JP3747823B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置、特に搬送ベルトによって所定の搬送方向に搬送される複写紙、転写紙、コピー用紙および記録紙などのシート(以下、単に「シート」という)上にトナーを飛翔させ、該シート上にトナー像を直接形成した後、該トナー像を前記シートに定着させる画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トナーを用いた画像形成方法としては、従来よりジャンピング方式のものや、プロジェクション方式のものが最も広く用いられている。この種の画像形成方法は、感光体上に画像に対応する静電潜像を形成し、画像形成剤としてのトナーを現像ローラ等のトナー担持体から感光体上の静電潜像に付着させてトナー像を得た後、そのトナー像をシートに転写するものである。しかしながら、これらの画像形成方法では、感光体表面に静電潜像を形成する工程(感光プロセス)を必要としており、装置構成が複雑であり、かつ装置コストおよびランニングコストが高いという問題を含んでいる。そこで、近年、米国特許第3,689,935号、同第5,036,341号や特表2001−505146号公報に記載されたように、電界の作用によりトナーを所定の搬送方向に搬送されるシート上に飛翔させ、トナー像を直接シート上に形成する、いわゆる「トナージェット(登録商標)」方式の画像形成装置が注目されてきている。
【0003】
ここで、シートを所定の搬送方向に搬送させる方法として、例えばシートを搬送するために搬送ベルトを用いたシート搬送ユニットが従来より数多く用いられている。このシート搬送ユニットでは、複数のローラに搬送ベルトを掛け渡し、その搬送ベルトの表面上でシートを保持しながら、該搬送ベルトを所定の搬送方向に走行することによって、シート搬送を行っている。そして、そのシート搬送中にトナージェット方式によってトナー像が形成された後、該シートは搬送ベルトから剥離され、さらに定着ユニットに搬送されて該シートへのトナー像の定着が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したように、トナージェット方式の画像形成装置では、シートを搬送するシート搬送ユニットと、定着ユニットとはそれぞれ別個のユニットで構成されており、このことが装置の大型化および装置コストの増大の主要因の一つとなっていた。
【0005】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、搬送ベルトを用いてシートを搬送しながら、該シートにトナーを飛翔付着させてトナー像を形成した後、該トナー像を該シートに定着させる構造を有する画像形成装置において、装置の小型化および低コスト化を図ることを目的とする。
【0006】
この発明は上記目的を達成するために、第1および第2ローラに搬送ベルトを掛け渡し、搬送ベルトを所定の搬送方向に走行することによって、搬送ベルトの表面上でシートを保持しながら、第1ローラから第2ローラに搬送するシート搬送手段と、搬送ベルトの上方位置において搬送方向に沿って一列に並べて配置され、シート搬送手段によって搬送されている搬送中シートにトナーを上方側から飛翔させて該搬送中シート上に互いに異なる色のトナー像を形成する複数の現像器と、搬送中シートを挟んで複数の現像器のそれぞれの反対側に配置された背面電極と、第2ローラに対向して配置された第3ローラとを備え、複数の現像器のそれぞれは、帯電したトナーを担持するトナー担持体と、トナー担持体と搬送中シートとの間に配置された基体と、トナー担持体から背面電極に向けて基体に貫通形成されたトナー通過孔を取り囲むように基体に設けられた制御電極と、基体表面に設けられた半導電性層とを有し、半導電性層によって基体の帯電を防止しつつ、トナー担持体から背面電極へのトナー飛翔を制御することによって搬送中シートにトナー像を形成するトナー飛翔制御手段とを備え、第2ローラを加熱ローラで構成するとともに、第3ローラを加圧ローラとして加熱ローラに向けて押圧させて現像器によりシート上に形成されたトナー像を該シートに定着させるとともに、加熱ローラは、シートへのトナー像の定着と同時に、搬送ベルトを加熱し、搬送ベルトから放熱される熱により半導電性層を暖めている。
【0007】
このように構成された発明では、加熱ローラにより暖められた搬送ベルトから放熱される熱により、半導電性層を暖めることができる。したがって、半導電性層の抵抗値を最適化するために、該半導電性層のそれぞれに対してヒータを設ける必要が無い。よって、装置構成が簡素化されて装置の小型化および装置コストの低減が可能となる。さらに、加圧ローラを加熱ローラに向けて押圧させることで、加熱ローラがシート搬送手段の一構成要素として機能すると同時に、加圧ローラと共同して定着手段としても機能している。すなわち、トナー像を形成するためにシートが所定方向に搬送されるとともに、その搬送先(加熱ローラと加圧ローラとの間)で該シートへのトナー像の定着が同時に行われる。その結果、シート搬送ユニットと定着ユニットとを別個に設けた場合に比べて装置構成が簡素化されて装置の小型化および装置コストの低減が可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置を構成する現像器の拡大図である。さらに、図3は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この画像形成装置では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号が制御ユニット100のメインコントローラ101に与えられると、このメインコントローラ101からの信号に応じてエンジンコントローラ102が4つの現像器1Y,1M,1C,1Kの各部を制御することで、シート搬送ユニット2によって所定の搬送方向Yに搬送されてくるシートSにトナーを飛翔し、付着させて画像信号に対応するトナー像を形成する。
【0009】
このシート搬送ユニット2では、第1ローラ21と第2ローラ22とに搬送ベルト23が掛け渡されており、図示を省着する駆動モータから与えられる駆動力によって搬送ベルト23が搬送方向Yに走行する。そして、搬送ベルト23はカセット7から取り出された複写紙、転写紙、記録紙およびOHP用透明シートなどのシートSを保持しながら、第1ローラ21から第2ローラ22にシートSを搬送する。なお、この明細書では、本発明の技術事項を明確にするため、搬送ベルト23によって第1ローラ21から第2ローラ22に搬送されていくシートを「搬送中シート」と称し、また後述するようにしてトナー像が形成されたシートを「トナー像形成済シート」と称し、さらにトナー像を形成する前のシートを「トナー像未形成シート」と称する。
【0010】
また、この画像形成装置では、カラー画像を形成すべく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4種類の現像器1Y,1M,1C,1Kが搬送ベルト23の搬送方向Yに沿って一列に配列されており、各現像器1Y,1M,1C,1Kが搬送中シートSに対してトナー像を形成し、最終的に4色のトナー像を重ね合わせてフルカラー画像を形成する。なお、これらの現像器1Y,1M,1C,1Kは、搬送中シートSに飛翔付着させるトナー色が互いに異なる点を除き、基本的には同一構成を有しているため、以下においては現像器1(1Y,1M,1C,1K)の共通構成および動作について、図2ないし図5を参照しつつ説明する。
【0011】
各現像器1では、ハウジング11内に、現像剤としてのトナーTが貯留されるとともに、現像ローラ12、供給ローラ13および規制ブレード14が収容されている。現像ローラ12は、帯電したトナー(すなわち、画像形成用の帯電粒子)Tを担持し、同図の矢印方向Dに所定の周速度で回転することによって後述する背面電極3に対向する位置(トナー飛翔開始位置)Jに搬送するトナー担持体である。この現像ローラ12は、アルミニウム、鉄等の金属又は合金によって円筒状に形成されており、エンジンコントローラ102に設けられた現像ローラバイアス発生部103から直流電圧が印加されている。
【0012】
供給ローラ13は現像ローラ12の外周面に当接されて、該現像ローラ12とは逆方向に回転し、トナーTを現像ローラ12に供給するとともに、余分なトナーTを該現像ローラ12から落とすものである。この供給ローラ13は、例えば金属芯にウレタンスポンジ等の合成ゴムを巻き付けてなり、現像ローラ12と摩擦接触することによってトナーTを所定極性に帯電させる働きも有する。なお、本実施形態ではトナーTは負に帯電するものとして、以下説明する。
【0013】
規制ブレード14は、現像ローラ12の回転方向Dにおいて上記供給ローラ13よりも下流側で現像ローラ12の外周面に当てられ、現像ローラ12との摩擦によってトナーTを負に帯電させるとともに、現像ローラ12に担持されるトナーTの量を規制するものであり、例えばトナーは1〜3層程度に担持されるように規制される。この規制ブレード14は、その一端をハウジング11に固定した板状金属片141の他端部に弾性部材142を取り付けたものによって構成され、弾性部材142が現像ローラ12の外周面に当接し、トナーTを規制している。
【0014】
この現像ローラ12に対向して背面電極3が配置されている。より詳しくは、背面電極3は、図2に示すように、搬送ベルト23によって搬送方向Yに搬送されている搬送中シートSを挟んで現像ローラ12の反対側に配置されている。そして、エンジンコントローラ102に設けられた背面バイアス発生部104から、現像ローラ12に印加される電圧よりも高い直流電圧が印加されており、現像ローラ12と背面電極3との間に帯電トナーTを背面電極3に向かって移送させるための移送静電界が形成されている。このため、この移送静電界によってトナー飛翔開始位置Jで帯電トナーTが現像ローラ12から背面電極3に向けて飛翔し、搬送中シートSの表面に着弾付着する。
【0015】
また、この実施形態では、搬送中シートSへの帯電トナーTの飛翔を制御するために、現像ローラ12と搬送中シートSとの間にフレキシブルプリント回路基板(以下、FPCという)4が配置されている。以下、図4および図5を参照しつつFPC4の構成および作用について説明する。
【0016】
図4はフレキシブルプリント回路基板の部分拡大断面および帯電トナーの飛翔モデルを示す図である。また、図5はフレキシブルプリント回路基板に形成された制御電極および偏向電極を示す図である。このFPC4では、現像ローラ12から背面電極3に帯電トナーTを案内するためのトナー通過孔41がポリイミド等の電気絶縁性材料よりなる基体42に穿設されている。なお、図4においては、トナー通過孔41が1つだけ示されているが、この実施形態では、複数のトナー通過孔41が図4紙面の垂直方向Xに等間隔で一列に設けられており、各トナー通過孔41を介して帯電トナーTが背面電極3側に向けて通過可能となっている。なお、この実施形態ではトナー通過孔41を1列に並べているが、複数列に並べて設けてもよい。また、トナー通過孔41の形状については、この実施形態の如く円形に形成してもよいし、また楕円形あるいは多角形であってもよい。
【0017】
また、基体42の現像ローラ12側において、各トナー通過孔41を取り囲むように、リング状に制御電極43が形成されている。また、各制御電極43からリード線44がトナー通過孔41の配列方向と直交する方向に延びている。なお、制御電極43の形状は円形に限定されるものではなく任意であり、例えば楕円形あるいは多角形であってもよく、また、完全なリングではなく一部が欠けたものであってもよい。
【0018】
また、基体42の背面電極3側において、各トナー通過孔41ごとに、一対の偏向電極45L,45Rが図5に示すように搬送中シートSの搬送方向(トナー通過孔列と直交する方向)Yに対して斜めに対向するように設けられるとともに、偏向電極45L,45Rからリード線46L,46Rがそれぞれ延設されている。
【0019】
この基体42には、図4および図5への図示は省略されているものの、高圧ドライバICなどからなる制御バイアス発生部47(図3)、L偏向バイアス発生部48L(図3)およびR偏向バイアス発生部48R(図3)が設けられている。このうち、制御バイアス発生部47は各制御電極43に電気的に接続されており、エンジンコントローラ102のCPU105からの開閉制御信号に応じて適切な電圧が選択的に印加されることによって、上記トナー通過孔41を静電気的に開閉する。つまり、各制御電極43ごとに、帯電トナーTが現像ローラ12から飛び出し、トナー通過孔41を通過して背面電極3に向かって飛翔するように、現像ローラ12と背面電極3との間にトナー通過孔41を通る移送静電界を露出させ、また該露出を制限するものである。
【0020】
また、L偏向バイアス発生部48Lは偏向電極45Lと電気的に接続されるとともに、R偏向バイアス発生部48Rは偏向電極45Rと電気的に接続されており、エンジンコントローラ102からの偏向制御信号に応じて偏向電極45L,45Rのそれぞれに適切な電圧が選択的に印加されることによって、帯電トナーTの飛翔方向を以下の3方向に切り替えている。
【0021】
(1)偏向なし:図4の矢符P1
偏向電極45L,45Rの両者に同一電圧を印加した場合には、帯電トナーTは図4の矢符P1で示すようにトナー通過孔41をまっすぐ通過して搬送中シートSの上の当該トナー通過孔41に対応する位置に飛翔する。
【0022】
(2)左偏向:図4の矢符P2
両偏向電極45L,45Rのうち搬送中シートSの搬送方向Yを基準としてトナー通過孔41の左側に配置された偏向電極45Lに右側に配置された偏向電極45Rよりも相対的に高い電圧を印加した場合には、負極性に帯電している帯電トナーTは、図4の矢符P2に示すように、両電極45L,45Rの間に生ずる偏向用静電界によって左側に偏向する。
【0023】
(3)右偏向:図4の矢符P3
両偏向電極45L,45Rのうち搬送中シートSの搬送方向Yを基準としてトナー通過孔41の右側に配置された偏向電極45Rに左側に配置された偏向電極45Lよりも相対的に高い電圧を印加した場合には、負極性に帯電している帯電トナーTは、図4の矢符P3に示すように、両電極45L,45Rの間に生ずる偏向用静電界によって右側に偏向する。
【0024】
このように、この実施形態では、帯電トナーTの飛翔方向を3方向に切替えながら、その偏向範囲内を含む搬送中シートSの着弾位置PIで帯電トナーTを搬送中シートSに着弾させている。
【0025】
ただし、上述の如く偏向電極45L,45Rは搬送中シートSの搬送方向Yに対して斜め方向に対向配置されているから、上記(1)偏向なし、(2)左偏向及び(3)右偏向という3つの態様によって、搬送中シートSが停止しているときは該搬送中シートSの搬送方向Yに対して斜めに直線的に並ぶ3つのドットが搬送中シートS上に形成される。この場合、搬送中シートSがドットを打つ周期(時間)で相隣るドットのずれ量(距離)だけ搬送されるようにその搬送速度を定めることにより、当該3つのドットを搬送中シートSの搬送方向Yと直交する方向に直線的に並べることができる。従って、1つのトナー通過孔41で3つのドットを形成することができ、ドットの高密度化を図ることができる。
【0026】
FPC4の基体42では、現像ローラ12側の表面421上と、背面電極3側の表面422上とに、帯電防止用の半導電性層49が形成されるとともに、接地電位が与えられている。これらの半導電性層49は予め設定されている温度(初期設定温度)で最適抵抗値を示し、上記のようにして飛翔する帯電トナーTがFPC4と接触することで発生する摩擦電荷をFPC4から逃がしてFPC4の帯電を効果的に防止するとともに、移送静電界および偏向用電界への影響を抑えることができるように構成されている。すなわち、半導電性層49の温度が初期設定温度あるいは許容温度範囲内に保持される間、良好な印字品質を確保可能となっている。
【0027】
また、現像ローラ12の回転方向Dにおけるトナー飛翔開始位置Jよりも上流側において、上記のように構成されたFPC4と現像ローラ12との間に現像ローラ12の長手方向(図4紙面の垂直方向)Xの全長にわたって広がったスペーサ5がFPC4のトナー通過孔41よりも回転方向Dの手前側に差し込まれており、これにより、現像ローラ12とFPC4のトナー通過孔41との間隔が一定値に規制されている。
【0028】
次に、図1に戻って、画像形成装置について全体構成および動作について説明を続ける。この画像形成装置では、上記のように構成された4つの現像器1Y,1M,1C,1Kによって搬送中シートS上に4色のトナー像が重ね合わされてカラートナー像がシートSに形成される。そして、このトナー像形成済シートSはさらに第2ローラ22に搬送されるが、その第2ローラ22に対向して第3ローラ24が配置されており、トナー像形成済シートSを挟み込みながら、これを搬送ベルト23から剥離するとともに、図示を省略する排出トレイに向けて搬送する。
【0029】
ここで、この実施形態では、第2ローラ22を加熱ローラで構成する一方、第3ローラ24を加圧ローラとして第2ローラ(加熱ローラ)22に押圧している。また、この第2ローラ22はエンジンコントローラ102内に設けられたヒータ駆動部106と電気的に接続されており、このヒータ駆動部106がエンジンコントローラ102のCPU105からの加熱制御信号に応じて第2ローラ22に内蔵されたヒータのON/OFF制御を行い、トナー像形成済シートS上のトナー像を該シートSに定着させている。このように、この実施形態では、第2ローラ22と第3ローラ24とが従来の定着ユニットと同一機能を果たしている。
【0030】
以上のように、この実施形態によれば、第2ローラ22は、シートSを搬送するシート搬送ユニット2の一構成要素であると同時に、加熱ローラで構成されており、加圧ローラたる第3ローラ24と協同して定着ユニットの加熱ローラとしても機能している。すなわち、トナー像を形成するためにシートSを所定の搬送方向Yに搬送するとともに、その搬送先(第2ローラ22と第3ローラ24との間)でトナー像形成済シートSへのトナー像の定着を同時に行うように構成しているため、シート搬送ユニットと定着ユニットとを別個に設けた場合に比べて装置構成を簡素化することができ、装置の小型化および装置コストの低減を効果的に図ることができる。
【0031】
また、この実施形態では、第2ローラ(加熱ローラ)22によって搬送ベルト23を加熱しているために、次の2つの作用効果がさらに得られる。
【0032】
(1)上記実施形態のようにFPC4上に半導電性層49を形成した場合には、半導電性層49の抵抗値を最適化する必要がある。というのも、FPC4の帯電を防止するためには、チャージアップした摩擦電荷をFPC4から効率よく逃がす必要があり、半導電性層49の抵抗値を低く設定するのが望ましいが、その一方で抵抗値が低すぎると、次のような問題が発生して印字品質の低下を招いてしまう。
【0033】
すなわち、半導電性層49の低抵抗化によって制御電極43や偏向電極45L,45Rへの電圧印加によって発生する電界が半導電性層49で遮蔽されてしまい、トナーの飛翔性やトナーの偏向量が低下してしまう。その結果、搬送中シートS上に形成されるドットの形状、寸法、黒度および解像度などに影響を及ぼして印字品質の低下を招いてしまうことがある。したがって、FPC4上に半導電性層49を設ける場合には、帯電を防止するという効果と、電界への影響を抑えるという効果とをバランスをとるように、半導電性層49の抵抗値の最適化が図られており、良好な印字を実行するためには、常に抵抗値を所定の適正範囲に維持する必要がある。
【0034】
しかしながら、従来より知られているように半導電性物質は比較的大きな温度依存性を有しているため、半導電性層49の温度が変動すると、その温度変動に伴って抵抗値が適正範囲から大きくずれて印字品質の低下を招くことがあった。
【0035】
これに対し、本実施形態では、第2ローラ(加熱ローラ)22に内蔵されているヒータを適宜ON/OFF制御するように構成しているので、シートSへのトナー像の定着と同時に、搬送ベルト23を加熱し、その搬送ベルト23から放熱される熱により半導電性層49の温度を予めメモリ107に記憶されている温度に保持して温度変動を抑制する、つまり温度の安定化を図ることができる。そのため、半導電性層49の抵抗値の変動を抑えることができ、例えば画像形成装置の内部温度や周辺温度などの変動にかかわらず、高品質な印字を実行することができる。
【0036】
(2)トナージェット方式の画像形成装置では、上記のように移送静電界によって帯電トナーTを搬送中シートSに飛翔させているので、帯電トナーTはシートSに高速で衝突することとなり、帯電トナーTがシートS上でバウンドしたり、既にシートS上に付着しているトナーTを飛散させることがある。その結果、トナー散りが発生したり、飛散したトナーがFPC4に付着して印字品質を低下させるという問題が発生することがあった。
【0037】
これに対し、上記実施形態では、定着ユニットとして機能する第2ローラ(加熱ローラ)22と第3ローラ(加圧ローラ)23によってトナー像形成済シートSに対してトナー像を定着させると同時に、第2ローラ(加熱ローラ)22によって搬送ベルト23が加熱され、さらに搬送ベルト23により搬送されるトナー像未形成シートSが高温状態の搬送ベルト23によって予熱されることとなる。その結果、予熱された搬送中シートSへのトナー着弾とほぼ同時に着弾トナーTの一部あるいは全部が溶けて着弾トナーTを搬送中シートSの着弾位置PIに確実に付着させることができる。その結果、トナー散りの発生やシートSからのトナー飛散などを抑制することができ、優れた品質で印字を行うことが可能となる。
【0038】
ここで、搬送中シートSへのトナー着弾とほぼ同時にトナーTの一部あるいは全部を確実に溶かすためには、搬送ベルト23からの熱をシートSに与えることによって、現像ローラ12の表面温度、つまり飛翔してくるトナーTの温度よりも高い温度にシートSを予熱するのが望ましい。また、着弾トナーTをより確実に溶かすためには、搬送中シートSの着弾位置PIをトナーTのガラス転移温度以上に予熱するのがより好ましい。
【0039】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、第2ローラ22を加熱ローラとし、第3ローラ24を加圧ローラとしているが、これらの関係を入れ替えてもよい。つまり、第2ローラ22および第3ローラ23のうち一方を加熱ローラで構成するとともに、他方を加圧ローラで構成すればよい。
【0040】
また、上記実施形態では、半導電性層49を設けてFPC4の帯電防止を図っている画像形成装置に対して本発明を適用しているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、帯電防止用半導電性層を設けていない画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
【0041】
また、上記実施形態では、偏向電極45L,45Rによって帯電トナーTの飛翔方向を3方向P1,P2,P3に切替可能な画像形成装置に対して本発明を適用しているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、帯電トナーTの飛翔方向が固定された画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
【0042】
また、上記実施形態では、現像ローラ12に対して現像ローラバイアス発生部103から所定の直流電圧を印加しているが、接地したり、交流電圧を印加するように構成してもよい。
【0043】
さらに、上記実施形態では、4つの現像器1Y,1M,1C,1Kでカラー画像を形成するカラー画像形成装置に対して本発明を適用しているが、1つの現像器1で画像を形成する、いわゆる単色印字を実行する画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。すなわち、本発明は、搬送ベルトを用いてシートを搬送しながら、該シートにトナーを飛翔付着させてトナー像を形成した後、該トナー像を該シートに定着させる構造を有する画像形成装置全般に対して適用可能となっている。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、加熱ローラにより暖められた搬送ベルトから放熱される熱により、半導電性層を暖めることができる。したがって、半導電性層の抵抗値を最適化するために、該半導電性層のそれぞれに対してヒータを設ける必要が無い。よって、装置構成が簡素化されて装置の小型化および装置コストの低減が可能となる。さらに、加圧ローラを加熱ローラに向けて押圧させることで、加熱ローラがシート搬送手段の一構成要素として機能すると同時に、加圧ローラと共同して定着手段としても機能している。その結果、シート搬送ユニットと定着ユニットとを別個に設けた場合に比べて装置構成が簡素化されて装置の小型化および装置コストの低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図である。
【図2】図1の画像形成装置を構成する現像器の拡大図である。
【図3】図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】図1の画像形成装置において用いられているフレキシブルプリント回路基板の部分拡大断面および帯電トナーの飛翔モデルを示す図である。
【図5】フレキシブルプリント回路基板に形成された制御電極および偏向電極を示す図である。
【符号の説明】
1,1Y,1M,1C,1K…現像器
2…シート搬送ユニット
3…背面電極
4…FPC(トナー飛翔制御手段)
12…現像ローラ(トナー担持体)
21…第1ローラ
22…第2ローラ(加熱ローラ、加圧ローラ)
23…搬送ベルト
24…第3ローラ(加圧ローラ、加熱ローラ)
41…トナー通過孔
42…基体
43…制御電極
47…制御バイアス発生部
106…ヒータ駆動部
PI…着弾位置
S…シート
T…帯電トナー
Y…搬送方向
Claims (1)
- 第1および第2ローラに搬送ベルトを掛け渡し、前記搬送ベルトを所定の搬送方向に走行することによって、前記搬送ベルトの表面上でシートを保持しながら、前記第1ローラから前記第2ローラに搬送するシート搬送手段と、
前記搬送ベルトの上方位置において前記搬送方向に沿って一列に並べて配置され、それぞれが前記シート搬送手段によって搬送されている搬送中シートにトナーを上方側から飛翔させて該搬送中シート上に互いに異なる色のトナー像を形成する複数の現像器と、
前記搬送中シートを挟んで前記複数の現像器のそれぞれの反対側に配置された背面電極と、
前記第2ローラに対向して配置された第3ローラとを備え、
前記複数の現像器のそれぞれは、帯電したトナーを担持するトナー担持体と、前記トナー担持体と前記搬送中シートとの間に配置された基体と、前記トナー担持体から前記背面電極に向けて前記基体に貫通形成されたトナー通過孔を取り囲むように前記基体に設けられた制御電極と、前記基体表面に設けられた半導電性層とを有し、前記半導電性層によって前記基体の帯電を防止しつつ、前記トナー担持体から前記背面電極へのトナー飛翔を制御することによって前記搬送中シートにトナー像を形成するトナー飛翔制御手段とを備え、
前記第2ローラを加熱ローラで構成するとともに、前記第3ローラを加圧ローラとして前記加熱ローラに向けて押圧させて前記現像器によりシート上に形成されたトナー像を該シートに定着させるとともに、前記加熱ローラは、シートへのトナー像の定着と同時に、前記搬送ベルトを加熱し、前記搬送ベルトから放熱される熱により前記半導電性層を暖めることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
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