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JP3753088B2 - カーゴオイルタンク用鋼材 - Google Patents

カーゴオイルタンク用鋼材 Download PDF

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JP3753088B2
JP3753088B2 JP2002071834A JP2002071834A JP3753088B2 JP 3753088 B2 JP3753088 B2 JP 3753088B2 JP 2002071834 A JP2002071834 A JP 2002071834A JP 2002071834 A JP2002071834 A JP 2002071834A JP 3753088 B2 JP3753088 B2 JP 3753088B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タンカーにおける原油タンクであるカーゴオイルタンク用の鋼材に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、タンカーのカーゴオイルタンクの材料としては、裸仕様の普通鋼が使われている。
【0003】
カーゴオイルタンクの気相部は、防爆目的でエンジンの排ガスを利用したN2主体のガス(以下、これをイナートガスという)が充填されているが、乾湿繰り返しのある厳しい腐食環境であり、しかも、硫化水素(H2S)を含む原油の積載時には、原油中に含まれるH2Sの一部が気相中に移行するため、腐食環境としては極めて厳しいものになる。原油中に含まれる炭化水素の一部も気化してイナートガスと混合することは勿論であるが、腐食への影響はほとんどないので無視できる。なお、上記イナートガスの一例としては、体積%で、13%CO2−5%O2−0.1%SO2−残部N2の組成のガスが挙げられる。
【0004】
上記のような腐食環境においては、カーゴオイルタンク天井部となるデッキ裏では全面腐食が起こり、腐食速度が0.1mm/年を超えるケースもある。腐食速度が0.3mm/年以上と非常に大きい全面腐食の事例も報告されている。又、カーゴオイルタンク底板には孔食が発生し、数mm/年という大きな孔食進展速度となる場合もある。
【0005】
こうした事情から、カーゴオイルタンクの材料に塗装を施すことが一部で行われているが、初期の塗装及び約10年毎の塗り替えのコストが大きい。このため、例えば20年の使用に対して2mmの腐食代をとるということで、全面腐食や局部腐食への対策とされているのが実情である。
【0006】
しかし、腐食代をとると、鋼材の厚みが増加するために、タンクの製造コストが上昇し、原油積載量が減少する、などのデメリットも生じる。したがって、腐食代の低減が図れ、しかもコスト上昇を防止できる、耐食性に優れたカーゴオイルタンク用鋼材の開発が強く望まれている。
【0007】
なお、カーゴオイルタンク用鋼としては、例えば、特開2000−17381号公報にCuとMgを必須成分として含む鋼が、又、特開2001−107180号公報にCrとAlを必須成分として含む鋼が、それぞれ提案されている。しかし、これらの公報で開示された鋼においては、原油がH2Sを含む場合において、H2Sが腐食に対して及ぼす影響については全く配慮されておらず、このため、実船のカーゴオイルタンクにおいて十分な耐食性が得られない場合があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたもので、その目的は、イナートガス及びH 2 Sを含む環境における全面腐食や局部腐食に対する抵抗性に優れたカーゴオイルタンク用鋼材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の要旨は、下記(1)〜(4)に示すカーゴオイルタンク用鋼材にある。
【0010】
(1)質量%で、C:0.01〜0.3%、Si:0.02〜1%、Mn:0.05〜2%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Ni:0.01〜3%、Cu:0.01〜2%、Mo:0〜1%、W:0〜1%、Ca:0〜0.01%、Sb:0〜0.5%、Sn:0〜0.5%、Ti:0〜0.1%、Nb:0〜0.1%、V:0〜0.1%、B:0〜0.05%、Cr:0〜0.05%、Al:0〜0.07%を含有し、残部がFe及び不純物からなり、粒径が30μmを超える介在物が1cm2あたり30個未満で、且つ、下記(1)式を満足することを特徴とするカーゴオイルタンク用鋼材。但し、下記 (1)式中におけるApは組織に占めるパーライトの%単位での割合、Cは炭素の質量%での含有量を表す。
【0011】
Ap/C≦130・・・・・(1)。
【0012】
(2)Moの含有量が0.01〜1%、Wの含有量が0.01〜1%、Sbの含有量が0.01〜0.5%、Snの含有量が0.01〜0.5%の少なくともいずれかを満たすことを特徴とする上記(1)に記載のカーゴオイルタンク用鋼材。
【0013】
(3)Tiの含有量が0.005〜0.1%、Nbの含有量が0.002〜0.1%、Vの含有量が0.01〜0.1%、Bの含有量が0.0002〜0.05%の少なくともいずれかを満たすことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のカーゴオイルタンク用鋼材。
【0014】
(4)上記(1)から(3)までのいずれかに記載されたカーゴオイルタンク用鋼材であって、少なくとも片面に防食処理が施されたことを特徴とする鋼材。
【0015】
以下、上記の(1)〜(4)の鋼材に係る発明を、それぞれ、「本発明(1)」〜「本発明(4)」という。また、総称して「本発明」ということがある。
【0016】
本発明における「介在物」とは、JIS G 0555に記載されたA系介在物又はB系介在物をいい、「粒径」とは、形状が円形の場合はその直径、扁平している場合は長径と短径の平均で定義される値を指す。
【0017】
本発明者らは、前記した課題を達成するために、実船の腐食環境を模擬して数多くの実験を行った。
【0018】
すなわち、イナートガス及びH2Sを含む乾湿繰り返し環境において、数多くの実験を行った。その結果、H2Sを含む原油を積載した実船のデッキ裏に見られる腐食生成物層の再現に成功し、更に、気相部の腐食メカニズム及び底板部の孔食発生メカニズムに関して下記(a)(f)の知見を得た。
【0019】
(a)イナートガス中に含まれるSO2及び原油から気相部に移行するH2Sの両者と、イナートガス中に含まれるO2あるいはH2Oとが反応してH2SO3が生成する。更に、H2SO3がO2により酸化して生じるH2SO4も生成する。
【0020】
(b)結露時には、上記のH2SO3やH2SO4が水分中に含有される。このため、前記のイナートガス及びH2Sを含む乾湿繰り返しの環境は、酸性水による乾湿繰り返しの腐食環境である。
【0021】
(c)実船のデッキ裏における腐食は、温度が下がって結露が生じる夜間に進行し、原油を積載せず多量のCO2、SO2やO2が存在する場合の腐食生成物としてはα−FeOOH(以下、「錆」という)が主体となる。
【0022】
(d)一方、H2Sを含む原油の積載時にはH2Sが錆の表面でO2により酸化されて固体のSが生成する。
【0023】
(e)原油を積載しない場合と原油を積載する場合の繰り返しにより、実船のデッキ裏には「錆/S/錆/S・・・」という層状構造が形成される。
【0024】
(f)カーゴオイルタンク底はドレン水が滞留するとともに、表面が油膜によりコーティングされているが、スラッジの移動或いは原油洗浄などによって油膜による被覆が一部はがれ、その被覆がなくなった部位にデッキ裏に生成したSが落下し、付着する。次いで、そのSが酸化剤として作用し、腐食電位の貴化をもたらし、H2S及びCl-が存在する条件下で孔食が発生する。なお、油井に存在する岩塩が採掘時に原油に混入してタンク内に持ち込まれるため、タンク底にCl-が存在することとなる。
【0025】
上記の気相部の腐食メカニズム及び底板部の孔食発生メカニズムを踏まえて、本発明者ら更なる実験を行ったところ、下記(g)(m)の事項が明らかになった。
【0026】
(g)Cuの添加によって、酸性水による乾湿繰り返しの環境での全面腐食及びS存在下での孔食の発生を抑制することができる。一例として、図1に、酸性水による乾湿繰り返しの環境におけるCu含有量と全面腐食速度との関係を示す。なお、この図1において、「全面腐食速度」を単に「腐食速度」と表記した。図1から明らかなように、Cu含有量の増加に伴って腐食速度が著しく低下する。
【0027】
(h)CuとNiを複合して含有させることにより、更に耐全面腐食性や耐孔食性が向上する。
【0028】
(i)Cu及びNiに加えて、Mo、W、Ca、Sb及びSnの1種以上を添加すると、更に耐全面腐食性及び耐孔食性が向上する。
【0029】
(j)上記のCuからSnまでを添加すれば、塗装寿命が従来に比べ長くなる。
【0030】
(k)Cr及びAlの含有量を制限することで、酸性水による乾湿繰り返しの環境での全面腐食を抑えることができる。
【0031】
l 酸性水による乾湿繰り返しの環境での全面腐食は、組織に占めるパーライトの%単位での割合Ap及び質量%でのC含有量とも関係し、「Ap/C」で表される値の低減とともに耐全面腐食性が向上する。
【0032】
(m)酸性水による乾湿繰り返しの環境での全面腐食及びS存在下での孔食の発生には、鋼中介在物の粒径及び単位面積当たりの存在量が影響する。
【0033】
本発明(1)〜本発明(4)は、上記(a)〜(m)の知見に基づいて完成されたものである。
【0034】
お、本発明(1)においては、鋼材を構成する前記各元素のうち、Mo、W、Ca、Sb、Sn、Ti、Nb、V、B、Cr及びAlの11元素については、必ずしも積極的に添加する必要はなく、その添加は任意である。上記元素のうちでCrとAlの含有量は、むしろ低ければ低いほど好ましい。Sの含有量は低ければ低いほどよい。
【発明の実施の形態】
【0035】
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。なお、各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
【0036】
(A)鋼材の化学組成
C:
Cは、材料としての強度を確保するために必要な元素であり、0.01%以上の含有量が必要である。しかし、0.3%を超えて含有させると溶接性が低下する。又、C含有量の増大とともに、酸性水による乾湿繰り返しの環境でカソードとなって腐食を促進するセメンタイトの生成量が増大し、特に、C含有量が0.30%を超えるとセメンタイトの生成が増大して腐食が著しくなる。したがって、Cの含有量を0.01〜0.3%とした。C含有量の好ましい範囲は0.01〜0.2%であり、より好ましい範囲は0.01〜0.15%である。
【0037】
Si:
Siは、脱酸に必要な元素であり、十分な脱酸効果を得るためには0.02%以上含有させる必要がある。しかし、1%を超えて含有させると靱性が損なわれる。このため、Siの含有量を0.02〜1%とした。好ましい含有量の範囲は0.02〜0.8%であり、より好ましい範囲は0.02〜0.5%である。
【0038】
Mn:
Mnは、低コストで鋼の強度を高める作用を有する元素であり、この効果を得るためには0.05%以上の含有量が必要である。しかし、1.5%を超えて含有させると溶接性が劣化する。このため、Mnの含有量を0.05〜1.5%とした。
【0039】
P:
Pは、鋼中に含まれる不純物元素で、溶接性を低下させる。特に、その含有量が0.05%を超えると、溶接性の低下が著しくなる。このため、Pの含有量を0.05%以下とした。なお、Pは溶接性を低下させる一方で耐全面腐食性を向上させる作用を有するので、耐全面腐食性を高めるために0.01%以上を含有させてもよい。Pの含有量の好ましい上限は0.04%、より好ましい上限は0.03%である。
【0040】
S:0.01%以下
Sは、鋼中に含まれる不純物元素で、その含有量が0.01%を超えると鋼中にMnSが多く生成し、MnSが腐食の起点となって全面腐食及び孔食が生じる。このため、Sの含有量を0.01%以下とした。S含有量の好ましい上限は0.008%、より好ましい上限は0.005%である。なお、S含有量は低ければ低いほどよい。
【0041】
Ni:
Niは、湿潤硫化水素環境において防食性の硫化物皮膜を形成して耐全面腐食性を高める効果や、耐孔食性を向上させる効果ある。しかし、これらの効果を得るにはNiを0.01%以上含有させる必要があり、0.05%以上含有させれば一層顕著な効果が得られる。しかし、Niを3%を超えて含有させても前記効果が飽和し、コストが嵩むばかりである。したがって、Niの含有量を0.01〜3%とした。
【0042】
本発明に係る鋼材は、上記の化学組成に加えてCuも必須の元素として含む必要がある。なお、本発明に係る鋼材は、必要に応じて、以下に述べるMoからAlまでの元素のうちから選ばれる1種以上を含んでもよい。
【0043】
Cu:
Cuは、酸性水による乾湿繰り返しの環境での耐全面腐食性を高めるとともに硫化水素存在下での耐全面腐食性を著しく向上させる効果、更には、S存在下での孔食発生の抑制にも効果があり、これらの効果を得るためには、Cuは0.01%以上の含有量とする必要があり、0.1%以上含有させれば一層確実な効果が得られる。しかし、Cuを2%を超えて含有させてもその効果が飽和する。更に、鋼が脆化する恐れもある。なお、鋼の脆化防止の観点からはCu含有量の上限は1%とすることがより好ましい。したがって、Cuの含有量を0.01〜2%とした。
【0044】
Mo:
Moの添加は任意である。添加すれば、湿潤硫化水素環境において防食性の硫化物皮膜を形成して耐全面腐食性を高める効果や、耐孔食性を向上させる効果ある。更に、Moは耐酸性を高める作用も有する。これらの効果を顕著に得るには、Moは0.01%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、Moを1%を超えて含有させても効果が飽和するばかりか溶接性を損なうし、コストも嵩む。したがって、Moの含有量を0〜1%とした。なお、添加する場合のMo含有量の下限値は0.1%であることが更に好ましく、0.3%であれば一層好ましい。
【0045】
Cr:
Crは、H2Sを含む乾湿繰り返し環境、すなわち、酸性水による乾湿繰り返しの環境における耐全面腐食性を低下させるし、S存在下での耐孔食性をも低下させ、特に、その含有量が0.05%を超えると、上記環境での耐全面腐食性と耐孔食性の低下が著しくなる。したがって、Cr含有量を0〜0.05%とした。なお、Cr含有量は0〜0.04%とすることが好ましい。
【0046】
W:
Wの添加は任意である。添加すれば、湿潤硫化水素環境において防食性の硫化物皮膜を形成して耐全面腐食性を高める効果や、耐孔食性を向上させる効果ある。更に、Wは耐酸性を高める作用も有する。これらの効果を顕著に得るには、Wは0.01%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、Wを1%を超えて含有させても前記の効果は飽和しコストが嵩むばかりである。したがって、Wの含有量を0〜1%とした。なお、添加する場合のW含有量の下限値は0.1%であることが更に好ましく、0.3%であれば一層好ましい。
【0047】
Ca:
Caの添加は任意である。添加すれば、Caは鋼中に酸化物の形で存在し、水に溶けてアルカリ性となって腐食反応時の鋼材界面のpH低下を抑制するので、H2Sを含む場合の全面腐食を抑える作用有する。こうした効果を顕著に得るには、Caは0.0002%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、Caを0.01%を超えて含有させても前記の効果は飽和しコストが嵩むばかりである。したがって、Caの含有量を0〜0.01%とした。なお、添加する場合のCaの含有量の下限値は0.0005%であることが更に好ましく、0.001%であれば一層好ましい。
【0048】
Ti:
Tiの添加は任意である。添加すれば、鋼の強度を高める作用を有する。Tiには、鋼の靱性を向上させる作用や、TiSを形成するによって腐食の起点となるMnSの生成を抑制し、耐全面腐食性及び耐孔食性を高める作用もある。これらの効果を顕著に得るには、Tiは0.005%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、Tiを0.1%を超えて含有させても前記の効果は飽和しコストが嵩むばかりである。したがって、Tiの含有量を0〜0.1%とした。なお、添加する場合のTiの含有量の下限値は0.01%であることが更に好ましく、0.05%であれば一層好ましい。
【0049】
Nb:
Nbの添加は任意である。添加すれば、鋼の強度を高める作用を有する。この効果を顕著に得るには、Nbは0.002%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、Nbを0.1%を超えて含有させると靱性の低下を招く。したがって、Nbの含有量を0〜0.1%とした。なお、添加する場合のNbの含有量の上限値は0.05%であることが好ましく、0.03%であれば一層好ましい。
【0050】
V:
Vの添加は任意である。添加すれば、鋼の強度を向上させる作用を有する。この効果を顕著に得るには、Vは0.01%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、Vを0.1%を超えて含有させると靱性及び溶接性の低下を招く。したがって、Vの含有量を0〜0.1%とした。なお、添加する場合のVの含有量の上限値は0.05%であることが好ましく、0.03%であれば一層好ましい。
【0051】
B:
Bの添加は任意である。添加すれば、鋼の強度を高める作用を有する。この効果を顕著に得るには、Bは0.0002%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、Bを0.05%を超えて含有させると靱性の低下を招く。したがって、Bの含有量を0〜0.05%とした。なお、添加する場合のBの含有量の上限値は0.02%であることが好ましく、0.01%であれば一層好ましい。
【0052】
Sb:
Sbの添加は任意である。添加すれば、乾湿繰り返し環境での耐全面腐食性を向上させるとともに耐酸性を高める作用を有する。これらの効果を顕著に得るには、Sbは0.01%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、Sbを0.5%を超えて含有させても前記の効果は飽和する。したがって、Sbの含有量を0〜0.5%とした。なお、添加する場合のSbの含有量の下限値は0.01%であることが好ましく、0.05%であれば一層好ましい。
【0053】
Sn:
Snの添加は任意である。添加すれば、乾湿繰り返し環境での耐全面腐食性を向上させるとともに耐酸性を高める作用を有する。これらの効果を顕著に得るには、Snは0.01%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、Snを0.5%を超えて含有させても前記の効果は飽和する。したがって、Snの含有量を0〜0.5%とした。なお、添加する場合のSnの含有量の下限値は0.1%であることが好ましい。
【0054】
Al:
Alは、鋼の脱酸に有効な元素であるが、本発明においては既に述べた量のSiを含有させるので、Siで脱酸することができる。したがって、Alで脱酸処理することは特に必要でないため、Alの添加は任意である。一方、Alを積極的に添加すれば、脱酸効果が高まるとともに、窒化物を形成してオーステナイト粒を微細にするので、強度が向上する。更に、靱性の改善効果も得られる。これらの効果を確実に得るには、Alの含有量はは0.001%以上とすることが好ましい。しかし、Alを0.07%を超えて含有させても、脱酸効果がほぼ飽和するばかりか、窒化物が粗大化するために却って靱性の低下をきたす。なお、Alの含有量が多いとアルミナ系介在物の生成量が増加して、H2Sを含む乾湿繰り返し環境、すなわち、酸性水による乾湿繰り返しの環境における耐全面腐食性を低下させ、特に、0.07%を超えると酸性水による乾湿繰り返しの環境における耐全面腐食性の低下が著しい。したがって、Alの含有量を0〜0.07%とした。なお、添加する場合のAlの含有量の下限値は0.05%であることが好ましい。
【0055】
(B)鋼材の組織
酸性水による乾湿繰り返しの環境での全面腐食は、パーライトを形成するセメンタイトがカソード反応の水素イオン還元を加速するため、組織に占めるパーライトの%単位での割合Ap及び質量%でのC含有量と関係し、「Ap/C」の値が大きくなると耐全面腐食性が低下する。特に、上記「Ap/C」の値が130以上になると、化学組成を既に述べた範囲に調整した鋼材であっても、耐全面腐食性の低下が著しくなる。したがって、本発明においては、(1)式、すなわち、「Ap/C≦130」を満足するように規定した。
【0056】
又、鋼中介在物は腐食の起点となり、酸性水による乾湿繰り返しの環境における全面腐食及びS存在下での孔食の発生に影響を及ぼす。しかし、介在物の粒径が小さく、且つ単位面積当たりの存在量が少ないほど、全面腐食や孔食の発生に及ぼす影響は少なく、粒径30μmを超える介在物が1cm2あたり30個未満であれば耐全面腐食や耐孔食性が低下することはない。したがって、本発明においては、粒径が30μmを超える介在物が1cm2あたり30個未満と規定した。
【0057】
なお、粒径が30μmを超える介在物が1cm2あたり30個未満で、且つ、「Ap/C≦130」を満足する鋼材は、例えば、Sの含有量を低く抑えるとともに製鋼段階での電磁撹拌を実施したスラブを、鋼組成に応じて、通常の方法で加熱温度が1150℃程度、圧延1パス当たりの圧下率が3%以上、圧延仕上げ温度が800〜900℃程度となる条件で熱間圧延し、圧延終了後は、Ar3点以上の温度から少なくとも570℃程度までの温度域を水冷し、その後大気中放冷することによって製造することができる。なお、上記した温度はすべて鋼材の表面部における温度である。
【0058】
以上に説明した本発明(1)、本発明(2)及び本発明(3)の鋼材は、そのまま使用しても良好な耐食性を示し、腐食代を少なくできるが、その表面を有機樹脂や金属からなる防食被膜で覆った場合には、防食被膜の耐久性が向上し、耐食性が一段と向上する。
【0059】
ここで、有機樹脂からなる防食被膜としては、ビニルブチラール系、エポキシ系、ウレタン系、フタル酸系等の樹脂被膜、金属からなる防食被膜としては、ZnやAl等のメッキ被膜や溶射被膜を挙げることができる。
【0060】
また、防食被膜の耐久性が向上するのは、下地である本発明鋼材の腐食が著しく抑制される結果として防食被膜欠陥部からの下地鋼材腐食に起因する防食被膜のふくれや剥離が抑制されるためであると考えられる。
【0061】
上記の防食被膜で覆う処理は通常の方法で行えばよい。又、必ずしも鋼材の全面に防食被膜を施す必要はなく、腐食環境に曝される面としての鋼材の片面だけを防食処理してもよい。
【0062】
したがって、本発明(4)に係る鋼材は、本発明(1)から本発明(3)までのいずれかに記載されたカーゴオイルタンク用鋼材であって、少なくとも片面に防食処理が施された鋼材であることと規定した。
【0063】
【実施例】
実施例1
表1及び表2に示す化学組成を有する26種類の鋼を真空溶解炉を用いて溶製し50kg鋼塊とした後、通常の方法で熱間鍛造して厚さが120mmのブロックを作製した。
【0064】
表1
Figure 0003753088
【0065】
表2
Figure 0003753088
【0066】
次いで、上記鍛造によって得た厚さが120mmのブロックを、1150℃で2時間加熱してから熱間圧延し、厚さ20mmの鋼板にした。なお、上記20mmの鋼板の製造条件は下記の「製造法1」又は「製造法2」である。
【0067】
「製造法1」:厚さ120mmのブロックを1150℃で2時間加熱後、熱間圧延して950℃で厚さ20mmに仕上げ、その後室温まで大気中放冷する製造方法。
【0068】
「製造法2」:厚さ120mmのブロックを1150℃で2時間加熱後、熱間圧延して850℃で厚さ20mmに仕上げ、その後800℃から500℃までの温度域を水冷し、その後室温まで大気中放冷する製造方法。
【0069】
厚さが20mmの各鋼板から、JIS G 0555に準じて、圧延方向に平行に、その中心線をとおって切断したミクロ試験片を作製し、光学顕微鏡による組織と介在物の調査を行った。
【0070】
すなわち、上記の圧延方向に平行に切断した面(L断面)を被検面とし、鏡面研磨した後、倍率400倍で60視野の光学顕微鏡写真を撮影し、その写真から粒径が30μmを超える介在物の個数を測定した。
【0071】
又、鏡面研磨した面をナイタルで腐食し、倍率100倍で10視野光学顕微鏡観察して、組織に占めるパーライトの%単位での割合Apを測定し、前述の「Ap/C」の値を算出した。
【0072】
更に、前記厚さが20mmの各鋼板から、幅が25mm、長さが50mm、厚さが4mmの試験片を採取し、そのまま次に述べる原油がH 2 Sを含む実船のデッキ裏環境を模擬した腐食試験に供した。
【0073】
すなわち、0.1質量%NaCl水溶液を下部1/3部分に入れたガラス容器を準備する一方、採取した試験片を下面に取り付けたガス供給口を有するアクリル製の蓋によって上記ガラス容器の開口上端を密閉した。次いで、密閉後のガラス容器を恒温槽内に設置し、50℃×20時間→25℃×4時間の温度サイクルを4ヶ月間付与した。その際、ガラス容器内の気相部には、バラスト時とフルロード時をシミュレートし、前記のガス供給口より下記2種類のガスAとガスBを2週間間隔で交互に吹き込んだ。
【0074】
ガスA:体積%で、5%O2−13%CO2−0.02%SO2−残N2
ガスB:体積%で、5%O2−13%CO2−0.02%SO2−0.25%H2S−残N2
【0075】
4ヶ月の腐食試験の後、各試験片の減少質量から「mm/年」単位での腐食速度(全面腐食速度)を求めた。表3に、上記の各試験結果を厚さ20mm鋼板の製造条件とともに示す。
【0076】
表3
Figure 0003753088
【0077】
表3に示す結果からわかるように、化学組成、介在物規定及び「Ap/C」の値が本発明で規定する範囲内の試番B1〜B20の鋼材は、全面腐食速度が0.13mm/年以下と小さい。これに対し、化学組成、介在物規定及び「Ap/C」の値の少なくともいずれかが本発明で規定する範囲を外れる試番B21〜B26の鋼材は、全面腐食速度が0.29mm/年以上と大きい。
【0078】
実施例2
上記実施例1で述べた厚さが20mmの各鋼板から、幅が100mm、長さが100mm、厚さが4mmの試験片を採取し、次に述べる原油がH 2 Sを含む実船のカーゴオイルタンク底板の環境を模擬した腐食試験に供した。
【0079】
すなわち、上記の幅が100mm、長さが100mm、厚さが4mmの試験片の幅、長さ方向それぞれについて、中央部3mmをシールして残りの部分に原油を1mmの厚さで塗布した後、中央部のシールを除去して十字の形で鋼面を露出させた試験片の上に固体Sを0.2g/cm2の割合で付着させて腐食試験に供した。
【0080】
図2に、このようにして作製した腐食試験片を示す。
【0081】
次に、人工海水を入れたガラス容器の底に上記の腐食試験片を取り付け、ガス供給口を有するアクリル製の蓋でガラス容器の開口上端を密閉した。次いで、密閉後のガラス容器を恒温槽内に設置し、温度40℃で1ヶ月間試験を行なった。その際、ガラス容器内の人工海水に、バラスト時とフルロード時をシミュレートし、前記のガス供給口より下記2種類のガスAとガスBを2週間間隔で交互に吹き込んだ。
【0082】
ガスA:体積%で、5%O2−13%CO2−0.02%SO2−残N2
ガスB:体積%で、5%O2−13%CO2−0.02%SO2−0.25%H2S−残N2
【0083】
1ヶ月の腐食試験の後、試験片の最大孔食深さから孔食進展速度を求めた。表3には、上記の試験結果を併せて示した。
【0084】
表3から明らかなように、化学組成が本発明で規定する範囲内にあり、しかも、前記(1)式及び介在物の規定を満たす試番B1〜B20の鋼材は、孔食進展速度が0.15mm/年以下と小さい。これに対し、化学組成、介在物規定及び「Ap/C」の値の少なくとのいずれかが本発明で規定する範囲を外れる試番B21〜B26の鋼材は、孔食進展速度が0.61mm/年以上と大きい。
【0085】
実施例3
表4に示す化学組成を有する14種類の鋼を真空溶解炉を用いて溶製し50kg鋼塊とした後、通常の方法で熱間鍛造して厚さが120mmのブロックを作製した。
【0086】
表4
Figure 0003753088
【0087】
次いで、上記鍛造によって得た厚さが120mmのブロックを、1150℃で2時間加熱してから熱間圧延し、厚さ20mmの鋼板にした。なお、上記20mmの鋼板の製造条件は前記実施例1における「製造法1」又は「製造法2」である。
【0088】
実施例1の場合と同様の方法で、厚さが20mmの各鋼板からミクロ試験片を作製し、光学顕微鏡による組織と介在物の調査を行った。
【0089】
又、上記の厚さが20mmの各鋼板から幅が25mm、長さが50mm、厚さが4mmの試験片を採取し、その表面に通常の方法で厚さ200μmのタールエポキシ樹脂の防食被膜を施し、実施例の場合と同じ条件の腐食試験に供した。
【0090】
4ヶ月の腐食試験の後、各試験片の減少質量から「mm/年」単位での全面腐食速度を求めた。
【0091】
表5に、上記の各試験結果を厚さ20mm鋼板の製造条件とともに示す。
【0092】
表5
Figure 0003753088
【0093】
表5から明らかなように、化学組成が本発明で規定する範囲内にあり、しかも、前記(1)式及び介在物の規定を満たす試番B27〜B35の鋼材は、全面腐食速度が0.04mm/年以下と小さい。これに対し、化学組成、介在物規定及び「Ap/C」の値の少なくとのいずれかが本発明で規定する範囲を外れる試番B36〜B40の鋼材は、全面腐食速度が0.08mm/年以上と大きい。
【発明の効果】
【0094】
本発明の鋼材によれば、イナートガス及びH 2 Sを含むカーゴオイルタンクの腐食環境における耐食性が向上し、メンテナンス費用の大幅な削減が可能である。
【図面の簡単な説明】
図1
酸性水による乾湿繰り返しの環境におけるCu含有量と全面腐食速度との関係を示す図である。
図2
実施例2で用いた腐食試験片の形状を示す図である。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.01〜0.3%、Si:0.02〜1%、Mn:0.05〜2%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Ni:0.01〜3%、Cu:0.01〜2%、Mo:0〜1%、W:0〜1%、Ca:0〜0.01%、Sb:0〜0.5%、Sn:0〜0.5%、Ti:0〜0.1%、Nb:0〜0.1%、V:0〜0.1%、B:0〜0.05%、Cr:0〜0.05%、Al:0〜0.07%を含有し、残部がFe及び不純物からなり、粒径が30μmを超える介在物が1cm2あたり30個未満で、且つ、下記(1)式を満足することを特徴とするカーゴオイルタンク用鋼材。
    Ap/C≦130・・・・・(1)
    ここで、上記(1)式中におけるApは組織に占めるパーライトの%単位での割合、Cは炭素の質量%での含有量を表す。
  2. Moの含有量が0.01〜1%、Wの含有量が0.01〜1%、Sbの含有量が0.01〜0.5%、Snの含有量が0.01〜0.5%の少なくともいずれかを満たすことを特徴とする請求項1に記載のカーゴオイルタンク用鋼材。
  3. Tiの含有量が0.005〜0.1%、Nbの含有量が0.002〜0.1%、Vの含有量が0.01〜0.1%、Bの含有量が0.0002〜0.05%の少なくともいずれかを満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載のカーゴオイルタンク用鋼材。
  4. 請求項1から3までのいずれかに記載されたカーゴオイルタンク用鋼材であって、少なくとも片面に防食処理が施されたことを特徴とする鋼材。
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