JP3745519B2 - セラミック製放電ランプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透光性セラミックスよりなるバルブを有するセラミック製放電ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、例えば液晶表示装置のバックライト用光源や紫外線処理装置の光源として、高圧または低圧水銀放電ランプやメタルハライドランプなどの放電ランプが使用されている。このような放電ランプでは、バルブの発光管部内に一対の電極が互いに対向するよう配置されると共に、水銀と希ガス、並びに必要に応じて各種の金属のハロゲン化物よりなる発光物質が封入されている。
放電ランプのバルブは、通常、石英ガラスにより形成され、球形または楕円球形の発光管部と、その両端に一体に連設された封止管部とを具えてなり、先端に電極を有する電極構造体がこの封止管部において封着されて気密封止構造が形成され、発光管部内に気密に伸びる電流供給部が構成されている。
【0003】
一方、透光性材料としては、例えばアルミナ、イットリア、イットリウム−アルミニウム−ガーネット(いわゆる「YAG」)、ジルコニアなどの透光性セラミックスが知られており、これらは石英ガラスよりも強度が大きくて耐熱温度も高い利点を有している。このため、最近においては、バルブを透光性セラミックス、特に透光性アルミナで形成したセラミック製放電ランプが注目されている。このようなセラミック製放電ランプのバルブも、球形や楕円球形あるいは円筒状の形状を有する発光管部を具えたものである。
【0004】
このようなセラミック製放電ランプにおいては、バルブの材質が透光性セラミックスであるために、封止管部に気密封止構造を形成する工程において、当該封止管部を溶融変形加工することができず、このため、封止管部とこれに挿通された電極構造体との間の間隙に封止用フリットガラスを充填することにより、気密封止構造が形成されている。
しかしながら、フリットガラスはその耐熱温度が約840℃と十分に高いものではないため、当該放電ランプの点灯時に過熱状態となることを避けなければならない。このような要請から、セラミック製放電ランプの封止管部においては、点灯時にきわめて高い温度となる発光管部の中央部と、気密封止領域との間を離隔させるために、発光管部に続いて適宜の長さの温度緩衝領域を設ける構成とされている。
【0005】
然るに、このような温度緩衝領域は、十分な温度緩衝機能を得るためには相当の長さとされることが必要であり、その結果、封止管部と電極構造体の間には狭くて長い間隙が形成されることとなる。然るに、そのような構成では、当該間隙において当該放電ランプの封入物の凝縮が生ずることがある。これは、放電ランプの封入物の蒸気圧は、一般に封入物のガスが接触する部分のうちで温度が最低となる最冷点の温度によって決定されるところ、セラミック製放電ランプでは、長い温度緩衝領域が設けられる結果、最冷点が上記の間隙の個所に生ずるからである。
【0006】
特にメタルハライドランプにおいては、演色性を向上させるために希土類系金属のハロゲン化物が封入されることがあるが、希土類系金属のハロゲン化物は他の金属ハロゲン化物に比して蒸気圧が低く、そのために封止管部内で凝縮が生ずると発光管部内において発光に必要な高さにまで有効蒸気圧が到達せず、その結果、ランプの発光効率が低くて十分な演色性を得ることができない、という問題がある。
【0007】
以上のような問題点を考慮して、従来、電極構造体の温度緩衝領域に位置する部分に金属コイルを巻き付けることにより、封止管部と電極構造体との間の間隙を小さくし、これにより封入物の凝縮を防止するようにしたセラミック製放電ランプが提案されている。
しかしながら、金属コイルは熱伝導率が高いために、コイルの大きさによっては電極部で発生した熱を封止管部に伝えてしまうために当該熱が封止管部の表面から大気中に放散される現象が生じ、その結果、当該間隙の温度を高温に維持することができず、結局、ランプの発光効率を改善することを十分確実に達成することができない場合があることが判明した。すなわち、セラミック製放電ランプにおいては、封止管部の温度緩衝領域における熱伝導の程度とランプの発光効率との間に重大な関連があることが判明した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、発光管部と封止管部とを有する透光性セラミックスよりなるバルブを具え、その封止管部において、発光管部に続く温度緩衝領域の外端側に封止用フリットガラスによる気密封止構造が形成されたセラミック製放電ランプにおいて、当該温度緩衝領域における封止管部と電極構造体との間の間隙の温度を高く維持することができて封入物の凝縮の発生を有効に抑制することができ、その結果、高い発光効率が得られるセラミック製放電ランプを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のセラミック製放電ランプは、透光性セラミックスよりなり、発光管部とこの発光管部に一体に連設された直管状の封止管部とを有するバルブを具え、発光管部内に一対の電極が互いに対向するよう配置され、封止管部内に前記電極を先端に有する電極構造体が挿通された状態で当該封止管部の外端側部分と電極構造体との間に封止用フリットガラスが充填されて気密封止構造が形成されたセラミック製放電ランプにおいて、
前記封止管部における、当該封止管部と発光管部との境界から気密封止構造が形成された気密封止領域の内方境界までの温度緩衝領域に属する封止管部の外径が1.6〜3.2mmであり、当該温度緩衝領域の全容積に対して金属部分が占める体積の割合が1.2〜2.6%であることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のセラミック製放電ランプについて詳細に説明する。
図1は、交流で点灯されるメタルハライドランプとして構成されたセラミック製放電ランプの一例の構成を示す説明用断面図、図2は、その温度緩衝領域を含む部分の構成を示す拡大断面図である。
このセラミック製放電ランプにおいて、バルブ10は、放電空間Sを囲繞する大略球状の発光管部11と、この発光管部11の両端から外方に伸びるよう連設された直管状の封止管部12とを有してなり、透光性セラミックスにより形成されている。
【0011】
ここに、バルブ10を構成するセラミックスとしては、透光性アルミナ多結晶体、透光性イットリウム−アルミニウム−ガーネット多結晶体、透光性イットリア多結晶体を用いることができるが、これらのうち、アルミナ多結晶体が特に好ましい。
また、バルブ10は、通常、発光管部11の最大外径が4.0〜15mm、容積は25〜1500mm3 、封止管部12の外径は1.6〜3.2mm、内径は0.5〜1.0mm、長さは4.0〜12mmとされる。
【0012】
バルブ10には、一対の電極21が発光管部11内において互いに対向するよう配置されている。図示の例の電極21は電極棒22の先端部に金属コイルが巻き付けられて形成されており、電極棒22の基端には、これと同方向に伸びる棒状の中間リード23を介して、同方向に伸びる外部リード線24が例えば溶接により一体に連結されて電気的に接続された状態とされている。
ここに、電極棒22および金属コイルの材質としては例えばタングステンなどが、中間リード23の材質としては例えばニオブなどが、また外部リード線24の材質としては例えば白金などが用いられる。
【0013】
そして、これらの電極棒22、中間リード23および外部リード線24と、後述するスリーブ26とにより構成される電極構造体がバルブ10の封止管部12に挿通されている。具体的には、電極21が発光管部11内に位置すると共に外部リード線24の先端が外部に位置され、また電極棒22の基端側部分および中間リード23が封止管部12内に位置された状態とされている。
【0014】
また、図2に示すように、封止管部12の発光管部11に接近する内方部分には、セラミックスよりなるスリーブ26が、電極棒22が挿通された状態で配置されている。このスリーブ26を構成する材料としては、アルミナ多結晶体、シリカガラスなどを用いることができるが、バルブ10の材料と同一であることが好ましい。またスリーブ26の長さは、封止管部12の長さにもよるが、例えば4〜6mmである。このスリーブ26の長さは、必ずしも温度緩衝領域Rの長さを規定するものではない。
【0015】
スリーブ26は、その外径が封止管部12の内径と適合すると共にその内径が電極棒22の外径と適合する形状を有することが望ましい。特にスリーブ26の外径と封止管部12の内径との差は小さいことが好ましく、具体的には0.12mm以下であることが望ましい。これにより、両者間の間隙が狭隘となってこれに進入して凝縮する封入物の量を少なく抑えることが可能となり、その結果、発光管部11内において、発光物質の蒸気圧を、常に所期の演色性が実現される上で必要な高さに維持することができる。
【0016】
更に、封止管部12におけるスリーブ26よりも外方に位置する外端側部分には気密封止構造が形成されている。具体的には、封止用フリットガラス30が封止管部12の外端側部分内に注入されて、スリーブ26の外端(図2で右端)から突出する電極棒22の基端部および中間リード23と封止管部12の内壁面との間の間隙に充填されると共に、封止管部12の外端部上にフリットガラスのビード部31が外方に突出するよう形成され、このビード部31内に、中間リード23と外部リード線24との接続部を含む部分が埋没された状態で固定され、外部リード線24の先端部はこのフリットガラスのビード部31から外部に突出した状態とされている。
ここに、封止用フリットガラス30としては、例えばアルミナ−シリカ−希土類酸化物系のものまたはアルミナ−カルシア系のものを好ましく用いることができる。
【0017】
このセラミック製放電ランプにおいては、封止管部12の温度緩衝領域Rにおける全容積、すなわち、封止管部12の当該温度緩衝領域Rに属する部分の外表面で囲まれた円柱状部分の容積Vに対する、当該温度緩衝領域Rにおける金属部分が占める体積Mの割合(以下「温度緩衝領域の金属比率」ともいう。)M/Vが2.6%以下とされている。
ここに、温度緩衝領域Rは、封止管部12と発光管部11との境界Aから、気密封止構造が形成された気密封止領域の内方境界Bまでの領域をいう。また、温度緩衝領域Rにおける全容積Vには、スリーブ26と電極棒22および封止管部12との間の間隙の容積が含まれる。
なお、上述の例では、温度緩衝領域Rにおける金属部分は電極棒22による部分のみである。また、バルブ内の封入物における金属成分は、ランプの動作中に蒸発するので、温度緩衝領域Rにおける金属部分として考慮されない。
【0018】
一方、温度緩衝領域Rの金属比率M/Vの下限は、実用上必要とされる機械的強度を確保する観点から、1.2%とされる。すなわち、温度緩衝領域の金属比率が1.2%未満の場合には、電極構造体を構成する電極棒22の外径が小さくなるために十分な電極支持力が得られず、電極構造体の構成部分の変形が生ずるため、電極位置および電極間距離の精度が低くなり、良好な性能のセラミック製放電ランプを得ることができない。
【0019】
本発明において、温度緩衝領域Rの長さは4.0〜12mmであることが好ましい。温度緩衝領域Rの長さが過大の場合には、ランプの全長が徒に大きくなるため、小型で高い発光効率が得られるセラミック製放電ランプの利点が減殺されるようになり、一方、温度緩衝領域Rの長さが過小の場合には、点灯時に所要の温度緩衝作用が確実に発揮されない結果、気密封止領域のフリットガラス30が過熱された状態となって気密封止構造が損なわれるおそれがある。
【0020】
図2の例では、スリーブ26の内端位置が、封止管部12と発光管部11との境界Aの位置と一致した状態となっているが、当該スリーブ26の内端位置は当該境界Aよりも外端部側(図で右方)であってもよい。しかし、スリーブ26の内端位置が境界Aよりも内方(図で左方)の場合には、ランプの点灯時に当該スリーブ26の内端部分が過熱状態となるために、当該温度緩衝領域Rの機能が十分に発揮されないおそれがある。
【0021】
バルブ10の発光管部11内には、通常の放電ランプの場合と同様に、例えば水銀とバッファーガスとしての希ガス、並びに必要に応じて例えば特定の金属ハロゲン化物が発光物質として封入されるが、これらは、従来公知のものを適宜の量で使用される。
【0022】
本発明のセラミック製放電ランプが点灯されると、電極21において発生する熱は、電極構造体を構成する電極棒22、中間リード23およびバルブ10の封止管部12の壁を介して気密封止領域に伝達されるが、封止管部12には、発光管部11に続いて温度緩衝領域Rが設けられており、この温度緩衝領域Rで十分な温度低下が達成されるために、気密封止領域で気密封止構造を構成するフリットガラス30が過熱状態となることが有効に回避され、当該封止構造が損なわれることがない。
【0023】
しかも温度緩衝領域Rにおいては、電極棒22と封止管部12との間の円筒状空間にスリーブ26が配置されているので間隙の容積が小さくなっている上、本発明では、この温度緩衝領域Rの金属比率M/Vが2.6%以下であるので、熱伝導率が相当に低い状態である。従って、当該温度緩衝領域Rにおける封止管部12を介して熱が大気中に放散される程度が少なく、当該温度緩衝領域Rにおける間隙では比較的高い温度状態が維持されるために、封入物の凝縮が生ずることが防止され、その結果、発光管部11に包囲された放電空間Sでは、封入物の蒸気圧が有効な動作に必要な程度に維持され、従って常に高い発光効率を得ることができる。
【0024】
以上、本発明の実施の一形態について説明したが、放電ランプの具体的構成については種々の変更を加えることが可能である。
図3は、セラミック製放電ランプの他の例の温度緩衝領域を含む部分の構成を示す拡大断面図であり、この例では、温度緩衝領域Rに属する電極棒22の外周に、スリーブ26の代わりに金属コイル40が巻き付けられており、その他の点は図1の例と同様である。
このような構成の温度緩衝領域Rにおいても、その全容積Vに対する、当該温度緩衝領域Rに属する電極棒22および金属コイル40による全金属部分が占める体積Mの割合が1.2〜2.6%とされている。
【0025】
また、例えば図1の例ではスリーブに電極棒が挿通されることによって温度緩衝領域Rでの電気的導通状態が実現されているが、例えばアルミナ−タングステンサーメットのような金属粒子が分散された状態で含有される焼結体を用いることによって電気的導通状態を確保することもできる。この場合には、温度緩衝領域Rにおける金属部分が占める体積Mの一部として当該焼結体中の金属粒子による体積が考慮されなければならず、その結果として、当該温度緩衝領域Rの金属比率が1.2〜2.6%とされることが必要である。ただし、発光管部11内の封入物における金属成分を考慮する必要はない。
【0026】
本発明において、放電ランプの具体的構造は図示のものに限られず、種々の構成とすることができる。例えば、電極構造体において、中間リード23が除去されて電極棒22と外部リード線24が直接接続され、当該外部リード線24の内方部分の外周にニオブのスリーブが配置された構成とすることができる。バルブの構成も両端封止型のものにに限られず、一端封止型とすることも可能である。放電ランプとしても、交流点灯型でなくて直流点灯型とすることもできる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】 下記の条件により、図1に示す構成に従って、ランプの全長が36mm、電極間距離が6mm、定格電力が75Wの交流点灯型メタルハライドランプを作製した。
バルブ(10)は、透光性多結晶アルミナよりなるセラミックスよりなり、発光管部(11)の最大外径が8.7mm、内容積が0.3mm3 であり、封止管部(12)の外径が2.5mm、内径が0.8mmである。
電極構造体の電極棒(22)は外径が0.3mmのタングステン線、中間リード(23)は外径が0.4mmのニオブ線、外部リード線(24)は外径が0.4mmの白金合金線である。
スリーブ(26)は、多結晶アルミナよりなり、外径が0.75mm、長さが5mmである。従って、スリーブ(26)の外径と封止管部(12)の内径の差は0.05mmである。
また、発光管部(11)には、水銀7mgと、発光物質としてディスプロシウムとタリウムとナトリウムの複合沃化物(DyI3 −TlI−NaI)5mgとが封入され、更にバッファーガスとしてアルゴンガスが13kPaの圧力で封入された。
【0029】
この実施例に係るセラミック製放電ランプにおいて、温度緩衝領域Rの長さはスリーブ(26)の長さと同じ5mmであり、温度緩衝領域Rにおける全容積Vに対する金属部分が占める体積Mの割合(M/V)は1.4%であった。
このセラミック製放電ランプを定格条件で点灯させたところ、その発光効率は106ルーメン/Wであった。
【0030】
電極構造体を構成する電極棒(22)として外径の異なるものを用い、スリーブ(26)として適合するものを用いることにより、温度緩衝領域Rの金属比率(M/V)を変化させたセラミック製放電ランプを、上記と同様にして作製し、点灯テストを行って、その発光効率(ルーメン/W)を調べた。結果を、上記の場合と共に表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
表1の結果から理解されるように、温度緩衝領域の金属比率が1.2〜2.6%のランプ1または2によれば、100ルーメン/W以上とこのタイプの放電ランプとしては十分に高い発光効率が実現される。
一方、ランプ3または4によれば、従来のセラミック製放電ランプと同様の発光効率が得られるに過ぎず、特に発光効率が改善されたものとはいえない。
【0033】
【発明の効果】
以上のように,本発明によれば、発光管部と封止管部とを有する透光性セラミックスよりなるバルブを具え、その封止管部において、発光管部に続く温度緩衝領域の外端側に封止用フリットガラスによる気密封止構造が形成されたセラミック製放電ランプにおいて、当該温度緩衝領域における封止管部と電極構造体との間の間隙の温度を高く維持することができて封入物の凝縮の発生を有効に抑制することができ、その結果、高い発光効率が得られるセラミック製放電ランプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】セラミック製放電ランプの一例における構成を示す説明用断面図である。
【図2】図1のセラミック製放電ランプにおける温度緩衝領域を含む部分の構成を示す拡大断面図である。
【図3】セラミック製放電ランプの他の一例における温度緩衝領域を含む部分の構成を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
10 バルブ
S 放電空間
11 発光管部
12 封止管部
21 電極
22 電極棒
23 中間リード
24 外部リード線
26 スリーブ
30 フリットガラス
31 フリットガラスのビード部
R 温度緩衝領域
A,B 境界
40 金属コイル
Claims (1)
- 透光性セラミックスよりなり、発光管部とこの発光管部に一体に連設された直管状の封止管部とを有するバルブを具え、発光管部内に一対の電極が互いに対向するよう配置され、封止管部内に前記電極を先端に有する電極構造体が挿通された状態で当該封止管部の外端側部分と電極構造体との間に封止用フリットガラスが充填されて気密封止構造が形成されたセラミック製放電ランプにおいて、
前記封止管部における、当該封止管部と発光管部との境界から気密封止構造が形成された気密封止領域の内方境界までの温度緩衝領域に属する封止管部の外径が1.6〜3.2mmであり、当該温度緩衝領域の全容積に対して金属部分が占める体積の割合が1.2〜2.6%であることを特徴とするセラミック製放電ランプ。
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JP29888297A JP3745519B2 (ja) | 1997-10-30 | 1997-10-30 | セラミック製放電ランプ |
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-
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