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JP3743157B2 - プリンタ - Google Patents

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JP3743157B2
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光平 大沢
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロール紙に印字を行うことが可能なPOS端末等に搭載されるプリンタに関するものである。更に詳しくは、本発明は、印字ヘッドによる印字位置においてロール紙が印字ヘッドの側に湾曲することを阻止可能なプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
POS端末等には一般にロール紙に印字を行うためのプリンタが搭載されている。当該プリンタの印字ヘッドとしてはインクジェットヘッド、ワイヤードットヘッドあるいはサーマルヘッドが用いられている。
【0003】
このようなプリンタの中には、ロール紙と共に単票紙にも印字を行うことの可能なものが知られており、例えば、特開平5ー147284号公報に開示されている。ロール紙および単票紙の双方に印字を行うプリンタでは、小型コンパクト化の点から、双方の搬送機構の駆動源として共通の駆動モータを用いることが望ましい。共通の駆動モータを用いて異なる搬送機構に回転を切り換えて伝達する機構は、例えば、特開平1−249472号公報に開示されている。
【0004】
一方、ロール紙に印字を行うプリンタでは、ロール紙の交換あるいは装填作業を簡単に行うことができるように、プリンタ本体に形成したロール紙装填部を開閉する開閉蓋を全開状態にできるロール紙装填機構が提案されている。例えば、特公平6−79855号公報にはこのようなロール紙装填機構を備えた記録装置が提案されている。ここに開示された記録装置では、サーマルヘッドに押しつけられるプラテンローラ(ロール紙送りローラ)もロール紙装填部の開閉蓋として機能するカバーの先端に取り付けられている。カバーを全開することにより、ロール紙をロール紙装填部に簡単に装着できる。また、カバーを開くことにより、プラテンローラもサーマルヘッドから離れるので、プラテンローラとサーマルヘッドの間にロール紙の巻き出し部分を簡単に配置できる。さらに、カバーを閉じることにより、サーマルヘッドとプラテンローラの間にロール紙が挟まれた状態を自動的に形成できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ロール紙に印字を行う上記構成のプリンタにおいて、印字ヘッドとしてインクジェットヘッドやワイヤードットヘッドを用いる場合には、サーマルヘッドとは異なり、それらのヘッドとロール紙の印字面との間に一定のギャップを形成する必要がある。
【0006】
このギャップが変動すると印字品位が低下するおそれがある。また、ヘッドにロール紙の印字面が接触すると、印字面がインク等により汚れてしまう。さらには、ヘッドによる印字位置の部分でロール紙がジャミングする可能性も出てくる。
【0007】
しかしながら、ロール紙はロール状に巻かれているので、そこから巻き出されるロール紙には巻き癖が付いており、当該ロール紙の紙面に直交する方向に湾曲している。従って、印字ヘッドとプラテンローラのギャップを一定に保持できたとしても、そこを搬送されるロール紙自体が印字ヘッドの側に突き出た状態に湾曲しやすいので、印字ヘッドとロール紙の印字面のギャップが適切な寸法に保持されないおそれがある。
【0008】
ここで、ロール紙の搬送中においては、ロール紙は常にプラテンローラ(ロール紙送りローラ)によって搬送方向に所定の力で引張られているので、ロール紙の湾曲の程度は小さく、それに起因した弊害はそれほど問題とはならない。
【0009】
しかし、ロール紙の搬送を止めると、駆動モータからプラテンローラに回転力を伝達するための歯車列のバックラッシ等が原因となって、その最終段に連結されているプラテンローラは前後に僅かではあるが自由に回転可能な状態になる。また、駆動モータの停止時に、発熱低減化のためにホールド電流をオフにした場合には、当該駆動モータに連結されている歯車列は容易に回転可能な状態になる。
【0010】
このような状態になると、歯車列の最終段に連結されているプラテンローラが回転自在になり、そこを介して搬送されていたロール紙に作用していた引張力が解除されてしまう。この結果、ロール紙に付いている巻き癖等のためにロール紙が緩み、プラテンローラから浮き上がる。これにより、プラテンローラ近傍のロール紙が印字ヘッドの側に大きく湾曲し、ロール紙が印字ヘッドに接触するおそれがある。この結果、ロール紙の表面にインク汚れが発生し、あるいは、大きく湾曲した状態でロール紙の搬送が再開されると、当該印字ヘッドの位置でロール紙がジャミングしてしまうおそれもある。
【0011】
このようなロール紙の浮き上がりは、共通の駆動モータの回転を切り換え手段によって、ロール紙搬送機構および単票紙搬送機構に切り換えて伝達する構成のプリンタにおいて、切り換え手段を単票紙搬送機構に切り換えた場合にも発生する。この切り換えにより、ロール紙搬送機構を構成している歯車列は回転自在な状態となるので、その最終段に連結されているプラテンローラが回転自在の状態となるからである。
【0012】
本発明の課題は、この点に鑑みて、ロール紙が搬送されていない場合等においても当該ロール紙が湾曲して印字ヘッドの側に接触する等の弊害を回避できるプリンタを提案することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、駆動モータと、ロール紙送りローラと、単票紙送りローラと、駆動モータの回転をロール紙送りローラに伝達するためのロール紙搬送用歯車列と、駆動モータの回転を単票紙送りローラに伝達するための単票紙搬送用歯車列と、駆動モータの回転を、ロール紙搬送用歯車列に伝達可能なロール紙駆動位置と単票紙送りローラに伝達可能な単票紙駆動位置との間を移動可能な切り換え用歯車を備えた切り換え手段と、前記ロール紙搬送用歯車列に含まれる歯車に対して、自由回転を拘束するための制動力を付与する回転拘束手段と、印字ヘッドによる印字位置を経由して搬送されるロール紙の印字面部分に、搬送方向に向けて引張力を付与可能な張力付与手段とを有することを特徴としている。
【0014】
このように、歯車列に含まれる少なくとも1個の歯車は、回転拘束手段によって制動力が与えられ、その自由回転が拘束されている。従って、駆動モータが停止した場合等においても、当該歯車には制動力が作用しているので、実質的に回転することはない。この結果、当該歯車を含む歯車列の最終段に連結されているロール紙送りローラも回転しない。よって、ロール紙は、その搬送状態における場合と同様に、所定の引張力が作用した状態に保持され、印字ヘッドの側に湾曲して接触してしまうなどの弊害は発生しない。
【0016】
この構成のプリンタにおいて、駆動モータの回転伝達が単票紙搬送用歯車列の側に切り換わった場合、ロール紙搬送用歯車列に含まれている歯車には制動力が作用しているので、当該歯車列に連結されているロール紙送りローラも回転が拘束される。よって、ロール紙に作用している引張力が解除されることがないので、ロール紙が印字ヘッドの側に浮き上がることはない。
【0017】
一方、ロール紙が印字ヘッドの側に湾曲して印字ヘッドに接触することを防止するだけでなく、ロール紙に対して積極的に引張力を加えて、印字ヘッドとロール紙のギャップを常に一定に保持できるようにすることが望ましい。このためには、上記の構成に加えて、印字ヘッドによる印字位置を経由して搬送されるロール紙の印字部分に、搬送方向に向けて引張力を付与可能な張力付与手段を追加すればよい。
【0018】
ここで、ロール紙装填部の開閉蓋を全開できる構成のプリンタに本発明を適用する場合には、ロール紙が装填されるロール紙装填部と、このロール紙装填部を開閉する開閉蓋とを有し、前記開閉蓋の開閉に連動して前記ロール紙送りローラを動作位置および退避位置に移動するように構成し、前記張力付与手段を用いて、前記ロール紙送りローラが前記動作位置にある場合に前記ロール紙の印字面部分に引張力を付与し、当該ロール紙送りローラが前記退避位置にある場合には当該引張力を解除するようにすればよい。
【0019】
この場合、前記ロール紙送りローラを前記開閉蓋に取り付け、前記開閉蓋には、ロール紙を前記ロール紙送りローラに向けて案内するための紙案内を取り付け、当該開閉蓋を閉じた状態において、前記紙案内と前記ロール紙送りローラの間に、ロール紙の前記印字部分が架け渡されるようにすることができる。
【0020】
このように、ロール紙送りローラが移動する構成のプリンタにおいては、前記ロール紙搬送用歯車列は、前記ロール紙送りローラと一体回転する歯車を含み、当該歯車に直接噛み合っている歯車に対して、前記回転拘束手段により制動力が付与されるように構成することが望ましい。
【0021】
すなわち、ロール紙送りローラが回転しないように拘束するために回転拘束手段を配置するのであるから、なるべく、ロール紙送りローラに近い段の歯車に制動力を付与することが望ましい。しかし、ロール紙送りローラが開閉蓋と共に移動する構成では、ロール紙送りローラと一体回転する歯車は、ロール紙送りローラと一体となって移動するので、当該歯車に対して安定した制動力を付与することは構成上困難な場合がある。そこで、本発明におけるように、当該歯車に噛み合っており、常にプリンタ本体側の固定した位置に取り付けられている歯車に制動力を付与すれば、安定した制動力を加えることができ、しかも、効果的にロール紙送りローラの回転を拘束できる。
【0022】
次に、本発明のプリンタでは、上記の回転拘束手段の代わりに、歯車の回転を阻止する回転阻止手段を備えた構成とすることもできる。この場合には、前記回転阻止手段は、前記駆動モータの回転が前記単票紙搬送用歯車列に伝達されている間、前記歯車の回転を阻止すればよい。
【0024】
なお、本発明のプリンタにおいて、印字ヘッドとしては、インクジェットヘッドあるいはワイヤードットヘッドを採用することができる。
【0025】
また、本明細書において「印字」という用語は、「印刷」および「記録」と同義の用語として使用している。すなわち、単なる文字の印刷だけでなく、その他の模様、記号等の印刷をも含む用語として使用している。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明を適用したインクジェットプリンタの実施例を説明する。
【0027】
(インクジェットプリンタの全体構成)
図1は本発明を適用したインクジェットプリンタの斜視図であり、図2はその紙搬送経路を示す説明図てある。これらの図に示すように、インクジェットプリンタ1は、ロール紙装填機構2と、A4サイズ等の単票紙を挿入する単票紙挿入口3とを有し、ロール紙装填機構2から供給されるロール紙4および単票紙挿入口3から挿入される単票紙5が、それぞれ共通の印字位置11(図における一点鎖線で囲まれた領域)を通って搬送されるように搬送経路が構成されている。
【0028】
ロール紙4は、ロール紙装填機構2に装填されているロール体4Aから巻き出されて、紙案内27と押しつけローラ15の間を通り、印字位置11を経由して、プラテンローラ(ロール紙送りローラ)26と押さえローラ16の間を通って搬送される。このロール紙4の搬送はプラテンローラ26の回転により行われる。
【0029】
これに対して、単票紙4は、単票紙挿入口3から挿入され、紙送りローラ51と従動ローラ52の間を通り、紙送りローラ53と従動ローラ54の間を通り、印字位置11を通過して、紙送りローラ55を経由して搬送される。
【0030】
共通の印字位置11には、平行にガイドシャフト6が配置されており、このガイドシャフト6に沿って、インクジェットヘッド8が搭載されたキャリッジ7が往復移動可能となっている。従って、共通の印字位置11を通過するロール紙4および単票紙5の表面には、インクジェットヘッド8によって所望の印字が行われる。
【0031】
インクジェットヘッド8には、インクチューブ(図示せず)を経由して、ロール紙装填機構2と隣合った位置に搭載されているインク供給部10からインクが供給される。
【0032】
(張力付与手段の構成)
ここで、ロール紙4は、ロール紙装填機構2に装填されているロール状に巻かれたロール体4Aから巻き出され、印字位置11を経由して搬送される。従って、ロール紙には巻き癖が付いており、印字位置11を通過するロール紙の部分はインクジェットヘッド8の側に凸の状態に湾曲する傾向がある。本例では、このようなロール紙の印刷位置11を通過する部分、すなわち印字面部分の湾曲を矯正して平坦な印字面部分を形成するために、張力付与手段を設けてある。
【0033】
図3には、印字位置11を中心とするインクジェットプリンタ1のロール紙搬送経路の主要構成部分を拡大して示してある。図3と図2を参照して、本例の張力付与手段について説明する。
【0034】
これらの図に示すように、ロール体4Aは、後述するロール紙装填部の底面に配置した回転自在な前後一対の支持ローラ13、14によって支持されている。このロール体4Aから巻き出されたロール紙4は、紙案内27と、押しつけ部材としての押しつけローラ15の間を通過し、紙案内27の凸状の湾曲面27aに沿って上方に位置しているプラテンローラ(ロール紙送りローラ)26まで案内される。ロール紙4は、次に、このプラテンローラ26と、これに押しつけられている押さえローラ16の間を通過して外部に排出される。
【0035】
ここで、紙案内27とプラテンローラ26の間に架け渡されているロール紙4の部分は、インクジェットヘッド8による印字位置11に位置している。すなわち、ロール紙4のこの部分が、インクジェットヘッド8により印字が施される印字面部分4Bとなっている。
【0036】
また、後に詳細構造を説明するが、プラテンローラ26と紙案内27は、ロール紙装填機構2の開閉蓋の構成要素であるスライドフレーム25(図6参照)の先端に取り付けられており、当該スライドフレーム25と一体となって移動する。図2および図3は、スライドフレーム25が閉じた状態でのプラテンロール26および紙案内27の位置を示してあり、この位置を、本明細書では、必要に応じて、プラテンローラ26の「動作位置」と呼ぶ。また、スライドフレーム25が開き、それに伴って当該動作位置から後退したプラテンローラ26の位置を、必要に応じて、「退避位置」と呼ぶ。
【0037】
プラテンローラ26は、その動作位置に設定されると、不図示の駆動力伝達機構に連結され、回転駆動されるように構成されている。このプラテンローラ26の外周面には、上記のように、押さえローラ16が一定の弾性力によって押しつけられている。従って、これらのローラ26、16の間に挟まれているロール紙4は、プラテンローラ26の回転に伴って搬送される。
【0038】
ここで、本例の張力付与手段は、押しつけローラ15によって構成されている。この押しつけローラ15は、回転中心軸15aと、この回転中心軸15aに回転自在に支持されたローラ本体15bと、ローラ回転中心軸15aの両端を紙案内27の側に付勢しているばね部材15cを備えている。
【0039】
この押しつけローラ15は、ロール紙4の印字面部分4Bよりも搬送方向上流側の位置において、一定の弾性力で紙案内27の表面27aに押しつけられている。従って、これらの間を通過して、プラテンローラ26の回転力によって引っ張られるロール紙4には、引張力が作用する。すなわち、ロール紙4は一定の弾性力で紙案内27の表面27aに押しつけられているので、それによって発生する摺動摩擦抵抗によって、押しつけローラ15とプラテンローラ26の間に架け渡されているロール紙4の印字面部分4Bには搬送方向に沿って引張力が作用する。
【0040】
この結果、ロール紙4に巻き癖がついていても、インクジェットヘッド8による印字位置11に位置しているロール紙4の印字面部分4Bは引張力によってその湾曲が矯正されて実質的に平坦な面とされる。従って、インクジェットヘッド8と印字面部分4Bのギャップが一定に保持され、ギャップ変動に起因して発生する印字品位の低下、ロール紙表面の汚れ発生、印字位置でのロール紙のジャミング等を回避できる。
【0041】
なお、張力付与手段を紙案内27と押しつけローラ15とにより構成したが、紙案内27の代わりに、回転が一定の制動力により拘束されているブレーキローラを用い、これに押しつけローラ15を押しつけた構成としてもよい。
【0042】
(駆動力伝達機構および回転拘束手段)
次に、図4および図5には、本例のプリンタ1に組み付けられている駆動力伝達機構の概略構成を示してある。この駆動力伝達機構は、単一の駆動モータからの回転を、切り換え手段を介して、ロール紙搬送用歯車列および単票紙搬送用歯車列に伝達し、それぞれ、ロール紙送りローラであるプラテンローラ26、および、単票紙搬送用の紙送りローラ51、53、55を回転駆動するように構成されている。図4においては、理解を容易にするために、プラテンローラ26、紙送りローラ51、53、55の位置を斜線で示してある。
【0043】
また、本例のプリンタ1では、プラテンローラ26の停止時等において、上記の張力付与手段によってロール紙4に付与されている引張力が解除されることがないように、ロール紙搬送用歯車列の回転を拘束する回転拘束手段が備わっている。図5には、当該回転拘束手段の概略構成も示してある。
【0044】
まず、駆動力伝達機構について説明する。駆動力伝達機構は、単一の駆動モータ61と、駆動歯車61aに噛み合っており、このモータ回転をプラテンローラ26に伝達するためのロール紙搬送用歯車列と、モータ回転を単票紙送りローラ51、53、55に伝達するための単票紙搬送用歯車列と、モータ回転をいずれの歯車列に伝達するのかを切り換える切り換え用歯車(切り換え手段)62を備えている。この切り換え用歯車62はモータ出力軸に取り付けた駆動歯車61aに常に噛み合っている。
【0045】
ロール紙用歯車列は、切り換え用歯車62に噛み合い可能な第1の歯車71、この歯車71と同軸状態に連結した第2の歯車72、この第2の歯車72に噛み合っている第3の歯車73、およびこの第3の歯車73に噛み合っているプラテンローラ駆動歯車31とを含んでいる。プラテンローラ駆動歯車31は、プラテンローラ26の回転軸26aの端に同軸状態で連結固定されている。
【0046】
本例では、後述するように、プラテンローラ26はロール紙装填機構2の開閉蓋の構成部品であるスライドフレーム25の先端に取り付けられており、プラテンローラ26が動作位置に位置決めされると、このプラテンローラ26の回転軸26aに取り付けられている駆動歯車31が第3の歯車73に噛み合った状態になる。
【0047】
一方、単票紙搬送用歯車列は、切り換え用歯車62に噛み合い可能な第1の歯車81と、この第1の歯車81と同軸状態に連結した第2の歯車82と、この第2の歯車82に噛み合っている第3の歯車83と、この第3の歯車に噛み合っている第4および第5の歯車84、85と、第4の歯車84に噛み合っている第6の歯車86と、第5の歯車に噛み合ってる第7の歯車87とを備えている。さらに、第6の歯車86に噛み合っている紙送りローラ駆動歯車88と、第3の歯車83に噛み合っている紙送りローラ駆動歯車89と、第7の歯車87に噛み合っている紙送りローラ駆動歯車90とを備えている。紙送りローラ駆動歯車88は、紙送りローラ51に同軸状に連結され、紙送りローラ駆動歯車89は紙送りローラ53に同軸状態に連結され、紙送りローラ駆動歯車90は紙送りローラ55に同軸状態に連結されている。
【0048】
切り換え用歯車62は、その回転中心軸62aに沿って、図5における実線位置(ロール紙駆動位置)と想像線位置(単票紙駆動位置)の間を移動可能であり、この移動は、電磁ソレノイド等から構成される駆動機構(図示せず)によって行われる。
【0049】
図4、図5から分かるように、切り換え用歯車62が実線位置(ロール紙駆動位置)にあると、モータ回転は、第1〜第3の歯車71〜73を介して、最終段の駆動歯車31に伝達され、プラテンローラ26が回転駆動される。この結果、ロール紙4の搬送が行われる。
【0050】
切り換え用歯車62が想像線位置(単票紙駆動位置)にあると、モータ回転は、第1〜第7の歯車81〜87を介して、それぞれ、紙送りローラ駆動歯車88、89、90に伝達され、各紙送りローラ51、53、55が回転駆動される。この結果、単票紙5の搬送が行われる。
【0051】
ここで、ロール紙搬送用歯車列の構成歯車である第3の歯車73には、図5(b)に示すように、回転拘束手段が取り付けられており、常に、回転を拘束する制動力が加えられている。本例の回転拘束手段は、第3の歯車73とプリンタ本体フレーム21の間に配置したスペーサ91と、第3の歯車73の他方の側に配置したブレーキ板92と、このブレーキ板92を押しつけ可能な押しつけレバー93と、このレバー93の中程の位置を支持しているレバー支点部材94と、レバー93の他端に連結されているコイルばね95とを備えている。
【0052】
コイルばね95は伸長状態でレバー93に連結されている。従って、レバー中程の支点部材94を支点として、レバー93の先端部分は、ブレーキ板92を第3の歯車73の側面に向けて押しつける。このブレーキ板92の側圧によって第3の歯車73には当該歯車の回転を拘束する制動力が常に作用している。
【0053】
このように、本例のプリンタ1においては、ロール紙搬送用歯車列の構成歯車である第3の歯車73には、常に、その回転を拘束する制動力が作用している。この制動力は、駆動モータ61の回転によるプラテンローラ26の回転駆動に支障をきたすような大きな力ではないが、ロール紙搬送用歯車列を介して回転力が伝達されていない状態において、当該歯車列の回転を阻止するのに十分な力に設定されている。
【0054】
従って、切り換え歯車62が単票紙駆動位置に切り換わった状態においても、ロール紙搬送用歯車列はその回転が阻止されるので、この最終段に連結されているプラテンローラ26が回転することはない。よって、ロール紙4が緩み、インクジェットヘッド8の側に湾曲して、そのノズル面に付着しているインク等がロール紙表面に付着して汚れが発生することを回避できる。すなわち、ロール紙4への印字を止めて、単票紙5への印字を行うために切り換え用歯車62を切り換えても、前述した張力付与手段によって付与されている引張力がそのままロール紙4に作用した状態を維持できる。
【0055】
ここで、上記のように制動力を付与する理由はプラテンローラ26の回転を阻止するためである。このためには、当該プラテンローラ26に連結されている駆動歯車31に対して直接に制動力を付与すればよい。しかし、本例では、プラテンローラ26および駆動歯車31は、スライドフレーム25に取り付けられ、これと共に移動するので、制動力を付与する機構を取り付けることが困難である。そこで、本例では、フレーム21に取り付けられている歯車のうち、最も、プラテンローラ26に近い歯車73に制動力を付与することにより、効果的にプラテンローラ26の回転を阻止しているのである。
【0056】
(回転拘束手段の別の例)
なお、本例の回転拘束手段の代わりに、回転阻止手段を取り付けることも可能である。回転阻止手段としては、例えば、切り換え用歯車62の切り換え動作に連動して、ロックピン等を第3の歯車73に押しつけて、当該歯車の回転を完全に阻止する構成を採用できる。また、この場合には、駆動モータ61の停止に連動させて、ロックピン等を第3の歯車73に押しつけて、当該歯車の回転を阻止してもよい。
【0057】
(ロール紙装填機構)
次に、本例におけるロール紙装填機構2の構造を詳細に説明する。
【0058】
図6はロール紙装填機構2の部分を取り出して示す斜視図であり、図7〜図10はそのロール紙装填部の開閉動作を示す説明図であり、図11はその部分的構成を示す説明図である。
【0059】
これらの図を参照して説明すると、ロール紙装填機構2は、プリンタ本体フレーム12に取り付けた取付け用フレーム21を有し、この取付け用フレーム21には、ロール紙4が装填されるロール紙装填部22が構成されている。このロール紙装填部22は、一定の幅の半円形湾曲部分22aと、この上方に形成された長方形の開口22bとを備え、当該開口22bからロール紙4の交換、あるいは補充が行われる。
【0060】
このロール紙装填用の開口22bは、蓋フレーム23によって開閉可能となっている。蓋フレーム23は、開口22bとほぼ同一の長方形をした天板部分23aと、この天板部分23aの左右から直角に下方に折れ曲がった一定の高さの側板部分23b、23cとを備えている。側板部分23b、23cの後端部分は下方に向けて折れ曲がっており、その下端23d、23e(図においては下端23dのみを示す。)は、旋回中心を規定するシャフト24によって回転自在に支持されている。シャフト24の両端は、取付け用フレーム21によって支持されている。従って、蓋フレーム23は、シャフト24を中心として、ロール紙装填部22のロール紙装填用の開口22bを閉鎖した閉鎖位置(図7に示す状態)と、当該開口22bを全開状態にした開放位置(図10に示す状態)との間を旋回可能となっている。
【0061】
この構成の蓋フレーム23にはスライドフレーム25が取付けられている。このスライドフレーム25は、当該蓋フレーム23と一体となって旋回すると共に、当該蓋フレーム23に対してスライド可能となっており、その先端には、プラテンローラ26および当該プラテンローラ26にロール紙4を導く紙案内27が取付けられている。このように、本例では、蓋フレーム23とスライドフレーム25によって、ロール紙装填部22の開閉蓋が構成されている。
【0062】
まず、図11を参照して、スライドフレーム25が蓋フレーム23に対してスライド可能に取り付けられている構成を説明する。スライドフレーム25は、蓋フレーム23の天板部分23aの裏面側に接触している長方形の天板部分25aと、この天板部分25aの両側から直角に下方に折れ曲がっている一定の高さの側板部分25b、25cとを備えている。天板部分25aには、その前後方向に向けて案内用スリット25d、25fが形成され、これらのスリットには、蓋フレーム23の表面板部分23aに固定したガイドピン23q、23rが貫通している。各ガイドピン23q、23rの下端側には止め輪23h、23iが取付けられ、これによって、スライドフレーム25は蓋フレーム23の裏面にスライド可能な状態に取付けられている。
【0063】
また、後方側のガイドピン23rと、スライドフレーム25の前方側の部分に形成したばね掛け25gとの間には、コイルばね23gが架け渡されており、このコイルばね23qのばね力によって、スライドフレーム25は常に後方に向けて付勢されている。
【0064】
次に、図6から分かるように、スライドフレーム25の側板部分25b、25cの前端25h、25iの間には、プラテンローラ26が架け渡されており、このプラテンローラ26の支軸両端部分が前端25h、25iによって回転自在に軸支されている。このプラテンローラ26の下側には、当該プラテンローラ26の外周面から接線方向に向けて凸円弧状の表面形状をした紙案内27が取付けられている。
【0065】
ここで、スライドフレーム25の先端に支持されているプラテンローラ26がその動作位置に設定されると、このプラテンローラ26の外周面に、プリンタ本体側に取り付けられている押さえローラ16が一定の弾性力を伴って押しつけられた状態が形成される。すなわち、押さえローラ16は、その回転中心軸16aがブラテンローラ26に対して接近および離れる方向の僅かに移動可能となっていると共に、ばね力によって常時プラテンローラ26の側に付勢されている。従って、プラテンローラ26がばね力に抗してその動作位置に位置決めされると、一定のばね力によって、プラテンローラ26の外周面は、ロール紙4を挟み、押さえローラ16により押しつけれた状態となる。この結果、プラテンローラ26を回転駆動すると、これらのローラの間に挟まれているロール紙4を搬送することが可能になる。
【0066】
同様に、プラテンローラ26と共にスライドフレーム25の先端に取り付けられている紙案内27の表面27aも、プラテンローラ26が動作位置に到ると、プリンタ本体側に取り付けられている押しつけローラ15を弾性力に抗して移動させる。この結果、紙案内27の表面27aも、ロール紙4を挟み、一定の弾性力で、押しつけローラ15によって押しつけられた状態になる。
【0067】
次に、蓋フレーム23の上側には、一回り大きな寸法のカバーフレーム28が配置されている。このカバーフレーム28は、天板部分28aと、その両側から下方に向けて直角に折れ曲がっている側板部分28b、28cとを備えており、側板部分28b,28cの後端部分は下方に延びて、シャフト24によって回転自在に支持されている。このカバーフレーム28を旋回させると、スライドフレーム25が取付けられている蓋フレーム23が連動して旋回するように構成されている。また、蓋フレーム23がロール装填用の開口22bを封鎖した状態(図8に示す状態)に至った後は、当該カバーフレーム28は、単独で旋回可能となっている。このカバーフレーム28の単独旋回運動によって、スライドフレーム25は蓋フレーム23に対して前後方向にスライド運動を行う。
【0068】
カバーフレーム28の単独旋回運動をスライドフレーム25のスライド運動に変換するリンク機構29は、カバーフレーム28の側板部分28b、28cの後側上端部分の間に架け渡した連結シャフト28dと、この連結シャフト28dが貫通しているスライドフレーム25の後端部分の3箇所に形成した連結孔25jとを備えている。この連結孔25jはカバーフレーム28の単独旋回運動を阻害しないように、縦に長い長孔形状をしている。従って、図8に示すように蓋フレーム23がロール紙装填用の開口22bを封鎖した状態での連結シャフト28dの位置は、更にカバーフレーム28を旋回させて図7に示すように水平状態まで旋回させたときには、旋回中心を規定するシャフト24を中心として前方および下方に移動した位置となる。
【0069】
連結シャフト28dは、上下に長い連結孔25jに沿って下方に向けて自由に移動すると共に、当該連結孔25jを前方に押して移動させる。この結果、この連結孔25jが形成されているスライドフレーム25は全体として前方に押し出される。すなわち、蓋フレーム23に対して前方にスライドして、その前端に支持されているプラテンローラ26および紙案内27が前方に突出して、インクジェットヘッド8による印刷位置11に現れ、インクジェットヘッド8に対して一定のギャップを保って対峙した状態(動作位置)になる。
【0070】
逆に、カバーフレーム28を図7に示す水平位置から図8に示す位置まで上方に旋回させると、上記とは逆に、スライドフレーム25が全体として後方にスライドして、その先端のプラテンローラ26および紙案内27は、動作位置から後退した後退位置まで移動する。
【0071】
ここで、前述したように、スライドフレーム25はコイルばね23gによって、後退する方向に弾性力によって付勢されている。従って、図7に示すようにカバーフレーム28を水平となるまで閉じた後にカバーフレーム28の押しつけ力を解除すると、コイルばね23gの引っ張り力によって、スライドフレーム25はその後退位置まで戻る。このスライド運動に連動してカバーフレーム28も開く方向に旋回して図8に示す状態に戻ってしまう。
【0072】
カバーフレーム28を図7に示す閉じ位置にロックするために、カバーフレーム28の前端部分には左右一対の係合爪28g、28hが取付けられている。カバーフレーム28を閉じた状態において、これらの係合爪28g、28hの先端に形成したフックが対峙する取付け用フレーム21の前側部分には、当該フックが下側から旋回して係合可能な被係合部21gが形成されている。係合爪28g、28hは、ねじりばね(図示せず)によってフックが上方に旋回する方向に向けて常に付勢されている。
【0073】
従って、カバーフレーム28を図7に示すように閉じた後に、更に、押し込むと、係合爪28g、28hがばね力に抗して反対側に僅かに旋回して、その下端のフックが下側から取付けフレーム21の側の被係合部21gに係合してロック状態が形成される。ロックを解除するためには、係合爪28g、28hの上端部分28iを引き上げて、下端のフックを下方に旋回させればよい。
【0074】
次に、本例のロール紙装填機構2においては、上記のようにカバーフレーム28を閉じた状態において、スライドフレーム25の先端のプラテンローラ25の位置(動作位置)を精度良く位置決めするための機構が備わっている。すなわち、スライドフレーム25の側板部分25b、25cの前端部分には、左右に向けて水平に突出した位置規定用の位置決めピン25k、25l(図6においてはピン25kのみを示す。)が取付けられている。これに対して、スライドフレーム25を閉じた状態において、これらの位置決めピン25k、25lに対峙する取付けフレーム21の部分には、これらの位置決めピン25k、25lが横方向から丁度嵌まり込む半円形の溝21k、21lが形成されている。
【0075】
これらの溝21k、21lは固定した位置に形成されているので、スライドフレーム25の位置決めピン25k、25lがこれらの溝21k、21lに嵌まることにより、スライドフレーム25の先端のプラテンローラ26の位置(動作位置)が常に正確に規定される。従って、このプラテンローラ25の外周面が位置している印刷面11に対して所定のギャップを保って左右に往復移動するインクジェットヘッド8のインクノズル面と、プラテンローラ26との間に常に一定のギャップが形成される。
【0076】
なお、取付け用フレーム21の両側壁21b、21c(図6においては21bのみを示す。)と、蓋フレーム23の両側の側板部分23b、23cとの間には、それぞれ、コイルばね23j、23k(図においてはばね23jのみを示す。)が架け渡されている。シャフト24を中心としてカバーフレーム28、スライドフレーム25および蓋フレーム23を開閉する場合に、これらの重心位置がシャフト24の直上に至った図9に示す旋回位置を通過した後は、これらのコイルばね23j、23kの両端のばね掛け部分の旋回軌跡が広がるように、これらのコイルばね23j、23kが配置されている。
【0077】
従って、図9に示す旋回位置を超えて更にカバーフレーム28を開く場合には、これらのコイルばね23j,23kが伸長するので、カバーフレーム28を閉じる方向に付勢する引っ張り力が作用する。この結果、カバーフレーム28等が勢いよく開いて、他の部分に衝突してしまうという弊害を回避できる。
【0078】
逆に、図9に示す旋回位置を超えてカバーフレーム28を閉じる場合にも、これらのコイルばね23j、23kのばね力によって、カバーフレーム28が勢いよく閉じて、ロール紙装填部の開口22bに衝突してしまうという弊害を回避できる。
【0079】
(ロール紙装填機構の動作)
図7〜図10を参照して、ロール紙装填機構2におけるロール紙装填部22の開閉動作を纏めて説明する。まず、図7に示すようにロール紙装填部22が閉じている状態において係合爪28g、28hに連結されている上端部分28iを上方に引くと、係合爪28g、28hがフレーム21の側の被係合部21gから外れてロックが解除される。この結果、カバーフレーム28、スライドフレーム25および蓋フレーム23は一体となって図8に示す位置まで旋回して開く。この旋回動作は、主としてスライドフレーム25と蓋フレーム23の間に架け渡してあるコイルばね23gのばね力によって行われる。
【0080】
この後は、カバーフレーム28を、コイルばね23j、23kのばね力に抗して後方に旋回させると、図9の状態を経て、図10に示すように、ロール紙装填部22の開口22bが全開状態になる。すなわち、開口22bの上方から、カバーフレーム28、スライドフレーム25、蓋フレーム23のいずれもが退避した状態になる。
【0081】
この全開状態となった後に、ロール紙装填部22aに装填されているロール紙4の交換作業を行う。開口22bは全開状態なので、ロール紙4の交換作業は簡単である。また、プラテンローラ26、紙案内27もスライドフレーム25と共に退避しているので、ロール紙4の巻き出し部分4aを配置する作業も簡単に行うことができる。
【0082】
ロール紙4を装填した後は、カバーフレーム28を閉じる方向に旋回させる。この操作によって、カバーフレーム28、スライドフレーム25および蓋フレーム23は一体となって旋回して、図9の状態を経て、図8に示すように、蓋フレーム23が開口22bを封鎖した状態になる。この後は、蓋フレーム23は開口22bの縁に係合して、それ以上は旋回しない。従って、この蓋フレーム23にスライド可能に取付けられているスライドフレーム25もそれ以上は旋回しない。よって、この後は、カバーフレーム28のみが単独で旋回することになる。カバーフレーム28を押して図7に示す位置まで旋回させると、この旋回運動が、リンク機構29を介して、スライドフレーム25のスライド運動に変換される。すなわち、スライドフレーム25は蓋フレーム23に対して前方にスライドして、その前端に支持されているプラテンローラ26、紙案内27がインクジェットヘッド8に対して一定のギャップを保って対峙した位置(動作位置)に到る。スライドフレーム25が前方にスライドすると、スライドフレーム25の両端の位置決めピン25k、25lが取付けフレーム21の側の溝21k、21lに嵌まり、そのスライド位置が固定される。換言すると、プラテンローラ26および紙案内27が予め設定されている対峙位置に保持され、インクジェットヘッド8との間に一定のギャップが形成された状態になる。
【0083】
なお、この状態においては、プラテンローラ26の一端に連結されている従動側歯車31が、取付けフレーム21の側に配列されている駆動側歯車(図示せず)にかみ合った状態になる。従って、駆動側歯車が回転すると、プラテンローラ26が回転して、ロール紙4の巻き出し部分4aが搬送方向(矢印方向)に向けて搬送され、この搬送動作に同期させてインクジェットヘッド8により所定の印字動作が行われることになる。
【0084】
(その他の実施の形態)
上記の説明は、インクジェットプリンタに対して本発明を適用した実施の形態に関するものである。本発明は印字ヘッドとしてインクジェットヘッド以外の形式の印字ヘッド、例えば、ワイヤードットヘッドを備えたプリンタに対しても同様に適用できる。
【0085】
また、上記のインクジェットプリンタでは、ロール紙と共に単票紙に対しても印字を行う構成となっているが、一般的に使用されているロール紙のみに印字を行うPOS端末等に搭載されるプリンタに対しても本発明を同様に適用できることは勿論である。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のプリンタは、回転拘束手段あるいは回転阻止手段を備えており、ロール紙を搬送するためのロール紙送りローラに回転駆動力が伝達されていない状態では当該ローラの回転を阻止できるようになっている。従って、当該ロール紙送りローラが回転して、そこに架け渡されているロール紙が緩み、当該ローラから浮き上がって印字ヘッドの側に湾曲することを防止できる。この結果、ロール紙の浮き上がりにより、当該ロール紙が印字ヘッドに接触してインク汚れが発生したり、あるいは、当該印字ヘッドの部分でロール紙がジャミングしてしまう等の弊害を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェトプリンタを示す斜視図である。
【図2】図1のインクジェットプリンタにおける紙搬送経路を示す説明図である。
【図3】図1のインクジェットプリンタにおけるロール紙に引張力を付与するための張力付与手段の構成を示す構成図である。
【図4】図1のインクジェットプリンタにおける駆動力伝達機構を示す概略構成図である。
【図5】(a)は 図1のインクジェットプリンタにおける駆動力伝達機構を示す概略構成図、(b)は回転拘束手段の構成を示す概略構成図である。
【図6】図1のインクジェットプリンタにおけるロール紙装填機構を取り出して示す部分斜視図である。
【図7】図6のロール紙装填機構のロール紙装填部が閉じた状態を示す説明図である。
【図8】図6のロール紙装填機構のロール紙装填部を閉じているカバーフレームのロックが解除された後の状態を示す説明図である。
【図9】図6のロール紙装填機構のカバーフレームがほぼ垂直になるまで開いた状態を示す説明図である。
【図10】図6のロール紙装填機構のロール紙装填部を全開にした状態を示す説明図である。
【図11】図6のロール紙装填機構における蓋フレームに対するスライドフレームの取付け状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ
2 ロール紙装填機構
3 単票紙挿入口
4 ロール紙
4a ロール紙の巻き出し部分
4A ロール体
4B ロール紙の印字面部分
5 単票紙
6 ガイドシャフト
7 キャリッジ
8 インクジェットヘッド
10 インク供給部
11 印字位置
12 プリンタ本体フレーム
13、14 ロール体支持ローラ
15 押しつけローラ(押しつけ部材)
15a 回転中心軸
15b ローラ本体
15c ばね部材
16 押さえローラ
16a 回転中心軸
16b ローラ本体
16c ばね部材
21 取付けフレーム
22 ロール紙装填部
22b ロール紙装填部の開口
23 蓋フレーム
24 旋回中心を規定するシャフト
25 スライドフレーム
25j 連結孔
26 プラテンロール
27 紙案内
27a 紙案内の表面
28 カバーフレーム
28d 連結シャフト
29 リンク機構
31 駆動歯車
51、53、55 紙送りローラ
61 駆動モータ
62 切り換え用歯車
71〜73 ロール紙搬送用歯車列を構成している歯車
81〜87 単票紙搬送用歯車列を構成している歯車
88、89、90 駆動歯車
92 ブレーキ板
93 レバー
94 支点部材
95 コイルばね

Claims (9)

  1. 駆動モータと、
    ロール紙送りローラと、
    単票紙送りローラと、
    前記駆動モータの回転を前記ロール紙送りローラに伝達するためのロール紙搬送用歯車列と、
    前記駆動モータの回転を前記単票紙送りローラに伝達するための単票紙搬送用歯車列と、
    前記駆動モータの回転を、前記ロール紙搬送用歯車列に伝達可能なロール紙駆動位置と前記単票紙送りローラに伝達可能な単票紙駆動位置との間を移動可能な切り換え用歯車を備えた切り換え手段と、
    前記ロール紙搬送用歯車列に含まれる歯車に対して、自由回転を拘束するための制動力を付与する回転拘束手段と、
    印字ヘッドによる印字位置を経由して搬送されるロール紙の印字面部分に、搬送方向に向けて引張力を付与可能な張力付与手段とを有し、
    前記切り換え用歯車が前記単票紙駆動位置にあっても、前記回転拘束手段により前記ロール紙送りローラの回転が拘束され、前記張力付与手段により前記ロール紙の印字面部分に付与される前記引張力が保持されることを特徴とするプリンタ。
  2. 請求項1において、
    ロール紙が装填されるロール紙装填部と、このロール紙装填部を開閉する開閉蓋とを有し、前記開閉蓋の開閉に連動して前記ロール紙送りローラが動作位置および退避位置に移動するようになっており、
    前記張力付与手段は、前記ロール紙送りローラが前記動作位置にある場合に前記ロール紙の印字面部分に引張力を付与し、当該ロール紙送りローラが前記退避位置にある場合には当該引張力を解除することを特徴とするプリンタ。
  3. 請求項2において、
    前記ロール紙送りローラは前記開閉蓋に取り付けられ、当該開閉蓋を閉じると前記動作位置に到るようになっており、
    前記開閉蓋には、ロール紙を前記ロール紙送りローラに向けて案内するための紙案内が取り付けられており、
    当該開閉蓋を閉じた状態において、前記紙案内と前記ロール紙送りローラの間に、ロール紙の前記印字面部分が架け渡されることを特徴とするプリンタ。
  4. 請求項2または3において、
    前記ロール紙搬送用歯車列は、前記ロール紙送りローラと一体回転する歯車を含み、当該歯車に直接噛み合っている歯車に対して、前記回転拘束手段により制動力が付与されることを特徴とするプリンタ。
  5. 駆動モータと、
    ロール紙送りローラと、
    単票紙送りローラと、
    前記駆動モータの回転を前記ロール紙送りローラに伝達するためのロール紙搬送用歯車列と、
    前記駆動モータの回転を前記単票紙送りローラに伝達するための単票紙搬送用歯車列と、
    前記駆動モータの回転を、前記ロール紙搬送用歯車列に伝達可能なロール紙駆動位置と前記単票紙送りローラに伝達可能な単票紙駆動位置との間を移動可能な切り換え用歯車を備えた切り換え手段と、
    前記ロール紙搬送用歯車列に含まれる歯車の回転を阻止可能な回転阻止手段であって、前記駆動モータの回転が前記単票紙搬送用歯車列に伝達されている間は、前記ロール紙搬送用歯車列に含まれる歯車の回転を阻止するものと、
    印字ヘッドによる印字位置を経由して搬送されるロール紙の印字面部分に、搬送方向に向けて引張力を付与可能な張力付与手段とを有し、
    前記切り換え用歯車が前記単票紙駆動位置にあっても、前記回転阻止手段により前記ロール紙送りローラの回転が阻止され、前記張力付与手段により前記ロール紙の印字面部分に付与される前記引張力が保持されることを特徴とするプリンタ。
  6. 請求項5において、
    ロール紙が装填されるロール紙装填部と、このロール紙装填部を開閉する開閉蓋とを有し、前記開閉蓋の開閉に連動して前記ロール紙送りローラが動作位置および退避位置に移動するようになっており、
    前記張力付与手段は、前記ロール紙送りローラが前記動作位置にある場合に前記ロール紙の印字面部分に引張力を付与し、当該ロール紙送りローラが前記退避位置にある場合には当該引張力を解除することを特徴とするプリンタ。
  7. 請求項6において、
    前記ロール紙送りローラは前記開閉蓋に取り付けられ、当該開閉蓋を閉じると前記動作位置に到るようになっており、
    前記開閉蓋には、ロール紙を前記ロール紙送りローラに向けて案内するための紙案内が取り付けられており、
    当該開閉蓋を閉じた状態において、前記紙案内と前記ロール紙送りローラの間に、ロール紙の前記印字面部分が架け渡されることを特徴とするプリンタ。
  8. 請求項6または7において、
    前記ロール紙搬送用歯車列は、前記ロール紙送りローラと一体回転する歯車を含み、当該歯車に直接噛み合っている歯車が、前記回転阻止手段により回転が阻止されることを特徴とするプリンタ。
  9. 請求項1ないし8のうちのいずれかの項において、
    印字ヘッドとして、インクジェットヘッドあるいはワイヤードットヘッドを備えていることを特徴とするプリンタ。
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