JP3734970B2 - 画像読み書き一体ヘッド、およびこれを備えた画像処理装置 - Google Patents
画像読み書き一体ヘッド、およびこれを備えた画像処理装置 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【技術分野】
本願発明は、画像の読み取り機能とプリント機能とを併せもつ画像読み書き一体ヘッド、およびこれを備えた画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像処理装置のうち、たとえばファクシミリ装置では、画像の読み取り機能とプリント機能とを併せもつ必要がある。また、画像処理装置の多くは、装置全体の小型化が要請される。そこで、従来では、図9に示すような画像読み書き一体ヘッドHがある。この従来の画像読み書き一体ヘッドHは、透明カバー19eを上面部に装着したケース1eと、このケース1eの底部に取付けられた基板4eとを具備している。上記基板4eの表裏両面40,41には、複数の受光素子2eと印字用の複数の発熱素子8eとがこの基板4eの長手方向に延びた列状に配されて実装されている。上記ケース1eの内部には、光源3eと結像用レンズ5eとが組み込まれており、上記光源3eから発せられた光が上記透明カバー19eの表面の画像読み取り対象領域Seに照射されるとともに、その領域Seから反射してきた光は上記結像用レンズ5eを介して上記複数の受光素子2eに導かれるように構成されている。
【0003】
上記画像読み書き一体ヘッドHでは、画像読み取り対象領域Seに配置される原稿Dの画像を複数の受光素子2eを利用して読み取ることができる。一方、上記複数の発熱素子8eを利用してたとえば感熱タイプの記録紙Kに所望の画像データを印字出力することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の画像読み書き一体ヘッドHでは、次のような不具合があった。
【0005】
すなわち、従来では、複数の受光素子2eが基板4eの表面40に実装されているのに対し、複数の発熱素子8eは基板4eの裏面41に実装されている。このため、基板4eへの部品実装作業においては、基板4eの表面40に受光素子2eを実装した後に発熱素子8eや駆動IC80eの実装作業を行うときに、基板4eの表裏を反転させる必要がある。また、基板4eには、画像の読み取り系と印字出力系の2種類の配線パターンを予め形成しておく必要があり、これら2種類の配線パターンを基板4eの表裏両面にそれぞれ別個に形成する作業も煩雑となる。したがって、従来の画像読み書き一体ヘッドHの生産性は悪いものとなっていた。
【0006】
さらに、従来では、上記画像読み書き一体ヘッドHを用いて画像処理装置を実際に製作する場合には、原稿用プラテンローラP1 については画像読み書き一体ヘッドHの上方に配置する必要があるのに対し、記録紙用プラテンローラP2 については画像読み書き一体ヘッドHの下方に配置する必要がある。このため、上記2つのプラテンローラP1 ,P2 と画像読み書き一体ヘッドHとを組み合わせた機構全体がその高さ方向に大きく嵩張ったものとなり、その小型化の面においても改善すべき余地があった。
【0007】
一方、画像読み書き一体ヘッドは、実際の使用に際しては、既述したとおり原稿用プラテンローラや記録紙用プラテンローラと組み合わされる。したがって、画像読み書き一体ヘッドとしては、原稿用プラテンローラや記録紙用プラテンローラとの関係において、それらの相対的な位置合わせや取付けなどが容易に行える構造とすることが要請される。
【0008】
本願発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、画像読み書き一体ヘッドの生産性を高め、しかも画像読み書き一体ヘッドをプラテンローラと組み合わせて画像処理装置を構成する場合には、それらの部品の取付けなどが容易に行えるとともにそれら全体の小型化をも図ることができるようにすることをその課題としている。
【0009】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
すなわち、本願発明の第1の側面によれば、画像読み書き一体ヘッドが提供さる。この画像読み書き一体ヘッドは、複数の受光素子および複数の印字用素子をそれぞれ列状に並べて同一片面上に搭載した基板と、上記複数の印字用素子の搭載領域を避けるようにして上記基板に組み付けられており、かつ上記複数の受光素子による画像読み取り対象領域が設定される透明カバーを上記基板の上記片面側に配置させて装着しているケースと、上記ケース、上記基板、およびこれらに組み付けられた部材のいずれかに一体または別体に設けられ、かつ上記複数の印字用素子または上記透明カバーに対向配置されるプラテンローラを支持可能に形成されたプラテンローラ用支持手段と、を具備していることに特徴づけられる。
【0011】
本願発明によって提供される画像読み書き一体ヘッドでは、ケースが複数の印字用素子を避けた位置に設けられているために、それら複数の印字用素子に対向する箇所に記録紙を適切に移送することが可能であり、これにより記録紙への画像データの印字出力処理を行うことができる。また、透明カバーの表面に原稿を移送すれば、この原稿の画像を複数の受光素子を利用して読み取ることもできる。そして、本願発明では、次のような格別な効果が得られる。
【0012】
第1に、本願発明では、複数の受光素子と複数の印字用素子とを基板の同一片面上に搭載しているために、それら受光素子や印字用素子の搭載作業は、従来とは異なり、基板の表裏を反転させることなく行える。また、受光素子や印字用素子に関連する配線パターンも基板の同一面に対して形成すればよいため、それらの配線パターンを同時に形成することも可能となる。したがって、画像読み書き一体ヘッドの生産性を従来よりも高めることができる。
【0013】
第2に、本願発明では、複数の印字用素子が搭載されている基板の片面と同一面側に透明カバーを配置した構造であるために、複数の印字用素子に対向する記録紙用プラテンローラと透明カバーに対向する原稿用プラテンローラについても、基板の同一片面側に配置されることとなる。したがって、本願発明では、画像読み書き一体ヘッドを挟むようにしてその両側に2つのプラテンローラを配置する必要があった従来のものと比較すると、それら全体のサイズが大きく嵩張らないようにでき、画像読み書き一体ヘッドを用いて構成される画像処理装置の小型化または薄型化が図れる。
【0014】
第3に、本願発明では、画像読み書き一体ヘッドにプラテンローラ用支持手段を具備させた構成であるために、画像読み書き一体ヘッドに対して一定の関係になるようにプラテンローラを取付ける場合にはこのプラテンローラ用支持手段を利用してプラテンローラの取付け、あるいは位置決めを図ることができる。したがって、プラテンローラを支持するための手段を別途設ける必要を無くしたり、あるいはその構造を簡易なものにすることができ、画像処理装置全体の構造を簡素にできる。また、画像処理装置を製作する際の部品の組み付け作業性も良好なものにできる。
【0015】
本願発明の好ましい実施の形態では、上記プラテンローラ用支持手段は、上記ケースと一体的に樹脂成形されている。
【0016】
このような構成によれば、プラテンローラ用支持手段をケースと同時に樹脂成形できるために、その製造が容易となる。また、全体の部品点数の増加も招かないため、画像読み書き一体ヘッドの組立作業性も良好なものにできる。
【0017】
本願発明の他の好ましい実施の形態では、上記印字用素子は、発熱素子であるとともに、上記基板には放熱板が接触するようにして組み付けられており、かつこの放熱板の一部によって上記プラテンローラ用支持手段が形成されている。
【0018】
このような構成によれば、発熱素子から発せられた熱を放熱板を介して外部に逃がすことができるために、発熱素子の過熱を防止してその温度を安定させることができ、プリント画像の質を高めることができる。上記構成では、このような放熱板を利用してプラテンローラ用支持手段を形成しているために、プラテンローラ用支持手段を形成するための専用の部品を用いる必要がなく、部品点数の増加を抑制できる。
【0019】
本願発明の第2の側面によれば、画像処理装置が提供される。この画像処理装置は、本願発明の第1の側面によって提供される画像読み書き一体ヘッドを具備していることに特徴づけられる。
【0020】
本願発明の第2の側面によれば、本願発明の第1の側面によって得られるのと同様な効果が期待できる。
【0021】
本願発明の好ましい実施の形態では、上記透明カバーに対向する原稿用プラテンローラと、上記複数の印字用素子に対向する記録紙用プラテンローラと、を具備しているとともに、上記プラテンローラ用支持手段は、上記画像読み書き一体ヘッドが上記記録紙用プラテンローラの軸部周りに回動できるように上記記録紙用プラテンローラの軸部と嵌合しており、かつ上記画像読み書き一体ヘッドは、上記透明カバーが上記原稿用プラテンローラに押しつけられる回転方向に弾性部材によって付勢されている。
【0022】
このような構成によれば、記録紙用プラテンローラについては、画像読み書き一体ヘッドに設けられているプラテンローラ用支持手段に支持されることによって、画像読み書き一体ヘッドとの相対的な位置決めが図れることとなり、複数の印字用素子や記録紙に対する記録紙用プラテンローラの押圧力などを所望の状態に適切に設定することができる。また、原稿用プラテンローラについては、透明カバーをこの原稿用プラテンローラに押しつけるように画像読み書き一体ヘッドを一定方向に付勢する弾性部材の弾発力や位置などを調整することにより、透明カバーや原稿に対する押圧力などを所望の状態に適切に設定することが可能となる。
【0023】
本願発明のその他の特徴および利点は、以下に行う発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0025】
図1は、本願発明に係る画像読み書き一体ヘッドの一例を示す斜視図である。図2は、図1に示す画像読み書き一体ヘッドの分解斜視図である。図3は、図1のIII −III 断面図である。図4は、図1のIV−IV要部断面図である。図5は、図4のV−V断面図である。
【0026】
図2および図3によく表れているように、本実施形態の画像読み書き一体ヘッドAは、ケース1、透明カバー19、レンズアレイ5、光反射防止部材6、基板4、放熱板7、およびその他の後述する各部品類を具備して構成されている。
【0027】
上記基板4は、たとえばセラミック製であり、平面視長矩形状のプレート状である。この基板4の表面4a(片面)には、複数の光源30、複数の受光素子3、複数の駆動IC80、および複数の発熱素子8が搭載されている。
【0028】
上記複数の光源30は、たとえばLEDチップを用いて構成されており、上記基板4の長手方向に適当な間隔を隔てて列状に実装されている。上記複数の受光素子3は、光電変換機能を備えた素子であり、上記複数の光源30の列と略平行な列状に実装されている。上記複数の発熱素子8は、本願発明でいう印字用素子の一例に相当するものであり、その製造は、たとえば酸化ルテニウムなどを導体成分とする厚膜抵抗ペーストを印刷・焼成することによって上記基板4の長手方向に一連に延びる線状の発熱抵抗体を形成するとともに、この発熱抵抗体をその長手方向に沿って一定間隔で電気的に分断する配線パターンを形成することによってなされている。上記複数の駆動IC80は、上記複数の発熱素子8の発熱駆動を制御するためのものであり、上記複数の光源30と同様に、上記基板4の長手方向に適当な間隔を隔てて列状に実装されている。
【0029】
上記発熱素子8の列は、上記基板4の長手方向に延びる一側縁部4cまたはその近傍に配置されているのに対し、駆動IC80、受光素子3、および光源30のそれぞれの列は、上記発熱素子8の列よりも上記基板4の他側縁部4d寄りの部分に配置されている。上記基板4の表面4aには、この表面4a上に搭載された上記各部品類に関連する配線パターン(図示略)が形成されている。上記基板4の適所には上記配線パターンのそれぞれと導通した1または複数のコネクタ(図示略)が設けられており、このコネクタに配線接続を行うことによって外部機器から上記各部品類への電力供給や各種の信号の入出力が行えるようになっている。
【0030】
上記放熱板7は、上記基板4と略同様な形状およびサイズのプレート状に形成されたものであり、上記基板4の裏面4bにたとえば両面接着テープや接着剤を介して接着されている。この放熱板7は、複数の発熱素子8から発する熱を外部に逃がすためのものであり、熱伝導率の高い金属製である。
【0031】
上記ケース1は、合成樹脂製であり、このケース1の長手方向両端部には、記録紙用プラテンローラP2 を支持するための一対の支持部2,2が一体的に形成されている。これらの支持部2,2は、ケース1の外側面1aからその側方に突出した形態を有しており、それらの各上部には記録紙用プラテンローラP2 の軸部90bを嵌入させるための半円弧状部を有する上部開口状の凹部20が形成されている。
【0032】
上記ケース1は、上記複数の発熱素子8の搭載箇所およびその近傍部分を避け、かつ基板4の表面4aのそれ以外の部分を覆うように、上記基板4およ放熱板7に組み付けられている。基板4の複数の発熱素子8が搭載されている領域およびその近傍領域は、上記ケース1の一側方にはみ出しており、平面視において上記複数の発熱素子8の列の延長線上に支持部2,2の凹部20,20が丁度位置するように設定されている。上記支持部2,2の互いに対向する内向面の下部には支持用凸部21,21が設けられており、これらの支持用凸部21,21に放熱板7の長手方向両端部が載置されている。これにより、ケース1、基板4、および放熱板7の三者を互いに安定させて組み付けることが可能となる。
【0033】
上記透明カバー19は、読み取り対象となる原稿Dをガイドするためのものであり、この透明カバー19の表面に画像読み取り対象領域Sが設定される。この透明カバー19は、たとえば透明度の高いガラス製または合成樹脂製のプレートであり、上記ケース1の上面部の凹部13に嵌め込まれて装着され、基板4の表面4a側に位置している。ただし、上記ケース1の上面部および上記凹部13は傾斜しており、これに伴って上記透明カバー19も傾斜している。より具体的には、上記透明カバー19は、基板4の一側縁部4cから遠ざかるほどその高さが低くなるように傾斜している。また、上記ケース1の幅方向の両外側面1a,1bのうち、発熱素子8に近い側の外側面1aは、その上部側ほど上記基板4の一側縁部4cから遠ざかるように傾斜している。
【0034】
上記レンズアレイ5は、長細な合成樹脂製のレンズホルダ50に複数のロッドレンズ51を列状に保持させたものである。結像用レンズとしてロッドレンズ51を用いれば、原稿Dの画像を各受光素子3上に正立等倍に結像させることが可能であるが、むろんこれ以外のレンズを用いてもかまわない。上記レンズアレイ5は、上記透明カバー19の下方においてこの透明カバー19に対向して設けられた凹溝12に嵌入している。上記透明カバー19の表面のうち、上記レンズアレイ5と対向するライン状の領域が画像読み取り対象領域Sである。
【0035】
上記ケース1の内部には、上記光源30から発せられた光を導くための第1の光路14aと第2の光路14bとが設けられている。第1の光路14aは、ケース1の上下厚み方向に貫通して形成されており、複数の光源30から発せられた光を上記画像読み取り対象領域Sに導く光路である。第2の光路14bは、上記凹溝12を含んで形成されており、上記画像読み取り対象領域Sに位置する原稿表面によって反射された光をレンズアレイ5を介して複数の受光素子3上に導く光路である。上記ケース1は、その全体が光の反射率が高い白色の樹脂製とされている。したがって、複数の光源30から発せられた光については、第1の光路14aの白色の壁面によって高い反射率で反射させながら画像読み取り対象領域Sに導くことができ、画像読み取り対象領域Sへの光の照射効率を高くすることが可能である。
【0036】
上記光反射防止部材6は、たとえば黒色顔料やガラス粉末を含むポリカーボネートあるいはABS樹脂などの合成樹脂製であり、各所の表面は光の吸収率が高い黒色とされている。この光反射防止部材6は、複数の受光素子3および複数の駆動IC80の周囲を一纏めにして囲むように、ケース1の底部に設けられた凹部11内に配されている。より具体的には、この光反射防止部材6は、複数の受光素子3および複数の駆動IC80の上方に位置する上壁部60、この上壁部60の幅方向両側端縁から下方に突出した2つの側壁部61a,61b、および図2によく表れているように、上記上壁部60の長手方向両端から下向きに突出した2つの側壁部61c,61dを有している。上記4つの側壁部61a〜61dは、複数の受光素子3および複数の駆動IC80の四方を囲むとともに、それらの先端部はいずれも基板4の表面4aに接触し、それらの間に外部の光の進入路となる隙間が極力生じないように構成されている。上記基板4の表面4aのうち、少なくとも上記4つの側壁部61a〜61dの各先端部と接触する部分は、光の吸収率が高い黒色とされている。このようにすれば、上記基板4の表面4aと上記側壁部61a〜61dの先端部との間に仮に隙間が生じても、この隙間に進入してきた外部からの光の多くを上記黒色部分によって吸収することができ、光反射防止部材6によって囲まれた領域内に外部の光が多量に進入しないようにできる。上記上壁部60には、第2の光路14bを塞がないようにするためのスリット63が設けられている。
【0037】
図4によく表れているように、上記光反射防止部材6は、その上壁部60に設けられた複数の突起部64を上記ケース1に設けられている複数の凹部15に嵌入させることによって上記ケース1に取付けられている。また、上記光反射防止部材6の幅方向の一側縁部には、先端に溝部65aを有する複数のクランプ用突起65が突設されている。図5によく表れているように、上記各クランプ用突起65は、第1の光路14aに設けられているケース1のリブ16をその厚み方向両側から適当な弾発力をもってクランプするものである。上記光反射防止部材6は、上記複数のクランプ用突起65によってもケース1への取付けが図られていおり、上記ケース1に相対してその長手方向や幅方向に位置ずれしないようになっている。上記リブ16は、ケース1の剛性を確保するなどの観点から第1の光路14aの長手方向に適当な間隔で複数設けられたものである。
【0038】
図6は、上記画像読み書き一体ヘッドAを具備して構成された画像処理装置Bの概略構成の一例を示す説明図である。
【0039】
この画像処理装置Bは、合成樹脂製の筐体9内に、上記画像読み書き一体ヘッドA、原稿Dを移送するための駆動回転自在な原稿用プラテンローラP1 、および巻取ロールRから繰り出される記録紙Kを移送するための駆動回転自在な記録紙用プラテンローラP2 を組み込んで構成されている。上記原稿用プラテンローラP1 は、その長手方向両端の軸部90aがブラケット片91aによって支持されており、そのローラ本体部分は上記透明カバー19の画像読み取り対象領域Sに対向する箇所に固定配置され、または固定配置可能となっている。上記記録紙用プラテンローラP2 は、その長手方向両端の軸部90bが画像読み書き一体ヘッドAの支持部2,2の各凹部20に嵌入しており、そのローラ本体部分は上記複数の発熱素子8に対向している。ただし、上記記録紙用プラテンローラP2 は、ブラケット片91bによっても支持されており、筐体9内の所定位置に固定配置され、または固定配置可能となっている。
【0040】
上記画像読み書き一体ヘッドAは、上記記録紙用プラテンローラP2 の軸部90bを中心として矢印Naに示す上下方向に回動可能に設けられている。すなわち、上記記録紙用プラテンローラP2 は、ブラケット91bによって定位置に保持されている一方、画像読み書き一体ヘッドAはその支持部2,2の各凹部20が上記記録紙用プラテンローラP2 の軸部90bに対してその周方向に摺動できるように嵌合しているため、上記画像読み書き一体ヘッドAを上記軸部90bを中心として回動可能とすることができるのである。上記画像読み書き一体ヘッドAの放熱板7の下方には、この放熱板7の裏面に当接して上記画像読み書き一体ヘッドAを押圧するための弾性部材の一例としてのバネ92が設けられている。このバネ92は、基板4や放熱板7の幅方向において、上記軸部90の中心Oから適当な距離Lだけ受光素子3側に偏った位置に配されており、このバネ92の押圧力Fによって上記画像読み書き一体ヘッドAは、透明カバー19の表面が原稿用プラテンローラP1 に押しつけられる回転方向(矢印Nb方向)に付勢されている。
【0041】
次に、上記画像読み書き一体ヘッドA、および上記画像処理装置Bの作用について説明する。
【0042】
まず、上記画像処理装置Bでは、画像読み書き一体ヘッドAが画像の読み取り機能とプリント機能とを併せもつために、原稿Dの画像読み取りと記録紙Kへの画像の印字出力とを個別に、または同時に行うことができる。原稿用プラテンローラP1 および記録紙用プラテンローラP2 は、いずれも上記画像読み書き一体ヘッドAの同一片面側、すなわち上方側に配置すればよい。したがって、これら2つのプラテンローラP1 ,P2 と画像読み書き一体ヘッドAとの三者が画像処理装置Bの高さ方向に大きく嵩張らないようにでき、画像処理装置Bの薄型化が図れる。記録紙用プラテンローラP2 に対向するケース1の外側面1aは傾斜しているために、上記ケース1からはみ出した基板4の一側縁部4cの上方に記録紙用プラテンローラP2 を配置するための比較的大きな空間スペースを確保できる。したがって、上記ケース1から基板4の一側縁部4cをさほど大きくはみ出させることなく、記録紙用プラテンローラP2 をケース1に接近させて配置することも可能となり、全体の小型化を図る上で、一層好ましいものとなる。
【0043】
上記画像読み書き一体ヘッドA、原稿用プラテンローラP1 、および記録紙用プラテンローラP2 の三者は、これらが所定の正確な位置関係となるように筐体9内に組み込む必要がある。これに対し、上記記録紙用プラテンローラP2 と画像読み書き一体ヘッドAとの関係については、画像読み書き一体ヘッドAの支持部2,2の各凹部20と記録紙用プラテンローラP2 の軸部90bとを嵌合させることによってそれらの位置決めを図ることができる。したがって、その分だけ筐体9内に上記画像読み書き一体ヘッドAと記録紙用プラテンローラP2 とを位置合わせして組み込む作業が容易化される。一方、原稿用プラテンローラP1 については、バネ92の押圧力Fによって透明カバー19が常時原稿用プラテンローラP1 に押しつけられる方向に付勢されているために、やはり原稿Dを透明カバー19の表面に密接させるようにしてスムーズに移送することができる。一般的には、記録紙の厚みは略一定であるものの、原稿としては種々の厚みのものが用いられる。これに対し、この画像処理装置Bでは、画像読み書き一体ヘッドAが上記軸部90bを中心として回動することにより、原稿用プラテンローラP1 と透明カバー19との間の距離を原稿Dの厚みに応じて変化させることもできるために、原稿Dの紙詰まりも生じ難いものにできる。
【0044】
一方、上記画像読み書き一体ヘッドAは、複数の光源30、複数の受光素子3、複数の駆動IC80、および複数の発熱素子8のいずれにもついても基板4の表面4aに実装しており、またそれらに関連する配線パターンも上記表面4aに形成している。したがって、上記各部品の実装作業や配線パターンの作製作業に際しては、上記基板4を表裏反転させるような必要はなく、その生産性を高めることができる。ケース1を基板4や放熱板7に組付けるときには、それ以前の段階においてケース1に光反射防止部材6を予め取付けておくが、この光反射防止部材6は複数の受光素子3と複数の駆動IC80とを一纏めに囲むように配置されるものであり、たとえば複数の受光素子3と複数の駆動IC80との間を仕切るように複数の受光素子3のみを覆うものではない。したがって、上記光反射防止部材6が上記複数の受光素子3や駆動IC80に不当に接触する虞れも少なくできる。
【0045】
上記画像処理装置Bでは、原稿Dの読み取り動作と記録紙Kへの画像のプリント動作とが同時になされる場合がある。これに対して、ケース1の外側面1aはその上部ほど記録紙用プラテンローラP2 から遠ざかるように傾斜しているために、透明カバー19を記録紙用プラテンローラP2 から遠ざけた位置に配置することが可能な構造となっている。さらに、上記透明カバー19はその表面が記録紙用プラテンローラP2 とは反対側を向くように傾斜している。したがって、上記透明カバー19に対向する原稿用プラテンローラP1 については、記録紙用プラテンローラP2 からできるだけ遠ざかるように配置することが可能となる。その結果、原稿用プラテンローラP1 による原稿移送部分と記録紙用プラテンローラP2 による記録紙移送部分との間の距離を大きくとって、それら原稿と記録紙とが互いに干渉し難いものとすることができ、画像の読み取り動作とプリント動作とを円滑に行わせることができる。
【0046】
上記画像読み書き一体ヘッドAでは、複数の受光素子3の周囲が光の吸収率が高い黒色の光反射防止部材6によって囲まれているために、原稿Dからレンズアレイ5を通過して複数の受光素子3に向けて進行してきた光が、それら複数の受光素子3の周囲において散乱反射しないようにできる。また、上記光反射防止部材6は、ケース1の外部の光が複数の受光素子3の搭載箇所に進入したり、あるいは光源30から発せられた光がそのまま複数の受光素子3に向けて進行することを阻止する役割も果たす。したがって、複数の受光素子3が外乱光や散乱光を受光しないようにでき、ノイズの少ない画質の高い読み取り画像を得ることが可能となる。
【0047】
図7は、本願発明に係る画像読み書き一体ヘッドの他の例を示す斜視図である。図7以降の図においては、先の実施形態と同一部分は同一符号で示し、その説明は省略する。
【0048】
図7に示す画像読み書き一体ヘッドAaは、記録紙用プラテンローラP2 を支持するための支持部2A,2Aが放熱板7Aを利用して設けられた構造である。より具体的には、上記支持部2A,2Aは、基板4の裏面側に重ねられた板金製の放熱板7Aの長手方向両端部が基板4の長手方向両端部の側方において上向きに屈曲されることによって形成された起立部分であり、上記放熱板7Aと一体的に形成されている。この支持部2A,2Aは、先の実施形態の支持部2,2と同様に、記録紙用プラテンローラP2 の軸部を嵌入可能な半円弧状部を有する凹部20,20を有している。
【0049】
この画像読み書き一体ヘッドAaでは、やはり先の実施形態の画像読み書き一体ヘッドAと同様に、支持部2A,2Aを利用して記録紙用プラテンローラP2 の支持が行え、記録紙用プラテンローラP2 と複数の発熱素子8との位置合わせを正確に、しかも簡単に行うことができる。もちろん、記録紙用プラテンローラP2 を別の支持手段を利用して固定させた場合には、記録紙用プラテンローラP2 の軸部90bを中心として画像読み書き一体ヘッドAa全体を回動可能として、透明カバー19を原稿用プラテンローラP1 に押しつけるように弾性部材を利用して付勢することもできる。
【0050】
なお、上記画像読み書き一体ヘッドAaでは、放熱板7Aの長手方向両端部に、ケース1Aの長手方向両端部に設けられた凹部18,18に先端部が係入可能な掛止用突起74,74を一体的に形成している。このようにすれば、放熱板7Aや基板4に対するケース1の組み付けを容易にできる。これらの各部品の組み付けを容易にする手段としては、たとえば図8示すように、ケース1に放熱板7Aの裏面側に掛止する掛止用突起74aを一体的に設けるといった手段を採用することもできる。
【0051】
上述の実施形態から明らかなように、本願発明では、プラテンローラ用支持手段は、ケースのみならず、放熱板に設けられてもよく、さらには画像読み書き一体ヘッドを構成する基板やそれ以外の部材に設けられていてもよい。また、プラテンローラ用支持手段は、ケースや放熱板などの所定の部材と必ずしも一体的に形成されている必要もなく、別体に形成されていてもかまわない。
【0052】
さらに、プラテンローラ用支持手段は、記録紙用プラテンローラに代えて、原稿用プラテンローラを支持するものであってもよい。したがって、本願発明の画像読み書き一体ヘッドは、記録紙用プラテンローラと原稿用プラテンローラとの双方を支持する2種類のプラテンローラ用支持手段を備えたものとして構成することもできる。
【0053】
プラテンローラ用支持手段にプラテンローラを支持させる態様としては、種々の態様が考えられるが、本願発明はその具体的な態様もとくに限定されない。たとえば、図6で示した構造では、ブラケット91bによって固定保持された記録紙用プラテンローラP2 を支持部2,2によってさらに支持させるようにしており、上記支持部2,2にいわば記録紙用プラテンローラP2 の位置決め用のストッパ的な役割および画像読み書き一体ヘッドの回転支点を構成するための部材としての役割をもたせている。しかしながら、本願発明では、上記ブラケット91bを用いることなく、支持部2,2のみによって記録紙用プラテンローラP2 の全体を支持することが可能であり、そのような支持構造にしてもかまわない。したがって、本願発明では、プラテンローラ用支持手段の具体的な形状なども上述の実施形態に限定されず、たとえば半円弧状部を有する凹部に代えて、他の形状の凹部を有するもの、あるいはプラテンローラの軸部を挿通支持可能な非切欠状の孔部を有するものとして形成されていてもかまわない。
【0054】
その他、本願発明に係る画像読み書き一体ヘッドや画像処理装置の具体的な構成は、上記実施形態に限定されず、種々に設計変更自在である。たとえば、上記実施形態では、光源30を基板4の表面4aに搭載しているが、本願発明では、これに代えて、たとえば図9で示した従来のものと同様に、光源を受光素子などを搭載した基板に搭載させることなく、ケース内に組み込むようにしてもかまわない。また、光源としては、LED以外の光源を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る画像読み書き一体ヘッドの一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す画像読み書き一体ヘッドの分解斜視図である。
【図3】図1のIII −III 断面図である。
【図4】図1のIV−IV要部断面図である。
【図5】図4のV−V断面図である。
【図6】図1に示す画像読み書き一体ヘッドを具備して構成された画像処理装置の概略構成の一例を示す説明図である。
【図7】本願発明に係る画像読み書き一体ヘッドの他の例を示す斜視図である。
【図8】本願発明に係る画像読み書き一体ヘッドの他の例を示す要部斜視図である。
【図9】従来の画像読み書き一体ヘッドの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1,1A, ケース
2,2A 支持部(プラテンローラ用支持手段)
3 受光素子
4 基板
4a 表面(基板の)
7 放熱板
8 発熱素子(印字用素子)
30 光源
92 バネ(弾性部材)
A 画像読み書き一体ヘッド
B 画像処理装置
D 原稿
K 記録紙
S 画像読み取り対象領域
P1 原稿用プラテンローラ
P2 記録紙用プラテンローラ
【技術分野】
本願発明は、画像の読み取り機能とプリント機能とを併せもつ画像読み書き一体ヘッド、およびこれを備えた画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像処理装置のうち、たとえばファクシミリ装置では、画像の読み取り機能とプリント機能とを併せもつ必要がある。また、画像処理装置の多くは、装置全体の小型化が要請される。そこで、従来では、図9に示すような画像読み書き一体ヘッドHがある。この従来の画像読み書き一体ヘッドHは、透明カバー19eを上面部に装着したケース1eと、このケース1eの底部に取付けられた基板4eとを具備している。上記基板4eの表裏両面40,41には、複数の受光素子2eと印字用の複数の発熱素子8eとがこの基板4eの長手方向に延びた列状に配されて実装されている。上記ケース1eの内部には、光源3eと結像用レンズ5eとが組み込まれており、上記光源3eから発せられた光が上記透明カバー19eの表面の画像読み取り対象領域Seに照射されるとともに、その領域Seから反射してきた光は上記結像用レンズ5eを介して上記複数の受光素子2eに導かれるように構成されている。
【0003】
上記画像読み書き一体ヘッドHでは、画像読み取り対象領域Seに配置される原稿Dの画像を複数の受光素子2eを利用して読み取ることができる。一方、上記複数の発熱素子8eを利用してたとえば感熱タイプの記録紙Kに所望の画像データを印字出力することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の画像読み書き一体ヘッドHでは、次のような不具合があった。
【0005】
すなわち、従来では、複数の受光素子2eが基板4eの表面40に実装されているのに対し、複数の発熱素子8eは基板4eの裏面41に実装されている。このため、基板4eへの部品実装作業においては、基板4eの表面40に受光素子2eを実装した後に発熱素子8eや駆動IC80eの実装作業を行うときに、基板4eの表裏を反転させる必要がある。また、基板4eには、画像の読み取り系と印字出力系の2種類の配線パターンを予め形成しておく必要があり、これら2種類の配線パターンを基板4eの表裏両面にそれぞれ別個に形成する作業も煩雑となる。したがって、従来の画像読み書き一体ヘッドHの生産性は悪いものとなっていた。
【0006】
さらに、従来では、上記画像読み書き一体ヘッドHを用いて画像処理装置を実際に製作する場合には、原稿用プラテンローラP1 については画像読み書き一体ヘッドHの上方に配置する必要があるのに対し、記録紙用プラテンローラP2 については画像読み書き一体ヘッドHの下方に配置する必要がある。このため、上記2つのプラテンローラP1 ,P2 と画像読み書き一体ヘッドHとを組み合わせた機構全体がその高さ方向に大きく嵩張ったものとなり、その小型化の面においても改善すべき余地があった。
【0007】
一方、画像読み書き一体ヘッドは、実際の使用に際しては、既述したとおり原稿用プラテンローラや記録紙用プラテンローラと組み合わされる。したがって、画像読み書き一体ヘッドとしては、原稿用プラテンローラや記録紙用プラテンローラとの関係において、それらの相対的な位置合わせや取付けなどが容易に行える構造とすることが要請される。
【0008】
本願発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、画像読み書き一体ヘッドの生産性を高め、しかも画像読み書き一体ヘッドをプラテンローラと組み合わせて画像処理装置を構成する場合には、それらの部品の取付けなどが容易に行えるとともにそれら全体の小型化をも図ることができるようにすることをその課題としている。
【0009】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
すなわち、本願発明の第1の側面によれば、画像読み書き一体ヘッドが提供さる。この画像読み書き一体ヘッドは、複数の受光素子および複数の印字用素子をそれぞれ列状に並べて同一片面上に搭載した基板と、上記複数の印字用素子の搭載領域を避けるようにして上記基板に組み付けられており、かつ上記複数の受光素子による画像読み取り対象領域が設定される透明カバーを上記基板の上記片面側に配置させて装着しているケースと、上記ケース、上記基板、およびこれらに組み付けられた部材のいずれかに一体または別体に設けられ、かつ上記複数の印字用素子または上記透明カバーに対向配置されるプラテンローラを支持可能に形成されたプラテンローラ用支持手段と、を具備していることに特徴づけられる。
【0011】
本願発明によって提供される画像読み書き一体ヘッドでは、ケースが複数の印字用素子を避けた位置に設けられているために、それら複数の印字用素子に対向する箇所に記録紙を適切に移送することが可能であり、これにより記録紙への画像データの印字出力処理を行うことができる。また、透明カバーの表面に原稿を移送すれば、この原稿の画像を複数の受光素子を利用して読み取ることもできる。そして、本願発明では、次のような格別な効果が得られる。
【0012】
第1に、本願発明では、複数の受光素子と複数の印字用素子とを基板の同一片面上に搭載しているために、それら受光素子や印字用素子の搭載作業は、従来とは異なり、基板の表裏を反転させることなく行える。また、受光素子や印字用素子に関連する配線パターンも基板の同一面に対して形成すればよいため、それらの配線パターンを同時に形成することも可能となる。したがって、画像読み書き一体ヘッドの生産性を従来よりも高めることができる。
【0013】
第2に、本願発明では、複数の印字用素子が搭載されている基板の片面と同一面側に透明カバーを配置した構造であるために、複数の印字用素子に対向する記録紙用プラテンローラと透明カバーに対向する原稿用プラテンローラについても、基板の同一片面側に配置されることとなる。したがって、本願発明では、画像読み書き一体ヘッドを挟むようにしてその両側に2つのプラテンローラを配置する必要があった従来のものと比較すると、それら全体のサイズが大きく嵩張らないようにでき、画像読み書き一体ヘッドを用いて構成される画像処理装置の小型化または薄型化が図れる。
【0014】
第3に、本願発明では、画像読み書き一体ヘッドにプラテンローラ用支持手段を具備させた構成であるために、画像読み書き一体ヘッドに対して一定の関係になるようにプラテンローラを取付ける場合にはこのプラテンローラ用支持手段を利用してプラテンローラの取付け、あるいは位置決めを図ることができる。したがって、プラテンローラを支持するための手段を別途設ける必要を無くしたり、あるいはその構造を簡易なものにすることができ、画像処理装置全体の構造を簡素にできる。また、画像処理装置を製作する際の部品の組み付け作業性も良好なものにできる。
【0015】
本願発明の好ましい実施の形態では、上記プラテンローラ用支持手段は、上記ケースと一体的に樹脂成形されている。
【0016】
このような構成によれば、プラテンローラ用支持手段をケースと同時に樹脂成形できるために、その製造が容易となる。また、全体の部品点数の増加も招かないため、画像読み書き一体ヘッドの組立作業性も良好なものにできる。
【0017】
本願発明の他の好ましい実施の形態では、上記印字用素子は、発熱素子であるとともに、上記基板には放熱板が接触するようにして組み付けられており、かつこの放熱板の一部によって上記プラテンローラ用支持手段が形成されている。
【0018】
このような構成によれば、発熱素子から発せられた熱を放熱板を介して外部に逃がすことができるために、発熱素子の過熱を防止してその温度を安定させることができ、プリント画像の質を高めることができる。上記構成では、このような放熱板を利用してプラテンローラ用支持手段を形成しているために、プラテンローラ用支持手段を形成するための専用の部品を用いる必要がなく、部品点数の増加を抑制できる。
【0019】
本願発明の第2の側面によれば、画像処理装置が提供される。この画像処理装置は、本願発明の第1の側面によって提供される画像読み書き一体ヘッドを具備していることに特徴づけられる。
【0020】
本願発明の第2の側面によれば、本願発明の第1の側面によって得られるのと同様な効果が期待できる。
【0021】
本願発明の好ましい実施の形態では、上記透明カバーに対向する原稿用プラテンローラと、上記複数の印字用素子に対向する記録紙用プラテンローラと、を具備しているとともに、上記プラテンローラ用支持手段は、上記画像読み書き一体ヘッドが上記記録紙用プラテンローラの軸部周りに回動できるように上記記録紙用プラテンローラの軸部と嵌合しており、かつ上記画像読み書き一体ヘッドは、上記透明カバーが上記原稿用プラテンローラに押しつけられる回転方向に弾性部材によって付勢されている。
【0022】
このような構成によれば、記録紙用プラテンローラについては、画像読み書き一体ヘッドに設けられているプラテンローラ用支持手段に支持されることによって、画像読み書き一体ヘッドとの相対的な位置決めが図れることとなり、複数の印字用素子や記録紙に対する記録紙用プラテンローラの押圧力などを所望の状態に適切に設定することができる。また、原稿用プラテンローラについては、透明カバーをこの原稿用プラテンローラに押しつけるように画像読み書き一体ヘッドを一定方向に付勢する弾性部材の弾発力や位置などを調整することにより、透明カバーや原稿に対する押圧力などを所望の状態に適切に設定することが可能となる。
【0023】
本願発明のその他の特徴および利点は、以下に行う発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0025】
図1は、本願発明に係る画像読み書き一体ヘッドの一例を示す斜視図である。図2は、図1に示す画像読み書き一体ヘッドの分解斜視図である。図3は、図1のIII −III 断面図である。図4は、図1のIV−IV要部断面図である。図5は、図4のV−V断面図である。
【0026】
図2および図3によく表れているように、本実施形態の画像読み書き一体ヘッドAは、ケース1、透明カバー19、レンズアレイ5、光反射防止部材6、基板4、放熱板7、およびその他の後述する各部品類を具備して構成されている。
【0027】
上記基板4は、たとえばセラミック製であり、平面視長矩形状のプレート状である。この基板4の表面4a(片面)には、複数の光源30、複数の受光素子3、複数の駆動IC80、および複数の発熱素子8が搭載されている。
【0028】
上記複数の光源30は、たとえばLEDチップを用いて構成されており、上記基板4の長手方向に適当な間隔を隔てて列状に実装されている。上記複数の受光素子3は、光電変換機能を備えた素子であり、上記複数の光源30の列と略平行な列状に実装されている。上記複数の発熱素子8は、本願発明でいう印字用素子の一例に相当するものであり、その製造は、たとえば酸化ルテニウムなどを導体成分とする厚膜抵抗ペーストを印刷・焼成することによって上記基板4の長手方向に一連に延びる線状の発熱抵抗体を形成するとともに、この発熱抵抗体をその長手方向に沿って一定間隔で電気的に分断する配線パターンを形成することによってなされている。上記複数の駆動IC80は、上記複数の発熱素子8の発熱駆動を制御するためのものであり、上記複数の光源30と同様に、上記基板4の長手方向に適当な間隔を隔てて列状に実装されている。
【0029】
上記発熱素子8の列は、上記基板4の長手方向に延びる一側縁部4cまたはその近傍に配置されているのに対し、駆動IC80、受光素子3、および光源30のそれぞれの列は、上記発熱素子8の列よりも上記基板4の他側縁部4d寄りの部分に配置されている。上記基板4の表面4aには、この表面4a上に搭載された上記各部品類に関連する配線パターン(図示略)が形成されている。上記基板4の適所には上記配線パターンのそれぞれと導通した1または複数のコネクタ(図示略)が設けられており、このコネクタに配線接続を行うことによって外部機器から上記各部品類への電力供給や各種の信号の入出力が行えるようになっている。
【0030】
上記放熱板7は、上記基板4と略同様な形状およびサイズのプレート状に形成されたものであり、上記基板4の裏面4bにたとえば両面接着テープや接着剤を介して接着されている。この放熱板7は、複数の発熱素子8から発する熱を外部に逃がすためのものであり、熱伝導率の高い金属製である。
【0031】
上記ケース1は、合成樹脂製であり、このケース1の長手方向両端部には、記録紙用プラテンローラP2 を支持するための一対の支持部2,2が一体的に形成されている。これらの支持部2,2は、ケース1の外側面1aからその側方に突出した形態を有しており、それらの各上部には記録紙用プラテンローラP2 の軸部90bを嵌入させるための半円弧状部を有する上部開口状の凹部20が形成されている。
【0032】
上記ケース1は、上記複数の発熱素子8の搭載箇所およびその近傍部分を避け、かつ基板4の表面4aのそれ以外の部分を覆うように、上記基板4およ放熱板7に組み付けられている。基板4の複数の発熱素子8が搭載されている領域およびその近傍領域は、上記ケース1の一側方にはみ出しており、平面視において上記複数の発熱素子8の列の延長線上に支持部2,2の凹部20,20が丁度位置するように設定されている。上記支持部2,2の互いに対向する内向面の下部には支持用凸部21,21が設けられており、これらの支持用凸部21,21に放熱板7の長手方向両端部が載置されている。これにより、ケース1、基板4、および放熱板7の三者を互いに安定させて組み付けることが可能となる。
【0033】
上記透明カバー19は、読み取り対象となる原稿Dをガイドするためのものであり、この透明カバー19の表面に画像読み取り対象領域Sが設定される。この透明カバー19は、たとえば透明度の高いガラス製または合成樹脂製のプレートであり、上記ケース1の上面部の凹部13に嵌め込まれて装着され、基板4の表面4a側に位置している。ただし、上記ケース1の上面部および上記凹部13は傾斜しており、これに伴って上記透明カバー19も傾斜している。より具体的には、上記透明カバー19は、基板4の一側縁部4cから遠ざかるほどその高さが低くなるように傾斜している。また、上記ケース1の幅方向の両外側面1a,1bのうち、発熱素子8に近い側の外側面1aは、その上部側ほど上記基板4の一側縁部4cから遠ざかるように傾斜している。
【0034】
上記レンズアレイ5は、長細な合成樹脂製のレンズホルダ50に複数のロッドレンズ51を列状に保持させたものである。結像用レンズとしてロッドレンズ51を用いれば、原稿Dの画像を各受光素子3上に正立等倍に結像させることが可能であるが、むろんこれ以外のレンズを用いてもかまわない。上記レンズアレイ5は、上記透明カバー19の下方においてこの透明カバー19に対向して設けられた凹溝12に嵌入している。上記透明カバー19の表面のうち、上記レンズアレイ5と対向するライン状の領域が画像読み取り対象領域Sである。
【0035】
上記ケース1の内部には、上記光源30から発せられた光を導くための第1の光路14aと第2の光路14bとが設けられている。第1の光路14aは、ケース1の上下厚み方向に貫通して形成されており、複数の光源30から発せられた光を上記画像読み取り対象領域Sに導く光路である。第2の光路14bは、上記凹溝12を含んで形成されており、上記画像読み取り対象領域Sに位置する原稿表面によって反射された光をレンズアレイ5を介して複数の受光素子3上に導く光路である。上記ケース1は、その全体が光の反射率が高い白色の樹脂製とされている。したがって、複数の光源30から発せられた光については、第1の光路14aの白色の壁面によって高い反射率で反射させながら画像読み取り対象領域Sに導くことができ、画像読み取り対象領域Sへの光の照射効率を高くすることが可能である。
【0036】
上記光反射防止部材6は、たとえば黒色顔料やガラス粉末を含むポリカーボネートあるいはABS樹脂などの合成樹脂製であり、各所の表面は光の吸収率が高い黒色とされている。この光反射防止部材6は、複数の受光素子3および複数の駆動IC80の周囲を一纏めにして囲むように、ケース1の底部に設けられた凹部11内に配されている。より具体的には、この光反射防止部材6は、複数の受光素子3および複数の駆動IC80の上方に位置する上壁部60、この上壁部60の幅方向両側端縁から下方に突出した2つの側壁部61a,61b、および図2によく表れているように、上記上壁部60の長手方向両端から下向きに突出した2つの側壁部61c,61dを有している。上記4つの側壁部61a〜61dは、複数の受光素子3および複数の駆動IC80の四方を囲むとともに、それらの先端部はいずれも基板4の表面4aに接触し、それらの間に外部の光の進入路となる隙間が極力生じないように構成されている。上記基板4の表面4aのうち、少なくとも上記4つの側壁部61a〜61dの各先端部と接触する部分は、光の吸収率が高い黒色とされている。このようにすれば、上記基板4の表面4aと上記側壁部61a〜61dの先端部との間に仮に隙間が生じても、この隙間に進入してきた外部からの光の多くを上記黒色部分によって吸収することができ、光反射防止部材6によって囲まれた領域内に外部の光が多量に進入しないようにできる。上記上壁部60には、第2の光路14bを塞がないようにするためのスリット63が設けられている。
【0037】
図4によく表れているように、上記光反射防止部材6は、その上壁部60に設けられた複数の突起部64を上記ケース1に設けられている複数の凹部15に嵌入させることによって上記ケース1に取付けられている。また、上記光反射防止部材6の幅方向の一側縁部には、先端に溝部65aを有する複数のクランプ用突起65が突設されている。図5によく表れているように、上記各クランプ用突起65は、第1の光路14aに設けられているケース1のリブ16をその厚み方向両側から適当な弾発力をもってクランプするものである。上記光反射防止部材6は、上記複数のクランプ用突起65によってもケース1への取付けが図られていおり、上記ケース1に相対してその長手方向や幅方向に位置ずれしないようになっている。上記リブ16は、ケース1の剛性を確保するなどの観点から第1の光路14aの長手方向に適当な間隔で複数設けられたものである。
【0038】
図6は、上記画像読み書き一体ヘッドAを具備して構成された画像処理装置Bの概略構成の一例を示す説明図である。
【0039】
この画像処理装置Bは、合成樹脂製の筐体9内に、上記画像読み書き一体ヘッドA、原稿Dを移送するための駆動回転自在な原稿用プラテンローラP1 、および巻取ロールRから繰り出される記録紙Kを移送するための駆動回転自在な記録紙用プラテンローラP2 を組み込んで構成されている。上記原稿用プラテンローラP1 は、その長手方向両端の軸部90aがブラケット片91aによって支持されており、そのローラ本体部分は上記透明カバー19の画像読み取り対象領域Sに対向する箇所に固定配置され、または固定配置可能となっている。上記記録紙用プラテンローラP2 は、その長手方向両端の軸部90bが画像読み書き一体ヘッドAの支持部2,2の各凹部20に嵌入しており、そのローラ本体部分は上記複数の発熱素子8に対向している。ただし、上記記録紙用プラテンローラP2 は、ブラケット片91bによっても支持されており、筐体9内の所定位置に固定配置され、または固定配置可能となっている。
【0040】
上記画像読み書き一体ヘッドAは、上記記録紙用プラテンローラP2 の軸部90bを中心として矢印Naに示す上下方向に回動可能に設けられている。すなわち、上記記録紙用プラテンローラP2 は、ブラケット91bによって定位置に保持されている一方、画像読み書き一体ヘッドAはその支持部2,2の各凹部20が上記記録紙用プラテンローラP2 の軸部90bに対してその周方向に摺動できるように嵌合しているため、上記画像読み書き一体ヘッドAを上記軸部90bを中心として回動可能とすることができるのである。上記画像読み書き一体ヘッドAの放熱板7の下方には、この放熱板7の裏面に当接して上記画像読み書き一体ヘッドAを押圧するための弾性部材の一例としてのバネ92が設けられている。このバネ92は、基板4や放熱板7の幅方向において、上記軸部90の中心Oから適当な距離Lだけ受光素子3側に偏った位置に配されており、このバネ92の押圧力Fによって上記画像読み書き一体ヘッドAは、透明カバー19の表面が原稿用プラテンローラP1 に押しつけられる回転方向(矢印Nb方向)に付勢されている。
【0041】
次に、上記画像読み書き一体ヘッドA、および上記画像処理装置Bの作用について説明する。
【0042】
まず、上記画像処理装置Bでは、画像読み書き一体ヘッドAが画像の読み取り機能とプリント機能とを併せもつために、原稿Dの画像読み取りと記録紙Kへの画像の印字出力とを個別に、または同時に行うことができる。原稿用プラテンローラP1 および記録紙用プラテンローラP2 は、いずれも上記画像読み書き一体ヘッドAの同一片面側、すなわち上方側に配置すればよい。したがって、これら2つのプラテンローラP1 ,P2 と画像読み書き一体ヘッドAとの三者が画像処理装置Bの高さ方向に大きく嵩張らないようにでき、画像処理装置Bの薄型化が図れる。記録紙用プラテンローラP2 に対向するケース1の外側面1aは傾斜しているために、上記ケース1からはみ出した基板4の一側縁部4cの上方に記録紙用プラテンローラP2 を配置するための比較的大きな空間スペースを確保できる。したがって、上記ケース1から基板4の一側縁部4cをさほど大きくはみ出させることなく、記録紙用プラテンローラP2 をケース1に接近させて配置することも可能となり、全体の小型化を図る上で、一層好ましいものとなる。
【0043】
上記画像読み書き一体ヘッドA、原稿用プラテンローラP1 、および記録紙用プラテンローラP2 の三者は、これらが所定の正確な位置関係となるように筐体9内に組み込む必要がある。これに対し、上記記録紙用プラテンローラP2 と画像読み書き一体ヘッドAとの関係については、画像読み書き一体ヘッドAの支持部2,2の各凹部20と記録紙用プラテンローラP2 の軸部90bとを嵌合させることによってそれらの位置決めを図ることができる。したがって、その分だけ筐体9内に上記画像読み書き一体ヘッドAと記録紙用プラテンローラP2 とを位置合わせして組み込む作業が容易化される。一方、原稿用プラテンローラP1 については、バネ92の押圧力Fによって透明カバー19が常時原稿用プラテンローラP1 に押しつけられる方向に付勢されているために、やはり原稿Dを透明カバー19の表面に密接させるようにしてスムーズに移送することができる。一般的には、記録紙の厚みは略一定であるものの、原稿としては種々の厚みのものが用いられる。これに対し、この画像処理装置Bでは、画像読み書き一体ヘッドAが上記軸部90bを中心として回動することにより、原稿用プラテンローラP1 と透明カバー19との間の距離を原稿Dの厚みに応じて変化させることもできるために、原稿Dの紙詰まりも生じ難いものにできる。
【0044】
一方、上記画像読み書き一体ヘッドAは、複数の光源30、複数の受光素子3、複数の駆動IC80、および複数の発熱素子8のいずれにもついても基板4の表面4aに実装しており、またそれらに関連する配線パターンも上記表面4aに形成している。したがって、上記各部品の実装作業や配線パターンの作製作業に際しては、上記基板4を表裏反転させるような必要はなく、その生産性を高めることができる。ケース1を基板4や放熱板7に組付けるときには、それ以前の段階においてケース1に光反射防止部材6を予め取付けておくが、この光反射防止部材6は複数の受光素子3と複数の駆動IC80とを一纏めに囲むように配置されるものであり、たとえば複数の受光素子3と複数の駆動IC80との間を仕切るように複数の受光素子3のみを覆うものではない。したがって、上記光反射防止部材6が上記複数の受光素子3や駆動IC80に不当に接触する虞れも少なくできる。
【0045】
上記画像処理装置Bでは、原稿Dの読み取り動作と記録紙Kへの画像のプリント動作とが同時になされる場合がある。これに対して、ケース1の外側面1aはその上部ほど記録紙用プラテンローラP2 から遠ざかるように傾斜しているために、透明カバー19を記録紙用プラテンローラP2 から遠ざけた位置に配置することが可能な構造となっている。さらに、上記透明カバー19はその表面が記録紙用プラテンローラP2 とは反対側を向くように傾斜している。したがって、上記透明カバー19に対向する原稿用プラテンローラP1 については、記録紙用プラテンローラP2 からできるだけ遠ざかるように配置することが可能となる。その結果、原稿用プラテンローラP1 による原稿移送部分と記録紙用プラテンローラP2 による記録紙移送部分との間の距離を大きくとって、それら原稿と記録紙とが互いに干渉し難いものとすることができ、画像の読み取り動作とプリント動作とを円滑に行わせることができる。
【0046】
上記画像読み書き一体ヘッドAでは、複数の受光素子3の周囲が光の吸収率が高い黒色の光反射防止部材6によって囲まれているために、原稿Dからレンズアレイ5を通過して複数の受光素子3に向けて進行してきた光が、それら複数の受光素子3の周囲において散乱反射しないようにできる。また、上記光反射防止部材6は、ケース1の外部の光が複数の受光素子3の搭載箇所に進入したり、あるいは光源30から発せられた光がそのまま複数の受光素子3に向けて進行することを阻止する役割も果たす。したがって、複数の受光素子3が外乱光や散乱光を受光しないようにでき、ノイズの少ない画質の高い読み取り画像を得ることが可能となる。
【0047】
図7は、本願発明に係る画像読み書き一体ヘッドの他の例を示す斜視図である。図7以降の図においては、先の実施形態と同一部分は同一符号で示し、その説明は省略する。
【0048】
図7に示す画像読み書き一体ヘッドAaは、記録紙用プラテンローラP2 を支持するための支持部2A,2Aが放熱板7Aを利用して設けられた構造である。より具体的には、上記支持部2A,2Aは、基板4の裏面側に重ねられた板金製の放熱板7Aの長手方向両端部が基板4の長手方向両端部の側方において上向きに屈曲されることによって形成された起立部分であり、上記放熱板7Aと一体的に形成されている。この支持部2A,2Aは、先の実施形態の支持部2,2と同様に、記録紙用プラテンローラP2 の軸部を嵌入可能な半円弧状部を有する凹部20,20を有している。
【0049】
この画像読み書き一体ヘッドAaでは、やはり先の実施形態の画像読み書き一体ヘッドAと同様に、支持部2A,2Aを利用して記録紙用プラテンローラP2 の支持が行え、記録紙用プラテンローラP2 と複数の発熱素子8との位置合わせを正確に、しかも簡単に行うことができる。もちろん、記録紙用プラテンローラP2 を別の支持手段を利用して固定させた場合には、記録紙用プラテンローラP2 の軸部90bを中心として画像読み書き一体ヘッドAa全体を回動可能として、透明カバー19を原稿用プラテンローラP1 に押しつけるように弾性部材を利用して付勢することもできる。
【0050】
なお、上記画像読み書き一体ヘッドAaでは、放熱板7Aの長手方向両端部に、ケース1Aの長手方向両端部に設けられた凹部18,18に先端部が係入可能な掛止用突起74,74を一体的に形成している。このようにすれば、放熱板7Aや基板4に対するケース1の組み付けを容易にできる。これらの各部品の組み付けを容易にする手段としては、たとえば図8示すように、ケース1に放熱板7Aの裏面側に掛止する掛止用突起74aを一体的に設けるといった手段を採用することもできる。
【0051】
上述の実施形態から明らかなように、本願発明では、プラテンローラ用支持手段は、ケースのみならず、放熱板に設けられてもよく、さらには画像読み書き一体ヘッドを構成する基板やそれ以外の部材に設けられていてもよい。また、プラテンローラ用支持手段は、ケースや放熱板などの所定の部材と必ずしも一体的に形成されている必要もなく、別体に形成されていてもかまわない。
【0052】
さらに、プラテンローラ用支持手段は、記録紙用プラテンローラに代えて、原稿用プラテンローラを支持するものであってもよい。したがって、本願発明の画像読み書き一体ヘッドは、記録紙用プラテンローラと原稿用プラテンローラとの双方を支持する2種類のプラテンローラ用支持手段を備えたものとして構成することもできる。
【0053】
プラテンローラ用支持手段にプラテンローラを支持させる態様としては、種々の態様が考えられるが、本願発明はその具体的な態様もとくに限定されない。たとえば、図6で示した構造では、ブラケット91bによって固定保持された記録紙用プラテンローラP2 を支持部2,2によってさらに支持させるようにしており、上記支持部2,2にいわば記録紙用プラテンローラP2 の位置決め用のストッパ的な役割および画像読み書き一体ヘッドの回転支点を構成するための部材としての役割をもたせている。しかしながら、本願発明では、上記ブラケット91bを用いることなく、支持部2,2のみによって記録紙用プラテンローラP2 の全体を支持することが可能であり、そのような支持構造にしてもかまわない。したがって、本願発明では、プラテンローラ用支持手段の具体的な形状なども上述の実施形態に限定されず、たとえば半円弧状部を有する凹部に代えて、他の形状の凹部を有するもの、あるいはプラテンローラの軸部を挿通支持可能な非切欠状の孔部を有するものとして形成されていてもかまわない。
【0054】
その他、本願発明に係る画像読み書き一体ヘッドや画像処理装置の具体的な構成は、上記実施形態に限定されず、種々に設計変更自在である。たとえば、上記実施形態では、光源30を基板4の表面4aに搭載しているが、本願発明では、これに代えて、たとえば図9で示した従来のものと同様に、光源を受光素子などを搭載した基板に搭載させることなく、ケース内に組み込むようにしてもかまわない。また、光源としては、LED以外の光源を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る画像読み書き一体ヘッドの一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す画像読み書き一体ヘッドの分解斜視図である。
【図3】図1のIII −III 断面図である。
【図4】図1のIV−IV要部断面図である。
【図5】図4のV−V断面図である。
【図6】図1に示す画像読み書き一体ヘッドを具備して構成された画像処理装置の概略構成の一例を示す説明図である。
【図7】本願発明に係る画像読み書き一体ヘッドの他の例を示す斜視図である。
【図8】本願発明に係る画像読み書き一体ヘッドの他の例を示す要部斜視図である。
【図9】従来の画像読み書き一体ヘッドの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1,1A, ケース
2,2A 支持部(プラテンローラ用支持手段)
3 受光素子
4 基板
4a 表面(基板の)
7 放熱板
8 発熱素子(印字用素子)
30 光源
92 バネ(弾性部材)
A 画像読み書き一体ヘッド
B 画像処理装置
D 原稿
K 記録紙
S 画像読み取り対象領域
P1 原稿用プラテンローラ
P2 記録紙用プラテンローラ
Claims (5)
- 複数の受光素子および複数の印字用素子をそれぞれ列状に並べて同一片面上に搭載した基板と、
上記複数の印字用素子の搭載領域を避けるようにして上記基板に組み付けられており、かつ上記複数の受光素子による画像読み取り対象領域が設定される透明カバーを上記基板の上記片面側に配置させて装着しているケースと、
上記ケース、上記基板、およびこれらに組み付けられた部材のいずれかに一体または別体に設けられ、かつ上記複数の印字用素子または上記透明カバーに対向配置されるプラテンローラを支持可能に形成されたプラテンローラ用支持手段と、
を具備していることを特徴とする、画像読み書き一体ヘッド。 - 上記プラテンローラ用支持手段は、上記ケースと一体的に樹脂成形されている、請求項1に記載の画像読み書き一体ヘッド。
- 上記印字用素子は、発熱素子であるとともに、上記基板には放熱板が接触するようにして組み付けられており、かつこの放熱板の一部によって上記プラテンローラ用支持手段が形成されている、請求項1に記載の画像読み書き一体ヘッド。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像読み書き一体ヘッドを具備していることを特徴とする、画像処理装置。
- 上記透明カバーに対向する原稿用プラテンローラと、上記複数の印字用素子に対向する記録紙用プラテンローラと、を具備しているとともに、上記プラテンローラ用支持手段は、上記画像読み書き一体ヘッドが上記記録紙用プラテンローラの軸部周りに回動できるように上記記録紙用プラテンローラの軸部と嵌合しており、かつ上記画像読み書き一体ヘッドは、上記透明カバーが上記原稿用プラテンローラに押しつけられる回転方向に弾性部材によって付勢されている、請求項4に記載の画像処理装置。
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