JP3745128B2 - リミテッドスリップディファレンシャルギア - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リミテッドスリップディファレンシャルギアに係り、差動制限の利き初めからロックまでの利き方の特性である応答性を任意に選択できるリミテッドスリップディファレンシャルギアに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リミテッドスリップディファレンシャルギア(以下LSDと略す)として、エンジン側から前進方向の回転駆動力が伝達されると、差動制限の利きが開始されるが、駆動輪側から回転駆動力が伝達された場合には差動制限が利かないタイプのものが本出願人より提案されている(特公平5−17421号公報)。
【0003】
このLSDの構成は、図4、図5に示すように、エンジンからの駆動力により回転するディファレンシャルケース1と、駆動輪の車軸10,11の軸方向に移動可能に前記ケース1内に互いに対向して収容された一対のプレッシャーリング2,3と、前記一対のプレッシャーリング2,3に挟持されたピニオンシャフト(十字形状に形成されている)4と、前記シャフトの先端部に回転自在に取り付けられたピニオンギア5と、前記ピニオンギア5を両側から挟むように配置され、それぞれ前記ピニオンギア5に噛み合って前記車軸に駆動力を伝達する一対のサイドギア6,7と、前記ケース1と前記各サイドギア6,7の間に設けられ、前記プレッシャーリング2,3の前記車軸方向外方への移動により圧着されて両サイドギア6,7の差動を制限する多板摩擦クラッチ8,9とを有していて、前記プレッシャーリング2,3をそれぞれ車軸外方へ移動させて両者の隙間を広げ、前記多板摩擦クラッチ8,9をそれぞれ圧着させるるために、前記ピニオンシャフト4の軸横断面を略D字形状に形成するとともに、前記プレッシャーリング2,3には、前記ピニオンシャフト4の軸部と係合するカム面を形成する切欠き部2a,3aが対称に形成された(両切欠き部が合わさって略三角形の形状に形成される)カム分力機構が設けられている。
【0004】
このカム分力機構により、LSDは前進方向の回転駆動力が伝達されると、前記一対のプレッシャーリング2,3を押し広げて差動制限の利きが開始され、前進走行時にエンジンブレーキを動作させた際に駆動輪側から回転駆動力が伝達された場合には、前記一対のプレッシャーリング2,3が押し広げられず、差動制限が利かないことになる。
【0005】
なお、ケース1にリングギア12が固定され、このリングギア12にエンジンの回転が伝達されるピニオンギア13が噛み合っている。
【0006】
このようなLSDにおいて、差動制限の利き具合、例えば前進走行時にアクセルを踏み込むと急激に差動制限の利きが開始されたり、あるいは緩やかに差動制限の利きが開始されるといったことは、前記カム分力機構の傾斜したカム面の傾斜角を変更することが可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、LSDは高価な部品であり、一対のプレッシャーリングにそれぞれ形成するカム分力機構を構成する切欠き部は、一つのプレッシャーリングに同一形状のものを4つ形成すると共に、相手側のプレッシャーリングの切欠き部と位置ずれがないように形成する必要があり、非常に手間のかかる作業であり、また、加工費も高くなる。
【0008】
ところで、このような差動制限の利き具合については、ドライバーの好みや、走行する道路等の状況に応じて変更できるようにするには、カム分力機構におけるカム面の傾斜角度が異なる複数種類のプレッシャーリングを用意できればよいが、前述のようにプレッシャーリングは高価なものであり、また走行する道路等の状況に適合するカム面を備えたプレッシャーリングを用意することは非常に困難なことといえる。
【0009】
一方、本出願人は、このようなLSDにおいて、図6に示すように、一対のプレッシャーリング2,3間にコイルばね14を弾装し、多板摩擦クラッチ8,9をケース1の側面に予め押圧する提案を行っている。
【0010】
このような構成としたのは、ケースと多板摩擦クラッチの間に皿ばねを配設して多板摩擦クラッチを与圧着させ、一方の車輪に伝達されるトルクが極端に小さくなっても、他方の車輪へのある程度のトルク(イニシャルトルク)の伝達を確保できるようにした場合、与圧着で多板摩擦クラッチの摩耗が進むと、この摩耗量が与圧付与のために多板摩擦クラッチとケースとの間に配置されている皿ばねの有する加圧ストロークを越えてしまい、該皿ばねによる与圧着の効果が薄れることから、該皿ばねを廃止し、該皿ばねの有効変位量よりも変位ストロークが十分大きいコイルスプリングを一対のプレッシャーリングの間に配設し、多板摩擦クラッチが摩耗しても十分な与圧着が確保できるようにしたものである。
【0011】
このような与圧スプリングをプレッシャーリング間に配置したLSDにおいて、この与圧スプリングは、多板摩擦クラッチの摩耗が進んでも十分に多板摩擦クラッチを与圧着させるという上記した機能に加え、差動制限の利き具合に影響を与えることを本発明者は見出した。
【0012】
しかしながら、この差動制限の利き具合を調整できるのは、カム面を用いた分圧機構で決定される利き具合よりも応答性の速い場合だけで、それよりも差動制限の応答性を遅くする(緩やかにする)ことはできなかった。
【0013】
本出願に係る発明の目的は、差動制限の利き具合の調整をカム面を用いた分圧機構で決定される利き具合よりも速い応答性だけでなく遅い応答性での利き具合の設定ができ、しかも利き具合の調整幅もより細かく、かつ容易に行えるリミテッドスリップディファレンシャルギアを提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本出願に係る発明の目的を実現するリミテッドスリップディファレンシャルギアの第1の構成は、エンジンからの駆動力により回転するディファレンシャルケースと、前記ケースと一体的に回転すると共に駆動輪の車軸方向に移動可能に前記ケース内に互いに対向して収容された一対のプレッシャーリングと、前記一対のプレッシャーリングに挟持されたピニオンシャフトに回転自在に取り付けられたピニオンギアと、前記ピニオンギアを両側から挟むように配置され、それぞれ前記ピニオンギアに噛合して前記駆動輪の車軸に駆動力を伝達する一対のサイドギアと、前記ケースの側壁面と前記サイドギアの間に設けられ、前記プレッシャーリングの車軸方向外方への移動により圧着されて前記両サイドギアの差動を制限する多板クラッチと、前記プレッシャーリングおよび前記ピニオンシャフトに形成され、前記一対のプレッシャーリングを互いに離れる前記車軸方向外方に移動させるカム分力機構と、前記一対のプレッシャーリングの外周対向部に周方向に沿ってそれぞれ正対して形成された複数の穴部に取り外し可能に装着され、前記カム分力機構の分力方向と同方向にばね力が作用する正圧ばねのコイルスプリングと、前記多板クラッチと前記ケースの側壁面との間に配置され、前記多板クラッチを前記正圧ばねのコイルスプリングの作用方向と逆方向に押圧する負圧ばねの皿ばねとを有し、前記正圧ばねのコイルスプリングのばね力を調整することによって生じる前記負圧ばねの皿ばねのばね力との差圧により、差動制限の応答性を変更可能としたものである。
【0015】
本出願に係る発明の目的を実現するリミテッドスリップディファレンシャルギアの第2の構成は、エンジンからの駆動力により回転するディファレンシャルケースと、前記ケースと一体的に回転すると共に駆動輪の車軸方向に移動可能に前記ケース内に互いに対向して収容された一対のプレッシャーリングと、前記一対のプレッシャーリングに挟持されたピニオンシャフトに回転自在に取り付けられたピニオンギアと、前記ピニオンギアを両側から挟むように配置され、それぞれ前記ピニオンギアに噛合して前記駆動輪の車軸に駆動力を伝達する一対のサイドギアと、前記ケースの側壁面と前記サイドギアの間に設けられ、前記プレッシャーリングの車軸方向外方への移動により圧着されて前記両サイドギアの差動を制限する多板クラッチと、前記プレッシャーリングおよび前記ピニオンシャフトに形成され、前記一対のプレッシャーリングを互いに離れる前記車軸方向外方に移動させるカム分力機構と、前記一対のプレッシャーリングの外周対向部に周方向に沿ってそれぞれ正対して形成された複数の穴部に取り外し可能に装着され、前記カム分力機構の分力方向と同方向にばね力が作用する正圧ばねのコイルスプリングと、前記ケースの側壁面に前記多板クラッチの外周部に周方向に沿って形成された穴部に装着され、前記多板クラッチを前記正圧ばねのコイルスプリングの作用方向と逆方向に押圧する負圧ばねのコイルスプリングとを有し、前記正圧および負圧ばねのコイルスプリングのばね力を調整することによって生じる、前記正圧ばねのコイルスプリングと前記負圧ばねのコイルスプリングのばね力との差圧により、差動制限の応答性を変更可能としたものである。
【0016】
本出願に係る発明の目的を実現するリミテッドスリップディファレンシャルギアの第3の構成は、前記分力機構は、エンジンからの前進方向の駆動力が前記ディファレンシャルケースに伝達された場合には差動制限が利き、駆動車輪側から前記ディファレンシャルケースに駆動力が伝達された場合には差動制限が利かないように前記プレッシャーリングのカム面が形成されているものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態を示す。
【0018】
本実施の形態は、図6に示す従来例のLSDにおいて、多板摩擦クラッチ8,9とケース1の側面との間に皿ばね15を配設したものである。
【0019】
エンジンからの駆動力がピニオンギア13を介してリングギア12に伝達されて回転するディファレンシャルケース1内には、左右の駆動輪の車軸10,11の軸方向に沿ってケース1とスプライン結合して移動可能な互いに対向する一対のプレッシャーリング2,3と、前記一対のプレッシャーリング2,3に挟持されたピニオンシャフト(十字形状に形成されている)4と、前記シャフトの先端部に回転自在に取り付けられたピニオンギア5と、前記ピニオンギア5を両側から挟むように配置され、それぞれ前記ピニオンギア5に噛み合って前記車軸に駆動力を伝達する一対のサイドギア6,7と、前記ケース1と前記各サイドギア6,7の間に設けられ、前記プレッシャーリング2,3の前記車軸方向外方への移動により圧着されて両サイドギア6,7の差動を制限する多板摩擦クラッチ8,9と、一対のプレッシャーリング2,3の外周対向面に周方向に沿って配設された複数のコイルばね14と、多板摩擦クラッチ8,9とケース1の側壁面との間に配設された皿ばね15と、が収容されている。
【0020】
前記複数のコイルばね14は、前記プレッシャーリング2,3の対向面に車軸10,11の軸方向に沿って穿設された穴部2b,3b内にそれぞれ軸方向外方にばね力が発生するように挿入され、一対のプレッシャーリング2,3が図1に示す差動制限の利きがまだ開始されていない状態の位置において、前記プレッシャーリング2,3をそれぞれ車軸外方へ向けて付勢する与圧を前記一対のプレッシャーリング2,3に付与している。なお、図1に示すように、多板摩擦クラッチ8、9はプレッシャーリング2、3の外周部に当接し、一対のプレッシャーリング2、3間に配置されているスプリング14と車軸方向に沿って対向している。
【0021】
なお、前記多板摩擦クラッチ8,9をそれぞれ軸方向外方に向けて押圧し、前記多板摩擦クラッチ8,9をケース1の側壁面に皿ばね15のばね力に抗して押し付けるために、前記ピニオンシャフト4の軸横断面を略D字形状に形成するとともに、前記プレッシャーリング2,3には、前記ピニオンシャフト4の軸部と係合するカム面を形成する切欠き部2a,3aが対称に形成された(両切欠き部が合わさって略三角形の形状に形成される)カム分力機構が設けられている。
【0022】
このカム分力機構により、LSDは前進方向の回転駆動力が伝達されると、ピニオンシャフト4の曲面部が切欠き部のカム面である傾斜面との当接により軸方向外方に分力が発生し、前記一対のプレッシャーリング2,3を押し広げて差動制限の利きが開始され、前進走行時にエンジンブレーキを動作させた際に駆動輪側から回転駆動力が伝達された場合には、ピニオンシャフト4の略D字断面部の直線面が前記切欠き部の直線面に当接して軸方向外方への分力は発生しないので、前記一対のプレッシャーリング2,3が押し広げられず、差動制限が利かないことになる。
【0023】
ここで、コイルスプリング14も皿ばね15も共に多板摩擦クラッチに与圧を付与する与圧ばねとして作用するが、一対のプレッシャーリング2,3の間に配設されたコイルスプリング14は矢印X方向の力により一対のプレッシャーリング2,3を押し広げて多板摩擦クラッチ8,9をケース1の側壁面に押し付けて圧着させ差動制限を利かせるための作用を行い(以下このばねを正圧ばねと称す)、皿ばね15は逆に矢印Y方向の力により多板摩擦クラッチ8,9をケース1の側壁面から離して差動制限を解除する方向に作用する(以下このばねを負圧ばねと称す)。
【0024】
実際には、上記した正圧ばね14と負圧ばね15とのバランスにより差動制限の利き、すなわち図3に示すディファレンシャルケース1の入力に対する拘束力との関係が調整できることになる。
【0025】
ここで、正圧ばね14の総圧X1が負圧ばね14の総圧Y1よりも大きければその差分の圧力は正圧方向(矢印X方向)に加わり、分力機構による差動制限動作のための分力に加えられ、特性線aで示すように、ケース1の入力トルクが小さくても、差動制限がロック(多板摩擦クラッチの拘束力が最大)できるので、例えばエンジンブレーキを利かせながらコーナに進入し、その際は左右の駆動輪を差動させ、コーナの出口付近でアクセルを踏むと、直ちに差動制限状態が得られることになる。
【0026】
その際、アクセルを踏み込んだ当初はまだカーブを完全に抜け出ていないので、多少の差動状態で駆動輪を駆動させた場合には、負圧ばね15の総圧Y1を正圧ばね14の総圧X1よりも大きくすれば、その差分の圧力は負圧方向(矢印Y方向)に加わり、分力機構による差動制限動作のための分力が減少するので、特性線bで示すように、ケース1の入力トルクが大きくならないと(アクセルを吹かしてエンジンの回転数を上げる)ロックしないので、その間にある程度の差動制限動作が得られることになる。
【0027】
本実施の形態では、正圧ばね14をコイルスプリングにより形成し、ばね定数の異なる複数のコイルスプリングを用意し、すべての穴部あるいはいくつかの穴部に同じばね定数のコイルスプリング、あるいはばね定数の異なるコイルスプリングを装着することにより、図3の特性線aとbとの間の斜線で示した領域の中の任意の点cの差動制限の利きを得ることができる。
【0028】
(第2の実施の形態)
図2は第2の実施の形態を示す。
【0029】
上記した第1の実施の形態では、負圧ばね15を皿ばねとしたが、本実施の形態では正圧ばね14と同じコイルスプリングを用いている。
【0030】
そしてコイルスプリングで形成された負圧ばね15は、ケース1の側壁面に穿設された穴部1a内に挿入されている。なお、他の構成は第1の実施の形態と同様なのでその説明は省略する。
【0031】
本実施の形態においては、正圧ばね14も負圧ばね15も共に同じコイルスプリングなので、その直径、長さを揃えておき、ばね定数の異なるものを複数用意し、それらを適宜組合せることにより、図3の特性線aとbとの間の斜線で示した領域の中の任意の点cの差動制限の利きを得ることができる。この場合、正圧ばね14と負圧ばね15とを交換可能としているので、第1の実施の形態の場合に比べてより一層細かく差動制限の利きを調整することができる。
【0032】
【発明の効果】
請求項1〜4に係る発明によれば、差動制限の応答性を細かく調整できると共に、任意に設定することができる。
【0033】
また、ばね定数の異なる複数のばねを用意したり、あるいは複数の穴部のすべてにコイルスプリングを装着せずに間引いて装着したりするだけで、差動制限の応答性を簡単に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すリミテッドスリップディファレンシャルギアの断面図。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示すリミテッドスリップディファレンシャルギアの断面図。
【図3】本発明の第1、第2の実施の形態の応答性の特性を示す図。
【図4】従来のリミテッドスリップディファレンシャルギアの断面図。
【図5】図4のリミテッドスリップディファレンシャルギアのサイドギアを含んだ断面図。
【図6】従来の他のリミテッドスリップディファレンシャルギアの断面図。
【符号の説明】
1 ディファレンシャルケース
2,3 プレッシャーリング
4 ピニオンシャフト
5 ピニオンギア
6,7 サイドギア
8,9 多板摩擦クラッチ
10,11 車軸
12 リングギア
13 ピニオンギア
14 コイルスプリング(正圧ばね)
15 皿ばね(負圧ばね)
Claims (4)
- エンジンからの駆動力により回転するディファレンシャルケースと、前記ケースと一体的に回転すると共に駆動輪の車軸方向に移動可能に前記ケース内に互いに対向して収容された一対のプレッシャーリングと、前記一対のプレッシャーリングに挟持されたピニオンシャフトに回転自在に取り付けられたピニオンギアと、前記ピニオンギアを両側から挟むように配置され、それぞれ前記ピニオンギアに噛合して前記駆動輪の車軸に駆動力を伝達する一対のサイドギアと、前記ケースの側壁面と前記サイドギアの間に設けられ、前記プレッシャーリングの車軸方向外方への移動により圧着されて前記両サイドギアの差動を制限する多板クラッチと、前記プレッシャーリングおよび前記ピニオンシャフトに形成され、前記一対のプレッシャーリングを互いに離れる前記車軸方向外方に移動させるカム分力機構と、前記一対のプレッシャーリングの外周対向部に周方向に沿ってそれぞれ正対して形成された複数の穴部に取り外し可能に装着され、前記カム分力機構の分力方向と同方向にばね力が作用する正圧ばねのコイルスプリングと、前記多板クラッチと前記ケースの側壁面との間に配置され、前記多板クラッチを前記正圧ばねのコイルスプリングの作用方向と逆方向に押圧する負圧ばねの皿ばねとを有し、前記正圧ばねのコイルスプリングのばね力を調整することによって生じる前記負圧ばねの皿ばねのばね力との差圧により、差動制限の応答性を変更可能としたことを特徴とするリミテッドスリップディファレンシャルギア。
- エンジンからの駆動力により回転するディファレンシャルケースと、前記ケースと一体的に回転すると共に駆動輪の車軸方向に移動可能に前記ケース内に互いに対向して収容された一対のプレッシャーリングと、前記一対のプレッシャーリングに挟持されたピニオンシャフトに回転自在に取り付けられたピニオンギアと、前記ピニオンギアを両側から挟むように配置され、それぞれ前記ピニオンギアに噛合して前記駆動輪の車軸に駆動力を伝達する一対のサイドギアと、前記ケースの側壁面と前記サイドギアの間に設けられ、前記プレッシャーリングの車軸方向外方への移動により圧着されて前記両サイドギアの差動を制限する多板クラッチと、前記プレッシャーリングおよび前記ピニオンシャフトに形成され、前記一対のプレッシャーリングを互いに離れる前記車軸方向外方に移動させるカム分力機構と、前記一対のプレッシャーリングの外周対向部に周方向に沿ってそれぞれ正対して形成された複数の穴部に取り外し可能に装着され、前記カム分力機構の分力方向と同方向にばね力が作用する正圧ばねのコイルスプリングと、前記ケースの側壁面に前記多板クラッチの外周部に周方向に沿って形成された穴部に装着され、前記多板クラッチを前記正圧ばねのコイルスプリングの作用方向と逆方向に押圧する負圧ばねのコイルスプリングとを有し、前記正圧および負圧ばねのコイルスプリングのばね力を調整することによって生じる、前記正圧ばねのコイルスプリングと前記負圧ばねのコイルスプリングのばね力との差圧により、差動制限の応答性を変更可能としたことを特徴とするリミテッドスリップディファレンシャルギア。
- 前記分力機構は、エンジンからの前進方向の駆動力が前記ディファレンシャルケースに伝達された場合には差動制限が利き、駆動車輪側から前記ディファレンシャルケースに駆動力が伝達された場合には差動制限が利かないように前記プレッシャーリングのカム面が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のリミテッドスリップディファレンシャルギア。
- 前記多板クラッチは前記プレッシャーリングの外周部に当接し、前記正圧ばねのコイルスプリングは前記車軸方向に沿って前記多板クラッチと対向配置されていることを特徴とする請求項1、2または3に記載のリミテッドスリップディファレンシャルギア。
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