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JP3738523B2 - 記録可能な光ディスク - Google Patents

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JP3738523B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクに関し、特にランド部およびグルーブ部の双方に記録する記録方式に用いられる光ディスクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、相変化膜や光磁気膜を記録層として用いた書換可能な光ディスクでは、レーザー光を光ディスク上に絞り込み、ディスク面上にできるレーザー光のスポットにより情報の記録再生がなされる。
従来、このような光ディスクに対して高密度記録を行う方法として、レーザー光の短波長化とともに、ランド部およびグルーブ部の双方に記録するランドグルーブ記録方法が提案されている。
【0003】
このランドグルーブ記録の方法では、情報が記録されているトラック幅方向の記録密度が、従来のランド(またはグルーブ)記録のみの光ディスクと比べ高密度化される。
このため、情報の記録または消去の際に、誤って隣のランド部またはグルーブ部に記録された情報を消してしまうことがある(クロスイレーズ)。
したがって、ランド部とグルーブ部とに深い段差を設け(あるいは深い溝を形成して)双方の熱的距離を大きくした光ディスクを用いることにより、隣接トラックへの熱伝導を低下させ、隣接トラックの情報消去を防ぐ方法が考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の光ディスクでは、ランド部とグルーブ部とに深い段差(深溝)を設けるため、ランド部分とグルーブ部分とに膜厚差が発生し、これに起因して、記録および再生パワーの制御が複雑化するなどの問題点があった。
図7は、従来の光ディスクを示す断面図であり、(a)はランド部への記録時、(b)はグルーブ部への記録時を示している。ランド部(凸部)90Aとグルーブ部(凹部)90Bとに深い段差が設けられている。なお、91は記録層、95,96は保護膜、97はガラス基板である。
【0005】
通常、光ディスクの各層は、膜形成をスパッタリングなどの製膜方法により形成するため、ランド部分90Aとグルーブ部分90Bとでは各層において膜厚差が生じる。
これは、シャドーイングと呼ばれる現象であり、グルーブ部90Bがランド部90Aの陰となってしまうため、膜形成の際、例えばグルーブ部90Bの記録層91Bの膜厚tbがランド部90Aの記録層91Aの膜厚taよりも薄くなる(例えば、記録層91Aの約6割程度)と考えられる。
【0006】
したがって、この膜厚差(ta>tb)により、記録および消去パワーが、ランド部90Aとグルーブ部90Bで異なってしまう。
例えば、膜厚の薄いグルーブ部90Bでは低いパワーPBで記録がなされるが、膜厚の厚いランド部90Aでは記録を行うには高いパワーPA(PA>PB)が必要となる。
この場合、ランド部およびグルーブ部ごとに、少なくとも2種類の記録、消去パワーが必要となり、装置の構成および制御が複雑化しコストアップにつながるという問題点があった。
【0007】
また、図7(b)に示すように、グルーブ部90Bへの消去、記録の際は、ランド部90Aの記録層91Aの膜厚taが厚く熱的マスが大きいため加熱されにくく、記録層91Aの情報が消えてしまうことはない。
しかし、図7(a)に示すように、ランド部90Aへの消去、記録の際は、グルーブ部90Bの記録層91Bの膜厚tbが薄く熱的マスが小さいため加熱されやすく、隣接する記録層91Aからの熱により記録層91Bの情報が消去されてしまう場合があり、クロスイレーズ対策として深溝にした効果があまり得られなくなるという問題点があった。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、同一のパワーによりランド部およびグルーブ部の双方に記録,消去できる光ディスクを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明にかかる記録可能な光ディスクは、同心円状またはスパイラル状に形成されたトラッキング用の凸部および凹部を有する基板と、基板上に形成された熱拡散層と、熱拡散層上に形成された保護層と、保護層上に形成された、レーザー光の照射によって情報を記録する記録層とを備え、凹部上に位置する記録層は、その厚さが凸部上に位置する記録層より薄く、凹部上に位置する記録層は、厚さ方向において凸部上に位置する熱拡散層とほぼ一致する高さ位置にあり、凹部上に位置する記録層及び凸部上に位置する記録層には、同じパワーのレーザー光の照射により情報が記録され、レーザー光は、基板の反対側より記録層に照射されることを特徴とするものである。
【0009】
このほか、本発明による記録可能な光ディスクとして、同心円状またはスパイラル状に形成されたトラッキング用の凸部および凹部を有する基板上に形成されレーザー光の照射により発生した熱を拡散する熱拡散層と、この熱拡散層上に形成された保護層と、この保護層上に形成され各種情報を記録する記録層とを備えてもよい。したがって、凹部に形成された熱拡散層より高い位置にある比較的膜厚の薄い記録層の付近に凸部の熱拡散層が形成され、凸部の比較的膜厚の厚い記録層の付近に凹部の熱拡散層が形成されない。
また、凸部の熱拡散層を、この凸部に隣接する凹部の記録層の近傍に形成してもよく、凹部の記録層および凸部の熱拡散層を、ディスクの厚さ方向でほぼ同じ高さ位置に形成してもよい。また、凹部の熱拡散層および保護層の膜厚の和を、凹部の基板自体の深さの50〜150%としてもよい。したがって、それぞれ凹部の記録層に発生した熱が凸部の熱拡散層により放熱される。
また、基板と反対側のディスク面上に接着され、記録再生に用いるレーザー光の波長で透過性を有する透明基板を備えてもよい。したがって、透明基板を介して熱拡散層とは反対側からレーザー光が照射される。
また、熱拡散層を金属膜で形成してもよい。また、熱拡散層の膜厚を10〜100nmとしてもよい。したがって、熱拡散層により熱が効率よく拡散される。
また、記録層を、結晶の状態により反射率の異なる相変化膜から形成してもよい。したがって、相変化光ディスクにおいて、凹部に形成された熱拡散層より高い位置にある比較的膜厚の薄い記録層の付近に凸部の熱拡散層が形成され、凸部の比較的膜厚の厚い記録層の付近に凹部の熱拡散層が形成されない。
【0010】
また、記録層を、記録用レーザー光の照射により加熱された場合に外部から印加された磁界により磁化方向が変化する光磁気層から形成してもよい。また、保護層と記録層との間に形成され、常温では面内磁化状態であり、再生用レーザー光の照射により加熱された場合に垂直磁化状態となる再生層を備えてもよい
また、再生層と記録層との間に形成され、常温では垂直磁化状態であり、再生用レーザー光の照射により加熱された場合に磁化消滅状態となる再生中間層を備えてもよい
【0011】
また、記録層上に形成され、常温および再生用レーザー光の照射により加熱された場合に垂直磁化状態である再生層と、この再生層と記録層との間に形成され、常温では面内磁化状態であり、レーザー光の照射により加熱された場合に垂直磁化状態となり、さらに高温では磁化消滅状態となる再生中間層を備えてもよい
したがって、各種の光磁気ディスクにおいて、凹部に形成された熱拡散層より高い位置にある比較的膜厚の薄い記録層の付近に凸部の熱拡散層が形成され、凸部の比較的膜厚の厚い記録層の付近に凹部の熱拡散層が形成されない。
【0012】
また、同心円状またはスパイラル状に形成されたトラッキング用の凸部および凹部を有する光ディスクにおいて、凹部に形成され情報を記録する記録層と、凸部に形成され情報を記録する記録層と、凸部であって、この凸部と隣接する凹部の記録層の近傍に形成され、凹部の記録層に発生した熱を拡散させる熱拡散層とを備えてもよい
したがって、凹部の記録層に発生した熱が隣接する凸部の熱拡散層により放熱される。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態である光ディスクの断面図であり、(a)はランド部への記録消去時、(b)はグルーブ部への記録消去時を示している。
ここでは、第1の実施の形態として、記録層として相変化膜を用いたランド部およびグルーブ部の双方に情報の記録が可能な相変化光ディスクについて説明する。
図1において、基板3は、トラッキング用の凹凸が同心円状またはスパイラル状に形成された円形の基板である。
【0014】
ランド部(凸部)10Aおよびグルーブ部(凹部)10Bの幅は、それぞれ約0.7μm、グルーブ部10Bの深さhすなわちランド部10A,グルーブ部10Bにおける光ディスクの厚さ方向の高さの差は約175nm(80〜600nm)である。
この基板3上に、AlにWを添加した熱拡散層12が、グルーブ部10Bにおいて約100nmの膜厚となるように形成されている。
【0015】
この熱拡散層12の上に、ZnS;SiO2からなる下部保護膜2が、グルーブ部10Bにおいて約75nmの膜厚となるように形成されている。
次に、この下部保護膜2の上に、Ge2Sb2Te5の相変化膜からなる記録層11が、グルーブ部10Bにおいて約80nm(50〜150nm)の膜厚となるように形成されている。
【0016】
なお、グルーブ部10Bの記録層11Bおよびランド部10Aの熱拡散層12Aは、光ディスクの厚さ方向における高さ位置として、ほぼ一致する位置に形成されるのが望ましい。
さらに、この記録層11の上に、上部保護膜1としてZnS;SiO2が、グルーブ部10Bにおいて約100nm(50〜150nm)の膜厚となるように形成されている。
【0017】
次に、図1を参照して、第1の実施の形態による動作として、相変化光ディスクの記録消去動作について説明する。
相変化光ディスクの記録および再生を行う際は、熱拡散層12の形成されていないディスク面側から、所定位置のランド部10Aまたはグルーブ部10Bにレーザー光を照射することにより記録再生を行う。
通常、スパッタリングにより相変化膜からなる記録層11を形成した場合、形成直後にはアモルファス状態になっている。なお、熱処理などをすることにより初期化状態を結晶化状態とすることも可能である。
【0018】
相変化光ディスクに情報を記録する場合、記録層11の結晶構造が、初期化状態であるアモルファス状態から結晶化状態に相変化するために必要なパワーのレーザー光(約13mW)を照射することにより記録が行われる。
また、相変化光ディスクに記録されている情報を消去する場合、記録層11の結晶構造が、結晶化状態からアモルファス状態に相変化するのに必要な消去パワーであって、アモルファス状態の部分はアモルファス状態を保てるパワーのレーザー光(約17mW)を照射することによって消去が行われる。
【0019】
ランド部10Aに対して記録消去する場合、図1(a)に示すように、所定パワーPのレーザー光の照射によりランド部10Aが熱せられる。これにより、記録層11Aの結晶構造がアモルファス状態から結晶化状態に相変化するものとなり、情報が記録される。
ここで、記録層11Aの膜厚がグルーブ部10Bの記録層11Bの膜厚より厚いにもかかわらず、ランド部10Aの記録層11Aの近傍には熱拡散層12が形成されていないことから、レーザー光の記録パワーはほとんど記録層11Aの加熱に利用されるものとなり、膜厚の薄いグルーブ部10Bに対する記録消去パワーと等しい比較的低いパワーのレーザー光で効率よく加熱できる。
【0020】
また、加熱されたランド部10Aの記録層11から隣接するグルーブ部10Bに対して熱が伝導されるが、ランド部10Aの熱拡散層12Aにより熱がトラック方向に沿って拡散される。
したがって、ランド部10Aの記録層11Aからの熱により、消去が生じる温度までグルーブ部10Bの記録層11Bが加熱されなくなり、隣接するグルーブ部10Bに対する誤った消去が抑止される。
【0021】
一方、グルーブ部10Bに対して記録消去する場合、図1(b)に示すように、所定パワーPのレーザー光の照射によりグルーブ部10Bが熱せられる。これにより、記録層11Bの結晶構造がアモルファス状態から結晶化状態に相変化するものとなり、情報が記録される。
ここで、グルーブ部10Bの記録層11Bの近傍には熱拡散層12Aが形成されていることから、記録層11Bの膜厚がランド部10Aの記録層11Aより薄いにもかかわらず、ランド部10Aの熱拡散層12Aにより熱がトラック方向に沿って拡散される。
【0022】
したがって、グルーブ部10Bの記録層11Bからの熱により、消去が生じる温度までランド部10Aの記録層11Aが加熱されなくなり、隣接するランド部10Aに対する誤った消去が抑止される。
また、グルーブ部10Bの記録層11Bに対して記録消去を行う場合、熱拡散層がない従来の光ディスクと比較して、より高いパワーで記録消去することができ、膜厚の厚いランド部10Aへの記録消去パワーに等しいパワーのレーザー光で安定した記録消去を行うことができる。
【0023】
このように、グルーブ部10Bの記録層11Bから隣接ランド部10Aの熱拡散層12Aまでの熱抵抗が、記録層11Aまでの熱抵抗に比較して小さく、熱伝導的に近い位置に熱拡散層を形成したので、従来のように、単にランド部とグルーブ部とに深い段差(深溝)を設けた場合と比較して、ランド部およびグルーブ部の記録層に膜厚差が発生する場合でも、隣接するランド部に対する誤った消去(クロスイレーズ)を発生させることなく、等しいパワーのレーザー光により安定して記録消去することができ、装置の構成および制御を簡略化できる。
【0024】
なお、グルーブ部10Bの記録層11Bおよびランド部10Aの熱拡散層12Aは、光ディスクの厚さ方向における高さ位置として、ほぼ一致する位置に形成されるのが望ましく、記録層11Bと熱拡散層12Aとを熱伝導的に近い位置に確実に形成できる。
また、グルーブ部10Bにおいて熱拡散層12Bの膜厚と下部保護膜2Bの膜厚との和tbbが、基板3のグルーブ部10Bの深さhとほぼ等しく、例えば深さhの50〜150%となるように各層の膜厚を決定してもよく、記録層11Bと熱拡散層12Aとを熱伝導的に近い位置に確実に形成できる。
【0025】
次に、図2を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図2は本発明の第2の実施の形態である光ディスクの断面図であり、(a)はランド部への記録消去時、(b)はグルーブ部への記録消去時を示している。
ここでは、第2の実施の形態として、記録層に光磁気膜を用いてランド部およびグルーブ部の双方に情報の記録が可能な光磁気ディスクについて説明する。
図2において、基板3は、トラッキング用の凹凸が同心円状またはスパイラル状に形成された円形の基板である。
【0026】
ランド部(凸部)10Aおよびグルーブ部(凹部)10Bの幅は、それぞれ約0.7μm、凹部10Bの深さhすなわちランド部10A,グルーブ部10Bにおける光ディスクの厚さ方向の高さの差は約175nm(80〜600nm)である。
この基板3上に、AlにWを添加した熱拡散層22が、グルーブ部10Bにおいて約100nm(10〜500nm)の膜厚となるように形成されている。
【0027】
この熱拡散層22の上に、ZnS;SiO2からなる下部保護膜2が、グルーブ部10Bにおいて約75nmの膜厚となるように形成されている。
次に、この下部保護膜2の上に、常温で垂直磁化状態となる光磁気膜TbFeCoなどの垂直磁化膜からなる記録層21が、グルーブ部10Bにおいて約80nm(50〜150nm)の膜厚となるように形成されている。
【0028】
なお、グルーブ部10Bの記録層21Bおよびランド部10Aの熱拡散層22Aは、光ディスクの厚さ方向における高さ位置として、ほぼ一致する位置に形成されるのが望ましい。
さらに、この記録層21の上に、上部保護膜1としてZnS;SiO2が、グルーブ部10Bにおいて約100nm(50〜150nm)の膜厚となるように形成されている。
【0029】
次に、図2を参照して、第2の実施の形態による動作として、光磁気ディスクの記録消去動作について説明する。
第2の実施の形態による光磁気ディスクの記録および消去を行う際は、熱拡散層22の形成されていないディスク面側から、所定位置のランド部10Aまたはグルーブ部10Bに所定の消去パワーのレーザー光(約9mW)を照射して加熱するとともに、その加熱部分に所定方向の磁界を印可して、記録層21の磁化方向を変化させることにより、所望の情報を記録し消去(初期化)する。
【0030】
情報を記録する場合、所定再生パワーのレーザー光(約9mW)を照射する。これにより、記録層21の温度がキュリー点近傍まで達し、記録用磁界(約300Oe)により磁化反転可能となり、その高温部に記録用磁界(上向き:情報”1”とする。)を印加することにより、記録層21に情報が記録される。
また、情報を消去(初期化)する場合、所定消去パワーのレーザー光(約9mW)を照射する。これにより、記録層21の温度がキュリー点近傍まで達し、記録用磁界(約300Oe)により磁化反転可能となり、その高温部に初期化用磁界(下向き:情報”0”とする。)を印加することにより、記録層21の情報を消去(初期化)する。
【0031】
ランド部10Aに対して記録消去する場合、図2(a)に示すように、所定パワーPのレーザー光の照射によりランド部10Aが熱せられる。これにより、記録層21Aの温度がキュリー点近傍まで達し、外部から印可された磁界に応じて情報が記録される。
ここで、記録層21Aの膜厚がグルーブ部10Bの記録層21Bの膜厚より厚いにもかかわらず、ランド部10Aの記録層21Aの近傍には熱拡散層22が形成されていないことから、レーザー光の記録パワーはほとんど記録層21Aの加熱に利用されるものとなり、膜厚の薄いグルーブ部10Bに対する記録消去パワーと等しい比較的低いパワーのレーザー光で効率よく加熱できる。
【0032】
また、加熱されたランド部10Aの記録層21から隣接するグルーブ部10Bに対して熱が伝導されるが、ランド部10Aの熱拡散層22Aにより熱がトラック方向に沿って拡散される。
したがって、ランド部10Aの記録層21Aからの熱により、消去が生じる温度までグルーブ部10Bの記録層21Bが加熱されなくなり、隣接するグルーブ部10Bに対する誤った消去が抑止される。
【0033】
一方、グルーブ部10Bに対して記録消去する場合、図2(b)に示すように、所定パワーPのレーザー光の照射によりグルーブ部10Bが熱せられる。これにより、記録層11Bの温度がキュリー点近傍まで達し、外部から印可された磁界に応じて情報が記録される。
ここで、グルーブ部10Bの記録層21Bの近傍には熱拡散層22Aが形成されていることから、記録層21Bの膜厚がランド部10Aの記録層21Aより薄いにもかかわらず、ランド部10Aの熱拡散層22Aにより熱がトラック方向に沿って拡散される。
【0034】
したがって、グルーブ部10Bの記録層21Bからの熱により、消去が生じる温度までランド部10Aの記録層21Aが加熱されなくなり、隣接するランド部10Aに対する誤った消去が抑止される。
また、グルーブ部10Bの記録層21Bに対して記録消去を行う場合、熱拡散層がない従来の光ディスクと比較して、より高いパワーで記録消去することができ、膜厚の厚いランド部10Aへの記録消去パワーに等しいパワーのレーザー光で安定した記録消去を行うことができる。
【0035】
このように、グルーブ部10Bの記録層21Bから隣接ランド部10Aの熱拡散層22Aまでの熱抵抗が、記録層21Aまでの熱抵抗に比較して小さく、熱伝導的に近い位置に熱拡散層を形成したので、従来のように、単にランド部とグルーブ部とに深い段差(深溝)を設けた場合と比較して、ランド部およびグルーブ部の記録層に膜厚差が発生する場合でも、隣接するランド部に対する誤った消去(クロスイレーズ)を発生させることなく、等しいパワーのレーザー光により安定して記録消去することができ、装置の構成および制御を簡略化できる。
【0036】
なお、グルーブ部10Bの記録層21Bおよびランド部10Aの熱拡散層22Aは、光ディスクの厚さ方向における高さ位置として、ほぼ一致する位置に形成されるのが望ましく、記録層21Bと熱拡散層22Aとを熱伝導的に近い位置に確実に形成できる。
また、グルーブ部10Bにおいて熱拡散層22Bの膜厚と下部保護膜2Bの膜厚との和tbbが、基板3のグルーブ部10Bの深さhとほぼ等しく、例えば深さhの50〜150%となるように各層の膜厚を決定してもよく、記録層21Bと熱拡散層22Aとを熱伝導的に近い位置に確実に形成できる。
【0037】
次に、図3を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図3は、本発明の第3の実施の形態による光ディスクの断面図であり、特に、前述の第2の実施の形態(図2参照)を、磁気的超解像(MSR)を利用した光磁気ディスク(いわゆるCAD方式と呼ばれる光ディスク)に適用したものである。
なお、図3において、前述の第2の実施の形態(図2参照)と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
【0038】
この場合、磁気的超解像により高密度の記録再生を行うため、第2の実施の形態に加え、上部保護層1と常温で垂直磁化状態となる記録層21との間に、再生層23がグルーブ部10Bにおいて約30nmの膜厚となるように形成されている。
再生層23は、常温で面内磁化状態となり記録消去パワー(約9mW)より小さい所定再生パワー(約2〜4mW)以上のパワーのレーザー光による加熱により垂直磁化状態となる。
【0039】
この再生層23として、GdFeCoからなる光磁気膜を用いる場合、上記要件を満たすために、Gdの組成は26〜33atm%であるものが適当である。
また、この膜中のFeCoにおけるCoの組成は、その再生特性から5〜80atm%であるものが適当である。
【0040】
なお、前述(図2参照)と同様に、グルーブ部10Bの記録層21Bから隣接ランド部10Aの熱拡散層22Aまでの熱抵抗が、記録層21Aまでの熱抵抗に比較して小さく、熱伝導的に近い位置に熱拡散層22Aが形成されている。
例えば、グルーブ部10Bの記録層21Bおよびランド部10Aの熱拡散層22Aは、光ディスクの厚さ方向における高さ位置として、ほぼ一致するに形成されるのが望ましい。
【0041】
これにより、従来のように、単にランド部とグルーブ部とに深い段差(深溝)を設けた場合と比較して、ランド部およびグルーブ部の記録層に膜厚差が発生する場合でも、隣接するランド部に対する誤った消去(クロスイレーズ)を発生させることなく、等しいパワーのレーザー光により安定して記録消去することができ、装置の構成および制御を簡略化できる。
なお、第2の実施の形態に比較して、再生層23が追加されているが、この再生層23は記録消去パワーにより垂直磁化状態となることから、記録層21に対する記録消去動作は前述と同様であり、ここでの説明は省略する。
【0042】
次に、図4を参照して、本発明の第4の実施の形態について説明する。
図4は、本発明の第4の実施の形態による光ディスクの断面図であり、特に、前述の第3の実施の形態(図2参照)を、磁気的超解像(MSR)を利用した光磁気ディスク(いわゆるダブルマスクCAD方式と呼ばれる光ディスク)に適用したものである。
なお、図4において、前述の第3の実施の形態(図3参照)と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
【0043】
この場合、磁気的超解像により高密度の記録再生を行うため、第3の実施の形態に加え、記録層21と再生層23との間に再生中間層24が、グルーブ部10Bにおいて約30nmの膜厚となるように形成されている。
再生中間層24は、常温では面内磁化状態であるが、記録消去パワー(約9mW)より小さい所定再生パワー(約2〜4mW)以上のパワーのレーザー光が照射された場合にはその部分の温度が上がり垂直磁化状態となり、さらに温度が上がるとキュリー点に達し磁化消失状態となる。
【0044】
この際、再生中間層24のキュリー点は、再生層23が面内磁化状態から垂直磁化状態に変化する温度よりも高くなければならない。
この再生中間層24としてTbFeからなる光磁化膜を用いる場合、上記要件を満たすためには、Tb組成は19atm%から25atm%であるものが適当である。
【0045】
なお、前述(図2,3参照)と同様に、グルーブ部10Bの記録層21Bから隣接ランド部10Aの熱拡散層22Aまでの熱抵抗が、記録層21Aまでの熱抵抗に比較して小さく、熱伝導的に近い位置に熱拡散層22Aが形成されている。
例えば、グルーブ部10Bの記録層21Bおよびランド部10Aの熱拡散層22Aは、光ディスクの厚さ方向における高さ位置として、ほぼ一致するに形成されるのが望ましい。
【0046】
これにより、従来のように、単にランド部とグルーブ部とに深い段差(深溝)を設けた場合と比較して、ランド部およびグルーブ部の記録層に膜厚差が発生する場合でも、隣接するランド部に対する誤った消去(クロスイレーズ)を発生させることなく、等しいパワーのレーザー光により安定して記録消去することができ、装置の構成および制御を簡略化できる。
なお、第3の実施の形態に比較して、再生中間層24が追加されているが、この再生中間層24は記録消去パワーにより垂直磁化状態となることから、記録層21に対する記録消去動作は前述と同様であり、ここでの説明は省略する。
【0047】
次に、図5を参照して、本発明の第5の実施の形態について説明する。
図5は、本発明の第5の実施の形態による光ディスクの断面図であり、特に、前述の第1の実施の形態(図2参照)を、磁気的超解像(MSR)を利用した光磁気ディスク(いわゆるダブルマスク方式と呼ばれる光ディスク)に適用したものである。
なお、図5において、前述の第2の実施の形態(図2参照)と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
【0048】
この場合、磁気的超解像により高密度の記録再生を行うため、第2の実施の形態に加え、記録層21の上に再生中間層54がグルーブ部10Bにおいて約50nmとなるように形成され、この再生中間層54と下部保護層2との間に再生層53がグルーブ部10Bにおいて約30nmの膜厚となるように形成されている。
再生層53は、常温および再生パワーのレーザー光(約2〜4mW)が照射された場合でも垂直磁化状態となり、再生中間層54は、常温では面内磁化状態であるが再生パワーのレーザー光の照射により温度上昇した場合に垂直磁化状態となり、さらに温度が上がるとキュリー点に達して磁化消失するものである。
【0049】
再生層53としてGdFeCoからなる光磁化膜を用いる場合、再生特性上、Gdの組成は24〜26atm%であるものが適当である。
また、この膜中のFeCoにおけるCoの組成は5〜80atm%であるものが適当である。
さらに、再生中間層54としてGdFeからなる光磁化膜を用いる場合、上記要件を満たすためには、Gdの組成は26〜33atm%であるものが適当である。
【0050】
なお、前述(図2参照)と同様に、グルーブ部10Bの記録層21Bから隣接ランド部10Aの熱拡散層22Aまでの熱抵抗が、記録層21Aまでの熱抵抗に比較して小さく、熱伝導的に近い位置に熱拡散層22Aが形成されている。
例えば、グルーブ部10Bの記録層21Bおよびランド部10Aの熱拡散層22Aは、光ディスクの厚さ方向における高さ位置として、ほぼ一致するに形成されるのが望ましい。
【0051】
これにより、従来のように、単にランド部とグルーブ部とに深い段差(深溝)を設けた場合と比較して、ランド部およびグルーブ部の記録層に膜厚差が発生する場合でも、隣接するランド部に対する誤った消去(クロスイレーズ)を発生させることなく、等しいパワーのレーザー光により安定して記録消去することができ、装置の構成および制御を簡略化できる。
なお、第2の実施の形態に比較して、再生層53,再生中間層54が追加されているが、これらの層は記録消去パワーにより垂直磁化状態となることから、記録層21に対する記録消去動作は前述と同様であり、ここでの説明は省略する。
【0052】
なお、以上の第3〜第5の実施の形態において、グルーブ部10Bの記録層21Bから隣接ランド部10Aの熱拡散層22Aまでの熱抵抗が、記録層21Aまでの熱抵抗に比較して小さく、熱伝導的に近い位置に熱拡散層22Aを形成する方法の一つとして、グルーブ部10Bにおいて熱拡散層22Bの膜厚と下部保護膜2Bの膜厚との和tbbが、基板3のグルーブ部10Bの深さhとほぼ等しく、例えば、膜厚和tbbが深さhの50〜150%となるように各層の膜厚を決定してもよく、記録層21Bと熱拡散層22Aとを熱伝導的に近い位置に確実に形成できる。
【0053】
また、本発明の第6の実施の形態として、図6に示すように、光ディスクの上部保護層1側の面に、使用するレーザー光の波長において透過性を有するガラス、Al203(アルミナ)、SiO2などからなる約1mm厚の円形の透明基板4を接着してもよい。
図6には、第1の実施の形態(図1参照)の光ディスク(相変化光ディスク)に第6の実施の形態を適用した例が示されているが、これに限定されるものではなく、第2〜第5の実施例(図2〜5参照)の各光ディスク(光磁気ディスク)にも同様にして適用することができる。
これにより、従来の光ディスク再生装置にて本発明の各光ディスクを記録再生することができる。
【0054】
【実施例】
次に、本発明の実施例として、前述した第1〜第5の実施の形態による光ディスクの形成方法について説明する。
第1の実施の形態(図1参照)による光ディスク(相変化光ディスク)を形成する場合、まず、2P法などにより形成された高低差、約175nmのトラッキング用のランド部(凸部)10Aおよびグルーブ部(凹部)10Bを同心円状またはスパイラル状に有する基板3上に、RFマグネトロンスパッタにより、Al:Wからなる熱拡散層12を、グルーブ部10Bにおいて約100nmの膜厚となるように形成する。
【0055】
この際、AlにWを添加したターゲットを用い、スパッタ装置のチャンバー内のガス圧を、一旦、1×10-6Torr以下に排気した後、Arガスを導入して、チャンバー内のガス圧を5×10-3Torrとしてスパッタを行う。
この上にZnS;SiO2からなる下部保護層2を、グルーブ部10Bにおいて約75nmとなるように形成する。
この際、ZnS;SiO2のターゲットを用い、スパッタ装置のチャンバー内を、一旦、1×10-6Torr以下に排気した後、Arガスを導入し、チャンバー内のガス圧が5×10-3Torrとする。
【0056】
次に、同様にRFマグネトロンスパッタにより、下部保護層2の上にGe2Sb2Te5からなる記録層11を、グルーブ部10Bにおいて約80nmとなるように形成する。
この際、Ge2Sb2Te5のターゲットを用い、スパッタ装置内の条件は、ZnS;SiO2の場合と同様である。
さらに記録層11の上に、上部保護層1としてZnS;SiO2を下部保護層2と同様の方法により、グルーブ部10Bにおいて約100nmとなるように形成する。
【0057】
次に、第2の実施の形態(図2参照)による光ディスク(相変化光ディスク)を形成する場合、まず、2P法などにより形成された高低差、約175nmのトラッキング用のランド部(凸部)10Aおよびグルーブ部(凹部)10Bを同心円状またはスパイラル状に有する基板3上に、RFマグネトロンスパッタにより、Al:Wからなる熱拡散層22を、グルーブ部10Bにおいて約100nmの膜厚となるように形成する。
【0058】
この際、AlにWを添加したターゲットを用い、スパッタ装置のチャンバー内のガス圧を、一旦、1×10-6Torr以下に排気した後、Arガスを導入して、チャンバー内のガス圧を5×10-3Torrとしてスパッタを行う。
この上にZnS;SiO2からなる下部保護層2を、グルーブ部10Bにおいて約75nmの膜厚となるように形成する。
この際、Siターゲットを用い、スパッタ装置のチャンバー内のガス圧を、一旦、1×10-6Torr以下に排気した後、ArとN2の混合ガスを導入して、チャンバー内のガス圧を5×10-3Torrとしてスパッタを行う。
【0059】
次に、この下部保護層2の上に、記録層21としてTbFeCoなどからなる垂直磁化する光磁気膜を、グルーブ部10Bにおいて約100nmの膜厚となるように形成する。
ここでは、Tb、Fe、Coのそれぞれのターゲットを用い、Arガスを導入してチャンバー内のガス圧を5×10-3Torrとしてコスパッタを行う。
この際形成されるTbFeCoの組成は、(Tb:21atm%、Fe:63.2atm%、Co:15.8atm%)である。
【0060】
さらに、この記録層21上に、RFマグネトロンスパッタにより、SiNからなる上部保護層1を、グルーブ部10Bにおいて約70nmの膜厚となるように形成する。
この際、Siターゲットを用い、スパッタ装置のチャンバー内のガス圧を、一旦、1×10-6Torr以下に排気した後、ArとN2の混合ガスを導入して、チャンバー内のガス圧を5×10-3Torrとしてスパッタを行う。
【0061】
なお、第3の実施の形態(図3参照)による光ディスク(相変化光ディスク)を形成する場合、前述した第2の実施の形態の光ディスク形成方法において、記録層21まで形成したものの上に、再生層23としてGdFeCoなどからなる、常温で面内磁化を示す光磁気膜を、グルーブ部10Bにおいて約50nmの膜厚となるように形成する。
ここでは、Gd、Fe、Coのそれぞれのターゲットを用い、Arガスを導入してチャンバー内のガス圧を5×10-3Torrとしてコスパッタを行うことにより形成する。
【0062】
この際に形成されるGdFeCoの組成は、(Gd:29atm%、Fe:56.8atm%、Co:14.2atm%)であるが、この組成に限られず、常温では面内磁化膜状態であり、再生時のパワーが照射された際は垂直磁化状態となる膜であれば良い。
この上に、前述の第2の実施の形態と同様の方法により上部保護層1を形成する。
なお、この場合の記録層は、グルーブ部10Bにおいて約50nmの膜厚となるように形成される。
【0063】
なお、第4の実施の形態(図4参照)による光ディスク(相変化光ディスク)を形成する場合、前述した第3の実施の形態の光ディスク形成方法において、記録層21まで形成したものの上に、再生中間層24としてTbFeからなる磁性体膜であって、常温で垂直磁化状態を示すが高温となったときキュリー点に達し磁化を失う膜を、グルーブ部10Bにおいて約30nmの膜厚で形成する。
ここでは、Tb、Feのそれぞれのターゲットを用い、Arガスを導入してチャンバー内のガス圧を5×10-3Torrとしてコスパッタを行うことにより形成する。
【0064】
この際に形成されるTbFeCoの組成は、(Tb:21atm%、Fe:79atm%)である。
この上に、前述の第3の実施の形態と同様の方法により、再生層23および上部保護層1をそれぞれ形成する。
【0065】
さらに、第5の実施の形態(図5参照)による光ディスク(相変化光ディスク)を形成する場合、前述した第2の実施の形態の光ディスク形成方法において、記録層21まで形成したものの上に、再生中間層54として、GdFeなどからなる磁性体膜であって、常温では面内磁化状態であるが、再生用レーザー光が照射され、ある一定温度以上になると垂直磁化状態を示し、それより高いある温度以上になると磁化を失う光磁気膜を、グルーブ部10Bにおいて約50nmの膜厚となるように形成する。
【0066】
ここでは、Gd、Feのそれぞれのターゲットを用い、Arガスを導入してチャンバー内のガス圧を5×10-3Torrとしてコスパッタを行うことにより形成する。
この際に形成されるGdFeCoの組成は、(Gd:29atm%、Fe:71atm%)であるが、この組成に限られず、レーザー光の照射されたレーザースポット内において、低温領域では面内磁化状態を示し、それよりも温度の高い領域(中温領域)では垂直磁化状態となり、更に高温となった状態では、キュリー点に達し磁化を失うものであればよい。
【0067】
さらに、この再生中間層54の上に、再生層53としてGdFeCoからなる磁性体膜であって、常温およびレーザー光が照射された際においても垂直磁化状態を示す光磁気膜を、グルーブ部10Bにおいて約50nmの膜厚となるように形成する。
ここでは、Gd、Fe、Coのそれぞれのターゲットを用い、Arガスを導入してチャンバー内のガス圧を5×10-3Torrとしてコスパッタを行うことにより形成する。
【0068】
この際に形成されるGdFeCoの組成は、(Gd:25atm%、Fe:60atm%、Co:15atm%)であるが、この組成に限られず、常温および再生パワーのレーザー光が照射された際でも垂直磁化状態を示す膜であれば良い。
この上に、前述した第1の実施の形態と同様の方法により上部保護層1を形成する。
なお、この場合の記録層21は、グルーブ部10Bにおいて約50nmの膜厚となるように形成される。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、同心円状またはスパイラル状に形成されたトラッキング用の凸部および凹部を有する基板と、基板上に形成された熱拡散層と、熱拡散層上に形成された保護層と、保護層上に形成された、レーザー光の照射によって情報を記録する記録層とを備え、凹部上に位置する記録層は、その厚さが凸部上に位置する記録層より薄く、凹部上に位置する記録層は、厚さ方向において凸部上に位置する熱拡散層とほぼ一致する高さ位置にあり、凹部上に位置する記録層及び凸部上に位置する記録層には、同じパワーのレーザー光の照射により情報が記録され、レーザー光は、基板の反対側より記録層に照射されるものとしたので、凹部の薄い記録層に発生した熱を確実に放熱することができる。したがって、従来のように、単に凸部と凹部とに深い段差(深溝)を設けた場合と比較して、凸部および凹部の記録層に膜厚差が発生する場合でも、隣接する凸部に対する誤った消去(クロスイレーズ)を発生させることなく、等しいパワーのレーザー光により安定して記録消去することができ、装置の構成および制御を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態による光ディスク(相変化光ディスク)を示す断面図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態による光ディスク(光磁気ディスク)を示す断面図である。
【図3】 本発明の第3の実施の形態による光ディスク(光磁気ディスク:CAD方式)を示す断面図である。
【図4】 本発明の第4の実施の形態による光ディスク(光磁気ディスク:ダブルマスクCAD方式)を示す断面図である。
【図5】 本発明の第5の実施の形態による光ディスク(光磁気ディスク:ダブルマスク方式)を示す断面図である。
【図6】 本発明の第6の実施の形態による光ディスク(相変化光ディスク)を示す断面図である。
【図7】 従来の光ディスク(相変化光ディスク)を示す断面図である。
【符号の説明】
1…上部保護層、2…下部保護層、3…基板、4…透明基板、10A…ランド部(凸部)、10B…グルーブ部(凹部)、11,21…記録層、12,22…熱拡散層、23,53…再生層、24,54…中間再生層。

Claims (1)

  1. 同心円状またはスパイラル状に形成されたトラッキング用の凸部および凹部を有する基板と、
    基板上に形成された熱拡散層と、
    拡散層上に形成された保護層と、
    護層上に形成された、レーザー光の照射によって情報を記録する記録層とを備え、
    凹部上に位置する記録層は、その厚さが凸部上に位置する記録層より薄く、
    凹部上に位置する記録層は、厚さ方向において凸部上に位置する熱拡散層とほぼ一致する高さ位置にあり、
    凹部上に位置する記録層及び凸部上に位置する記録層、同じパワーのレーザー光の照射により情報記録され、
    レーザー光は、基板の反対側より記録層に照射されることを特徴とする記録可能な光ディスク。
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