JP3760501B2 - イオン交換体を含む充填材の充填方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気透析槽の脱塩室にイオン交換体を配置して連続的に脱イオンを行う装置の脱塩室(希釈室)にイオン交換体を含む充填材を充填するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、超純水製造用の装置として、希釈室内にイオン交換体を有することを特徴とする電気透析槽が、特公平4−72567号公報、米国特許4632745号明細書などにより提案されている。これら充填されたイオン交換体は、各部屋に均一に充填され、かつ液の流れがショートパスする空間を生ずることのないことが求められる。しかし、電気透析槽中の複数の希釈室内に、イオン交換体を均一かつ隙間なく充填することは、一般的に難しい。
【0003】
たとえば、超純水製造用電気透析槽(EDI)に用いられるビーズ状イオン交換体の各希釈室への充填法として、電槽組立前または組立時に各対毎に充填する方法、組立後に液供給のための共通ダクトやイオン交換体の充填専用ノズルなどから充填する方法が一般的に知られている。
【0004】
しかし、各対毎に充填する方法では、ユニット化のために室枠の構造が複雑になったり、電槽の対数が多くなると組立に時間がかかるなどの問題がある。一方、共通ダクトやイオン交換体の充填専用ノズルなどから充填する方法では、各部屋への供給時間は短縮されるが、室枠の構造が複雑になるだけでなく、各部屋へのイオン交換体の充填度を制御するのが難しく、かつ充填量の確認が難しいという問題がある。
【0005】
さらに充填できるイオン交換体量の上限も、高々通常の最密充填(空間率=0.636)程度またはそれ以下にしかならないため、液のショートパスを防ぐためには、下降流を選択せざるを得ない。このため、希釈室系内のガス抜き対策や、停止時の液保有対策が必要となってくる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、希釈室の入口から出口へのショートパスする可能性のある空間の発生を防ぎ、複数の中空部にも同時に均一量のイオン交換体を確実に収納することを可能にし、イオン交換体の充填密度を高く充填することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、陽極を備える陽極室と、陰極を備える陰極室との間に、複数枚の陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを交互に配列して構成した電気透析槽内に、陽極側が陰イオン交換膜で区画され、陰極側が陽イオン交換膜で区画された希釈室と、陰極側が陰イオン交換膜で区画され、陽極側が陽イオン交換膜で区画された濃縮室を交互に形成した電気透析装置の希釈室に、イオン交換体を含む充填材を充填する方法であって、
イオン交換体を含む充填材を、その使用状態よりもみかけの体積が収縮した状態で希釈室内に収納し、かつ、濃縮室内に実質的に変形しない透水性の材料を充填し、使用環境における上記充填材の体積膨張に伴う寸法変化を、希釈室を構成する陰イオン交換膜および陽イオン交換膜によって機械的に制限し、上記充填材と希釈室を構成する各イオン交換膜との間に発生する圧力を0.1〜20kgw/cm2の範囲で増大させることを特徴とするイオン交換体を含む充填材の充填方法を提供する。
【0008】
充填材とは、希釈室中に配置されて希釈室中の液体とのイオン交換作用を発現する材料である。充填材は、イオン交換体のみからなるものだけでなく、イオン交換体以外の材料を含むこともできる。充填材は、互いに分離した材料の集積体であっても成形体であってもよい。互いに分離した材料の集積体というのは、たとえばイオン交換樹脂の粒子の集積体を指し、それぞれの材料は粒状物だけでなく繊維状や比較的大きなブロック状のものも含む。成形体とは、連続した材料からなるものをいう。
【0009】
本発明では、充填材はその状態を変化させ希釈室中に充填される。以下、本明細書においては充填材の状態を次のような用語で説明することにする。「使用状態」とは、充填材を希釈室中で実際に使用しているときの状態であり、使用時の環境と平衡になった状態をいう。「収縮状態」とは、何らかの方法で充填材のみかけの体積を収縮させた状態をいう。「自由状態」とは、使用する環境と平衡な状態であるが、希釈室を構成する陰イオン交換膜および陽イオン交換膜による拘束のない状態をいう。
【0010】
【発明の実施の形態】
充填材が集積体である場合、個々の材料の形状としては特に限定されないが、球状、ペレット状、繊維状、プレート状、シート状などの形状が採用できる。これらの形状は、1種単独でもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。大きさについても特に制限はなく、種々の大きさのものを採用できる。
【0011】
充填材が成形体である場合、液体の液流れ方向に関するショートパス形成の防止だけでなく、装置組立手段の簡便化にも寄与できるので好ましい。成形体は、イオン交換体粒子をバインダを用いて多孔質状に結合成形したものが好ましい。イオン交換体粒子としては充填材が集積体である場合と同様なものを使用でき、特に球状またはペレット状のイオン交換体が好ましい。
【0012】
バインダの使用量は、イオン交換体の0.1〜20重量%、特に1〜5重量%とすることが、加工性や取り扱い性の向上の理由により望ましい。バインダとしては、種々の有機高分子化合物を好適に使用できる。特に、ポリオレフィン系、好ましくはポリエチレン系またはポリプロピレン系を使用することが、イオン交換体との混練の際の温度を150℃以下とすることができ、かつ機械的強度上の理由から好ましい。
【0013】
イオン交換体としては、各種の有機イオン交換体または無機イオン交換体をそれぞれ単独でまたは2種以上混合して使用できる。有機イオン交換体として、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、アクリレート系重合体などの有機高分子にイオン交換基を導入したイオン交換樹脂が挙げられる。無機イオン交換体として、ゼオライトが挙げられる。
【0014】
充填材を「収縮状態」にする方法は、充填材の特性に応じて選択する必要があるが、イオン交換体として通常のイオン交換樹脂を用いる場合、イオン交換樹脂は含水率が大きくなるにしたがい体積が増大するので、含水率を減少させることによって「収縮状態」にするのが好ましい。充填材の含水率として、1重量%以上、特には10重量%以上低減させることで、体積を収縮させるのが好ましい。あらかじめ「使用状態」または「自由状態」に近いものから脱水して「収縮状態」にする場合だけでなく、製造の際に「使用状態」より少ない含水率のものとして得られる場合も含む。体積の変化するものであれば含水率以外の物性、たとえば温度などを制御することにより「収縮状態」にすることもできる。
【0015】
含水率を低下させる、すなわち乾燥させる手段としては、加熱乾燥が好ましい。イオン交換体としてイオン交換樹脂を用いる場合は、劣化を防ぐため、温度120℃以下、特には95℃以下、さらには30〜60℃の範囲で加熱乾燥するのが好ましい。さらに時間を短縮または含水率変化を大きくする理由のため、大気圧以下の圧力下で減圧乾燥する方法が利用できる。また、同様にイオン交換体の含水率を低減させる方法として、充填材のまわりの液の濃度、組成、種類を変える方法や、イオン交換体の対イオンを変化させる方法も利用できる。
【0016】
充填材は希釈室内に収納された後、たとえば液体に浸漬されると徐々に膨張し「使用状態」になる。本発明においては、充填材は希釈室を構成する陰イオン交換膜および陽イオン交換膜によって膨張が制限されるため「使用状態」は「自由状態」より体積が小さくなる。これにより、充填材と希釈室を構成する各イオン交換膜の間に圧力が発生する。
【0017】
充填材と希釈室を構成する各イオン交換膜との間に発生する圧力は、0.1kgw/cm2 以上とする。圧力が0.1kgw/cm2 未満の場合は、本発明の効果が充分に発現せず、充填材と希釈室を構成する各イオン交換膜の隙間にショートパスが形成され、そこを被処理流体が流れてしまい充填材のイオン交換能が有効に発現しないおそれがあり、好ましくない。圧力が0.5kgw/cm2 以上である場合は特に好ましい。圧力が大きくなるほど、ショートパスを抑制する効果は大きいが、希釈室の強度や充填材自体の強度の関係から実際上20kgw/cm2 以下とし、特に10kgw/cm2 以下とするのが好ましい。イオン交換膜のように比較的強度の低いものが希釈室を構成する場合は、イオン交換膜の破損を防ぐ理由で0.1〜3kgw/cm2 程度が好ましい。
【0018】
充填材と希釈室を構成する各イオン交換膜との間に発生する圧力は、「自由状態」と「使用状態」での充填材の大きさの差異および充填材の弾性的性質によって決定される。イオン交換体としてイオン交換樹脂を用いる場合には、「自由状態」の体積を基準としたときの「使用状態」の体積は30〜97%であることが好ましい。特に好ましい範囲は50〜95%である。
【0019】
「収縮状態」の充填材の体積が「使用状態」の体積を基準として30〜99%である場合は、体積の膨張した時点で発生する希釈室内の圧力を、ある程度の精度で制御できるという点で望ましい。より好ましい範囲は50〜95%である。
【0020】
「収縮状態」の充填材の体積は、「自由状態」の体積を基準として20〜95%であることが好ましい。より好ましい範囲は40〜90%である。「収縮状態」から「自由状態」に膨張する際に等方的に膨張する場合、「収縮状態」の充填材の寸法は、「自由状態」の寸法を基準として50〜98%が好ましい。より好ましい範囲は70〜97%である。
【0021】
充填材は、希釈室内に格納した状態で透水性である必要がある。好ましくは、水透過性が100kg・cm・kgw-1・h-1以上であることが好ましい。100kg・cm・kgw-1・h-1より小さいと、流路中に充填材を配置して用いる場合の流路抵抗が大きくなり、処理量が減少するか、または運転に高い圧力が必要となるので好ましくない。水透過性が500kg・cm・kgw-1・h-1以上である場合は特に好ましい。
【0022】
水透過性は、互いに平行な2つの底面を有する柱状体(たとえば角柱または円柱)の試料を作製し、側面から水が漏れ出ないようにして一方の底面からP(kgw/cm2 )の圧力で水を導入し、他方の底面から流出する水の質量を測定して求める。このとき底面の面積をA(cm2 )、柱状体の高さ、すなわち底面間の間隔をL(cm)、1時間あたりの水の透過量をW(kg/h)としたとき、水透過性はWL/PA(kg・cm・kgw-1・h-1)で表される。A、L、Pは任意に定めうるが、Aは1〜1000cm2 程度、Lは1〜100cm程度、Pは0.1〜1kgw/cm2 程度が好ましい。
【0023】
「使用状態」の充填材の空隙率は1〜40容量%が好ましく、希釈室内での液流れ方向に対するショートパスを回避して効率的なイオン交換を行い、かつ希釈室内の圧力損失を低くするためには、5〜30容量%が好ましい。
【0024】
イオン交換体としてイオン交換樹脂を使用する場合、希釈室内での充填密度は0.2〜2.0g乾燥樹脂/cm3 であると、希釈室内での液流れ方向に対するショートパスを回避して効率的なイオン交換を行い、かつ希釈室内の圧力損失を低くすることができるので好ましい。イオン交換樹脂の充填密度が0.5〜1.5g乾燥樹脂/cm3 である場合はさらに好ましい。
【0025】
充填材が成形体である場合、その形状は希釈室の形状に対応して種々の形状が利用できる。充填材の形状が、希釈室の形状と相似形またはそれに近い形状である場合は、充填材と希釈室を構成する各イオン交換膜の各部との間に発生する圧力を均一にできる。たとえば直方体状の希釈室には、イオン交換体も直方体であってかつ各辺の長さも直方体状希釈室の各辺の長さの比と同じか、それに近い形状であれば各面で発生する圧力が等しくなり、充填材の変形も等方的になる。形状が希釈室の形状と大きく異なる場合は、イオン交換体内部の歪が大きくなって、各部に発生する圧力に不均一が生じるなとの不都合がある。ただし、希釈室の強度や、希釈室を構成する各イオン交換膜で発生させる圧力を制御するために、意図的に異形のものを使用することもできる。イオン交換体自体の膨張に異方性のある場合も同様である。
【0026】
充填材が成形体である場合、希釈室内に1つの連続した充填材を配置することは、ショートパスを防ぐ意味で好ましいが、適宜分割して配置してもよい。また、全体が均一な充填材である必要はなく、たとえば、イオン交換体として陰イオン交換体のみを含む部分と、イオン交換体として陽イオン交換体のみを含む部分が、モザイク状に配置されているものでもよい。陰イオン交換基のみを含む多孔質体と、陽イオン交換基のみを含む充填材を適宜分割して配置してもよい。
【0027】
希釈室は、単独でもよく、連通管または共通ダクトによってその一部を共有している形式でもよい。希釈室を構成する壁はイオン交換膜であり、選択性のある隔膜である。
【0028】
本発明において、希釈室は、イオン交換膜を用いた電気透析装置の希釈室である。電気透析装置は、陽極を備える陽極室と、陰極を備える陰極室との間に、複数枚の陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを交互に配列して構成した電気透析槽内に、陽極側が陰イオン交換膜で区画され、陰極側が陽イオン交換膜で区画された希釈室と、陰極側が陰イオン交換膜で区画され、陽極側が陽イオン交換膜で区画された濃縮室を交互に形成した形式である。
【0029】
希釈室は、充填材の膨張を抑制して圧力を発生させるために容易に変形しないものである必要がある。希釈室を区画する壁がイオン交換膜のような場合、それ自体に充分な剛性および強度を付与するのが困難であるので、たとえば充填材を希釈室に配置する場合、濃縮室側から充分な圧力を発生させるために、濃縮室内にも実質的に変形しない透水性の材料を充填するなどの手段をとる必要がある。
【0030】
【実施例】
[充填材の製造]
平均直径500μmの球状陽イオン交換樹脂(三菱化学製、商品名ダイヤイオンSK1B)および平均直径500μmの球状陰イオン交換樹脂(三菱化学製、商品名ダイヤイオンSA10A)を体積比50/50で混合し、50℃にて乾燥した。乾燥により、もとの重量の55重量%まで減量した。これにバインダとして直径2〜6mm、長さ4〜9mmのペレット状のポリオレフィン系樹脂(ポリオレフィンプラストマー)を、バインダとイオン交換樹脂の合計量に対してバインダ量が表1に示す量になるように加え、ニーダーにて140℃で40分混練した。この混練物を、開口面が250mm×150mmの直方体の金属製の型に入れ、120℃×25kgw/cm2 の条件にてプレスすることによって直方体の多孔質成形体を得た。
【0031】
このとき金型に充填する量を変えることにより、各混合比の混練物から表1に示すように、それぞれ厚さ6.7mm、7mm、7.5mmの成形体を得た。成形体の幅と長さを、長さ:幅:厚さの比が140:100:8になるように、厚さに応じて切断して、充填材1〜9を得た。これらの充填材は、室温中純水に8時間浸漬すると、長さ・幅・厚み方向にほぼ同じ割合で膨張し、平衡に達した。元の長さに対する長さの増加量を膨張率として表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
[膨張圧力の測定]
図1に示すような直方体の金属容器11(底面幅100mm、底面長さ140mmの)中に、乾燥状態にある充填材13(この13は図1中の符号である)を入れ、金属板12をその上に置いて、充填材13が膨張して厚さが8mmになったときにロードセル14の先端が金属板12に接するようにロードセルの位置を設定する。すなわち、充填材13が乾燥状態のとき、ロードセル14の先端と金属板12の間隙aと充填材13の厚さbの和が8mmになるよう設定する。次に、水注入口5から水を注入し、水の吸収が平衡となったときにロードセル14にかかる荷重から、充填材13と金属板12の間の圧力を求めた。次に、自由状態に対する使用状態の体積比=(使用状態体積/自由状態体積)×100%を求めた。これらの結果を表2に示す。この結果を用いれば、長さ・幅・厚み方向のサイズを調整することで、適当な容器内圧力を選択できる。
【0034】
【表2】
【0035】
[電気透析による評価]
充填材1〜9を、図2に示す構成の電気透析槽の希釈室27に入れ、規定寸法まで締め付けた。希釈室27の形状は直方体で、水流方向の長さが140mm、幅が100mm、陰陽イオン交換膜の間隔は8mmである。2つの濃縮室26には、それぞれポリプロピレン製のスペーサーネットを充填して、希釈室27内の充填材が膨張した場合にも陰陽イオン交換膜の間隔が実質的に変化しないようにした。したがって、この希釈室内においても各充填材は表2に示したのと同じ圧力を発生する。また、比較のため充填材10として、充填材1〜9と同様に作成したバインダ量が2重量%で、111mm×79.4mm×6.3mmの成形体を、水を充分吸収させて希釈室27と同一の寸法にしたものを充填した。
【0036】
その後、希釈室に導電率が約10μS/cmの純水を0.18リットル/h、濃縮室に導電率が約1mS/cmの水を20リットル/h、陽極室および陰極室に導電率が約200μS/cmの水を1リットル/hずつ1時間流通させながら、同条件にて1.0Aの電流を通電した。40時間連続して運転し、安定したところで、希釈室の流速を28.8リットル/hとし、電気透析槽の希釈室上端部および下端部における圧力損失、希釈室から排出される脱イオン水の電気電導度、希釈室の比抵抗を測定した。結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】
充填材1〜9では高純度の脱イオン水を安定して得ることができ、かつ電気抵抗も低かった。また、図2に示した圧力の高い充填材ほど特性が良好となる傾向がみられる。これに対し、充填材10では、希釈水の純度は高くなかった。圧力損失の測定から、希釈室の入口から出口に向かって、イオン交換体と室枠間あるいはイオン交換体とイオン交換膜間に、隙間が生じたことが原因と思われる。
【0039】
充填材1〜9では、ショートパスが実質的に生じていないと考えられるので、上記の圧力損失から充填材の水透過性を計算する表4のとおりとなる。充填材10は、同様に水透過性を計算すると著しく高い値となるが、これはショートパスを通じて多量の水が流れているためで、充填材の水透過性の値ではない。
【0040】
【表4】
【0041】
【発明の効果】
本発明の充填方法により、希釈室の入口から出口への供給水がショートパスする可能性のある空間の発生を防ぎ、複数の中空部に同時に均一量のイオン交換体を含む充填材を確実に収納し、イオン交換体を含む充填材の充填密度を高くし、かつ、イオン交換体を含む充填材を短時間で充填できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】充填材と容器壁の間の圧力の測定方法を示す説明図
【図2】実施例で用いた電気透析槽の構成を示す説明図
【符号の説明】
11:金属容器
12:金属板
13:充填材
14:ロードセル
15:水注入口
21:陰極
22:陽極
23:陰極室
24:陽極室
25:陽イオン交換膜
26:濃縮室
27:希釈室
28:陰イオン交換膜
Claims (4)
- 陽極を備える陽極室と、陰極を備える陰極室との間に、複数枚の陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを交互に配列して構成した電気透析槽内に、陽極側が陰イオン交換膜で区画され、陰極側が陽イオン交換膜で区画された希釈室と、陰極側が陰イオン交換膜で区画され、陽極側が陽イオン交換膜で区画された濃縮室を交互に形成した電気透析装置の希釈室に、イオン交換体を含む充填材を充填する方法であって、
イオン交換体を含む充填材を、その使用状態よりもみかけの体積が収縮した状態で希釈室内に収納し、かつ、濃縮室内に実質的に変形しない透水性の材料を充填し、使用環境における上記充填材の体積膨張に伴う寸法変化を、希釈室を構成する陰イオン交換膜および陽イオン交換膜によって機械的に制限し、上記充填材と希釈室を構成する各イオン交換膜との間に発生する圧力を0.1〜20kgw/cm2の範囲で増大させることを特徴とするイオン交換体を含む充填材の充填方法。 - 体積収縮の手段が乾燥である請求項1記載のイオン交換体を含む充填材の充填方法。
- 使用状態の充填材の体積が、自由に体積膨張させた場合の体積の30〜97%である請求項1または2記載のイオン交換体を含む充填材の充填方法。
- 体積膨張させた状態における充填材の空隙率が、1〜40容量%である請求項1、2または3記載のイオン交換体を含む充填材の充填方法。
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