JP3742859B2 - 空気調和装置の室内機、および空気調和装置 - Google Patents
空気調和装置の室内機、および空気調和装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和装置の室内機、および空気調和装置、特に、ペア型/マルチ型兼用の室内機に関する。
【0002】
【従来の技術】
室内機と室外機とに分けられたセパレート式の空気調和装置には、1台の室外機に対して1台の室内機だけを接続するペア型の空気調和装置と、1台の室外機に対して並列に複数の室内機を接続するマルチ型の空気調和装置とが存在する。
【0003】
このうち、複数の室内機を有する多室用マルチ型の空気調和装置では、室外機の暖房運転時において、サーモOFF等によって停止している室内機であっても微少の冷媒を流す制御が行われている。これは、停止している室内機に対して冷媒を流さない場合には、自然対流による室内熱交換器の放熱によりその室内機内で冷媒が凝縮・液化し、運転している室内機に対して十分な冷媒が送れずガス欠状態が発生する恐れがあるからである。
【0004】
そして、マルチ型の空気調和装置では、室外機の暖房運転時において微少の冷媒を流す停止室内機に対し、送風運転を禁止する制御を行っている。このように制御する1つ目の理由は、室外機が暖房運転を行っているときに室内機側で送風運転を行うと、自然と室内温度が上がってしまうことである。また、2つ目の理由としては、微少流量しか室内機に冷媒が流れていないため、送風運転を行うと冷媒循環量に対する凝縮能力が大きくなり、送風運転を行う室内機に液化した冷媒が滞留して、運転している室内機がガス欠状態となることが挙げられる。
【0005】
このように室外機の暖房運転時には停止室内機での送風運転が禁止されており、室内機において送風運転という操作を行ったときには、例えばモードバッティング(異モード)ということを示す表示(運転LEDの点滅表示)が室内機において為される。
【0006】
一方、ペア型の空気調和装置では、一般的に暖房運転時においても送風運転が可能とされている。これは、ペア型の空気調和装置が、業務用ではなく一般の家庭において使用する一般ユーザー向けとなることが多く、量販店などの店頭展示において送風運転が求められる傾向が強いためである。また、ペア型の空気調和装置の場合には、特に送風運転を禁止する理由もない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、セパレート式の空気調和装置には、ペア型およびマルチ型の空気調和装置が存在する。そして、ペア型の空気調和装置の室内機とマルチ型の空気調和装置の室内機とでは、暖房運転時における送風運転の要否が異なっている。このため、概ね同様の構成を備える室内機であっても、従来においては、別のものとして、それぞれ設計および生産を行っている。
【0008】
これに対して、両者の設計および生産を合わせることで、別々に設計および生産を行っていることによるコスト高を抑えることが考えられる。ペア型およびマルチ型の両方の空気調和装置に共通の室内機ができれば、すなわち、空気調和装置の室内機をペア型・マルチ型で共用できるようにすれば、コストダウンが容易となる。
【0009】
しかし、ここで問題となるのが、暖房運転時における送風運転の要否の違いである。この問題に対し、従来から、室外機からの伝送データ(室外機がペア型のものかマルチ型のものかを示すデータ)を基に送風運転を行うか否かを室内機側で判断する方法が存在する。ただ、この方法では、何らかの原因で室内機と室外機とが伝送不能に陥ったときに、室内機が送風運転の可否を判断できなくなってしまう。例えば、店頭展示においては、一般に室内機と室外機とが接続されておらず、伝送不能の状態となることが多い。このような場合を想定して伝送不能時に強制的に送風運転が可能になるように設定すると、マルチ型の室内機として使用した場合に上記の運転室内機がガス欠状態になるという不具合が発生してしまう。反対に、伝送不能時に強制的に送風運転ができなくなるように設定すると、ペア型の室内機として店頭展示される際に送風運転ができなくなってしまう。
【0010】
これに対して、特開平2−101342号公報や特開2001−272078号公報に、ペア型用とマルチ型用との両方の制御機能を室内機に持たせたり、デモモード制御を別個に持たせたりする技術が開示されているが、いずれも制御部の負担や記憶部の容量が大きくなってしまう恐れがある。
【0011】
本発明の課題は、ペア型およびマルチ型の両方の空気調和装置に使用できるような室内機であって、簡易な構成で且つ室外機との伝送不能時にも適切な送風運転の可否判断をすることができる室内機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る空気調和装置の室内機は、室外機と接続されることによって空気調和装置を構成する室内機であって、制御部と、第1記憶部と、第2記憶部とを備えている。制御部は、送風運転の制御が可能である。第1記憶部は、室外機との通信が可能になったときに、室外機からの伝送情報に基づいて、送風運転の可否に関する第1データを記憶する。この第1記憶部は、不揮発性であり、電源を切断しても記憶内容を保持する。第1記憶部として、例えば、フラッシュメモリなどのEEP−ROMを使うことができる。第2記憶部は、揮発性であり、室外機との伝送が正常に成立しているときに、室外機からの伝送情報に基づいて、送風運転の可否に関する第2データを記憶する。また、制御部は、第1記憶部にあるデータを参照して、送風運転を禁止するか否かを判断することができる。そして、制御部は、室外機との伝送が可能な状態のときには第2記憶部にあるデータを基に送風運転を禁止するか否かを判断し、室外機との伝送が不可能な状態のときには第1記憶部にあるデータを基に送風運転を禁止するか否かを判断する。
【0013】
ここでは、試運転時などにおいて室外機と室内機との通信が可能になったときに、すなわち最初に室外機と室内機との伝送が確立されたときに、室外機から室内機へと伝送情報が流れ、それに基づき送風運転の可否に関する第1データが不揮発性の第1記憶部に記憶される。したがって、室内機と室外機とが一度でも通信可能となれば、そのときに第1記憶部内に第1データが記憶され、その内容は電源が切れても保存される。
【0014】
そして、制御部は、第1記憶部にあるデータを参照して、送風運転を禁止するか否かを判断することができる。したがって、室外機と室内機とが接触不良や伝送線のノイズなどが原因で伝送不能に陥り、空気調和装置(室外機)がペア型であるかマルチ型であるかが伝送データによって判断できない場合でも、制御部は、第1データを参照して適切に送風運転の可否を判断できることになる。また、制御部を含む室内機の構成は比較的簡易である。
【0015】
なお、送風運転が否であると判断された場合には、室内機の送風運転を禁止するとともに、室内機で他の運転が行われているときにサーモOFFなどの条件によって送風状態となることも禁止することが望ましい。すなわち、サーモOFF時には、ファンの回転を止めることが望ましい。
【0016】
さらに、ここでは、室内機と室外機との伝送が正常に成立しているときには、室外機の運転状態などを考慮したより的確な送風運転の可否の情報に基づいて制御を行うことができるよう、第2記憶部にあるデータに基づいて送風運転を禁止するか否かを決めている。一方、室内機と室外機との伝送が不可能になったときには、室外機の状態が変わっても室内機側では認識できなくなっており、第2記憶部のデータでは的確な判断ができない可能性もあるため、第1記憶部にあるデータを基に送風運転を禁止するか否かを判断している。
【0017】
なお、上記の請求項1に係る室内機の制御部は、室内機と室外機とが伝送不能に陥った際に、第1記憶部にあるデータを直接読むのではなく、第1記憶部にある第1データを第2記憶部に移し、第2記憶部から第1データを読み出して送風運転の可否を判断するものであってもよい。
【0018】
また、電源が切れて第2記憶部のデータが消えても第1記憶部のデータは記憶され続けるため、どんな場合にも最低限の送風運転の可否判断は可能である。これに鑑み、ここでは、比較的低コストの揮発性メモリを第2記憶部として用いている。
【0019】
請求項2に係る空気調和装置の室内機は、請求項1に記載の室内機であって、室外機と接続される前の状態において、第1記憶部には、送風運転を許可する内容の初期データが記憶されている。
【0020】
最初に室外機と室内機との伝送が確立される前に、ペア型の空気調和装置の室内機においては、店頭展示に供されることがある。この場合には、店頭展示時には未だ一度も室外機と室内機との通信が為されていないことが多いため、適切な送風運転可否の情報(この場合にはペア型の室内機に適合した情報)が室外機から室内機へと伝わっておらず、第1記憶部内に第1データが存在しない。
【0021】
しかし、請求項2の室内機では、室外機と接続される前の状態において、第1記憶部に送風運転を許可する内容の初期データが記憶されているため、その初期データを参照して制御部が送風運転を行わせることができる。すなわち、請求項2の室内機は、最初に室外機と室内機との伝送が確立される前において、送風運転ができるように設定されている。これにより、店頭展示に供された場合に、室外機に接続されていない状態で室内機が送風運転を行うことができるようになる。
【0022】
請求項3に係る空気調和装置の室内機は、請求項1又は2に記載の室内機であって、下記のそれぞれの場合で第1データの内容が異なる。まず、室外機がペア型の空気調和装置において用いられる室外機である場合、第1データは、送風運転を許可する内容である。そして、室外機がマルチ型の空気調和装置において用いられる室外機である場合には、第1データは、送風運転を禁止する内容である。なお、ペア型の空気調和装置とは、1台の室外機に対して1台の室内機が接続される空気調和装置であり、マルチ型の空気調和装置とは、1台の室外機に対して複数台の室内機が接続される空気調和装置である。
【0023】
ここでは、ペア型の空気調和装置の室内機では、第1データが送風運転を許可する内容となり、マルチ型の空気調和装置の室内機では、第1データが送風運転を禁止する内容となる。したがって、同じ室内機を、ペア型の空気調和装置の室内機としても、マルチ型の空気調和装置の室内機としても使用することができる。ペア型の空気調和装置の室内機として使う場合には、第1データが送風運転を許可する内容であり、デメリットもないのに送風運転ができないといった状態が発生することがなくなる。また、マルチ型の空気調和装置の室内機として使う場合には、停止している室内機で送風運転が行われ運転している室内機がガス欠状態になるという不具合が発生することがなくなる。
【0024】
請求項4に係る空気調和装置の室内機は、室外機と、室外機に接続される複数の請求項1に記載の室内機とを備えるマルチ型の空気調和装置である。この空気調和装置では、第2データは、室外機の暖房運転時には送風運転を禁止する内容であり、室外機の冷房運転時および室外機の停止時には送風運転を許可する内容である。
【0025】
マルチ型の空気調和装置であっても、室外機が暖房運転ではなく冷房運転をしていたり停止していたりする場合には、送風運転を行っても問題はない。これに鑑み、ここでは、室外機の暖房運転時にのみ送風運転を禁止する内容の第2データを第2記憶部に記憶させ、そのデータを基に送風運転を禁止するか否かを判断するように構成している。これにより、マルチ型の空気調和装置の室内機を使うユーザーは、室外機の暖房運転時には送風運転が拒否されるが、室外機が止まっていたり冷房運転をしていたりする状態においては室内機の送風運転を享受することができるようになる。
【0026】
請求項5に係る空気調和装置は、室外機と、室外機に接続される1台の請求項1に記載の室内機とを備えるペア型の空気調和装置である。この空気調和装置では、第2データは、常時、送風運転を許可する内容である。
【0027】
ペア型の空気調和装置においては、室外機がどのような状態であっても、室内機の送風運転による不具合は特に存在しない。これに鑑み、ここでは、送風運転を常時許可する内容の第2データを第2記憶部に記憶させ、そのデータを基に送風運転を禁止するか否かを判断するように構成している。これにより、ペア型およびマルチ型の空気調和装置で共用できる室内機を、ペア型の空気調和装置の室内機として使うユーザーが、送風運転を享受することができないといった現象がなくなる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態に係る室内機は、図1および図2に示すようなマルチ型の空気調和装置1にも、図3に示すようなペア型の空気調和装置11にも適用可能な、ペア/マルチ共用機である。すなわち、マルチ型の空気調和装置1の室内機3a〜3dも、ペア型の空気調和装置11の室内機3eも、全く同じ設計で同じ生産ラインにより製造されており、同じ構成である。
【0029】
<マルチ型の空気調和装置の構成>
図1に示す空気調和装置1は、1台の室外機2に対して複数の室内機3a〜3dが接続される、いわゆるマルチ型の空気調和装置である。この空気調和装置1では、1台の室外機2に対して4台の室内機3a〜3dが、冷媒配管や伝送線4a〜4dを介して接続されている。4台の室内機3a〜3dは、例えば、家庭内やビル内、店舗内において、それぞれ別の部屋に配置される。
【0030】
このマルチ型の空気調和装置1の冷媒回路5を、図2に示す。冷媒回路5は、1台の室外機2と、室外機2に並列に接続された4台の室内機3a,3b,3c,3dと、冷媒配管とにより構成されている。
【0031】
室外機2は、圧縮機20、四路切換弁21、室外熱交換器22、アキュムレータ23などを備えている。圧縮機20の吐出側には、圧縮機20の吐出側の吐出管温度を検知するための吐出管サーミスタ24が取り付けられている。また、室外機2には、外気温度を検知するための外気サーミスタ25と、室外熱交換器22の温度を検知するための室外熱交サーミスタ26とが設けられている。
【0032】
室内機3aは、互いに直列に接続された室内熱交換器30aおよび電動弁33aを備えている。電動弁33aは、室内熱交換器30aの出口側に設けられており室内熱交換器30aに流れる冷媒量を調整する。また、室内機3aは、室内温度を検知するための室温サーミスタ31aと、室内熱交換器30aの温度を検知するための室内熱交サーミスタ32aとをそれぞれ備えている。室内熱交換器30aと電動弁33aとの間の配管には、室内熱交換器30aと電動弁33aとの間の液管温度を検知するための液管サーミスタ34aが設けられている。室内熱交換器30aのガス管側には、内部を通過する冷媒温度を検知するガス管サーミスタ35aが設けられている。
【0033】
他の室内機3b,3c,3dについても同様の構成であり、図2において、室内熱交換器、電動弁、各種サーミスタに対して同等の記号を付している。
【0034】
なお、電動弁33a,33b,33c,33dは、室内機3a,3b,3c,3dに内蔵されるとは限らず、室内機3a,3b,3c,3dの外部に、例えば、各室内機3a,3b,3c,3dと室外機2とを接続する分岐ユニットなどの内部に設けられてもよい。
【0035】
このようなマルチ型の空気調和装置1では、複数の室内機3a〜3dが通常それぞれ別の部屋に配置され、複数の部屋の空気調和を行うことになるが、すべての室内機3a〜3dが同時に運転されるとは限らない。すなわち、いくつかの室内機は運転を行い、残りの室内機は運転を停止している場合がある。運転を行っている室内機3aが配置された部屋を「運転部屋」、運転を行っていない室内機3b,3c,3dが配置された部屋を「停止部屋」と呼ぶこととすると、運転部屋の電動弁33aの開度は、吐出管温度に基づいて決定され、停止部屋の電動弁33b,33c,33dの開度は、原則として、吐出管温度に基づいて決定された運転部屋の電動弁33aの開度に比例した値に決定される。すなわち、運転部屋の電動弁33aの開度に係数を乗じて、停止部屋の電動弁33b,33c,33dの目標電動弁開度が決められる。
【0036】
このように、マルチ型の空気調和装置1では、室外機2の暖房運転時において、サーモOFF等によって停止している室内機3b〜3dであっても微少の冷媒を流す制御が行われている。
【0037】
<ペア型の空気調和装置の構成>
図3に示す空気調和装置11は、1台の室外機12に対して1台の室内機3eが接続される、いわゆるペア型の空気調和装置である。この空気調和装置11は、1台の室外機12に対して1台の室内機3eが、冷媒配管や伝送線4eを介して接続されている。室内機3eは部屋の中に、室外機12は部屋に隣接する戸外やベランダ、屋根の上などに設置される。
【0038】
<室内ファンの作動可否に関する室内機の構成>
室内機3a〜3dおよび室内機3eは、上記のように、ペア/マルチ共用の仕様となっており、全く同じ構成を有している。室内機3a〜3eには、室内ファン70が設けられている。この室内ファン70を作動させることによって、室内空気が室内機3a〜3e内に吸い込まれ、室内熱交換器との間で熱交換を行った後の空気調和された空気(送風のみの場合には、そのままの空気)が室内へと吹き出される。
【0039】
また、室内機3a〜3eは、内部のプリント基板等に設けられた制御部50によって、室内ファン70を含む各部の動作を、設定された運転モード(冷房、暖房、除湿、送風などのモード)に従って制御している。このうち、送風運転モードや他運転モードのサーモOFF時における室内ファン70の作動に関する制御内容を、後に詳述する。
【0040】
制御部50には、記憶メモリとして、不揮発性のEEPROM51と、揮発性のRAM52とが配備されている。EEPROM51の中には、機種コードや異常発生時の異常の内容などが記憶される。また、EEPROM51には、室内機3a〜3eを制御する上でのマイコンロジックの定数も記憶されている。
【0041】
このEEPROM51に、ここでは、室外機2,12との伝送が確立した時点で第1データ61を書き込むエリアを設けている。この第1データ61は、室外機がペア型用かマルチ型用かを示す室外機2,12から送られてくるデータに応じて、次のように決められる。すなわち、マルチ型の空気調和装置の室外機2に接続された場合には、第1データ61が送風運転を禁止する内容となる。一方、ペア型の空気調和装置の室外機12が接続された場合には、第1データ61が送風運転を許可する内容となる。
【0042】
なお、室内機3a〜3eが工場から出荷される時点では、その室内機がペア型の空気調和装置において使用されるものかマルチ型の空気調和装置において使用されるものかが不明であるため、第1データ61を書き込むEEPROM51のエリアに初期データ60が書き込まれている。初期データ60の内容は、送風運転を許可するというものである。そして、室内機3a〜3eと室外機2,12との伝送が確立すると、その時点でEEPROM51において初期データ60が第1データ61に置き換わることになる。
【0043】
また、正常に室外機2,12と室内機3a〜3eとが接続されているときには、室外機2,12が自己の運転状態などの情報を常時送信している。これを受けて、室内機3a〜3eにおいては、RAM52内の第2データ62を更新する。第2データ62は、室外機2,12と室内機3a〜3eとが正常な伝送状態にあるときに、室内ファン70を作動させることができるか否かの判断の基礎となるデータである。この第2データ62は、室外機の運転モードおよび室外機がペア型用かマルチ型用かを示す室外機2,12から送られてくるデータに応じて、次のように決められる。すなわち、マルチ型の空気調和装置の室外機2に接続されており且つ室外機2が暖房運転を行っているときには、第2データ62が送風運転を禁止する内容となる。また、マルチ型の空気調和装置の室外機2に接続されており且つ室外機2が暖房運転を行っていないとき(冷房運転時や室外機の停止時)には、第2データ62が送風運転を許可する内容となる。そして、ペア型の空気調和装置の室外機12に接続されている場合には、室外機12の運転モードにかかわらず、第2データ62が送風運転を許可する内容となる。
【0044】
[伝送が正常な場合における室内ファンの作動可否の判断]
制御部50は、送風運転モードや他運転モードのサーモOFF時における室内ファン70の作動に関し、室内ファン作動可否判断部53を設けて、室内ファン70を作動させてもよいかどうかを判断させている。
【0045】
図4に示すように室内機3a〜3eと室外機2,12との伝送が正常な場合、室外機2,12がペア型のものかマルチ型のものかという情報および室外機2,12がどのような運転状態にあるのかという情報を把握することができ、それらの情報に合った第2データ62がRAM52に記憶されるため、室内ファン作動可否判断部53は、RAM52にあるデータを基にして室内ファン70の作動の可否を判断する。
【0046】
これにより、マルチ型の空気調和装置1の室内機3a〜3dは、室外機2が暖房運転を行っているときには、送風運転が禁止、すなわち送風運転モードや他運転モードのサーモOFF時における室内ファン70の作動が禁止される。具体的には、室外機2が暖房運転中で室内機3a〜3dが室内サーモOFFとなったときには、室内暖房運転の表示(運転LEDの点灯)が為されているが、送風は行われないようになる。また、室外機2が暖房運転を行っているときに室内機3a〜3dで送風運転の操作が行われた場合には、モードバッティング(異モード)ということで、運転LEDが点滅表示となる。
【0047】
これに対し、室外機2が冷房運転や停止の状態にあるときには、マルチ型の空気調和装置の室内機3a〜3dは、送風運転モードや冷房運転モードのサーモOFF時における室内ファン70の作動を許可することになる。
【0048】
一方、ペア型の空気調和装置11の室内機3eは、室外機12の運転モードにかかわらず、送風運転モードや他運転モードのサーモOFF時における室内ファン70の作動が許可される。
【0049】
なお、図5に示すように室内機3a〜3eと室外機2,12とが伝送不良の状態にあるときには、後述するように、EEPROM51にある第1データ61を基準として室内ファン70の作動の可否が判断されることになる。
【0050】
[伝送異常時における室内ファンの作動可否の判断]
室内機3a〜3eと室外機2,12とが伝送不良の状態に陥ると、室内機3a〜3e側から見ると、自己が接続されている室外機2,12がマルチ型のものであるかペア型のものであるかが判断できなくなる。また、第2データ62が更新されなくなる。したがって、第2データ62を基準として室内ファン作動可否判断部53が室内ファン70の作動の可否を判断することが適切ではなくなるケースが発生する。
【0051】
これに鑑み、ここでは、室内機3a〜3eと室外機2,12とが伝送不良の状態に陥ったときに、EEPROM51にある第1データ61を基準として室内ファン70の作動の可否を判断するようにしている。すなわち、室内ファン作動可否判断部53は、伝送不良の状態を認識すると、第2データ62ではなく第1データ61に基づいて判断を行うようになる。具体的には、伝送不良の状態を確認すると、制御部50は、EEPROM51にある第1データ61をRAM52にコピーして、RAM52にコピーされた第1データ61を基準に室内ファン作動可否判断部53が判断をするように手当している。
【0052】
これにより、伝送不良時においては、マルチ型の空気調和装置1の室内機3a〜3dは、送風運転が禁止、すなわち送風運転モードや他運転モードのサーモOFF時における室内ファン70の作動が禁止されるようになる。一方、ペア型の空気調和装置11の室内機3eでは、送風運転モードや他運転モードのサーモOFF時における室内ファン70の作動が許可されることになる。
【0053】
[店頭展示における室内ファンの作動可否の判断]
工場出荷時の室内機3eを、室外機12と接続しない状態で(図6参照)、家電量販店などの店舗で店頭展示することがある。このことに鑑み、ここでは、室内機3a〜3eの制御部50のEEPROM51に対して、予め初期データ60を書き込んでおくことが行われている。
【0054】
したがって、一度も室外機12と接続されることなく店頭展示に供せられた室内機3eにおいては、送風運転の操作が為されたときに、室内ファン作動可否判断部53が、EEPROM51にある初期データ60を基準として送風運転を許可することになる。
【0055】
<本実施形態に係る室内機の特徴>
(1)
ここでは、試運転時などにおいて室外機2,12と室内機3a〜3eとの通信が可能になったときに、すなわち最初に室外機2,12と室内機3a〜3eとの伝送が確立されたときに、室外機2,12から室内機3a〜3eへと伝送情報が流れ、それに基づき送風運転の可否に関する第1データ61が不揮発性のEEPROM51に記憶される。したがって、室内機3a〜3eと室外機2,12とが一度でも通信可能となれば、そのときにEEPROM51内に第1データ61が記憶され、その内容は電源が切れても保存される。
【0056】
そして、制御部50の室内ファン作動可否判断部53は、EEPROM51にあるデータを参照して、送風運転を禁止するか否かを判断することができる。したがって、室外機2,12と室内機3a〜3eとが接触不良や伝送線のノイズなどが原因で伝送不能に陥り、空気調和装置(室外機)がペア型であるかマルチ型であるかが伝送データによって判断できない場合でも、室内ファン作動可否判断部53は、第1データ61を参照して適切に送風運転の可否を判断できることになる。
【0057】
(2)
最初に室外機12と室内機3eとの伝送が確立される前に、ペア型の空気調和装置11の室内機3eにおいては、店頭展示に供されることがある。この場合には、店頭展示時には未だ一度も室外機12と室内機3eとの通信が為されていないことが多いため、適切な送風運転可否の情報(この場合にはペア型の室内機3eに適合した情報)が室外機12から室内機3eへと伝わっておらず、EEPROM51に第1データ61が存在しない。
【0058】
しかし、ここでは、室外機12と接続される前の状態において、EEPROM51に送風運転を許可する内容の初期データ60が記憶されているため、その初期データ60を参照して室内ファン作動可否判断部53が送風運転を許可することができる。すなわち、室内機3a〜3eは、最初に室外機2,12と室内機3a〜3eとの伝送が確立される前において、送風運転ができるように設定されている。これにより、店頭展示に供された場合に、室外機12に接続されていない状態で室内機3eが送風運転を行うことができるようになる。
【0059】
(3)
ここでは、ペア型の空気調和装置11の室内機3eでは、第1データ61が送風運転を許可する内容となり、マルチ型の空気調和装置1の室内機3a〜3dでは、第1データ61が送風運転を禁止する内容となる。したがって、同じ室内機を、ペア型の空気調和装置11の室内機3eとしても、マルチ型の空気調和装置1の室内機3a〜3dとしても使用することができる。ペア型の空気調和装置11の室内機3eとして使う場合には、第1データ61が送風運転を許可する内容であり、デメリットもないのに送風運転ができないといった状態が発生することがなくなる。また、マルチ型の空気調和装置1の室内機3a〜3dとして使う場合には、例えば停止している室内機3b〜3dで送風運転が行われ運転している室内機3aがガス欠状態になるという不具合が発生することがなくなる。
【0060】
(4)
ここでは、室内機3a〜3eと室外機2,12との伝送が正常に成立しているときには、室外機2,12の運転状態などを考慮したより的確な送風運転の可否の情報に基づいて制御を行うことができるよう、RAM52にあるデータに基づいて送風運転を禁止するか否かを決めている。一方、室内機3a〜3eと室外機2,12との伝送が不可能になったときには、室外機2,12の状態が変わっても室内機3a〜3e側では認識できなくなっており、RAM52にある第2データ62では的確な判断ができない可能性もあるため、EEPROM51にある第1データ61を基に送風運転を禁止するか否かを判断している。具体的には、EEPROM51にある第1データ61をRAM52にコピーして、RAM52にコピーされた第1データ61を基準に室内ファン作動可否判断部53が判断を行うようにしている。
【0061】
また、電源が切れてRAM52のデータが消えてもEEPROM51のデータは記憶され続けるため、どんな場合にも最低限の送風運転の可否判断は可能である。これに鑑み、ここでは、比較的低コストの揮発性メモリ(RAM52)をEEPROM51と併用している。
【0062】
(5)
マルチ型の空気調和装置1であっても、室外機2が暖房運転ではなく冷房運転をしていたり停止していたりする場合には、送風運転を行っても問題はない。これに鑑み、ここでは、室外機2の暖房運転時にのみ送風運転を禁止する内容の第2データ62をRAM52に記憶させ、そのデータを基に送風運転を禁止するか否かを判断するように構成している。これにより、マルチ型の空気調和装置1の室内機3a〜3dを使うユーザーは、室外機2の暖房運転時には送風運転が拒否されるが、室外機2が止まっていたり冷房運転をしていたりする状態においては室内機3a〜3dの送風運転を享受することができるようになる。
【0063】
このように、ここでは、マルチ型の空気調和装置において送風自体を全面的に禁止していた従来の状態が解消されている。
【0064】
(6)
ペア型の空気調和装置11においては、室外機12がどのような状態であっても、室内機3eの送風運転による不具合は特に存在しない。これに鑑み、ここでは、送風運転を常時許可する内容の第2データ62をRAM52に記憶させ、そのデータを基に送風運転を禁止するか否かを判断するように構成している。これにより、ペア型およびマルチ型の空気調和装置11,1で共用できる室内機3a〜3eを、ペア型の空気調和装置11の室内機3eとして使うユーザーが、送風運転を享受することができないといった現象がなくなる。
【0065】
<マルチ型の空気調和装置における動作室内機の制限について>
図1に示すマルチ型の空気調和装置1においては、室内機3a〜3dの全てを運転させると室外機2の能力を超えてしまうことを許容する設計が為されている。すなわち、複数の室内機3a〜3dの合計容量が運転させることが可能な室内機の合計容量よりも大きくなっても、問題が発生しないような設計が為されている。
【0066】
これは、個人店舗に設置されるマルチ型の空気調和装置のユーザーなどからの要望に応える設計である。個人店舗などでは、日中は店舗側で仕事をし、夜は自宅の部屋で生活をすることが多い。このような個人店舗では、ペア型の空気調和装置を店舗および自宅の両方に設置することも可能であるが、同時にフル稼働することが殆どなければ、上記のような複数の室内機の合計容量が運転可能な室内機の合計容量よりも大きくなるマルチ型の空気調和装置を設置するほうが低コストとなる場合が多い。
【0067】
一方、このようなマルチ型の空気調和装置においては、全ての室内機から運転要求があるときには、室外機の能力的に全てに対応することができないため、以下のように所定の室内機を待機状態とする制御が必要となる。
【0068】
図7〜図10に示すフローに従い、能力供給要求(運転要求)のある室内機3a〜3dに対して、室外機2側がどれに能力供給を行いどれを待機状態とさせるかについて説明する。
【0069】
室外機2には、室内機3a〜3dから、能力供給要求が送られてくる。各室内機3a〜3dが何キロワットであるかという情報は、室外機2において常に入手することができる。室外機2は、常に能力供給要求のある室内機の合計容量を監視している。まず、ステップS1では、能力供給要求のある室内機の合計能力(ΣS)を算出する。次に、ステップS2では、その合計能力(ΣS)が供給可能能力(ΣS・limit)を超えているか否かを判断する。合計能力(ΣS)が供給可能能力(ΣS・limit)を超えていない場合には、ステップS3に移行して、能力供給要求のある全ての室内機に能力供給を行う。一方、合計能力(ΣS)が供給可能能力(ΣS・limit)を超えている場合には、ステップS4において加算能力値(ΣS・CALC)を0にセットして、ステップS5に移行する。
【0070】
ステップS5では、優先室内機から能力供給要求があるか否かが判断される。優先室内機とは、ディップスイッチなどで空気調和装置の導入時に設定する室内機であり、他の室内機よりも優先させて能力供給を行わせたい室内機が設定される。優先室内機は、複数の室内機が選択されていても、1台の室内機だけが選択されていてもよい。
【0071】
優先室内機から能力供給要求がある場合には、ステップS6において、優先室内機に能力供給をしたときに加算能力値(ΣS・CALC)が供給可能能力(ΣS・limit)を超えるか否かの判断が為される。ここで、加算能力値(ΣS・CALC)が供給可能能力(ΣS・limit)を超えないと判断された場合には、ステップS7で優先室内機に能力供給が為され、加算能力値(ΣS・CALC)に優先室内機の能力値Sが加算される。また、ステップS8に移行して、能力供給要求をしている室内機のうち、優先室内機以外の室内機を、以降の比較対象室内機とする。
【0072】
ステップS6において、加算能力値(ΣS・CALC)が供給可能能力(ΣS・limit)を超えると判断された場合には、ステップS9に移行する。ステップS9では、優先室内機が複数台設定されているかの判断が為される。ここで、優先室内機が1台だけしか設定されていないと判断されると、ステップS10に移行してエラー表示が為される。1台の優先室内機さえも運転させることができないという事象は通常では考えられないためである。一方、ステップS9において優先室内機が複数台設定されていると判断された場合には、ステップS11に移行し、それらの複数の優先室内機を以降の比較対象室内機とする。
【0073】
ステップS12では、ステップS8あるいはステップS11によって比較対象室内機とされた各室内機の設定温度と室温との差(ΔD)を収集し、それらの差(ΔD)の最大値(ΔD・max)を算出する。そして、ステップS13で変数Cの初期値を0にセットして、ステップS14に移行する。
【0074】
ステップS14では、最大値(ΔD・max)から変数Cを差し引いた値が設定温度と室温との差(ΔD)以下となる室内機に能力供給をした場合に、加算能力値(ΣS・CALC)が供給可能能力(ΣS・limit)を超えるか否かが判断される。ここで、加算能力値(ΣS・CALC)が供給可能能力(ΣS・limit)を超えないと判断された場合には、ステップS15において、最大値(ΔD・max)から変数Cを差し引いた値が設定温度と室温との差(ΔD)以下となる室内機に対して能力供給を行い、能力供給を行った室内機の能力値Sを加算能力値(ΣS・CALC)に加算する。そして、ステップS16で変数Cに0.5を加えて再びステップS14に戻る。
【0075】
ステップS14において加算能力値(ΣS・CALC)が供給可能能力(ΣS・limit)を超えると判断されれば、ステップS17に移行して、比較対象室内機が複数あるか否かが判断される。ここで、比較対象室内機が1台だけであると判断されると、ステップS18で、その室内機が待機状態とされる。そして、再びステップS1へと戻される。
【0076】
ステップS17において比較対象室内機が複数あると判断された場合には、ステップS19に移行して、複数の比較対象室内機のうち能力値(S値)の小さい室内機が選択される。そして、ステップS20において、その選択した室内機に能力供給を行った場合に加算能力値(ΣS・CALC)が供給可能能力(ΣS・limit)を超えるか否かが判断される。ここで、加算能力値(ΣS・CALC)が供給可能能力(ΣS・limit)を超えないと判断された場合には、ステップS21において、選択された室内機に対して能力供給を行い、能力供給を行った室内機の能力値Sを加算能力値(ΣS・CALC)に加算する。そして、ステップS22で次に能力値(S値)の小さい室内機を選択して、再びステップS20に戻る。
【0077】
ステップS20において、選択した室内機に能力供給を行った場合に加算能力値(ΣS・CALC)が供給可能能力(ΣS・limit)を超えると判断された場合には、ステップS23に移行して、選択した室内機が複数あるか否かが判断される。複数ある場合には、それらは能力値(S値)の同じ室内機である。ここで、選択した室内機が複数ある場合には、ステップS24に移行し、加算能力値(ΣS・CALC)が供給可能能力(ΣS・limit)を超えるまで、予め決められた順に従って、残った室内機に対して能力供給を行っていく。そして、加算能力値(ΣS・CALC)が供給可能能力(ΣS・limit)を超えたときには、残りの室内機を待機状態にする。一方、ステップS23において選択した室内機が1台しかないと判断された場合には、ステップS25に移行して、その1台の室内機を待機状態する。ステップS24あるいはステップS25の処理を終えると、再びステップS1へと戻る。
【0078】
以上のような制御フローによって、室外機2は、能力供給要求のある室内機3a〜3dに対する能力供給実施あるいは能力供給待機を決める。
【0079】
なお、能力供給要求に対して室外機2から待機状態にすることを命ぜられた室内機は、例えば、運転LEDを2.5秒ONして0.5秒OFFさせる動作を繰り返し、運転状態ではないことを表示する。また、その室内機にワイヤードリモコンが接続されている場合には、記号(マーク)で「集中管理中」というような表示を行わせることが考えられる。
【0080】
【発明の効果】
請求項1に係る発明では、試運転時などにおいて室外機と室内機との通信が可能になったときに、すなわち最初に室外機と室内機との伝送が確立されたときに、室外機から室内機へと伝送情報が流れ、それに基づき送風運転の可否に関する第1データが不揮発性の第1記憶部に記憶される。したがって、室内機と室外機とが一度でも通信可能となれば、そのときに第1記憶部内に第1データが記憶され、その内容は電源が切れても保存される。そして、制御部は、第1記憶部にあるデータを参照して、送風運転を禁止するか否かを判断することができる。したがって、室外機と室内機とが接触不良や伝送線のノイズなどが原因で伝送不能に陥り、空気調和装置(室外機)がペア型であるかマルチ型であるかが伝送データによって判断できない場合でも、制御部は、第1データを参照して適切に送風運転の可否を判断できることになる。
【0081】
さらに、請求項1に係る発明では、室内機と室外機との伝送が正常に成立しているときには、室外機の運転状態などを考慮したより的確な送風運転の可否の情報に基づいて制御を行うことができる。一方、室内機と室外機との伝送が不可能になったときには、第1記憶部にあるデータを基に送風運転を禁止するか否かを判断しており、第2記憶部のデータを基にした不的確な判断が為されることが回避される。
【0082】
請求項2に係る発明では、室外機と接続される前の状態において、第1記憶部に送風運転を許可する内容の初期データが記憶されているため、その初期データを参照して制御部が送風運転を行わせることができる。これにより、店頭展示に供された場合に、室外機に接続されていない状態で室内機が送風運転を行うことができるようになる。
【0083】
請求項3に係る発明では、室内機をペア型の空気調和装置の室内機として使う場合には、第1データが送風運転を許可する内容であり、デメリットもないのに送風運転ができないといった状態が発生することがなくなる。また、室内機をマルチ型の空気調和装置の室内機として使う場合には、停止している室内機で送風運転が行われ運転している室内機がガス欠状態になるという不具合が発生することがなくなる。
【0084】
請求項4に係る発明では、室外機の暖房運転時にのみ送風運転を禁止する内容の第2データを第2記憶部に記憶させ、そのデータを基に送風運転を禁止するか否かを判断するように構成している。これにより、マルチ型の空気調和装置の室内機を使うユーザーは、室外機の暖房運転時には送風運転が拒否されるが、室外機が止まっていたり冷房運転をしていたりする状態においては室内機の送風運転を享受することができるようになる。
【0085】
請求項5に係る発明では、送風運転を常時許可する内容の第2データを第2記憶部に記憶させ、そのデータを基に送風運転を禁止するか否かを判断するように構成している。これにより、ペア型およびマルチ型の空気調和装置で共用できる室内機を、ペア型の空気調和装置の室内機として使うユーザーが、送風運転を享受することができないといった現象がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るマルチ型の空気調和装置の概略図。
【図2】 マルチ型の空気調和装置の冷媒系統図。
【図3】 本発明の一実施形態に係るペア型の空気調和装置の概略図。
【図4】 本発明の一実施形態に係る室内機の制御ブロック図。
【図5】 伝送不良時の室内機における室内ファン作動可否判断に関する制御図。
【図6】 店頭展示時の室内機における室内ファン作動可否判断に関する制御図。
【図7】 マルチ型の空気調和装置における室内機への能力供給制御フローを示す図。
【図8】 マルチ型の空気調和装置における室内機への能力供給制御フローを示す図。
【図9】 マルチ型の空気調和装置における室内機への能力供給制御フローを示す図。
【図10】 マルチ型の空気調和装置における室内機への能力供給制御フローを示す図。
【符号の説明】
1 マルチ型の空気調和装置
2 マルチ型の室外機
3a〜3e ペア/マルチ共用の室内機
11 ペア型の空気調和装置
12 ペア型の室外機
50 制御部
51 EEPROM
52 RAM
53 室内ファン作動可否判断部
60 初期データ
61 第1データ
62 第2データ
Claims (5)
- 室外機(2,12)と接続されることによって空気調和装置(1,11)を構成する室内機(3a〜3e)であって、
送風運転の制御が可能な制御部(50,53)と、
前記室外機(2,12)との通信が可能になったときに、前記室外機(2,12)からの伝送情報に基づいて、前記送風運転の可否に関する第1データ(61)を記憶する、不揮発性の第1記憶部(51)と、
前記室外機(2,12)との伝送が正常に成立しているときに、前記室外機(2,12)からの伝送情報に基づいて、前記送風運転の可否に関する第2データ(62)を記憶する、揮発性の第2記憶部(52)と、
を備え、
前記制御部(50,53)は、前記第1記憶部(51)にあるデータを参照して、前記送風運転を禁止するか否かを判断することができ、前記室外機(2,12)との伝送が可能な状態のときには前記第2記憶部(52)にあるデータを基に前記送風運転を禁止するか否かを判断し、前記室外機(2,12)との伝送が不可能な状態のときには前記第1記憶部(51)にあるデータを基に前記送風運転を禁止するか否かを判断する、
空気調和装置の室内機(3a〜3e)。 - 前記室外機(2,12)と接続される前の状態において、前記第1記憶部(51)には、前記送風運転を許可する内容の初期データ(60)が記憶されている、
請求項1に記載の空気調和装置の室内機(3a〜3e)。 - 前記室外機(12)が、1台の室外機(12)に対して1台の室内機(3e)が接続されるペア型の空気調和装置(11)において用いられる室外機(12)である場合には、前記第1データ(61)は、前記送風運転を許可する内容であり、
前記室外機(2)が、1台の室外機(2)に対して複数台の室内機(3a〜3d)が接続されるマルチ型の空気調和装置(1)において用いられる室外機(2)である場合には、前記第1データ(61)は、前記送風運転を禁止する内容である、
請求項1又は2に記載の空気調和装置の室内機(3a〜3e)。 - 室外機(2)と、
前記室外機に接続される複数の請求項1に記載の室内機(3a〜3d)と、
を備え、
前記室外機(2)の暖房運転時には、前記第2データ(62)は、前記送風運転を禁止する内容であり、
前記室外機(2)の冷房運転時および前記室外機の停止時には、前記第2データ(62)は、前記送風運転を許可する内容である、
マルチ型の空気調和装置(1)。 - 室外機(12)と、
前記室外機(12)に接続される1台の請求項1に記載の室内機(3e)と、
を備え、
前記第2データ(62)は、常時、前記送風運転を許可する内容である、
ペア型の空気調和装置(11)。
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