JP3744456B2 - 燃料電池搭載車両の制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池搭載車両の制御装置に係り、特に高電圧で駆動される補機を燃料電池起動時に低電圧のバッテリ電圧を昇圧して駆動する燃料電池搭載車両の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に車両駆動用の燃料電池は、多数のセルを直列接続したスタックとして構成され、数百Vを得ている。このような燃料電池の補機には、空気を圧縮して酸化剤ガスとして供給するコンプレッサ、燃料ガス及び又は酸化剤ガスを純水を用いて加湿する加湿器、燃料電池スタック用の冷却水を循環させる冷却水ポンプ、冷却水の熱を外部へ放出するラジエータ等がある。
【0003】
これらの補機類は、コンプレッサモータ、加湿器へ純水を供給する純水ポンプ駆動モータ、冷却水ポンプ駆動モータ、ラジエータファンモータ等のモータ類により駆動される。これら補機用のモータには、燃料電池の発電電圧で駆動する高電圧駆動のモータと、燃料電池の発電電圧より低い2次電池の低電圧で駆動するモータとが考えられる。
【0004】
補機類のモータとして高電圧駆動を選択すれば、モータ自体の導体損を低減できるとともに、モータに至るワイヤーハーネスの直径を小さくし小型軽量化できるという利点があるが、起動時に2次電池から昇圧して補機類のモータへ供給すべき電力が増大し、DC/DCコンバータの容量が増加するという欠点がある。
【0005】
一方、補機類のモータとして2次電池の電圧である低電圧駆動を選択すれば、2次電池の電圧と燃料電池の出力電圧とを相互に変換するDC/DCコンバータの容量が少なくて済むという利点があるが、上記導体損やワイヤーハーネスの寸法・重量が嵩むという欠点がある。
【0006】
一般的には、補機類のモータの出力が数kWとなる場合は、高電圧駆動を選択する方が総合的なメリットがあるといわれている。
【0007】
高電圧駆動の補機モータを備えた従来例としては、特開2001−229950号公報記載の技術が知られている。この従来技術は、燃料電池スタックで発電を行うのに必要な補機(例えば、酸化剤極を空気に供給するためのコンプレッサ)を高電圧(例えば350V)にて駆動するシステムである。
【0008】
そして、2次電池として12V程度の低電圧バッテリと、昇圧モード及び降圧モードを有し2次電池電圧と燃料電池出力電圧とを相互に変換するDC/DCコンバータとを有し、燃料電池スタックの起動時にはDC/DCコンバータを昇圧モードにして低電圧バッテリの電圧を昇圧してコンプレッサを駆動していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来技術にあっては、DC/DCコンバータで低電圧を高電圧に昇圧する際には、降圧モードから昇圧モードに切り替えるのに時間がかかり、出力電圧が所定の電圧になるまでに時間がかかってしまう。
【0010】
従って、高電圧で駆動される補機が作動するまでに時間がかかり、燃料電池スタックが起動して実際に所定の電圧を発生するまでの時間である起動時間が長びくという問題点があった。
【0011】
以上の問題点に鑑み本発明の目的は、高電圧で駆動する補機類を備えた燃料電池システムの起動時間を短縮することができる燃料電池搭載車両の制御装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記目的を達成するため、燃料ガスと酸化ガスとを電気化学反応させて電力を得る燃料電池と、燃料電池の出力電圧近傍の高電圧によって駆動される補機と、燃料電池の出力電圧よりも低い低電圧のバッテリと、燃料電池の負荷が低負荷状態であることを判定するアイドル判定手段と、燃料電池の出力電圧を前記低電圧バッテリの出力電圧相当に降圧する降圧モードと前記低電圧バッテリの出力電圧を燃料電池の出力電圧相当に昇圧する昇圧モードを持ち、降圧モードと昇圧モードを任意に切り替えることのできる電圧変換手段と、を備えた燃料電池搭載車両の制御装置において、前記アイドル判定手段が低負荷状態であると判断した時は、燃料電池の発電を停止させ、前記電圧変換手段を昇圧モードに切り替えることを要旨とする。
【0013】
請求項2記載の発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の燃料電池搭載車両の制御装置において、前記アイドル判定手段は、前記車両の速度が所定値以下であり、且つブレーキが操作されている時を低負荷状態と判断することを要旨とする。
【0014】
請求項3記載の発明は、上記目的を達成するため、請求項1または請求項2に記載の燃料電池搭載車両の制御装置において、前記車両は、走行レンジと非走行レンジのシフトポジションを選択可能であり、前記アイドル判定手段は、前記車両の速度が所定値以下であり、且つシフトポジションが非走行レンジの時を低負荷状態と判断することを要旨とする。
【0015】
請求項4記載の発明は、上記目的を達成するため、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の燃料電池搭載車両の制御装置において、前記アイドル判定手段により低負荷状態から低負荷状態でないと判断された時に、直ちに前記補機を駆動させることを要旨とする。
【0016】
請求項5記載の発明は、上記目的を達成するため、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の燃料電池搭載車両の制御装置において、前記高電圧で駆動される補機は、燃料電池スタックに酸化ガスを供給するコンプレッサ、燃料電池スタックなどを冷却する冷却水を循環させるポンプを駆動するモータ、加湿器への純水を循環させるポンプを駆動するモータ、ラジエータファンを駆動するモータの少なくとも1つであることを要旨とする。
【0017】
請求項6記載の発明は、上記目的を達成するため、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の燃料電池搭載車両の制御装置において、イグニッションオフによりシステムを停止する時は、前記電圧変換手段を降圧モードにすることを要旨とする。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、燃料電池を低負荷状態から再起動させる時には、すでに電圧変換手段は昇圧モードで機能しているため、電圧変換手段の出力電圧の上昇を待つ必要がなくなり、再起動時の起動時間を短縮することができるという効果がある。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る制御装置を適用した燃料電池搭載車両の一実施形態を説明する構成図である。
【0020】
図1において、燃料電池搭載車両は、燃料電池本体である燃料電池スタック1と、燃料電池スタック1に供給する水素及び空気を加湿する加湿器2と、空気を圧縮して加湿器2へ送るコンプレッサ3と、空気の圧力及び流量を制御するスロットル4と、高圧水素を貯蔵する高圧水素タンク5と、高圧水素の流量を制御する可変バルブ6と、水素系の通路を大気開放して燃料電池内部の水を外部に排出するパージ弁7と、燃料電池から出てきた未使用の水素を上流へ還流するためのイジェクタ8と、加湿器2に加湿用の純水を供給する純水ポンプ9と、燃料電池入口の空気圧力を検出する空気圧力センサ10と、燃料電池入口の水素圧力を検出する水素圧力センサ11と、DC/DCコンバータ12と、低電圧バッテリ13と、燃料電池から出力を取り出す駆動ユニット14と、ブレーキセンサ15と、車速センサ16と、イグニッションスイッチ(IGN SW)17と、インヒビタSW18と、各センサの信号を取り込み、内蔵された制御ソフトウェアに基づいて各アクチュエータを駆動するコントローラ19とを備えている。
【0021】
燃料電池スタック1は、多数のセルが積層され約350Vの高電圧を出力するものである。コンプレッサ3は、燃料電池の出力電圧近傍の高電圧(約350V)で駆動される補機である。駆動ユニット14は、燃料電池から高電圧が供給されて、車両駆動トルクを発生するモータである。
【0022】
低電圧バッテリ13は、電圧約12Vの低電圧バッテリであり、通常運転時に燃料電池の発電電圧を降圧して充電され、燃料電池の起動時に高電圧駆動の補機であるコンプレッサ3へ電力を供給するものである。
【0023】
DC/DCコンバータ12は、燃料電池スタック1の発電出力電圧である高電圧(約350V)を低電圧バッテリ13の電圧(12V)相当に降圧する降圧モードと、低電圧バッテリ13の電圧を燃料電池の出力電圧相当に昇圧する昇圧モードを持ち、降圧モードと昇圧モードを任意に切り替えることのできる電圧変換手段である。昇圧モードでは、低電圧バッテリ13の電圧を昇圧して高電圧(約350V)をコンプレッサ3に供給する。また、降圧モードでは燃料電池スタック1の発電する高電圧を降圧して、低電圧バッテリ13を充電する。
【0024】
燃料電池スタック1とコンプレッサ3とDC/DCコンバータ12と駆動ユニット14とは、高電圧回路で互いに接続されている。燃料電池スタック1で発電された高電圧電力は、コンプレッサ3及び駆動ユニット14に供給されて、コンプレッサ3及び駆動ユニット14を駆動すると共に、DC/DCコンバータ12で降圧されて約12Vの低電圧バッテリ13を充電する。
【0025】
次に、上記構成による燃料電池システムの動作を説明する。
コンプレッサ3は空気を圧縮して加湿器2へ送り、加湿器2は純水ポンプ9で供給された純水を用いて空気を加湿し、加湿された空気が燃料電池スタック1の酸化剤極へ送り込まれる。
【0026】
一方、高圧水素タンク5からは高圧水素が可変バルブ6へ送られ、可変バルブ6は水素圧力を減圧するとともに水素流量を制御してイジェクタ8へ送る。イジェクタ8は、可変バルブ7からの新規水素ガスと環流水素ガスとを混合、合流させ、加湿器2へ送る。加湿器2は空気と同様に純水ポンプ9で供給された純水で水素を加湿し、加湿された水素が燃料電池スタック1の燃料極へ送り込まれる。
【0027】
燃料電池スタック1では送り込まれた空気と水素を反応させて発電を行い、電流(電圧)を駆動ユニット14へ供給する。
【0028】
燃料電池スタック1で反応に使用した残りの空気は燃料電池外へ排出され、スロットル4で圧力制御が行われた後、大気へ排出される。また、反応に使用した残りの水素は燃料電池スタック1から排出されるが、イジェクタ8によって加湿器2の上流へ環流されて発電に再利用する。
【0029】
コントローラ19では、各センサから読み込んだ各検出値が、その時の目標発電量から決まる所定の目標値になるように、コンプレッサ3,スロットル4,可変バルブ6,純水ポンプ9を制御するとともに、目標値に対して実際に実現されているガス圧力に応じて燃料電池スタック1から駆動ユニット14へ取出す出力(電流値)を指令し制御を行う。
【0030】
また、コントローラ19は、ブレーキセンサ15と、車速センサ16と、イグニッションSW17と、インヒビタSW18の各信号を入力し、これらの信号に基づいて、低負荷状態であることを判定するアイドル判定手段の役割を兼ねる。
【0031】
なおシフトポジションは走行レンジ(D、Rレンジ)と非走行レンジ(P、Nレンジ)を有し、インヒビタSW18は、走行レンジか非走行レンジかの信号をコントローラ19へ出力するものとする。
【0032】
本実施形態にあっては、低負荷状態時に空気及び水素の供給を止めて燃料電池スタック1の発電を一時停止させる。このときに、DC/DCコンバータ12を昇圧モードに切り替えておき、いつでも低電圧バッテリ13からDC/DCコンバータ12を介して高電圧駆動の補機であるコンプレッサ3に電力を供給できるようにする構成とした。
【0033】
アイドル判定手段は、車速が所定車速以下(例えば車速が4km/h以下)、且つブレーキを踏んでいる時で、且つシフトポジションが非走行レンジ(PレンジまたはNレンジ)の時に低負荷状態と判断する。
【0034】
また、低負荷状態であると判断されて燃料電池スタック1の発電を停止している状態から低負荷状態でないと判断された時には、駆動ユニット14に電力供給の必要がない場合であっても、直ちに補機を駆動させる構成とした。
【0035】
高電圧で駆動する補機を燃料電池スタックに空気を供給するコンプレッサ3とする構成とした。
【0036】
この他、燃料電池スタック1などを冷却する冷却水を循環させる図示しない冷却水ポンプを駆動するモータ、図示しないラジエータファンを駆動するモータ、加湿器2へ純水を循環させる純水ポンプ9を駆動するモータなどを高電圧で駆動する補機としても良い。
【0037】
イグニッションSW17がオフされた場合に、燃料電池スタック1を停止させる時は、DC/DCコンバータ12を降圧モードにする構成とした。
【0038】
次に、図2の状態遷移図を参照して、制御装置であるコントローラ19による制御を説明する。
S201は、通常の運転状態であり、燃料電池スタック1は駆動力に応じた発電を行う。イグニッションSW17がオフになったら、S202へ進む。また、低負荷状態であると判断されたら、S206へ進む。また、それ以外のときは、通常運転状態を保持する。
【0039】
S202では、DC/DCコンバータ12を降圧モードにする。DC/DCコンバータ12が降圧モードに切り替わったらS203へ進む。
S203では、高電圧で駆動される補機であるコンプレッサ3を停止する。補機が停止したら、S204へ進む。
【0040】
S204では、燃料電池スタック1の発電を完全停止する。S204でイグニッションSWがオンされると、S205へ進み、DC/DCコンバータ12を昇圧モードに切り替える。DC/DCコンバータ12が昇圧モードに切り替わったら、S209へ進む。
【0041】
S206では、DC/DCコンバータ12を昇圧モードに切り替える。DC/DCコンバータ12が昇圧モードに切り替わったら、S207へ進む。
S207では、補機を停止し、補機停止したらS208へ進む。
S208では、燃料電池スタック1を一時停止する。そして、低負荷状態でなくなったら、S209へ進み、イグニッションSW17がオフになったら、S202へ進み、低負荷状態であれば状態を保持する。
【0042】
S209では、補機を駆動させる。補機が駆動したらS210へ進む。
S210では、燃料電池スタック1を起動して電力を取り出す。燃料電池スタック1の発電電圧が所定値以上になったらS211へ進む。
S211では、DC/DCコンバータ12を降圧モードに切り替える。DC/DCコンバータ12が降圧モードに切り替わったら、S201へ進む。
【0043】
ここでDC/DCコンバータ12の補足説明をする。
DC/DCコンバータ12は、MOS−FETやIGBT等の半導体スイッチング素子を用いた直流電圧変換器であり、降圧モードと昇圧モードとを備え、12Vと350Vとの間を相互に電圧変換可能となっている。
【0044】
燃料電池スタックの発電を停止させると、高電圧を補機に供給できなくなるため、起動時などは、DC/DCコンバータを昇圧モードとして、図3に示すように、低電圧のバッテリの出力12Vを350Vに昇圧して、350Vを供給し、補機類を駆動する。
【0045】
逆に、燃料電池スタックが発電している時は、DC/DCコンバータを降圧モードとして、350Vを12Vに降圧させて、低電圧バッテリに充電している。
【0046】
燃料電池スタックを停止させる時は、何もしなければ、DC/DCコンバータは降圧モードのままである。イグニッションオフ時は、降圧モードにしておいた場合は、燃料電池スタックが発電を行わないため、DC/DCコンバータの端子に電圧が発生することはない。
【0047】
また、低負荷時に燃料電池スタック停止中にDC/DCコンバータを降圧モードにしておいた場合には、図4に示すように、DC/DCコンバータの出力電圧が立ち上がってから(T1以後)でないと、補機を駆動させることが出来ないので、燃料電池スタックが再起動して所定の電圧を発生させるまでに時間(T2)がかかる。
【0048】
しかし、本発明を適用すると、図5に示すように、低負荷状態になり燃料電池スタックを一時停止させる時に、DC/DCコンバータを昇圧モードに切り替えておくため、燃料電池スタックの再起動の要求が出たら直ちに補機を駆動させることが可能なため、燃料電池スタックが所定の電圧を発生させるまでの時間(T3、T3<T2)が短くなる。
【0049】
以上説明した本発明によれば、以下に示す効果がある。
【0050】
(1)低負荷と判断された時に燃料電池の発電を停止して、電圧変換手段を昇圧モードに切り替えることにより、燃料電池を再起動させた時には、すでに電圧変換手段は昇圧モードで機能しているため、電圧変換手段の出力電圧の上昇を待つ必要がなくなる。
低負荷と判断された時の燃料電池の発電の停止の場合には、イグニッションオフによる通常の停止の場合よりも特に再起動時の起動時間を短縮させる必要があるが、本発明では起動時間を十分短く出来るために、低負荷と判断された時の燃料電池の発電の停止を行うことが出来燃費を向上する。
【0051】
(2)車両が低車速で、ブレーキが踏まれている時は、駆動力を発生させる必要がない時間がしばらく継続する可能性が高いので、この時に燃料電池を停止することでより効果的に、水素消費量を抑えることができる。
【0052】
(3)さらに、シフトポジションがPレンジやNレンジの時は、駆動力を発生させる必要がない時間がしばらく継続する可能性が高いので、この時の燃料電池を停止することでより効果的に、水素消費量を抑えることができる。
【0053】
(4)低負荷時に燃料電池の発電を停止している場合に、低負荷でないとの判断された時には、目標駆動力が出てから補機を作動させていては、補機作動による遅れ分が生じてしまうが、低負荷でないと判断されたら直ちに補機を作動させることにより、補機の動作による遅れがなくなる。
【0054】
(5)コンプレッサや、ポンプやラジエータファンを駆動するモータなどは、消費電力が比較的大きいため、12Vなどの低電圧で駆動するより、350Vなどの高電圧で駆動する方が効率が良いので、電力消費量が少なくなる。
【0055】
(6)イグニッションオフなどにより、システムを停止する時に、燃料電池スタックを停止させる場合は、DC/DCコンバータを降圧モードにしておくので、低電圧バッテリに充電され、次回の起動時に必要な電力を低電圧バッテリから充分に賄うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池搭載車両の制御装置の一実施形態を説明するシステム構成図である。
【図2】 実施形態の制御を説明する状態遷移図である。
【図3】 燃料電池スタック発電停止時にDC/DCコンバータを昇圧モードにした時の電流を説明する図である。
【図4】 従来技術による比較例における(a)アイドル判定、(b)DC/DCコンバータの動作モード、(c)DC/DCコンバータの出力電圧、(d)燃料電池出力電圧を示す図である。
【図5】 実施形態における(a)アイドル判定、(b)DC/DCコンバータの動作モード、(c)DC/DCコンバータの出力電圧、(d)燃料電池出力電圧を示す図である。
【符号の説明】
1…燃料電池スタック
2…加湿器
3…コンプレッサ
4…スロットル
5…高圧水素タンク
6…可変バルブ
7…パージ弁
8…イジェクタ
9…純水ポンプ
10…空気圧力センサ
11…水素圧力センサ
12…DC/DCコンバータ
13…低電圧バッテリ
14…駆動ユニット
15…ブレーキセンサ
16…車速センサ
17…イグニッションSW(IGN SW)
18…インヒビタSW
19…コントローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池搭載車両の制御装置に係り、特に高電圧で駆動される補機を燃料電池起動時に低電圧のバッテリ電圧を昇圧して駆動する燃料電池搭載車両の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に車両駆動用の燃料電池は、多数のセルを直列接続したスタックとして構成され、数百Vを得ている。このような燃料電池の補機には、空気を圧縮して酸化剤ガスとして供給するコンプレッサ、燃料ガス及び又は酸化剤ガスを純水を用いて加湿する加湿器、燃料電池スタック用の冷却水を循環させる冷却水ポンプ、冷却水の熱を外部へ放出するラジエータ等がある。
【0003】
これらの補機類は、コンプレッサモータ、加湿器へ純水を供給する純水ポンプ駆動モータ、冷却水ポンプ駆動モータ、ラジエータファンモータ等のモータ類により駆動される。これら補機用のモータには、燃料電池の発電電圧で駆動する高電圧駆動のモータと、燃料電池の発電電圧より低い2次電池の低電圧で駆動するモータとが考えられる。
【0004】
補機類のモータとして高電圧駆動を選択すれば、モータ自体の導体損を低減できるとともに、モータに至るワイヤーハーネスの直径を小さくし小型軽量化できるという利点があるが、起動時に2次電池から昇圧して補機類のモータへ供給すべき電力が増大し、DC/DCコンバータの容量が増加するという欠点がある。
【0005】
一方、補機類のモータとして2次電池の電圧である低電圧駆動を選択すれば、2次電池の電圧と燃料電池の出力電圧とを相互に変換するDC/DCコンバータの容量が少なくて済むという利点があるが、上記導体損やワイヤーハーネスの寸法・重量が嵩むという欠点がある。
【0006】
一般的には、補機類のモータの出力が数kWとなる場合は、高電圧駆動を選択する方が総合的なメリットがあるといわれている。
【0007】
高電圧駆動の補機モータを備えた従来例としては、特開2001−229950号公報記載の技術が知られている。この従来技術は、燃料電池スタックで発電を行うのに必要な補機(例えば、酸化剤極を空気に供給するためのコンプレッサ)を高電圧(例えば350V)にて駆動するシステムである。
【0008】
そして、2次電池として12V程度の低電圧バッテリと、昇圧モード及び降圧モードを有し2次電池電圧と燃料電池出力電圧とを相互に変換するDC/DCコンバータとを有し、燃料電池スタックの起動時にはDC/DCコンバータを昇圧モードにして低電圧バッテリの電圧を昇圧してコンプレッサを駆動していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来技術にあっては、DC/DCコンバータで低電圧を高電圧に昇圧する際には、降圧モードから昇圧モードに切り替えるのに時間がかかり、出力電圧が所定の電圧になるまでに時間がかかってしまう。
【0010】
従って、高電圧で駆動される補機が作動するまでに時間がかかり、燃料電池スタックが起動して実際に所定の電圧を発生するまでの時間である起動時間が長びくという問題点があった。
【0011】
以上の問題点に鑑み本発明の目的は、高電圧で駆動する補機類を備えた燃料電池システムの起動時間を短縮することができる燃料電池搭載車両の制御装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記目的を達成するため、燃料ガスと酸化ガスとを電気化学反応させて電力を得る燃料電池と、燃料電池の出力電圧近傍の高電圧によって駆動される補機と、燃料電池の出力電圧よりも低い低電圧のバッテリと、燃料電池の負荷が低負荷状態であることを判定するアイドル判定手段と、燃料電池の出力電圧を前記低電圧バッテリの出力電圧相当に降圧する降圧モードと前記低電圧バッテリの出力電圧を燃料電池の出力電圧相当に昇圧する昇圧モードを持ち、降圧モードと昇圧モードを任意に切り替えることのできる電圧変換手段と、を備えた燃料電池搭載車両の制御装置において、前記アイドル判定手段が低負荷状態であると判断した時は、燃料電池の発電を停止させ、前記電圧変換手段を昇圧モードに切り替えることを要旨とする。
【0013】
請求項2記載の発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の燃料電池搭載車両の制御装置において、前記アイドル判定手段は、前記車両の速度が所定値以下であり、且つブレーキが操作されている時を低負荷状態と判断することを要旨とする。
【0014】
請求項3記載の発明は、上記目的を達成するため、請求項1または請求項2に記載の燃料電池搭載車両の制御装置において、前記車両は、走行レンジと非走行レンジのシフトポジションを選択可能であり、前記アイドル判定手段は、前記車両の速度が所定値以下であり、且つシフトポジションが非走行レンジの時を低負荷状態と判断することを要旨とする。
【0015】
請求項4記載の発明は、上記目的を達成するため、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の燃料電池搭載車両の制御装置において、前記アイドル判定手段により低負荷状態から低負荷状態でないと判断された時に、直ちに前記補機を駆動させることを要旨とする。
【0016】
請求項5記載の発明は、上記目的を達成するため、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の燃料電池搭載車両の制御装置において、前記高電圧で駆動される補機は、燃料電池スタックに酸化ガスを供給するコンプレッサ、燃料電池スタックなどを冷却する冷却水を循環させるポンプを駆動するモータ、加湿器への純水を循環させるポンプを駆動するモータ、ラジエータファンを駆動するモータの少なくとも1つであることを要旨とする。
【0017】
請求項6記載の発明は、上記目的を達成するため、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の燃料電池搭載車両の制御装置において、イグニッションオフによりシステムを停止する時は、前記電圧変換手段を降圧モードにすることを要旨とする。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、燃料電池を低負荷状態から再起動させる時には、すでに電圧変換手段は昇圧モードで機能しているため、電圧変換手段の出力電圧の上昇を待つ必要がなくなり、再起動時の起動時間を短縮することができるという効果がある。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る制御装置を適用した燃料電池搭載車両の一実施形態を説明する構成図である。
【0020】
図1において、燃料電池搭載車両は、燃料電池本体である燃料電池スタック1と、燃料電池スタック1に供給する水素及び空気を加湿する加湿器2と、空気を圧縮して加湿器2へ送るコンプレッサ3と、空気の圧力及び流量を制御するスロットル4と、高圧水素を貯蔵する高圧水素タンク5と、高圧水素の流量を制御する可変バルブ6と、水素系の通路を大気開放して燃料電池内部の水を外部に排出するパージ弁7と、燃料電池から出てきた未使用の水素を上流へ還流するためのイジェクタ8と、加湿器2に加湿用の純水を供給する純水ポンプ9と、燃料電池入口の空気圧力を検出する空気圧力センサ10と、燃料電池入口の水素圧力を検出する水素圧力センサ11と、DC/DCコンバータ12と、低電圧バッテリ13と、燃料電池から出力を取り出す駆動ユニット14と、ブレーキセンサ15と、車速センサ16と、イグニッションスイッチ(IGN SW)17と、インヒビタSW18と、各センサの信号を取り込み、内蔵された制御ソフトウェアに基づいて各アクチュエータを駆動するコントローラ19とを備えている。
【0021】
燃料電池スタック1は、多数のセルが積層され約350Vの高電圧を出力するものである。コンプレッサ3は、燃料電池の出力電圧近傍の高電圧(約350V)で駆動される補機である。駆動ユニット14は、燃料電池から高電圧が供給されて、車両駆動トルクを発生するモータである。
【0022】
低電圧バッテリ13は、電圧約12Vの低電圧バッテリであり、通常運転時に燃料電池の発電電圧を降圧して充電され、燃料電池の起動時に高電圧駆動の補機であるコンプレッサ3へ電力を供給するものである。
【0023】
DC/DCコンバータ12は、燃料電池スタック1の発電出力電圧である高電圧(約350V)を低電圧バッテリ13の電圧(12V)相当に降圧する降圧モードと、低電圧バッテリ13の電圧を燃料電池の出力電圧相当に昇圧する昇圧モードを持ち、降圧モードと昇圧モードを任意に切り替えることのできる電圧変換手段である。昇圧モードでは、低電圧バッテリ13の電圧を昇圧して高電圧(約350V)をコンプレッサ3に供給する。また、降圧モードでは燃料電池スタック1の発電する高電圧を降圧して、低電圧バッテリ13を充電する。
【0024】
燃料電池スタック1とコンプレッサ3とDC/DCコンバータ12と駆動ユニット14とは、高電圧回路で互いに接続されている。燃料電池スタック1で発電された高電圧電力は、コンプレッサ3及び駆動ユニット14に供給されて、コンプレッサ3及び駆動ユニット14を駆動すると共に、DC/DCコンバータ12で降圧されて約12Vの低電圧バッテリ13を充電する。
【0025】
次に、上記構成による燃料電池システムの動作を説明する。
コンプレッサ3は空気を圧縮して加湿器2へ送り、加湿器2は純水ポンプ9で供給された純水を用いて空気を加湿し、加湿された空気が燃料電池スタック1の酸化剤極へ送り込まれる。
【0026】
一方、高圧水素タンク5からは高圧水素が可変バルブ6へ送られ、可変バルブ6は水素圧力を減圧するとともに水素流量を制御してイジェクタ8へ送る。イジェクタ8は、可変バルブ7からの新規水素ガスと環流水素ガスとを混合、合流させ、加湿器2へ送る。加湿器2は空気と同様に純水ポンプ9で供給された純水で水素を加湿し、加湿された水素が燃料電池スタック1の燃料極へ送り込まれる。
【0027】
燃料電池スタック1では送り込まれた空気と水素を反応させて発電を行い、電流(電圧)を駆動ユニット14へ供給する。
【0028】
燃料電池スタック1で反応に使用した残りの空気は燃料電池外へ排出され、スロットル4で圧力制御が行われた後、大気へ排出される。また、反応に使用した残りの水素は燃料電池スタック1から排出されるが、イジェクタ8によって加湿器2の上流へ環流されて発電に再利用する。
【0029】
コントローラ19では、各センサから読み込んだ各検出値が、その時の目標発電量から決まる所定の目標値になるように、コンプレッサ3,スロットル4,可変バルブ6,純水ポンプ9を制御するとともに、目標値に対して実際に実現されているガス圧力に応じて燃料電池スタック1から駆動ユニット14へ取出す出力(電流値)を指令し制御を行う。
【0030】
また、コントローラ19は、ブレーキセンサ15と、車速センサ16と、イグニッションSW17と、インヒビタSW18の各信号を入力し、これらの信号に基づいて、低負荷状態であることを判定するアイドル判定手段の役割を兼ねる。
【0031】
なおシフトポジションは走行レンジ(D、Rレンジ)と非走行レンジ(P、Nレンジ)を有し、インヒビタSW18は、走行レンジか非走行レンジかの信号をコントローラ19へ出力するものとする。
【0032】
本実施形態にあっては、低負荷状態時に空気及び水素の供給を止めて燃料電池スタック1の発電を一時停止させる。このときに、DC/DCコンバータ12を昇圧モードに切り替えておき、いつでも低電圧バッテリ13からDC/DCコンバータ12を介して高電圧駆動の補機であるコンプレッサ3に電力を供給できるようにする構成とした。
【0033】
アイドル判定手段は、車速が所定車速以下(例えば車速が4km/h以下)、且つブレーキを踏んでいる時で、且つシフトポジションが非走行レンジ(PレンジまたはNレンジ)の時に低負荷状態と判断する。
【0034】
また、低負荷状態であると判断されて燃料電池スタック1の発電を停止している状態から低負荷状態でないと判断された時には、駆動ユニット14に電力供給の必要がない場合であっても、直ちに補機を駆動させる構成とした。
【0035】
高電圧で駆動する補機を燃料電池スタックに空気を供給するコンプレッサ3とする構成とした。
【0036】
この他、燃料電池スタック1などを冷却する冷却水を循環させる図示しない冷却水ポンプを駆動するモータ、図示しないラジエータファンを駆動するモータ、加湿器2へ純水を循環させる純水ポンプ9を駆動するモータなどを高電圧で駆動する補機としても良い。
【0037】
イグニッションSW17がオフされた場合に、燃料電池スタック1を停止させる時は、DC/DCコンバータ12を降圧モードにする構成とした。
【0038】
次に、図2の状態遷移図を参照して、制御装置であるコントローラ19による制御を説明する。
S201は、通常の運転状態であり、燃料電池スタック1は駆動力に応じた発電を行う。イグニッションSW17がオフになったら、S202へ進む。また、低負荷状態であると判断されたら、S206へ進む。また、それ以外のときは、通常運転状態を保持する。
【0039】
S202では、DC/DCコンバータ12を降圧モードにする。DC/DCコンバータ12が降圧モードに切り替わったらS203へ進む。
S203では、高電圧で駆動される補機であるコンプレッサ3を停止する。補機が停止したら、S204へ進む。
【0040】
S204では、燃料電池スタック1の発電を完全停止する。S204でイグニッションSWがオンされると、S205へ進み、DC/DCコンバータ12を昇圧モードに切り替える。DC/DCコンバータ12が昇圧モードに切り替わったら、S209へ進む。
【0041】
S206では、DC/DCコンバータ12を昇圧モードに切り替える。DC/DCコンバータ12が昇圧モードに切り替わったら、S207へ進む。
S207では、補機を停止し、補機停止したらS208へ進む。
S208では、燃料電池スタック1を一時停止する。そして、低負荷状態でなくなったら、S209へ進み、イグニッションSW17がオフになったら、S202へ進み、低負荷状態であれば状態を保持する。
【0042】
S209では、補機を駆動させる。補機が駆動したらS210へ進む。
S210では、燃料電池スタック1を起動して電力を取り出す。燃料電池スタック1の発電電圧が所定値以上になったらS211へ進む。
S211では、DC/DCコンバータ12を降圧モードに切り替える。DC/DCコンバータ12が降圧モードに切り替わったら、S201へ進む。
【0043】
ここでDC/DCコンバータ12の補足説明をする。
DC/DCコンバータ12は、MOS−FETやIGBT等の半導体スイッチング素子を用いた直流電圧変換器であり、降圧モードと昇圧モードとを備え、12Vと350Vとの間を相互に電圧変換可能となっている。
【0044】
燃料電池スタックの発電を停止させると、高電圧を補機に供給できなくなるため、起動時などは、DC/DCコンバータを昇圧モードとして、図3に示すように、低電圧のバッテリの出力12Vを350Vに昇圧して、350Vを供給し、補機類を駆動する。
【0045】
逆に、燃料電池スタックが発電している時は、DC/DCコンバータを降圧モードとして、350Vを12Vに降圧させて、低電圧バッテリに充電している。
【0046】
燃料電池スタックを停止させる時は、何もしなければ、DC/DCコンバータは降圧モードのままである。イグニッションオフ時は、降圧モードにしておいた場合は、燃料電池スタックが発電を行わないため、DC/DCコンバータの端子に電圧が発生することはない。
【0047】
また、低負荷時に燃料電池スタック停止中にDC/DCコンバータを降圧モードにしておいた場合には、図4に示すように、DC/DCコンバータの出力電圧が立ち上がってから(T1以後)でないと、補機を駆動させることが出来ないので、燃料電池スタックが再起動して所定の電圧を発生させるまでに時間(T2)がかかる。
【0048】
しかし、本発明を適用すると、図5に示すように、低負荷状態になり燃料電池スタックを一時停止させる時に、DC/DCコンバータを昇圧モードに切り替えておくため、燃料電池スタックの再起動の要求が出たら直ちに補機を駆動させることが可能なため、燃料電池スタックが所定の電圧を発生させるまでの時間(T3、T3<T2)が短くなる。
【0049】
以上説明した本発明によれば、以下に示す効果がある。
【0050】
(1)低負荷と判断された時に燃料電池の発電を停止して、電圧変換手段を昇圧モードに切り替えることにより、燃料電池を再起動させた時には、すでに電圧変換手段は昇圧モードで機能しているため、電圧変換手段の出力電圧の上昇を待つ必要がなくなる。
低負荷と判断された時の燃料電池の発電の停止の場合には、イグニッションオフによる通常の停止の場合よりも特に再起動時の起動時間を短縮させる必要があるが、本発明では起動時間を十分短く出来るために、低負荷と判断された時の燃料電池の発電の停止を行うことが出来燃費を向上する。
【0051】
(2)車両が低車速で、ブレーキが踏まれている時は、駆動力を発生させる必要がない時間がしばらく継続する可能性が高いので、この時に燃料電池を停止することでより効果的に、水素消費量を抑えることができる。
【0052】
(3)さらに、シフトポジションがPレンジやNレンジの時は、駆動力を発生させる必要がない時間がしばらく継続する可能性が高いので、この時の燃料電池を停止することでより効果的に、水素消費量を抑えることができる。
【0053】
(4)低負荷時に燃料電池の発電を停止している場合に、低負荷でないとの判断された時には、目標駆動力が出てから補機を作動させていては、補機作動による遅れ分が生じてしまうが、低負荷でないと判断されたら直ちに補機を作動させることにより、補機の動作による遅れがなくなる。
【0054】
(5)コンプレッサや、ポンプやラジエータファンを駆動するモータなどは、消費電力が比較的大きいため、12Vなどの低電圧で駆動するより、350Vなどの高電圧で駆動する方が効率が良いので、電力消費量が少なくなる。
【0055】
(6)イグニッションオフなどにより、システムを停止する時に、燃料電池スタックを停止させる場合は、DC/DCコンバータを降圧モードにしておくので、低電圧バッテリに充電され、次回の起動時に必要な電力を低電圧バッテリから充分に賄うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池搭載車両の制御装置の一実施形態を説明するシステム構成図である。
【図2】 実施形態の制御を説明する状態遷移図である。
【図3】 燃料電池スタック発電停止時にDC/DCコンバータを昇圧モードにした時の電流を説明する図である。
【図4】 従来技術による比較例における(a)アイドル判定、(b)DC/DCコンバータの動作モード、(c)DC/DCコンバータの出力電圧、(d)燃料電池出力電圧を示す図である。
【図5】 実施形態における(a)アイドル判定、(b)DC/DCコンバータの動作モード、(c)DC/DCコンバータの出力電圧、(d)燃料電池出力電圧を示す図である。
【符号の説明】
1…燃料電池スタック
2…加湿器
3…コンプレッサ
4…スロットル
5…高圧水素タンク
6…可変バルブ
7…パージ弁
8…イジェクタ
9…純水ポンプ
10…空気圧力センサ
11…水素圧力センサ
12…DC/DCコンバータ
13…低電圧バッテリ
14…駆動ユニット
15…ブレーキセンサ
16…車速センサ
17…イグニッションSW(IGN SW)
18…インヒビタSW
19…コントローラ
Claims (6)
- 燃料ガスと酸化ガスとを電気化学反応させて電力を得る燃料電池と、
燃料電池の出力電圧近傍の高電圧によって駆動される補機と、
燃料電池の出力電圧よりも低い低電圧のバッテリと、
燃料電池の負荷が低負荷状態であることを判定するアイドル判定手段と、
燃料電池の出力電圧を前記低電圧バッテリの出力電圧相当に降圧する降圧モードと前記低電圧バッテリの出力電圧を燃料電池の出力電圧相当に昇圧する昇圧モードを持ち、降圧モードと昇圧モードを任意に切り替えることのできる電圧変換手段と、
を備えた燃料電池搭載車両の制御装置において、
前記アイドル判定手段が低負荷状態であると判断した時は、燃料電池の発電を停止させ、前記電圧変換手段を昇圧モードに切り替えることを特徴とする燃料電池搭載車両の制御装置。 - 前記アイドル判定手段は、前記車両の速度が所定値以下であり、且つブレーキが操作されている時を低負荷状態と判断することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池搭載車両の制御装置。
- 前記車両は、走行レンジと非走行レンジのシフトポジションを選択可能であり、
前記アイドル判定手段は、前記車両の速度が所定値以下であり、且つシフトポジションが非走行レンジの時を低負荷状態と判断することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池搭載車両の制御装置。 - 前記アイドル判定手段により低負荷状態から低負荷状態でないと判断された時に、直ちに前記補機を駆動させることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の燃料電池搭載車両の制御装置。
- 前記高電圧で駆動される補機は、
燃料電池スタックに酸化ガスを供給するコンプレッサ、燃料電池スタックなどを冷却する冷却水を循環させるポンプを駆動するモータ、加湿器への純水を循環させるポンプを駆動するモータ、ラジエータファンを駆動するモータの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の燃料電池搭載車両の制御装置。 - イグニッションオフによりシステムを停止する時は、前記電圧変換手段を降圧モードにすることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の燃料電池搭載車両の制御装置。
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