JP3749078B2 - 脱硝触媒および脱硝方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱硝触媒および脱硝方法に関する。特に、排ガス中の窒素酸化物(NOx)を除去するための脱硝触媒およびこれを用いた脱硝方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在実用化されている排ガス中の窒素酸化物除去方法としては、アンモニアまたは尿素などの還元剤を用いて排ガス中の窒素酸化物を脱硝触媒上で接触還元し、無害な窒素と水とに分解する選択的触媒還元いわゆるSCR法が一般的である。近年、酸性雨に代表されるように窒素酸化物による環境汚染が世界的に深刻化するに伴い、脱硝技術の高効率化が要求されている。
このような状況下、チタンとバナジウムの酸化物およびモリブデン、タングステンなどの酸化物からなる脱硝触媒(特公昭53−28148号公報)や、チタンおよびケイ素からなる二元系酸化物と、バナジウム、タングステン、モリブデンなどの金属酸化物とからなる脱硝触媒(特公昭57−30532号公報)が実用化され、現在、広く用いられている。
【0003】
これらの触媒は、いずれも優れた窒素酸化物の除去性能を有するとともに、排ガス中に共存する硫黄酸化物の酸化性能も低く、かつ耐久性に優れているが、さらに高性能の触媒が出現することは好ましいことである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、窒素酸化物の除去性能に一層優れ、排ガス中の窒素酸化物を除去するのに好適な脱硝触媒およびこれを用いた脱硝方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するために、新しい触媒成分を求めた結果、チタン酸化物とチタン−ケイ素複合酸化物の両方を含有し、かつモリブデン酸化物を含有する触媒が有効であることを見いだし、脱硝触媒とこれを用いた脱硝方法にかかる本発明を完成した。
すなわち、本発明にかかる脱硝触媒は、触媒成分として、チタン酸化物(TiO2)と、チタン−ケイ素複合酸化物(TiO2−SiO2)と、バナジウム酸化物と、モリブデン酸化物とを含んでなる。
【0006】
本発明にかかる脱硝方法は、排ガスを、上記脱硝触媒と接触させる方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
〔脱硝触媒〕
本発明の脱硝触媒は、触媒成分の主成分としてチタン酸化物(TiO2)を含有し、さらに触媒成分の第2主成分としてチタン−ケイ素複合酸化物(TiO2−SiO2、以下、「Ti−Si複合酸化物」という)を含有する。チタン酸化物は脱硝活性に優れるが、同時に二酸化硫黄の三酸化硫黄への酸化性能も高い。また、Ti−Si複合酸化物は、特異な固体酸性を示すことが知られており、また、非晶質であることから比表面積が大きく、これらの化学的性質から、還元剤として用いられているアンモニアの吸着性能に優れている。異なる性質を示す2種類の酸化物を均密に混合することにより、両者の相互作用から相乗効果が生まれ、二酸化硫黄の三酸化硫黄への酸化性能を抑制しつつ、脱硝性能に優れた触媒となり得ると考えられる。
【0008】
本発明の触媒における、酸化チタンと、Ti−Si複合酸化物との比率は、酸化物重量比で、酸化チタン:Ti−Si複合酸化物=2:98〜90:10の範囲内であることが好ましく、より好ましくは10:90〜80:20の範囲内である。Ti−Si複合酸化物の含有量が前記範囲を下回る場合も上回る場合も、各々単独の性質しか得られない上に、目的とする触媒物性が得られないため、排ガス処理性能が低下する。
上記チタン酸化物の供給原料としては、酸化チタンのほか、焼成してチタン酸化物を生成するものであれば、無機および有機のいずれの化合物も使用することができる。例えば、四塩化チタン、硫酸チタンなどの無機チタン化合物またはシュウ酸チタン、テトライソプロピルチタネートなどの有機チタン化合物を用いることができる。
【0009】
上記Ti−Si複合酸化物の調製に用いるチタン源としては、上記の無機および有機のいずれの化合物も使用することができ、またケイ素源としては、コロイド状シリカ、水ガラス、微粒子ケイ素、四塩化ケイ素などの無機ケイ素化合物およびテトラエチルシリケートなどの有機ケイ素化合物から適宜選択して使用することができる。
上記Ti−Si複合酸化物は、例えば、以下の手順(a)〜(d)によって調製することができる。
(a)シリカゾルとアンモニア水を混合し、硫酸チタンの硫酸水溶液を添加して沈澱を生じさせ、得られた沈澱物を洗浄・乾燥し、次いで300〜700℃で焼成する。
(b)硫酸チタン水溶液にケイ酸ナトリウム水溶液を添加し、反応して沈殿を生じさせ、得られた沈殿物を洗浄・乾燥し、次いで300〜700℃で焼成する。
(c)四塩化チタンの水−アルコール溶液にエチルシリケート(テトラエトキシシラン)を添加し、次いで加水分解することにより沈殿を生じさせ、得られた沈殿物を洗浄・乾燥し、次いで300〜700℃で焼成する。
(d)酸化塩化チタン(オキシ三塩化チタン)とエチルシリケートとの水−アルコール溶液に、アンモニアを加えて沈殿を生じさせ、得られた沈殿物を洗浄・乾燥し、次いで300〜700℃で焼成する。
【0010】
上記の方法のうち、(a)の方法が特に好ましく、さらに具体的にはケイ素源とアンモニア水をモル比が所定量になるように取り、チタン源として酸性の水溶液またはゾル状態(1〜100g/リットル(チタン源はTiO2で換算)の濃度の酸性の水溶液またはゾル状態)で、10〜100℃に保ちながら、滴下し、pH2〜10で10分間から3時間保持してチタンおよびケイ素の共沈物を生成し、この沈殿物をろ過し、充分洗浄後、80〜140℃で10分間から3時間乾燥し、300〜700℃で1〜10時間焼成することにより目的とするTi−Si複合酸化物を得ることができる。
【0011】
本発明の触媒は、触媒成分の第1副成分としてバナジウム酸化物を前記主成分(チタン酸化物とTi−Si複合酸化物の合計量)に対して好ましくは0.1〜25重量%、より好ましくは1〜15重量%含むとともに、第2副成分としてモリブデン酸化物を前記主成分に対して好ましくは0.1〜25重量%、より好ましくは1〜15重量%含む。バナジウム酸化物とモリブデン酸化物の各含有量が0.1重量%より少ないと添加効果が十分得られず、他方、25重量%を超えてもそれほど大きな活性の向上は認められず、場合によっては活性が低下することもある。
【0012】
バナジウム酸化物やモリブデン酸化物の供給原料としては、各々の酸化物自体のほかに、焼成によってこれらの酸化物を生成するものであれば、無機および有機のいずれの化合物も用いることができる。例えば、各々の金属を含む水酸化物、アンモニウム塩、シュウ酸塩、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩などを用いることができる。
本発明の触媒は、上記のような触媒成分を含み、0.01〜0.05μmの範囲に孔径分布のピークを有する細孔群(以下、第一細孔群という場合もある)と0.8〜4μmの範囲に孔径分布のピークを有する細孔群(以下、第二細孔群という場合もある)とを含む細孔を有する。
【0013】
本発明では、触媒の細孔は、それぞれ実質的に独立した2つの孔径分布のピークを有し、しかもそれぞれのピークを含む細孔群の孔径分布は狭く、実質的に均一なものである。孔径分布のピークはそれぞれの孔径範囲に1つずつあるのが好ましい。もちろん、孔径分布が実質的に均一でなく、孔径分布のピークがショルダーを有するようなものであってもよいが、孔径分布が実質的に均一な細孔を有する触媒が特に好適に用いられる。
本発明の触媒の、水銀圧入法で測定した全細孔容積は、0.2〜0.6cc/gの範囲にあるのがよい。
【0014】
そして、本発明の触媒では、第一細孔群が占める細孔容積は全細孔容積の20〜80%、また第三細孔群が占める細孔容積は全細孔容積の5〜70%の範囲にあるのがよい。
本発明の触媒の平均粒子径は好ましくは0.001〜100μm、より好ましくは0.01〜100μmの範囲にあるのがよい。
本発明の触媒のBET法による比表面積は好ましくは30〜250m2/g、より好ましくは40〜200m2/gの範囲にあるのがよい。
したがって、本発明の触媒としては、触媒成分としてチタン酸化物とTi−Si複合酸化物とバナジウム酸化物とモリブデン酸化物を含み、水銀圧入法による全細孔容積が0.2〜0.6cc/gであり、0.01〜0.05μmの範囲に孔径分布のピークを有する細孔群と0.8〜4μmの範囲に孔径分布のピークを有する細孔群とを含む細孔を有し、しかも0.01〜0.05μmの範囲に孔径分布のピークを有する細孔群が占める細孔容積が、全細孔容積の20〜80%であり、0.8〜4μmの範囲に孔径分布のピークを有する細孔群が占める細孔容積が全細孔容積の5〜70%である触媒が好適に用いられる。
【0015】
しかも、上記好適な本発明の触媒において、BET法による比表面積が30〜250m2/gの範囲にあるのがさらに好適であり、また、平均粒子径が0.001〜100μmの範囲にあるのがさらに好適である。
本発明の触媒の形状については特に制限はなく、板状、波板状、網状、ハニカム状、円柱状、円筒状などのうちから選んだ所望の形状で用いてもよく、またアルミナ、シリカ、コーディライト、チタニア、ステンレス金属などよりなる板状、波板状、網状、ハニカム状、円柱状、円筒状などのうちから選んだ所望の形状の担体に担持して使用してもよい。
〔触媒の製造方法〕
本発明の触媒は、任意の方法で調製することができる。以下にその一例を示すが、本発明の触媒の調製方法はこれらに限定されない。
【0016】
本発明の触媒の調製方法としては、たとえば、前記触媒成分の主成分の粉体に、触媒成分の第1副成分および第2副成分の塩類またはその溶液を任意の順序で添加して調製する方法を挙げることができる。また、第1副成分および第2副成分の塩類またはその溶液を予め混合した後に、主成分の粉体に添加する方法でもよく、主成分の成型体に、第1副成分および第2副成分の塩類の溶液またはその両方の混合物を含浸担持させる方法でもよい。
本発明の触媒の別の調製方法としては、たとえば、触媒成分の主成分と第1副成分の混合物に、触媒成分の第2副成分を担持させる方法や、触媒成分の主成分と第2副成分の混合物に、触媒成分の第1副成分を担持させる方法を挙げることができる。
【0017】
主成分であるチタン酸化物とTi−Si複合酸化物とを混合する場合は、従来公知の混合方法にしたがえばよく、例えば、ニーダーなどの混合機に、チタン酸化物粉末とTi−Si複合酸化物粉末とを投入して、撹拌・混合することができる。
また、本発明で規定する物理的特性を有する触媒を容易に得るには、前記した各調製方法において、▲1▼触媒粉体を適当な粒子径になるように粉砕方法を制御する方法や、▲2▼混練り時に添加するデンプンなどの成形助剤や水分の添加量の制御、練り具合いを制御する方法、▲3▼触媒焼成時に分解または揮発する樹脂を混練り時に添加する方法等をさらに行って調製することが好ましく、これら方法を適宜組み合わせて調製してもよい。
【0018】
これらの方法のうち、方法▲2▼および▲3▼のように、焼成工程で、成形助剤や樹脂等の、分解または揮発する化合物(本発明では易分解性化合物という)を触媒調製時に添加して、焼成前の、チタン酸化物および/または焼成によってチタン酸化物となるものを必須成分とする触媒前駆体に所定量存在させ、その後の焼成工程において、この易分解性化合物を焼成によって除去する方法が好適に用いられる。
前記方法▲3▼の混練時に加える樹脂としては、アセタール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などを用いることができる。
【0019】
この樹脂等の易分解性化合物の平均粒子径は、5〜1000μmの範囲にあるのが好ましく、また、その添加量は前述の触媒前駆体に対し、0.1〜30重量%の範囲にあるのが好ましい。易分解性化合物の平均粒子径および添加量がこれらの範囲を外れると、本発明で規定する物理的特性は得られない。なお、添加量が多すぎると、得られる触媒の機械的強度が低下する。この易分解性化合物は、触媒の焼成時に加熱分解・蒸散し、その部分に細孔が形成されるが、易分解性化合物の熱分解温度は100〜700℃であるのが好ましく、その分解時の発熱量は、50kcal/g以下であるのが好ましい。易分解性化合物の熱分解温度が700℃を超えると、触媒焼成時に未燃の易分解性化合物が残存することがあり、また、分解時の発熱量が50kcal/gよりも大きいと、触媒焼成時の発熱が大きくなり、触媒の比表面積が小さくなる他、活性成分のシンタリングなどの原因となる。
〔脱硝方法〕
本発明の脱硝触媒は、ボイラ、焼却炉、ガスタービン、ディーゼルエンジンおよび各種工業プロセスから排出される窒素酸化物の分解活性に優れるため、これら窒素酸化物を含む排ガスの処理に好適に用いられる。さらには、これらの排ガス中には、一般に二酸化硫黄が含まれており、二酸化硫黄が三酸化硫黄に酸化された場合、装置の腐食などの不具合が生じるが、本発明の脱硝触媒は、二酸化硫黄の三酸化硫黄への酸化能が低いため、より好適に用いられる。
【0020】
本発明の触媒を用いて脱硝を行うには、本発明の触媒をアンモニアや尿素などの還元剤の存在下、排ガスと接触させ、排ガス中の窒素酸化物を還元除去する。この際の条件については、特に制限がなく、この種の反応に一般的に用いられている条件で実施することができる。具体的には、排ガスの種類、性状、要求される窒素酸化物の分解率などを考慮して適宜決定すればよい。
なお、本発明の触媒を用いて脱硝を行う場合の排ガスの空間速度は、通常、100〜100000Hr-1(STP)であり、好ましくは200〜50000Hr-1(STP)である。100Hr-1未満では、処理装置が大きくなりすぎるため非効率となり、一方100000Hr-1を超えると分解効率が低下する。また、その際の温度は、130〜450℃であることが好ましく、130〜300℃である場合、特に顕著な効果が得られる。排ガス温度が130℃より低いと脱硝効率が低下し、450℃を超えると活性成分のシンタリングなどの問題が起こる。
【0021】
なお、本発明の脱硝触媒を用いて、有機ハロゲン化合物(ダイオキシン類など)と窒素酸化物を同時に除去することもできる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
以下において、第一細孔群は、0.01〜0.05μmの範囲に孔径分布のピークを有する細孔群であり、第二細孔群は、0.8〜4μmの範囲に孔径分布のピークを有する細孔群である。
(実施例1)
まず、Ti−Si複合酸化物を次のように調製した。10重量%アンモニア水700リットルにスノーテックス−20(日産化学(株)製シリカゾル、約20重量%のSiO2含有)21.3kgを加え、攪拌、混合した後、硫酸チタニルの硫酸溶液(TiO2として125g/リットル、硫酸濃度550g/リットル)340リットルを攪拌しながら徐々に滴下した。得られたゲルを3時間放置した後、ろ過、水洗し、続いて150℃で10時間乾燥した。これを500℃で焼成し、更にハンマーミルを用いて粉砕し、分級機で分級して平均粒子径10μmの粉体を得た。得られた粉体の組成はTiO2:SiO2=8.5:1.5(モル比)であり、粉体のX線回折チャートではTiO2やSiO2の明らかな固有ピークは認められず、ブロードな回折ピークによって非晶質な微細構造を有するチタンとケイ素との複合酸化物(Ti−Si複合酸化物)であることが確認された。
【0023】
市販の酸化チタン粉体(DT−51(商品名)、ミレニアム社製)1.8kgと上記で調製したTi−Si複合酸化物16.2kgをニーダーに投入後、撹拌してよく混合した。次いで、メタバナジン酸アンモニウム1.43kg、蓚酸1.7kgおよびモノエタノールアミン0.4kgを水5リットルに溶解させた溶液と、パラモリブデン酸アンモニウム1.36kgおよびモノエタノールアミン0.5kgを水3リットルに溶解させた溶液とさらに成形助剤とを加えてよく混合し、適量の水を加えつつニーダーでよく混練りした後、押出成形機で外形80mm角、目開き4.0mm、肉厚1.0mm、長さ500mmのハニカム状に成形した。次いで、80℃で乾燥した後、450℃で5時間空気雰囲気下で焼成して触媒Aを得た。
【0024】
この触媒Aの組成は、チタン酸化物:Ti−Si複合酸化物:V2O5:MoO3=9:81:5:5(酸化物換算重量%)であり、チタン酸化物とTi−Si複合酸化物の混合比は、チタン酸化物:Ti−Si複合酸化物=10:90(酸化物換算重量%)であった。触媒Aの細孔径分布およびBET表面積を測定した結果を表1に示した。
触媒Aを用いて、下記の条件で脱硝性能試験およびSO2酸化率の測定を行った。
<試験条件>
ガス組成
NOx:200ppm、SO2:1000ppm、NH3:200ppm
O2:10%、H2O:15%、N2:バランス
ガス温度:250℃
空間速度:10000Hr-1
なお、脱硝率およびSO2酸化率は下記の式にしたがって求めた。
【0025】
脱硝率(%)=[(反応器入口NOx濃度)−(反応器出口NOx濃度)]÷(反応器入口NOx濃度)×100
SO2酸化率(%)=(反応器出口SO3濃度)÷(反応器入口SO2濃度)×100
得られた脱硝率およびSO2酸化率を表1に示した。
[実施例2〜4]
チタン酸化物とTi−Si複合酸化物の混合比を、それぞれ30:70、50:50、80:20に変更した以外は、実施例1と同様の方法で触媒B〜Dを調製した。各々の触媒の組成および物性測定結果は表1に示したとおりである。
【0026】
触媒B〜Dを用い、実施例1と同様にして、脱硝性能試験およびSO2酸化率を行った。結果を表1に示した。
次に、触媒Bを用いて、ガス温度を150〜400℃に変更した以外は実施例1と同様にして、脱硝性能試験およびSO2酸化率の測定を行った。結果を表2に示した。
[実施例5]
市販の酸化チタン粉体(DT−51(商品名)、ミレニアム社製)1.8kgと実施例1で調製したTi−Si複合酸化物16.2kgをニーダーに投入後、撹拌してよく混合した。次いで、メタバナジン酸アンモニウム1.43kg、蓚酸1.7kgおよびモノエタノールアミン0.4kgを水5リットルに溶解させた溶液と、パラモリブデン酸アンモニウム1.36kgおよびモノエタノールアミン0.5kgを水3リットルに溶解させた溶液とを加え、さらにフェノール樹脂(ベルパール(商品名)、カネボウ(株)製)1kgを成形助剤とともに加えて混合し、適量の水を加えつつニーダーでよく混練りした後、実施例1と同様のハニカム状の触媒Eを得た。
【0027】
触媒Eを用い、実施例1と同様にして、脱硝性能試験およびSO2酸化率を行った。結果を表1に示した。
[実施例6〜8]
チタン酸化物とTi−Si複合酸化物の混合比を、それぞれ30:70、50:50、80:20に変更した以外は、実施例5と同様の方法で触媒F〜Hを調製した。各々の触媒の組成および物性測定結果は表1に示したとおりである。
触媒F〜Hを用い、実施例1と同様にして、脱硝性能試験およびSO2酸化率を行った。結果を表1に示した。
【0028】
[比較例1]
市販の酸化チタン粉体(DT−51(商品名)、ミレニアム社製)18kgに、メタバナジン酸アンモニウム1.29kg、蓚酸1.68kgを水5リットルに溶解させた溶液と、パラモリブデン酸アンモニウム1.23kgおよびモノエタノールアミン0.55kgを水3リットルに溶解させた溶液とさらに成形助剤とを加えてよく混合し、適量の水を加えつつニーダーでよく混練りした後、押出成形機で外形80mm角、目開き4.0mm、肉厚1.0mm、長さ500mmのハニカム状に成形した。次いで、80℃で乾燥した後、450℃で5時間空気雰囲気下で焼成して触媒Iを得た。
【0029】
この触媒Iの組成は、TiO2:V2O5:MoO3=90:5:5(酸化物換算重量%)であった。物性測定結果は表1に示したとおりである。
触媒Iを用い、実施例1と同様にして、脱硝性能試験およびSO2酸化率の測定を行った。結果を表1に示した。
[比較例2]
市販の酸化チタン粉体の代わりに、実施例1で調製したTi−Si複合酸化物を用いた以外は、比較例1と同様の方法で触媒Jを調製した。
この触媒Jの組成は、Ti−Si複合酸化物:V2O5:MoO3=90:5:5(酸化物換算重量%)であった。物性測定結果は表1に示したとおりである。
【0030】
触媒Jを用い、実施例1と同様にして、脱硝性能試験およびSO2酸化率の測定を行った。結果を表1に示した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】
本発明の触媒は窒素酸化物の除去性能の除去性能に優れるので、窒素酸化物を含む各種排ガスを処理して窒素酸化物を除去するに好適に用いられる。
したがって、本発明の触媒は、排ガス中の窒素酸化物の除去用触媒として有用であり、また、有機ハロゲン化合物や窒素酸化物の同時除去用の触媒として有用である。
本発明にかかる脱硝方法は、上記触媒を用いるため、効果的に窒素酸化物を除去することができる。
Claims (6)
- 触媒成分として、チタン酸化物(TiO2)と、チタン−ケイ素複合酸化物(TiO2−SiO2)と、バナジウム酸化物と、モリブデン酸化物とを含んでなる脱硝触媒。
- 0.01〜0.05μmの範囲に孔径分布のピークを有する細孔群と0.8〜4μmの範囲に孔径分布のピークを有する細孔群とを含む細孔を有する、請求項1記載の脱硝触媒。
- 水銀圧入法による全細孔容積が0.2〜0.6cc/gであり、0.01〜0.05μmの範囲に孔径分布のピークを有する細孔群が占める細孔容積が全細孔容積の20〜80%であり、0.8〜4μmの範囲に孔径分布のピークを有する細孔群が占める細孔容積が全細孔容積の5〜70%である、請求項1または2に記載の脱硝触媒。
- チタン酸化物と、チタン−ケイ素複合酸化物との比率が、酸化物重量比で、チタン酸化物:チタン−ケイ素複合酸化物=2:98〜90:10の範囲内である、請求項1から3のいずれかに記載の脱硝触媒。
- バナジウム酸化物の含有量がチタン酸化物とチタン−ケイ素複合酸化物の合計量の0.1〜25重量%であり、モリブデン酸化物の含有量がチタン酸化物とチタン−ケイ素複合酸化物の合計量の0.1〜25重量%である、請求項1から4のいずれかに記載の脱硝触媒。
- 排ガスを、請求項1から5のいずれかに記載の脱硝触媒と接触させる、脱硝方法。
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