JP3735341B2 - 内視鏡検査用ベッド - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検者の体腔内に内視鏡を挿入して診断・処置を行う際に被検者が横たわる内視鏡検査用ベッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡を被検者の体腔内に挿入して診断・処置などを行う場合、一般的に、被検者は検査室内に設置されている固定ベッドに横たわって行われていた。
【0003】
また、被検者の移動や検査の際の負担を軽減するため、前処置から診断・処置及び診断・処置終了後の後処置までの間、被検者を乗り降りの必要のないストレッチャーに乗せたままの状態で、一連の内視鏡的処置が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、通常のストレッチャーでは、背もたれの角度調節を行うリクライニング機構が無く、またたとえリクライニング機構が有る場合でも、前処置時や検査時または検査終了後の後処置時に、被検者に内視鏡検査特有の姿勢をとってもらうためには不十分なリクライニング機構であった。
【0005】
また、前記ストレッチャーでは、ベッドの昇降を手回しのハンドル操作で行うようになっていたため、非力な看護婦にはハンドル操作が負担になっていた。
【0006】
さらに、ストレッチャーの床面積は、固定ベッドの床面積と大差がないため、上部・下部同時検査時などに被検者の向きを反転させる場合、検査室が狭いと反転移動が難しいという問題があった。
【0007】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、被検者が内視鏡検査特有の姿勢を容易にとれて被検者に負担が少なく、且つ術者及び看護婦などに負担が少なく、効率良く内視鏡観察下の検査が行える内視鏡検査用ベッドを提供することを目的にしている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の内視鏡検査用ベッドは、ベース部材と、このベース部材上に設置された寝台とを有し、前記ベース部材に付属したキャスターによって移動可能な内視鏡検査用ベッドにおいて、前記ベース部材の上部に、当該ベース部材に対して前記寝台を昇降させる昇降手段を介して配設された腰受け部と、前記腰受け部の一端部に配設された回動軸に軸支され、前記腰受け部に対して上方となる位置から略同一面となる位置までは当該腰受け部に対して相対的に回動可能に、当該腰受け部に対して略同一面となる位置から下方となる位置に向けては当該腰受け部と一体的に回動可能に配設された背もたれ部と、前記背もたれ部の一端部に配設され、前記背もたれ部に対して、当該背もたれ部を少なくとも下方に向けて回動させる回動力を印加させるための操作レバーと、前記操作レバーの操作により、前記背もたれ部と前記腰受け部とが略同一面となる位置より下方に向けて一体的に回動された際、前記腰受け部を前記ベース部材に対して水平となる位置に戻すよう付勢する付勢部材と、を具備したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図3は本発明の第1実施形態に係り、図1は内視鏡検査用ベッドの概略構成を示す説明図、図2は内視鏡検査用ベッドに設けた旋回位置固定手段及び昇降手段を説明する一部断面図、図3は内視鏡検査用ベッドのベッド状態及びいす状態等を説明する図である。
【0011】
図1(A)、(B)に示すように本発明の内視鏡検査用ベッド1は、ベース部材であるベースフレーム2と、寝台3とで主に構成されており、前記ベースフレーム2と前記寝台3とはベースフレーム2に対して寝台3を昇降させる昇降手段6を介して連結固定されている。なお、前記ベースフレーム2の前後四隅には移動用のキャスター5が配設されている。
【0012】
まず、寝台3について説明する。
前記寝台3は、背もたれ部10、腰受け部20及び脚受け部30とで構成されており、前記背もたれ部10、腰受け部20及び脚受け部30は、それぞれ背もたれ部フレーム11、腰受け部フレーム21及び脚受け部フレーム31に、背もたれ用マットレス12、腰受け用マットレス22、脚受け用マットレス32を図示しないマジックテープ(R)などの接合部材を介して着脱自在に設けられている。なお、前記脚受け部30には後述する足受け部35が設けられている。
【0013】
前記腰受け部フレーム21の前方側部及び後方側部には凸出部23が設けられており、これら凸出部23には腰受け部回転軸24が設けられている。前記前方側部の凸出部23に設けられている腰受け部回転軸24は、前記脚受け部フレーム31の軸受け部(不図示)に回動自在に連結されており、前記後方側部の凸出部23に設けられている腰受け部回転軸24は前記背もたれ部フレーム11の軸受け部(不図示)に回動自在に連結されている。
【0014】
前記腰受け部フレーム21に対して回動自在に連結されている前記背もたれ部フレーム11と前記脚受け部フレーム31とは、腰受け部フレーム21の下方部に配設されている一対の旋回用ステー25によって連結されており、前記旋回用ステー25の一端部と前記背もたれ部フレーム11との接続部分及び前記旋回用ステー25の他端部と前記脚受け部フレーム31との接続部分は回動自在になっている。このため、背もたれ部フレーム11と、腰受け部フレーム21と、脚受け部フレーム31と、旋回用ステー25とでリンク機構が構成される。
【0015】
前記脚受け部フレーム31の先端側端部に設けられている脚受け部回転軸33は、前記足受け部35の軸受け部(不図示)に回動自在に連結されている。この足受け部35には前記脚受け部フレーム31の下方部に配設されている一対の足受け用ステー34の一端部がステー用回転軸36に回動自在に連結されると共に、前記足受け用ステー34の他端部が前記腰受け部フレーム21に設けられているステー用回転軸26に回動自在に連結されている。このため、腰受け部フレーム21と、脚受け部フレーム31と、脚受け部35と、足受け用ステー34とでリンク機構が構成される。
【0016】
図2(A)、(B)に示すように前記腰受け部フレーム21には前記旋回用ステー25に並行に旋回位置固定手段と旋回付勢手段とを兼ねるガススプリング40が一対配設されている。このガススプリング40の摺動軸41の先端部分は、ブロック42を介して前記腰受け部フレーム21の裏面側に設けられている前方側ブラケット43に一体的に固定され、前記ガススプリング40の他端部は前記背もたれ部フレーム11に固定されている。
【0017】
前記ブロック42には、前記ガススプリング40に設けられているロック解除ピン40aが伸縮するように前記摺動軸41が固定されると共に、前記ロック解除ピン40aの先端面に回動動作によりこのロック解除ピン40aを操作するレバー44の凹部44aが配設されている。このため、前記レバー44が時計方向に回転することによって、前記ロック解除ピン40aが押し込まれるようになっている。
【0018】
前記レバー44の一端部には駆動用ワイヤ部材45を構成するワイヤ46の一端部が接続されている。前記駆動ワイヤ部材45は、前記ワイヤ46とこのワイヤ46が挿通される内孔を有する外装チューブ47とで構成されており、前記外装チューブ47は前記ブロック42と後方側ブラケット48との間に固設されている。なお、前記ワイヤ46の他端部は、図示しない滑車等を経由して、前記背もたれ部フレーム11側に導かれている。
【0019】
図1(A)に示すように前記背もたれ部フレーム11には左右内側面に略対象にそれぞれ2箇所づつ開口13、13を設けた中空のパイプ部材で形成した略U字形状の保持用バー14が設けられている。前記背もたれ部フレーム11側に導かれたワイヤ46は、前記保持用バー14に挿通されて左右それぞれに設けられている開口13間で露出して、他端部を保持用バー14の端部に固定している。
【0020】
このことにより、前記保持用バー14に形成されている開口13間で露出しているワイヤ46を、把持して引っ張ることによって、ブロック42に設けられているレバー44が時計方向に回転して、旋回位置固定手段としての前記ガススプリング40のロック解除ピン40aを押し込んで、摺動軸41の伸縮をフリー状態にして、背もたれ部フレーム11を腰受け部フレーム21に対して旋回させてリクライニング動作をさせることができるようになっている。そして、前記背もたれ部フレーム11が所望の角度に傾いたとき前記ワイヤ46から手を離すことによって、前記ガススプリング40がロック状態になって、背もたれ部フレーム11が所望の角度に保持された椅子状態になる。
【0021】
また、前記背もたれ部10を前記腰受け部20に対して例えば床に対して水平な方向である倒す方向に旋回させると、前記背もたれ部フレーム11に連結されている旋回用ステー25が先端方向に移動していくことにより、脚受け部フレーム31が押されて、この脚受け部30が前記腰受け部フレーム21に設けられている腰受け部回転軸24を中心にして矢印a方向(図2(A)参照)に移動する。
【0022】
さらに、前記脚受け部30が矢印a方向に回転移動していくことによって、前記腰受け部フレーム21に連結されている足受け用ステー34によって足受け部35が引っ張られて、前記足受け部35が脚受け部回転軸33を中心にして矢印b方向(図2(A)参照)に倒れていく。
【0023】
即ち、背もたれ部10を前記腰受け部20に対して倒す方向に旋回させて水平状態にすることによって、脚受け部30、足受け部35が前記背もたれ部10の旋回動作に連動して図3(A)に示すように水平なベッド状態になる。
【0024】
また、前記背もたれ部10を前記腰受け部20に対して起す方向に旋回させると、上述とは逆に背もたれ部フレーム11に連結されている旋回用ステー25が引かれて、脚受け部フレーム31が引っ張られて腰受け部フレーム21の腰受け部回転軸24を中心に脚受け部30が反矢印a方向に回転する。このとき、前記背もたれ部フレーム11は、旋回付勢手段としての前記ガススプリング40の摺動軸41の伸びる力によってほとんど背もたれフレーム11に力を加えることなく旋回して椅子状態になる。
【0025】
さらに、前記脚受け部30が反矢印a方向に回転することによって、腰受け部フレーム21に連結されている足受け用ステー34によって、足受け部35が押し出されるように所定の位置に迫りだしてくる。
【0026】
なお、前記保持用バー14から露出するワイヤ46の露出箇所は2箇所に限定されるものではなくそれ以上であってそれ以下であっもよい。
【0027】
また、前記背もたれ部10及び腰受け部20の両サイドには被検者の落下を防止するサイドアーム51、52が設けられている。また、足受け部35には把持部35aが設けられており、脚受け部30を前記腰受け部20に対して旋回させることができるようになっている。
【0028】
次に、昇降手段について説明する。
前記ベースフレーム2と前記寝台3とを連結する昇降手段6は、図1に示すように前記ベースフレーム2から突出して設けられている支柱61と、前記腰受け部フレーム21の底部から突出しているフレーム柱62と、前記支柱61及びフレーム柱62に回動自在に並設して連結された2本の昇降用ステー63、64とで構成されたリンク機構と、前記ベースフレーム2に回動自在に取り付けられた油圧シリンダ65とで構成されている。
【0029】
前記油圧シリンダ65の摺動先端部65aは、前記昇降用ステー63、64のうち図中上方側に位置する昇降用ステー63に対して回動自在に取り付けられている。
【0030】
また、前記油圧シリンダ65の基端部からは油圧シリンダ駆動軸(以下駆動軸と略記する)66が左右両側部方向に延出して設けられており、この延出する駆動軸66の両端部はベースフレーム2を貫通して、その先端部をベースフレーム2の両側部に配設した昇降フットペダル用シャフト67に接続している。
【0031】
この昇降フットペダル用シャフト67の両端部には上昇用フットペダル67u及び降下用フットペダル67dとが設けられており、上昇用フットペダル67uを踏むことによって、油圧シリンダ65内の圧力が上がって摺動先端部65aが伸びて図3(A)に示すように腰受け部フレーム21が上昇する。また、前記降下用フットペダル67dを踏むことによって、油圧シリンダ65内の圧力が下がって摺動先端部65aが縮んで図3(B)に示すように腰受け部20が降下するようになっている。
【0032】
つまり、前記油圧シリンダ65の摺動先端部65aが上下に移動することによって、前記昇降用ステー63がベースフレーム2の支柱61に対して回動して腰受け部フレーム21を昇降させるようになっている。このとき、並設した昇降用ステー63、64及び支柱61、フレーム柱62とで構成したリンク機構によって、前記腰受け部フレーム21の水平状態が保持されて昇降するようになっている。
【0033】
このように、内視鏡検査用ベッドの寝台を、背もたれ部と、腰受け部と、脚受け部とに分割して構成し、前記背もたれ部及び脚受け部を、前記腰受け部に対して回動自在に連結し、背もたれ部の傾きを保持するガススプリングを設けると共に、背もたれ部と脚受け部とを旋回用ステーを介して連結してリンク機構を構成したことにより、前記背もたれ部のリクライニング動作に連動して前記脚受け部が動作させて、内視鏡検査特有の姿勢を被検者に容易にとらせることができる。このことにより、被検者の苦痛低減が図れると共に、内視鏡検査時の作業性が大幅に向上する。
【0034】
また、脚受け部に回動自在に設けられている足受け部が、背もたれ部のリクライニング動作に連動して動作する脚受け部の動作に合わせて回動動作させることによって、足受け部が検査の際、じゃまにならないので、内視鏡下での検査をスムーズに行うことができる。
【0035】
さらに、背もたれ部のリクライニング操作を、背もたれ部に設けた保持用バーの左右から露出しているワイヤを把持して引っ張ることによって行うことができるので、背もたれ部のリクライニングの操作性が大幅に向上する。
【0036】
又、上昇用フットペダル及び下降用フットペダルを両端部に設けた昇降フットペダル用シャフトを、ベースフレームの両側部に設けているので、寝台のどちら側からでも寝台の昇降操作を行うことができる。
【0037】
図4は本発明の第2実施形態に係る内視鏡検査用ベッドの他の構成を示す説明図である。
上述の第1実施形態のように背もたれ部10と脚受け部30とが連動して動作する内視鏡検査用ベッド1では、内視鏡検査終了後の後処置の際、被検者が椅子状態で足を伸ばした姿勢で休憩することができない。そこで、本実施形態の内視鏡検査用ベッド1Aでは椅子状態で足を伸ばした姿勢で休憩することが可能である。
【0038】
図4(A),(B)に示すように本実施形態の内視鏡検査用ベッド1Aは、前記背もたれ部フレーム11と脚受け部フレーム31とを連結する旋回用ステー70を、中空な外ステー71と、前記外ステー71の中に配設されて摺動する内ステー72とで構成している。
【0039】
前記外ステー71の外周面には開口73が1箇所形成されており、この開口73には棒状部材74が配設されている。この棒状部材74の一端部は前記外ステー71の内孔内に位置し、他端部は外ステー71の外周面に固定されている板ばね75に固定されている。このため、前記棒状部材74は、常に外ステー71の中心軸方向に付勢されている。
【0040】
前記内ステー72の外周面には前記外ステー71の開口73から突出して板ばね75で付勢されている棒状部材74が嵌入する溝部76が2箇所並設しており、前記棒状部材74が溝部76に嵌入することによって内ステー72を保持固定している。
【0041】
このため、脚受け部フレーム31を上方向に持ち上げていくことにより、内ステー72を前記板ばね75の付勢力に抗して矢印c方向に摺動して、他方の溝部76に嵌入して脚受け部30だけが水平状態になる。その他の構成及び作用は前記実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0042】
このように、寝台を構成する背もたれ部と脚受け部とを外ステーと内ステーとで構成した旋回用のステーで連結し且つ、前記内ステーの位置を変更可能にしたことにより、腰受け部に対して脚受け部を旋回させて、背もたれ部の傾き状態を保持して、脚受け部だけを水平な状態にすることができる。このことにより、検査終了後の後処置の際、より楽な姿勢を被検者はとれる。
【0043】
なお、前記内ステーに設ける溝の数を増やすことによって脚受け部の停止する位置を任意に設定することができる。
【0044】
また、板ばねで付勢された棒状部材で内ステーを固定保持する方式の代わりに、内ステーが伸びた位置で、内蔵したツメを係して停止させ、再度内ステーを伸ばすことによって、ツメの係止状態が解除されて、内ステーが縮むようにしたフラップステー方式であってもよい。
【0045】
図5は本発明の第3実施形態に係る内視鏡検査用ベッドの別の構成を示す説明図である。
上述の実施形態の内視鏡検査用ベッド1では寝台3の高さ調節は、リンク機構からなる昇降手段6によって、腰受け部20が水平な状態を保持して昇降させることによって行っていた。この構成では、ベッド状態から椅子状態に戻すとき、腰受け部20が水平状態になっていることにより、背もたれ部10が復帰する際の勢いで、被検者の腰が腰受け部20から滑り落ちてしまうおそれがある。そこで、本実施形態の内視鏡検査用ベッド1Bは背もたれ部20の復帰する勢いで被検者の腰が腰受け部から滑り落ちない。
【0046】
図5に示すように本実施形態の内視鏡検査用ベッド1Bでは、フレーム柱81を腰受け部フレーム21に回転軸82を介して回動自在に連結すると共に、前記腰受け部フレーム21とフレーム柱81とをコイルばね83で連結し、前記腰受け部フレーム21をフレーム柱81側に付勢して、前記腰受け部フレーム21がフレーム柱81の上面に当接して水平状態で停止するようになっている。
【0047】
また、前記フレーム柱81は、並設する昇降ステー63、64を介してベースフレーム2の支柱61に連結されてリンク機構を形成しており、上部側に位置する昇降ステー63に油圧シリンダ65の摺動先端部65aが接続されている。このため、前記摺動先端部65aが伸縮することにより、腰受け部フレーム21が昇降する。
【0048】
さらに、前記腰受け部フレーム21の前端部側裏面には支柱61の上面に当接するストッパー84が設けられており、腰受け部フレーム21が降下し続けると、前記ストッパー84が支柱61の上面に当接して降下が停止されるようになっている。そして、前記ストッパー84と支柱61の上面とが当接したとき、腰受け部フレーム21の前端部が上方向に押されることにより、前記腰受け部フレーム21が回転軸82を中心に傾くようになっている。
【0049】
なお、前記コイルバネの代わりにゴムや板バネ等の弾性部材を用いてもよい。その他の構成及び作用は前記実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0050】
このように、被検者を移動する際などに、腰受け部を降下させて、腰受け部を所定高さより低いとき、腰受け部フレームに設けたストッパーが支柱の上面に当接して、足側位置を高くするように腰受け部を傾けることができる。このことにより、寝台状態から椅子状態にするとき、寝台位置を所定高さより低くしておくことにより、背もたれ部が復帰するときの勢いによって、被検者が腰受け部から滑り落ちることが防止される。
【0051】
図6及び図7は本発明の第4実施形態に係り、図6は頭部支持部を設けた内視鏡検査用ベッドの構成を示す説明図、図7は頭部支持部の概略構成を示す説明図である。
上述の実施形態の内視鏡検査用ベッド1では、検査中に被検者の頭部の高さを変更する場合、その度、高さの異なる枕に交換したり、看護婦が被検者の頭部を支えて対応していた。そこで、本実施形態の内視鏡検査用ベッド1Cは被検者の頭部の高さの調節を自在に行える。
【0052】
図6に示すように本実施形態の内視鏡検査用ベッド1Cは、内視鏡下での検査及び処置中に、被検者の頭部の位置を自由に変更することが可能なように、頭部を保持するマットレスを独立させて動かすことができるように、背もたれ部10を頭部フレーム91と背部フレーム92との2つに分割して構成している。そして、前記背部フレーム92に背用マットレス94を、頭部フレーム91に頭部マットレス93を、それぞれ着脱自在に固定している。なお、前記内視鏡検査用ベッド1Cは、水平状態のベッドとして使用する際、背部フレーム92と頭部フレーム91とが全体として1つの水平なマットレスとなるように配置している。
【0053】
図7に示すように背部フレーム92と頭部フレーム91とは、前記背部フレーム92に設けられている軸受け95に配設したシャフト96に固定されているアーム97を介して回動自在に連結されている。このシャフト96にはギア98が固設されており、このギア98に操作ギア99が噛合している。前記操作ギア99は、操作ノブ100から延出する操作用シャフト101の先端部に設けられており、前記操作ノブ100を回動操作することによって、回転力が前記操作用シャフト101、操作ギア99、ギア98を介してアーム97に伝達されて、回動動作するようになっている。なお、これら操作用シャフト101及びその周辺の機構は背用マットレス94側に収納されている。
【0054】
一方、前記アーム97の他端部にはD字形状のカット穴102が形成されており、このカット穴102に、断面をD字状に形成した軸103が嵌合している。この軸103にはシャーシ104が固定されている。このシャーシ104は、前記頭部フレーム91に固定され、頭部マットレス93内に収納されている。なお、前記シャーシ104を用いることなく、アーム97を直接、頭部フレーム91に固定するようにしてもよい。
【0055】
上述のように構成した内視鏡検査用ベッド1Cでは、被検者の頭部の位置を変更する際、まず操作ノブ100を回転させる。すると、この操作ノブ100の回転力は、操作ギア99を介してギア98に伝達されてアーム97が回動を開始する。このアーム97が回動を開始することによって、このアーム97に嵌合している軸103に固定されているシャーシ104が移動して、このシャーシ104に固定されている頭部フレーム91の頭部マットレス93が、被検者の頭部を持ち上げる方向または下げる方向に移動する。
【0056】
なお、前記操作ギア99と前記ギア98とのギア比を適宜調節することによって、操作ノブ100の操作力量や頭部マットレス93の動作量を自由に設定することが可能である。また、本実施形態では背もたれ部10を頭部フレーム91と背部フレーム92とに分割して各フレームにマットレスを設けているが、マットレスの分割方法は本実施形態に限定されるものではなく、様々な分割方法に対応し、例えば図8の矢印に示すように移動する部分108のすぐ脇に、移動しない部分109を設けるようにしてもよい。その他の構成及び作用は前記実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0057】
このように、操作ノブを適宜回転操作することによって、容易に被検者の頭部の位置を変更することができることにより、様々な手技や、前処置に対応することが可能となる。
【0058】
また、内視鏡検査用ベッドを複数の術者が使用する場合、それぞれの術者が要求する被検者の頭部位置に対応できる。
【0059】
さらに、図8に示した構成によれば、リクライニング状態にしたとき、被検者頭部付近に水平状態の部分が設けられるので、薬品やノウ盆などを置くスペースが確保される。
【0060】
図9及び図10は前記第4実施形態の変形例に係り、図9は頭部支持部を設けた内視鏡検査用ベッドの他の構成を示す説明図、図10は頭部支持部の概略構成を示す説明図である。
本実施形態の内視鏡検査用ベッドは、被検者頭部の高さを変更することが可能であると共に、各高さにおいて被検者頭部の角度の変更が可能である。
【0061】
図9に示すように本実施形態の内視鏡検査用ベッドは、背もたれ部10を、背支持部110と頭部支持部111とに分割してそれぞれ、背支持フレーム112及び背支持マットレス113と、頭部支持フレーム114及び頭部支持マットレス115とで構成されている。
【0062】
前記背支持フレーム112の軸受け116にはアーム117と第1の位置決め用ギア118とが固設された背支持シャフト119が保持されている。前記アーム117の他端部には頭部支持シャフト120が固定され、この頭部支持シャフト120には第2の位置決め用ギア121が固設されている。
【0063】
なお、前記背支持シャフト119とアーム117と第1の位置決め用ギア118と、頭部支持シャフト120と第2の位置決め用ギア121とはそれぞ固定されているので、各シャフト119、120に対して回転することはない。また、頭部支持シャフト120の先端部120aは、頭部支持フレーム114の軸受け部122に挿入されている。
【0064】
図10に示すように頭部支持フレーム114に固定された第1のロック用シャフト123には第1のロック部材124が回動自在に配設されている。この第1のロック部材124は、前記第2の位置決め用ギア121に噛合して前記頭部支持フレーム114の軸受け部122に挿入されている頭部支持シャフト120の回転を抑止するようになっている。
【0065】
前記第1のロック部材124にはグリップ124aが設けられており、このグリップ124aを操作することによって、第1のロック部材124を移動させてロック状態と、解放状態とを切り換えることができるようになっている。なお、前記グリップ124aと前記頭部支持フレーム114との間にはばね125が設けられており、このばね125の付勢力によって常にグリップ124aが、第1のロック用シャフト123を中心に反時計方向に付勢されている。
【0066】
前記背支持フレーム112も前記頭部支持フレーム114と同様の構造であり、背支持フレーム112に固定された第2のロック用シャフト126に第2のロック部材127が回動自在に配設されている。この第2のロック部材127は、前記第1の位置決め用ギア118に噛合して、背支持シャフト119の回転を抑止している。
【0067】
前記第2のロック部材127にはグリップ127aが設けられており、このグリップ127aを操作することによって、第2のロック部材127を移動させてロック状態と、解放状態とを切り換えることができるようになっている。なお、前記グリップ127aと前記背支持フレーム112の間にはばね128が設けられており、このばね128の付勢力によって常にグリップ127aが、第2のロック用シャフト126を中心に時計方向に付勢している。
【0068】
なお、前記頭部支持フレーム114には図9に示すトレイ130の接続ピン131を接続するための取り付け穴132が設けられており、この取り付け穴132にトレイ130の接続ピン131を接続することができるようになっている。このトレイ130には薬品類を保持するためのくぼみ133や、図示しない点滴ポール取り付け用の取り付け穴134が設けられている。
【0069】
上述のように構成した背もたれ部10の作用を図10を参照して説明する。
グリップ124aを時計方向に移動すると、このグリップ124aの動きに追随して第1のロック部材124も時計方向に移動して、第2の位置決め用ギア121とのロック状態が解除される。前記第2の位置決め用ギア121のロック状態が解除されることによって、頭部支持シャフト120を中心に頭部支持フレーム114は自由に回動できるようになる。
【0070】
一方、グリップ127aを例えば反時計方向へ移動すると、このグリップ127aの動きに追随して第2のロック部材127も反時計方向に回転して、第1の位置決め用ギア118とのロック状態が解除されることによって、頭部支持フレーム114と頭部支持マットレス115とが背支持シャフト119を中心に回動できるようになる。
【0071】
前記2つのシャフト119、120周りの回転をあわせると、二点鎖線に示す位置に頭部支持マットレス115が、元あった位置から略々平行に移動したような位置が実現される。
【0072】
さらに、この位置から頭部支持シャフト120を中心に頭部支持マットレス115は回転でき、前記頭部支持マットレス115を斜めの状態に保持しておくことも可能である。
【0073】
なお、本図において、ばね125、128は、常にロック部材124、127をギア121、118に押し当てる方向に、グリップ124a、127aに付勢力を与えて、たとえグリップ124a、127aを離しても自動的にロックが掛かるようになっている。
【0074】
このように、頭部支持フレームを背支持フレームに対して回動自在に連結し、所望の位置に保持固定可能にすると共に、頭部マットレスを頭部支持フレームに設けた支持シャフトに対して回動自在に連結し、所望の位置に固定可能にすることによって、頭部支持フレームと背もたれ部フレームに対して、頭部マットレスの垂直方向の位置及び角度を任意に設定することができる。このことにより、被検者の頭の位置を設定するために何種類も枕を用意したり、看護婦が被検者の頭を保持する必要が無くなるので、内視鏡検査にかかる労力が軽減する。
【0075】
また、様々な体型の被検者に対して、より自然な頭部位置になるように頭部マットレスの位置の設定を変更することができるので、被検者にとって快適な検査環境になる。
【0076】
さらに、頭部フレームにトレイや点滴ポールなどを取り付けられるので、被検者の口腔からの処置が行い易くなる。
【0077】
図11は本発明の第5実施形態に係るトレンデレンブルグの行える内視鏡検査用ベッドの構成を示す説明図である。
本実施形態の内視鏡検査用ベッド1Dでは処置中の不意の出血等で被検者の脳に血流を促す必要がある場合、トレンデレンブルグ(被検者の脳に血液を送るために被検者の頭部を下げること)を行える。
【0078】
図に示すように本実施形態の内視鏡検査用ベッド1Dの腰受け部20の下部及びフレーム柱62にはばね141が取り付けられており、このばね141によって前記腰受け部20を支点142を中心にして常に時計方向に回転するように付勢されて水平状態を保持するようになっている。
【0079】
また、内視鏡検査中に被検者の頭部に血流を促進する必要が起こった場合、まず保持用バー14を矢印方向に押し下げることによって、ベッド状態の背もたれ部10、腰受け部20、脚受け部30は、支点142を中心に反時計方向に回転して被検者の頭部が下がった状態になるようになっている。
【0080】
なお、本実施形態の場合、マットレス部分のフレームのリクライニング機構とは無関係にこの動作が行われるので、マットレスを一直線に保ったままの状態でトレンデレンブルグが行われる。また、前記ばね141の代わりに板バネ、ガススプリング等を用いて、常に腰受け部20がフレーム柱62に対して支点142を中心に時計方向に回転させる力がかかればよい。さらに、保持用バー14から手を離せば、ばね141の付勢力によって自動的に水平状態に復帰する。その他の構成及び作用は上述の実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0081】
このように、常に腰受け部をフレーム柱に対して支点を中心に時計方向に回転するよう付勢しておくことにより、保持用バー側を押し下げることによって、トレンデレンブルグを行うことができるので、術者に安心感を与える事ができる。
【0082】
また、背もたれ部近傍から手を離せばばねの付勢力によって、自動的に水平状態に復帰するので、万一、急用などで持ち場を離れる場合でも被検者の頭が下がった状態のままで放置されることがない。
【0083】
図12及び図13は第5実施形態の変形例に係り、図12はトレンデレンブルグの行える内視鏡検査用ベッドの他の構成を示す説明図、図13はガススプリングの概略構成を示す説明図である。
【0084】
図12及び図13に示すように本実施形態の内視鏡検査用ベッド1Eは、ガススプリング40の一端部を背もたれ部20に設けた第1の支点151に取り付け、他端部の摺動軸153の先端部を腰受け部20の第2の支点152に固定されている。
【0085】
前記摺動軸153は、外筒154と、この外筒154の内部を摺動するスライド軸155とで構成され、コイルバネ156によって常時伸びきった状態になるように保持されている。なお、前記コイルバネ156の代わりにゴムや板バネ等の弾性部材を用いてもよい。
【0086】
図の状態で内視鏡検査を行っていた際、万一、トレンデレンブルグを行う必要になった場合、保持用バー14を押し下げる。すると、ガススプリング40に圧縮力がかかって、摺動軸153のコイルバネ156が収縮し、外筒154内にスライド軸155が進入する。このとき、背もたれ部10は、前記スライド軸155が外筒154内に進入した分だけ余計に下方向にリクライニングして被検者の頭部が下がった状態になる。なお、前記コイルバネ156の弾性係数を適宜設定することにより、トレンデレンブルグが開始される力量を様々に設定することが可能である。また、コイルバネ156のストロークを適宜設定することによってトレンデレンブルグのストローク値を様々に設定することが可能である。
【0087】
このように、トレンデレンブルグを行う際、リクライニングさせるときのようにワイヤを握るなどしてロック状態を解除することなくトレンデレンプルグを素早く行うことができる。
【0088】
ところで、内視鏡検査用ベッドの進行方向を変更する場合、進行方向側のキャスターの向きを希望する方向に向けてベッドを振って向きを変えなければならなかった。しかし、内視鏡検査用ベッドを移動する作業は、看護婦が一人で行うことが多く、特に、進行方向を変更する作業は看護婦に非常な重労働を強いていた。このため、看護婦1人でも簡単に方向変更を行える労力の軽減を図った内視鏡検査用ベッドが望まれていた。
【0089】
図14ないし図17は進行方向変更手段を有する内視鏡検査用ベッドに係り、図14は内視鏡検査用ベッドの概略構成を示す説明図、図15は進行方向変更手段であるハンドルを示す説明図、図16は図15のF−F断面図、図17は図15のE−E断面図である。
【0090】
図14に示すように本実施形態の内視鏡検査用ベッド1Fは、移動する際の労力を軽減するために、バッテリーとモーター等を設けている。
【0091】
前記内視鏡検査用ベッド1Fの寝台を支持しているベースフレーム202にはキャスター204が設けられている。このキャスター204には、キャスター204の向きに連動して回転する連動回転軸205が設けられており、この連動回転軸205は軸受け206を介してベースフレーム202に取り付けられている。
【0092】
前記連動回転軸205にはスプロケット207が取り付けられており、このスプロケット207は、チェーン208を介してギアボックス209内のギア(不図示)に噛合している。前記ギアボックス209内のギアは、モータ210で駆動されるようになっている。
【0093】
前記モータ210は、コントロールボックス211に設けられている制御スイッチによって、回転速度や回転方向が制御されるようになっている。なお、符号212はバッテリーであり、前記モータ210を駆動する電源である。
【0094】
ハーネス213は、コントロールボックス211へコントロール信号を伝達するものであり、内視鏡検査用ベッド1Fを移動させる際に把持するハンドル214が取り付けられる軸受けユニット215に接続されている。
【0095】
図15ないし図17に示すように前記軸受けユニット215に取りつけられるハンドル214の回転軸には溝203が設けられており、この溝203には第1の止め部材216が差し込まれている。なお、符号217は第2の止め部材であり、背もたれ部フレーム218を挟んでハンドル214の回転軸にねじ220によって固定されている。このことにより、ハンドル214、第1の止め部材216、第2の止め部材217等の部材は、背もたれ部フレーム218に対して回転自在になっている。また、符号219は当接部材であり、この当接部材219は、ねじ220によって第2の止め部材217に固定されて、前記ハンドル214と共に回転するようになっている。
【0096】
一方、回転制御ゴム221は、前記背もたれ部フレーム218に形成されている断面形状がD字形状の穴222に挿入されていて、背もたれ部フレーム218に対して回転しないようになっている。
【0097】
前記第1の止め部材216の抜け防止部材223は、ねじ224によって第1の止め部材216に固定されている。また、前記第2の止め部材217にはラック(ギア)217aが形成されており、前記背もたれ部フレーム218に組み込まれているローターリーエンコーダ225のギア225aに噛合している。前記ローターリーエンコーダ225は、ハーネス213によりコントロールボックス211に接続されており、前記ハンドル214の回転位置情報がコントロールボックス211に伝達されている。
【0098】
上述のように構成した内視鏡検査用ベッド1Fの作用を説明する。
内視鏡検査用ベッド1Fを移動する際、ハンドル214を把持して押し出すように前進する。そして、例えば左へ曲がろうとする場合には、ハンドル214を左に回転させる。このときのハンドル214の回転は、当接部材219と回転制御ゴム221とが干渉することによって僅かな角度しか起こらないが、この回転制御ゴム221の硬度を適宜調節することにより適切な操作感覚が得られるようになっている。
【0099】
前記ハンドル214が回転することにより、前記第2の止め部材217とラック217aとが回転する。前記ラック217aが回転することによってギア225aが回転してロータリーエンコーダ225を駆動する。このロータリーエンコーダ225が駆動して得られたハンドル214の回転角度に関する情報は、ハーネス213を経由してコントロールボックス211へ送られる。
【0100】
このコントロールボックス211では送られてきたハンドル214の回転角度に関する情報を元に、モータ210を回転させ、ギアボックス209を介してチェーン208を矢印226の方向に回転させ、スプロケット208を矢印227方向に回転させる。前記スプロケット208の矢印227方向への回転に従って、キャスター204は前進方向に対して左折する方向に向きを変える。この状態で、ハンドル214を押し、前進させることにより内視鏡検査用ベッド1Fはスムーズに左に曲がる。
【0101】
このように、内視鏡検査用ベッドにモータ、ハンドル、エンコーダ等を設けて内視鏡検査用ベッドの進路変更を行うようにすることにより、内視鏡検査用ベッドを押す人はハンドルを操作するだけでキャスターの向きを変えてスムーズに進行方向の変更を行うことができる。このことにより、内視鏡検査用ベッドを操作する人の労力が大幅に軽減される。
【0102】
また、内視鏡検査用ベッドの向きを変更することができずに、被検者を載せたままの状態で、曲がり角などで立ち往生することがなくなるので、検査がスムーズに進行する。
【0103】
さらに、勢いを付けて内視鏡検査用ベッドの向きを変更するといった操作が行われなくなるので、内視鏡検査用ベッドに横たわっている被検者に対しても快適な検査環境が提供される。
【0104】
なお、図18に示すように止め部材217にブロック235を設け、回転位置検出用のスイッチ234を背もたれフレーム218に設けるようにしても上述と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0105】
すなわち、ハンドル214を回すと、止め部材217と共にブロック235が回転してスイッチ234に接触して、このスイッチ234からハーネス213を経由しハンドル214の回転に関する情報がコントロールボックス211へ送られる。前記コントロールボックス211ではハンドル214の回転に関する情報信号を基にギアボックス210への電源供給、回転方向を制御し、スイッチ234がON状態にされたとき時だけキャスター204の角度変えて進行方向の変更を行える。なお、スイッチ234としては非接触式の例えば、フォトインタラプタなどの光学式スイッチでもよい。
【0106】
図19ないし図21は別の進行方向変更手段を有する内視鏡検査用ベッドに係り、図19は内視鏡検査用ベッドの概略構成を示す説明図、図20は進行方向変更機構を示す説明図、図21はベベルギアボックス内部を示す説明図である。
【0107】
図19に示すように本実施形態の内視鏡検査用ベッド1Gは、前記図14ないし図17に示した実施形態のようにバッテリーやモーター、ハーネスなどの電気部品を使用すること無く、キャスターの向きを変えて内視鏡検査用ベッド1Gの進行方向を容易に変更できるようにしたものである。
【0108】
図20に示すようにキャスター226は、軸受け228によってベースフレーム227に取り付けられて回転することができるようになっている。前記キャスター226にはギア229が取り付けられていて、キャスター226が回転すると共に回転するようになっている。
【0109】
前記ギア229はラック230に噛合している。このラック230にはラック230の長手方向に平行に複数のスライド溝237が形成されており、このスライド溝237に配設されるガイドピン231によって、一直線上に移動するように規制されている。
【0110】
ギア232Aは図19に示す軸233に固定されていて、ベースフレーム227上に配設されているギア232Bに噛合している。また、前記ギア232Bは、ラック230に噛合している。
【0111】
軸233は、腰受け部の下部に配設されているベベルギアボックス234を経由し、さらに軸235、軸受け236、フレキシブルジョイント237、軸238、軸受け239、ベベルギアボックス240を経由してハンドル241に接続されている。
【0112】
前記フレキシブルジョイント237は、内視鏡検査用ベッド1Gの背もたれ部フレーム242をリクライニングさせた場合に、軸235、軸238の中心軸ずれ及び距離変化に対応するためのもので、金属のバネ状のものであったり、樹脂のパイプ状のものであったり、ユニバーサルジョイントのような機構部品である。
【0113】
図21に示すようにベベルギアボックス240の内部では、軸238にセットネジによって螺合されているベベルギア243と、ハンドル241の軸245にセットネジによって固定されているベベルギア244とが噛合している。
【0114】
前記軸245は、背もたれ部フレーム242を貫通して、背もたれ部フレーム242に固定されている軸受け246に挿入され、Eリング247によって固定されている。なお、符号248は摺動用ブッシュであり、符号249は軸238の脱落防止用のEリングである。
【0115】
なお、ベベルギアボックス234内も前記ベベルギアボックス240と同様に図示しないベベルギア同士によって軸235と軸233とが噛合している。
【0116】
上述のように構成した内視鏡検査用ベッド1Gの進行方向の変更について説明する。
内視鏡検査用ベッド1Gの進行方向を変える場合、まず、ハンドル241を回転させる。すると、このハンドル241の回転は、軸245、ベベルギアボックス240、軸238、フレキシブルジョイント237、軸235、ベベルギアボックス234、軸233を伝達されて、ギア232A,232Bを回転させ、ラック230を移動させて、キャスター226に接続されたギア228に伝えられて進行方向を変えることができるようになっている。
【0117】
内視鏡検査用ベッド1Gは、ベッド状態になったり、図示の椅子状態になったりするがフレキシブルジョイント237を設けたことによって、いづれの場合でもハンドル241の回転はキャスター226に確実に伝達される。
【0118】
このように、バッテリー等を使用していないので、充電、あるいは交換の手間が省ける。その他の効果は図14ないし図17に示した上述の実施形態と同様である。
【0119】
ところで、狭いスペースでの移動をスムーズに行えるようにベースフレームに設けた4つのキャスター全てを回動自在にして進行方向を変更し易くした内視鏡検査用ベッドがあったが、4つのキャスター全てが回転自在であるため、直進させる際、スムーズに直進できなくなるという不具合が発生していた。このため、直進性に優れた内視鏡検査用ベッドが望まれていた。
【0120】
図22及び図23は直進性に優れた内視鏡検査用ベッドを説明するものであり、図22は内視鏡検査用ベッドの概略構成を示す説明図、図23はキャスター固定機構の構成を示す説明図である。
【0121】
図22に示すように内視鏡検査用ベッド1Hのベースフレーム301は、複数のキャスター302によって支持されている。このキャスター302は、軸受け303によってベースフレーム301に取り付けられており、このベースフレーム301に対して自由に回転して、キャスター302の方向を変えることができるようになっている。
【0122】
そして、図23に示すようにこのキャスター302の頭部にはギア304が取り付けられている。
【0123】
また、前記ベースフレーム301には先端にロック部材305を配設したスライドステー306が、ベースフレーム301に対しスライドピン307で摺動するように配設されている。
【0124】
前記ベースフレーム301の図示しない軸受けに回転軸308を介して回動自在に取り付けられているペダル309は、ステー310及び接続軸311を介してスライドステー306に接続されている。このため、前記ペダル309を持ち上げることにより、ステー310が押されてスライドステー306が符号312方向に摺動してスライドステー306の先端部に設けたロック部材305がギア304に食い込んでキャスター302の向きを固定するようになっている。
【0125】
なお、スライドステー306の移動機構をラックとギアとを用いて構成するようにしてもよい。また、図24に示すようにキャスター320の腰受け部回転軸321に設けた溝322にスライドステー323のロックピン324を挿入させるようにしてもよい。
【0126】
上述のように構成したキャスター固定機構の作用を説明する。
通常使用時、ペダル309は水平状態にあり、ギア304とロック部材305とが噛み合わないようになっている。このため、キャスター302は自由に回転し、方向を自由に変えることができるようになっている。
【0127】
直進させる場合は、まず、直進しようとする方向へ内視鏡検査用ベッド1Hを向け、キャスター302を進行方向に向け、ペダル309を持ち上げて、スライドステー306を符号312方向に摺動させてスライドステー306の先端部に設けたロック部材305をギア304に食い込ませてキャスター302の向きを固定し、推進力を与えて直進させる。
【0128】
このように、内視鏡検査用ベッドの移動時、進行方向を決定した時点で、ペダルを操作して、キャスターを所望の方向に向けて固定することができる。このことにより、内視鏡検査用ベッドを常に方向づける作業、力が不要となる。また、内視鏡検査用ベッドのフレームの両側にペダルを設けることにより作業状況に応じてペダルを選択することができる。
【0129】
図25及び図26は市販の切り替え式キャスターを使用した内視鏡検査用ベッドの構成を説明するものであり、図25は内視鏡検査用ベッドの概略構成を示す説明図、図26はキャスター固定機構を示す説明図である。
【0130】
図25及び図26に示すように本実施形態の内視鏡検査用ベッド1Jのベースフレーム351は、市販の切り替え式キャスター352によって支持されている。
【0131】
前記キャスター352は、ベースフレーム351に対して「自由に回転」、「方向のみ固定」、「車輪の回転も固定」の3つの状態に切り換えられるようになっており、これらの状態切り替えを、シャフト353を回転させることによって行えるようになっている。
【0132】
即ち、シャフト353にはこのシャフト353と共に回転する回転レバー354が固定されている。前記キャスター352から独立した独立レバー355は、フレーム351に対して図示しない軸受けで固定されていて、回動自在で、シャフト356によって回転レバー354、独立レバー355に連結されている。
【0133】
一方、ペダル357は、内視鏡検査用ベッド1Jを移動させるために押している人が踏むことのできる位置に配置されている。
【0134】
即ち、本実施形態の前記ペダル357は、ベースフレーム351後部のキャスター365の真上辺に取り付けられていて、レバー358が固定されておりペダル357と共に回転する。
【0135】
前記レバー358と前記独立レバー355とは連結シャフト359で連結されている。前進方向に位置する左右のキャスター352R、352Lの切り替えシャフト353同士は、シャフト360によって接続されていて、左右のキャスター352R、352Lにおいては同時に切り替えシャフト353が動作するようになっている。
【0136】
なお、前記ペダル357をべースフレーム351の両側に設けてキャスター352の操作を内視鏡検査用ベッド1Jの両側から行えるようにしてもよい。
【0137】
上述のように構成した進行方向変更機構の作用を説明する。
前記ペダル357を持ち上げると、連結シャフト359が引かれて回転レバー354が時計方向に回転する。このことにより、キャスター352は、「方向のみ固定」状態になるので、内視鏡検査用ベッド1Jの方向を気にすることなく推進力を与えるだけで安定して直進する。
【0138】
なお、独立レバー355上におけるシャフト356、連結シャフト359の固定位置を適宜調節することによって、様々な切り替え力量のキャスター352に対応することができると共に、ペダル357の踏み込み角度を自由に設定することができる。
【0139】
このように、内視鏡検査用ベッドに設けたペダルを操作することによって、前方に位置するキャスターを、「方向のみ固定」状態にすることができるので、内視鏡検査用ベッドの方向を気にすることなく推進力を与えるだけで安定して直進させることができる。このことにより、内視鏡検査用ベッドを操作する看護婦などの労力が大幅に軽減される。
【0140】
また、安定して直進させるためには進行方向の前方に位置するキャスターの向きを固定する必要があるが、本実施形態によれば「自由に回転」状態と「方向のみ固定」状態とを切り替える装置が内視鏡検査用ベッドを押す担当者の足下にあるので、移動中、例えば角を曲がってその後に長い廊下がある場合などに、いちいち内視鏡検査用ベッドを停止させて進行方向前側に回ってキャスターを操作する必要が無くなるので、スムーズな内視鏡検査用ベッドの移動を実現することができる。
【0141】
さらに、左右両側に機構を装備した場合は、その時々の状況に応じて踏みやすい方のペダルを踏めばよく、作業を効率的に行える。
【0142】
ところで、ベッド、特に医療用のベッドでは患者や被検者が寝台から落下するのを防止するため、落下防止用柵(サイドガード)が設けられている。
【0143】
ベッドに設けられるサイドガードとして従来、片側一体でベッド下部に収納することができるものが知られている。
【0144】
しかしながら、前記ベッドのサイドガードが片側一体式である場合、リクライニング機構を備えたベッドでは、リクライニング操作を行う際、予めベッドから前記サイドガードを取り外してリクライニング操作を行わなければならないので、介助者にとって煩わしい作業になっていた。
【0145】
図27ないし図29はサイドガード及びサイドガード収納・設置機能を有する検査用ベッドの概略構成を示すものであり、図27は検査用ベッドの概略構成を示す説明図、図28はサイドガード設置状態を示す図、図29はサイドガイド回転移動状態を示す図である。
【0146】
図27に示すように検査用ベッド400の寝台403は第1のフレーム401と第2のフレーム402との2分割に形成されており、ベッド中央軸404で回動自在に連結されている。
【0147】
具体的には、前記検査用ベッド400は、第1のフレーム401及び第2のフレーム402とからなる寝台403が支柱405で支持されており、この支柱405はベースフレーム406に固設されている。前記第1のフレーム401と第2のフレーム402とは、解放状態で第2のフレーム402を立てる方向に設定したリクライニング用ダンパー407で連結されており、前記第2のフレーム402には前記リクライニング用ダンパー407を操作するダンパー操作用レバー408が設けられている。前記ダンパー407と前記レバー408とはワイヤ409によって接続されている。そして、各フレーム401,402から突出して左右両側に2つづつ設けた固定部410にサイドガード411が配設されている。
【0148】
このため、前記検査用ベッド400は、レバー408を把持してワイヤ409を引くことによって、ダンパー407が解放状態になり、ベッド中央軸404を支点に、第2のフレーム402がリクライニング動作するようになっている。
【0149】
なお、前記固定部410に配設されたサイドガード411は、それぞれ独立して寝台403の幅方向に後述するように回転して収納することができるようになっている。
【0150】
図28に示すようにサイドガード411は、このサイドガード411を貫通する軸支ピン412によって前記固定部410に保持固定されるようになっており、前記サイドガード411をフレーム401,402に設置した状態にするとき、固定部410の内部を寝台403の長手方向に摺動する固定ピン413をサイドガード411の外側に突出させてサイドガード411を設置状態に保持固定している。
【0151】
前記固定ピン413は、固定部410の内部に配設したばね414によって付勢されているため、前記固定ピン413に一体的に固定された解除操作ボタン415を解放した状態でサイドガード411を支えるように突出している。
【0152】
図29に示すようにサイドガード411を収納する際、前記固定ピン413に固定されている解除操作ボタン415をばね414の付勢力に抗して引くことにより、固定ピン413をサイドガード411の外周面から外れた位置に移動させる。この状態のとき、サイドガード411は軸支ピン412を中心に回転する。このサイドガード411が回転しているとき、解除操作ボタン415から手を離した場合、固定ピン413がばね414の付勢力によりサイドガード411の外周面に押し付けられるが、外周面の外側に位置するため、サイドガード411の回転に支障をきたさない。そして、収納状態までサイドガード411が回転して倒れると、固定ピン413が再びばね414の付勢力によって押し出して、今度はサイドガード411を収納状態に保持固定する。
【0153】
このように、サイドガードを、寝台を分割したフレーム毎に設けると共に、前記サイドガードをベッドの幅方向に回転自在にすることによって、サイドガードの収納、設置を容易に行うことができる。
【0154】
なお、上述のように構成したサイドガードの収納・設置機構を図30に示すように内視鏡検査用ベッドに設けるようにしてもよい。なお、同図に付した符号は、上述の実施形態と同様の部材には同符号を付して構成及び作用の説明は省略する。
【0155】
図に示すように前記サイドガード収納・設置機構を背もたれ部のリクライニング機構を有する内視鏡検査用ベッドの背もたれ部10と腰受け部20とに配設したものである。なお、図示は省略するが内視鏡検査用ベッドの脚受け部30にサイドガードを設けるようにしてもよい。
【0156】
このように、内視鏡検査用ベッドにサイドガード収納・設置機構を設けることによって、頻繁にリクライニングさせるとき、サイドガードを取り外すことなく収納するだけで、リクライニング操作が行えるので、介助者の手間が省けると共に、内視鏡検査用ベッドでの使い勝手が大幅に向上する。また、椅子状態のとき、腰受け部のサイドガードを収納しておくことにより、乗り降りがし易くなる。さらに、被検者の背中を支えるサイドガードだけを設置した状態で、腰受け部フレームのサイドガードを収納することにより、臀部を露出させて内視鏡姿勢をとれるので、被検者に転落する危険性なくして内視鏡検査をスムーズに行うことができる。
【0157】
図31ないし図35はサイドガード及び別の構成のサイドガード収納・設置機能を有する検査用ベッドの概略構成を示すものであり、図31は検査用ベッドの概略構成を示す説明図、図32は設置状態の図31のB−B断面、図33は図32のC−C断面図、図34は回転状態の図31のB−B断面、図35は図34のD−D断面図である。
【0158】
本実施形態においてはサイドガードを寝台の長手方向に回転させて収納するようにしている。
【0159】
図31に示すように本実施形態の検査用ベッド450は、第1のフレーム401及び第2のフレーム402の両サイドに設けたサイドガード451がフレームの長手方向に対して回転するようにサイドガード収納・設置機構を構成している。このため、寝台403の幅方向のスペースを設けることなく、各フレーム401,402の下方にサイドガード451が収納される。第2のフレーム402のサイドガード451は収納状態を示している。その他の構成は図27に示した検査用ベッド400の構成と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0160】
図32ないし図35を参照してサイドガード収納・設置機構を説明する。
図32に示すようにサイドガード451の中央部にはフレーム側に凸部451a、寝台403側部側に凹み部451b及びこの凸部451aから凹み部451bを連通する透孔451cが形成されている。この凸部451aは、フレーム401(402)に形成されている透孔455を挿通して、フレーム401の内側に突出しており、このフレーム内側に突出した突出部451dに前記透孔451cに対向する透孔456aを形成した軸押さえ456を固設して、前記サイドガード451をフレーム401に対して回転自在に配設している。なお、軸押さえ456と突出部451dとはねじなどの固定手段によって固設されている。
【0161】
一方、前記サイドガード451に形成した透孔451b及び軸押さえ456に形成した透孔456aには位置決めピン457の軸部457aが内挿されており、この軸部457aの先端部に解除ボタン458が螺合固定されている。
【0162】
前記位置決めピン457の他端部には位置固定ピン部457bが設けられている。この位置固定ピン部457bは、フレーム401の内面側にネジ止めされるピンガイド459に形成した透孔459a内に配置されており、この透孔459a内に前記位置固定ピン部457bが配置されることによって、位置決めピン457及び解除ボタン458が回転することなく、この位置決めピン457が軸方向にのみ摺動するように規制されている。
【0163】
図33に示すように前記サイドガード451をフレーム401に固定する状態のとき、前記位置決めピン457の位置固定ピン部457bは、軸押さえ456に設けた細長な溝460にを嵌入している。前記位置決めピン457の位置固定ピン部457bは、前記ピンガイド459の間に配置されて前記位置固定ピン部457bの端面を押圧するばね451によってフレーム401内側面方向に付勢されているので、振動などの影響によって前記溝460から外れるのを防止して確実に固定している。
【0164】
図34に示すように前記サイドガード451をフレーム401に対して回転させるときは、まず、解除ボタン458をばねの付勢力に抗してフレーム401側へ押し込んでいく。すると、位置決めピン457が押されて位置固定ピン部457bが溝460から外れて、サイドガード451が回動自在な状態になる。この状態で、図35に示すように前記サイドガード451を回転させて収納状態位置にまで回転させる。このサイドガード451が180°回転して収納位置までくると、前記位置決めピン457の位置固定ピン部457bがばねの付勢力によって再び溝460に嵌入してサイドガード451が収納状態で固定される。
【0165】
このように、サイドガードを寝台の幅方向にはみ出さずに収納することができるため、スペースの少ないところでもサイドガードの収納を容易に行うことができる。その他の効果は前記図27ないし図29で示した実施形態と同様である。
【0166】
なお、上述のように構成したサイドガードの収納・設置機構を図36に示すように内視鏡検査用ベッドに設けるようにしてもよい。なお、同図に付した符号は、上述の実施形態と同様の部材には同符号を付して構成及び作用の説明は省略する。
【0167】
図に示すように前記サイドガード収納・設置機構を背もたれ部のリクライニング機構を有する内視鏡検査用ベッドの背もたれ部10と腰受け部20とに配設したものである。なお、図示は省略するが内視鏡検査用ベッドの脚受け部30にサイドガードを設けるようにしてもよい。
【0168】
このように、内視鏡検査用ベッドにサイドガード収納・設置機構を設けることによって、頻繁にリクライニングさせるとき、サイドガードを取り外すことなく収納するだけで、リクライニング操作が行えるので、介助者の手間が省けると共に、内視鏡検査用ベッドでの使い勝手が大幅に向上する。また、椅子状態のとき、腰受け部のサイドガードを収納しておくことにより、乗り降りがし易くなる。さらに、被検者の背中を支えるサイドガードだけを設置した状態で、腰受け部フレームのサイドガードを収納することにより、臀部を露出させて内視鏡姿勢をとれるので、被検者に転落する危険性なくして内視鏡検査をスムーズに行うことができる。さらに、サイドガードを寝台の幅方向にはみ出さずに収納することができるため、スペースの少ないところでもサイドガードの収納を容易に行うことができる。
【0169】
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0170】
[付記]
以上詳述したような本発明の前記実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0171】
(1)ベース部材と、このベース部材上に設置された寝台とで構成され、前記ベース部材に付属したキャスターによって移動可能な内視鏡検査用ベッドにおいて、
前記寝台を、少なくとも背もたれ部、腰受け部、脚受け部とで構成し、
前記背もたれ部と前記脚受け部とが、前記腰受け部に対して旋回し、且つ、任意の位置で保持固定可能である内視鏡検査用ベッド。
【0172】
(2)前記ベース部材に前記寝台を昇降させる昇降手段を設けた付記1記載の内視鏡検査用ベッド。
【0173】
(3)前記昇降手段を、リンク機構と油圧ポンプとで構成した付記2記載の内視鏡検査用ベッド。
【0174】
(4)前記油圧ポンプは、足踏み操作で内圧が変化する付記3記載の内視鏡検査用ベッド。
【0175】
(5)前記昇降手段の昇降操作を、寝台の左右両側から行える付記3記載の内視鏡検査用ベッド。
【0176】
(6)前記脚受け部は、前記背もたれ部の旋回動作に連動して旋回する付記1記載の内視鏡検査用ベッド。
【0177】
(7)前記脚受け部の先端部に、この脚受け部に対して回動する足受け部を設け、この足受け部が前記脚受け部の旋回動作に連動して回動する付記6記載の内視鏡検査用ベッド。
【0178】
(8)前記脚受け部の背もたれ部の旋回動作に連動する動作及び前記足受け部の脚受け部の旋回動作に連動する動作は、少なくとも1つ以上のリンク機構を介して行われる付記6または付記7記載の内視鏡検査用ベッド。
【0179】
(9)前記背もたれ部に、ガススプリングとガススプリングのロック解除手段とから成る旋回位置固定手段を設けた付記6または付記7記載の内視鏡検査用ベッド。
【0180】
(10)前記背もたれ部に旋回付勢手段を有する付記6または付記7または付記9記載の内視鏡検査用ベッド。
【0181】
(11)前記ガススプリングが前記背もたれ部の旋回付勢手段を兼ねる付記10記載の内視鏡検査用ベッド。
【0182】
(12)前記ガススプリングのロック解除手段は、ガススプリング先端部のロック解除ピンを押圧するレバー部材と、このレバー部材を駆動させる駆動手段とから成る付記10または付記11記載の内視鏡検査用ベッド。
【0183】
(13)前記駆動手段は、一端を前記レバー部材に固定し、他端をベッド本体に固定した、少なくとも1箇所以上ベッド本体から露出したワイヤ部材である付記12記載の内視鏡検査用ベッド。
【0184】
(14)前記ワイヤ部材の操作を、ベッドに設けた保持用バーで行えるようにした付記13記載の内視鏡検査用ベッド。
【0185】
(15)前記ワイヤ部材の操作を、ベッドの両側から行える付記14記載の内視鏡検査用ベッド。
【0186】
(16)前記脚受け部を腰受け部に対して単独で旋回させる旋回機構を有する付記6記載の内視鏡検査用ベッド。
【0187】
(17)前記旋回機構を、前記脚受け部と前記背もたれ部とを接続するステーに設けた伸縮機構である付記16記載の内視鏡検査用ベッド。
【0188】
(18)前記寝台が、指定した高さ以下のとき、前記腰受け部に対する脚受け部側位置が背もたれ部側位置より高くなる付記2または付記6記載の内視鏡検査用ベッド。
【0189】
(19)前記背もたれ部に頭部支持部を設け、この頭部支持部の高さを変更する高さ調節手段を設けた付記1記載の内視鏡検査用ベッド。
【0190】
(20)前記頭部支持部の角度を変更する角度変更手段を設けた付記19記載の内視鏡検査用ベッド。
【0191】
(21)前記背もたれ部を腰受け部の水平位置より下方へ旋回させる旋回手段を有する付記1または付記2または付記6記載の内視鏡検査用ベッド。
【0192】
(22)前記背もたれ部を旋回させるための力が取り除かれたとき、背もたれ部が自動的に旋回前の位置に復帰する付記21記載の内視鏡検査用ベッド。
【0193】
(23)ベース部材に対し進行方向を自在に変更することが可能なように回転が自由である複数キャスターを有し、前記キャスターの向きを変えるための回転方向を所望の方向に向ける進行方向変更手段を有する付記1記載の内視鏡検査用ベッド。
【0194】
(24)前記進行方向変更手段に電気モーターを使用した付記23記載の内視鏡検査用ベッド。
【0195】
(25)ベッド移動時の保持用部材を有し、この保持用部材を保持した状態で、前記進行方向変更手段の操作が可能な付記23記載の内視鏡検査用ベッド。
【0196】
(26)前記ベース部材に付属した複数のキャスターは、進行方向に対しての回転方向が自由であるキャスターであり、これらキャスターの少なくとも1つのキャスターの回転方向を固定する回転方向固定手段を有する付記1記載の内視鏡検査用ベッド。
【0197】
(27)前記複数のキャスターのうち、ベッド前方に位置するキャスターの回転方向を固定する操作を、ベッド後方より行える付記26記載の内視鏡検査用ベッド。
【0198】
(28)前記キャスターの回転方向を固定する操作を、ベッドの左右両側から行える付記26または付記27記載の内視鏡検査用ベッド。
【0199】
(29)ベッドの両サイドに被検者の落下を防止する落下防止柵を備える検査用ベッドにおいて、
前記落下防止柵を、ベッドの片側に対して少なくとも2つ以上設けた検査用ベッド。
【0200】
(30)前記落下防止柵は、それぞれ独立して設置及び収納が可能な付記29記載の検査用ベッド。
【0201】
(31)前記落下防止柵を、前記ベッドの幅方向に対して回転させて収納または設置が可能である付記30記載の検査用ベッド。
【0202】
(32)前記落下防止柵を、前記ベッドの長手方向に対して回転させて収納または設置が可能な付記30記載の検査用ベッド。
【0203】
(33)前記寝台を構成する少なくとも背もたれ部と腰受け部との両側面に、それぞれ1つ以上の落下防止柵を設けた付記1または付記2または付記6記載の内視鏡検査用ベッド。
【0204】
(34)前記背もたれ部、腰受け部に設けた落下防止柵は、それぞれ独立して設置及び収納が可能な付記33記載の内視鏡検査用ベッド。
【0205】
(35)前記背もたれ部、腰受け部に設けた落下防止柵を設置した状態で、前記背もたれ部の旋回が可能な付記34記載の内視鏡検査用ベッド。
【0206】
(36)前記背もたれ部、腰受け部に設けた落下防止柵を、前記ベッドの幅方向に対して回転させて収納または設置が可能な付記34記載の内視鏡検査用ベッド。
【0207】
(37)前記背もたれ部、腰受け部に設けた落下防止柵を、前記ベッドの長手方向に対して回転させて収納または設置が可能な付記34記載の内視鏡検査用ベッド。
【0208】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、被検者が内視鏡検査特有の姿勢を容易にとれて被検者に負担が少なく、且つ術者及び看護婦などに負担が少なく、効率良く内視鏡観察下の検査が行える効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図3は本発明の第1実施形態に係り、図1は内視鏡検査用ベッドの概略構成を示す説明図、
【図2】内視鏡検査用ベッドに設けた旋回位置固定手段及び昇降手段を説明する一部断面図、
【図3】内視鏡検査用ベッドのベッド状態及びいす状態等を説明する図、
【図4】本発明の第2実施形態に係る内視鏡検査用ベッドの他の構成を示す説明図、
【図5】本発明の第3実施形態に係る内視鏡検査用ベッドの別の構成を示す説明図、
【図6】図6及び図7は本発明の第4実施形態に係り、図6は頭部支持部を設けた内視鏡検査用ベッドの構成を示す説明図、
【図7】頭部支持部の概略構成を示す説明図、
【図8】マットレスの分割方法の他の実施形態の1例を示す図、
【図9】図9及び図10は前記第4実施形態の変形例に係り、図9は
頭部支持部を設けた内視鏡検査用ベッドの他の構成を示す説明図、
【図10】頭部支持部の概略構成を示す説明図、
【図11】図11は本発明の第5実施形態に係るトレンデレンブルグの行える
内視鏡検査用ベッドの構成を示す説明図、
【図12】図12及び図13は第5実施形態の変形例に係り、図12はトレン
デレンブルグの行える内視鏡検査用ベッドの他の構成を示す説明図、
【図13】ガススプリングの概略構成を示す説明図、
【図14】図14ないし図17は進行方向変更手段を有する内視鏡検査用ベッ
ドに係り、図14は内視鏡検査用ベッドの概略構成を示す説明図、
【図15】進行方向変更手段であるハンドルを示す説明図、
【図16】図15のF−F断面図、
【図17】図15のE−E断面図、
【図18】進行方向変更手段であるハンドルの一部別の構成を示す図、
【図19】図19ないし図21は別の進行方向変更手段を有する内視鏡検査用
ベッドに係り、図19は内視鏡検査用ベッドの概略構成を示す説明図、
【図20】進行方向変更機構を示す説明図、
【図21】ベベルギアボックス内部を示す説明図、
【図22】図22及び図23は直進性に優れた内視鏡検査用ベッドを説明する
ものであり、図22は内視鏡検査用ベッドの概略構成を示す説明図、
【図23】キャスター固定機構の構成を示す説明図、
【図24】キャスター固定機構の他の構成例の一例を示す説明図、
【図25】図25及び図26は市販の切り替え式キャスターを使用した内視鏡
検査用ベッドの構成を説明するものであり、図25は内視鏡検査用ベッドの概略
構成を示す説明図、
【図26】キャスター固定機構を示す説明図、
【図27】図27ないし図29はサイドガード及びサイドガード収納・設置機
能を有する検査用ベッドの概略構成を示すものであり、図27は検査用ベッドの概略構成を示す説明図、
【図28】サイドガード設置状態を示す図、
【図29】サイドガイド回転移動状態を示す図、
【図30】サイドガード収納・設置機能を有する内視鏡検査用ベッドの概略構成を示す図、
【図31】図31ないし図35はサイドガード及び別の構成のサイドガード収納・設置機能を有する検査用ベッドの概略構成を示すものであり、図31は検査用ベッドの概略構成を示す説明図、
【図32】設置状態の図31のB−B断面、
【図33】図32のC−C断面図、
【図34】回転状態の図31のB−B断面、
【図35】図34のD−D断面図、
【図36】別の構成のサイドガード収納・設置機能を有する内視鏡検査用ベッドの概略構成を示す図、
【符号の説明】
1…内視鏡検査用ベッド
2…ベースフレーム
3…寝台
6…昇降手段
10…背もたれ部
20…腰受け部
30…脚受け部
40…ガススプリング
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検者の体腔内に内視鏡を挿入して診断・処置を行う際に被検者が横たわる内視鏡検査用ベッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡を被検者の体腔内に挿入して診断・処置などを行う場合、一般的に、被検者は検査室内に設置されている固定ベッドに横たわって行われていた。
【0003】
また、被検者の移動や検査の際の負担を軽減するため、前処置から診断・処置及び診断・処置終了後の後処置までの間、被検者を乗り降りの必要のないストレッチャーに乗せたままの状態で、一連の内視鏡的処置が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、通常のストレッチャーでは、背もたれの角度調節を行うリクライニング機構が無く、またたとえリクライニング機構が有る場合でも、前処置時や検査時または検査終了後の後処置時に、被検者に内視鏡検査特有の姿勢をとってもらうためには不十分なリクライニング機構であった。
【0005】
また、前記ストレッチャーでは、ベッドの昇降を手回しのハンドル操作で行うようになっていたため、非力な看護婦にはハンドル操作が負担になっていた。
【0006】
さらに、ストレッチャーの床面積は、固定ベッドの床面積と大差がないため、上部・下部同時検査時などに被検者の向きを反転させる場合、検査室が狭いと反転移動が難しいという問題があった。
【0007】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、被検者が内視鏡検査特有の姿勢を容易にとれて被検者に負担が少なく、且つ術者及び看護婦などに負担が少なく、効率良く内視鏡観察下の検査が行える内視鏡検査用ベッドを提供することを目的にしている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の内視鏡検査用ベッドは、ベース部材と、このベース部材上に設置された寝台とを有し、前記ベース部材に付属したキャスターによって移動可能な内視鏡検査用ベッドにおいて、前記ベース部材の上部に、当該ベース部材に対して前記寝台を昇降させる昇降手段を介して配設された腰受け部と、前記腰受け部の一端部に配設された回動軸に軸支され、前記腰受け部に対して上方となる位置から略同一面となる位置までは当該腰受け部に対して相対的に回動可能に、当該腰受け部に対して略同一面となる位置から下方となる位置に向けては当該腰受け部と一体的に回動可能に配設された背もたれ部と、前記背もたれ部の一端部に配設され、前記背もたれ部に対して、当該背もたれ部を少なくとも下方に向けて回動させる回動力を印加させるための操作レバーと、前記操作レバーの操作により、前記背もたれ部と前記腰受け部とが略同一面となる位置より下方に向けて一体的に回動された際、前記腰受け部を前記ベース部材に対して水平となる位置に戻すよう付勢する付勢部材と、を具備したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図3は本発明の第1実施形態に係り、図1は内視鏡検査用ベッドの概略構成を示す説明図、図2は内視鏡検査用ベッドに設けた旋回位置固定手段及び昇降手段を説明する一部断面図、図3は内視鏡検査用ベッドのベッド状態及びいす状態等を説明する図である。
【0011】
図1(A)、(B)に示すように本発明の内視鏡検査用ベッド1は、ベース部材であるベースフレーム2と、寝台3とで主に構成されており、前記ベースフレーム2と前記寝台3とはベースフレーム2に対して寝台3を昇降させる昇降手段6を介して連結固定されている。なお、前記ベースフレーム2の前後四隅には移動用のキャスター5が配設されている。
【0012】
まず、寝台3について説明する。
前記寝台3は、背もたれ部10、腰受け部20及び脚受け部30とで構成されており、前記背もたれ部10、腰受け部20及び脚受け部30は、それぞれ背もたれ部フレーム11、腰受け部フレーム21及び脚受け部フレーム31に、背もたれ用マットレス12、腰受け用マットレス22、脚受け用マットレス32を図示しないマジックテープ(R)などの接合部材を介して着脱自在に設けられている。なお、前記脚受け部30には後述する足受け部35が設けられている。
【0013】
前記腰受け部フレーム21の前方側部及び後方側部には凸出部23が設けられており、これら凸出部23には腰受け部回転軸24が設けられている。前記前方側部の凸出部23に設けられている腰受け部回転軸24は、前記脚受け部フレーム31の軸受け部(不図示)に回動自在に連結されており、前記後方側部の凸出部23に設けられている腰受け部回転軸24は前記背もたれ部フレーム11の軸受け部(不図示)に回動自在に連結されている。
【0014】
前記腰受け部フレーム21に対して回動自在に連結されている前記背もたれ部フレーム11と前記脚受け部フレーム31とは、腰受け部フレーム21の下方部に配設されている一対の旋回用ステー25によって連結されており、前記旋回用ステー25の一端部と前記背もたれ部フレーム11との接続部分及び前記旋回用ステー25の他端部と前記脚受け部フレーム31との接続部分は回動自在になっている。このため、背もたれ部フレーム11と、腰受け部フレーム21と、脚受け部フレーム31と、旋回用ステー25とでリンク機構が構成される。
【0015】
前記脚受け部フレーム31の先端側端部に設けられている脚受け部回転軸33は、前記足受け部35の軸受け部(不図示)に回動自在に連結されている。この足受け部35には前記脚受け部フレーム31の下方部に配設されている一対の足受け用ステー34の一端部がステー用回転軸36に回動自在に連結されると共に、前記足受け用ステー34の他端部が前記腰受け部フレーム21に設けられているステー用回転軸26に回動自在に連結されている。このため、腰受け部フレーム21と、脚受け部フレーム31と、脚受け部35と、足受け用ステー34とでリンク機構が構成される。
【0016】
図2(A)、(B)に示すように前記腰受け部フレーム21には前記旋回用ステー25に並行に旋回位置固定手段と旋回付勢手段とを兼ねるガススプリング40が一対配設されている。このガススプリング40の摺動軸41の先端部分は、ブロック42を介して前記腰受け部フレーム21の裏面側に設けられている前方側ブラケット43に一体的に固定され、前記ガススプリング40の他端部は前記背もたれ部フレーム11に固定されている。
【0017】
前記ブロック42には、前記ガススプリング40に設けられているロック解除ピン40aが伸縮するように前記摺動軸41が固定されると共に、前記ロック解除ピン40aの先端面に回動動作によりこのロック解除ピン40aを操作するレバー44の凹部44aが配設されている。このため、前記レバー44が時計方向に回転することによって、前記ロック解除ピン40aが押し込まれるようになっている。
【0018】
前記レバー44の一端部には駆動用ワイヤ部材45を構成するワイヤ46の一端部が接続されている。前記駆動ワイヤ部材45は、前記ワイヤ46とこのワイヤ46が挿通される内孔を有する外装チューブ47とで構成されており、前記外装チューブ47は前記ブロック42と後方側ブラケット48との間に固設されている。なお、前記ワイヤ46の他端部は、図示しない滑車等を経由して、前記背もたれ部フレーム11側に導かれている。
【0019】
図1(A)に示すように前記背もたれ部フレーム11には左右内側面に略対象にそれぞれ2箇所づつ開口13、13を設けた中空のパイプ部材で形成した略U字形状の保持用バー14が設けられている。前記背もたれ部フレーム11側に導かれたワイヤ46は、前記保持用バー14に挿通されて左右それぞれに設けられている開口13間で露出して、他端部を保持用バー14の端部に固定している。
【0020】
このことにより、前記保持用バー14に形成されている開口13間で露出しているワイヤ46を、把持して引っ張ることによって、ブロック42に設けられているレバー44が時計方向に回転して、旋回位置固定手段としての前記ガススプリング40のロック解除ピン40aを押し込んで、摺動軸41の伸縮をフリー状態にして、背もたれ部フレーム11を腰受け部フレーム21に対して旋回させてリクライニング動作をさせることができるようになっている。そして、前記背もたれ部フレーム11が所望の角度に傾いたとき前記ワイヤ46から手を離すことによって、前記ガススプリング40がロック状態になって、背もたれ部フレーム11が所望の角度に保持された椅子状態になる。
【0021】
また、前記背もたれ部10を前記腰受け部20に対して例えば床に対して水平な方向である倒す方向に旋回させると、前記背もたれ部フレーム11に連結されている旋回用ステー25が先端方向に移動していくことにより、脚受け部フレーム31が押されて、この脚受け部30が前記腰受け部フレーム21に設けられている腰受け部回転軸24を中心にして矢印a方向(図2(A)参照)に移動する。
【0022】
さらに、前記脚受け部30が矢印a方向に回転移動していくことによって、前記腰受け部フレーム21に連結されている足受け用ステー34によって足受け部35が引っ張られて、前記足受け部35が脚受け部回転軸33を中心にして矢印b方向(図2(A)参照)に倒れていく。
【0023】
即ち、背もたれ部10を前記腰受け部20に対して倒す方向に旋回させて水平状態にすることによって、脚受け部30、足受け部35が前記背もたれ部10の旋回動作に連動して図3(A)に示すように水平なベッド状態になる。
【0024】
また、前記背もたれ部10を前記腰受け部20に対して起す方向に旋回させると、上述とは逆に背もたれ部フレーム11に連結されている旋回用ステー25が引かれて、脚受け部フレーム31が引っ張られて腰受け部フレーム21の腰受け部回転軸24を中心に脚受け部30が反矢印a方向に回転する。このとき、前記背もたれ部フレーム11は、旋回付勢手段としての前記ガススプリング40の摺動軸41の伸びる力によってほとんど背もたれフレーム11に力を加えることなく旋回して椅子状態になる。
【0025】
さらに、前記脚受け部30が反矢印a方向に回転することによって、腰受け部フレーム21に連結されている足受け用ステー34によって、足受け部35が押し出されるように所定の位置に迫りだしてくる。
【0026】
なお、前記保持用バー14から露出するワイヤ46の露出箇所は2箇所に限定されるものではなくそれ以上であってそれ以下であっもよい。
【0027】
また、前記背もたれ部10及び腰受け部20の両サイドには被検者の落下を防止するサイドアーム51、52が設けられている。また、足受け部35には把持部35aが設けられており、脚受け部30を前記腰受け部20に対して旋回させることができるようになっている。
【0028】
次に、昇降手段について説明する。
前記ベースフレーム2と前記寝台3とを連結する昇降手段6は、図1に示すように前記ベースフレーム2から突出して設けられている支柱61と、前記腰受け部フレーム21の底部から突出しているフレーム柱62と、前記支柱61及びフレーム柱62に回動自在に並設して連結された2本の昇降用ステー63、64とで構成されたリンク機構と、前記ベースフレーム2に回動自在に取り付けられた油圧シリンダ65とで構成されている。
【0029】
前記油圧シリンダ65の摺動先端部65aは、前記昇降用ステー63、64のうち図中上方側に位置する昇降用ステー63に対して回動自在に取り付けられている。
【0030】
また、前記油圧シリンダ65の基端部からは油圧シリンダ駆動軸(以下駆動軸と略記する)66が左右両側部方向に延出して設けられており、この延出する駆動軸66の両端部はベースフレーム2を貫通して、その先端部をベースフレーム2の両側部に配設した昇降フットペダル用シャフト67に接続している。
【0031】
この昇降フットペダル用シャフト67の両端部には上昇用フットペダル67u及び降下用フットペダル67dとが設けられており、上昇用フットペダル67uを踏むことによって、油圧シリンダ65内の圧力が上がって摺動先端部65aが伸びて図3(A)に示すように腰受け部フレーム21が上昇する。また、前記降下用フットペダル67dを踏むことによって、油圧シリンダ65内の圧力が下がって摺動先端部65aが縮んで図3(B)に示すように腰受け部20が降下するようになっている。
【0032】
つまり、前記油圧シリンダ65の摺動先端部65aが上下に移動することによって、前記昇降用ステー63がベースフレーム2の支柱61に対して回動して腰受け部フレーム21を昇降させるようになっている。このとき、並設した昇降用ステー63、64及び支柱61、フレーム柱62とで構成したリンク機構によって、前記腰受け部フレーム21の水平状態が保持されて昇降するようになっている。
【0033】
このように、内視鏡検査用ベッドの寝台を、背もたれ部と、腰受け部と、脚受け部とに分割して構成し、前記背もたれ部及び脚受け部を、前記腰受け部に対して回動自在に連結し、背もたれ部の傾きを保持するガススプリングを設けると共に、背もたれ部と脚受け部とを旋回用ステーを介して連結してリンク機構を構成したことにより、前記背もたれ部のリクライニング動作に連動して前記脚受け部が動作させて、内視鏡検査特有の姿勢を被検者に容易にとらせることができる。このことにより、被検者の苦痛低減が図れると共に、内視鏡検査時の作業性が大幅に向上する。
【0034】
また、脚受け部に回動自在に設けられている足受け部が、背もたれ部のリクライニング動作に連動して動作する脚受け部の動作に合わせて回動動作させることによって、足受け部が検査の際、じゃまにならないので、内視鏡下での検査をスムーズに行うことができる。
【0035】
さらに、背もたれ部のリクライニング操作を、背もたれ部に設けた保持用バーの左右から露出しているワイヤを把持して引っ張ることによって行うことができるので、背もたれ部のリクライニングの操作性が大幅に向上する。
【0036】
又、上昇用フットペダル及び下降用フットペダルを両端部に設けた昇降フットペダル用シャフトを、ベースフレームの両側部に設けているので、寝台のどちら側からでも寝台の昇降操作を行うことができる。
【0037】
図4は本発明の第2実施形態に係る内視鏡検査用ベッドの他の構成を示す説明図である。
上述の第1実施形態のように背もたれ部10と脚受け部30とが連動して動作する内視鏡検査用ベッド1では、内視鏡検査終了後の後処置の際、被検者が椅子状態で足を伸ばした姿勢で休憩することができない。そこで、本実施形態の内視鏡検査用ベッド1Aでは椅子状態で足を伸ばした姿勢で休憩することが可能である。
【0038】
図4(A),(B)に示すように本実施形態の内視鏡検査用ベッド1Aは、前記背もたれ部フレーム11と脚受け部フレーム31とを連結する旋回用ステー70を、中空な外ステー71と、前記外ステー71の中に配設されて摺動する内ステー72とで構成している。
【0039】
前記外ステー71の外周面には開口73が1箇所形成されており、この開口73には棒状部材74が配設されている。この棒状部材74の一端部は前記外ステー71の内孔内に位置し、他端部は外ステー71の外周面に固定されている板ばね75に固定されている。このため、前記棒状部材74は、常に外ステー71の中心軸方向に付勢されている。
【0040】
前記内ステー72の外周面には前記外ステー71の開口73から突出して板ばね75で付勢されている棒状部材74が嵌入する溝部76が2箇所並設しており、前記棒状部材74が溝部76に嵌入することによって内ステー72を保持固定している。
【0041】
このため、脚受け部フレーム31を上方向に持ち上げていくことにより、内ステー72を前記板ばね75の付勢力に抗して矢印c方向に摺動して、他方の溝部76に嵌入して脚受け部30だけが水平状態になる。その他の構成及び作用は前記実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0042】
このように、寝台を構成する背もたれ部と脚受け部とを外ステーと内ステーとで構成した旋回用のステーで連結し且つ、前記内ステーの位置を変更可能にしたことにより、腰受け部に対して脚受け部を旋回させて、背もたれ部の傾き状態を保持して、脚受け部だけを水平な状態にすることができる。このことにより、検査終了後の後処置の際、より楽な姿勢を被検者はとれる。
【0043】
なお、前記内ステーに設ける溝の数を増やすことによって脚受け部の停止する位置を任意に設定することができる。
【0044】
また、板ばねで付勢された棒状部材で内ステーを固定保持する方式の代わりに、内ステーが伸びた位置で、内蔵したツメを係して停止させ、再度内ステーを伸ばすことによって、ツメの係止状態が解除されて、内ステーが縮むようにしたフラップステー方式であってもよい。
【0045】
図5は本発明の第3実施形態に係る内視鏡検査用ベッドの別の構成を示す説明図である。
上述の実施形態の内視鏡検査用ベッド1では寝台3の高さ調節は、リンク機構からなる昇降手段6によって、腰受け部20が水平な状態を保持して昇降させることによって行っていた。この構成では、ベッド状態から椅子状態に戻すとき、腰受け部20が水平状態になっていることにより、背もたれ部10が復帰する際の勢いで、被検者の腰が腰受け部20から滑り落ちてしまうおそれがある。そこで、本実施形態の内視鏡検査用ベッド1Bは背もたれ部20の復帰する勢いで被検者の腰が腰受け部から滑り落ちない。
【0046】
図5に示すように本実施形態の内視鏡検査用ベッド1Bでは、フレーム柱81を腰受け部フレーム21に回転軸82を介して回動自在に連結すると共に、前記腰受け部フレーム21とフレーム柱81とをコイルばね83で連結し、前記腰受け部フレーム21をフレーム柱81側に付勢して、前記腰受け部フレーム21がフレーム柱81の上面に当接して水平状態で停止するようになっている。
【0047】
また、前記フレーム柱81は、並設する昇降ステー63、64を介してベースフレーム2の支柱61に連結されてリンク機構を形成しており、上部側に位置する昇降ステー63に油圧シリンダ65の摺動先端部65aが接続されている。このため、前記摺動先端部65aが伸縮することにより、腰受け部フレーム21が昇降する。
【0048】
さらに、前記腰受け部フレーム21の前端部側裏面には支柱61の上面に当接するストッパー84が設けられており、腰受け部フレーム21が降下し続けると、前記ストッパー84が支柱61の上面に当接して降下が停止されるようになっている。そして、前記ストッパー84と支柱61の上面とが当接したとき、腰受け部フレーム21の前端部が上方向に押されることにより、前記腰受け部フレーム21が回転軸82を中心に傾くようになっている。
【0049】
なお、前記コイルバネの代わりにゴムや板バネ等の弾性部材を用いてもよい。その他の構成及び作用は前記実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0050】
このように、被検者を移動する際などに、腰受け部を降下させて、腰受け部を所定高さより低いとき、腰受け部フレームに設けたストッパーが支柱の上面に当接して、足側位置を高くするように腰受け部を傾けることができる。このことにより、寝台状態から椅子状態にするとき、寝台位置を所定高さより低くしておくことにより、背もたれ部が復帰するときの勢いによって、被検者が腰受け部から滑り落ちることが防止される。
【0051】
図6及び図7は本発明の第4実施形態に係り、図6は頭部支持部を設けた内視鏡検査用ベッドの構成を示す説明図、図7は頭部支持部の概略構成を示す説明図である。
上述の実施形態の内視鏡検査用ベッド1では、検査中に被検者の頭部の高さを変更する場合、その度、高さの異なる枕に交換したり、看護婦が被検者の頭部を支えて対応していた。そこで、本実施形態の内視鏡検査用ベッド1Cは被検者の頭部の高さの調節を自在に行える。
【0052】
図6に示すように本実施形態の内視鏡検査用ベッド1Cは、内視鏡下での検査及び処置中に、被検者の頭部の位置を自由に変更することが可能なように、頭部を保持するマットレスを独立させて動かすことができるように、背もたれ部10を頭部フレーム91と背部フレーム92との2つに分割して構成している。そして、前記背部フレーム92に背用マットレス94を、頭部フレーム91に頭部マットレス93を、それぞれ着脱自在に固定している。なお、前記内視鏡検査用ベッド1Cは、水平状態のベッドとして使用する際、背部フレーム92と頭部フレーム91とが全体として1つの水平なマットレスとなるように配置している。
【0053】
図7に示すように背部フレーム92と頭部フレーム91とは、前記背部フレーム92に設けられている軸受け95に配設したシャフト96に固定されているアーム97を介して回動自在に連結されている。このシャフト96にはギア98が固設されており、このギア98に操作ギア99が噛合している。前記操作ギア99は、操作ノブ100から延出する操作用シャフト101の先端部に設けられており、前記操作ノブ100を回動操作することによって、回転力が前記操作用シャフト101、操作ギア99、ギア98を介してアーム97に伝達されて、回動動作するようになっている。なお、これら操作用シャフト101及びその周辺の機構は背用マットレス94側に収納されている。
【0054】
一方、前記アーム97の他端部にはD字形状のカット穴102が形成されており、このカット穴102に、断面をD字状に形成した軸103が嵌合している。この軸103にはシャーシ104が固定されている。このシャーシ104は、前記頭部フレーム91に固定され、頭部マットレス93内に収納されている。なお、前記シャーシ104を用いることなく、アーム97を直接、頭部フレーム91に固定するようにしてもよい。
【0055】
上述のように構成した内視鏡検査用ベッド1Cでは、被検者の頭部の位置を変更する際、まず操作ノブ100を回転させる。すると、この操作ノブ100の回転力は、操作ギア99を介してギア98に伝達されてアーム97が回動を開始する。このアーム97が回動を開始することによって、このアーム97に嵌合している軸103に固定されているシャーシ104が移動して、このシャーシ104に固定されている頭部フレーム91の頭部マットレス93が、被検者の頭部を持ち上げる方向または下げる方向に移動する。
【0056】
なお、前記操作ギア99と前記ギア98とのギア比を適宜調節することによって、操作ノブ100の操作力量や頭部マットレス93の動作量を自由に設定することが可能である。また、本実施形態では背もたれ部10を頭部フレーム91と背部フレーム92とに分割して各フレームにマットレスを設けているが、マットレスの分割方法は本実施形態に限定されるものではなく、様々な分割方法に対応し、例えば図8の矢印に示すように移動する部分108のすぐ脇に、移動しない部分109を設けるようにしてもよい。その他の構成及び作用は前記実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0057】
このように、操作ノブを適宜回転操作することによって、容易に被検者の頭部の位置を変更することができることにより、様々な手技や、前処置に対応することが可能となる。
【0058】
また、内視鏡検査用ベッドを複数の術者が使用する場合、それぞれの術者が要求する被検者の頭部位置に対応できる。
【0059】
さらに、図8に示した構成によれば、リクライニング状態にしたとき、被検者頭部付近に水平状態の部分が設けられるので、薬品やノウ盆などを置くスペースが確保される。
【0060】
図9及び図10は前記第4実施形態の変形例に係り、図9は頭部支持部を設けた内視鏡検査用ベッドの他の構成を示す説明図、図10は頭部支持部の概略構成を示す説明図である。
本実施形態の内視鏡検査用ベッドは、被検者頭部の高さを変更することが可能であると共に、各高さにおいて被検者頭部の角度の変更が可能である。
【0061】
図9に示すように本実施形態の内視鏡検査用ベッドは、背もたれ部10を、背支持部110と頭部支持部111とに分割してそれぞれ、背支持フレーム112及び背支持マットレス113と、頭部支持フレーム114及び頭部支持マットレス115とで構成されている。
【0062】
前記背支持フレーム112の軸受け116にはアーム117と第1の位置決め用ギア118とが固設された背支持シャフト119が保持されている。前記アーム117の他端部には頭部支持シャフト120が固定され、この頭部支持シャフト120には第2の位置決め用ギア121が固設されている。
【0063】
なお、前記背支持シャフト119とアーム117と第1の位置決め用ギア118と、頭部支持シャフト120と第2の位置決め用ギア121とはそれぞ固定されているので、各シャフト119、120に対して回転することはない。また、頭部支持シャフト120の先端部120aは、頭部支持フレーム114の軸受け部122に挿入されている。
【0064】
図10に示すように頭部支持フレーム114に固定された第1のロック用シャフト123には第1のロック部材124が回動自在に配設されている。この第1のロック部材124は、前記第2の位置決め用ギア121に噛合して前記頭部支持フレーム114の軸受け部122に挿入されている頭部支持シャフト120の回転を抑止するようになっている。
【0065】
前記第1のロック部材124にはグリップ124aが設けられており、このグリップ124aを操作することによって、第1のロック部材124を移動させてロック状態と、解放状態とを切り換えることができるようになっている。なお、前記グリップ124aと前記頭部支持フレーム114との間にはばね125が設けられており、このばね125の付勢力によって常にグリップ124aが、第1のロック用シャフト123を中心に反時計方向に付勢されている。
【0066】
前記背支持フレーム112も前記頭部支持フレーム114と同様の構造であり、背支持フレーム112に固定された第2のロック用シャフト126に第2のロック部材127が回動自在に配設されている。この第2のロック部材127は、前記第1の位置決め用ギア118に噛合して、背支持シャフト119の回転を抑止している。
【0067】
前記第2のロック部材127にはグリップ127aが設けられており、このグリップ127aを操作することによって、第2のロック部材127を移動させてロック状態と、解放状態とを切り換えることができるようになっている。なお、前記グリップ127aと前記背支持フレーム112の間にはばね128が設けられており、このばね128の付勢力によって常にグリップ127aが、第2のロック用シャフト126を中心に時計方向に付勢している。
【0068】
なお、前記頭部支持フレーム114には図9に示すトレイ130の接続ピン131を接続するための取り付け穴132が設けられており、この取り付け穴132にトレイ130の接続ピン131を接続することができるようになっている。このトレイ130には薬品類を保持するためのくぼみ133や、図示しない点滴ポール取り付け用の取り付け穴134が設けられている。
【0069】
上述のように構成した背もたれ部10の作用を図10を参照して説明する。
グリップ124aを時計方向に移動すると、このグリップ124aの動きに追随して第1のロック部材124も時計方向に移動して、第2の位置決め用ギア121とのロック状態が解除される。前記第2の位置決め用ギア121のロック状態が解除されることによって、頭部支持シャフト120を中心に頭部支持フレーム114は自由に回動できるようになる。
【0070】
一方、グリップ127aを例えば反時計方向へ移動すると、このグリップ127aの動きに追随して第2のロック部材127も反時計方向に回転して、第1の位置決め用ギア118とのロック状態が解除されることによって、頭部支持フレーム114と頭部支持マットレス115とが背支持シャフト119を中心に回動できるようになる。
【0071】
前記2つのシャフト119、120周りの回転をあわせると、二点鎖線に示す位置に頭部支持マットレス115が、元あった位置から略々平行に移動したような位置が実現される。
【0072】
さらに、この位置から頭部支持シャフト120を中心に頭部支持マットレス115は回転でき、前記頭部支持マットレス115を斜めの状態に保持しておくことも可能である。
【0073】
なお、本図において、ばね125、128は、常にロック部材124、127をギア121、118に押し当てる方向に、グリップ124a、127aに付勢力を与えて、たとえグリップ124a、127aを離しても自動的にロックが掛かるようになっている。
【0074】
このように、頭部支持フレームを背支持フレームに対して回動自在に連結し、所望の位置に保持固定可能にすると共に、頭部マットレスを頭部支持フレームに設けた支持シャフトに対して回動自在に連結し、所望の位置に固定可能にすることによって、頭部支持フレームと背もたれ部フレームに対して、頭部マットレスの垂直方向の位置及び角度を任意に設定することができる。このことにより、被検者の頭の位置を設定するために何種類も枕を用意したり、看護婦が被検者の頭を保持する必要が無くなるので、内視鏡検査にかかる労力が軽減する。
【0075】
また、様々な体型の被検者に対して、より自然な頭部位置になるように頭部マットレスの位置の設定を変更することができるので、被検者にとって快適な検査環境になる。
【0076】
さらに、頭部フレームにトレイや点滴ポールなどを取り付けられるので、被検者の口腔からの処置が行い易くなる。
【0077】
図11は本発明の第5実施形態に係るトレンデレンブルグの行える内視鏡検査用ベッドの構成を示す説明図である。
本実施形態の内視鏡検査用ベッド1Dでは処置中の不意の出血等で被検者の脳に血流を促す必要がある場合、トレンデレンブルグ(被検者の脳に血液を送るために被検者の頭部を下げること)を行える。
【0078】
図に示すように本実施形態の内視鏡検査用ベッド1Dの腰受け部20の下部及びフレーム柱62にはばね141が取り付けられており、このばね141によって前記腰受け部20を支点142を中心にして常に時計方向に回転するように付勢されて水平状態を保持するようになっている。
【0079】
また、内視鏡検査中に被検者の頭部に血流を促進する必要が起こった場合、まず保持用バー14を矢印方向に押し下げることによって、ベッド状態の背もたれ部10、腰受け部20、脚受け部30は、支点142を中心に反時計方向に回転して被検者の頭部が下がった状態になるようになっている。
【0080】
なお、本実施形態の場合、マットレス部分のフレームのリクライニング機構とは無関係にこの動作が行われるので、マットレスを一直線に保ったままの状態でトレンデレンブルグが行われる。また、前記ばね141の代わりに板バネ、ガススプリング等を用いて、常に腰受け部20がフレーム柱62に対して支点142を中心に時計方向に回転させる力がかかればよい。さらに、保持用バー14から手を離せば、ばね141の付勢力によって自動的に水平状態に復帰する。その他の構成及び作用は上述の実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0081】
このように、常に腰受け部をフレーム柱に対して支点を中心に時計方向に回転するよう付勢しておくことにより、保持用バー側を押し下げることによって、トレンデレンブルグを行うことができるので、術者に安心感を与える事ができる。
【0082】
また、背もたれ部近傍から手を離せばばねの付勢力によって、自動的に水平状態に復帰するので、万一、急用などで持ち場を離れる場合でも被検者の頭が下がった状態のままで放置されることがない。
【0083】
図12及び図13は第5実施形態の変形例に係り、図12はトレンデレンブルグの行える内視鏡検査用ベッドの他の構成を示す説明図、図13はガススプリングの概略構成を示す説明図である。
【0084】
図12及び図13に示すように本実施形態の内視鏡検査用ベッド1Eは、ガススプリング40の一端部を背もたれ部20に設けた第1の支点151に取り付け、他端部の摺動軸153の先端部を腰受け部20の第2の支点152に固定されている。
【0085】
前記摺動軸153は、外筒154と、この外筒154の内部を摺動するスライド軸155とで構成され、コイルバネ156によって常時伸びきった状態になるように保持されている。なお、前記コイルバネ156の代わりにゴムや板バネ等の弾性部材を用いてもよい。
【0086】
図の状態で内視鏡検査を行っていた際、万一、トレンデレンブルグを行う必要になった場合、保持用バー14を押し下げる。すると、ガススプリング40に圧縮力がかかって、摺動軸153のコイルバネ156が収縮し、外筒154内にスライド軸155が進入する。このとき、背もたれ部10は、前記スライド軸155が外筒154内に進入した分だけ余計に下方向にリクライニングして被検者の頭部が下がった状態になる。なお、前記コイルバネ156の弾性係数を適宜設定することにより、トレンデレンブルグが開始される力量を様々に設定することが可能である。また、コイルバネ156のストロークを適宜設定することによってトレンデレンブルグのストローク値を様々に設定することが可能である。
【0087】
このように、トレンデレンブルグを行う際、リクライニングさせるときのようにワイヤを握るなどしてロック状態を解除することなくトレンデレンプルグを素早く行うことができる。
【0088】
ところで、内視鏡検査用ベッドの進行方向を変更する場合、進行方向側のキャスターの向きを希望する方向に向けてベッドを振って向きを変えなければならなかった。しかし、内視鏡検査用ベッドを移動する作業は、看護婦が一人で行うことが多く、特に、進行方向を変更する作業は看護婦に非常な重労働を強いていた。このため、看護婦1人でも簡単に方向変更を行える労力の軽減を図った内視鏡検査用ベッドが望まれていた。
【0089】
図14ないし図17は進行方向変更手段を有する内視鏡検査用ベッドに係り、図14は内視鏡検査用ベッドの概略構成を示す説明図、図15は進行方向変更手段であるハンドルを示す説明図、図16は図15のF−F断面図、図17は図15のE−E断面図である。
【0090】
図14に示すように本実施形態の内視鏡検査用ベッド1Fは、移動する際の労力を軽減するために、バッテリーとモーター等を設けている。
【0091】
前記内視鏡検査用ベッド1Fの寝台を支持しているベースフレーム202にはキャスター204が設けられている。このキャスター204には、キャスター204の向きに連動して回転する連動回転軸205が設けられており、この連動回転軸205は軸受け206を介してベースフレーム202に取り付けられている。
【0092】
前記連動回転軸205にはスプロケット207が取り付けられており、このスプロケット207は、チェーン208を介してギアボックス209内のギア(不図示)に噛合している。前記ギアボックス209内のギアは、モータ210で駆動されるようになっている。
【0093】
前記モータ210は、コントロールボックス211に設けられている制御スイッチによって、回転速度や回転方向が制御されるようになっている。なお、符号212はバッテリーであり、前記モータ210を駆動する電源である。
【0094】
ハーネス213は、コントロールボックス211へコントロール信号を伝達するものであり、内視鏡検査用ベッド1Fを移動させる際に把持するハンドル214が取り付けられる軸受けユニット215に接続されている。
【0095】
図15ないし図17に示すように前記軸受けユニット215に取りつけられるハンドル214の回転軸には溝203が設けられており、この溝203には第1の止め部材216が差し込まれている。なお、符号217は第2の止め部材であり、背もたれ部フレーム218を挟んでハンドル214の回転軸にねじ220によって固定されている。このことにより、ハンドル214、第1の止め部材216、第2の止め部材217等の部材は、背もたれ部フレーム218に対して回転自在になっている。また、符号219は当接部材であり、この当接部材219は、ねじ220によって第2の止め部材217に固定されて、前記ハンドル214と共に回転するようになっている。
【0096】
一方、回転制御ゴム221は、前記背もたれ部フレーム218に形成されている断面形状がD字形状の穴222に挿入されていて、背もたれ部フレーム218に対して回転しないようになっている。
【0097】
前記第1の止め部材216の抜け防止部材223は、ねじ224によって第1の止め部材216に固定されている。また、前記第2の止め部材217にはラック(ギア)217aが形成されており、前記背もたれ部フレーム218に組み込まれているローターリーエンコーダ225のギア225aに噛合している。前記ローターリーエンコーダ225は、ハーネス213によりコントロールボックス211に接続されており、前記ハンドル214の回転位置情報がコントロールボックス211に伝達されている。
【0098】
上述のように構成した内視鏡検査用ベッド1Fの作用を説明する。
内視鏡検査用ベッド1Fを移動する際、ハンドル214を把持して押し出すように前進する。そして、例えば左へ曲がろうとする場合には、ハンドル214を左に回転させる。このときのハンドル214の回転は、当接部材219と回転制御ゴム221とが干渉することによって僅かな角度しか起こらないが、この回転制御ゴム221の硬度を適宜調節することにより適切な操作感覚が得られるようになっている。
【0099】
前記ハンドル214が回転することにより、前記第2の止め部材217とラック217aとが回転する。前記ラック217aが回転することによってギア225aが回転してロータリーエンコーダ225を駆動する。このロータリーエンコーダ225が駆動して得られたハンドル214の回転角度に関する情報は、ハーネス213を経由してコントロールボックス211へ送られる。
【0100】
このコントロールボックス211では送られてきたハンドル214の回転角度に関する情報を元に、モータ210を回転させ、ギアボックス209を介してチェーン208を矢印226の方向に回転させ、スプロケット208を矢印227方向に回転させる。前記スプロケット208の矢印227方向への回転に従って、キャスター204は前進方向に対して左折する方向に向きを変える。この状態で、ハンドル214を押し、前進させることにより内視鏡検査用ベッド1Fはスムーズに左に曲がる。
【0101】
このように、内視鏡検査用ベッドにモータ、ハンドル、エンコーダ等を設けて内視鏡検査用ベッドの進路変更を行うようにすることにより、内視鏡検査用ベッドを押す人はハンドルを操作するだけでキャスターの向きを変えてスムーズに進行方向の変更を行うことができる。このことにより、内視鏡検査用ベッドを操作する人の労力が大幅に軽減される。
【0102】
また、内視鏡検査用ベッドの向きを変更することができずに、被検者を載せたままの状態で、曲がり角などで立ち往生することがなくなるので、検査がスムーズに進行する。
【0103】
さらに、勢いを付けて内視鏡検査用ベッドの向きを変更するといった操作が行われなくなるので、内視鏡検査用ベッドに横たわっている被検者に対しても快適な検査環境が提供される。
【0104】
なお、図18に示すように止め部材217にブロック235を設け、回転位置検出用のスイッチ234を背もたれフレーム218に設けるようにしても上述と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0105】
すなわち、ハンドル214を回すと、止め部材217と共にブロック235が回転してスイッチ234に接触して、このスイッチ234からハーネス213を経由しハンドル214の回転に関する情報がコントロールボックス211へ送られる。前記コントロールボックス211ではハンドル214の回転に関する情報信号を基にギアボックス210への電源供給、回転方向を制御し、スイッチ234がON状態にされたとき時だけキャスター204の角度変えて進行方向の変更を行える。なお、スイッチ234としては非接触式の例えば、フォトインタラプタなどの光学式スイッチでもよい。
【0106】
図19ないし図21は別の進行方向変更手段を有する内視鏡検査用ベッドに係り、図19は内視鏡検査用ベッドの概略構成を示す説明図、図20は進行方向変更機構を示す説明図、図21はベベルギアボックス内部を示す説明図である。
【0107】
図19に示すように本実施形態の内視鏡検査用ベッド1Gは、前記図14ないし図17に示した実施形態のようにバッテリーやモーター、ハーネスなどの電気部品を使用すること無く、キャスターの向きを変えて内視鏡検査用ベッド1Gの進行方向を容易に変更できるようにしたものである。
【0108】
図20に示すようにキャスター226は、軸受け228によってベースフレーム227に取り付けられて回転することができるようになっている。前記キャスター226にはギア229が取り付けられていて、キャスター226が回転すると共に回転するようになっている。
【0109】
前記ギア229はラック230に噛合している。このラック230にはラック230の長手方向に平行に複数のスライド溝237が形成されており、このスライド溝237に配設されるガイドピン231によって、一直線上に移動するように規制されている。
【0110】
ギア232Aは図19に示す軸233に固定されていて、ベースフレーム227上に配設されているギア232Bに噛合している。また、前記ギア232Bは、ラック230に噛合している。
【0111】
軸233は、腰受け部の下部に配設されているベベルギアボックス234を経由し、さらに軸235、軸受け236、フレキシブルジョイント237、軸238、軸受け239、ベベルギアボックス240を経由してハンドル241に接続されている。
【0112】
前記フレキシブルジョイント237は、内視鏡検査用ベッド1Gの背もたれ部フレーム242をリクライニングさせた場合に、軸235、軸238の中心軸ずれ及び距離変化に対応するためのもので、金属のバネ状のものであったり、樹脂のパイプ状のものであったり、ユニバーサルジョイントのような機構部品である。
【0113】
図21に示すようにベベルギアボックス240の内部では、軸238にセットネジによって螺合されているベベルギア243と、ハンドル241の軸245にセットネジによって固定されているベベルギア244とが噛合している。
【0114】
前記軸245は、背もたれ部フレーム242を貫通して、背もたれ部フレーム242に固定されている軸受け246に挿入され、Eリング247によって固定されている。なお、符号248は摺動用ブッシュであり、符号249は軸238の脱落防止用のEリングである。
【0115】
なお、ベベルギアボックス234内も前記ベベルギアボックス240と同様に図示しないベベルギア同士によって軸235と軸233とが噛合している。
【0116】
上述のように構成した内視鏡検査用ベッド1Gの進行方向の変更について説明する。
内視鏡検査用ベッド1Gの進行方向を変える場合、まず、ハンドル241を回転させる。すると、このハンドル241の回転は、軸245、ベベルギアボックス240、軸238、フレキシブルジョイント237、軸235、ベベルギアボックス234、軸233を伝達されて、ギア232A,232Bを回転させ、ラック230を移動させて、キャスター226に接続されたギア228に伝えられて進行方向を変えることができるようになっている。
【0117】
内視鏡検査用ベッド1Gは、ベッド状態になったり、図示の椅子状態になったりするがフレキシブルジョイント237を設けたことによって、いづれの場合でもハンドル241の回転はキャスター226に確実に伝達される。
【0118】
このように、バッテリー等を使用していないので、充電、あるいは交換の手間が省ける。その他の効果は図14ないし図17に示した上述の実施形態と同様である。
【0119】
ところで、狭いスペースでの移動をスムーズに行えるようにベースフレームに設けた4つのキャスター全てを回動自在にして進行方向を変更し易くした内視鏡検査用ベッドがあったが、4つのキャスター全てが回転自在であるため、直進させる際、スムーズに直進できなくなるという不具合が発生していた。このため、直進性に優れた内視鏡検査用ベッドが望まれていた。
【0120】
図22及び図23は直進性に優れた内視鏡検査用ベッドを説明するものであり、図22は内視鏡検査用ベッドの概略構成を示す説明図、図23はキャスター固定機構の構成を示す説明図である。
【0121】
図22に示すように内視鏡検査用ベッド1Hのベースフレーム301は、複数のキャスター302によって支持されている。このキャスター302は、軸受け303によってベースフレーム301に取り付けられており、このベースフレーム301に対して自由に回転して、キャスター302の方向を変えることができるようになっている。
【0122】
そして、図23に示すようにこのキャスター302の頭部にはギア304が取り付けられている。
【0123】
また、前記ベースフレーム301には先端にロック部材305を配設したスライドステー306が、ベースフレーム301に対しスライドピン307で摺動するように配設されている。
【0124】
前記ベースフレーム301の図示しない軸受けに回転軸308を介して回動自在に取り付けられているペダル309は、ステー310及び接続軸311を介してスライドステー306に接続されている。このため、前記ペダル309を持ち上げることにより、ステー310が押されてスライドステー306が符号312方向に摺動してスライドステー306の先端部に設けたロック部材305がギア304に食い込んでキャスター302の向きを固定するようになっている。
【0125】
なお、スライドステー306の移動機構をラックとギアとを用いて構成するようにしてもよい。また、図24に示すようにキャスター320の腰受け部回転軸321に設けた溝322にスライドステー323のロックピン324を挿入させるようにしてもよい。
【0126】
上述のように構成したキャスター固定機構の作用を説明する。
通常使用時、ペダル309は水平状態にあり、ギア304とロック部材305とが噛み合わないようになっている。このため、キャスター302は自由に回転し、方向を自由に変えることができるようになっている。
【0127】
直進させる場合は、まず、直進しようとする方向へ内視鏡検査用ベッド1Hを向け、キャスター302を進行方向に向け、ペダル309を持ち上げて、スライドステー306を符号312方向に摺動させてスライドステー306の先端部に設けたロック部材305をギア304に食い込ませてキャスター302の向きを固定し、推進力を与えて直進させる。
【0128】
このように、内視鏡検査用ベッドの移動時、進行方向を決定した時点で、ペダルを操作して、キャスターを所望の方向に向けて固定することができる。このことにより、内視鏡検査用ベッドを常に方向づける作業、力が不要となる。また、内視鏡検査用ベッドのフレームの両側にペダルを設けることにより作業状況に応じてペダルを選択することができる。
【0129】
図25及び図26は市販の切り替え式キャスターを使用した内視鏡検査用ベッドの構成を説明するものであり、図25は内視鏡検査用ベッドの概略構成を示す説明図、図26はキャスター固定機構を示す説明図である。
【0130】
図25及び図26に示すように本実施形態の内視鏡検査用ベッド1Jのベースフレーム351は、市販の切り替え式キャスター352によって支持されている。
【0131】
前記キャスター352は、ベースフレーム351に対して「自由に回転」、「方向のみ固定」、「車輪の回転も固定」の3つの状態に切り換えられるようになっており、これらの状態切り替えを、シャフト353を回転させることによって行えるようになっている。
【0132】
即ち、シャフト353にはこのシャフト353と共に回転する回転レバー354が固定されている。前記キャスター352から独立した独立レバー355は、フレーム351に対して図示しない軸受けで固定されていて、回動自在で、シャフト356によって回転レバー354、独立レバー355に連結されている。
【0133】
一方、ペダル357は、内視鏡検査用ベッド1Jを移動させるために押している人が踏むことのできる位置に配置されている。
【0134】
即ち、本実施形態の前記ペダル357は、ベースフレーム351後部のキャスター365の真上辺に取り付けられていて、レバー358が固定されておりペダル357と共に回転する。
【0135】
前記レバー358と前記独立レバー355とは連結シャフト359で連結されている。前進方向に位置する左右のキャスター352R、352Lの切り替えシャフト353同士は、シャフト360によって接続されていて、左右のキャスター352R、352Lにおいては同時に切り替えシャフト353が動作するようになっている。
【0136】
なお、前記ペダル357をべースフレーム351の両側に設けてキャスター352の操作を内視鏡検査用ベッド1Jの両側から行えるようにしてもよい。
【0137】
上述のように構成した進行方向変更機構の作用を説明する。
前記ペダル357を持ち上げると、連結シャフト359が引かれて回転レバー354が時計方向に回転する。このことにより、キャスター352は、「方向のみ固定」状態になるので、内視鏡検査用ベッド1Jの方向を気にすることなく推進力を与えるだけで安定して直進する。
【0138】
なお、独立レバー355上におけるシャフト356、連結シャフト359の固定位置を適宜調節することによって、様々な切り替え力量のキャスター352に対応することができると共に、ペダル357の踏み込み角度を自由に設定することができる。
【0139】
このように、内視鏡検査用ベッドに設けたペダルを操作することによって、前方に位置するキャスターを、「方向のみ固定」状態にすることができるので、内視鏡検査用ベッドの方向を気にすることなく推進力を与えるだけで安定して直進させることができる。このことにより、内視鏡検査用ベッドを操作する看護婦などの労力が大幅に軽減される。
【0140】
また、安定して直進させるためには進行方向の前方に位置するキャスターの向きを固定する必要があるが、本実施形態によれば「自由に回転」状態と「方向のみ固定」状態とを切り替える装置が内視鏡検査用ベッドを押す担当者の足下にあるので、移動中、例えば角を曲がってその後に長い廊下がある場合などに、いちいち内視鏡検査用ベッドを停止させて進行方向前側に回ってキャスターを操作する必要が無くなるので、スムーズな内視鏡検査用ベッドの移動を実現することができる。
【0141】
さらに、左右両側に機構を装備した場合は、その時々の状況に応じて踏みやすい方のペダルを踏めばよく、作業を効率的に行える。
【0142】
ところで、ベッド、特に医療用のベッドでは患者や被検者が寝台から落下するのを防止するため、落下防止用柵(サイドガード)が設けられている。
【0143】
ベッドに設けられるサイドガードとして従来、片側一体でベッド下部に収納することができるものが知られている。
【0144】
しかしながら、前記ベッドのサイドガードが片側一体式である場合、リクライニング機構を備えたベッドでは、リクライニング操作を行う際、予めベッドから前記サイドガードを取り外してリクライニング操作を行わなければならないので、介助者にとって煩わしい作業になっていた。
【0145】
図27ないし図29はサイドガード及びサイドガード収納・設置機能を有する検査用ベッドの概略構成を示すものであり、図27は検査用ベッドの概略構成を示す説明図、図28はサイドガード設置状態を示す図、図29はサイドガイド回転移動状態を示す図である。
【0146】
図27に示すように検査用ベッド400の寝台403は第1のフレーム401と第2のフレーム402との2分割に形成されており、ベッド中央軸404で回動自在に連結されている。
【0147】
具体的には、前記検査用ベッド400は、第1のフレーム401及び第2のフレーム402とからなる寝台403が支柱405で支持されており、この支柱405はベースフレーム406に固設されている。前記第1のフレーム401と第2のフレーム402とは、解放状態で第2のフレーム402を立てる方向に設定したリクライニング用ダンパー407で連結されており、前記第2のフレーム402には前記リクライニング用ダンパー407を操作するダンパー操作用レバー408が設けられている。前記ダンパー407と前記レバー408とはワイヤ409によって接続されている。そして、各フレーム401,402から突出して左右両側に2つづつ設けた固定部410にサイドガード411が配設されている。
【0148】
このため、前記検査用ベッド400は、レバー408を把持してワイヤ409を引くことによって、ダンパー407が解放状態になり、ベッド中央軸404を支点に、第2のフレーム402がリクライニング動作するようになっている。
【0149】
なお、前記固定部410に配設されたサイドガード411は、それぞれ独立して寝台403の幅方向に後述するように回転して収納することができるようになっている。
【0150】
図28に示すようにサイドガード411は、このサイドガード411を貫通する軸支ピン412によって前記固定部410に保持固定されるようになっており、前記サイドガード411をフレーム401,402に設置した状態にするとき、固定部410の内部を寝台403の長手方向に摺動する固定ピン413をサイドガード411の外側に突出させてサイドガード411を設置状態に保持固定している。
【0151】
前記固定ピン413は、固定部410の内部に配設したばね414によって付勢されているため、前記固定ピン413に一体的に固定された解除操作ボタン415を解放した状態でサイドガード411を支えるように突出している。
【0152】
図29に示すようにサイドガード411を収納する際、前記固定ピン413に固定されている解除操作ボタン415をばね414の付勢力に抗して引くことにより、固定ピン413をサイドガード411の外周面から外れた位置に移動させる。この状態のとき、サイドガード411は軸支ピン412を中心に回転する。このサイドガード411が回転しているとき、解除操作ボタン415から手を離した場合、固定ピン413がばね414の付勢力によりサイドガード411の外周面に押し付けられるが、外周面の外側に位置するため、サイドガード411の回転に支障をきたさない。そして、収納状態までサイドガード411が回転して倒れると、固定ピン413が再びばね414の付勢力によって押し出して、今度はサイドガード411を収納状態に保持固定する。
【0153】
このように、サイドガードを、寝台を分割したフレーム毎に設けると共に、前記サイドガードをベッドの幅方向に回転自在にすることによって、サイドガードの収納、設置を容易に行うことができる。
【0154】
なお、上述のように構成したサイドガードの収納・設置機構を図30に示すように内視鏡検査用ベッドに設けるようにしてもよい。なお、同図に付した符号は、上述の実施形態と同様の部材には同符号を付して構成及び作用の説明は省略する。
【0155】
図に示すように前記サイドガード収納・設置機構を背もたれ部のリクライニング機構を有する内視鏡検査用ベッドの背もたれ部10と腰受け部20とに配設したものである。なお、図示は省略するが内視鏡検査用ベッドの脚受け部30にサイドガードを設けるようにしてもよい。
【0156】
このように、内視鏡検査用ベッドにサイドガード収納・設置機構を設けることによって、頻繁にリクライニングさせるとき、サイドガードを取り外すことなく収納するだけで、リクライニング操作が行えるので、介助者の手間が省けると共に、内視鏡検査用ベッドでの使い勝手が大幅に向上する。また、椅子状態のとき、腰受け部のサイドガードを収納しておくことにより、乗り降りがし易くなる。さらに、被検者の背中を支えるサイドガードだけを設置した状態で、腰受け部フレームのサイドガードを収納することにより、臀部を露出させて内視鏡姿勢をとれるので、被検者に転落する危険性なくして内視鏡検査をスムーズに行うことができる。
【0157】
図31ないし図35はサイドガード及び別の構成のサイドガード収納・設置機能を有する検査用ベッドの概略構成を示すものであり、図31は検査用ベッドの概略構成を示す説明図、図32は設置状態の図31のB−B断面、図33は図32のC−C断面図、図34は回転状態の図31のB−B断面、図35は図34のD−D断面図である。
【0158】
本実施形態においてはサイドガードを寝台の長手方向に回転させて収納するようにしている。
【0159】
図31に示すように本実施形態の検査用ベッド450は、第1のフレーム401及び第2のフレーム402の両サイドに設けたサイドガード451がフレームの長手方向に対して回転するようにサイドガード収納・設置機構を構成している。このため、寝台403の幅方向のスペースを設けることなく、各フレーム401,402の下方にサイドガード451が収納される。第2のフレーム402のサイドガード451は収納状態を示している。その他の構成は図27に示した検査用ベッド400の構成と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0160】
図32ないし図35を参照してサイドガード収納・設置機構を説明する。
図32に示すようにサイドガード451の中央部にはフレーム側に凸部451a、寝台403側部側に凹み部451b及びこの凸部451aから凹み部451bを連通する透孔451cが形成されている。この凸部451aは、フレーム401(402)に形成されている透孔455を挿通して、フレーム401の内側に突出しており、このフレーム内側に突出した突出部451dに前記透孔451cに対向する透孔456aを形成した軸押さえ456を固設して、前記サイドガード451をフレーム401に対して回転自在に配設している。なお、軸押さえ456と突出部451dとはねじなどの固定手段によって固設されている。
【0161】
一方、前記サイドガード451に形成した透孔451b及び軸押さえ456に形成した透孔456aには位置決めピン457の軸部457aが内挿されており、この軸部457aの先端部に解除ボタン458が螺合固定されている。
【0162】
前記位置決めピン457の他端部には位置固定ピン部457bが設けられている。この位置固定ピン部457bは、フレーム401の内面側にネジ止めされるピンガイド459に形成した透孔459a内に配置されており、この透孔459a内に前記位置固定ピン部457bが配置されることによって、位置決めピン457及び解除ボタン458が回転することなく、この位置決めピン457が軸方向にのみ摺動するように規制されている。
【0163】
図33に示すように前記サイドガード451をフレーム401に固定する状態のとき、前記位置決めピン457の位置固定ピン部457bは、軸押さえ456に設けた細長な溝460にを嵌入している。前記位置決めピン457の位置固定ピン部457bは、前記ピンガイド459の間に配置されて前記位置固定ピン部457bの端面を押圧するばね451によってフレーム401内側面方向に付勢されているので、振動などの影響によって前記溝460から外れるのを防止して確実に固定している。
【0164】
図34に示すように前記サイドガード451をフレーム401に対して回転させるときは、まず、解除ボタン458をばねの付勢力に抗してフレーム401側へ押し込んでいく。すると、位置決めピン457が押されて位置固定ピン部457bが溝460から外れて、サイドガード451が回動自在な状態になる。この状態で、図35に示すように前記サイドガード451を回転させて収納状態位置にまで回転させる。このサイドガード451が180°回転して収納位置までくると、前記位置決めピン457の位置固定ピン部457bがばねの付勢力によって再び溝460に嵌入してサイドガード451が収納状態で固定される。
【0165】
このように、サイドガードを寝台の幅方向にはみ出さずに収納することができるため、スペースの少ないところでもサイドガードの収納を容易に行うことができる。その他の効果は前記図27ないし図29で示した実施形態と同様である。
【0166】
なお、上述のように構成したサイドガードの収納・設置機構を図36に示すように内視鏡検査用ベッドに設けるようにしてもよい。なお、同図に付した符号は、上述の実施形態と同様の部材には同符号を付して構成及び作用の説明は省略する。
【0167】
図に示すように前記サイドガード収納・設置機構を背もたれ部のリクライニング機構を有する内視鏡検査用ベッドの背もたれ部10と腰受け部20とに配設したものである。なお、図示は省略するが内視鏡検査用ベッドの脚受け部30にサイドガードを設けるようにしてもよい。
【0168】
このように、内視鏡検査用ベッドにサイドガード収納・設置機構を設けることによって、頻繁にリクライニングさせるとき、サイドガードを取り外すことなく収納するだけで、リクライニング操作が行えるので、介助者の手間が省けると共に、内視鏡検査用ベッドでの使い勝手が大幅に向上する。また、椅子状態のとき、腰受け部のサイドガードを収納しておくことにより、乗り降りがし易くなる。さらに、被検者の背中を支えるサイドガードだけを設置した状態で、腰受け部フレームのサイドガードを収納することにより、臀部を露出させて内視鏡姿勢をとれるので、被検者に転落する危険性なくして内視鏡検査をスムーズに行うことができる。さらに、サイドガードを寝台の幅方向にはみ出さずに収納することができるため、スペースの少ないところでもサイドガードの収納を容易に行うことができる。
【0169】
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0170】
[付記]
以上詳述したような本発明の前記実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0171】
(1)ベース部材と、このベース部材上に設置された寝台とで構成され、前記ベース部材に付属したキャスターによって移動可能な内視鏡検査用ベッドにおいて、
前記寝台を、少なくとも背もたれ部、腰受け部、脚受け部とで構成し、
前記背もたれ部と前記脚受け部とが、前記腰受け部に対して旋回し、且つ、任意の位置で保持固定可能である内視鏡検査用ベッド。
【0172】
(2)前記ベース部材に前記寝台を昇降させる昇降手段を設けた付記1記載の内視鏡検査用ベッド。
【0173】
(3)前記昇降手段を、リンク機構と油圧ポンプとで構成した付記2記載の内視鏡検査用ベッド。
【0174】
(4)前記油圧ポンプは、足踏み操作で内圧が変化する付記3記載の内視鏡検査用ベッド。
【0175】
(5)前記昇降手段の昇降操作を、寝台の左右両側から行える付記3記載の内視鏡検査用ベッド。
【0176】
(6)前記脚受け部は、前記背もたれ部の旋回動作に連動して旋回する付記1記載の内視鏡検査用ベッド。
【0177】
(7)前記脚受け部の先端部に、この脚受け部に対して回動する足受け部を設け、この足受け部が前記脚受け部の旋回動作に連動して回動する付記6記載の内視鏡検査用ベッド。
【0178】
(8)前記脚受け部の背もたれ部の旋回動作に連動する動作及び前記足受け部の脚受け部の旋回動作に連動する動作は、少なくとも1つ以上のリンク機構を介して行われる付記6または付記7記載の内視鏡検査用ベッド。
【0179】
(9)前記背もたれ部に、ガススプリングとガススプリングのロック解除手段とから成る旋回位置固定手段を設けた付記6または付記7記載の内視鏡検査用ベッド。
【0180】
(10)前記背もたれ部に旋回付勢手段を有する付記6または付記7または付記9記載の内視鏡検査用ベッド。
【0181】
(11)前記ガススプリングが前記背もたれ部の旋回付勢手段を兼ねる付記10記載の内視鏡検査用ベッド。
【0182】
(12)前記ガススプリングのロック解除手段は、ガススプリング先端部のロック解除ピンを押圧するレバー部材と、このレバー部材を駆動させる駆動手段とから成る付記10または付記11記載の内視鏡検査用ベッド。
【0183】
(13)前記駆動手段は、一端を前記レバー部材に固定し、他端をベッド本体に固定した、少なくとも1箇所以上ベッド本体から露出したワイヤ部材である付記12記載の内視鏡検査用ベッド。
【0184】
(14)前記ワイヤ部材の操作を、ベッドに設けた保持用バーで行えるようにした付記13記載の内視鏡検査用ベッド。
【0185】
(15)前記ワイヤ部材の操作を、ベッドの両側から行える付記14記載の内視鏡検査用ベッド。
【0186】
(16)前記脚受け部を腰受け部に対して単独で旋回させる旋回機構を有する付記6記載の内視鏡検査用ベッド。
【0187】
(17)前記旋回機構を、前記脚受け部と前記背もたれ部とを接続するステーに設けた伸縮機構である付記16記載の内視鏡検査用ベッド。
【0188】
(18)前記寝台が、指定した高さ以下のとき、前記腰受け部に対する脚受け部側位置が背もたれ部側位置より高くなる付記2または付記6記載の内視鏡検査用ベッド。
【0189】
(19)前記背もたれ部に頭部支持部を設け、この頭部支持部の高さを変更する高さ調節手段を設けた付記1記載の内視鏡検査用ベッド。
【0190】
(20)前記頭部支持部の角度を変更する角度変更手段を設けた付記19記載の内視鏡検査用ベッド。
【0191】
(21)前記背もたれ部を腰受け部の水平位置より下方へ旋回させる旋回手段を有する付記1または付記2または付記6記載の内視鏡検査用ベッド。
【0192】
(22)前記背もたれ部を旋回させるための力が取り除かれたとき、背もたれ部が自動的に旋回前の位置に復帰する付記21記載の内視鏡検査用ベッド。
【0193】
(23)ベース部材に対し進行方向を自在に変更することが可能なように回転が自由である複数キャスターを有し、前記キャスターの向きを変えるための回転方向を所望の方向に向ける進行方向変更手段を有する付記1記載の内視鏡検査用ベッド。
【0194】
(24)前記進行方向変更手段に電気モーターを使用した付記23記載の内視鏡検査用ベッド。
【0195】
(25)ベッド移動時の保持用部材を有し、この保持用部材を保持した状態で、前記進行方向変更手段の操作が可能な付記23記載の内視鏡検査用ベッド。
【0196】
(26)前記ベース部材に付属した複数のキャスターは、進行方向に対しての回転方向が自由であるキャスターであり、これらキャスターの少なくとも1つのキャスターの回転方向を固定する回転方向固定手段を有する付記1記載の内視鏡検査用ベッド。
【0197】
(27)前記複数のキャスターのうち、ベッド前方に位置するキャスターの回転方向を固定する操作を、ベッド後方より行える付記26記載の内視鏡検査用ベッド。
【0198】
(28)前記キャスターの回転方向を固定する操作を、ベッドの左右両側から行える付記26または付記27記載の内視鏡検査用ベッド。
【0199】
(29)ベッドの両サイドに被検者の落下を防止する落下防止柵を備える検査用ベッドにおいて、
前記落下防止柵を、ベッドの片側に対して少なくとも2つ以上設けた検査用ベッド。
【0200】
(30)前記落下防止柵は、それぞれ独立して設置及び収納が可能な付記29記載の検査用ベッド。
【0201】
(31)前記落下防止柵を、前記ベッドの幅方向に対して回転させて収納または設置が可能である付記30記載の検査用ベッド。
【0202】
(32)前記落下防止柵を、前記ベッドの長手方向に対して回転させて収納または設置が可能な付記30記載の検査用ベッド。
【0203】
(33)前記寝台を構成する少なくとも背もたれ部と腰受け部との両側面に、それぞれ1つ以上の落下防止柵を設けた付記1または付記2または付記6記載の内視鏡検査用ベッド。
【0204】
(34)前記背もたれ部、腰受け部に設けた落下防止柵は、それぞれ独立して設置及び収納が可能な付記33記載の内視鏡検査用ベッド。
【0205】
(35)前記背もたれ部、腰受け部に設けた落下防止柵を設置した状態で、前記背もたれ部の旋回が可能な付記34記載の内視鏡検査用ベッド。
【0206】
(36)前記背もたれ部、腰受け部に設けた落下防止柵を、前記ベッドの幅方向に対して回転させて収納または設置が可能な付記34記載の内視鏡検査用ベッド。
【0207】
(37)前記背もたれ部、腰受け部に設けた落下防止柵を、前記ベッドの長手方向に対して回転させて収納または設置が可能な付記34記載の内視鏡検査用ベッド。
【0208】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、被検者が内視鏡検査特有の姿勢を容易にとれて被検者に負担が少なく、且つ術者及び看護婦などに負担が少なく、効率良く内視鏡観察下の検査が行える効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図3は本発明の第1実施形態に係り、図1は内視鏡検査用ベッドの概略構成を示す説明図、
【図2】内視鏡検査用ベッドに設けた旋回位置固定手段及び昇降手段を説明する一部断面図、
【図3】内視鏡検査用ベッドのベッド状態及びいす状態等を説明する図、
【図4】本発明の第2実施形態に係る内視鏡検査用ベッドの他の構成を示す説明図、
【図5】本発明の第3実施形態に係る内視鏡検査用ベッドの別の構成を示す説明図、
【図6】図6及び図7は本発明の第4実施形態に係り、図6は頭部支持部を設けた内視鏡検査用ベッドの構成を示す説明図、
【図7】頭部支持部の概略構成を示す説明図、
【図8】マットレスの分割方法の他の実施形態の1例を示す図、
【図9】図9及び図10は前記第4実施形態の変形例に係り、図9は
頭部支持部を設けた内視鏡検査用ベッドの他の構成を示す説明図、
【図10】頭部支持部の概略構成を示す説明図、
【図11】図11は本発明の第5実施形態に係るトレンデレンブルグの行える
内視鏡検査用ベッドの構成を示す説明図、
【図12】図12及び図13は第5実施形態の変形例に係り、図12はトレン
デレンブルグの行える内視鏡検査用ベッドの他の構成を示す説明図、
【図13】ガススプリングの概略構成を示す説明図、
【図14】図14ないし図17は進行方向変更手段を有する内視鏡検査用ベッ
ドに係り、図14は内視鏡検査用ベッドの概略構成を示す説明図、
【図15】進行方向変更手段であるハンドルを示す説明図、
【図16】図15のF−F断面図、
【図17】図15のE−E断面図、
【図18】進行方向変更手段であるハンドルの一部別の構成を示す図、
【図19】図19ないし図21は別の進行方向変更手段を有する内視鏡検査用
ベッドに係り、図19は内視鏡検査用ベッドの概略構成を示す説明図、
【図20】進行方向変更機構を示す説明図、
【図21】ベベルギアボックス内部を示す説明図、
【図22】図22及び図23は直進性に優れた内視鏡検査用ベッドを説明する
ものであり、図22は内視鏡検査用ベッドの概略構成を示す説明図、
【図23】キャスター固定機構の構成を示す説明図、
【図24】キャスター固定機構の他の構成例の一例を示す説明図、
【図25】図25及び図26は市販の切り替え式キャスターを使用した内視鏡
検査用ベッドの構成を説明するものであり、図25は内視鏡検査用ベッドの概略
構成を示す説明図、
【図26】キャスター固定機構を示す説明図、
【図27】図27ないし図29はサイドガード及びサイドガード収納・設置機
能を有する検査用ベッドの概略構成を示すものであり、図27は検査用ベッドの概略構成を示す説明図、
【図28】サイドガード設置状態を示す図、
【図29】サイドガイド回転移動状態を示す図、
【図30】サイドガード収納・設置機能を有する内視鏡検査用ベッドの概略構成を示す図、
【図31】図31ないし図35はサイドガード及び別の構成のサイドガード収納・設置機能を有する検査用ベッドの概略構成を示すものであり、図31は検査用ベッドの概略構成を示す説明図、
【図32】設置状態の図31のB−B断面、
【図33】図32のC−C断面図、
【図34】回転状態の図31のB−B断面、
【図35】図34のD−D断面図、
【図36】別の構成のサイドガード収納・設置機能を有する内視鏡検査用ベッドの概略構成を示す図、
【符号の説明】
1…内視鏡検査用ベッド
2…ベースフレーム
3…寝台
6…昇降手段
10…背もたれ部
20…腰受け部
30…脚受け部
40…ガススプリング
Claims (1)
- ベース部材と、このベース部材上に設置された寝台とを有し、前記ベース部材に付属したキャスターによって移動可能な内視鏡検査用ベッドにおいて、
前記ベース部材の上部に、当該ベース部材に対して前記寝台を昇降させる昇降手段を介して配設された腰受け部と、
前記腰受け部の一端部に配設された回動軸に軸支され、前記腰受け部に対して上方となる位置から略同一面となる位置までは当該腰受け部に対して相対的に回動可能に、当該腰受け部に対して略同一面となる位置から下方となる位置に向けては当該腰受け部と一体的に回動可能に配設された背もたれ部と、
前記背もたれ部の一端部に配設され、前記背もたれ部に対して、当該背もたれ部を少なくとも下方に向けて回動させる回動力を印加させるための操作レバーと、
前記操作レバーの操作により、前記背もたれ部と前記腰受け部とが略同一面となる位置より下方に向けて一体的に回動された際、前記腰受け部を前記ベース部材に対して水平となる位置に戻すよう付勢する付勢部材と、
を具備したことを特徴とする内視鏡検査用ベッド。
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