JP3761023B2 - 圧電デバイス及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は圧電振動片をパッケージに内蔵した圧電デバイス及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電デバイスは、HDD(ハードディスクドライブ)、モバイルコンピュータ、あるいはICカード等の小型情報機器や、携帯電話、自動車電話、またはページングシステム等の移動体通信機器に用いられている。
図14及び図15は、この圧電デバイス1の構成例を示す概略図であり、図 14は圧電デバイスの構成を示す概略平面図、図15は、図14の圧電デバイスのA−A線概略断面図である。
【0003】
従来の圧電デバイス1は、パッケージ6の内部に、例えば水晶基板を利用した圧電振動片2を収容している。そして、この圧電振動片2に所定の電圧をかけると所定の周波数で振動するため、この振動周波数を外部に取り出すことによって、所定の周波数の出力を得ることができるようになっている。
【0004】
このパッケージ6は複数のセラミック製の基板を積層して内側に所定の内部空間Sを形成するようにして、その全体が矩形状に形成されている。
この内側空間Sにおいて、パッケージの内側の底部には、導電性接着剤7を介して、上述した圧電振動片2の基部11が電極部3上に固定されており、圧電振動片2の先端部4,5は自由端とされている。
そして、外部からの駆動電圧が電極部3及び導電性接着剤7を介して、圧電振動片2に伝えられると、圧電振動片2の自由端4,5が所定の周波数で振動するようになっている。
【0005】
ここで、圧電振動片2は空気抵抗を受けると、振動性能に悪影響があるため、圧電振動片2は真空雰囲気中におくことが必要となる。
そのため、圧電デバイス1は、図16に示されるように製造される。
すなわち、図16(a)において、まずパッケージ6内の電極部3上に導電性接着剤7を塗布し、圧電振動片2の基部11に設けられている引出し電極(図示せず)の箇所を載せ、軽く荷重をかけて位置決めし、導電性接着剤7を硬化させることにより、圧電振動片2をパッケージ6内にマウントする。そして、パッケージ6の上端面6aには、あらかじめロウ材8が塗布されている。
次ぎに、図16(b)に示すように、真空雰囲気を形成するチャンバー13内にある加熱器14上のトレー15の上に、蓋体9を載置し、その上に上述したロウ材8が蓋体9と接触するようにパッケージ6を逆さにして載置し、上から錘12により荷重をかけながら、加熱器14を作動させる。
これにより、蓋体9を介してロウ材8を溶融させて、蓋体9をパッケージ6と接合する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、圧電デバイス1は、上述のように例えばガラス製の蓋体9でロウ材8を介してセラミック製のパッケージ6を封止するが、このロウ材8は、加熱器14からの熱が蓋体9全体を介して伝えられる。
そのため、ロウ材8を加熱する際には、導電性接着剤7も同時に加熱されることにより、導電性接着剤7に含有される有機物質からガスが発生し、パッケージ6及び蓋体9で囲まれた真空雰囲気が壊されてしまう。
そこで、ロウ材8の融点を、導電性接着剤7の熱分解温度より低くする必要があり、例えば熱分解温度が325℃であるシリコーン樹脂系の接着剤を用いる場合には、従来はPb(鉛)を含有した例えばPbOなどを使用することで、ロウ材8の融点を摂氏320℃程度としていた。
【0007】
しかし、このようにPb(鉛)を含有するロウ材8を用いた圧電デバイスを内蔵したHDD(ハードディスクドライブ)、小型情報機器や、携帯電話等の移動体通信機器等が、産業廃棄物として廃棄されると、Pb(鉛)が自然界に排出されて人体に悪影響を及ぼす。
したがって、このような環境問題という観点からは、Pb(鉛)を使用しない圧電デバイスを需要者に供給する必要がある。
【0008】
ところが、ロウ材8にPb(鉛)を含有させないと、ロウ材8の融点が高くなってしまう。例えば、ロウ材8の組成をSnO−P2O5にすると、融点はおよそ摂氏430℃〜摂氏480℃の間となる。
そうすると、上述したように、ロウ材8を溶融する際に、導電性接着剤7が分解されてガスが発生し、内部空間Sの真空雰囲気に悪影響を及ぼしてしまう。
【0009】
本発明の目的は、上述の問題を解決するためのものであり、Pb(鉛)を含有しないロウ材を介して蓋体でパッケージを封止できるようにし、かつ、ロウ材を溶融する際にパッケージと蓋体で囲まれた内部空間の真空雰囲気を害することがないようにした圧電デバイスを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1の発明によれば、圧電振動片の一部を導電性接着剤で固定して内部に収容するようにしたパッケージの上端に、ロウ材により透明材料でなる蓋体を固定して封止する工程を含む圧電デバイスの製造方法であって、前記パッケージと前記蓋体との間に光吸収部材を配置し、レーザ光を前記光吸収部材に照射して得られる熱により、前記ロウ材としての鉛を含有しないロウ材を溶融して前記蓋体を封止する、圧電デバイスの製造方法により達成される。
【0011】
請求項1の構成によれば、前記パッケージと前記蓋体の間に光吸収部材を介してPb(鉛)を含有しないロウ材を配置し、レーザ光を透明材料である蓋体を透過させて前記光吸収部材に局部的に照射することで、光吸収部材が発熱することとなる。そして、この熱をもって、局所的に前記ロウ材を溶融して前記蓋体を封止することができる。このため、パッケージ内の導電性接着剤等に封止の際の熱が伝わりにくいので、導電性接着剤からガスが発生することを有効に防止することができる。
これにより、前記パッケージを前記蓋体をもって封止するに際して、前記パッケージと前記蓋体で囲まれた内部空間の真空雰囲気に悪影響を及ぼすことを防止することができ、しかも、Pb(鉛)を原因とする環境汚染を回避することができる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の構成において、前記ロウ材として低融点ガラスを用いることを特徴とする。
請求項2の構成によれば、ロウ材の融点が低融点であるため、溶融した際のロウ材の熱が導電性接着剤に与える影響をより少なくすることができる。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1または2のいずれかの構成において、前記光吸収部材を前記蓋体と前記ロウ材との間に配置することを特徴とする。
請求項3の構成によれば、光吸収部材を蓋体とロウ材の間に配置してあるため、蓋体、光吸収部材、ロウ材、パッケージの順に配置されることとなる。
そのため、外部から蓋体を透過させたレーザ光が照射されることで発生した光吸収部材の熱は、直ちにロウ材に伝わり、セラミック製のパッケージに直接作用して悪影響を及ぼすことなく、請求項1または2と同様の作用を発揮する。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1または2のいずれかの構成において、前記光吸収部材を前記ロウ材と前記パッケージとの間に配置し、前記光吸収部材と前記パッケージとの間に断熱層を配置することを特徴とする。
請求項4の構成によれば、光吸収部材をロウ材とパッケージとの間に配置している。そのため、光吸収部材についてはパッケージの上端面に配置し、ロウ材については予め蓋体に配置することができる。したがって、極めて小さなスペースしかないパッケージ上端面にロウ材と、その上にさらに光吸収部材を配置することの困難性を回避することができる。
一方、光吸収部材が、ロウ材よりもパッケージ側に配置されることになると、レーザ光が照射されることで発熱した光吸収部材の熱が、パッケージに直接伝わってしまう。そこで、請求項4の発明は、光吸収部材とパッケージとの間に断熱層を配置し、少なくとも光吸収部材から発した熱がパッケージに直接伝わることを防止する。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1または請求項2のいずれかの構成において、前記光吸収部材を前記ロウ材に含有させることを特徴とする。
請求項5の構成によれば、光吸収部材をロウ材に含有させ、レーザ光をこの光吸収部材に照射することで、ロウ材を光吸収部材の熱により内部から溶融することができる。
【0016】
請求項6の発明は、請求項3の構成において、前記ロウ材と前記パッケージとの間に所定の金属が配置されており、前記ロウ材として前記金属を含む金属材料が使用されることを特徴とする。
請求項6の構成によれば、レーザ光を局部的に照射された光吸収部材は発熱し、この熱により局所的にロウ材が溶融して蓋体を固定するとともに、溶融されたロウ材には、パッケージの上端に配された金属と同一の金属が含有されているため、ロウ材とパッケージも接合しやすくなる。
【0017】
上述の目的は、請求項7の発明によれば、圧電振動片の一部を導電性接着剤で固定して内部に収容するようにしたパッケージと、このパッケージの上端にロウ材により固定される透明材料でなる蓋体とを有する圧電デバイスであって、前記ロウ材は鉛を含有しない材料からなり、前記パッケージと前記蓋体との間に、レーザ光を照射することにより熱を吸収して、この熱により前記ロウ材を溶融するための光吸収部材を備える、圧電デバイスにより達成される。
【0018】
請求項7の構成によれば、前記パッケージと前記蓋体の間に光吸収部材を介してPb(鉛)を含有しないロウ材を配置し、レーザ光を透明材料である蓋体を透過させて前記光吸収部材に局部的に照射することで、光吸収部材が発熱することとなる。そして、この熱をもって、局所的に前記ロウ材を溶融して前記蓋体を封止することができる。このため、パッケージ内の導電性接着剤等に封止の際の熱が伝わりにくいので、導電性接着剤からガスが発生することを有効に防止することができる。
これにより、前記パッケージを前記蓋体をもって封止するに際して、前記パッケージと前記蓋体で囲まれた内部空間の真空雰囲気に悪影響を及ぼすことを防止することができ、しかも、Pb(鉛)を原因とする環境汚染を回避することができる。
【0019】
請求項8の発明によれば、請求項7の構成において、前記ロウ材として低融点ガラスを用いることを特徴とする。
請求項8の構成によれば、ロウ材の融点が低融点であるため、溶融した際のロウ材の熱が導電性接着剤に与える影響をより少なくすることができる。
【0020】
請求項9の発明は、請求項7または8のいずれかの構成において、前記光吸収部材を前記蓋体と前記ロウ材との間に配置することを特徴とする。
請求項9の構成によれば、光吸収部材を蓋体とロウ材の間に配置してあるため、蓋体、光吸収部材、ロウ材、パッケージの順に配置されることとなる。
そのため、外部から蓋体を透過させたレーザ光が照射されることで発生した光吸収部材の熱は、直ちにロウ材に伝わり、セラミック製のパッケージに直接作用して悪影響を及ぼすことなく、請求項7または8と同様の作用を発揮する。
【0021】
請求項10の発明は、請求項7または8のいずれかの構成において、前記光吸収部材を前記ロウ材と前記パッケージとの間に配置し、前記光吸収部材と前記パッケージとの間に断熱層を配置することを特徴とする。
【0022】
請求項10の構成によれば、光吸収部材をロウ材とパッケージとの間に配置している。そのため、光吸収部材についてはパッケージの上端面に配置し、ロウ材については予め蓋体に配置することができる。したがって、極めて小さなスペースしかないパッケージ上端面にロウ材と、その上にさらに光吸収部材を配置することの困難性を回避することができる。
一方、光吸収部材が、ロウ材よりもパッケージ側に配置されることになると、レーザ光が照射されることで発熱した光吸収部材の熱が、パッケージに直接伝わってしまう。そこで、請求項10の発明は、光吸収部材とパッケージとの間に断熱層を配置し、少なくとも光吸収部材から発した熱がパッケージに直接伝わることを防止する。
【0023】
請求項11の発明によれば、請求項7または請求項8の構成において、前記光吸収部材を前記ロウ材に含有させることを特徴とする。
請求項11の構成によれば、光吸収部材をロウ材に含有させ、レーザ光をこの光吸収部材に照射することで、ロウ材を光吸収部材の熱により内部から溶融することができる。
【0024】
請求項12の発明によれば、請求項9の構成において、前記ロウ材と前記パッケージとの間に所定の金属が配置されており、前記ロウ材として前記金属を含む金属材料が使用されることを特徴とする。
請求項12の構成によれば、レーザ光を局部的に照射された光吸収部材が発熱し、この熱により局所的にロウ材が溶融して蓋体を固定するとともに、溶融されたロウ材には、パッケージの上端に配された金属と同一の金属が含有しているため、ロウ材とパッケージも接合しやすくなる。
これにより、請求項9と同様の作用を発揮し、しかも、パッケージと蓋体の接合強度が高められることで、リークすることを防止することができる。
【0025】
上述の目的は、請求項13の発明によれば、圧電振動片の一部を導電性接着剤で固定して内部に収容するようにしたパッケージと、このパッケージの上端にロウ材で固定される透明材料でなる蓋体とを有する圧電デバイスを利用した携帯電話装置であって、前記ロウ材は鉛を含有しない材料からなり、前記パッケージと前記蓋体との間に、レーザ光を照射することにより熱を吸収して、この熱により前記ロウ材を溶融するための光吸収部材を備える圧電デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにした、携帯電話装置により、達成される。
【0026】
また、上述の目的は、請求項14の発明によれば、圧電振動片の一部を導電性接着剤で固定して内部に収容するようにしたパッケージと、このパッケージの上端にロウ材で固定される透明材料でなる蓋体とを有する圧電デバイスを利用した電子機器であって、前記ロウ材は鉛を含有しない材料からなり、前記パッケージと前記蓋体との間に、レーザ光を照射することにより発熱して、この熱により前記ロウ材を溶融するための光吸収部材を備える圧電デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにした、電子機器により、達成される。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の圧電デバイスの第1の実施の形態を示しており、図1はその概略斜視図、図2はその概略平面図、図3は図2のB−B線概略断面図である。
これらの図において、圧電デバイス30は、圧電振動子を構成した例を示しており、圧電デバイス30は、パッケージ36内に圧電振動片32を収容している。パッケージ36は、例えば、セラミックグリーンシートを成形して焼結した酸化アルミニウム質焼結体等を利用した複数の基板を積層して形成されている。複数の各基板は、その内側に所定の孔を形成することで、積層した場合に内側に所定の内部空間Sを形成するようにされている。
【0028】
パッケージ36の内部空間S内の図において左端部付近において、内部空間Sに露出して底部を構成するベースとなる積層基板には、Au及びNiメッキが施された電極部31,31が図1に示すように所定の間隔を隔てて形成されている。
この電極部31,31は、外部と接続されて、駆動電圧を供給するものである。この各電極部31,31の上には、導電性接着剤43,43が塗布されており、この導電性接着剤43,43の上に圧電振動片32の基部51が載置されて、導電性接着剤43,43を押圧・硬化等されることにより接合されている。
【0029】
ここで、導電性接着剤43,43は、例えばエポキシ樹脂系の接着剤やシリコーン樹脂系の接着剤やポリイミド系の接着剤やウレタン系の接着剤などの中に、絶縁性皮膜で包まれたAg(銀)などの導電性微粒子を含有している。そして、この導電性接着剤を押圧することで、絶縁性皮膜が破れて各導電性微粒子が接触し、導電可能な接着剤となる。
【0030】
そして、このような導電性接着剤を介して、圧電振動片32に電圧をかけることとなる。すなわち、この圧電振動片32の基端部51の導電性接着剤43,43と触れる部分には、駆動電圧を伝えるための引出電極(図示せず)が形成されており、これにより、圧電振動片32は、駆動用電極がパッケージ36側の電極部31,31と導電性接着剤43,43を介して、電気的に接続されている。
【0031】
圧電振動片32は、例えば水晶で形成されており、水晶以外にもタンタル酸リチウム,ニオブ酸リチウム等の圧電材料を利用することができる。本実施形態の場合、圧電振動片32は、小型に形成して、必要な性能を得るために、基部51を基端として、図において右方に向けて、二股に別れて平行に延びる一対の振動腕34,35を備えており、全体が音叉のような形状とされた、所謂、音叉型圧電振動片が利用されている。
圧電振動片32は、このような音叉型の水晶振動片だけでなく、例えば、圧電材料としての水晶を薄い矩形状にカットしたATカット振動片を用いてもよい。
【0032】
パッケージ36の開放された上端には、ロウ材60、及び光吸収部材62を介して、蓋体39が接合されることにより、封止されている。蓋体39は、後述する周波数調整を行うために、光を透過する材料,例えば、ガラスで形成されている。
この蓋体39と、パッケージ36との接合方法は、詳しく後で説明する。
【0033】
すなわち、パッケージ36内に圧電振動片32を固定した後で、パッケージ36に蓋体39を固定し、透明な蓋体39を介して、外部からレーザ光を圧電振動片32の図示しない金属被膜に照射し、その一部を蒸散させることにより、質量削減方式の周波数調整を行うことができるようにされている。
【0034】
さらに、この実施形態では、パッケージ36を構成する積層基板の最下層の基板には、図において右端部付近に孔を形成することにより、この積層基板の厚みに対応した凹部42が形成されている。この凹部42は、圧電振動片32の自由端32bの下方に位置している。これにより、本実施形態では、後述するように、パッケージ36に外部から衝撃が加わった場合に、圧電振動片32の自由端32bが、もし矢印D方向に振れた場合においても、パッケージ36の内側底面と当接されることを有効に防止されるようになっている。
【0035】
次に、圧電デバイス30のパッケージ36と蓋体39との接合方法に関する実施形態を説明する。
図4において、まずパッケージ36内の電極部31上に導電性接着剤43を塗布し、圧電振動片32の基部51に設けられている引出し電極(図示せず)の箇所を載せ、軽く荷重をかけて位置決めし、導電性接着剤43を硬化させることにより、圧電振動片32をパッケージ36内にマウントする。そして、パッケージ36の上端面56に、ロウ材60を塗布し、その上に光吸収部材62をスパッタリング等により成膜する。
ここで、光吸収部材62は、ロウ材60を溶融するためのものであり、そのために、図5に示すように、レーザ光Lを照射されることによって、その光を吸収し、光吸収部材62の分子が振動することで発熱するものである。そこで、光吸収部材62はレーザ光Lの吸収率が高い程よく、金属が使用される。そして、後述するように、この金属の中でも、好ましくは例えばCr(クロム)等を使用することが適している。
【0036】
次に、図5に示すように、真空雰囲気を形成するチャンバー70内にあるトレー72の上に、上述のロウ材60及び光吸収部材62を配置したパッケージ36を載置し、この光吸収部材62の上に例えばガラス等の蓋体39を載置する。
そして、レーザ光Lを、ガラス等の蓋体39を透過させて、光吸収部材62に局部的に照射する。このようにすることで、光吸収部材62は、レーザ光Lを受けて、熱を発生することとなる。
【0037】
ここで、レーザ光Lは、光吸収部材62を発熱させるために使用される。そのため、金属である光吸収部材62に対して、その光が吸収され易いレーザ光を使用する必要がある。
この点、図7は、各種金属の反射率におよぼすレーザ波長の影響を示す図であるが、金属の場合は、透過する光がないため、「吸収率(%)=100%−反射率(%)」となる。そして、図7に示すように、レーザ光の波長が長い程、各種金属に対する反射率が高く、例えば、発振波長が10μmである場合には、ほとんどの金属の光反射率が90%以上、すなわち光吸収率は10%以下となる。したがって、例えば10.6μmであるCO2レーザを使用することは本実施形態には好ましくない。
そこで、本実施形態においては、例えば、波長が1.047μm〜1.064μmであるYAG(yttrium aluninum garnet)レーザ等を使用する。そして、この波長は図7のλ1のラインで示す波長と略一致し、波長が1.047μm〜1.064μmであるYAGレーザを使用する場合の金属の光吸収率は、一部の金属を除いて約30%〜約40%となる。
【0038】
ここで、本実施形態に使用する光吸収部材62を選択する場合、例えば発振波長が図7に示すλ1の位置にある波長を有するYAGレーザを用いた際には、図7に示す金属のうち、光吸収率が高い金属は、Mo(モリブデン)、Cr(クロム)の順になることから、光吸収部材62としてMo(モリブデン)やCr(クロム)等を使用することが適している。
一方、レーザ光Lの波長が、例えば0.523μm〜0.532μmであるYAGレーザの高調波を使用した場合には、この波長は図7のλ2のラインと略一致するため、上述のように、接合強度や融点の関係をも考慮すると、例えば光吸収率が42%であるAu(金)等を光吸収部材62に使用することが適している。
このように、光吸収部材62に使用する金属を選択するにあたっては、使用するレーザ光Lの発振波長の長短に応じて、いかなる金属を選択すべきかが異なってくる。
【0039】
そして、例えば発振波長が1.047μm〜1.064μmであるYAGレーザ光Lを、例えばCr(クロム)を用いた光吸収部材62に照射すると、Cr(クロム)内に侵入したレーザ光は熱エネルギーに変わり、この熱がロウ材60を溶融することとなる。
ここで、Pb(鉛)を含有しないロウ材60には、この光吸収部材62の融点と同一又はこれより低い融点であるロウ材を使用する必要があるが、好ましくは、その種類としては低融点ガラス等を使用する。低融点ガラスとは摂氏300℃〜摂氏700℃で溶融するガラスをいうが、本実施形態の場合には、ロウ材60にはPb(鉛)を含有させず、かつ、ロウ材60の融点が低ければ低い程、導電性接着剤43に与える影響が少なくなるため、好ましくはSnO−P2O5等を使用する。この場合、融点はおよそ摂氏430℃〜摂氏480℃の間となる。
【0040】
また、図5に示される光吸収部材62は、ガラス製の蓋体39とロウ材60との間に配置されている。そのため、レーザ光を照射されることで発熱した光吸収部材62の熱は、直ちにロウ材60に伝わることで、セラミック製のパッケージ36に直接作用して悪影響を及ぼすことを防止することができる。
【0041】
このように、本実施形態の方法では、例えばセラミック製のパッケージ36と例えばガラス製の蓋体39の間に、Cr(クロム)等の光吸収部材62を配置し、レーザ光Lをガラス製等の透明材料でなる蓋体39を透過させて光吸収部材62に照射することで、光吸収部材62が発熱する。そして、この熱が、局所的にPb(鉛)を含有しないSnO−P2O5等のロウ材60を溶融して、パッケージ36と蓋体39を接合することとなる。
これにより、パッケージ36と蓋体39を接合する際に、導電性接着剤43を加熱してガスが発生することを防止することができ、パッケージ36と蓋体39で囲まれた内部空間Sの真空雰囲気に悪影響を及ぼすことを防止することができる。
【0042】
ここで、レーザ光Lを光吸収部材62に照射する方法としては、例えば図5に示されるように、その照射位置が蓋体39の周縁に沿って、レーザ光Lを走査して、パッケージ36の上端面に載置されている光吸収部材62に局部的に照射する。この場合、例えばレーザ光Lに発振波長が1.047μm〜1.064μmであるYAGレーザを用いた場合には、例えば、レーザ出力を20Wとし、ビーム径を100μmとし、走査速度を10mm/秒として照射する。そうすると、例えば、蓋体39の周縁に沿った長さが10mmである場合のレーザ照射時間は1秒となり、極めて短時間にパッケージ36と蓋体39を接合することができる。
また、レーザ光Lの照射方法としては、図6に示すような回折格子を用いる照射方法を採用してもよい。すなわち、光集束手段74の前段に配置された光分割手段76にレーザ光L2が入射される。光分割手段76は、例えば位相格子(回折格子−グレーティング)であり、上記レーザ光L2を0次光L3と回折光L4とに分割し、光集束手段74により集束される光ビームが蓋体9の周縁に沿った位置に一度に複数本照射する。なお、光分割手段76としては、回折格子だけでなく、所定の回折作用により光ビームを分割できる例えばホログラム素子等を利用するようにしてもよい。このように、回折格子を用いる照射方法を採用すると、レーザ光を一度照射するだけで極めて短時間にパッケージ36と蓋体39を接合することができる。
【0043】
図8ないし図10は、第一の実施形態の各変形例を示している。
これらの図において、第1の実施形態を説明する上で使用した符号と同一の符号を付した箇所は、共通する構成であるから、重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
図8は第1変形例を示している。
この第1変形例は、図5の構成と比べると、光吸収部材62とロウ材60の間に接合用材料63を配している点だけが異なっている。すなわち、第一の実施形態に示すように、光吸収部材62が例えばCr(クロム)からなり、ロウ材60が例えばSnO−P2O5からなる場合には、このCr(クロム)とSnO−P2O5との接合強度は強くはないため、ここからリークする可能性もある。そこで、接合用材料63は、光吸収部材62とロウ材60との間に、光吸収部材62とロウ材60とのそれぞれに対して接合強度が高い材料を配して、リークを防止するものである。
【0044】
但し、光吸収部材62が有する熱がロウ材60に伝わらなければ、ロウ材60を溶融して蓋体39とパッケージ36を接合することができない。そのため、接合用材料63は、光吸収部材62が有する熱を効率よくロウ材60に伝える必要がある。
そのため、接合用金属63は、光吸収部材62とロウ材60とのそれぞれに対して接合強度が高い材料であると共に、熱伝導率がよい材料を使用する。例えば、光吸収部材62がCr(クロム)からなり、ロウ材60がSnO−P2O5からなる場合には、スパッタリング等でロウ材60の上端面にAu(金)等の接合用金属63を成膜する。
【0045】
そして、レーザ光Lを透明でなる蓋体39を透過させてCr(クロム)等の光吸収部材62aに局部的に照射することで、この光吸収部材62aが発熱し、この熱が、熱伝導率の高いAu(金)等の接合用材料63に伝わり、この伝わった熱をもってSnO−P2O5等のロウ材60が溶融される。
これにより、第1の変形例では、第1の実施形態で説明した作用効果に加えて、さらに、第1の光吸収部材62aとロウ材60の接合強度を高めることができる。
【0046】
図9は、第2変形例を示している。
この第2変形例は、図5の構成と比べると、光吸収部材62がロウ材60とパッケージ36との間に配置している点、及び光吸収部材62とパッケージ36との間に断熱層69を配置している点が異なる。
【0047】
具体的な製造方法としては、蓋体39の周縁に沿って予めロウ材60を塗布する。これにより、パッケージ36の上端面の極めて限られたスペースに配置してあるロウ材62の上端面に、光吸収部材62を配置することの困難性を回避することができる。
【0048】
一方、パッケージ36の上端面には、スパッタリング等で断熱層69を成膜し、この断熱層69の上に光吸収部材62をスパッタリング等で成膜する。
ここで、断熱層69とは、発熱した光吸収部材62の熱を、直接パッケージ36に伝えることを防止し、かつ、光吸収部材62とパッケージ36とのそれぞれに対して接合強度がある程度高い金属層である。
すなわち、本実施形態では、レーザ光Lを照射されて発熱する光吸収部材62は、ロウ材60とパッケージ36との間に配置して使用されるため、この断熱層69を配しないと、発熱した光吸収部材62の熱が、直接パッケージ36に伝えられてしまい、導電性接着剤43に悪影響を及ぼしてガスが発生するおそれがあるため、これを防止するものである。
また、この断熱層69は、光吸収部材62とパッケージ36との接合強度が悪い場合に、この間からリークを引き起こしてしまうため、接合強度が光吸収部材62とパッケージ36とのそれぞれに対してある程度高いものである。
具体的には、断熱層69は、後述するように光吸収部材62にAu(金)を使用し、パッケージ36にセラミックを使用した場合には、例えば、W(タングステン)等を使用する。
【0049】
そして、この断熱層69及び光吸収部材62を配置したパッケージ36の上に、上述のロウ材60を塗布した蓋体39を載置する。
次に、レーザ光Lを光吸収部材62に照射すると、光吸収部材62が発熱し、この熱によってSnO−P2O5等のロウ材60が溶融され、このロウ材60を介して蓋体39とパッケージ36とが接合される。
ここで、光吸収部材62については、上述したように、レーザ光の発振波長の長短との関係において、どのような金属を選択するか異なってくる。例えば、YAGレーザの発振波長を、図7にいうλ2の位置に示す波長(0.523μm〜0.532μm)で使用する場合、光吸収部材62には、光吸収率が「100%−58%=42%」と高い吸収率を有するAu(金)等を使用する。
【0050】
これにより、第2の変形例では、第1の実施形態で説明した作用効果に加えて、さらに、パッケージ36の小型化薄型に伴う、ロウ材60の上に光吸収部材62を配置することの困難性を回避することができる。
なお、光吸収部材62がAu(金)からなり、断熱層69がW(タングステン)からなる場合には、この両者の間にNi(ニッケル)などを配置してもよい。このようにすることで、光吸収部材62と断熱層69の接合強度をさらに高めることができる。また、ロウ材60が溶融する際に導電性接着剤43に悪影響を及ぼすおそれがない場合には、勿論この断熱層69を配置しなくてもよい。
【0051】
図10は、第3変形例を示している。
この第3変形例は、図5の構成と比べると、光吸収部材62がロウ材60に含有されている点だけが異なっている。すなわち、第1の実施形態で示すCr(クロム)等の光吸収部材62をロウ材60内に含有させている。
そして、レーザ光Lを透明でなる蓋体39を透過させて、SnO−P2O5等のロウ材60に含有されたCr(クロム)等の光吸収部材62に照射することにより、含有されたCr(クロム)等の光吸収部材62が発熱し、ロウ材60を内部から効率よく溶融することができる。
これにより、第2の変形例では、第1の実施形態で説明した作用効果に加えて、さらに、ロウ材60を内部から効率よく溶融することができる。
【0052】
図11は、本発明の圧電デバイスの第2の実施の形態を示している。
この図において、第1の実施形態を説明する上で使用した符号と同一の符号を付した箇所は、共通する構成であるから、重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
この第2の実施の形態は、図5の構成と比べると、パッケージ36とロウ材66の間に所定の金属64を配置している点、及びこの所定の金属64が、第1の金属層64aと第2の金属層64bとの多層に配置されている点、並びにロウ材66が第1の金属層64aの金属を含有する金属材料でなる点が異なっている。
【0053】
すなわち、第2の金属層64bは、セラミック製のパッケージ36と接合強度が高い金属材料として、例えばW(タングステン)等により形成されている。具体的には、セラミック製のパッケージ36の焼成前に、その上端面に予めスクリーン印刷の手法により印刷等し、その後、セラミック材料を焼成して、パッケージ36を作ることにより、第2の金属層64bが形成される。
次に、第1の金属層64aは、第2の金属層64bとロウ材66とのそれぞれに対して接合強度の高い金属である。具体的には、第2の金属層64bの上端面に、Au(金)或いはAg(銀)等をスパッタリングで成膜する。
次に、ロウ材66は、第1の金属層64aと光吸収部材62とのそれぞれに対して接合強度の高い金属材料である。具体的には、第1の金属層64aで使用するAu(金)或いはAg(銀)等をロウ材に含有させた金属材料、例えばAu−SnまたはAu−Ge或いはAgロウ等を第1の金属層64aの上端面に載置し、加熱溶融させて形成する。
【0054】
そして、例えば発振波長が1.064μmであるYAGレーザのレーザ光LをCr(クロム)等の光吸収部材62に照射すると、光吸収部材62は発熱してロウ材66を溶融する。
そうすると、溶融されたロウ材66は、第1の金属層64aを形成するAu(金)或いはAg(銀)等を含有する金属材料からなるため、ロウ材66と第1の金属層64aとの接合強度が高くなる。また、第1の金属層64aとして用いられるAu(金)或いはAg(銀)等と第2の金属層64bとして用いられるW(タングステン)等の接合強度は高いため、第1の金属層64aと第2の金属層64bの接合強度も高くなる。また、第2の金属層64bとして用いられるW(タングステン)等とパッケージ36として用いられるセラミックは接合強度が高いため、第2の金属層64bとパッケージ36の接合強度も高くなる。
【0055】
これにより、第2の実施形態では、第1の実施形態で説明した作用効果に加え、さらに、蓋体39とパッケージ36の接合強度を高めて、リークすることを防止できる。
なお、第1の金属層64aとして用いられるAu(金)或いはAg(銀)等と第2の金属層64bとして用いられるW(タングステン)との間に、Ni(ニッケル)等の金属層を設けて、蓋体39とパッケージ36の接合強度をさらに高めてもよい。
【0056】
図12は、本発明の圧電デバイスの第4の実施の形態の構成を示す概略断面図である。
図において、圧電デバイス100は、圧電振動片32を用いて、圧電発振器を形成した例を示しており、第1の実施の形態と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複した説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0057】
圧電デバイス100のパッケージ101には、中央付近に凹部102が形成されており、その内側底部には、図示しない電極が設けられている。この電極上には、集積回路103が実装されており、集積回路103は、所定の分周回路等を構成していて、圧電振動片32の駆動電極と電気的に接続され、集積回路103から出力された駆動電圧が圧電振動片32に与えられるようになっている。
ここで、圧電デバイス100の蓋体39とパッケージ101を接合するための接合部には、第1の実施形態ないし第4の実施形態、もしくはその各変形例で説明した構成が選択されて適用されている。
【0058】
本実施形態は以上のように構成されており、圧電発振器である圧電デバイス100においても、第1の実施形態と同様に、ロウ材を局所的に加熱することで、パッケージ36と蓋体39で囲まれた内部空間Sの真空雰囲気に悪影響を及ぼすことを防止することができ、しかも、Pb(鉛)を原因とする環境汚染を回避することができる。
【0059】
図13は、本発明の上述した実施形態に係る圧電デバイスを利用した電子機器の一例としてのデジタル式携帯電話装置の概略構成を示す図である。
図において、送信者の音声を受信するマイクロフォン308及び受信内容を音声出力とするためのスピーカ309を備えており、さらに、送受信信号の変調及び復調部に接続された制御部としての集積回路等でなるコントローラ301を備えている。
コントローラ301は、送受信信号の変調及び復調の他に画像表示部としてのLCDや情報入力のための操作キー等でなる情報の入出力部302や、RAM,ROM等でなる情報記憶手段303の制御を行うようになっている。このため、コントローラ301には、圧電デバイス30が取り付けられて、その出力周波数をコントローラ301に内蔵された所定の分周回路(図示せず)等により、制御内容に適合したクロック信号として利用するようにされている。このコントローラ301に取付けられる圧電デバイス30は、圧電デバイス30単体でなくても、圧電デバイス30と、所定の分周回路等とを組み合わせた発振器である図12のような圧電デバイス100であってもよい。
【0060】
コントローラ301は、さらに、温度補償水晶発振器(TCXO)305と接続され、温度補償水晶発振器305は、送信部307と受信部306に接続されている。これにより、コントローラ301からの基本クロックが、環境温度が変化した場合に変動しても、温度補償水晶発振器305により修正されて、送信部307及び受信部306に与えられるようになっている。
【0061】
このように、制御部を備えた携帯電話装置300のような電子機器に、上述した実施形態に係る圧電デバイスを利用することにより、装置全体としても優れた安定性能を備えることができる。
【0062】
本発明は上述の実施形態に限定されない。実施形態の各変形例の構成はこれらを適宜組み合わせたり、省略し、図示しない他の構成と組み合わせることができる。
本発明の圧電デバイスは、圧電振動子、圧電発振器に限らず、パッケージ内に圧電振動片を収容したあらゆる圧電デバイスに適用することができる。
【0063】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、環境問題の観点から、Pb(鉛)を含有しないロウ材を介して蓋体でパッケージを封止できるようにし、かつ、ロウ材を溶融する際にパッケージと蓋体で囲まれた内部空間の真空雰囲気を害することがないようにした圧電デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の圧電デバイスの第1の実施形態を示す概略斜視図。
【図2】 本発明の圧電デバイスの第1の実施形態を示す概略平面図。
【図3】 図2のB−B線概略断面図。
【図4】 図1の圧電デバイスのパッケージの上端にロウ材と光吸収部材を配置した状態の概略断面図。
【図5】 図1の圧電デバイスのパッケージと蓋体をレーザ光で接合する際の概略断面図。
【図6】 図1の圧電デバイスのパッケージと蓋体とを回折格子を介して照射したレーザ光で接合する際の概略断面図。
【図7】 各種金属の反射率とレーザ波長の関係を示す図。
【図8】 本発明の圧電デバイスの第1の実施形態の第1変形例を説明するための図。
【図9】 本発明の圧電デバイスの第1の実施形態の第2変形例を説明するための図。
【図10】 本発明の圧電デバイスの第3変形例を説明するための図。
【図11】 本発明の圧電デバイスの第2の実施形態を説明するための図。
【図12】 本発明の圧電デバイスの第3の実施形態を説明するための図。
【図13】 本発明の各実施形態に係る圧電デバイスを利用した電子機器の一例としてのデジタル式携帯電話装置の概略構成を示す図。
【図14】 従来の圧電デバイスの一例を示す概略平面図。
【図15】 図14の圧電デバイスのA−A線概略断面図。
【図16】 図14の圧電デバイスのパッケージと蓋体を接合する際の概略断面図。
【符号の説明】
30,100・・・圧電デバイス、32・・・圧電振動片、36,101・・・パッケージ、39・・・蓋体、8,60,66・・・ロウ材、62・・・光吸収部材
Claims (14)
- 圧電振動片の一部を導電性接着剤で固定して内部に収容するようにしたパッケージの上端に、ロウ材により透明材料でなる蓋体を固定して封止する工程を含む圧電デバイスの製造方法であって、
前記パッケージと前記蓋体との間に光吸収部材を配置し、
レーザ光を前記光吸収部材に照射して得られる熱により、前記ロウ材としての鉛を含有しないロウ材を溶融して前記蓋体を封止する
ことを特徴とする圧電デバイスの製造方法。 - 前記ロウ材として低融点ガラスを用いることを特徴とする、請求項1に記載の圧電デバイスの製造方法。
- 前記光吸収部材を前記蓋体と前記ロウ材との間に配置することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の圧電デバイスの製造方法。
- 前記光吸収部材を前記ロウ材と前記パッケージとの間に配置し、前記光吸収部材と前記パッケージとの間に断熱層を配置することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の圧電デバイスの製造方法。
- 前記光吸収部材を前記ロウ材に含有させることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の圧電デバイスの製造方法。
- 前記ロウ材と前記パッケージとの間に所定の金属が配置されており、前記ロウ材として前記金属を含む金属材料が使用されることを特徴とする、請求項3に記載の圧電デバイスの製造方法。
- 圧電振動片の一部を導電性接着剤で固定して内部に収容するようにしたパッケージと、このパッケージの上端にロウ材により固定される透明材料でなる蓋体とを有する圧電デバイスであって、
前記ロウ材は鉛を含有しない材料からなり、
前記パッケージと前記蓋体との間に、レーザ光を照射することにより熱を発生して、この熱により前記ロウ材を溶融するための光吸収部材を備える
ことを特徴とする圧電デバイス。 - 前記ロウ材として低融点ガラスを用いることを特徴とする、請求項7に記載の圧電デバイス。
- 前記光吸収部材を前記蓋体と前記ロウ材との間に配置することを特徴とする、請求項7または請求項8に記載の圧電デバイス。
- 前記光吸収部材を前記ロウ材と前記パッケージとの間に配置し、前記光吸収部材と前記パッケージとの間に断熱層を配置することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の圧電デバイス。
- 前記光吸収部材を前記ロウ材に含有させることを特徴とする、請求項7または請求項8に記載の圧電デバイス。
- 前記ロウ材と前記パッケージとの間に所定の金属が配置されており、前記ロウ材として前記金属を含む金属材料が使用されることを特徴とする、請求項9に記載の圧電デバイス。
- 圧電振動片の一部を導電性接着剤で固定して内部に収容するようにしたパッケージと、このパッケージの上端にロウ材で固定される透明材料でなる蓋体とを有する圧電デバイスを利用した携帯電話装置であって、
前記ロウ材は鉛を含有しない材料からなり、
前記パッケージと前記蓋体との間に、レーザ光を照射することにより熱を発生して、この熱により前記ロウ材を溶融するための光吸収部材を備える圧電デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにした
ことを特徴とする携帯電話装置。 - 圧電振動片の一部を導電性接着剤で固定して内部に収容するようにしたパッケージと、このパッケージの上端にロウ材で固定される透明材料でなる蓋体とを有する圧電デバイスを利用した電子機器であって、
前記ロウ材は鉛を含有しない材料からなり、
前記パッケージと前記蓋体との間に、レーザ光を照射することにより熱を発生して、この熱により前記ロウ材を溶融するための光吸収部材を備える圧電デバイスにより、制御用のクロック信号を得るようにした
ことを特徴とする電子機器。
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