JP3741470B2

JP3741470B2 - Novel aqueous aluminum pigment composition and process for producing the same

Info

Publication number: JP3741470B2
Application number: JP00492196A
Authority: JP
Inventors: 敦湯澤; 俊介高瀬
Original assignee: Asahi Kasei Chemicals Corp
Current assignee: Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority date: 1996-01-16
Filing date: 1996-01-16
Publication date: 2006-02-01
Anticipated expiration: 2016-01-16
Also published as: JPH09194756A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性メタリックインキまたは水性メタリック塗料に適した新規な水性アルミニウム顔料組成物およびその製造方法に関し、更に詳しくは、水および顔料分散性の低い水性インキおよび水性塗料において、極めて優れた分散性および貯蔵安定性を有する新規な水性アルミニウム顔料組成物およびその製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、インキ、塗料分野においては、省資源、無公害化対策として、有機溶剤を極めて少量しか含まないか、あるいは全く含まない水性インキおよび水性塗料を使用することが益々多くなってきている。
また、水性インキおよび水性塗料の目覚ましい技術的進歩により、従来、溶剤型インキおよび塗料でしか達し得なかった高級な仕上がり外観が、水性インキおよび水性塗料でも実現可能な状況になってきた。しかし、アルミニウム顔料を含むメタリックインキおよび塗料においては、未だ、実用に供し得る水性インキおよび水性塗料の例は少ない。
【０００３】
これには、大きく分けて２つの理由がある。その一つとして、アルミニウム顔料は、水性インキおよび水性塗料中で腐食されやすいという点にある。
また、もう一つの理由としては、アルミニウム顔料は粉塵爆発の問題からミネラルスピリット等の不活性溶剤のもと湿式粉砕を行っているため、製品中にどうしても不活性溶剤が残存してしまう。このため、この不活性溶剤を含有したアルミニウム顔料を水および水性インキおよび水性塗料に分散させる際、どうしても多量の界面活性剤を使用せざるを得ないのが現状である。
【０００４】
第一の腐食の問題に関しては、多くの知見が開示されている。
特に水性インキおよび塗料中に金属粉末が存在する場合には、各種金属の性質に基づいて酸性、中性、塩基性のいずれか、あるいは複数の領域に於いて水による腐食が起こり、水素ガスが発生する。これは、インキおよび塗料メーカーに於けるインキおよび塗料化工程や、印刷、自動車、家電メーカーに於ける印刷、塗料工程に於いて、安全上極めて重大な問題である。なお、以下では水性インキおよび塗料中に於ける金属粉顔料の腐食性と、インキおよび塗料としてではなく、金属粉顔料単独で貯蔵した場合に於ける金属粉顔料の腐食性を併せて金属粉顔料の貯蔵安定性と記載する。
【０００５】
この貯蔵安定性を改良すべく、これまで数多くの発明が開示されているが、残念ながら未だ実用に供し得る技術は確立されていない。例えば、金属粉顔料の貯蔵安定性を改良したものとして、米国特許第３，８９３，２５４号明細書のポリアミド、脂肪族アミド、フッ素、シリコーン等の湿潤剤を用いる方法や、米国特許第３，９２６，８７４号明細書の過フッ化アルキル系の湿潤剤を用いる方法、米国特許第４，１３８，２７０号明細書の脂肪酸または脂肪酸のアルカノールアミドと非イオン性湿潤剤を用いる方法等が開示されているが、いずれも貯蔵安定性に充分な改良効果が認められず、かつ、金属粉顔料と水との濡れが悪いという問題があった。更に特公平２−１５５９０号公報には、金属粉顔料と水との反応を抑制し、貯蔵安定性を向上させる目的でカプロラクトンのリン酸エステルを用いる方法が、又、特公平２−１５５９１号公報には、同様の目的でリン酸二水素オクチルフェニル及びリン酸水素ビス（オクチルフェニル）のジエチルアミン付加物を用いる方法が、又、特開昭６１−４７７７１号公報には、オルトリン酸又はリン酸モノエステルとエポキシ化合物との反応生成物を水性塗料に用いる方法が、更に特公平２−４６６２４号公報には、スチレン−アリルアルコールの共重合物とｐ−ｔｅｒｔ−アミルフェノールとオルトリン酸又は五酸化リンとの反応生成物を水性塗料として用いる方法が開示されているが、いずれも改良効果が不充分であったり、比較的改良効果が認められるものであっても、金属粉末顔料としてではなく、塗料組成物としてしか得られないものであったりするなどの問題があり実用に供し得るものではない。
【０００６】
一方、本出願人は特公昭６０−８０５７号公報に於いて、特定の有機リン酸エステルを用いることにより、金属粉顔料と水との反応を抑制する極めて有効な方法を開示している。
一方、もう一つの水および水性インキおよび水性塗料における分散性の問題については、これらは全ての開示された知見において、多量の界面活性剤を使用することで対処している。
例えば、特公昭６０−８０５７号公報においては、アルミニウム粉末と特殊な有機リン酸エステル化合物とからなる長期貯蔵安定性に優れた水分散性アルミニウム粉末ペーストを開示しているが、すでに脂肪酸または脂肪酸誘導体を用いてあらかじめ表面処理が施されたアルミニウム粉末に水分散性を付与する手段として、界面活性剤を必要としている。
【０００７】
また、特公昭５９−１５１５３号公報においてもダイマー酸により金属顔料の耐食性を向上させているが、水分散性を付与するためには、界面活性剤は必須成分となっている。
特開昭５５−１０３６号公報においても飽和または不飽和高級脂肪酸により金属粉からの水素ガス発生を抑制しているが、陰イオンまたは非イオン性界面活性剤を含有することで金属粉に水分散性を付与している。
叙上のとおり、水性塗料または水性インキに使用することを目的とした金属粉顔料について多くの技術が公開されているが、いずれも、金属粉顔料中に疎水性の不活性溶剤を含有しているために、水または水性塗料または水性インキに金属粉顔料を分散させる際に、界面活性剤等の分散性付与剤を併用するかインキまたは塗料に含有される界面活性剤を利用して分散させている。しかし、その際、多量の界面活性剤を使用するために塗膜の密着性が低下し、また、十分な分散性を付与すること自体が難しく、塗料、インキ中で一次粒子まで分散できず、塗膜の隠蔽性・発色性等が低下するという問題が発生する。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術の欠点を排除した新規な水性アルミニウム顔料を提供すること、更には、貯蔵安定性に優れ、かつ、塗膜性能に優れた新規な水性アルミニウム顔料を提供することを目的とするものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
従来の知見においては、本発明で使用されるようなリン化合物は基本的に疎水性を示し、上記アルミニウム顔料、リン化合物、水および／または親水性溶剤の組成物は、水および水性インキおよび水性塗料中においては、多量の界面活性剤等の分散性付与剤を併用するか、塗料またはインキの持つ界面活性能を高めなければ十分な分散性を付与できないと考えられてきた。
しかし、本発明者らの知見によれば、特定の組成を選択することにより、界面活性剤を使わなくとも極めて優れた水および水性インキおよび水性塗料における分散性および貯蔵安定性を付与することが可能であることが判明し、その結果、本発明に到達したものである。
【００１０】
即ち、本発明は、アトマイズドアルミニウム粉および／またはアルミニウム箔を疎水性不活性溶剤中で粉砕して鱗片状アルミニウム粉末を製造し、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸より選ばれる１種または２種以上の不飽和カルボン酸で処理した後、疎水性不活性溶剤を除き、上記リン化合物、および、水および／または親水性溶剤で処理して得られることを特徴とした上記の新規な水性アルミニウム顔料組成物であり、また、前記リン化合物が、下記式（１）で示されるリン酸エステル化合物の中から選ばれた１種または２種以上であることを特徴とする上記の新規な水性アルミニウム顔料組成物、およびその製造方法に関するものである。
【００１１】
【化２】

【００１２】
〔ここで、Ｒは水素、炭素数８〜２４のアルキル基、アルケニル基、または炭素数１〜２４のアルケニル置換基もしくは炭素数６〜２４のアルケニル置換基を１つ以上含むアリール基を表し、Ａは炭素数２〜４のアルキレン基を表し、ｍは０〜２０であり、Ｒ₁とＲは同じであっても異なっていてもよく、水素、アルキル基、アルケニル基、アリール基、または、Ｒ（ＯＡ）_m（ここに、Ｒ，Ａおよびｍは上記で示されたもの）を表す。ｎは１〜１０である。〕
以下に、本発明について更に詳しく説明する。
【００１３】
本発明に用いられるアルミニウム粉末は、一般的には、アトマイズドアルミニウム粉および／またはアルミニウム箔を乾式ボールミル法、湿式ボールミル法、アトライター法、スタンプミル法等の顔料業界で常用されている方法により、粉砕助剤や不活性溶剤等の溶剤の存在下で粉砕して、いわゆる鱗片状にし、さらにこの後、分級、ろ過、混合等の必要とする工程を経て得られる。
ここで、粉砕助剤の例としては、脂肪酸、脂肪族アミン、脂肪族アミド、脂肪族アルコール等が挙げられるが、一般には、オレイン酸、ステアリン酸、ステアリルアミン等が常用されている。ただし、本発明においては、これらに限定されるものではない。また、不活性溶剤の例としては、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、トルエン、キシレン等の疎水性を示すものが挙げられ、これらを単独または混合して使用することができる。
【００１４】
本発明においては、こうして得られたアルミニウム粉末をアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸より選ばれる１種または２種以上の不飽和カルボン酸で処理した後不活性溶剤を除き、リン化合物、および／または親水性溶剤と混合する。
本発明の水性アルミニウム顔料組成物中においては、これらの疎水性を示す不活性溶剤を含有することは可能であるが、顔料組成物中重量で３％以下、好ましくは１％以下、さらに好ましくは０．３％以下であることが望ましい。含有量が３％を超えると、水および水性インキおよび水性塗料における分散性が低下し、界面活性剤の必要量が増す。
【００１５】
本発明に用いられるアルミニウム粉末の粒子の大きさは、好ましくは約０．０１〜５μｍの範囲の厚さを有し、１〜約５０μｍの範囲の長さまたは幅を有する程度のものである。
次に、本発明に有用なリン化合物としては、無機リン酸エステルおよび式（２）で示される基を含有する酸性有機リン酸エステル化合物が挙げられる。
【００１６】
【化３】

【００１７】
無機リン酸の例としては、オルトリン酸およびその縮合体、例えば、ピロリン酸、三リン酸、４リン酸、亜リン酸等があげられる。また、式（２）で示される基を含有する酸性有機リン酸エステルとしては、例えば、前記の一般式（１）で表される化合物およびその塩、さらに、分子中に式（２）で示される基を含有する化合物を反応させて誘導されるリン酸エステル化合物等が挙げられ、これらの中から選ばれた１種または２種以上の混合物が用いられる。
一般式（１）のＲ、Ｒ₁に於けるアルキル基、アルケニル基の例としては、オクチル、デシル、トリデシル、ラウリル、セチル、ステアリル、オレイル、ヘキサデシル等が好ましい。
又、Ｒ、Ｒ₁に於けるアリール基の例としては、オクチルフェニル、ノニルフェニル、ドデシルフェニル、ジノニルフェニル、ｐ−ｔｅｒｔ−アミルフェニル等が好ましい。
【００１８】
又、Ａとしてはエチレン、プロピレン等が好ましい。
具体的な化合物として例を挙げるならば、リン酸の前記アルキル、アルケニル、アリールエステルやアルキル、アルケニル、アリール基にエチレンオキシドを付加したもののエステルが好ましい。尚、リン酸エステルとしては、モノ−、ジ−エステルのいずれであってもよく、これらの混合物であってもよい。又、種類の異なるリン酸エステルの混合物であってもよい。
例えば、酸性リン酸エステル化合物としては、オクチルアシッドホスフェート、トリデシルアシッドホスフェート、ノニルフェニルホスフェート等が使用できる。さらに、これらのリン化合物は、水溶液中で酸性を示すため、これにアンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ジブチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、およびモルフォリンなどの無機および有機の塩基性物質で中和して用いることができる。
リン化合物は、金属粉末に対して０．１〜２０重量％、好ましくは１〜１０重量％の範囲で使用される。ここで、リン化合物の使用量が、０．１重量％未満では表面保護効果が少なく、２０重量％よりも多くなると組成物を配合した水性塗料から得られる塗膜の耐水性を低下せしめる傾向がある。
【００１９】
本発明に使用される親水性溶剤としては、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のセロソルブ類等が挙げられ、これらの１種または２種以上が用いられる。
また、本発明においては、水および水性インキおよび水性塗料中に分散させるために、界面活性剤を使用することはできるが必須ではない。使用しない場合でも十分な分散を得ることができる。
界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、貯蔵安定性の点から非イオン系界面活性剤が好ましい。
例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテルおよびポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル等がある。
これらは、リン化合物、水および親水性溶剤とともに添加することが可能である。
【００２０】
次に、本発明のアルミニウム顔料組成物の製造方法について説明する。
まず、粉砕され、得られた鱗片状アルミニウム粉末をアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸より選ばれる１種または２種以上の不飽和カルボン酸で処理する方法は特に限定されないが、例えば、均一処理を行うために上記アルミニウム粉末を溶剤に分散し、不飽和カルボン酸を添加することにより達成される。
本発明における不飽和カルボン酸とは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸等であり、その１種または２種以上を混合して使用される。使用される量はアルミニウム粉末の種類と特性、特に表面積により異なるが、一般に、アルミニウム粉末に対し０．０１〜１０重量部の間であり、さらに好ましくは０．１〜５．０重量部である。０．０１重量部未満では後に不活性溶剤を除いた際、アルミニウム粉末の凝集を引き起こし、また、１０重量部を超えて使用してもアルミニウム粉末の凝集を抑える効果に差異がない。
【００２１】
また、上記の鱗片状アルミニウム粉末を溶剤に分散し、不飽和カルボン酸を添加する処理時の溶剤中のアルミニウム粉末濃度は、特に限定されないが、１〜９０％で行うことが望ましい。１％未満では、均一な分散は得られるが、取り扱いの溶剤量が過大となり、後で取り除くための労力を要するようになる。９０％を越えるとアルミニウム粉末の分散が不均一となる傾向がある。
上記の処理は、４０〜１５０℃の温度で５分〜１０時間程度が望ましい。４０℃未満では、ペーストの粘性が高く均一分散に時間がかかり、１５０℃を超えると、溶剤の蒸発量が多くアルミニウム粉末濃度が上がりやすく、また、蒸気の発火等に対する配慮を十分にする必要が生じる。また、処理時間が５分未満では不飽和カルボン酸の分散が不十分となりやすく、１０時間を越えても効果の増大はなく時間を要するのみである。
【００２２】
処理に用いられる溶剤は、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール（ＩＰＡ）、ブタノール等のアルコール類が挙げられる。
更に、こうして得られた不飽和カルボン酸で処理されたアルミニウム粉末組成物から、疎水性の不活性溶剤を除く方法は特に限定はされないが、例えば、真空ミキサーに上記原料を仕込み、減圧下でミキシングすることで得られる。また、多量の親水性溶剤で繰り返し洗浄しても良い。
【００２３】
最後に、不飽和カルボン酸で処理した後、疎水性の不活性溶剤を除いたアルミニウム粉末組成物をミキサーあるいはタンクに仕込み、リン化合物、および、水および／または親水性溶剤を添加し、混合撹拌することにより本発明のアルミニウム顔料組成物が得られる。
添加順序は、特に限定されないが、一般には、はじめに不飽和カルボン酸で処理した後、疎水性の不活性溶剤を除いたアルミニウム粉末組成物をいれ、次に、リン化合物、および、水および／または親水性溶剤の混合物を添加する方が、撹拌効率が良い。
【００２４】
混合撹拌温度は、特に限定されないが、リン化合物が十分に分散し、アルミニウム粉末組成物に吸着するために、４０℃以上１００℃以下、好ましくは６０℃以上８０℃以下が望ましい。４０℃未満ではリン化合物が均一分散するのに時間がかかり、１００℃を越えると、水分蒸発量が多く固形分を調整することが難しくなる。
混合撹拌時間は、特に限定されないが、５分以上５時間以下が望ましい。５分未満では、上記構成物が均一に分散せず、５時間を越えるとアルミニウム粒子自身の変形を招くため、塗膜の色調が大きく変わってくる可能性がある。
なお、場合によっては、ろ過することにより固形分を上げる工程を取り入れても良い。
【００２５】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を示す。なお、以下の実施例は、本発明を実施するに当たって代表的なものを示しており、これらにより、本発明が限定されるものではない。
まず、用いた試験方法および測定方法について示す。
１．アルミニウム顔料組成物の性能
（１）貯蔵安定性
アルミニウム顔料組成物の貯蔵安定性を促進して評価する目的で、３００ｍｌのブリキ缶に、約１００ｇのアルミニウム顔料組成物を入れ、ふたをして、５０℃の熱風循環式乾燥機中で１ヶ月貯蔵後の缶のふくれ状態の観察、および、上記試料５ｇを４５μｍの篩を用いＩＰＡ（イソプロピルアルコール）中で篩分した残分の乾燥重量の測定を行った。これを試料の加熱残分で除して百分率で表し（重量減少率）、下記に従い評価した。
０．０２％未満・・・◎
０．０２〜０．０５％未満・・・○
０．０５〜０．１０％・・・△
０．１０％を越える・・・×
【００２６】
（２）水分散性
アルミニウム顔料組成物５ｇをビーカーに採取し、精製水を加えスパチュラで予備分散を行った。その後、５０ｃｃの比色管に注ぎ込み、全体で４０ｃｃとなるように精製水を加えた。１分間激しく振とうした後室温で静置し、３０分後の沈降容積を測定した。この値が大きいほど、分散状態が安定しており水分散性が良好である。
（３）水安定性
２００ｍｌの三角フラスコにアルミニウム顔料組成物２０ｇを採取し、精製水１００ｍｌを加え激しくふり、試料を十分に分散する。合計２００ｃｃとなるよう精製水を加えた後、フラスコの口にゴム栓付きメスピペットを取り付けて、６０℃の恒温水槽に浸漬し、２４時間放置後のガス発生量をメスピペットの目盛りから読み取った。
また、ガスの発生量に応じて、下記のように評価した。
０．５ｃｃ／ｇ未満・・・◎
０．５〜２．０ｃｃ／ｇ未満・・・○
２．０〜５．０ｃｃ／ｇ・・・△
５．０ｃｃ／ｇを越える・・・×
【００２７】
２．水性インキおよび塗膜性能
下記配合により、水性インキを作成し、（１）インキの貯蔵安定性、（２）塗膜外観を評価した。
供試アルミニウム顔料組成物（加熱残分＝６５％）２０重量部
ジョンクリル６２（ジョンソンポリマー（株）製）４０〃
ジョンクリル７１１（〃）４０〃
精製水／ＩＰＡ（＝１／１）４０〃
（１）インキの貯蔵安定性
１００ｍｌの三角フラスコに上記インキ１００ｍｌをいれ、フラスコの口にゴム栓付きメスピペットを取り付けて、４０℃の恒温水槽に浸漬し、２４時間放置後のガス発生量をメスピペットの目盛りから読み取った。
また、ガスの発生量に応じ、上記１−（３）水安定性の場合と同様の基準で評価した。
【００２８】
（２）塗膜外観
上記インキをペットフィルム上に３ｍｉｌアプリケーターで塗布し、室温で２４時間乾燥させ、塗板を得た。この塗膜外観および塗膜の透過光量（隠蔽性）を目視により評価した。透過光量が多いほど隠蔽性が低いと判定した。
インキ中の分散性が悪ければ顔料が凝集するため、隠蔽性も低くなる。隠蔽性および塗膜中の凝集物の有無を、インキ中のアルミニウム顔料組成物の分散性の指標とした。
３．水性塗料および塗膜性能
下記配合により、水性塗料を作成し、（１）塗料の貯蔵安定性、（２）塗膜外観を評価した。
供試アルミニウム顔料組成物（加熱残分＝Ｗ％）２８２１／Ｗ重量部
水溶性アクリル樹脂（加熱残分＝５０％）＊１３７０〃
水溶性メラミン樹脂（加熱残分＝５０％）＊２１００〃
精製水４９１〃
注）＊１：アルマテックスＷＡ−９１１（三井東圧化学（株）製）にジメチルエタノールアミンを加え、ｐＨを９．５に調整したもの。
＊２：サイメル（三井サイアナミド（株）製）
（１）塗料の貯蔵安定性
１００ｍｌの三角フラスコに上記塗料１００ｍｌをいれ、フラスコの口にゴム栓付きメスピペットを取り付けて、５０℃の恒温水槽に浸漬し、２４時間放置後のガス発生量をメスピペットのメモリから読み取った。
また、ガスの発生量に応じ、上記１−（３）水安定性の場合と同様の基準で評価した。
【００２９】
（２）塗膜外観
上記塗料を脱脂したガラス板に吹き付け塗装し、１４０℃、３０分焼き付け、乾燥膜厚１５〜２０μｍの塗板を得た。
この塗膜外観および塗膜の透過光量（隠蔽性）を目視により評価した。透過光量が多いほど隠蔽性が低いと判定した。
塗料中の分散性が悪ければ顔料が凝集するため、隠蔽性も低くなる。隠蔽性および塗膜中の凝集物の有無を、塗料中のアルミニウム顔料組成物の分散性の指標とした。
供試用アルミニウム粉末組成物の調整は、下記の参考例に従った。
【００３０】
【参考例１】（鱗片状のアルミニウム粉末組成物の調整）
内径が３４．５ｃｍ、長さ３８．４ｃｍのボールミルに、直径が３．９ｍｍのスチールボール４２ｋｇ、アルミニウムアトマイズ粉ＶＡ−５００（山石金属（株）製）１．４ｋｇ、ミネラルスピリット１．７リットルおよびステアリルアミン１０ｇを入れ、６０ｒｐｍで３時間回転させた後、ミネラルスピリット２．８リットルを追加し、更に１時間１０分回転させ、得られたアルミニウムスラリーをミネラルスピリットで洗浄、抜き出して、目開き４０μｍのステンレス鋼製金網を取り付けたダルトン振動ふるい（三英製作所（株）製、型式４０２型）で篩分し、アンダースラリーを濾別して、鱗片状のアルミニウム粉末組成物を得た。このアルミニウム粉末組成物の金属分は７４．０重量％であった。
【００３１】
【参考例２】（供試用アルミウニム粉末の調整）
参考例１の鱗片状のアルミニウム粉末組成物４００ｇ、ミネラルスピリット２．０リットル、アクリル酸３．０ｇを４リットルのセパラブルフラスコに入れ、６０℃、４時間撹拌した。吸引ろ過により加熱残分を８０％までしぼった後、５リットル万能混合撹拌機（ダルトン（株）製）に入れ、減圧下４０℃にて２４時間撹拌し、アルミニウム粉末を得た。このアルミニウム粉末の金属分は、９９．９重量％であった。
【００３２】
【参考例３】（供試用アルミニウム粉末の調整）
参考例１の鱗片状のアルミニウム粉末組成物を５リットル万能混合撹拌機（ダルトン（株）製）に入れ、減圧下４０℃にて２４時間撹拌し、アルミニウム粉末を得た。このアルミニウム粉末の金属分は、９９．９重量％であった。
【００３３】
【実施例１】
参考例２で得た供試用アルミウニム粉末を１リットルのセパラブルフラスコに金属分で１００重量部とり、トリデシルアシッドフォスフェートＡＰ−１３（（株）大八化学工業所製のリン酸エステル）６重量部および精製水１０６ｇを加え、６０℃、３時間撹拌し、目的とするアルミニウム顔料組成物を得た。このアルミニウム顔料組成物の加熱残分は５０重量％であった。
【００３４】
得られたアルミニウム顔料組成物について、前記１、２、３の性能を評価し、その結果を表１、２に示した。
【００３５】
【比較例１】
参考例１で得た鱗片状のアルミニウム粉末組成物を用い、精製水を７１ｇとする以外は、実施例１と同様にして、アルミニウム顔料組成物を得た。このアルミニウム顔料組成物の加熱残分は５０重量％であったが、水とアルミニウムが分離しており、均一な状態にはなっていなかった。
得られたアルミニウム顔料組成物について、前記１、２、３の性能を評価し、その結果を表１、２に示した。
【００３６】
【比較例２】
参考例１で得た鱗片状のアルミニウム粉末組成物を用い、ノニオン系界面活性剤６重量部を用い、精製水を７７ｇとする以外は、実施例１と同様にして、アルミニウム顔料組成物を得た。このアルミニウム顔料組成物の加熱残分は５０重量％であった。
得られたアルミニウム顔料組成物について、前記１、２、３の性能を評価し、その結果を表１、２に示した。
【００３７】
【比較例３】
参考例１で得た鱗片状のアルミニウム粉末組成物を用い、前記１、２、３の性能を評価し、その結果を表１、２に示した。
【００３８】
【比較例４】
参考例２で得たアルミニウム粉末を用い、前記１、２、３の性能を評価し、その結果を表１、２に示した。
【００３９】
【比較例５】
参考例３で得たアルミニウム粉末を用い、前記１、２、３の性能を評価し、その結果を表１、２に示した。
【００４０】
【表１】

【００４１】
【表２】

【００４２】
【発明の効果】
本発明の水性アルミニウム顔料組成物は、分散性、貯蔵安定性に優れており、水性メタリックインキまたは水性メタリック塗料に好適である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel aqueous aluminum pigment composition suitable for a water-based metallic ink or a water-based metallic paint, and a method for producing the same. And a novel aqueous aluminum pigment composition having storage stability and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
In recent years, in the field of inks and paints, water-based inks and water-based paints that contain little or no organic solvent are increasingly used as a resource-saving and pollution-free measure.
In addition, due to the remarkable technological advancement of water-based inks and water-based paints, a high-quality finished appearance that could only be achieved with solvent-based inks and paints in the past has become feasible with water-based inks and water-based paints. However, there are still few examples of water-based inks and paints that can be put to practical use in metallic inks and paints containing aluminum pigments.
[0003]
There are two main reasons for this. For one, aluminum pigments are susceptible to corrosion in water-based inks and water-based paints.
As another reason, since the aluminum pigment is wet pulverized under an inert solvent such as mineral spirit due to the problem of dust explosion, the inert solvent inevitably remains in the product. For this reason, when the aluminum pigment containing the inert solvent is dispersed in water, water-based ink and water-based paint, a large amount of surfactant must be used.
[0004]
Many findings have been disclosed regarding the first corrosion problem.
In particular, when metal powder is present in water-based inks and paints, corrosion by water occurs in one of acidic, neutral, basic, or multiple regions based on the properties of various metals, and hydrogen gas is generated. appear. This is an extremely important safety issue in the ink and paint process in ink and paint manufacturers, and in the printing and paint processes in printing, automobile and home appliance manufacturers. In the following, the metal powder pigment corrosiveness in water-based inks and paints and the metal powder pigment corrosiveness when stored as metal powder pigments alone, not as inks and paints. It is described as storage stability.
[0005]
Many inventions have been disclosed so far in order to improve the storage stability, but unfortunately, a technology that can be put into practical use has not yet been established. For example, as an improvement in the storage stability of metal powder pigments, the method of using a wetting agent such as polyamide, aliphatic amide, fluorine, silicone, etc. in US Pat. No. 3,893,254, or US Pat. No. 926,874, a method using an alkyl perfluorinated wetting agent, US Pat. No. 4,138,270, a method using a fatty acid or an alkanolamide of a fatty acid and a nonionic wetting agent are disclosed. However, none of them has a sufficient improvement effect on storage stability, and the metal powder pigment and water are poorly wetted. Further, Japanese Patent Publication No. 2-15590 discloses a method using a phosphate ester of caprolactone for the purpose of suppressing the reaction between the metal powder pigment and water and improving the storage stability, and Japanese Patent Publication No. 2-15591. For the same purpose, there is a method using a diethylamine adduct of octylphenyl dihydrogen phosphate and bis (octylphenyl) hydrogen phosphate, and JP-A 61-47771 discloses orthophosphoric acid or monophosphate. A method of using a reaction product of an ester and an epoxy compound in a water-based paint is disclosed in JP-B-2-46624, in which a copolymer of styrene-allyl alcohol, p-tert-amylphenol, orthophosphoric acid or phosphorus pentoxide is used. Are used as water-based paints, but all of them are insufficiently improved or relatively improved. Even those are fit, rather than as a metal powder pigment, it does not be subjected to a problem practically such or be those obtained only as a coating composition.
[0006]
On the other hand, the present applicant discloses in JP-B-60-8057 a very effective method for suppressing the reaction between a metal powder pigment and water by using a specific organophosphate.
On the other hand, dispersibility problems in other water and water-based inks and water-based paints are addressed in all disclosed findings by using large amounts of surfactant.
For example, Japanese Patent Publication No. 60-8057 discloses a water-dispersible aluminum powder paste excellent in long-term storage stability comprising aluminum powder and a special organophosphate compound. As a means for imparting water dispersibility to aluminum powder that has been surface-treated in advance, a surfactant is required.
[0007]
In JP-B-59-15153, the corrosion resistance of the metal pigment is improved by dimer acid, but in order to impart water dispersibility, the surfactant is an essential component.
In Japanese Patent Application Laid-Open No. 55-1036, the generation of hydrogen gas from the metal powder is suppressed by saturated or unsaturated higher fatty acids, but water dispersion in the metal powder by containing an anionic or nonionic surfactant. Has been given sex.
As mentioned above, many technologies for metal powder pigments intended for use in water-based paints or water-based inks have been published. All of them contain a hydrophobic inert solvent in the metal powder pigment. Therefore, when dispersing metal powder pigments in water, water-based paints or water-based inks, a dispersibility-imparting agent such as a surfactant is used together or dispersed using a surfactant contained in the ink or paint. ing. However, in that case, since a large amount of surfactant is used, the adhesion of the coating film is lowered, and it is difficult to impart sufficient dispersibility itself, and it cannot be dispersed to the primary particles in the paint and ink. There arises a problem that the concealability and color developability of the coating film are lowered.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention provides a novel aqueous aluminum pigment that eliminates the disadvantages of the prior art as described above, and further provides a novel aqueous aluminum pigment that has excellent storage stability and excellent coating film performance. It is for the purpose.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In the conventional knowledge, the phosphorus compound as used in the present invention is basically hydrophobic, and the composition of the aluminum pigment, phosphorus compound, water and / or hydrophilic solvent is water and water-based ink and water-based. In paints, it has been considered that sufficient dispersibility cannot be imparted unless a large amount of a dispersibility-imparting agent such as a surfactant is used or the surface-active ability of the paint or ink is increased.
However, according to the knowledge of the present inventors, by selecting a specific composition, it is possible to impart extremely excellent dispersibility and storage stability in water and water-based inks and water-based paints without using a surfactant. As a result, the present invention has been reached.
[0010]
That is, the present invention A Scaled aluminum powder and / or aluminum foil is pulverized in a hydrophobic inert solvent to produce scaly aluminum powder, One or more selected from acrylic acid, methacrylic acid, itaconic acid, fumaric acid After treating with unsaturated carboxylic acid, remove the hydrophobic inert solvent and treat with the above phosphorus compound and water and / or hydrophilic solvent Obtained The novel aqueous aluminum pigment composition is characterized in that the phosphorus compound is one or more selected from the phosphoric acid ester compounds represented by the following formula (1): The present invention relates to the above-mentioned novel aqueous aluminum pigment composition and a method for producing the same.
[0011]
[Chemical 2]

[0012]
[Wherein R represents hydrogen, an alkyl group having 8 to 24 carbon atoms, an alkenyl group, or an aryl group containing one or more alkenyl substituents having 1 to 24 carbon atoms or alkenyl substituents having 6 to 24 carbon atoms, A represents an alkylene group having 2 to 4 carbon atoms, m is 0 to 20, and R ₁ And R may be the same or different, and hydrogen, an alkyl group, an alkenyl group, an aryl group, or R (OA) _m (Where R, A and m are those indicated above). n is 1-10. ]
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
[0013]
The aluminum powder used in the present invention is generally prepared by a method commonly used in the pigment industry, such as an atomized aluminum powder and / or an aluminum foil, such as a dry ball mill method, a wet ball mill method, an attritor method, and a stamp mill method. Then, it is pulverized in the presence of a solvent such as a pulverization aid or an inert solvent to obtain a so-called scaly shape, and thereafter, it is obtained through necessary steps such as classification, filtration, and mixing.
Here, examples of the grinding aid include fatty acids, aliphatic amines, aliphatic amides, aliphatic alcohols and the like, but generally oleic acid, stearic acid, stearylamine and the like are commonly used. However, the present invention is not limited to these. Moreover, what shows hydrophobicity, such as mineral spirit, solvent naphtha, toluene, xylene, is mentioned as an example of an inert solvent, These can be used individually or in mixture.
[0014]
In the present invention, the aluminum powder thus obtained is used. One or more selected from acrylic acid, methacrylic acid, itaconic acid, fumaric acid After the treatment with the unsaturated carboxylic acid, the inert solvent is removed and the mixture is mixed with a phosphorus compound and / or a hydrophilic solvent.
In the aqueous aluminum pigment composition of the present invention, it is possible to contain an inert solvent exhibiting these hydrophobic properties, but it is 3% or less, preferably 1% or less, more preferably, by weight in the pigment composition. It is desirable that it is 0.3% or less. If the content exceeds 3%, the dispersibility in water and water-based inks and water-based paints decreases, and the required amount of surfactant increases.
[0015]
The size of the particles of aluminum powder used in the present invention is preferably such that it has a thickness in the range of about 0.01 to 5 μm and a length or width in the range of 1 to about 50 μm.
Next, examples of the phosphorus compound useful in the present invention include an inorganic phosphate ester and an acidic organic phosphate ester compound containing a group represented by the formula (2).
[0016]
[Chemical 3]

[0017]
Examples of inorganic phosphoric acid include orthophosphoric acid and condensates thereof such as pyrophosphoric acid, triphosphoric acid, tetraphosphoric acid, phosphorous acid and the like. Examples of the acidic organic phosphate ester containing a group represented by the formula (2) include, for example, the compound represented by the general formula (1) and a salt thereof, and further represented by the formula (2) in the molecule. Examples thereof include phosphoric acid ester compounds derived by reacting a compound containing a group, and one or a mixture of two or more selected from these is used.
R, R in general formula (1) ₁ Preferred examples of the alkyl group and alkenyl group in are octyl, decyl, tridecyl, lauryl, cetyl, stearyl, oleyl, hexadecyl and the like.
R, R ₁ As an example of the aryl group, octylphenyl, nonylphenyl, dodecylphenyl, dinonylphenyl, p-tert-amylphenyl and the like are preferable.
[0018]
A is preferably ethylene, propylene or the like.
Specific examples of the compound include phosphoric acid alkyl, alkenyl and aryl esters, and alkyl, alkenyl and aryl groups obtained by adding ethylene oxide. The phosphate ester may be either a mono- or di-ester or a mixture thereof. Moreover, the mixture of the phosphate ester from which a kind differs may be sufficient.
For example, octyl acid phosphate, tridecyl acid phosphate, nonylphenyl phosphate and the like can be used as the acidic phosphate compound. Furthermore, since these phosphorus compounds are acidic in aqueous solutions, they can contain inorganic and inorganic substances such as ammonium, sodium hydroxide, potassium hydroxide, dibutylamine, triethylamine, monoethanolamine, diethanolamine, triethanolamine, and morpholine. It can be used after neutralizing with an organic basic substance.
The phosphorus compound is used in the range of 0.1 to 20% by weight, preferably 1 to 10% by weight, based on the metal powder. Here, when the amount of the phosphorus compound used is less than 0.1% by weight, the surface protection effect is small, and when it exceeds 20% by weight, the water resistance of the coating film obtained from the water-based paint blended with the composition tends to be lowered. is there.
[0019]
Examples of the hydrophilic solvent used in the present invention include alcohols such as ethanol, methanol, butanol, propanol and isopropanol, cellosolves such as ethylene glycol monoethyl ether, ethylene glycol monobutyl ether and propylene glycol monoethyl ether. These 1 type (s) or 2 or more types are used.
In the present invention, a surfactant can be used to disperse in water and water-based ink and water-based paint, but it is not essential. Even when not used, sufficient dispersion can be obtained.
The surfactant is not particularly limited, but a nonionic surfactant is preferable from the viewpoint of storage stability.
For example, polyoxyethylene alkyl ether, polyoxyethylene alkylphenol ether, polyoxyethylene glycol fatty acid ester, and the like.
These can be added together with a phosphorus compound, water and a hydrophilic solvent.
[0020]
Next, the manufacturing method of the aluminum pigment composition of this invention is demonstrated.
First, crushed and obtained scaly aluminum powder One or more selected from acrylic acid, methacrylic acid, itaconic acid, fumaric acid The method of treating with an unsaturated carboxylic acid is not particularly limited. For example, it can be achieved by dispersing the aluminum powder in a solvent and adding an unsaturated carboxylic acid to perform a uniform treatment.
The unsaturated carboxylic acid in the present invention is acrylic acid, methacrylic acid, itaconic acid, fumaric acid or the like, and one or more of them are used in combination. The amount used depends on the type and properties of the aluminum powder, in particular the surface area, but is generally between 0.01 and 10 parts by weight, more preferably between 0.1 and 5.0 parts by weight with respect to the aluminum powder. . If it is less than 0.01 part by weight, it will cause aggregation of the aluminum powder when the inert solvent is removed later, and even if it is used in excess of 10 parts by weight, there is no difference in the effect of suppressing the aggregation of the aluminum powder.
[0021]
Further, the concentration of the aluminum powder in the solvent during the treatment in which the above scaly aluminum powder is dispersed in the solvent and the unsaturated carboxylic acid is added is not particularly limited, but is preferably 1 to 90%. If it is less than 1%, uniform dispersion can be obtained, but the amount of the solvent to be handled becomes excessive, and labor for removing it later is required. If it exceeds 90%, the dispersion of the aluminum powder tends to be non-uniform.
The above treatment is desirably performed at a temperature of 40 to 150 ° C. for about 5 minutes to 10 hours. If the temperature is lower than 40 ° C., the paste has a high viscosity and takes time for uniform dispersion. If the temperature exceeds 150 ° C., the amount of evaporation of the solvent is large and the aluminum powder concentration is likely to increase. Arise. If the treatment time is less than 5 minutes, the dispersion of the unsaturated carboxylic acid tends to be insufficient, and if it exceeds 10 hours, the effect is not increased and only time is required.
[0022]
Solvents used in the treatment include aliphatic hydrocarbons such as hexane, heptane, octane, and mineral spirits, aromatic hydrocarbons such as benzene, toluene, xylene, and solvent naphtha, ethers such as tetrahydrofuran and diethyl ether, ethyl acetate, and acetic acid. Examples include esters such as butyl, cellosolves such as butyl cellosolve and ethyl cellosolve, and alcohols such as methanol, ethanol, propanol, isopropyl alcohol (IPA), and butanol.
Further, the method for removing the hydrophobic inert solvent from the aluminum powder composition treated with the unsaturated carboxylic acid thus obtained is not particularly limited. For example, the above raw materials are charged into a vacuum mixer and mixed under reduced pressure. It is obtained by doing. Moreover, you may wash | clean repeatedly with a lot of hydrophilic solvents.
[0023]
Finally, after treatment with unsaturated carboxylic acid, the aluminum powder composition excluding the hydrophobic inert solvent is charged into a mixer or tank, and a phosphorus compound and water and / or a hydrophilic solvent are added and mixed and stirred. By doing so, the aluminum pigment composition of the present invention is obtained.
The order of addition is not particularly limited, but in general, after treatment with an unsaturated carboxylic acid, the aluminum powder composition excluding the hydrophobic inert solvent is added, and then the phosphorus compound and water and / or The stirring efficiency is better when a mixture of hydrophilic solvents is added.
[0024]
The mixing and stirring temperature is not particularly limited, but is desirably 40 ° C. or higher and 100 ° C. or lower, preferably 60 ° C. or higher and 80 ° C. or lower in order for the phosphorus compound to be sufficiently dispersed and adsorbed to the aluminum powder composition. If the temperature is lower than 40 ° C., it takes time to uniformly disperse the phosphorus compound. If the temperature exceeds 100 ° C., the amount of water evaporation is large and it is difficult to adjust the solid content.
The mixing and stirring time is not particularly limited, but is preferably 5 minutes or more and 5 hours or less. If the period is less than 5 minutes, the above-described components are not uniformly dispersed, and if it exceeds 5 hours, the aluminum particles themselves are deformed, so that the color tone of the coating film may be greatly changed.
In some cases, a step of increasing the solid content by filtration may be incorporated.
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Examples of the present invention are shown below. In addition, the following examples show typical examples in carrying out the present invention, and the present invention is not limited by these examples.
First, the test method and measurement method used will be described.
1. Performance of aluminum pigment composition
(1) Storage stability
For the purpose of promoting and evaluating the storage stability of the aluminum pigment composition, about 100 g of the aluminum pigment composition is placed in a 300 ml tin can, covered, and then heated in a hot air circulating dryer at 50 ° C. for one month. Observation of the swollen state of the can after storage, and measurement of the dry weight of the residue obtained by sieving 5 g of the above sample in IPA (isopropyl alcohol) using a 45 μm sieve. This was divided by the heating residue of the sample and expressed as a percentage (weight reduction rate), and evaluated according to the following.
Less than 0.02% ... ◎
0.02 to less than 0.05%
0.05-0.10% ... △
Over 0.10% ・・・ ×
[0026]
(2) Water dispersibility
5 g of the aluminum pigment composition was collected in a beaker, purified water was added, and preliminary dispersion was performed with a spatula. Thereafter, it was poured into a 50 cc colorimetric tube, and purified water was added so that the total amount was 40 cc. The mixture was shaken vigorously for 1 minute and then allowed to stand at room temperature, and the sedimentation volume after 30 minutes was measured. The larger this value, the more stable the dispersion state and the better the water dispersibility.
(3) Water stability
Collect 20 g of the aluminum pigment composition in a 200 ml Erlenmeyer flask, add 100 ml of purified water and shake vigorously, and disperse the sample sufficiently. After adding purified water to a total of 200 cc, a measuring pipette with a rubber stopper was attached to the mouth of the flask, immersed in a constant temperature water bath at 60 ° C., and the amount of gas generated after standing for 24 hours was read from the scale of the measuring pipette. .
Moreover, it evaluated as follows according to the generation amount of gas.
Less than 0.5cc / g ・・・ ◎
Less than 0.5-2.0cc / g
2.0-5.0cc / g ... △
Over 5.0cc / g ・・・ ×
[0027]
2. Water-based ink and film performance
A water-based ink was prepared by the following formulation, and (1) storage stability of the ink and (2) appearance of the coating film were evaluated.
Sample aluminum pigment composition (heating residue = 65%) 20 parts by weight
Jonkrill 62 (Johnson Polymer Co., Ltd.) 40 〃
Jonkrill 711 (〃) 40〃
Purified water / IPA (= 1/1) 40 〃
(1) Ink storage stability
A 100 ml Erlenmeyer flask was charged with 100 ml of the above ink, and a flask with a rubber stopper was attached to the mouth of the flask.
Moreover, according to the generation amount of gas, it evaluated on the basis similar to the case of said 1- (3) water stability.
[0028]
(2) Appearance of coating film
The ink was applied onto a pet film with a 3 mil applicator and dried at room temperature for 24 hours to obtain a coated plate. The appearance of the coating film and the amount of transmitted light (concealment) of the coating film were visually evaluated. It was determined that the greater the amount of transmitted light, the lower the concealability.
If the dispersibility in the ink is poor, the pigments aggregate and the concealability is also lowered. The concealability and the presence or absence of aggregates in the coating film were used as indicators of the dispersibility of the aluminum pigment composition in the ink.
3. Water-based paint and paint film performance
A water-based paint was prepared by the following formulation, and (1) the storage stability of the paint and (2) the appearance of the coating film were evaluated.
Sample aluminum pigment composition (residue on heating = W%) 2821 / W parts by weight
Water-soluble acrylic resin (heating residue = 50%) * 1 370 〃
Water-soluble melamine resin (heating residue = 50%) * 2 100 〃
Purified water 491 〃
Note) * 1: A pH adjusted to 9.5 by adding dimethylethanolamine to Almatex WA-911 (Mitsui Toatsu Chemical Co., Ltd.).
* 2: Cymel (Mitsui Cyanamid Co., Ltd.)
(1) Storage stability of paint
A 100 ml Erlenmeyer flask was charged with 100 ml of the paint, and a flask with a rubber stopper was attached to the mouth of the flask.
Moreover, according to the generation amount of gas, it evaluated on the basis similar to the case of said 1- (3) water stability.
[0029]
(2) Appearance of coating film
The paint was sprayed onto a degreased glass plate and baked at 140 ° C. for 30 minutes to obtain a coated plate having a dry film thickness of 15 to 20 μm.
The appearance of the coating film and the amount of transmitted light (concealment) of the coating film were visually evaluated. It was determined that the greater the amount of transmitted light, the lower the concealability.
If the dispersibility in the paint is poor, the pigments agglomerate and the concealability is also lowered. The hiding property and the presence or absence of aggregates in the coating film were used as indicators of the dispersibility of the aluminum pigment composition in the paint.
The preparation of the test aluminum powder composition was in accordance with the following reference example.
[0030]
[Reference Example 1] (Preparation of scaly aluminum powder composition)
In a ball mill having an inner diameter of 34.5 cm and a length of 38.4 cm, 42 kg of steel balls having a diameter of 3.9 mm, 1.4 kg of aluminum atomized powder VA-500 (manufactured by Yamaishi Metal Co., Ltd.), 1.7 liters of mineral spirit and Add 10 g of stearylamine, rotate at 60 rpm for 3 hours, add 2.8 liters of mineral spirit, rotate for another 1 hour and 10 minutes, wash and extract the resulting aluminum slurry with mineral spirit, 40 μm opening The mixture was sieved with a Dalton vibrating screen (Model No. 402, manufactured by Sanei Seisakusho Co., Ltd.) fitted with a stainless steel wire mesh, and the underslurry was filtered off to obtain a scaly aluminum powder composition. The metal content of this aluminum powder composition was 74.0% by weight.
[0031]
[Reference Example 2] (Preparation of aluminum unim powder for test)
400 g of the scaly aluminum powder composition of Reference Example 1, 2.0 liters of mineral spirit, and 3.0 g of acrylic acid were placed in a 4 liter separable flask and stirred at 60 ° C. for 4 hours. After the heating residue was reduced to 80% by suction filtration, it was put into a 5 liter universal mixing stirrer (manufactured by Dalton Co.) and stirred at 40 ° C. under reduced pressure for 24 hours to obtain an aluminum powder. The metal content of this aluminum powder was 99.9% by weight.
[0032]
[Reference Example 3] (Preparation of test aluminum powder)
The scaly aluminum powder composition of Reference Example 1 was put into a 5 liter universal mixing stirrer (manufactured by Dalton Co., Ltd.) and stirred at 40 ° C. under reduced pressure for 24 hours to obtain aluminum powder. The metal content of this aluminum powder was 99.9% by weight.
[0033]
[Example 1]
Take 100 parts by weight of the aluminum aluminum powder for test obtained in Reference Example 2 in a 1 liter separable flask as a metal, and tridecyl acid phosphate AP-13 (phosphate ester manufactured by Daihachi Chemical Industry Co., Ltd.) 6 Part by weight and 106 g of purified water were added, and the mixture was stirred at 60 ° C. for 3 hours to obtain the intended aluminum pigment composition. The heating residue of this aluminum pigment composition was 50% by weight.
[0034]
About the obtained aluminum pigment composition, the performance of said 1, 2, 3 was evaluated, and the result was shown to Table 1,2.
[0035]
[Comparative Example 1]
An aluminum pigment composition was obtained in the same manner as in Example 1 except that the scaly aluminum powder composition obtained in Reference Example 1 was used and 71 g of purified water was used. Although the heating residue of this aluminum pigment composition was 50% by weight, water and aluminum were separated and were not in a uniform state.
About the obtained aluminum pigment composition, the performance of said 1, 2, 3 was evaluated, and the result was shown to Table 1,2.
[0036]
[Comparative Example 2]
An aluminum pigment composition was obtained in the same manner as in Example 1 except that the scaly aluminum powder composition obtained in Reference Example 1 was used, 6 parts by weight of a nonionic surfactant was used, and 77 g of purified water was used. It was. The heating residue of this aluminum pigment composition was 50% by weight.
About the obtained aluminum pigment composition, the performance of said 1, 2, 3 was evaluated, and the result was shown to Table 1,2.
[0037]
[Comparative Example 3]
Using the scaly aluminum powder composition obtained in Reference Example 1, the performances of 1, 2, and 3 were evaluated, and the results are shown in Tables 1 and 2.
[0038]
[Comparative Example 4]
Using the aluminum powder obtained in Reference Example 2, the performances of the above 1, 2, and 3 were evaluated, and the results are shown in Tables 1 and 2.
[0039]
[Comparative Example 5]
Using the aluminum powder obtained in Reference Example 3, the performances of the above 1, 2, and 3 were evaluated, and the results are shown in Tables 1 and 2.
[0040]
[Table 1]

[0041]
[Table 2]

[0042]
【The invention's effect】
The aqueous aluminum pigment composition of the present invention is excellent in dispersibility and storage stability, and is suitable for aqueous metallic inks or aqueous metallic paints.

Claims

Atomized aluminum powder and / or aluminum foil is pulverized in a hydrophobic inert solvent to produce scaly aluminum powder, and one or more kinds selected from acrylic acid, methacrylic acid, itaconic acid and fumaric acid A novel aqueous aluminum pigment composition obtained by treating with a saturated carboxylic acid, removing a hydrophobic inert solvent, and treating with a phosphorus compound and water and / or a hydrophilic solvent .

2. The novel aqueous aluminum pigment composition according to claim 1, wherein the phosphorus compound is one or more selected from phosphoric acid ester compounds represented by the following formula (1) .

[Wherein R represents hydrogen, an alkyl group having 8 to 24 carbon atoms, an alkenyl group, or an aryl group containing one or more alkenyl substituents having 1 to 24 carbon atoms or alkenyl substituents having 6 to 24 carbon atoms; A represents an alkylene group having 2 to 4 carbon atoms, m is 0 to 20, and R ₁ And R may be the same or different, and may be hydrogen, an alkyl group, an alkenyl group, an aryl group, or R (OA) _m (Where R, A and m are those indicated above). n is 1-10. ]

Atomized aluminum powder and / or aluminum foil is pulverized in a hydrophobic inert solvent to produce scaly aluminum powder, and one or more kinds selected from acrylic acid, methacrylic acid, itaconic acid and fumaric acid A method for producing a novel aqueous aluminum pigment composition, characterized in that after treatment with a saturated carboxylic acid, the hydrophobic inert solvent is removed and treatment is carried out with a phosphorus compound and water and / or a hydrophilic solvent .

4. The production of a novel aqueous aluminum pigment composition according to claim 3 , wherein the phosphorus compound is one or more selected from the phosphoric acid ester compounds represented by the formula (1). Method.