JP3763380B2 - 作物栽培用被覆フィルム及びその使用方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は作物の栽培におけるハウスやトンネル栽培に使用される作物栽培用被覆フィルム及びその使用方法に関し、更に詳しくは保温および光透過を調節し 得、トンネルまたはハウスの周年栽培に適した作物栽培用被覆フィルム及びその使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、野菜、果実作物、花卉等の作物栽培に、透明な合成樹脂製フィルムを張設したトンネル栽培、ハウス栽培が広く普及されている。
【0003】
これらの作物栽培用のトンネルあるいはハウスは、気温の低い冬場は保温を行うと共に太陽光が弱いために可及的に太陽光を入射させて作物に照射するようにすることが必要となる。
【0004】
しかし、トンネルあるいはハウスを閉鎖して保温を行うと、トンネルあるいはハウス内部の水分によって湿度が上昇してその湿分が被覆フィルムの内面に水滴となって付着する。このため、太陽光が水滴によって乱反射し、トンネルあるいはハウスに照射された太陽光がトンネルあるいはハウス外に散逸して入射光が低減し、特に直射日光が作物に照射しなくなる問題がある。
【0005】
このため、被覆フィルムの内側面に防曇性を付与して水滴を広げて水膜とすることによって水滴による乱反射を防止し、直射日光を透過させることが行われている。
【0006】
一方、太陽光線が強くなる春期(4月〜5月)以降になると栽培作物に直射日光が当たると温度が過度に上昇し、作物に障害が生じるため、直射日光の照射は好ましくなく、防曇処理された被覆フィルムを用いたトンネルあるいはハウスで栽培するときは、春期以降になると葉や果実に焼け等の高温障害が発生する問題があった。
【0007】
また、さらに晴天日には栽培用のトンネルあるいはハウス内の温度を制御するためにトンネルあるいはハウスのサイド、天井部あるいは連棟ハウスの谷部を開放して換気が行われる。換気を行なうと、湿気が抜けるために被覆フィルム面の水滴が消失する。このため、被覆フィルムを通して直射日光が入光して温度が上昇し、換気を行ってもトンネルあるいはハウス内の気温はしばしば30℃を越え40℃近くになって高温障害が発生する問題があった。 このため、従来、春期以降、特に夏期になると寒冷紗等を掛けて作物を覆うことが行われている。しかし、寒冷紗を張設することは手数を要し、コストアップとなり、また、光不足が生じるため作物の栽培上の障害となっている。
【0008】
本発明者は、かかる課題を解決するために、透明樹脂フィルム層の片面に、屈折率1.37〜1.63、平均粒径1.0〜20μmの無機粉体が分散した透明樹脂からなる無機粉体含有フィルム層が積層され、無機粉体含有フィルム層側の表面が平均粗さRa=0.1〜5.0μmの梨地面とされると共に防曇性が付与されてなる作物栽培用被覆フィルムによって、太陽光の透過の仕方を調節することが可能で、太陽光の強い夏場においても日覆いを必要としない能率的な作物の栽培を可能とすることを見出し、本発明に至ったものである。
【0009】
なお、従来、樹脂層に無機フィラーを含有させて、フィルムの両面を梨地にすることは行われているが、このフィルムでは、いずれの面をハウスの外面にして被覆しても、冬季のような太陽光を必要とするときに、例えハウス内面が塗れて水膜が形成されても外面は梨地のままであるから、太陽光は散乱し、光量不足を生じる欠点がある。更に外面が凹凸構造のため、微細な土埃や有機物が付着し堆積しやすく大幅な光量不足を引き起こす。
【0010】
また従来、無機物の屈折率を樹脂の屈折率に類似させて、樹脂の透明性を維持使用とすることもおこなわれているが(特開昭55−151043号公報参照)、透明性を付与されたフィルムを冬季に使用するには都合良いが、これを夏場まで使用とすると、太陽光の入射が強すぎて、作物栽培に不都合である。このため冬場と夏場に別々の特性のフィルムを使用していたが、それではコスト高とな る。
【0011】
そこで、周年栽培でも同一のフィルムでハウス栽培ができる栽培フィルムの開発が望まれており、これを実現したのが本発明のフィルムである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、太陽光の透過の仕方を調節することが可能で、太陽光の強い夏場においても日覆いを必要としない能率的な作物の栽培を可能とする作物栽培用被覆フィルムを提供するものである。
【0013】
また本発明の他の課題は、トンネルまたはハウスの周年栽培に適した作物栽培用被覆フィルムの使用方法を提供することにある。
【0014】
本発明の他の課題は以下の記載によって明らかになる。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために鋭意検討した結果なされたものであって、請求項1に記載の発明は、透明樹脂フィルム層の片面に、屈折率1.37〜1.63、平均粒径1.0〜20μmの無機粉体が分散した透明樹脂からなる無機粉体含有フィルム層が積層され、無機粉体含有フィルム層側の表面が平均粗さRa=0.1〜5.0μmの梨地面とされると共に防曇性が付与されてなることを特徴とする作物栽培用被覆フィルムである。
【0016】
請求項2に記載の発明は、透明樹脂フィルム層の透明樹脂と無機粉体含有樹脂フィルム層の透明樹脂が共にポリオレフイン樹脂からなり、無機粉体の屈折率が1.41〜1.59の範囲であり、無機粉体含有フィルム層側の表面が平均粗さRa=0.1〜3.0μmの梨地面とされることを特徴とする請求項1記載の作物栽培用被覆フィルムである。
【0017】
請求項3に記載の発明は、無機粉体含有フィルム層側の表面が平均粗さRa=0.1〜1.0μmの梨地面とされることを特徴とする請求項2に記載の作物栽培用被覆フィルムである。
【0018】
請求項4に記載の発明は、防曇性が、無機の微粒子と界面活性剤を含有する防曇剤を塗布して付与されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の作物栽培用被覆フィルム。
【0019】
上記課題を解決する請求項5に記載の発明は、請求項1〜4に記載のフィルムを、梨地面をトンネルまたはハウスの内面に位置するように被覆し、冬から夏にかけてトンネルまたはハウスの周年栽培に使用することを特徴とする作物栽培用被覆フィルムの使用方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の作物栽培に用いられる被覆フィルム1は、図1に示されるように透明フィルム層2に無機粉体が配合された無機粉体含有フィルム層3が積層されている。
【0021】
透明フィルム層2および無機粉体含有フィルム層3に使用される透明樹脂としてはエチレン系重合体、プロピレン系重合体等のポリオレフィンおよび塩化ビニル等を用いることができる。中でも防汚性、耐久性、価格等の面から低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体が好まし い。
【0022】
本発明において、透明、不透明あるいは半透明とは、日光が散乱せずフィルムを通して直進するか否かを意味するものであって、太陽光が透過するか否かを意味するものではない。 透明フィルム層2を形成する樹脂と無機粉体含有フィルム層3を形成する樹脂は相異する樹脂であってもよいが、両層の接着性を得るためには同一種類の樹脂を使用することが望ましい。
【0023】
無機粉体含有フィルム層3に添加される無機粉体としては、屈折率が1.37〜1.63の範囲のものを使用できるが、透明樹脂として、低密度ポリエチレンやエチレン・酢酸ビニル共重合体を使用した場合には、無機粉体の屈折率は1.41〜1.59の範囲が好ましい。屈折率が1.41〜1.59の範囲を越えると、フィルム内での内部散乱が大きく、いわゆる白色化されたフィルムとなり、光透過を顕著に低下させ、特に冬場においての作物栽培に適さない欠点がる。
【0024】
無機粉体の粒径は、平均粒径が1.0〜20μm、好ましくは、2〜10μm、より好ましくは3〜6μmのものが使用される。平均粒径が1.0μm未満では表面の粗さが小さくなり夏場においても被覆フィルムを不透明にすることが難しく梨地効果が低い。また、20μmを越えると、フィルム成形トラブルやフィルム強度等の品質トラブルを生じやすく、また冬場に透明な状態になり難くな る。
【0025】
無機粉体を構成する無機物としては、透明樹脂として、低密度ポリエチレンやエチレン・酢酸ビニル共重合体を使用した場合には、石英、シリカゲル、ケイ藻土、等の酸化珪素、各種天然または合成の珪酸塩類、たとえばタルク、ゼオライト、長石、珪酸カルシウム、ガラス、天然または合成のハイドロタルサイト類化合物等を使用することができる。これらを任意に組み合わせて使用することもできる。なお、屈折率が2.0以上の酸化チタン、酸化亜鉛のような有名な白色顔料は本発明では適さない。また酸化アルミ、炭酸カルシウム、酸化マグネシウムなども屈折率が1.63を越えると、本発明では好ましくない。
【0026】
一般にフィルム特性として、冬場の保温性をあげるためには被覆フィルム1が波長5.0〜30μm程度の赤外線を吸収することが必要で、この範囲の赤外線を吸収する無機粉体を含有していることが望ましいことが知られているが、前記無機粉体はいずれも赤外線を吸収する機能を有しており、被覆フィルムの保温性改良剤としても機能する。
【0027】
透明樹脂として、低密度ポリエチレンやエチレン・酢酸ビニル共重合体を使用した場合には、粒径、屈折率、赤外線吸収能を満足し、かつ、フィルム品質、コストを考慮すると、酸化珪素質またはケイ酸アルミニウム塩質からなる無機粉体が望ましい。
【0028】
無機粉体の配合量は、無機粉体含有フィルム層3の組成物に対して2〜20重量%、好ましくは3〜15重量%程度が望ましい。20重量%を越えると、成形中の発泡トラブルを生じやすく、フィルム強度や耐久性の低下を招く。また2重量%未満では梨地効果が低い。
【0029】
透明フィルム層2の膜厚は5μm以上、好ましくは10μm以上、一般には10〜150μmとされる。膜厚が5μmより薄いときは膜面を平滑にすることが難しくなり透明性が低下する。
【0030】
無機粉体含有フィルム層3の膜厚は任意に設定することができるが、一般に は、5〜200μm、好ましくは10〜100μmとされる。
【0031】
透明フィルム層2と無機粉体含有フィルム層3の積層は、予じめ無機粉体含有フィルム層3を形成し、これに透明フィルム層2を押出ラミによって積層してもよく、予じめ透明フィルム層2を形成しこれに無機粉体含有フィルム層3を押出ラミによって積層してもよい。また、両層の樹脂組成物を同時に押出し、ダイ内あるいはダイから押し出された直後に積層することもできる。
【0032】
透明フィルム層2と無機粉体含有フィルム層3を積層することによって透明フィルム層2側の表面は平滑面となり、無機粉体含有フィルム層3側の表面は微小な凹凸のある梨地面が形成される。
【0033】
本発明において、梨地面は、平均表面粗さRa(JIS B−0601−82準拠)が0.1〜5.0μmの範囲であり、好ましくは0.1〜3.0μm、より好ましくは0.1〜1.0μmの範囲である。平均表面粗さRaが0.1μmより小さいときは夏場においても不透明ないし半透明とすることができなくな り、また、5.0μmより大きい時は、冬場においても透明性が悪くなる。
【0034】
作物栽培用被覆フィルム1の全膜厚は、15〜300μm、好ましくは50〜200μmとされる。
【0035】
また、無機粉体含有フィルム層3の表面は防曇性が付与される。防曇性の付与方法としては、界面活性剤等の親水性基を有する化合物を無機粉体含有フィルム層3に混練する方法を採用することができ、また、無機粉体含有フィルム層3の表面に防曇剤を塗布することもできる。
【0036】
無機粉体含有フィルム層3に混練する場合の防曇性付与剤としては、非イオン系、アニオン系あるいはカチオン系の界面活性剤が使用できる。これらの化合物としては、ポリオキシアルキレンエーテル、多価アルコールの部分エステル、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物の部分エステル、高級アルコール硫酸エステルアルカリ金属塩、アルキルアリールスルホネート、四級アンモニウ ム、脂肪酸アミン誘導体が挙げられる。
【0037】
中でも炭素数14〜22の脂肪酸とソルビタン、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコールとのエステルあるいはそのアルキレンオキサイド付加物を主成分とする非イオン系界面活性剤等が好ましい。
【0038】
無機粉体含有フィルム層3に塗布して防曇性を付与する防曇剤としては、無機の微粒子と界面活性剤を含有するものが望ましく、無機の微粒子としては、平均粒径5〜100nm程度の無機親水性コロイド物質を用いることができる。
【0039】
具体的には、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、コロイド状の水酸化 鉄、水酸化錫、酸化チタン、硫酸バリウム、リチウムシリケート等を用いることができる。
【0040】
界面活性剤としては、前述のアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤を用いることができる。
【0041】
防曇剤の塗布は、トンネル用骨材、栽培ハウス用骨組みに張設する前に塗布してもよく、また、これらに張設した後必要に応じた時期に塗布してもよい。
【0042】
こうして得られた被覆フイルム1は、乾燥状態では不透明ないし半透明とな り、無機粉体含有フィルム層3面が湿潤したときは透明となる。
【0043】
なお、本発明被覆フィルム1においては、透明フィルム層2は単層であってもよく、また、積層フィルム層であってもよい。従って、本発明被覆フイルム1 は、3層以上の構造とすることもできる。そして各層には各種の紫外線吸収剤、光安定剤(耐候性改良)、保温剤、赤外線吸収剤等を適宜添加し、各種機能を付与することもできる。
【0044】
本発明被覆フイルム1を使用するときは、無機粉体含有フィルム層3面がトンネルあるいはハウスの内側となるように張設する他は従来と同様に使用され、構築されたトンネルあるいはハウスの骨組みに張設され、その内部で作物が栽培される。
【0045】
本発明被覆フィルムを用いて栽培するときは、冬場等の保温を要するときはハウスあるいはトンネルを閉鎖した状態で栽培が行われる。ハウスあるいはトンネルを閉鎖して栽培するときは、保温され栽培温度を高くすることができると共に内部の湿度が上昇しその水分が被覆フイルム1の無機粉体含有フィルム層3面に付着する。付着した水は防曇剤の作用によって無機粉体含有フィルム層3の面に水膜となる。その結果、被覆フイルム1は透明となって直射日光が作物に照射される。
【0046】
一方、春期の4〜5月以降、特に夏場の気温が高く、太陽光線が強い時期に は、被覆フイルム1を部分的に引上げて換気をさせて栽培を行う。トンネルあるいはハウス内が換気されると内部が乾燥し、被覆フイルム1の内面の水膜が消失する。その結果、被覆フイルム1は不透明ないし半透明となって直射日光が分散して柔らかい光となって作物に照射される。従って、作物に焼け等の高温障害が発生することを防止することができ、野菜、果実作物、花卉等多くの作物の栽培に使用することができる。
【0047】
【実施例】
以下に本発明の実施例をについて挙げるが、本発明はかかる実施例によって限定されない。
【0048】
(使用したフィルム)
1.本発明1フィルム:積層フィルム
下記無機粉体含有フィルム層に防曇剤(グリセリンモノステアレート)を混練した下記組成の積層フィルムを使用した。この積層フィルムの無機粉体含有フィルム層の表面粗さはRa=0.3(JIS B−0601−82準拠)であっ た。
【0049】
【0050】
2.比較例1フィルム:単層フィルム 130μm
本発明1フィルムにおいて、無機粉体含有フィルム層を設けない以外は同様の単層フィルムを得た。フィルム表面粗さはRa=0.08(JIS B−0601−82準拠)であった。
【0051】
3.本発明2フィルム:
本発明1フィルムにおいて、無機粉体含有フィルム層に用いた無機粉体をケイ酸アルミニウム粉末(添加量10wt%平均粒径4.0μm、屈折率1.53)に代えた以外は同様にして本発明2フィルムを得た。この積層フィルムの無機粉体含有フィルム層の表面粗さはRa=0.5(JIS B−0601−82準拠)であった。
【0052】
(栽培実験)
上記のフィルムを用い、千葉県市原市のみかど化工(株)圃場に構築された幅4.5m、長さ20m、高さ2.5mのハウス用骨組み4基にそれぞれのフィルムを張設し、平成9年3月の定植から9月の収穫終了までの間トマトを栽培し た。
【0053】
3月15日に定植し、5月25日より収穫を開始した。5月中旬以降晴天日の日中はハウスサイドの換気を開始した。被覆用フィルムの引上げ幅は天候を勘案しながら20〜100cmとした。
【0054】
比較例1の単層フィルムを用いたハウスは、6月下旬梅雨明け以降トマトに焼け症状が発生した。日中直射光の当たる位置は果実が発育段階に関係なく大きな被害を受け、直射光の当たり難い日陰にあるトマトが助かるのみであった。このため、商品となるトマトの収穫率が大幅に低下した。
【0055】
これに対し、本発明のフィルム1,2の積層フィルムは、換気によって半透明となり作物には柔らかい日光が当たり高温障害は極めて少なかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作物栽培用の被覆フィルムの断面図
【符号の説明】
1:ハウス用フィルム
2:透明樹脂フィルム層
3:無機粉体含有フィルム層
Claims (5)
- 透明樹脂フィルム層の片面に、屈折率1.37〜1.63、平均粒径1.0〜20μmの無機粉体が分散した透明樹脂からなる無機粉体含有フィルム層が積層され、無機粉体含有フィルム層側の表面が平均粗さRa=0.1〜5.0μmの梨地面とされると共に防曇性が付与されてなることを特徴とする作物栽培用被覆フィルム。
- 透明樹脂フィルム層の透明樹脂と無機粉体含有樹脂フィルム層の透明樹脂が共にポリオレフイン樹脂からなり、無機粉体の屈折率が1.41〜1.59の範囲であり、無機粉体含有フィルム層側の表面が平均粗さRa=0.1〜3.0μmの梨地面とされることを特徴とする請求項1記載の作物栽培用被覆フィルム。
- 無機粉体含有フィルム層側の表面が平均粗さRa=0.1〜1.0μmの梨地面とされることを特徴とする請求項2に記載の作物栽培用被覆フィルム。
- 防曇性が、無機の微粒子と界面活性剤を含有する防曇剤を塗布して付与されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の作物栽培用被覆フィルム。
- 請求項1〜4に記載のフィルムを、梨地面をトンネルまたはハウスの内面に位置するように被覆し、冬から夏にかけてトンネルまたはハウスの周年栽培に使用することを特徴とする作物栽培用被覆フィルムの使用方法。
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