる。
【0061】
このとき、燃料噴射時期を遅角化して圧縮上死点に近く噴射するか、燃料噴射弁12に供給する燃料圧力を通常の圧縮着火時または、火花点火時よりも低く設定する。これにより、燃料噴射弁12に供給される燃料圧力と燃料噴射弁前面の圧力との差が小さくなり、燃料噴射弁12から噴射される燃料噴霧16aの霧滴が大きくなるので、ピストン冠面付近に付着し滞留する燃料18の量は多くなる。
【0062】
この結果、シリンダ内に高温の排気ガスを閉じ込め、圧縮された少量の燃料の改質効果により、圧縮比を高めることなく、低負荷・高回転領域における安定した圧縮着火燃焼を実現できる。
【0063】
ここで、密閉期間中に燃料噴射を行うことで、上記と同様な燃料改質効果が得られることが考えられるが、密閉期間中の燃料噴射量が噴射が多くなると、当該期間中に燃料の一部が燃焼し、十分な燃費の向上が図れないことが考えられる。また、密閉期間中に微量の燃料を噴射するようにした場合、燃料噴射弁のダイナミックレンジを考えると、全負荷時の燃料噴射量と密閉期間中の微量噴射を両立することが難しい。このため、圧縮行程中での燃料噴射によって、密閉期間中に改質させる燃料を筒内に保持する方法は有効である。
【0064】
機関負荷がある程度以上高い場合は、密閉期間を設けて燃料改質を行わなくても、通常の圧縮行程によって、十分な予反応が起こり、自己着火燃焼が可能になる。負荷が高い場合、筒内の平均空燃比が濃くなるため、燃料のピストン冠面やピストンクレビスへの付着が要因で、スモークが排出されることが懸念される。また、高負荷時に密閉期間に燃料の改質を行った場合、改質された燃料によって、予反応が過剰に促進されることで急激な燃焼が引き起こされ、ノッキング状態になることが懸念される。
【0065】
したがって、機関負荷がある一定以上となった場合、バルブタイミングを、排気上死点付近で、排気弁が閉じ、吸気弁が開くような通常のバルブタイミングに変更するとともに、燃料噴射時期を進角するか燃料圧力を高めることによって、ピストンへの付着量を低減するように燃料噴射を制御する。
【0066】
また、図10に示すように、一定以上の高回転領域および高負荷領域では、通常のバルブタイミングを選択するとともに、火花点火燃焼を行う。その場合の筒内状態を図9に示す。ここでは、燃料噴射時期を吸気行程とし、均質混合気を形成して、圧縮上死点近傍にて火花点火燃焼を行うよう図示してある。
【0067】
図2は、本発明に係る筒内直噴式圧縮着火機関の第2の実施形態を示すシステム構成図である。図1に示した第1実施形態との相違は、燃料噴射弁15の噴口の指向する方向とシリンダ軸方向との成す角度が比較的大きく設定されていることと、燃料噴射制御部37が燃料圧力制御部34を備えず、運転条件に応じて燃料ポンプの吐出圧力、即ち燃料噴射弁15に供給される燃料圧力を制御することなく、常に一定の燃料圧力が供給されていることである。その他の構成は、第1実施形態において説明した図1の構成と同じである。このため、本実施形態の燃料噴射制御部37による燃料噴射態様の制御は、燃料噴射時期制御部35の制御に依存している。
【0068】
図4(a)は、本発明における第2の実施形態の低負荷時の燃料噴射の形態を表わすもので、図8に示す通常バルブタイミングでの圧縮着火燃焼時における燃料噴射(図4(b))に対し、圧縮行程における燃料噴射時期を進角してピストンクレビス部4b付近に燃料を多く付着または滞留させるようにしたものである。
【0069】
図4(b)に示すように、通常バルブタイミングでの圧縮行程噴射時は、ピストン冠面に設けた突起4cにより噴射された燃料がピストンクレビス部4bへ到達するのを防ぎ、未燃HCやスモークの排出を抑制する。この際、燃料噴射圧力を高く設定することで、ピストンに燃料液膜を生じさせないようにしてもよい。
【0070】
次に、図7の筒内状態模式図に基づいて、第2実施形態における部分負荷時のある定められたエンジン負荷・回転速度時の圧縮着火燃焼におけるエンジンの作動を説明する。
【0071】
まず、運転領域判定部の判定により第1実施形態と同様に排気上死点付近に密閉期間を有するようマイナスO/Lのバルブタイミングを選択する。
【0072】
図7(a)に示す排気行程前半では、通常のエンジンと同じくシリンダの排気ガスは排気弁9から排気ポート8へと排出される。図7(b)に示す排気行程後半では、排気弁9を閉じて高温の排気ガスを閉じ込め、再度圧縮を行い、筒内に高温、高圧の状態を形成する。ここで、前サイクルの圧縮行程にピストンクレビス部に積極的に燃料が付着するように燃料噴射を行うため、噴射した燃料の一部が燃焼せずにピストンクレビス部付近に未燃燃料19aとして残留する。
【0073】
この排気行程前半には、主に燃焼室上部やシリンダ中央付近の排気ガスが排出されるため、ピストンクレビス部付近に付着または滞留したガソリンは排気行程前半には排出されず、筒内に残留し、排気弁閉後の再圧縮により、高温高圧ガス中で、気化し、さらに燃焼の予反応が起こり反応性の高い組成に改質される。
【0074】
吸気行程前半では吸気弁6及び排気弁9を閉じた状態のまま、改質された燃料を含む混合気を大気圧近くまで膨張させ、排気行程後半の圧縮仕事を回収することができるので、排気上死点付近に密閉期間を設けたことによるポンピングロスは無くなる。次いで、図7(c)に示す吸気行程後半に吸気弁6を開き、新気を吸気ポート5から燃焼室内へ吸入する。
【0075】
図7(d)に示す圧縮行程において、噴射燃料がピストン冠面の突起に衝突せず、シリンダボア方向へ飛翔するよう燃料噴射時期を進角化して設定する。
【0076】
このようにしてピストンクレビス部へ飛翔した燃料の一部は、壁面で火炎がクエンチされるため、燃焼することなく密閉期間に筒内に残留し、高温の残留ガスとともに再圧縮されることになり、燃料改質が行われる。したがって、圧縮比を高めることなく、低負荷・高回転領域における安定した圧縮着火燃焼を実現できる。
【0077】
なお、一度の燃料噴射によって、上述した密閉期間中の滞留燃料を生成する必要はなく、滞留する燃料量を精度良くコントロールするため、2度以上に分けて燃料噴射を行い、燃料を滞留させるための圧縮行程後半の噴射と、吸気行程中や圧縮行程の早い時期にも燃料噴射を行ってもよい。
【0078】
この場合、負荷の制御と密閉期間中の残留燃料量の制御を独立させるために、密閉期間中の残留燃料量の制御のため、膨張行程前半に燃料を噴射させ、ピストン冠面やピストンクレビス部に燃料を付着・滞留させてもよい。
【0079】
以上説明したように、本発明によれば、排気弁閉時期(EVC)を進角し、吸気弁開時期(IVO)を遅角して、EVC〜TDC間の圧縮仕事をTDC〜IVO間に回収するようバルブタイミングを設定し、排気上死点付近に密閉期間を設け、ピストン冠面またはピストンクレビス部のいずれかに噴射燃料の一部が付着または滞留するよう燃料噴射を行い、前記密閉期間中に燃焼室内に存在する高温高圧ガスによって活性化される燃料を確保することで、圧縮比を高めることなく、すなわち全負荷運転時のトルクを低下させることなく、低負荷または高回転領域における安定した圧縮着火燃焼を実現することで、エンジンの燃費を向上することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る筒内直噴式圧縮着火機関の第1実施形態の構成を説明するシステム構成図である。
【図2】本発明に係る筒内直噴式圧縮着火機関の第2実施形態の構成を説明するシステム構成図である。
【図3】第1実施形態における圧縮着火燃焼時の燃料噴射形態を説明する模式図である。
【図4】第2実施形態における圧縮着火燃焼時の燃料噴射形態を説明する模式図である。
【図5】実施形態におけるバルブタイミングを説明する図である。
【図6】第1実施形態における低負荷時の筒内状態説明図である。
【図7】第2実施形態における低負荷時の筒内状態説明図である。
【図8】第1および第2実施形態における通常圧縮着火時の筒内状態説明図である。
【図9】第1および第2実施形態における高負荷火花点火燃焼時の筒内状態説明図である。
【図10】本発明における火花点火運転領域、通常バルブタイミング圧縮着火運転領域、密閉期間(マイナスO/L)付圧縮着火運転領域をエンジン負荷−エンジン回転速度マップ上に表示した図である。
【符号の説明】
1 燃焼室
2 シリンダヘッド
3 シリンダ
4 ピストン
5 吸気ポート
6 吸気弁
7 吸気カム
8 排気ポート
9 排気弁
10 排気カム
11 点火栓
12、15 燃料噴射弁
13 バルブタイミング可変機構
14 燃料ポンプ
21 クランク角センサ
22 アクセル開度センサ
23 吸気量センサ
24 水温センサ
25 油温センサ
30 エンジンコントロールユニット(ECU)
31 運転条件判定部
32 バルブタイミング制御部
33 燃料噴射制御部
34 燃料圧力制御部
35 燃料噴射時期制御部
Claims (7)
- 筒内に直接燃料噴射を行う少なくとも1本の燃料噴射弁と点火栓とを備えた筒内直噴式圧縮着火機関において、
少なくとも圧縮自己着火運転の低負荷時に排気弁閉時期を進角するとともに吸気弁開時期を遅角して排気上死点を含む前後の期間に燃焼室密閉期間を有するバルブタイミングを設定するバルブタイミング制御手段と、
運転条件が前記低負荷時に、ピストン冠面またはピストンクレビス部のいずれかに噴射燃料の一部が前記以外の運転条件時より多く付着または滞留するように前記燃料噴射弁からの燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段と、
を備えたことを特徴とする筒内直噴式圧縮着火機関。 - 筒内に直接燃料噴射を行う少なくとも1本の燃料噴射弁と点火栓とを備えた筒内直噴式圧縮着火機関において、
少なくとも圧縮自己着火運転の高回転速度時に排気弁閉時期を進角するとともに吸気弁開時期を遅角して排気上死点を含む前後の期間に燃焼室密閉期間を有するバルブタイミングを設定するバルブタイミング制御手段と、
運転条件が前記高回転速度時に、ピストン冠面またはピストンクレビス部のいずれかに噴射燃料の一部が前記以外の運転条件時より多く付着または滞留するように前記燃料噴射弁からの燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段と、
を備えたことを特徴とする筒内直噴式圧縮着火機関。 - 前記燃料噴射制御手段は、
前記燃料噴射弁に供給する燃料圧力を制御することにより前記ピストンへの燃料付着または滞留を制御することを特徴とする請求項1または請求項2記載の筒内直噴式圧縮着火機関。 - 前記燃料噴射制御手段は、
燃料噴射時期の遅角化または進角化により前記ピストンへの燃料付着または滞留を制御することを特徴とする請求項1または請求項2記載の筒内直噴式圧縮着火機関。 - 前記燃料噴射弁からの燃料噴射を少なくとも2回以上にわけて行い、そのうち1回は圧縮行程後半から膨張行程前半の期間に噴射することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の筒内直噴式圧縮着火機関。
- 運転条件に応じて、圧縮着火燃焼と火花点火燃焼を切り換え、火花点火燃焼時は排気弁閉時期および吸気弁開時期を概ね排気上死点付近とすることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の筒内直噴式圧縮着火機関。
- 圧縮着火燃焼時のある一定以上の負荷において、排気弁閉時期および吸気弁開時期を概ね排気上死点付近とすることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の筒内直噴式圧縮着火機関。
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