JP3761708B2 - 半導体レーザ光源および固体レーザ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のレーザ光を合成するように構成された半導体レーザ光源およびこれを用いた固体レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体レーザは、ガスレーザや固体レーザ等と比べて小型で信頼性が高く、メンテナンスも容易である点で、光通信や光ディスク装置等で広く使用されているが、レーザ溶接やレーザメス等の大出力レーザ光を必要とする分野では開発途上の段階である。1つの半導体レーザから得られる光出力は、CW(Constant Wave )動作で数mWから数百mW程度が限度であり、上記分野への応用はかなり難しい。こうした対策として、複数の半導体レーザからのレーザ光を1つに合成することによって、レーザ光の大出力化を狙う研究が行われている。
【0003】
一方、半導体レーザのレーザ光は拡がり角が大きいため、光学素子の形状や配置に高い精度が要求され、複数のレーザ光を1つに合成することはかなり技術的に困難であるが、たとえば1本の光ファイバに複数のレーザ光を合流させることが実現できければ、応用分野も拡大する。
【0004】
先行技術として特開昭60−76707号公報には、2つの半導体レーザからの光を1本の光ファイバに入射させるために、一方のレーザ光の偏光面を90°回転させた後、複屈折効果によって2つのレーザ光を合流させる光学系を使用しており、1つが故障したとき残りが動作を継続することによって、多重化による信頼性向上を目的とした光通信用の半導体レーザ二重化モジュールが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭60−76707号公報の構成では、拡がり角の大きい半導体レーザを使用した場合、複屈折素子への入射角度が光軸近傍の光と外側に拡がった光とで大きく相違するため、複屈折効果がばらついてレーザ光の合流が困難になる。さらに、入射角度が大きく変化することによってレーザ光の波面も乱れてしまうため、小さなコア径を有する光ファイバへの集光が難しくなる。
【0006】
波長安定性や寿命を重視した光通信用半導体レーザでは拡がり角があまり大きくないため、上記のような問題点は生じないが、高出力・高輝度を重視した加工用半導体レーザでは一般に拡がり角が大きいため、上記のような問題点が浮上してくる。
【0007】
さらに、該先行技術ではレーザ光を合流させる光学素子と光ファイバに結合させる光学素子とを別個に設けているため、光の通過損失も増加するとともに、全体構成が大型で複雑になり、信頼性や生産性が低くなる。
【0008】
本発明の目的は、レーザ光同士の合流効率および後段の光学系への結合効率を格段に向上できる半導体レーザ光源を提供することである。
【0009】
また本発明の目的は、レーザ光同士の合流効率および後段の光学系への結合効率の向上によって、励起光の大出力化が可能な固体レーザ装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、偏光面が互いに平行で、直交2方向の拡がり角θa、θbがθa>θbを満たすレーザ光を出射する第1および第2半導体レーザと、
第1および第2半導体レーザから出射されるレーザ光を拡がり角θaが減少する方向に集光するシリンドリカル光学素子と、
シリンドリカル光学素子を通過した各レーザ光の偏光面が互いに90度となるように偏光方向を制御する偏光回転素子と、
偏光回転素子を通過した各レーザ光の光路を複屈折効果によって合流させる複屈折光学素子と、
複屈折光学素子で合流したレーザ光を拡がり角θbが減少する方向に集光する集光性光学素子とを備え、
第1および第2半導体レーザが、単一のチップに複数の発光領域が形成された横マルチモードの半導体レーザアレイで隣接する発光領域であり、
シリンドリカル光学素子は、該半導体レーザアレイ側の入力面が該複数の発光領域が形成される方向に平行な母線を有する円筒状で、偏光回転素子側の出力面が平面状であり、
偏光回転素子は、シリンドリカル光学素子側の光入射面が平面状に形成され、第1半導体レーザからのレーザ光と第2半導体レーザからのレーザ光とが通過する部分の厚さが異なるように、光出射面が段差状に形成されていることを特徴とする半導体レーザ装置である。
【0011】
本発明に従えば、第1および第2半導体レーザの後にシリンドリカル光学素子を配置し、レーザ光を拡がり角θaが減少する方向に集光することによって、光利用効率が向上するとともに、後段に配置された複屈折光学素子への入射角度変化を小さくできる。そのためレーザ光の複屈折効果のばらつきが減少して、レーザ光同士の合流効率も向上する。
【0012】
また、第1半導体レーザからのレーザ光と第2半導体レーザからのレーザ光とが通過する部分の厚さが異なるように、光出射面が段差状に形成される複屈折光学素子で合流したレーザ光を拡がり角θbが減少する方向に集光する集光性光学素子、たとえばシリンドリカルレンズや球面レンズなどを設けることによって、光利用効率が向上するとともに、シリンドリカル光学素子および集光性光学素子が2つの拡がり角θa、θbを別個に制御することになるため、円形で小さい集光スポットを実現できる。その結果、たとえば光ファイバ等の後段の光学系との結合効率を格段に向上できる。
【0016】
さらに複数の発光領域を有する半導体レーザアレイを用いることによって、各発光領域での発光特性、たとえば拡がり角、偏光比、発振波長、出力などがほぼ均一になるため、合流後のレーザ光の特性を均質にできる。また、横マルチモードの半導体レーザアレイは単体でも大出力のものが得られるため、レーザ光の出力向上に資する。
【0019】
また本発明は、シリンドリカル光学素子の集光位置と集光性光学素子の集光位置とが一致し、該集光位置に光ファイバの入射端面が配置されることを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、集光位置でのスポット径を小さく形成できるため、光ファイバとの結合効率が格段に向上する。
【0021】
また本発明は、前記光ファイバが複数の光ファイバが束ねられて構成され、各光ファイバの入射端面には前記半導体レーザアレイの発光領域のうち2つの発光領域からのレーザ光が合流して入射するように配置された光ファイババンドルであることを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、光ファイババンドルの出射端面が一定面積を有する面状光源として構成されるため、大出力・高輝度の光源を実現でき、光励起型固体レーザの励起光源やその他の加工や照明、表示などの用途に有用である。
【0023】
また本発明は、偏光面が互いに平行で、直交2方向の拡がり角θa、θbがθa>θbを満たすレーザ光を出射する第1および第2半導体レーザが、単一のチップで隣接する発光領域に形成された横マルチモードの半導体レーザアレイと、
半導体レーザアレイ側の入力面が第1および第2半導体レーザが隣接する方向に平行な母線を有する円筒状で、偏光回転素子側の出力面が平面状であり、第1および第2半導体レーザから出射されるレーザ光を拡がり角θaが減少する方向に集光するシリンドリカル光学素子と、
シリンドリカル光学素子側の光入射面が平面状に形成され、第1半導体レーザからのレーザ光と第2半導体レーザからのレーザ光とが通過する部分の厚さが異なるように、光出射面が段差状に形成され、シリンドリカル光学素子を通過した各レーザ光の偏光面が互いに90度となるように偏光方向を制御する偏光回転素子と、
偏光回転素子を通過した各レーザ光の光路を複屈折効果によって合流させる複屈折光学素子と、
複屈折光学素子で合流したレーザ光を拡がり角θbが減少する方向に集光する集光性光学素子と、
合流したレーザ光で光励起され、レーザ発振を行う固体レーザ媒質とを備えることを特徴とする固体レーザ装置である。
【0024】
本発明に従えば、第1および第2半導体レーザの後にシリンドリカル光学素子を配置し、レーザ光を拡がり角θaが減少する方向に集光することによって、光利用効率が向上するとともに、後段に配置された複屈折光学素子への入射角度変化を小さくできる。そのためレーザ光の複屈折効果のばらつきが減少して、レーザ光同士の合流効率も向上する。
【0025】
また、第1半導体レーザからのレーザ光と第2半導体レーザからのレーザ光とが通過する部分の厚さが異なるように、光出射面が段差状に形成される複屈折光学素子で合流したレーザ光を拡がり角θbが減少する方向に集光する集光性光学素子、たとえばシリンドリカルレンズや球面レンズなどを設けることによって、光利用効率が向上するとともに、シリンドリカル光学素子および集光性光学素子が2つの拡がり角θa、θbを個別に制御することによって、円形で小さい集光スポットを実現できる。その結果、後段の光学系との結合効率を格段に向上できる。
【0026】
こうして大出力化されたレーザ光を固体レーザ媒質の励起光として使用することによって、固体レーザ媒質のレーザ出力が格段に増加する。
【0027】
ここでシリンドリカル光学素子とは、両側の光入出力面が互いに平行な母線を有する曲面や平面で形成され、母線と垂直な方向に集光力を有し、母線と平行な方向に集光力を持たない素子を意味し、たとえば一方が円筒状で他方が平面状に形成されたレンズ(いわゆるかまぼこ型レンズ)などが例示できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の一形態の構成を示し、図1(a)は平面図、図1(b)は部分正面図、図1(c)は光出射側の端面形状を示す図である。半導体レーザ光源9は、複数の発光領域3を有する半導体レーザアレイ2と、発光領域3からのレーザ光LA、LBをZ方向に集光するシリンドリカルレンズ4と、シリンドリカルレンズ4を通過したレーザ光LA、LBの偏光面が互いに90度となるように偏光方向を制御する偏光回転素子である波長板5と、波長板5を通過したレーザ光LA、LBの光路を複屈折効果によって合流させる複屈折光学素子6と、複屈折光学素子6を通過するレーザ光LA、LBをX方向に集光するためにシリンドリカル面状に形成された光出射面7と、シリンドリカルレンズ4および光出射面7の集光位置に設けられた複数の光ファイバ10などで構成される。
【0031】
半導体レーザアレイ2から複屈折光学素子6での各光学素子は同一の基板上に固定され、光源モジュール1として構成される。
【0032】
半導体レーザアレイ2は、単一のチップに複数の発光領域3がストライプ幅50μm、ストライプ間隔500μm、共振器長1mmで形成されたもので、1つの発光領域が1つの独立した半導体レーザとして機能し、横マルチモード発振でそれぞれ出力1W程度という大出力のレーザ光を発生する。こうした半導体レーザアレイ2を用いることによって、各発光領域3での発光特性、たとえば拡がり角、偏光比、発振波長、出力などがほぼ均一になるため、合流後のレーザ光の特性を均質にできる。
【0033】
発光領域3からのレーザ光LA、LBは、XY面と平行に形成された活性層に対して垂直なZ方向に拡がり角が大きい楕円状の強度分布を示し、たとえばZ方向の拡がり角θz=34°、X方向の拡がり角θx=10°である。また、発光領域3から出射した直後のレーザ光LA、LBはほぼ直線偏光であり、その偏光面は活性層と平行になる。
【0034】
シリンドリカルレンズ4は、X方向と平行な母線を有するシリンドリカル面に形成された光入射面と、平面状の光出射面とを有し、発光領域3からのレーザ光LA、LBをZ方向にのみ集光し、X方向には集光しない。こうしたシリンドリカルレンズ4を半導体レーザアレイ2の後に配置することによって、光利用効率が向上するとともに、後段の複屈折光学素子6への入射角度変化を小さくできるため、複屈折効果のばらつきが減少し、レーザ光同士の合流効率が向上する。
【0035】
シリンドリカルレンズ4として、たとえば光入射面の曲率半径500μm、開口数(NA)0.4、中心厚さ0.5mmの溶融クォーツから成るシリンドリカルレンズ4が使用できる。
【0036】
波長板5は、X方向とZ方向とで光の屈折率が相違する1軸性結晶または2軸性結晶で形成され、かつレーザ光LAが通過する部分5aとレーザ光LBが通過する部分5bとで厚さが異なるように光出射面が段差状に形成される。こうした形状によって光学距離の相違に起因する光の位相差が生じ、隣合ったレーザ光LA、LB同士の偏光面の回転角度が90°となるように調整している。
【0037】
波長板5として、たとえば異常光屈折率ne=1.5380、常光屈折率no=1.5470の溶融クォーツで形成し、部分5aの厚さが0.5mmで、部分5bでは厚さ0.5mmに対して45μmの凹みを形成することによって、部分5aは偏光面をそのまま保持するとともに、部分5bは2分の1波長板として機能し、偏光面を90°回転させる。したがって、部分5aを通過するレーザ光LAの偏光面はX方向と平行なままであり、一方、部分5bを通過するレーザ光LBの偏光面はZ方向と平行になり、両者の偏光面は互いに垂直になる。なお、各部分5a、5bの厚さを調整することによって、レーザ光LAの偏光面を90°回転させ、レーザ光LBの偏光面をそのまま保持するような波長板も使用可能であり、あるいは一方の偏光面を+45°に回転させ、他方を−45°に回転させるように構成することも可能である。
【0038】
複屈折光学素子6は、複屈折性の結晶、たとえばc軸に対して45°の方向に切り出されたYVO4 結晶(異常光屈折率ne=2.20、常光屈折率no=2.0)で形成され、複屈折効果によってレーザ光LAは常光線としてY方向と平行に直進し、レーザ光LBは異常光線としてXY面内でY方向に対して約5.8°のビームウォークオフが生じて斜めに進行する。また、複屈折光学素子6内でのレーザ光LA、LBはともに約2.5°の拡がり角となる。
【0039】
こうして光入射面で一定距離隔てていたレーザ光LA、LBは、レーザ光LBの斜め進行によって光路が交差することになり、この交差位置と光出射面とが一致するように複屈折光学素子6の長さを調整する。ここでは長さ5mmに設定している。
【0040】
光出射面7は、Z方向と平行な母線を有し、たとえば曲率半径5mmのシリンドリカル面状に形成することによって、シリンドリカルレンズと同等な機能を付与しており、レーザ光LA、LBをX方向にのみ集光し、Z方向に集光しない。この光出射面7では、レーザ光LBは約5.8°のビームウォークオフが解消され、レーザ光LA、LBは重なり合ってY方向と平行に出射する。こうして合流したレーザ光LA、LBは、1つの光ファイバ10に入射する。
【0041】
ここで、光出射面7によるX方向の集光位置とシリンドリカルレンズ4によるZ方向の集光位置とを一致させることが好ましく、たとえば光出射面7の結像倍率βxをほぼ等倍、シリンドリカルレンズ4の結像倍率βzを10〜30倍に設定している。これによって直交方向で拡がり角が異なるレーザ光であっても、集光位置で円形で小さい集光スポットを実現でき、後段の光学系である光ファイバ10との結合効率を向上できる。また、複屈折光学素子6の光出射面7に集光レンズの機能を一体的に形成することによって、個別配置と比べて界面反射ロスが少なくなるとともに、組立調整が簡単になり、信頼性や生産性が向上する。
【0042】
光ファイバ10は、たとえば直径60μmのコア11とコア11を被覆するクラッド12とで構成され、開口数NA=0.14である。光ファイバ10の光入射端面は、複屈折光学素子6の光出射面7から約7mm後方に配置される。
【0043】
こうして隣合うレーザ光LA、LBが合流した光ファイバ10が複数本設置され、これらの光出射端はリング状の結束部材13によって結束され、図1(c)に示すように、1本の光ファイババンドルとして構成され、レーザ光LCを発生する単一の面状光源として利用される。たとえば、出力1Wの発光領域3が20個形成された半導体レーザアレイ2と、10本の光ファイバを使用することによって、途中の光学ロスを考慮しても出力約14Wのレーザ光LCを発生する光源が得られることになる。これは半導体レーザのレーザ加工への応用を拡大するものである。
【0044】
図2は、本発明に係る固体レーザ装置の構成図である。固体レーザ装置は、図1で説明した半導体レーザ装置9と、半導体レーザ装置9から発生するレーザ光LCを集光するレンズ14と、レーザ光LCによって光励起されてレーザ発振を行う固体レーザ部20などで構成される。
【0045】
固体レーザ部20は、励起光であるレーザ光LCによって光励起されて反転分布を形成する固体レーザ媒質22と、レーザ光LCの波長に対して高い透過率で、固体レーザ媒質22の発振波長に対して高い反射率を示す凹面ミラー21と、固体レーザ媒質22の発振波長に対して95%の反射率を示す平面ミラー24と、発振光の横モードを制限するアパーチャ23などで構成される。
【0046】
たとえば、レーザ光LCの波長が810nm、固体レーザ媒質22がNdが1.1at%ドープされ、発振波長1064nmのNd:YAG結晶、アパーチャ23の開口直径が250μm、凹面ミラー21および平面ミラー24から成る光共振器長が100mmで構成された場合、波長1064nmで出力約7.5Wのレーザ光LPを得ることができる。
【0047】
このように半導体レーザアレイ2から出射される複数のレーザ光を複屈折効果によって2つから1つに合流させ、さらに光ファイバ10を束ねることによって大出力で単一の励起光源が得られる。さらに固体レーザ媒質22を光励起するよって、固体レーザ媒質22のレーザ発振出力も格段に増加する。
【0048】
図3は本発明に関連する形態の構成を示し、図3(a)は平面図、図3(b)は部分正面図である。全体の構成は図1で説明したものと同様であるが、図1のシリンドリカルレンズ4の代わりに屈折率分布型の円柱レンズ4a(たとえば直径300μmのドリックレンズ:カナダDoric Lenses社製)をシリンドリカル光学素子として使用している。シリンドリカルレンズとして円柱レンズ4aを用いているため、図3(b)に示すように、光ファイバ10のNAを大きくしなくても光ファイバ10と半導体レーザアレイ2との距離を近づけることができる。そのための設計として、発光領域3の間隔を250μm、複屈折光学素子6の長さを2.5mm、光出射面7のシリンドリカル面の曲率半径を2.5mmとし、さらに複屈折光学素子6と光ファイバ10との距離を3.5mmとした。その他の条件や動作内容は図1のものと同様であるため重複説明を省略する。このように円柱レンズ4aを用いることで、光ファイバ10のNAを図1のものと同じ0.14のままで、光伝播方向に沿った全体の長さを約半分にすることができた。
【0049】
さらに、こうした円柱レンズ4aを用いた場合、半導体レーザアレイ2の発光領域3からのレーザ光LA、LBをZ方向に集光して、複屈折光学素子6におけるレーザ光LA、LBの合成をさらに効率的に行なうことができる。
【0050】
【発明の効果】
以上詳説したように本発明によれば、第1および第2半導体レーザの後にレーザ光を拡がり角θaが減少する方向に集光するシリンドリカル光学素子を配置することによって、光利用効率が向上し、複屈折光学素子への入射角度変化を小さくできる。そのためレーザ光の複屈折効果のばらつきが減少して、レーザ光同士の合流効率も向上する。
【0051】
また、第1および第2半導体レーザからのレーザ光が通過する部分の厚さがそれぞれ異なるように、段差状の光出射面が形成される複屈折光学素子で合流したレーザ光を拡がり角θbが減少する方向に集光する集光性光学素子を設けることによって、光利用効率が向上するとともに、シリンドリカル光学素子および集光性光学素子が2つの拡がり角θa、θbを別個に制御することになるため、円形で小さい集光スポットを実現できる。その結果、後段の光学系との結合効率を格段に向上できる。
【0052】
さらに、合流したレーザ光で固体レーザ媒質の光励起を行うことによって、励起光の大出力化が図られ、その結果、固体レーザ媒質のレーザ発振出力も格段に増加する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の構成を示し、図1(a)は平面図、図1(b)は部分正面図、図1(c)は光出射側の端面形状を示す図である。
【図2】本発明に係る固体レーザ装置の構成図である。
【図3】 本発明に関連する形態の構成を示し、図3(a)は平面図、図3(b)は部分正面図である。
【符号の説明】
1 光源モジュール
2 半導体レーザアレイ
3 発光領域
4 シリンドリカルレンズ
4a 円柱レンズ
5 波長板
6 複屈折光学素子
7 光出射面
9 半導体レーザ光源
10 光ファイバ
13 結束部材
20 固体レーザ部
21 凹面ミラー
22 固体レーザ媒質
24 平面ミラー
Claims (4)
- 偏光面が互いに平行で、直交2方向の拡がり角θa、θbがθa>θbを満たすレーザ光を出射する第1および第2半導体レーザと、
第1および第2半導体レーザから出射されるレーザ光を拡がり角θaが減少する方向に集光するシリンドリカル光学素子と、
シリンドリカル光学素子を通過した各レーザ光の偏光面が互いに90度となるように偏光方向を制御する偏光回転素子と、
偏光回転素子を通過した各レーザ光の光路を複屈折効果によって合流させる複屈折光学素子と、
複屈折光学素子で合流したレーザ光を拡がり角θbが減少する方向に集光する集光性光学素子とを備え、
第1および第2半導体レーザが、単一のチップに複数の発光領域が形成された横マルチモードの半導体レーザアレイで隣接する発光領域であり、
シリンドリカル光学素子は、該半導体レーザアレイ側の入力面が該複数の発光領域が形成される方向に平行な母線を有する円筒状で、偏光回転素子側の出力面が平面状であり、
偏光回転素子は、シリンドリカル光学素子側の光入射面が平面状に形成され、第1半導体レーザからのレーザ光と第2半導体レーザからのレーザ光とが通過する部分の厚さが異なるように、光出射面が段差状に形成されていることを特徴とする半導体レーザ装置。 - シリンドリカル光学素子の集光位置と集光性光学素子の集光位置とが一致し、該集光位置に光ファイバの入射端面が配置されることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ光源。
- 前記光ファイバが複数の光ファイバが束ねられて構成され、各光ファイバの入射端面には前記半導体レーザアレイの発光領域のうち2つの発光領域からのレーザ光が合流して入射するように配置された光ファイババンドルであることを特徴とする請求項2記載の半導体レーザ光源。
- 偏光面が互いに平行で、直交2方向の拡がり角θa、θbがθa>θbを満たすレーザ光を出射する第1および第2半導体レーザが、単一のチップで隣接する発光領域に形成された横マルチモードの半導体レーザアレイと、
半導体レーザアレイ側の入力面が第1および第2半導体レーザが隣接する方向に平行な母線を有する円筒状で、偏光回転素子側の出力面が平面状であり、第1および第2半導体レーザから出射されるレーザ光を拡がり角θaが減少する方向に集光するシリンドリカル光学素子と、
シリンドリカル光学素子側の光入射面が平面状に形成され、第1半導体レーザからのレーザ光と第2半導体レーザからのレーザ光とが通過する部分の厚さが異なるように、光出射面が段差状に形成され、シリンドリカル光学素子を通過した各レーザ光の偏光面が互いに90度となるように偏光方向を制御する偏光回転素子と、
偏光回転素子を通過した各レーザ光の光路を複屈折効果によって合流させる複屈折光学素子と、
複屈折光学素子で合流したレーザ光を拡がり角θbが減少する方向に集光する集光性光学素子と、
合流したレーザ光で光励起され、レーザ発振を行う固体レーザ媒質とを備えることを特徴とする固体レーザ装置。
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