JP3762893B2 - 反射装置およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、3つの反射層の組み合わせにより構成される反射装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、3枚の平面鏡を互いに直角に配置した反射鏡が知られている。このような反射鏡は、任意の方向から入射する光を入射方向と平行な方向に反射することができ、レトロリフレクタと呼ばれている。従来のレトロリフレクタは構造上大型である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、起立構造を有するマイクロ光学ベンチが、シリコンを用いたマイクロマシン技術により実現されている。このマイクロマシン技術を用いて、例えば、レーザ走査ディスプレイのための共振マイクロスキャナ、可動マイクロ反射器、半導体レーザの外部共振器のための走査マイクロミラー等を作製することが報告されている。
【0004】
この従来のマイクロマシン技術では、積層された半導体層の一部をエッチングにより剥離させた後、剥離した部分をスライドさせて起立させるとともにヒンジ部で接合することにより、起立構造を形成している。この起立構造を用いて基板上に所定の角度で起立したミラー等が構成される。このようなマイクロマシン技術を用いて上記のレトロリフレクタを作製することが考えられる。
【0005】
しかしながら、従来のマイクロマシン技術を用いて半導体により起立構造を作製する場合、剥離した半導体層をスライドさせる際に磨耗が生じる。また、半導体層を所定の位置まで正確にスライドさせることは困難である。そのため、起立構造を構成する各部材の角度および位置を正確に制御することが困難であるとともに、作業性が悪い。したがって、従来のマイクロマシン技術を用いてレトロリフレクタを作製することは困難である。
【0006】
本発明の目的は、3つの反射層を所定の角度に正確に組み合わせることができ、かつ小型化が可能であるとともに容易に製造することができる反射装置およびその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明に係る反射装置は、基板上に第1の層、第2の層および第3の層が順に形成され、第2の層は、異なる格子定数を有する複数の半導体層の積層構造を含み、第3の層は反射層を含み、第3の層は、所定の点を中心として順に第1の角度、第2の角度および第3の角度をなす第1の折線部分、第2の折線部分、第3の折線部分および第4の折線部分を有し、第1の折線部分および第2の折線部分に沿った2辺を有する第1の領域と、第2の折線部分および第3の折線部分に沿った2辺を有する第2の領域と、第3の折線部分および第4の折線部分に沿った2辺を有する第3の領域とを含み、第1、第2、第3および第4の折線部分を除く部分で第1、第2および第3の領域を取り囲むように、第3の層から第1の層に至る深さの分離溝が形成されるとともに、第1、第2および第3の領域における第1の層が選択的に除去され、第2の層に作用する歪により第2の層が第1の折線部分、第2の折線部分および第4の折線部分で谷状に折曲されかつ第3の折線部分で山状に折曲され、第1の領域および第2の領域が基板上の第3の層に対して起立し、第3の領域が基板上の第3の層に対向し、かつ第1の領域と第2の領域とが所定の角度をなすものである。
【0008】
本発明に係る反射装置においては、第1、第2、第3および第4の折線部分を除く部分で第1、第2および第3の領域を取り囲む分離溝において第3の層、第2の層および第1の層が除去され、かつ第1、第2および第3の領域における第1の層が除去されているので、第1、第2および第3の領域内の第2の層が第1および第4の折線部分でのみ周囲の領域につながりつつ解放状態となっている。
【0009】
第2の層の複数の半導体層の格子定数が異なるため、第2の層に格子定数の差に起因する歪が発生する。それにより、歪を緩和するように第2の層が第1の折線部分、第2の折線部分および第4の折線部分で谷状に折曲されかつ第3の折線部分で山状に折曲される。したがって、第1の領域および第2の領域が基板上の第3の層に対して起立し、第3の領域が基板上の第3の層に対向し、かつ第1の領域と第2の領域とが所定の角度をなす。
【0010】
このように、第1の領域の第3の層、第2の領域の第3の層および基板上の第3の層が互いに関連しつつ互いに所定の角度をなすので、3つの反射層の位置関係が厳密に規定される。また、複数の半導体層の格子定数の差に起因する歪を緩和するように第2の層が自動的に折曲される。そのため、簡単なプロセスで3つの反射層からなる小型の反射装置を容易に作製することができる。
【0011】
第1の角度は90度であり、第2の角度は90度であり、第3の角度は45度であることが好ましい。
【0012】
この場合、第1の領域の第3の層および第2の領域の第3の層が基板上の第3の層に対して垂直に起立するとともに、第1の領域の第3の層と第2の領域の第3の層とが互いに直角をなす。それにより、互いに直角をなす3つの反射層からなる反射装置が実現する。その反射装置によれば、任意の方向から入射した光を入射方向と平行な方向に反射することができる。
【0013】
第1、第2および第4の折線部分で第3の層が除去されてもよい。それにより、第1、第2および第4の折線部分で第2の層が谷状に容易に折曲することができる。
【0014】
第2の層は、第1の格子定数を有する第1の半導体層と、第1の格子定数よりも小さい第2の格子定数を有する第2の半導体層とを含んでもよい。この場合、第1の半導体層の第1の格子定数と第2の半導体層の第2の格子定数との差に起因する歪を緩和するように第2の層が第1、第2および第4の折線部分で谷状に折曲する。
【0015】
第3の折線部分で第1の層、第2の層および第3の層が断続的に除去されてもよい。この場合、第2の層が第1、第2および第4の折線部分で谷状に折曲する力を利用して第2の層を第3の折線部分で容易に山状に折曲させることができる。
【0016】
第2の層は、第1の格子定数を有する第1の半導体層と、第1の格子定数よりも小さい第2の格子定数を有する第2の半導体層と、第2の格子定数よりも大きい第3の格子定数を有する第3の半導体層とを含み、第1、第2および第4の折線部分で第2の層が谷状に折曲されるように第1、第2および第4の折線部分の第3の層および第3の半導体層が除去され、第3の折線部分で第2の層が山状に折曲されるように第3の折線部分で第3の層が除去されてもよい。
【0017】
この場合、第1、第2および第4の折線部分の第3の層および第3の半導体層が除去されると、第1の半導体層の第1の格子定数と第2の半導体層の第2の格子定数との差に起因する歪を緩和するように第1、第2および第4の折線部分で第2の層が谷状に折曲する。また、第3の折線部分で第3の層が除去されると、第3の半導体層の第3の格子定数と第2の半導体層の第2の格子定数との差に起因する歪を緩和するように第3の折線部分で第2の層が山状に折曲する。
【0018】
所定の点で第1の層、第2の層および第3の層が除去されてもよい。それにより、第1、第2および第3の領域の第2の層の折曲に伴って第1、第2、第3および第4の折線部分の交点に集中する応力が緩和される。
【0019】
基板上の第3の層に対して起立する第1の領域および第2の領域の角度を変化させる駆動手段をさらに備えてもよい。
【0020】
この場合、3つの反射層間の角度を任意に変化させることができる。それにより、入射する光を変調して反射することが可能となる。
【0021】
駆動手段は、第3の領域と基板上の第3の層との間に静電力または電磁力を作用させてもよい。
【0022】
この場合、第3の領域と基板上の第3の層との間に作用する静電力または電磁力を変化させることにより、3つの反射層間の角度を容易に変化させることができる。
【0023】
第2の発明に係る反射装置の製造方法は、基板上に第1の層を形成するステップと、第1の層上に、異なる格子定数を有する複数の半導体層の積層構造を含む第2の層を形成するステップと、第2の層上に反射層を含む第3の層を形成するステップと、第3の層に所定の点を中心として順に第1の角度、第2の角度および第3の角度をなす第1の折線部分、第2の折線部分、第3の折線部分および第4の折線部分を形成することにより、第1の折線部分および第2の折線部分に沿った2辺を有する第1の領域と、第2の折線部分および第3の折線部分に沿った2辺を有する第2の領域と、第3の折線部分および第4の折線部分に沿った2辺を有する第3の領域とを設けるステップと、第1、第2、第3および第4の折線部分を除く部分で第1、第2および第3の領域を取り囲むように、第3の層から第1の層に至る深さの分離溝を形成するステップと、第1、第2および第3の領域における第1の層を選択的に除去することにより、第2の層に作用する歪により第2の層を第1の折線部分、第2の折線部分および第4の折線部分で谷状に折曲しかつ第3の折線部分で山状に折曲し、第1の領域および第2の領域を基板上の第3の層に対して起立させ、第3の領域を基板上の第3の層に対向させ、かつ第1の領域と第2の領域とを所定の角度にするステップとを備えたものである。
【0024】
本発明に係る反射装置の製造方法においては、第1、第2、第3および第4の折線部分を除く部分で第1、第2および第3の領域を取り囲む分離溝において第3の層、第2の層および第1の層が除去され、かつ第1、第2および第3の領域における第1の層が除去されているので、第1、第2および第3の領域内の第2の層が第1および第4の折線部分でのみ周囲の領域につながりつつ解放状態となっている。
【0025】
第2の層の複数の半導体層の格子定数が異なるため、第2の層に格子定数の差に起因する歪が発生する。それにより、歪を緩和するように第2の層が第1の折線部分、第2の折線部分および第4の折線部分で谷状に折曲されかつ第3の折線部分で山状に折曲される。したがって、第1の領域および第2の領域が基板上の第3の層に対して起立し、第3の領域が基板上の第3の層に対向し、かつ第1の領域と第2の領域とが所定の角度をなす。
【0026】
このように、第1の領域の第3の層、第2の領域の第3の層および基板上の第3の層が互いに関連しつつ互いに所定の角度をなすので、3つの反射層の位置関係が厳密に規定される。また、複数の半導体層の格子定数の差に起因する歪を緩和するように第2の層が自動的に折曲される。そのため、簡単なプロセスで3つの反射層からなる小型の反射装置を容易に作製することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1〜図4は本発明の一実施の形態における反射装置の製造方法を示す工程図である。図1は反射装置の製造工程での反射層の起立前の状態を示す模式的平面図、図2は反射装置の製造工程での反射層の起立前の状態を示す模式的斜視図、図3は反射装置の製造工程での反射層の起立過程を示す模式的斜視図、図4は反射装置の製造工程での反射層の起立後の状態を示す模式的斜視図である。図5は図1の第1〜第3の領域の拡大図である。
【0028】
本実施の形態の反射装置は、任意の方向から入射する光を入射方向と平行な方向に反射するレトロリフレクタである。
【0029】
図1および図2において、基板1の表面には後述する反射層6が形成されている。反射層6には、矩形の第1の領域601、矩形の第2の領域602および二等辺直角三角形の第3の領域603が設けられている。第1の領域601と第2の領域602とは互いに1辺で隣接するように配置され、第3の領域603は一方の短辺で第2の領域602に隣接するように配置されている。
【0030】
第1の領域601の1辺に沿って点線で示される谷折溝10が形成され、第1の領域601と第2の領域602との間の辺に沿って点線で示される谷折溝10が形成されている。また、第2の領域602と第3の領域603との間の辺に沿って一点鎖線で示される山折線20が形成されている。さらに、第3の領域603の斜辺に沿って点線で示される谷折溝10が形成されている。
【0031】
また、第1の領域601の残りの2辺、第2の領域602の残りの2辺および第3の領域603の他方の短辺に沿って太い実線で示される分離溝11が形成されている。
【0032】
第3の領域603上には、三角形の第1の電極301が形成されている。谷折溝10を挟んで第1の電極301に対向するように反射層6上に第2の電極302が形成されている。また、反射層6上には、第1の電極301および第2の電極302にそれぞれ接続される電極パッド311,312が形成されている。さらに、図1に示すように、第2の電極302の近傍に突起500が設けられている。
【0033】
図5に示すように、第1の領域601の一辺の長さLは、約10μm〜数百μm程度である。また、第2の領域602と第3の領域603との間の山折線20においては、山折が容易になるように断続的に反射層6が除去されている。また、3つの谷折溝10と1つの山折線20との交差部400は、折曲時に応力が集中しないように反射層6が除去されている。
【0034】
第1、第2および第3の領域601,602,603の反射層6が分離溝11で周辺の領域の反射層6から分離される。また、第1の領域601が谷折溝10で基板1に対して谷状に折曲され、第1の領域601と第2の領域602とが谷折溝10で互いに谷状に折曲され、第3の領域603が谷折溝10で基板1に対して谷状に折曲され、かつ、第2の領域602と第3の領域603とが山折線20で互いに山状に折曲される。このとき、谷折溝10での谷状の変形力については後述する。3つの谷折溝10での谷状の変形力を利用して山折線20での山状の変形が起こる。
【0035】
それにより、図3に示すように、第1の領域601の反射層(以下、第1の反射層と呼ぶ)611および第2の領域602の反射層(以下、第2の反射層と呼ぶ)612が基板1上で起立するとともに、第3の領域603の反射層(以下、第3の反射層と呼ぶ)613が基板1上の反射層(以下、第4の反射層と呼ぶ)614に対向する。それにより、第3の反射層603上の第1の電極301が第4の反射層604上の第2の電極302に対向する。
【0036】
さらに、第3の反射層613が第4の反射層614上の突起500に接触すると、図4に示すように、第1の反射層611および第2の反射層612が第4の反射層614に対して垂直に起立し、かつ第1の反射層611と第2の反射層612とが互いに直角をなす。このとき、第3の反射層613上の第1の電極301と第4の反射層604上の第2の電極302とは突起500により僅かな隙間をもって離間し、互いに接触しない。
【0037】
本実施の形態の反射装置においては、第1、第2および第3の反射層611〜613が互いに関連して折曲され、セルフロッキング機構が構成されるので、互いの位置関係が厳密に規定される。それにより、第1の反射層611、第2の反射層612および第4の反射層614により互いに直交する3枚の平面鏡が容易かつ正確に構成される。したがって、この反射装置は、任意の方向から入射した光を入射方向と平行な方向に正確に反射することができる。
【0038】
また、電極パッド311,312を介して第1の電極301と第2の電極302との間に電圧を印加すると、第1の電極301と第2の電極302との間に静電力が作用する。したがって、第1の電極301と第2の電極302との間に印加する電圧を変化させることにより、第3の反射層613と第4の反射層614とがなす角度を制御することができる。それにより、第1、第2、第3および第4の反射層611〜614がなす角度を制御することができる。
【0039】
第1の反射層611、第2の反射層612および第4の反射層614がなす角度が90度から外れた場合、入射した光が入射方向と平行な方向に反射されない。すなわち、第1の電極301と第2の電極302との間へ電圧を印加しないときには、光源から出射される光が反射装置により光源へ反射される。一方、第1の電極301と第2の電極302との間へ電圧を印加すると、光源から出射される光が反射装置により光源とは異なる方向へ反射される。これを利用すると、第1の電極301と第2の電極302との間に印加する電圧を制御することにより、光源から出射された光を変調して光源に戻すことができる。このように、本実施の形態の反射装置は、光変調器として用いることができる。
【0040】
図6、図7、図8および図9は図1〜図5の反射装置における反射層の起立構造の作製方法を示す工程図であり、(a)は模式的断面図、(b)は模式的平面図である。
【0041】
まず、図6に示すように、GaAsからなる基板1上に、AlGaAsからなる犠牲層(sacrifice層)2、歪層(strain層)5および反射層6を順にエピタキシャル成長させる。
【0042】
これらの犠牲層2、歪層5および反射層6は、MBE法(分子線エピタキシャル成長法)、MOCVD法(有機金属化学的気相成長法)、CVD法(化学的気相成長法)等のエピタキシャル成長技術を用いて形成される。
【0043】
歪層5は、厚さ数nm〜数十nmのInGaAs層3および厚さ数nm〜数十nmのGaAs層4により構成される。InGaAs層3の格子定数は、GaAs層4の格子定数よりも大きい。そのため、歪層5に格子定数の差による歪が発生する。
【0044】
また、反射層6は、分布反射膜(Distributed Bragg Reflector:以下、DBR膜と呼ぶ)により構成される。DBR膜は、後述するように、AlGaAsとGaAsとの積層構造を有する。
【0045】
次に、図7に示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングにより反射層6に湾曲領域を規定する凹部からなる谷折溝10を形成する。エッチングとしては、ウェットエッチング法またはRIE法(反応性イオンエッチング法)を用いることができる。
【0046】
次に、図8に示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングにより所定領域を取り囲むように反射層6、歪層5および犠牲層2を除去し、分離溝11を形成する。それにより、分離溝11で取り囲まれた反射層6Aが周囲の反射層6Bから分離される。この場合にも、エッチングとしてウェットエッチング法またはRIE法を用いる。
【0047】
その後、図9に示すように、歪層5下の犠牲層2をウェットエッチング法により選択的にエッチングする。その結果、歪層5を構成するInGaAs層3とGaAs層4との格子定数の差に起因する歪を緩和するように歪層5が谷折溝10の下方の領域12で湾曲する。この場合、InGaAs層3の厚さ、GaAs層4の厚さおよびInGaAs層3におけるIn組成比を最適に選択することにより、反射層6AをGaAs基板1に対して垂直に起立させることができる。
【0048】
例えば、InGaAs層3の厚さを10nmとし、GaAs層4の厚さを10nmとする。また、InGaAs層3の組成InX Ga1-X AsにおけるIn組成比Xを0.2とすると、歪層5がGaAs基板1に対して垂直に起立する。
【0049】
なお、InGaAs層3におけるIn組成比を変化させることにより、InGaAsとGaAsとの格子定数の差を約7%まで変化させることができる。
【0050】
InGaAs層3の厚さt1とGaAs層4の厚さt2とが等しいとした場合、InGaAs層3の厚さt1、GaAs層4の厚さt2、InGaAs層3におけるIn組成比Xおよび歪層5の曲率半径Rとの間には、次の関係がある。
【0051】
R=(2/3)・(a/Δa)・d
ここで、aはGaAsの格子定数であり、5.6533Åである。また、ΔaはInX Ga1-X Asの格子定数とGaAsの格子定数との差である。In0.2 Ga0.8 Asの格子定数は5.7343Åである。また、dはInGaAs層3の厚さt1およびGaAs層4の厚さt2の合計である。t1=t2=10[nm]の場合、d=20[nm]となる。本例では、R=0.944[μm]となる。なお、湾曲領域の円弧の長さは1.483μmとする。
【0052】
図10は反射層6の詳細な構成を示す模式的断面図である。
図10に示すように、反射層6は、複数のAlGaAs層6aと複数のGaAs層6bとが交互に積層されてなる積層構造を有する。AlGaAs層6aおよびGaAs層6bの周期は4〜20である。
【0053】
この反射層6のAlGaAs層6aの厚さd1 およびGaAs層6bの厚さd2 は、次式のように設定する。
【0054】
d1 =λ/(4n1 ) …(1)
d2 =λ/(4n2 ) …(2)
ここで、λは発光波長であり、n1 およびn2 はそれぞれAlGaAs層6aおよびGaAs層6bの屈折率である。
【0055】
一般に、電磁波が屈折率の高い物質から低い物質へ入射する場合にはその位相は変化せず、屈折率の低い物質から高い物質へ入射する場合にはその位相はπだけ変化する。AlGaAs層6aおよびGaAs層6bが上式(1),(2)を満足する場合、各層における反射波の位相が揃うため、高反射率が得られる。
【0056】
なお、AlAsを酸化することにより得られる酸化アルミニウム層とAlGaAs層とを交互に積層することにより反射層6を構成してもよい。
【0057】
このようにして、GaAsからなる基板1の表面に対して垂直に起立するDBR膜からなる反射層6が作製される。
【0058】
したがって、図6〜図9に示した起立構造の作製方法を用いて図1〜図5に示した反射装置を製造することができる。
【0059】
なお、歪層5に電流を流すことにより歪層5を加熱してもよい。それにより、歪層5の湾曲の程度を調整し、反射層6Aの角度を変化させることができる。また、InGaAs層3を熱膨張させることにより歪層5を容易に湾曲させることができる。この場合には、図1の工程でInGaAs層3に導電性を付与するためにn型またはp型の不純物をドープしておく。
【0060】
また、歪層5に印加する電圧または歪層5に流す電流を変化させることにより反射層6Aの角度を直角以外の角度に変化させることも可能である。
【0061】
本実施の形態の反射装置は、通常のフォトリソグラフィ、エッチング、エピタキシャル成長等のプレーナ技術により容易かつ安価に製造することができる。
【0062】
図11は歪層5の構成の他の例を示す模式的断面図であり、(a)は折曲していない状態を示し、(b)は山折された状態を示し、(c)は谷折された状態を示す。
【0063】
図11(a)に示すように、歪層5は、GaAs層4が第1のInGaAs層3aおよび第2のInGaAs層3bにより挟まれた構造を有する。第2のInGaAs層3bは第1のInGaAs層3aよりも大きな厚みを有する。第2のInGaAs層3b上に反射層6が形成される。
【0064】
この場合、第1のInGaAs層3aおよび第2のInGaAs層3bはGaAs層4に比べて大きな格子定数を有するので、第1のInGaAs層3aはGaAs層4を上方に湾曲させるように作用し、第2のInGaAs層3bはGaAs層4を下方に湾曲させるように作用する。この状態では、第2のInGaAs層3b上に反射層6が形成されているため、歪層5は湾曲しない。
【0065】
図11(b)に示すように、反射層6を第2のInGaAs層3bが露出するまでエッチングすると、第1のInGaAs層3aの厚みが第2のInGaAs層3bの厚みに比べて大きいので、第2のInGaAs層3bがGaAs層4を下方に湾曲させるように作用する。それにより、反射層6がエッチング部分で山状に折曲される。
【0066】
図11(c)に示すように、反射層6および第2のInGaAs層3bをGaAs層4が露出するまでエッチングすると、第1のInGaAs層3aはGaAs層4を上方に湾曲させるように作用する。それにより、反射層6がエッチング部分で谷状に折曲される。
【0067】
図1〜図5の反射装置において図11に示す歪層5を用いるとともにエッチング深さを調整することにより、反射層6を谷状および山状に折曲することができる。
【0068】
上記実施の形態の反射装置では、第3の反射層613および第4の反射層614にそれぞれ第1の電極301および第2の電極302を設けることにより、静電力により第1〜第4の反射層611〜614の角度を変化させているが、これに限定されず、例えば、第3の反射層613および第4の反射層614にそれぞれ第1のインダクタおよび第2のインダクタを設けることにより、電磁力により第1〜第4の反射層611〜614の角度を変化させることも可能である。
【0069】
上記実施の形態では、歪層5としてInGaAs層とGaAs層との積層構造を用いているが、これに限定されず、異なる格子定数を有する種々の半導体層の組み合わせを用いることができる。歪層5として他のIII −V族化合物半導体の積層構造、II−VI族化合物半導体の積層構造を用いてもよい。また、歪層としてSi(シリコン)およびGe(ゲルマニウム)を含む半導体層の積層構造を用いてもよい。
【0070】
また、上記実施の形態では、GaAsからなる基板を用いているが、犠牲層、歪層および反射層の材料を考慮してSi基板等の他の基板を用いてもよい。
【0071】
さらに、上記実施の形態では、犠牲層の材料としてAlGaAsを用いているが、これに限定されず、選択エッチングを考慮して他の材料を用いてもよい。
【0072】
また、反射層の材料も上記実施の形態に限定されず、反射層の用途に応じて任意の材料を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における反射装置の製造工程での反射層の起立前の状態を示す模式的平面図である。
【図2】本発明の一実施の形態における反射装置の製造工程での反射層の起立前の状態を示す模式的斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態における反射装置の製造工程での反射層の起立過程を示す模式的斜視図である。
【図4】本発明の一実施の形態における反射装置の製造工程での反射層の起立後の状態を示す模式的斜視図である。
【図5】図1の第1〜第3の領域の拡大図である。
【図6】図1〜図5の反射装置における反射層の起立構造の作製方法を示す工程図である。
【図7】図1〜図5の反射装置における反射層の起立構造の作製方法を示す工程図である。
【図8】図1〜図5の反射装置における反射層の起立構造の作製方法を示す工程図である。
【図9】図1〜図5の反射装置における反射層の起立構造の作製方法を示す工程図である。
【図10】反射層の詳細な構成を示す模式的断面図である。
【図11】歪層の構成の他の例を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 犠牲層
3 InGaAs層
3a 第1のInGaAs層
3b 第2のInGaAs層
4 GaAs層
5 歪層
6,6A,6B 反射層
10 谷折溝
11 分離溝
20 山折線
21 湾曲部分
301 第1の電極
302 第2の電極
311,312 電極パッド
400 交差部
500 突起
601 第1の領域
602 第2の領域
603 第3の領域
611 第1の反射層
612 第2の反射層
613 第3の反射層
614 第4の反射層
【発明の属する技術分野】
本発明は、3つの反射層の組み合わせにより構成される反射装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、3枚の平面鏡を互いに直角に配置した反射鏡が知られている。このような反射鏡は、任意の方向から入射する光を入射方向と平行な方向に反射することができ、レトロリフレクタと呼ばれている。従来のレトロリフレクタは構造上大型である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、起立構造を有するマイクロ光学ベンチが、シリコンを用いたマイクロマシン技術により実現されている。このマイクロマシン技術を用いて、例えば、レーザ走査ディスプレイのための共振マイクロスキャナ、可動マイクロ反射器、半導体レーザの外部共振器のための走査マイクロミラー等を作製することが報告されている。
【0004】
この従来のマイクロマシン技術では、積層された半導体層の一部をエッチングにより剥離させた後、剥離した部分をスライドさせて起立させるとともにヒンジ部で接合することにより、起立構造を形成している。この起立構造を用いて基板上に所定の角度で起立したミラー等が構成される。このようなマイクロマシン技術を用いて上記のレトロリフレクタを作製することが考えられる。
【0005】
しかしながら、従来のマイクロマシン技術を用いて半導体により起立構造を作製する場合、剥離した半導体層をスライドさせる際に磨耗が生じる。また、半導体層を所定の位置まで正確にスライドさせることは困難である。そのため、起立構造を構成する各部材の角度および位置を正確に制御することが困難であるとともに、作業性が悪い。したがって、従来のマイクロマシン技術を用いてレトロリフレクタを作製することは困難である。
【0006】
本発明の目的は、3つの反射層を所定の角度に正確に組み合わせることができ、かつ小型化が可能であるとともに容易に製造することができる反射装置およびその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明に係る反射装置は、基板上に第1の層、第2の層および第3の層が順に形成され、第2の層は、異なる格子定数を有する複数の半導体層の積層構造を含み、第3の層は反射層を含み、第3の層は、所定の点を中心として順に第1の角度、第2の角度および第3の角度をなす第1の折線部分、第2の折線部分、第3の折線部分および第4の折線部分を有し、第1の折線部分および第2の折線部分に沿った2辺を有する第1の領域と、第2の折線部分および第3の折線部分に沿った2辺を有する第2の領域と、第3の折線部分および第4の折線部分に沿った2辺を有する第3の領域とを含み、第1、第2、第3および第4の折線部分を除く部分で第1、第2および第3の領域を取り囲むように、第3の層から第1の層に至る深さの分離溝が形成されるとともに、第1、第2および第3の領域における第1の層が選択的に除去され、第2の層に作用する歪により第2の層が第1の折線部分、第2の折線部分および第4の折線部分で谷状に折曲されかつ第3の折線部分で山状に折曲され、第1の領域および第2の領域が基板上の第3の層に対して起立し、第3の領域が基板上の第3の層に対向し、かつ第1の領域と第2の領域とが所定の角度をなすものである。
【0008】
本発明に係る反射装置においては、第1、第2、第3および第4の折線部分を除く部分で第1、第2および第3の領域を取り囲む分離溝において第3の層、第2の層および第1の層が除去され、かつ第1、第2および第3の領域における第1の層が除去されているので、第1、第2および第3の領域内の第2の層が第1および第4の折線部分でのみ周囲の領域につながりつつ解放状態となっている。
【0009】
第2の層の複数の半導体層の格子定数が異なるため、第2の層に格子定数の差に起因する歪が発生する。それにより、歪を緩和するように第2の層が第1の折線部分、第2の折線部分および第4の折線部分で谷状に折曲されかつ第3の折線部分で山状に折曲される。したがって、第1の領域および第2の領域が基板上の第3の層に対して起立し、第3の領域が基板上の第3の層に対向し、かつ第1の領域と第2の領域とが所定の角度をなす。
【0010】
このように、第1の領域の第3の層、第2の領域の第3の層および基板上の第3の層が互いに関連しつつ互いに所定の角度をなすので、3つの反射層の位置関係が厳密に規定される。また、複数の半導体層の格子定数の差に起因する歪を緩和するように第2の層が自動的に折曲される。そのため、簡単なプロセスで3つの反射層からなる小型の反射装置を容易に作製することができる。
【0011】
第1の角度は90度であり、第2の角度は90度であり、第3の角度は45度であることが好ましい。
【0012】
この場合、第1の領域の第3の層および第2の領域の第3の層が基板上の第3の層に対して垂直に起立するとともに、第1の領域の第3の層と第2の領域の第3の層とが互いに直角をなす。それにより、互いに直角をなす3つの反射層からなる反射装置が実現する。その反射装置によれば、任意の方向から入射した光を入射方向と平行な方向に反射することができる。
【0013】
第1、第2および第4の折線部分で第3の層が除去されてもよい。それにより、第1、第2および第4の折線部分で第2の層が谷状に容易に折曲することができる。
【0014】
第2の層は、第1の格子定数を有する第1の半導体層と、第1の格子定数よりも小さい第2の格子定数を有する第2の半導体層とを含んでもよい。この場合、第1の半導体層の第1の格子定数と第2の半導体層の第2の格子定数との差に起因する歪を緩和するように第2の層が第1、第2および第4の折線部分で谷状に折曲する。
【0015】
第3の折線部分で第1の層、第2の層および第3の層が断続的に除去されてもよい。この場合、第2の層が第1、第2および第4の折線部分で谷状に折曲する力を利用して第2の層を第3の折線部分で容易に山状に折曲させることができる。
【0016】
第2の層は、第1の格子定数を有する第1の半導体層と、第1の格子定数よりも小さい第2の格子定数を有する第2の半導体層と、第2の格子定数よりも大きい第3の格子定数を有する第3の半導体層とを含み、第1、第2および第4の折線部分で第2の層が谷状に折曲されるように第1、第2および第4の折線部分の第3の層および第3の半導体層が除去され、第3の折線部分で第2の層が山状に折曲されるように第3の折線部分で第3の層が除去されてもよい。
【0017】
この場合、第1、第2および第4の折線部分の第3の層および第3の半導体層が除去されると、第1の半導体層の第1の格子定数と第2の半導体層の第2の格子定数との差に起因する歪を緩和するように第1、第2および第4の折線部分で第2の層が谷状に折曲する。また、第3の折線部分で第3の層が除去されると、第3の半導体層の第3の格子定数と第2の半導体層の第2の格子定数との差に起因する歪を緩和するように第3の折線部分で第2の層が山状に折曲する。
【0018】
所定の点で第1の層、第2の層および第3の層が除去されてもよい。それにより、第1、第2および第3の領域の第2の層の折曲に伴って第1、第2、第3および第4の折線部分の交点に集中する応力が緩和される。
【0019】
基板上の第3の層に対して起立する第1の領域および第2の領域の角度を変化させる駆動手段をさらに備えてもよい。
【0020】
この場合、3つの反射層間の角度を任意に変化させることができる。それにより、入射する光を変調して反射することが可能となる。
【0021】
駆動手段は、第3の領域と基板上の第3の層との間に静電力または電磁力を作用させてもよい。
【0022】
この場合、第3の領域と基板上の第3の層との間に作用する静電力または電磁力を変化させることにより、3つの反射層間の角度を容易に変化させることができる。
【0023】
第2の発明に係る反射装置の製造方法は、基板上に第1の層を形成するステップと、第1の層上に、異なる格子定数を有する複数の半導体層の積層構造を含む第2の層を形成するステップと、第2の層上に反射層を含む第3の層を形成するステップと、第3の層に所定の点を中心として順に第1の角度、第2の角度および第3の角度をなす第1の折線部分、第2の折線部分、第3の折線部分および第4の折線部分を形成することにより、第1の折線部分および第2の折線部分に沿った2辺を有する第1の領域と、第2の折線部分および第3の折線部分に沿った2辺を有する第2の領域と、第3の折線部分および第4の折線部分に沿った2辺を有する第3の領域とを設けるステップと、第1、第2、第3および第4の折線部分を除く部分で第1、第2および第3の領域を取り囲むように、第3の層から第1の層に至る深さの分離溝を形成するステップと、第1、第2および第3の領域における第1の層を選択的に除去することにより、第2の層に作用する歪により第2の層を第1の折線部分、第2の折線部分および第4の折線部分で谷状に折曲しかつ第3の折線部分で山状に折曲し、第1の領域および第2の領域を基板上の第3の層に対して起立させ、第3の領域を基板上の第3の層に対向させ、かつ第1の領域と第2の領域とを所定の角度にするステップとを備えたものである。
【0024】
本発明に係る反射装置の製造方法においては、第1、第2、第3および第4の折線部分を除く部分で第1、第2および第3の領域を取り囲む分離溝において第3の層、第2の層および第1の層が除去され、かつ第1、第2および第3の領域における第1の層が除去されているので、第1、第2および第3の領域内の第2の層が第1および第4の折線部分でのみ周囲の領域につながりつつ解放状態となっている。
【0025】
第2の層の複数の半導体層の格子定数が異なるため、第2の層に格子定数の差に起因する歪が発生する。それにより、歪を緩和するように第2の層が第1の折線部分、第2の折線部分および第4の折線部分で谷状に折曲されかつ第3の折線部分で山状に折曲される。したがって、第1の領域および第2の領域が基板上の第3の層に対して起立し、第3の領域が基板上の第3の層に対向し、かつ第1の領域と第2の領域とが所定の角度をなす。
【0026】
このように、第1の領域の第3の層、第2の領域の第3の層および基板上の第3の層が互いに関連しつつ互いに所定の角度をなすので、3つの反射層の位置関係が厳密に規定される。また、複数の半導体層の格子定数の差に起因する歪を緩和するように第2の層が自動的に折曲される。そのため、簡単なプロセスで3つの反射層からなる小型の反射装置を容易に作製することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1〜図4は本発明の一実施の形態における反射装置の製造方法を示す工程図である。図1は反射装置の製造工程での反射層の起立前の状態を示す模式的平面図、図2は反射装置の製造工程での反射層の起立前の状態を示す模式的斜視図、図3は反射装置の製造工程での反射層の起立過程を示す模式的斜視図、図4は反射装置の製造工程での反射層の起立後の状態を示す模式的斜視図である。図5は図1の第1〜第3の領域の拡大図である。
【0028】
本実施の形態の反射装置は、任意の方向から入射する光を入射方向と平行な方向に反射するレトロリフレクタである。
【0029】
図1および図2において、基板1の表面には後述する反射層6が形成されている。反射層6には、矩形の第1の領域601、矩形の第2の領域602および二等辺直角三角形の第3の領域603が設けられている。第1の領域601と第2の領域602とは互いに1辺で隣接するように配置され、第3の領域603は一方の短辺で第2の領域602に隣接するように配置されている。
【0030】
第1の領域601の1辺に沿って点線で示される谷折溝10が形成され、第1の領域601と第2の領域602との間の辺に沿って点線で示される谷折溝10が形成されている。また、第2の領域602と第3の領域603との間の辺に沿って一点鎖線で示される山折線20が形成されている。さらに、第3の領域603の斜辺に沿って点線で示される谷折溝10が形成されている。
【0031】
また、第1の領域601の残りの2辺、第2の領域602の残りの2辺および第3の領域603の他方の短辺に沿って太い実線で示される分離溝11が形成されている。
【0032】
第3の領域603上には、三角形の第1の電極301が形成されている。谷折溝10を挟んで第1の電極301に対向するように反射層6上に第2の電極302が形成されている。また、反射層6上には、第1の電極301および第2の電極302にそれぞれ接続される電極パッド311,312が形成されている。さらに、図1に示すように、第2の電極302の近傍に突起500が設けられている。
【0033】
図5に示すように、第1の領域601の一辺の長さLは、約10μm〜数百μm程度である。また、第2の領域602と第3の領域603との間の山折線20においては、山折が容易になるように断続的に反射層6が除去されている。また、3つの谷折溝10と1つの山折線20との交差部400は、折曲時に応力が集中しないように反射層6が除去されている。
【0034】
第1、第2および第3の領域601,602,603の反射層6が分離溝11で周辺の領域の反射層6から分離される。また、第1の領域601が谷折溝10で基板1に対して谷状に折曲され、第1の領域601と第2の領域602とが谷折溝10で互いに谷状に折曲され、第3の領域603が谷折溝10で基板1に対して谷状に折曲され、かつ、第2の領域602と第3の領域603とが山折線20で互いに山状に折曲される。このとき、谷折溝10での谷状の変形力については後述する。3つの谷折溝10での谷状の変形力を利用して山折線20での山状の変形が起こる。
【0035】
それにより、図3に示すように、第1の領域601の反射層(以下、第1の反射層と呼ぶ)611および第2の領域602の反射層(以下、第2の反射層と呼ぶ)612が基板1上で起立するとともに、第3の領域603の反射層(以下、第3の反射層と呼ぶ)613が基板1上の反射層(以下、第4の反射層と呼ぶ)614に対向する。それにより、第3の反射層603上の第1の電極301が第4の反射層604上の第2の電極302に対向する。
【0036】
さらに、第3の反射層613が第4の反射層614上の突起500に接触すると、図4に示すように、第1の反射層611および第2の反射層612が第4の反射層614に対して垂直に起立し、かつ第1の反射層611と第2の反射層612とが互いに直角をなす。このとき、第3の反射層613上の第1の電極301と第4の反射層604上の第2の電極302とは突起500により僅かな隙間をもって離間し、互いに接触しない。
【0037】
本実施の形態の反射装置においては、第1、第2および第3の反射層611〜613が互いに関連して折曲され、セルフロッキング機構が構成されるので、互いの位置関係が厳密に規定される。それにより、第1の反射層611、第2の反射層612および第4の反射層614により互いに直交する3枚の平面鏡が容易かつ正確に構成される。したがって、この反射装置は、任意の方向から入射した光を入射方向と平行な方向に正確に反射することができる。
【0038】
また、電極パッド311,312を介して第1の電極301と第2の電極302との間に電圧を印加すると、第1の電極301と第2の電極302との間に静電力が作用する。したがって、第1の電極301と第2の電極302との間に印加する電圧を変化させることにより、第3の反射層613と第4の反射層614とがなす角度を制御することができる。それにより、第1、第2、第3および第4の反射層611〜614がなす角度を制御することができる。
【0039】
第1の反射層611、第2の反射層612および第4の反射層614がなす角度が90度から外れた場合、入射した光が入射方向と平行な方向に反射されない。すなわち、第1の電極301と第2の電極302との間へ電圧を印加しないときには、光源から出射される光が反射装置により光源へ反射される。一方、第1の電極301と第2の電極302との間へ電圧を印加すると、光源から出射される光が反射装置により光源とは異なる方向へ反射される。これを利用すると、第1の電極301と第2の電極302との間に印加する電圧を制御することにより、光源から出射された光を変調して光源に戻すことができる。このように、本実施の形態の反射装置は、光変調器として用いることができる。
【0040】
図6、図7、図8および図9は図1〜図5の反射装置における反射層の起立構造の作製方法を示す工程図であり、(a)は模式的断面図、(b)は模式的平面図である。
【0041】
まず、図6に示すように、GaAsからなる基板1上に、AlGaAsからなる犠牲層(sacrifice層)2、歪層(strain層)5および反射層6を順にエピタキシャル成長させる。
【0042】
これらの犠牲層2、歪層5および反射層6は、MBE法(分子線エピタキシャル成長法)、MOCVD法(有機金属化学的気相成長法)、CVD法(化学的気相成長法)等のエピタキシャル成長技術を用いて形成される。
【0043】
歪層5は、厚さ数nm〜数十nmのInGaAs層3および厚さ数nm〜数十nmのGaAs層4により構成される。InGaAs層3の格子定数は、GaAs層4の格子定数よりも大きい。そのため、歪層5に格子定数の差による歪が発生する。
【0044】
また、反射層6は、分布反射膜(Distributed Bragg Reflector:以下、DBR膜と呼ぶ)により構成される。DBR膜は、後述するように、AlGaAsとGaAsとの積層構造を有する。
【0045】
次に、図7に示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングにより反射層6に湾曲領域を規定する凹部からなる谷折溝10を形成する。エッチングとしては、ウェットエッチング法またはRIE法(反応性イオンエッチング法)を用いることができる。
【0046】
次に、図8に示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングにより所定領域を取り囲むように反射層6、歪層5および犠牲層2を除去し、分離溝11を形成する。それにより、分離溝11で取り囲まれた反射層6Aが周囲の反射層6Bから分離される。この場合にも、エッチングとしてウェットエッチング法またはRIE法を用いる。
【0047】
その後、図9に示すように、歪層5下の犠牲層2をウェットエッチング法により選択的にエッチングする。その結果、歪層5を構成するInGaAs層3とGaAs層4との格子定数の差に起因する歪を緩和するように歪層5が谷折溝10の下方の領域12で湾曲する。この場合、InGaAs層3の厚さ、GaAs層4の厚さおよびInGaAs層3におけるIn組成比を最適に選択することにより、反射層6AをGaAs基板1に対して垂直に起立させることができる。
【0048】
例えば、InGaAs層3の厚さを10nmとし、GaAs層4の厚さを10nmとする。また、InGaAs層3の組成InX Ga1-X AsにおけるIn組成比Xを0.2とすると、歪層5がGaAs基板1に対して垂直に起立する。
【0049】
なお、InGaAs層3におけるIn組成比を変化させることにより、InGaAsとGaAsとの格子定数の差を約7%まで変化させることができる。
【0050】
InGaAs層3の厚さt1とGaAs層4の厚さt2とが等しいとした場合、InGaAs層3の厚さt1、GaAs層4の厚さt2、InGaAs層3におけるIn組成比Xおよび歪層5の曲率半径Rとの間には、次の関係がある。
【0051】
R=(2/3)・(a/Δa)・d
ここで、aはGaAsの格子定数であり、5.6533Åである。また、ΔaはInX Ga1-X Asの格子定数とGaAsの格子定数との差である。In0.2 Ga0.8 Asの格子定数は5.7343Åである。また、dはInGaAs層3の厚さt1およびGaAs層4の厚さt2の合計である。t1=t2=10[nm]の場合、d=20[nm]となる。本例では、R=0.944[μm]となる。なお、湾曲領域の円弧の長さは1.483μmとする。
【0052】
図10は反射層6の詳細な構成を示す模式的断面図である。
図10に示すように、反射層6は、複数のAlGaAs層6aと複数のGaAs層6bとが交互に積層されてなる積層構造を有する。AlGaAs層6aおよびGaAs層6bの周期は4〜20である。
【0053】
この反射層6のAlGaAs層6aの厚さd1 およびGaAs層6bの厚さd2 は、次式のように設定する。
【0054】
d1 =λ/(4n1 ) …(1)
d2 =λ/(4n2 ) …(2)
ここで、λは発光波長であり、n1 およびn2 はそれぞれAlGaAs層6aおよびGaAs層6bの屈折率である。
【0055】
一般に、電磁波が屈折率の高い物質から低い物質へ入射する場合にはその位相は変化せず、屈折率の低い物質から高い物質へ入射する場合にはその位相はπだけ変化する。AlGaAs層6aおよびGaAs層6bが上式(1),(2)を満足する場合、各層における反射波の位相が揃うため、高反射率が得られる。
【0056】
なお、AlAsを酸化することにより得られる酸化アルミニウム層とAlGaAs層とを交互に積層することにより反射層6を構成してもよい。
【0057】
このようにして、GaAsからなる基板1の表面に対して垂直に起立するDBR膜からなる反射層6が作製される。
【0058】
したがって、図6〜図9に示した起立構造の作製方法を用いて図1〜図5に示した反射装置を製造することができる。
【0059】
なお、歪層5に電流を流すことにより歪層5を加熱してもよい。それにより、歪層5の湾曲の程度を調整し、反射層6Aの角度を変化させることができる。また、InGaAs層3を熱膨張させることにより歪層5を容易に湾曲させることができる。この場合には、図1の工程でInGaAs層3に導電性を付与するためにn型またはp型の不純物をドープしておく。
【0060】
また、歪層5に印加する電圧または歪層5に流す電流を変化させることにより反射層6Aの角度を直角以外の角度に変化させることも可能である。
【0061】
本実施の形態の反射装置は、通常のフォトリソグラフィ、エッチング、エピタキシャル成長等のプレーナ技術により容易かつ安価に製造することができる。
【0062】
図11は歪層5の構成の他の例を示す模式的断面図であり、(a)は折曲していない状態を示し、(b)は山折された状態を示し、(c)は谷折された状態を示す。
【0063】
図11(a)に示すように、歪層5は、GaAs層4が第1のInGaAs層3aおよび第2のInGaAs層3bにより挟まれた構造を有する。第2のInGaAs層3bは第1のInGaAs層3aよりも大きな厚みを有する。第2のInGaAs層3b上に反射層6が形成される。
【0064】
この場合、第1のInGaAs層3aおよび第2のInGaAs層3bはGaAs層4に比べて大きな格子定数を有するので、第1のInGaAs層3aはGaAs層4を上方に湾曲させるように作用し、第2のInGaAs層3bはGaAs層4を下方に湾曲させるように作用する。この状態では、第2のInGaAs層3b上に反射層6が形成されているため、歪層5は湾曲しない。
【0065】
図11(b)に示すように、反射層6を第2のInGaAs層3bが露出するまでエッチングすると、第1のInGaAs層3aの厚みが第2のInGaAs層3bの厚みに比べて大きいので、第2のInGaAs層3bがGaAs層4を下方に湾曲させるように作用する。それにより、反射層6がエッチング部分で山状に折曲される。
【0066】
図11(c)に示すように、反射層6および第2のInGaAs層3bをGaAs層4が露出するまでエッチングすると、第1のInGaAs層3aはGaAs層4を上方に湾曲させるように作用する。それにより、反射層6がエッチング部分で谷状に折曲される。
【0067】
図1〜図5の反射装置において図11に示す歪層5を用いるとともにエッチング深さを調整することにより、反射層6を谷状および山状に折曲することができる。
【0068】
上記実施の形態の反射装置では、第3の反射層613および第4の反射層614にそれぞれ第1の電極301および第2の電極302を設けることにより、静電力により第1〜第4の反射層611〜614の角度を変化させているが、これに限定されず、例えば、第3の反射層613および第4の反射層614にそれぞれ第1のインダクタおよび第2のインダクタを設けることにより、電磁力により第1〜第4の反射層611〜614の角度を変化させることも可能である。
【0069】
上記実施の形態では、歪層5としてInGaAs層とGaAs層との積層構造を用いているが、これに限定されず、異なる格子定数を有する種々の半導体層の組み合わせを用いることができる。歪層5として他のIII −V族化合物半導体の積層構造、II−VI族化合物半導体の積層構造を用いてもよい。また、歪層としてSi(シリコン)およびGe(ゲルマニウム)を含む半導体層の積層構造を用いてもよい。
【0070】
また、上記実施の形態では、GaAsからなる基板を用いているが、犠牲層、歪層および反射層の材料を考慮してSi基板等の他の基板を用いてもよい。
【0071】
さらに、上記実施の形態では、犠牲層の材料としてAlGaAsを用いているが、これに限定されず、選択エッチングを考慮して他の材料を用いてもよい。
【0072】
また、反射層の材料も上記実施の形態に限定されず、反射層の用途に応じて任意の材料を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における反射装置の製造工程での反射層の起立前の状態を示す模式的平面図である。
【図2】本発明の一実施の形態における反射装置の製造工程での反射層の起立前の状態を示す模式的斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態における反射装置の製造工程での反射層の起立過程を示す模式的斜視図である。
【図4】本発明の一実施の形態における反射装置の製造工程での反射層の起立後の状態を示す模式的斜視図である。
【図5】図1の第1〜第3の領域の拡大図である。
【図6】図1〜図5の反射装置における反射層の起立構造の作製方法を示す工程図である。
【図7】図1〜図5の反射装置における反射層の起立構造の作製方法を示す工程図である。
【図8】図1〜図5の反射装置における反射層の起立構造の作製方法を示す工程図である。
【図9】図1〜図5の反射装置における反射層の起立構造の作製方法を示す工程図である。
【図10】反射層の詳細な構成を示す模式的断面図である。
【図11】歪層の構成の他の例を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 犠牲層
3 InGaAs層
3a 第1のInGaAs層
3b 第2のInGaAs層
4 GaAs層
5 歪層
6,6A,6B 反射層
10 谷折溝
11 分離溝
20 山折線
21 湾曲部分
301 第1の電極
302 第2の電極
311,312 電極パッド
400 交差部
500 突起
601 第1の領域
602 第2の領域
603 第3の領域
611 第1の反射層
612 第2の反射層
613 第3の反射層
614 第4の反射層
Claims (10)
- 基板上に第1の層、第2の層および第3の層が順に形成され、前記第2の層は、異なる格子定数を有する複数の半導体層の積層構造を含み、前記第3の層は反射層を含み、
前記第3の層は、所定の点を中心として順に第1の角度、第2の角度および第3の角度をなす第1の折線部分、第2の折線部分、第3の折線部分および第4の折線部分を有し、前記第1の折線部分および前記第2の折線部分に沿った2辺を有する第1の領域と、前記第2の折線部分および前記第3の折線部分に沿った2辺を有する第2の領域と、前記第3の折線部分および前記第4の折線部分に沿った2辺を有する第3の領域とを含み、
前記第1、第2、第3および第4の折線部分を除く部分で前記第1、第2および第3の領域を取り囲むように、前記第3の層から前記第1の層に至る深さの分離溝が形成されるとともに、前記第1、第2および第3の領域における前記第1の層が選択的に除去され、
前記第2の層に作用する歪により前記第2の層が前記第1の折線部分、前記第2の折線部分および前記第4の折線部分で谷状に折曲されかつ前記第3の折線部分で山状に折曲され、前記第1の領域および前記第2の領域が前記基板上の前記第3の層に対して起立し、前記第3の領域が前記基板上の前記第3の層に対向し、かつ前記第1の領域と前記第2の領域とが所定の角度をなすことを特徴とする反射装置。 - 前記第1の角度は90度であり、前記第2の角度は90度であり、前記第3の角度は45度であることを特徴とする請求項1記載の反射装置。
- 前記第1、第2および第4の折線部分で前記第3の層が除去されたことを特徴とする請求項1記載の反射装置。
- 前記第2の層は、第1の格子定数を有する第1の半導体層と、前記第1の格子定数よりも小さい第2の格子定数を有する第2の半導体層とを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射装置。
- 前記第3の折線部分で前記第1の層、前記第2の層および前記第3の層が断続的に除去されたことを特徴とする請求項4記載の反射装置。
- 前記第2の層は、第1の格子定数を有する第1の半導体層と、前記第1の格子定数よりも小さい第2の格子定数を有する第2の半導体層と、前記第2の格子定数よりも大きい第3の格子定数を有する第3の半導体層とを含み、
前記第1、第2および第4の折線部分で前記第2の層が谷状に折曲されるように前記第1、第2および第4の折線部分の前記第3の層および前記第3の半導体層が除去され、前記第3の折線部分で前記第2の層が山状に折曲されるように前記第3の折線部分で前記第3の層が除去されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射装置。 - 前記所定の点で前記第1の層、前記第2の層および前記第3の層が除去されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の反射装置。
- 前記基板上の前記第3の層に対して起立する前記第1の領域および前記第2の領域の角度を変化させる駆動手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の反射装置。
- 前記駆動手段は、前記第3の領域と前記基板上の前記第3の層との間に静電力または電磁力を作用させることを特徴とする請求項8記載の反射装置。
- 基板上に第1の層を形成するステップと、
前記第1の層上に、異なる格子定数を有する複数の半導体層の積層構造を含む第2の層を形成するステップと、
前記第2の層上に反射層を含む第3の層を形成するステップと、
前記第3の層に所定の点を中心として順に第1の角度、第2の角度および第3の角度をなす第1の折線部分、第2の折線部分、第3の折線部分および第4の折線部分を形成することにより、前記第1の折線部分および前記第2の折線部分に沿った2辺を有する第1の領域と、前記第2の折線部分および前記第3の折線部分に沿った2辺を有する第2の領域と、前記第3の折線部分および前記第4の折線部分に沿った2辺を有する第3の領域とを設けるステップと、
前記第1、第2、第3および第4の折線部分を除く部分で前記第1、第2および第3の領域を取り囲むように、前記第3の層から前記第1の層に至る深さの分離溝を形成するステップと、
前記第1、第2および第3の領域における前記第1の層を選択的に除去することにより、前記第2の層に作用する歪により前記第2の層を前記第1の折線部分、前記第2の折線部分および前記第4の折線部分で谷状に折曲しかつ前記第3の折線部分で山状に折曲し、前記第1の領域および前記第2の領域を前記基板上の前記第3の層に対して起立させ、前記第3の領域を前記基板上の前記第3の層に対向させ、かつ前記第1の領域と前記第2の領域とを所定の角度にするステップとを備えたことを特徴とする反射装置の製造方法。
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