JP3748914B2 - エンジンの吸気量制御方法 - Google Patents
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- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は低温時の始動および暖機運転と暖機後のアイドリングとにそれぞれ要求される空気を適正に供給することができる、殊に大排気量であって吸気管が大径であるエンジンに好適な吸気量制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車に対する走行性向上、排気規制、燃料消費量低減などの要求に対応するため、エンジンの吸気制御用絞り弁を足踏み式の人力操作に加え或いはこれに代えて電動機などのアクチュエータで駆動する技術が開発されている(特開昭60−240835号公報、特開昭62−282146号公報、特開平1−117944号公報参照)。
【0003】
一方、エンジンに空気を供給する吸気管は大排気量のエンジンにあってはかなり大径であるため一般に蝶形弁である絞り弁も大形であり、そのため低開度域において開き角度の僅かな変化に対して吸気量が大幅に変化するため、人力操作では吸気量を精密に制御することができない。
【0004】
そこで、例えば特開昭51−2834号公報に記載されているように、吸気管の絞り弁下流側にバイパスを接続し、低温時の始動およびそれに続く暖機運転に要求される空気はバイパスに設置した制御弁を電動機などのアクチュエータで開弁動作させることによって供給する技術が提案されており、低温域での始動およびアイドル制御を適切に行うことが可能である。
【0005】
ところが、前記特開昭51−2834号公報に記載されているものは、吸気管の絞り弁を足踏み式の人力操作で開閉させるようにしているので、吸気管が大径のものにあっては暖機後の低開度域での精密な吸気量制御を行うことができない。
【0006】
この絞り弁を前述のアクチュエータ駆動とすれば、大径の吸気管についても低開度での精密な吸気量制御を行うことが可能であるが、吸気管の絞り弁とバイパスの制御弁とを駆動するアクチュエータが各別に準備されるので、吸気量制御のための機構が大形化、大重量化するのを避けられず、しかも電子式制御ユニットから各アクチュエータへ所要の駆動信号を送る回路、配線が必要であるため複雑化を免れない、という新しい問題を生じる。
【0007】
また、低温域での始動およびそれに続く暖機運転は暖機後におけるアイドリングに比べてかなり大量の空気を必要とするので、低温対策用のバイパスも大径となって全体が更に大形化するのを避けられない。
【0008】
本発明は吸気管の絞り弁とバイパスの制御弁とを各別の電動機で駆動し、低温域における始動および暖機運転はバイパスを使用する、という構成としたことによる前記の諸問題を解決し、低温域での始動および暖機運転と暖機後のアイドリングとを小形且つ軽量であるとともに構造が複雑でない装置によって適正に行わせることができる吸気量制御手段を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、そのために本発明は制御弁によって開閉されるバイパスを吸気管の絞り弁下流側に接続し、制御弁の弁体をエンジンの運転状態に応じて動作する電動機の出力軸に設けるとともに、絞り弁の弁軸を連結・遮断機構により出力軸に断・続可能に接続した機構を使用するものとした。
【0010】
このような機構を採用することにより、制御弁と絞り弁とが一台の電動機で駆動され、小形化、軽量化、回路や配線の簡単化を計ることが可能となり、且つ始動、暖機運転およびアイドリングの温度に応じた要求空気量を連結・遮断機構の操作と電動機の回転制御とによって適切に供給することができる。
【0011】
そして、要求空気量の適正供給のため、低温域での始動および暖機運転においては出力軸と弁軸とを接続した状態で絞り弁による空気量調整を行い、暖機後のアイドリングにおいては、出力軸と弁軸とを遮断した状態で制御弁のみによる空気量調整を行い、これら以外の運転域においては出力軸と弁軸とを接続した状態で主に絞り弁による空気量調整を行うものとした。
【0012】
このような手段とすることにより、バイパスは暖機後のアイドリングに要求される空気量のみを確保すればよいため小径で足り、全体の更なる小形化が可能となる。
【0013】
また、冷機状態である低温域での始動および暖機運転は暖機後のアイドリングに比べかなり大量の空気を要求するが、大径の吸気管にあっても絞り弁を低開度域で精密に開度制御することができる電動機駆動としたことにより、温度に応じた空気量を適正に供給することが可能である。この場合、絞り弁の低開度域での制御であるため出力軸の回転角度は小さく、従って制御弁が開いてもその開度はきわめて小さいのでバイパスを流れる空気量は殆ど無視することができる。このため、低温域での始動および暖機運転に必要な空気は、実質的に絞り弁のみで制御されることとなる。
【0014】
次に、暖機後のアイドリングはそのために設けられたバイパスの制御弁を適度に開くことによって行わせるが、小径のバイパスに設置した制御弁は電動機によてききわめて精密に開度制御され、適正量の空気を供給してアイドリングを維持する。尚、このとき絞り弁は出力軸から遮断されているため戻しばねによって閉弁位置に置かれる。
【0015】
更に、前記以外の運転域、即ち低温域および暖機後の負荷運転に要求される大量の空気は絞り弁により調整されてエンジンに供給され、このとき制御弁も全開することがあるがバイパスの空気流量は少ないので、オフ・アイドル時の空気量は主に絞り弁で調整されることとなる。
【0016】
尚、制御弁や絞り弁を駆動する電動機は、エンジン冷却水温度のほかに、これらの弁の開度、エンジン回転速度、排気中の酸素濃度など、吸気量や燃料供給量を制御するため検知される従来と同様の要素を基に電子式制御ユニットから送られる駆動信号によって運転される。従って、同じ電子式制御ユニットから空気量制御の切替え指示を容易且つ適切に発することができるので、連結・遮断機構は電磁クラッチとするのが好適である。
【0017】
【実施例】
本発明を実施するのに好適な具体的構成の一例を図面を参照して説明すると、エンジンの吸気管1の一部を形成するスロットルボディ2に、その吸気通路3の絞り弁6よりも上流側と下流側とを連通するバイパス4が設けられている。絞り弁6は吸気通路3の中心を横切ってスロットルボディ2に回動可能に架設された弁軸7とこの弁軸7に固着された円板状の弁板8とからなる周知の蝶形弁であって、直流モータまたはステッピングモータからなる電動機11によって開閉駆動される。
【0018】
電動機11の出力軸12は通常よりも長く作られており、その先端部分はバイパス4に装入設置した弁ケーシング16を気密に貫通して回動可動に架設されている。このバイパス4を横切った出力軸部分は弁体17を形成しており、空気通路5の上流側と下流側とを連通する直径方向の孔からなる空気通孔18を有している。弁ケーシング16、弁体17は制御弁15を構成するものである。
【0019】
一方、出力軸12は円板状のクラッチディスク22を有し、電動機11のハウジング13に固定されたヨーク23に包まれた電磁コイル24と、出力軸12に回転自由に嵌装したロータ25に固定されたクラッチフェイシング26とがクラッチディスク22を挟んで配置されていて、これらは連結・遮断機構21である電磁クラッチを構成している。
【0020】
更に、ロータ25に形成した原動歯車32と中間歯車33と弁軸7の軸端に固着した扇形の従動歯車34とからなる歯車伝動機構31によって出力軸12の回転が減速されて弁軸7に伝達されるようになっている。また、出力軸12の軸端にはうず巻きばねからなる制御弁戻しばね36が取付けられ、弁軸7の軸端にはねじりコイルばねからなる絞り弁戻しばね37が取付けられている。
【0021】
このような構成の本実施例は、エンジン運転状態に応じた駆動信号を図示しない電子式制御ユニットから電動機11、連結・遮断機構21に送って絞り弁6、制御弁15の開閉を行うものであり、エンジンが暖機後にアイドリングを行うときには電磁コイル24への給電は行われず、従って出力軸12とロータ25とは互いに回動自由となっている。この状態では、絞り弁6は戻しばね37のばね力で吸気通路3を閉止しており、出力軸12を約90度の範囲内で回動させることによって空気通孔18が全開と全開との間で空気通路5を流れる空気量を調整し、エンジンのアイドル回転速度制御を行う。
【0022】
制御弁15の空気通孔18は暖機後のアイドル時の最大空気流量を規制するものであって、エンジン運転状態に応じて通路有効面積を変える可変絞りとして働くとともに、小径のバイパス4に対して出力軸12を特別に大径としなくてもそのまま弁体17とすることができ、回動角度に応じた微量の空気量制御が可能である。
【0023】
更に、本実施例の空気通孔18は出力軸12に機械加工により容易に形成することができ、出力軸12自身を弁体17としたことと相俟って制御弁15の構成が簡単であるとともに安価に製造できる、という利点があるが、絞り弁6と同様の蝶形弁としてもよいことは勿論である。
【0024】
次に、低温域での始動および暖機運転を行うとき、エンジン温度に関係なく負荷運転を行うときには電磁コイル24へ給電し、クラッチフェイシング26をクラッチディスク22に吸着させて出力軸12の回転を連結・遮断機構21、歯車伝動機構31を経て弁軸7に伝達し絞り弁6による増量空気制御および出力制御を行う。
【0025】
このとき、制御弁15は出力軸12の回動に応じてバイパス4を開閉するが、バイパス4の空気流量は吸気管1を流れる空気量に比べて著しく少量であるので無視できることは前述の通りである。
【0026】
尚、本実施例では絞り弁6を電動機11のみで開閉駆動させるようになっているが、アクセルペダルによる人力操作手段を併用させて絞り弁6を電動機11により閉じ方向のみに制御するようにしたもの、或いはアクセルペダルに関係なく電動機11により開閉制御可能としたもの、に対しても本発明を適用することができる。また、人力操作手段を併用するとその動きを利用してクラッチの結合・切り離しを行うことができるので、連結・遮断機構21として機械式のクラッチやカップリングを用いることが可能となる。
【0027】
【発明の効果】
以上のように一台の電動機でバイパスの制御弁と吸気管の絞り弁とを駆動させ、且つエンジンの温度とアイドルおよびオフ・アイドルの別とに応じて絞り弁を選択的に開閉動作することにより低温域での始動および暖機運転、暖機後のアイドリング、これら以外の運転域のそれぞれに応じた要求空気を小形且つ軽量であるとともに複雑でない構造の装置を用いて適正に供給し、吸気管が大径であってもそれぞれの領域で安定した運転を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に好適な構成の一例を示す断面図。
【図2】図1のX−X線に沿う断面図。
【符号の説明】
1 吸気管、4 バイパス、6 絞り弁、7 弁軸、11 電動機、12 出力軸、15 制御弁、17 弁体、21 連結・遮断機構、
【産業上の利用分野】
本発明は低温時の始動および暖機運転と暖機後のアイドリングとにそれぞれ要求される空気を適正に供給することができる、殊に大排気量であって吸気管が大径であるエンジンに好適な吸気量制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車に対する走行性向上、排気規制、燃料消費量低減などの要求に対応するため、エンジンの吸気制御用絞り弁を足踏み式の人力操作に加え或いはこれに代えて電動機などのアクチュエータで駆動する技術が開発されている(特開昭60−240835号公報、特開昭62−282146号公報、特開平1−117944号公報参照)。
【0003】
一方、エンジンに空気を供給する吸気管は大排気量のエンジンにあってはかなり大径であるため一般に蝶形弁である絞り弁も大形であり、そのため低開度域において開き角度の僅かな変化に対して吸気量が大幅に変化するため、人力操作では吸気量を精密に制御することができない。
【0004】
そこで、例えば特開昭51−2834号公報に記載されているように、吸気管の絞り弁下流側にバイパスを接続し、低温時の始動およびそれに続く暖機運転に要求される空気はバイパスに設置した制御弁を電動機などのアクチュエータで開弁動作させることによって供給する技術が提案されており、低温域での始動およびアイドル制御を適切に行うことが可能である。
【0005】
ところが、前記特開昭51−2834号公報に記載されているものは、吸気管の絞り弁を足踏み式の人力操作で開閉させるようにしているので、吸気管が大径のものにあっては暖機後の低開度域での精密な吸気量制御を行うことができない。
【0006】
この絞り弁を前述のアクチュエータ駆動とすれば、大径の吸気管についても低開度での精密な吸気量制御を行うことが可能であるが、吸気管の絞り弁とバイパスの制御弁とを駆動するアクチュエータが各別に準備されるので、吸気量制御のための機構が大形化、大重量化するのを避けられず、しかも電子式制御ユニットから各アクチュエータへ所要の駆動信号を送る回路、配線が必要であるため複雑化を免れない、という新しい問題を生じる。
【0007】
また、低温域での始動およびそれに続く暖機運転は暖機後におけるアイドリングに比べてかなり大量の空気を必要とするので、低温対策用のバイパスも大径となって全体が更に大形化するのを避けられない。
【0008】
本発明は吸気管の絞り弁とバイパスの制御弁とを各別の電動機で駆動し、低温域における始動および暖機運転はバイパスを使用する、という構成としたことによる前記の諸問題を解決し、低温域での始動および暖機運転と暖機後のアイドリングとを小形且つ軽量であるとともに構造が複雑でない装置によって適正に行わせることができる吸気量制御手段を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、そのために本発明は制御弁によって開閉されるバイパスを吸気管の絞り弁下流側に接続し、制御弁の弁体をエンジンの運転状態に応じて動作する電動機の出力軸に設けるとともに、絞り弁の弁軸を連結・遮断機構により出力軸に断・続可能に接続した機構を使用するものとした。
【0010】
このような機構を採用することにより、制御弁と絞り弁とが一台の電動機で駆動され、小形化、軽量化、回路や配線の簡単化を計ることが可能となり、且つ始動、暖機運転およびアイドリングの温度に応じた要求空気量を連結・遮断機構の操作と電動機の回転制御とによって適切に供給することができる。
【0011】
そして、要求空気量の適正供給のため、低温域での始動および暖機運転においては出力軸と弁軸とを接続した状態で絞り弁による空気量調整を行い、暖機後のアイドリングにおいては、出力軸と弁軸とを遮断した状態で制御弁のみによる空気量調整を行い、これら以外の運転域においては出力軸と弁軸とを接続した状態で主に絞り弁による空気量調整を行うものとした。
【0012】
このような手段とすることにより、バイパスは暖機後のアイドリングに要求される空気量のみを確保すればよいため小径で足り、全体の更なる小形化が可能となる。
【0013】
また、冷機状態である低温域での始動および暖機運転は暖機後のアイドリングに比べかなり大量の空気を要求するが、大径の吸気管にあっても絞り弁を低開度域で精密に開度制御することができる電動機駆動としたことにより、温度に応じた空気量を適正に供給することが可能である。この場合、絞り弁の低開度域での制御であるため出力軸の回転角度は小さく、従って制御弁が開いてもその開度はきわめて小さいのでバイパスを流れる空気量は殆ど無視することができる。このため、低温域での始動および暖機運転に必要な空気は、実質的に絞り弁のみで制御されることとなる。
【0014】
次に、暖機後のアイドリングはそのために設けられたバイパスの制御弁を適度に開くことによって行わせるが、小径のバイパスに設置した制御弁は電動機によてききわめて精密に開度制御され、適正量の空気を供給してアイドリングを維持する。尚、このとき絞り弁は出力軸から遮断されているため戻しばねによって閉弁位置に置かれる。
【0015】
更に、前記以外の運転域、即ち低温域および暖機後の負荷運転に要求される大量の空気は絞り弁により調整されてエンジンに供給され、このとき制御弁も全開することがあるがバイパスの空気流量は少ないので、オフ・アイドル時の空気量は主に絞り弁で調整されることとなる。
【0016】
尚、制御弁や絞り弁を駆動する電動機は、エンジン冷却水温度のほかに、これらの弁の開度、エンジン回転速度、排気中の酸素濃度など、吸気量や燃料供給量を制御するため検知される従来と同様の要素を基に電子式制御ユニットから送られる駆動信号によって運転される。従って、同じ電子式制御ユニットから空気量制御の切替え指示を容易且つ適切に発することができるので、連結・遮断機構は電磁クラッチとするのが好適である。
【0017】
【実施例】
本発明を実施するのに好適な具体的構成の一例を図面を参照して説明すると、エンジンの吸気管1の一部を形成するスロットルボディ2に、その吸気通路3の絞り弁6よりも上流側と下流側とを連通するバイパス4が設けられている。絞り弁6は吸気通路3の中心を横切ってスロットルボディ2に回動可能に架設された弁軸7とこの弁軸7に固着された円板状の弁板8とからなる周知の蝶形弁であって、直流モータまたはステッピングモータからなる電動機11によって開閉駆動される。
【0018】
電動機11の出力軸12は通常よりも長く作られており、その先端部分はバイパス4に装入設置した弁ケーシング16を気密に貫通して回動可動に架設されている。このバイパス4を横切った出力軸部分は弁体17を形成しており、空気通路5の上流側と下流側とを連通する直径方向の孔からなる空気通孔18を有している。弁ケーシング16、弁体17は制御弁15を構成するものである。
【0019】
一方、出力軸12は円板状のクラッチディスク22を有し、電動機11のハウジング13に固定されたヨーク23に包まれた電磁コイル24と、出力軸12に回転自由に嵌装したロータ25に固定されたクラッチフェイシング26とがクラッチディスク22を挟んで配置されていて、これらは連結・遮断機構21である電磁クラッチを構成している。
【0020】
更に、ロータ25に形成した原動歯車32と中間歯車33と弁軸7の軸端に固着した扇形の従動歯車34とからなる歯車伝動機構31によって出力軸12の回転が減速されて弁軸7に伝達されるようになっている。また、出力軸12の軸端にはうず巻きばねからなる制御弁戻しばね36が取付けられ、弁軸7の軸端にはねじりコイルばねからなる絞り弁戻しばね37が取付けられている。
【0021】
このような構成の本実施例は、エンジン運転状態に応じた駆動信号を図示しない電子式制御ユニットから電動機11、連結・遮断機構21に送って絞り弁6、制御弁15の開閉を行うものであり、エンジンが暖機後にアイドリングを行うときには電磁コイル24への給電は行われず、従って出力軸12とロータ25とは互いに回動自由となっている。この状態では、絞り弁6は戻しばね37のばね力で吸気通路3を閉止しており、出力軸12を約90度の範囲内で回動させることによって空気通孔18が全開と全開との間で空気通路5を流れる空気量を調整し、エンジンのアイドル回転速度制御を行う。
【0022】
制御弁15の空気通孔18は暖機後のアイドル時の最大空気流量を規制するものであって、エンジン運転状態に応じて通路有効面積を変える可変絞りとして働くとともに、小径のバイパス4に対して出力軸12を特別に大径としなくてもそのまま弁体17とすることができ、回動角度に応じた微量の空気量制御が可能である。
【0023】
更に、本実施例の空気通孔18は出力軸12に機械加工により容易に形成することができ、出力軸12自身を弁体17としたことと相俟って制御弁15の構成が簡単であるとともに安価に製造できる、という利点があるが、絞り弁6と同様の蝶形弁としてもよいことは勿論である。
【0024】
次に、低温域での始動および暖機運転を行うとき、エンジン温度に関係なく負荷運転を行うときには電磁コイル24へ給電し、クラッチフェイシング26をクラッチディスク22に吸着させて出力軸12の回転を連結・遮断機構21、歯車伝動機構31を経て弁軸7に伝達し絞り弁6による増量空気制御および出力制御を行う。
【0025】
このとき、制御弁15は出力軸12の回動に応じてバイパス4を開閉するが、バイパス4の空気流量は吸気管1を流れる空気量に比べて著しく少量であるので無視できることは前述の通りである。
【0026】
尚、本実施例では絞り弁6を電動機11のみで開閉駆動させるようになっているが、アクセルペダルによる人力操作手段を併用させて絞り弁6を電動機11により閉じ方向のみに制御するようにしたもの、或いはアクセルペダルに関係なく電動機11により開閉制御可能としたもの、に対しても本発明を適用することができる。また、人力操作手段を併用するとその動きを利用してクラッチの結合・切り離しを行うことができるので、連結・遮断機構21として機械式のクラッチやカップリングを用いることが可能となる。
【0027】
【発明の効果】
以上のように一台の電動機でバイパスの制御弁と吸気管の絞り弁とを駆動させ、且つエンジンの温度とアイドルおよびオフ・アイドルの別とに応じて絞り弁を選択的に開閉動作することにより低温域での始動および暖機運転、暖機後のアイドリング、これら以外の運転域のそれぞれに応じた要求空気を小形且つ軽量であるとともに複雑でない構造の装置を用いて適正に供給し、吸気管が大径であってもそれぞれの領域で安定した運転を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に好適な構成の一例を示す断面図。
【図2】図1のX−X線に沿う断面図。
【符号の説明】
1 吸気管、4 バイパス、6 絞り弁、7 弁軸、11 電動機、12 出力軸、15 制御弁、17 弁体、21 連結・遮断機構、
Claims (2)
- 制御弁によって開閉されるバイパスを吸気管の絞り弁下流側に接続し、前記制御弁の弁体をエンジンの運転状態に応じて動作する電動機の出力軸に設けるとともに、前記絞り弁の弁軸を連結・遮断機構により前記出力軸に断・続可能に接続し、低温域での始動および暖機運転においては前記出力軸と弁軸とを接続した状態で前記絞り弁により空気量を調整し、暖機後のアイドリングにおいては前記出力軸と弁軸とを遮断した状態で前記制御弁のみにより空気量を調整し、前記以外の運転域においては前記出力軸と弁軸とを接続した状態で主に前記絞り弁により空気量を調整することを特徴とするエンジンの吸気量制御方法。
- 連結・遮断機構に電磁クラッチを用いる請求項1記載のエンジンの吸気量制御方法。
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JP10302595A JP3748914B2 (ja) | 1995-04-04 | 1995-04-04 | エンジンの吸気量制御方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10302595A JP3748914B2 (ja) | 1995-04-04 | 1995-04-04 | エンジンの吸気量制御方法 |
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JPH08277727A JPH08277727A (ja) | 1996-10-22 |
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ID=14343114
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP10302595A Expired - Fee Related JP3748914B2 (ja) | 1995-04-04 | 1995-04-04 | エンジンの吸気量制御方法 |
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-
1995
- 1995-04-04 JP JP10302595A patent/JP3748914B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08277727A (ja) | 1996-10-22 |
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