JP3761400B2 - 位相同期発振回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は位相同期発振回路、特にテレビジョン(TV)信号の周波数に同期した標本化クロックを発生する回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像信号を符号化伝送する装置において、標本化した信号を標準の符号化方式(例えば、ITU−T標準H.263およびMPEG2等)で符号化する場合には、フレーム間符号化の効率を上げるために、標本化クロックは、入力画像の水平同期信号に正確に引き込む必要がある。また、デジタル化した信号は、デジタルの水平同期信号に応じて画面上に表示されるため、水平同期信号が引き込み中の場合には、画面上でずれて表示される。このため、入力信号がビデオテープレコーダ(VTR)信号等の場合には、水平同期信号が変動する場合でも迅速に追従するように、引き込みを早くする必要がある。更に、信号源の切替やチャンネル(CH)の切替え等で入力信号が切替えられた場合も、できる限り早く引き込みが行なわれるのが好ましい。
【0003】
一方、送信側で符号化した信号を受信側に伝送して画像を再生する場合には、周波数情報およびタイムスタンプ情報を送り、受信側では周波数情報およびタイムスタンプ情報から標本化クロックを再生する。送信側で入力画像に追従するため、標本化クロックが急激に変化する場合に、必要以上に大きく変動すると、受信側で引き込みが正常に速やかに行われず、バッファメモリでのデータの欠落等を発生することになる。これを避けるためには、受信側のバッファメモリを大きくするか、受信側の周波数応答を早くするか又は送信側の標本化クロックの変化率を小さくする方法がある。
【0004】
送信側で対応する場合には、送信側における標本化クロックの位相同期引き込みロック時の周波数変動を小さくするため、変動は限られた変化量の範囲にする制限を行う必要がある。ITU−T標準H.263等の標準化で符号化/復号化処理部がLSI化されている場合には、バッファメモリを含めて、受信側での引き込み処理等は変更できないので、送信側で対応する必要があり、送信側の標本化クロックの引き込み調整が重要となる。入力TV信号のCH等が切替わって、水平同期信号の位相がずれた場合には、この切替わりを検知して、水平同期のクロック数を保持して急激な変化を止め、受信側でエラーがでないように、送信側で一定の引き込み速度で位相同期させる必要がある。
【0005】
斯かる技術分野の従来技術は、例えば特開平09−252248号公報の「位相同期装置」に開示されている。このこの第1従来技術の位相同期装置のブロック図を、図7に示す。このPLL(Phase Locked Loop)回路は、位相比較器102、乗算器104、105、積分器106、加算器108、電圧制御発振器(VCO)109、選択器110、111、サンプル・ホールド回路112、記憶素子113、減算器114、絶対値回路115および比較器116により構成される。位相比較器102には、入力信号101およびVCO109の出力信号が入力され、位相差信号103を乗算器104、105に対して出力する。選択器110、111には、制御信号117が入力される。サンプル・ホールド回路112は、単位時間nT閉じられ、今回のサンプル信号118と記憶素子113に記憶された前回のサンプルとが、減算器114に入力されて、これらの差信号を求めて絶対値回路115に入力される。
【0006】
また、特開平03−175738号公報の「位相同期クロック発成装置」では、水平同期信号にロックするPLLと、水平同期信号のスキューを、検出回路を設け、スキュー検出時にPLLの分周比を可変して位相ずれを急速に補正する技術を開示している。この、この第2従来技術のPLL回路のブロック図を、図8に示す。水平同期分離回路211、位相比較器212、低域通過フィルタ(LPF)213、VCO214、分周器215およびスキュー検出器216により構成される。水平同期分離回路211には、ビデオ信号入力端子210からビデオ信号、即ち画像信号および同期信号を含む復号画像信号が入力され、水平同期信号HSを分離する。この水平同期信号HSは、位相比較器212およびスキュー検出器216に入力される。位相比較器212は、スキュー検出器216からのスキュー検出信号に基づき、水平同期信号HSおよび分周器215からの分周信号fHの位相を比較し、比較出力をLPF213で平滑した電圧でVCO214の発振周波数を制御する。そして、VCO214は、発振出力nfHを出力端子220に出力する。分周器215は、このVCO214の出力信号の発振周波数nfH1/nに分周して、上述の如くfHを位相比較器212に対して出力する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した第1従来技術では、PLL回路のロック時には制御量を小さく、ロックしないときは利得を大きくしている。しかし、この技術を単純に適用すると、引き込み時に標本化クロックが急激に変化するために、受信側でエラーが生じることがある。また、上述した第2従来技術により再生された標本化クロックによると、一定のクロック数でなく、1水平同期信号の周期におけるクロック数が変化するため、ITU−T標準H.236等の標準化方式の符号器・復号器(CODEC)に供給することができない。
【0008】
【発明の目的】
本発明の目的は、送信側で、水平同期が部分的に変化するVTR信号又は入力画像信号の切替え等が発生しても、引き込みを円滑に行い且つ受信側で復号化装置に再生エラーが発生することなく、標本化クロックを発生する位相同期発振回路を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の位相同期発信回路は、入力水平同期信号およびデジタル同期信号の位相を比較して比較誤差を求める位相比較回路と、該位相比較回路からの前記比較誤差が入力されるループフィルタ回路と、該ループフィルタ回路からの出力信号に従って前記デジタル同期信号を発生する電圧制御発振(VCXO)回路と、前記入力水平同期信号および前記デジタル同期信号により制御信号を出力する制御回路とを含む位相同期発振回路において、
前記制御回路は、前記入力水平同期信号および前記デジタル同期信号の位相ずれの大きさを求める位相差量検出回路と、送信側の位相のずれに応答して受信側で位相が変動する量を推定する受信側追従量推定回路と、前記位相差量検出回路および前記受信側追従量推定回路の出力信号から前記ループフィルタ回路への制御信号を求めて前記ループフィルタ回路の定数を切替える判定回路とを備える。
本発明の好適実施形態によると、画像信号をデジタル化するアナログ・デジタル(A/D)変換器および該A/D変換器の出力信号を符号化する符号化器(CODER)用の標本化クロックを発生する。
【0010】
また、本発明による位相同期発振回路は、位相比較回路からの比較誤差をループフィルタ回路で平滑化した信号で電圧制御発振回路(VCXO回路)を制御してクロックを発生し、該VCXO回路の出力をN分周する分周回路の分周出力を前記位相比較回路に入力する位相同期発振回路において、
前記VCXO回路の出力が入力される位相飛び判定回路を設け、該位相飛び判定回路は、前記VCXO回路から出力されるクロック数をカウントするカウント手段を有し、該カウント手段のカウント値が予め設定した前記Nの近傍か否かにより位相飛びの有無を判定し、位相飛びの場合には前記位相比較回路への位相比較を禁止する制御信号を出すと共に前記分周回路をリセットする。好適実施形態によると、分周回路のリセットは、予めクロックの整数倍の周期で行う。更に、それぞれ標本化クロックを発生する第1および第2位相同期発振回路を縦続接続し、第1位相同期発振回路の標本化クロックで画像信号をデジタル化するアナログ・デジタル(A/D)変換器およびバッファメモリの書き込みを制御し、第2位相同期発振回路の標本化クロックで前記バッファメモリの読み出しおよび符号化回路を制御を行う。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による位相同期発振回路の好適実施形態の構成および動作を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
先ず、図1は、本発明による位相同期発振回路の第1実施形態の構成を示すブロック図である。この位相同期発振回路は、位相比較回路1、ループフィルタ回路2、電圧制御発振回路(VCXO回路)3および制御回路7により構成される。また、制御回路7は、位相差量検出回路4、判定回路5および受信側追従量推定回路6により構成される。
【0013】
TV信号から分離された水平同期信号Haは、位相比較回路1および位相差量検出回路4へ入力される。位相比較回路1は、入力された水平同期信号Haと、VCXO回路3から出力されるデジタルの水平同期信号Hdとの位相比較を行い、比較誤差信号をループフィルタ回路2に対して出力する。このループフィルタ回路2は、入力同期信号に対してデジタルの水平同期信号Hdの位相が遅れている場合には、標本化クロックの周波数を高くして、デジタルの同期信号の位相を進める必要があり、正の誤差信号を出力する。一方、デジタルの同期信号の位相が進んでいる場合には、標本化クロック周波数を下げて位相を遅らせる必要があり、負の誤差信号を出力する。
【0014】
ループフィルタ回路2は、1次積分のフィルタ制御特性を有し、比較誤差信号の入力信号に定数αを乗算して積分した値と、入力信号に定数βを乗算した値とを加算した値を、フィルタ出力信号として出力する。そして、制御信号としてVCXO回路3へ入力する。定数αおよびβの値は予め複数の値が用意されており、制御回路7からの制御信号によって、切替え選択される。定数αおよびβの値を大きくすると、過渡応答の特性が早くなるが、定常状態で雑音等の影響による位相ジッタが大きくなる。定数αおよびβの値を小さくすると、過渡応答特性は遅くなるが、定常状態で雑音等の影響による位相ジッタを小さくできる。VCXO回路3は、制御信号に従って、標本化クロックを発生する。制御信号が大きくなれば標本化クロックの周波数は高くなり、制御信号が小さくなれば標本化クロックの周波数は低くなる。また、標本化クロックを一定値N(Nは、1水平ラインの画素数)で分周して、デジタルの水平同期信号Hdを発生し、位相比較回路1および制御回路7の位相差量検出回路4へ入力する。
【0015】
位相差量検出回路4は、入力水平同期信号Haに対しデジタル水平同期信号Hdの位相ずれの大きさを位相差量Dtとして、ライン周期毎に求める。位相差量Dtは、1ラインがN画素のとき、−N/2〜N/2の範囲の値で求められる。通常は、両者の同期信号の位相が略一致しており、位相差量Dtは、略0に近い値である。しかし、時刻t=0で画像信号の切替わり等で入力の水平同期信号Haの位相が、Haの位相からD0の大きさだけずれると、Hdの位相は、そのずれたHaの位相の位置に向かって収束するように変動する。このとき、位相差量Dtの大きさは、t=0のときD0であるが、順次0に収束することになる。
【0016】
受信側追従量推定回路6は、送信側の位相のずれに応答して、受信側で位相が変動する量(受信側位相)を推定する機能を有する。受信側の応答特性を調べておけば、時間的な位相の変動の様子を近似的に求めることができる。近似計算は、ライン周期毎に計算して求めたり,予め計算した値をメモり等に蓄えておき、そこから読み出すことにより求める。例えば、応答特性が非常に緩やかになっている場合には、受信側位相Yrは、傾きkが一定の直線(Yr=k×t)で近似する。
【0017】
判定回路5では、位相差量Dtと受信側位相Yrとt=0での位相差D0の信号から送受の位相差を求め、この送受位相差dがある閾値より大きくなった場合に、切替えの制御信号を出力して、ループフィルタ回路2の係数を小さくするようにする。判定のため、送信側位相Ys=D0−Dtと受信側の位相Yrの差分として送受位相差dを求める。位相dが生じた場合には、バッファメモリでその位相差の分のデータを蓄積しておく必要がある。このことより、バッファメモリBMの大きさがM画素分に相当する時間の蓄積量の場合には、送受位相差dがM/2より大きくなると、BMでデータの欠落が発生する可能性がある。このため、送受位相差dがこのまま大きくならないように、送信側の位相変動をゆっくりするように、フィルタの定数の切替え制御を行う。
【0018】
図4は、位相変化の応答特性を示す。t=0で、Haの位相がHdの位置から大きさD0だけずれが発生したときの応答を示している。位相ずれが発生すると、位相比較回路1で位相誤差を検出して、位相差を小さくするようにフィードバック制御が掛かる。その結果、位相差Dtは、0に近づく。引き込みを迅速にするため、ループフィルタの定数(α、β)が大きく設定してある場合には、Hdの位相引き込みはHaの位相に近づいた後、オーバシュートが起こり、Haを中心に振動をしながらで、Haに収束する。その様子を曲線Ysで示す。
【0019】
時間t=0のとき、アナログ水平同期信号の位相がHaの位置(大きさD0)にずれた場合には、デジタル同期信号の位相Hdは、曲線Ysに従って、Haの位相の位置に収束する。位相差量Dtは、Haの位相とHdの応答曲線Ysの差になる。受信側の応答は、曲線Yrで示される。送受位相差dが閾値M/2より大きくなると、ループフィルタ回路2の定数を制御して、送信側位相の応答を緩やかにし、オーバフローを防止する。また、初めから、応答特性を小さくしておくより、途中から定数を変えることにより、送信側の引き込みを早くする。位相変動の時の変動量D0が小さい場合には、大きな定数で引き込みを早く行うことができる。
【0020】
次に、図2および図3を参照して、本発明による位相同期発振回路の応用例を説明する。この応用例は、図1に示す本発明による位相同期発振回路を画像符号化装置に応用した場合を示す。図2は送信側、図3は受信側のブロック図を示す。図2の送信側は、アナログ・デジタル変換器(A/D)21、符号器(CODER)22、バッファメモリ(BM)23、マルチプレクサ(MUX)24、同期分離回路25、位相同期発振回路26、タイムスタンプ情報発生回路27および伝送クロック回路28により構成される。
【0021】
入力された画像信号は、A/D21および同期分離回路25へ入力される。A/D21でアナログ信号をデジタル信号に変換してCODER22へ入力する。CODER22では、MPEG2の方式で画像信号を圧縮符号化し、符号化信号をMUX24へ入力する。MUX24は、タイムスタンプ情報発生回路27から入力される情報信号を、符号化信号と多重化して伝送クロック回路28からの伝送クロックにより伝送路信号として出力する。同期分離回路25は、水平同期信号を分離して位相同期発振回路26へ入力する。位相同期発振回路26は、水平同期信号に位相同期して標本化クロックを発生する。大きな位相変動があった場合には、送信側の位相変動値および受信側位相推定値から送受の位相差を求め、位相差が予め定めた閾値を越えたときは、ループフィルタの定数を小さくするように制御を行う。タイムスタンプ情報発生回路27は、送信側から送った画像を受信側で再生するとき、受信側で正しい時刻に再生できるように、再生される時刻の情報を、伝送路クロックを介して受信側に伝送する。
【0022】
次に、図3の受信側は、デジタル・アナログ変換器(D/A)31、復号器(DECODER)32、バッファメモリ(BM)33、デマルチプレクサ(DMUX)34、標本化クロック再生回路35、タイムスタンプ情報再生回路36および伝送クロック再生回路37により構成される。図2に示す送信側から送られてきた伝送路信号は、DMUX34および伝送クロック再生回路37へ入力される。DMUX回路34は、伝送路信号を分離して、符号化情報をBM33へ、タイムスタンプ情報をタイムスタンプ情報再生回路36へ入力する。DECODER32は、BM33から符号化信号を読み出して復号化を行い、デジタルの画図信号を再生し、D/A31へ入力する。
【0023】
タイムスタンプ情報再生回路36は、送られてきたタイムスタンプ情報から、画像の位置指定情報および指定画像の再生時刻情報を得て、標本化クロック再生回路35へ入力する。標本化クロック再生回路35では、指定位置の画像の再生時刻と送られてきた時刻情報とを比較して、比較誤差でクロック再生回路のVCXOを制御して、両者が一致するような標本化クロックを再生する。CODER22およびDECODER32がLSI(大規模半導体集積回路)で形成され、DECODER32の標本化クロック再生回路35の過渡応答特性がゆっくりの場合には、位相変動が大きいと、再生標本化クロックが追従するのに時間がかかり、再生に遅れが生じる。この遅れは、バッファメモリ33で平滑化される。送信側での標本化クロックの発生が、送受の位相差がある閾値を超えないように制御されるので、バッファメモリでデータの欠落が発生することは回避できる。
【0024】
尚、図2および図3の応用例では、送受の標本化クロックの同期化は、タイムスタンプ情報を送ることにより構成していた。しかし、タイムスタンプ情報を送る他に、周波数情報および位相情報を送る場合でも同様に構成できる。
【0025】
次に、図5および図6は、本発明による位相同期発振回路の第2実施形態の応用例を示す。この応用例では、平滑化のためのバッファメモリは、符号化復号化装置にあるバッファメモリを使用せず、送信側におけるCODERの入力の前で平滑化を行う構成である。この応用例の送信側装置は、図5に示す如く、A/D21、BM51、CODER22、BM23、MUX24、同期分離回路25、第1位相同期発振回路A52、第2の位相同期発振回路B53、タイムスタンプ情報発生回路27および伝送クロック回路28により構成される。
【0026】
第1位相同期発振回路A52は、VTR等の信号でV(垂直)同期期間で位相が飛ぶ場合に、急峻に引き込みが行える位相同期発振回路である。標本化クロックAは、通常の1ラインの画素数は一定値(N)である。急峻に引き込みを行うため、1ラインの画素数が一定範囲を超えた場合には、入力信号の位相のジャンプが起こったと判定して、ラインカウンタをN以外のところでリセットし、次のライン位相から再び位相比較制御を行う構成とする。デジタル信号を符号化する時に使用する標本化クロックは、1ラインの画素数は一定(N)にする必要がある。このため、第1位相同期発振回路A52の標本化クロックAをそのままCODER22に入力することはできない。
【0027】
第2位相同期発振回路B53は、第1位相同期発振回路A52から得られるフレーム周期に基づき位相比較を行って、1ラインが一定値(Nサンプル)で、安定しており、位相の変動は揺るやかに行われる標本化クロックBを発生する。バッファメモリ51は、第1位相同期発振回路A52からの標本化クロックおよび制御信号に従って、A/D変換器21からのデジタル画像信号を一旦蓄積する。蓄積された画像信号は、第2位相同期発振回路B53からの標本化クロックおよび制御信号に基づいて読み出しCODER22に入力する。位相の飛びで、バッファメモリにデータが書き込まれていないアドレスは、補間処理等で求めたデータを、例えば前のデータを保持して出力する。
【0028】
CODER22には、一定周期の画素数で、変動の少ない安定した標本化クロックBと一定画素数のデジタル信号が入力されるため、急激な位相変動がなく、安定して符号化が行われる。従って、受信側でも、安定した再生が行われる。入力信号に大きな位相の飛びがあっても、水平同期信号に追従した標本化クロックで標本化できるため、フレーム間符号化の符号化効率は高くできる。一方、符号化のクロックは、安定したクロックであり、水平同期も安定した周期で読み出すことができるため、安定した周期で画像信号を再生できる。
【0029】
図6は、第1位相同期発振回路A52の具体的構成のブロック図を示す。この第1位相同期発振回路A52は、位相比較回路1、ループフィルタ回路2、分周回路61、位相飛び判定回路62およびVCXO回路3により構成される。分周回路61は、標本化クロックをN分周してデジタルの水平同期信号を発生する。位相飛び判定回路62は、同期の周期でのクロック数をカウントする手段を有し、カウント数により入力される水平同期信号に位相の飛びがないか判定する。
【0030】
次の水平同期信号までのクロックのカウンタ値が、Nの近傍の範囲、例えば(N−2)〜(N+2)にあれば、位相は安定していると判定する。そして、位相比較を行う制御信号を位相比較回路1へ、カウンタリセットは行わない制御信号を分周回路61へ入力する。分周回路61からは、クロックをN分周したデジタルの同期信号が位相比較回路1に入力されて、通常の位相比較が行われる。
【0031】
次の水平同期までクロックのカウンタ値がNの近傍の範囲にない場合には、位相飛びが発生したと判定して、位相比較回路1へ位相比較を禁止する制御信号を出す。そして、分周回路61には、入力同期信号の位相で分周カウンタをリセットする制御信号を出力する。位相比較回路1の比較結果は、ループフィルタ回路2に入力され、予め所望の値に設定された定数(αとβ)により所定の制御特性の制御信号が求められ、VCXO回路3へ入力される。そして、制御信号に応じて水平同期信号に位相同期した標本化クロックが発生される。
【0032】
次に、分周回路61のリセット方法について説明する。デジタル化された画像信号がNTSCのカラー信号で、標本化クロックをカラーサブキャリア(色副搬送波)の4倍(N=910)に設定する場合を考える。放送信号の安定した信号が入力された場合には、リセットが行われることはない。VTR信号が入力されて、V同期の区間で同期信号の位相の飛びがあると、位相飛びを検出してリセットが発生する。VTRから出力された信号は、カラーサブキャリアの位相が連続しているものと推定される。このため、同期信号の位相の飛びがあるとして、勝手なところでカウンタをリセットすると、A/D変換されたデジタル画像信号のカラーサブキャリアの標本化位置は連続しなくなる。このため、サブキャリアの標本点の位相がなるべく一致するように、リセットはサブキャリアの整数倍、この場合は標本化クロックの4の整数倍のところで行うようにする。サブキャリアの位相は、フレーム毎に位相が反転し、2フレームで一致する。これにより、デジタルで色信号の復調を行うときに、高性能に分離復調が行える。
【0033】
以上、本発明による位相同期発振回路の好適実施形態の構成および動作を詳述した。しかし、斯かる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することにより、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であること、当業者には容易に理解できよう。
【0034】
【発明の効果】
以上の説明から理解される如く、本発明の位相同期発振回路によると、次に如き実用上の顕著な効果が得られる。第1に、LSI化されたCODECの装置において、符号化効率を上げ且つ画像の切替わりの応答を良くするため、位相同期発振回路の引き込みを早くしても、受信側でエラーすることなく再生できる。その理由は、送信側と受信側の位相差を推定して、適応的にループフィルタの定数を切替えるようにしているためである。
【0035】
第2に、符号化効率を上げるため、1ラインのサンプル数を一定値にさせないで、水平同期信号に高速に引き込むようにループフィルタを設定しても、エラーなく符号化伝送できる。その理由は、位相同期発振回路をカスケードの2段構成にして、初段の位相同期発振回路では、水平同期への高速引き込みを実現し、2段目の位相同期発振回路では、安定したクロックの発生を行い、画像データは、メモリで一旦平滑化して符号化装置に入力することができるためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による位相同期発振回路の好適実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す位相同期発振回路の応用例である画像符号化装置の送信側のブロック図である。
【図3】図2と共に使用される画像符号化装置の受信側のブロック図である。
【図4】本発明の位相同期発振回路の動作を説明する特性図である。
【図5】本発明による位相同期発振回路の第2実施形態の応用例の構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示す第1位相同期発振回路Aの構成を示すブロック図である。
【図7】従来例1の位相同期装置の構成を示すブロック図である。
【図8】従来例2の位相同期クロック発生装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 位相比較回路
2 ループフィルタ回路
3 VCXO回路
4 位相差量検出回路
5 判定回路
6 受信側追従量推定回路
7 制御回路
26 位相同期発振回路
52 第1位相同期発振回路A
53 第2位相同期発振回路
61 分周回路
62 位相飛び判定回路
Claims (3)
- 入力水平同期信号およびデジタル同期信号の位相を比較して比較誤差を求める位相比較回路と、該位相比較回路からの前記比較誤差が入力されるループフィルタ回路と、該ループフィルタ回路からの出力信号に従って前記デジタル同期信号を発生する電圧制御発振(VCXO)回路と、前記入力水平同期信号および前記デジタル同期信号により制御信号を出力する制御回路とを含む位相同期発振回路において、
前記制御回路は、前記入力水平同期信号および前記デジタル同期信号の位相ずれの大きさを求める位相差量検出回路と、送信側の位相のずれに応答して受信側で位相が変動する量を推定する受信側追従量推定回路と、前記位相差量検出回路および前記受信側追従量推定回路の出力信号から前記ループフィルタ回路への制御信号を求めて前記ループフィルタ回路の定数を切替える判定回路とを備えることを特徴とする位相同期発振回路。 - 画像信号をデジタル化するアナログ・デジタル(A/D)変換器および該A/D変換器の出力信号を符号化する符号化器(CODER)用の標本化クロックを発生することを特徴とする請求項1に記載の位相同期発振回路。
- 位相比較回路からの比較誤差をループフィルタ回路で平滑化した信号で電圧制御発振回路(VCXO回路)を制御してクロックを発生し、該VCXO回路の出力をN分周する分周回路の分周出力を前記位相比較回路に入力する位相同期発振回路において、
前記VCXO回路の出力が入力される位相飛び判定回路を設け、該位相飛び判定回路は、前記VCXO回路から出力されるクロック数をカウントするカウント手段を有し、該カウント手段のカウント値が予め設定した前記Nの近傍か否かにより位相飛びの有無を判定し、位相飛びの場合には前記位相比較回路への位相比較を禁止する制御信号を出すと共に前記分周回路をリセットし、
それぞれ標本化クロックを発生する第1および第2位相同期発振回路を縦続接続し、第1位相同期発振回路の標本化クロックで画像信号をデジタル化するアナログ・デジタル(A/D)変換器およびバッファメモリの書き込みを制御し、第2位相同期発振回路の標本化クロックで前記バッファメモリの読み出しおよび符号化回路を制御することを特徴とする位相同期発振回路。
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