JP3730835B2 - パケット伝送方法、中継装置およびデータ端末 - Google Patents
パケット伝送方法、中継装置およびデータ端末 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3730835B2 JP3730835B2 JP2000146787A JP2000146787A JP3730835B2 JP 3730835 B2 JP3730835 B2 JP 3730835B2 JP 2000146787 A JP2000146787 A JP 2000146787A JP 2000146787 A JP2000146787 A JP 2000146787A JP 3730835 B2 JP3730835 B2 JP 3730835B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- packet
- header
- compressed
- full
- received
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 title claims description 106
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims description 69
- 230000000717 retained effect Effects 0.000 claims description 8
- 230000008859 change Effects 0.000 description 25
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 18
- 230000006835 compression Effects 0.000 description 15
- 238000007906 compression Methods 0.000 description 15
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 11
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 9
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 9
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 8
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 8
- 230000008569 process Effects 0.000 description 6
- 230000008901 benefit Effects 0.000 description 4
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 4
- 239000000284 extract Substances 0.000 description 4
- 239000003550 marker Substances 0.000 description 4
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 3
- 230000012447 hatching Effects 0.000 description 2
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 description 1
- 230000006837 decompression Effects 0.000 description 1
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 1
- 230000008520 organization Effects 0.000 description 1
- 230000000737 periodic effect Effects 0.000 description 1
- 230000004044 response Effects 0.000 description 1
- 238000012546 transfer Methods 0.000 description 1
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04L—TRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
- H04L69/00—Network arrangements, protocols or services independent of the application payload and not provided for in the other groups of this subclass
- H04L69/04—Protocols for data compression, e.g. ROHC
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04L—TRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
- H04L47/00—Traffic control in data switching networks
- H04L47/10—Flow control; Congestion control
- H04L47/38—Flow control; Congestion control by adapting coding or compression rate
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04L—TRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
- H04L69/00—Network arrangements, protocols or services independent of the application payload and not provided for in the other groups of this subclass
- H04L69/16—Implementation or adaptation of Internet protocol [IP], of transmission control protocol [TCP] or of user datagram protocol [UDP]
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04L—TRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
- H04L69/00—Network arrangements, protocols or services independent of the application payload and not provided for in the other groups of this subclass
- H04L69/16—Implementation or adaptation of Internet protocol [IP], of transmission control protocol [TCP] or of user datagram protocol [UDP]
- H04L69/161—Implementation details of TCP/IP or UDP/IP stack architecture; Specification of modified or new header fields
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04L—TRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
- H04L69/00—Network arrangements, protocols or services independent of the application payload and not provided for in the other groups of this subclass
- H04L69/22—Parsing or analysis of headers
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04L—TRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
- H04L9/00—Cryptographic mechanisms or cryptographic arrangements for secret or secure communications; Network security protocols
- H04L9/40—Network security protocols
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Computer Security & Cryptography (AREA)
- Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
- Signal Processing (AREA)
- Data Exchanges In Wide-Area Networks (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のデータ端末間で行われるパケットの送受信を行うパケット伝送方法、ならびにこれに用いられる中継装置およびデータ端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像データや音声データ等のリアルタイム性を要求されるデータを、インターネットを介して伝送したいという要求が強くなってきている。かかる要求に応えるためのプロトコルとして、インターネットの標準化団体であるIETF(Internet Engineering Task Force)が発行するRFC(Request For Comment)1889には、RTP(Realtime Transport Protocol)が規定されている。このRTPによれば、▲1▼ペイロードタイプの指定、▲2▼シーケンス番号の付与、▲3▼タイムスタンプの付与といった機能が規定されており、これにより音声や映像などの実時間情報をインターネット上で伝送することができるようになっている。このRTPは、通常、ネットワーク層のIP(Internet Protocol)およびトランスポート層のUDP(User Datagram Protocol)の上位層として利用されるものである。
【0003】
ここで、図11(a)は、RTP、UDPおよびIPに従って送信対象となるデータ(音声データまたは画像データ等)に付加されるRTPヘッダ、UDPヘッダおよびIPヘッダ(以下、これらを総称して「RTP/UDP/IPヘッダ」という)の内容を示す図である。なお、以下では、このRTP/UDP/IPヘッダを含むパケットをIPパケットと呼ぶ。
【0004】
ここで、同図に示すように、IPヘッダは20バイト、UDPヘッダは8バイト、RTPヘッダは12バイトとなり、これらのヘッダの合計のデータ量は40バイトとなる。一方、1つのIPパケットに含まれる画像データは例えば50バイト程度であるから、かかる画像データをパケット化して伝送する場合、そのオーバーヘッドは44%にも達することとなる。同様に、音声データを伝送する場合、1つのパケットに含まれる音声データを20バイトとすれば、オーバーヘッドは66%にも達することとなる。実際には、さらに他のレイヤにおいて付加されるヘッダがあるため、1つのパケットに占めるヘッダの割合が大きくなり、通信の効率が低下してしまうという問題があった。
【0005】
かかる問題を解決するための技術として、IETFが発行するRFC2508には、RTP/UDP/IPヘッダを圧縮するRTP圧縮プロトコルが開示されている。このRTP圧縮プロトコルによれば、図11(a)に示すRTP/UDP/IPヘッダを、図11(b)に例示するヘッダ(以下、「圧縮ヘッダ」という)に圧縮することができる。詳述すると、以下の通りである。
【0006】
この方法は、例えば、複数のデータ端末間でネットワークを介したパケットの送受信が行われる場合に、当該ネットワークに含まれる2つのノード間において用いられる。具体的には、これらのうちの一方のノード(以下、「送信側ノード」という)は、上記各データ端末間で交換されるIPパケットのうちの一部のIPパケット内のRTP/UDP/IPヘッダを圧縮ヘッダに変換し、ヘッダ圧縮パケットとして他方のノード(以下、「受信側ノード」という)に送信する一方、他の一部のIPパケット内のRTP/UDP/IPヘッダは圧縮することなく、フルヘッダパケットとして受信側ノードに送信するのである。一方、受信側ノードは、送信側ノードから受信したヘッダ圧縮パケットまたはフルヘッダパケットを、IPパケットに復元して次のノードまたは受信側のデータ端末に送信する。なお、フルヘッダとは、図11(a)に示したRTP/UDP/IPヘッダに含まれるlengthを、当該フルヘッダを特定するためのCONTEXT_ID、および送信側ノードからの送信順に順次付される連続番号であるリンクシーケンス番号link_seqを含む情報に置き換えたものである。
【0007】
ここで、図11(b)に示す圧縮ヘッダの内容について説明する。
まず、図11(a)に示すRTP/UDP/IPヘッダ内の密なハッチングが施された部分のデータ、すなわち、IPヘッダ内のバージョン番号(V)や、RTPヘッダ内のペイロードタイプ(PT;画像データであるか音声データであるか等を示すデータのフォーマットや、符号化方法等についての情報を含むデータ)等は、送信側ノードから送信される各パケットにおいて共通のデータ(以下、「一定値フィールド」という)である。従って、図11(b)に示すように、圧縮ヘッダ内にはこの一定値フィールドのデータは含まれない。送信側ノードは、送信対象となるIPパケットのうち、少なくとも最初のIPパケットは一定値フィールドを含むフルヘッダパケットとして受信側ノードに送信する一方、その後のIPパケット内のRTP/UDP/IPヘッダは、一定値フィールドを含まない圧縮ヘッダに変換し、ヘッダ圧縮パケットとして受信側ノードに送信する。一方、受信側ノードは、少なくとも最初に受信するフルヘッダパケット内のフルヘッダからRTP/UDP/IPヘッダを復元して内部の記憶装置に書込むとともに、当該RTP/UDP/IPヘッダ内の一定値フィールドを用いて、以後受信するヘッダ圧縮パケット内の圧縮ヘッダの一定値フィールドを復元するのである。
【0008】
ただし、一定値フィールドのデータは、必ずしも全てのIPパケットにおいて一定値となるとは限らず、変更が生じる場合もあり得る。このような変更があった場合、送信側ノードは、当該IPパケット内のRTP/UDP/IPヘッダを圧縮することなく、フルヘッダパケットとして受信側ノードに送信するようになっている。
【0009】
また、図11(a)に示すRTP/UDP/IPヘッダ内のハッチングが施されていない部分のデータ、すなわち、IPヘッダ内のID、RTPヘッダ内のシーケンス番号(sequence number)およびタイムスタンプ(timestamp;当該パケットが送信された時刻を表す)は、送信対象となる各IPパケット間で値が連続的に(所定の差分値ずつ)変化し、連続する2つのIPパケット間における差分値(変化量)が一定と期待されるデータ(以下、「差分一定フィールド」という)である。図11(b)に示すように、圧縮ヘッダ内には、原則としてこの差分一定フィールドのデータは含まれない。上述したように、受信側ノードは、記憶装置にRTP/UDP/IPヘッダを保持しており、このRTP/UDP/IPヘッダ内の差分一定フィールドの値に対して所定の差分値を順次加えることにより、以後受信する圧縮ヘッダ内の差分一定フィールドを復元するのである。
【0010】
ただし、差分一定フィールドのデータに関しては、必ずしも全てのIPパケット間で差分値が一定値になるとは限らず、差分値に変更がある場合も生じる。かかる場合には、変化後の差分値を受信側ノードに対して通知すれば、当該受信側ノードは、記憶装置に保持されたRTP/UDP/IPヘッダの内容と新たに通知された差分値とから、その後に受信したヘッダ圧縮パケット内の圧縮ヘッダの差分一定フィールドの内容を復元することができる。このため、図11(b)に示す圧縮ヘッダにおいては、差分一定フィールドについての差分値の変更の有無を示すフラグS、TおよびIが含まれるとともに、各差分値に変更があった場合には、図11(b)に破線で示すように、当該変更後の差分値が付加されることとなる。具体的には、RTPヘッダ内のシーケンス番号の差分値に変更があった場合には、フラグSに「1」がセットされるとともに、図11(b)に破線で示すように、当該変更後のシーケンス番号の差分値を表すシーケンス番号差分値(delta RTP sequence)が圧縮ヘッダに付加されることとなる。同様に、RTPヘッダ内のタイムスタンプの差分値に変更があった場合、このフラグTに「1」がセットされるとともに、図11(b)に破線で示すように、当該変更後のタイムスタンプの差分値を表すタイムスタンプ差分値(delta RTP timestamp)が圧縮ヘッダに含まれることとなる。また、IPヘッダ内のIDの差分値に変更があった場合、フラグIに「1」がセットされるとともに、当該変更後のIDの差分値を示すID差分値(delta IP ID)が圧縮ヘッダに付加されることとなる。
【0011】
さらに、図11(b)に示すように、圧縮ヘッダには、フルヘッダと同様、CONTEXT_IDおよびlink_seqが含まれている。受信側ノードにおいては、このCONTEXT_IDによって特定されるRTP/UDP/IPヘッダの内容に従って、当該圧縮ヘッダが復元されることとなる。また、受信側ノードは、送信側ノードから順次受信するパケット(ヘッダ圧縮パケットまたはフルヘッダパケット)内のリンクシーケンス番号link_seqを参照し、このリンクシーケンス番号に欠番が生じた場合には、送信側ノードと受信側ノードとの間でパケットの喪失が発生したと判定するようになっている。
【0012】
次に、図12を参照して、送信側ノードと受信側ノードとの間でなされるパケット転送のための手順を説明する。なお、同図においては、フィールドAはRTP/UDP/IPヘッダ内の一定値フィールド(すなわち、図11(a)の密なハッチングが施されたデータのうちのいずれか)を表し、フィールドBは差分一定フィールド(すなわち、図11(a)のハッチングが施されていないデータのうちのいずれか)を表すものとする。また、図12において、「F」はフルヘッダパケットを示し、「C」はヘッダ圧縮パケットを示すものとする。
【0013】
まず、送信側ノードは、送信側データ端末から受信側データ端末宛に送信されたIPパケットaを受け取ると、このIPパケットa内のRTP/UDP/IPヘッダを内部の記憶装置に記憶するとともに、当該ヘッダ内のlengthをCONTEXT_IDおよびリンクシーケンス番号link_seqに置き換えてフルヘッダを生成し、このフルヘッダと、上記IPパケット内のRTP/UDP/IPヘッダ以外の部分のデータ(以下、「RTPペイロード」という)とを含むフルヘッダパケットを受信側ノードに送信する(図12中の▲1▼)。このフルヘッダパケットを受け取った受信側ノードは、このパケット内のフルヘッダからRTP/UDP/IPヘッダを復元し(すなわち、フルヘッダ内のCONTEXT_IDおよびlink_seqを取出して)、当該ヘッダを含むIPパケットを次のノードまたは受信側データ端末に送信する。なお、この際に、復元されたRTP/UDP/IPヘッダを内部の記憶装置に記憶しておく。
【0014】
続いて、送信側ノードは、IPパケットaの次に受け取ったIPパケットb内のRTP/UDP/IPヘッダを圧縮ヘッダに変換して、当該ヘッダ圧縮パケットbを受信側ノードに送信する(図12中の▲2▼)。このヘッダ圧縮パケット内の圧縮ヘッダには、パケットb内の差分一定フィールドBの値「1」と、直前に受け取ったパケットaのフルヘッダ内の差分一定フィールドBの値「0」との差分値ΔB(=1)が付加されるとともに、差分値の変更の有無を示すフラグ(図11(b)に示すフラグS、TまたはI)に「1」がセットされている。
【0015】
このヘッダ圧縮パケットbを受信した受信側ノードは、記憶装置に記憶されたIPパケットaのRTP/UDP/IPヘッダ内の差分一定フィールドBの値に、今回通知された差分値ΔBを加えることにより、ヘッダ圧縮パケットb内の圧縮ヘッダの差分一定フィールドBを求める。そして、当該差分一定フィールドB、およびIPパケットaのRTP/UDP/IPヘッダ内の一定値フィールドAを含むRTP/UDP/IPヘッダと、RTPペイロードとを含むIPパケットbを送信する。なお、IPパケットbを復元する際に参照されるRTP/UDP/IPヘッダ(この場合にはIPパケットa内のRTP/UDP/IPヘッダ)は、ヘッダ圧縮パケットb内のCONTEXT_IDによって特定される。また、ここではIPパケットbのRTP/UDP/IPヘッダと、今回通知された差分値ΔBとが内部の記憶装置に記憶される。
【0016】
続いて、IPパケットcを受け取ると、送信側ノードは、当該IPパケットc内のフィールドBの値と、前回受信されたIPパケットb内の差分一定フィールドBとの差分値を求める。ここでは、差分値ΔBは「1(=3−2)」であり、前回受信側ノードに対して通知した差分値と同一であるから、新たに差分値を通知する必要はない。従って、送信側ノードは、差分値(すなわち、図11(b)において破線で示される情報)が付加されない圧縮ヘッダを含んだヘッダ圧縮パケットcを受信側ノードに対して送信する(図12中の▲3▼)。一方、このヘッダ圧縮パケットcを受信した受信側ノードは、先に送信したパケットbの差分一定フィールドBに対して記憶装置に記憶されたΔBを加えることによってヘッダ圧縮パケットc内の圧縮ヘッダの差分一定フィールドBを復元し、この値、およびフルヘッダパケットaのフルヘッダ内の一定値フィールドAを含むRTP/UDP/IPヘッダとRTPペイロードとからなるIPパケットcを送信する。以後、パケットdについても同様の処理がなされる。
【0017】
さて、次に送信側ノードが受信するIPパケットeの差分一定フィールドBは「5」であり、前回のIPパケットdの差分一定フィールドBとの差分値は「2」である。このように、差分値ΔBに変更があった場合、送信側ノードは、変更後の新たな差分値が付加され、フラグに「1」がセットされた圧縮ヘッダを含むヘッダ圧縮パケットeを受信側ノードに送信する。受信側ノードは、こうして通知された新たな差分値と、IPパケットdの差分一定フィールドBの値とを加えることによりパケットeの差分一定フィールドBを復元し、当該差分一定フィールドBを含むIPパケットを送信する。
【0018】
続いて、次に送信側ノードが受信するIPパケットgは、直前に受信したIPパケットeと比較して一定値フィールドAが異なっている。この場合、送信側ノードは、当該IPパケット内のRTP/UDP/IPヘッダを圧縮せず、パケットg内のRTP/UDP/IPヘッダ内のlengthをCONTEXT_IDおよびlink_seqに置き換えたフルヘッダを含むフルヘッダパケットgを受信側ノードに対して送信する。このフルヘッダパケットgを受け取った受信側ノードは、これに含まれるフルヘッダをRTP/UDP/IPヘッダに復元して内部の記憶装置に記憶する。
【0019】
以上がRFC2508に規定されたヘッダ圧縮方法(以下、「従来方法A」という)である。しかしながら、この圧縮方法においては、以下に示す問題があった。
【0020】
例えば、図13に示すように、ヘッダ圧縮パケットcが送信側ノードと受信側ノードとの間で何らかの原因により喪失した場合を想定する。上述したように、受信側ノードは、IPパケットd内の差分一定フィールドBを、IPパケットc内の差分一定フィールドBに差分値ΔBを加えることにより復元するようになっているため、ヘッダ圧縮パケットcが喪失した場合にはヘッダ圧縮パケットd内の差分一定フィールドBを復元することができない。この結果、受信側ノードにおいては、次にフルヘッダパケットgが受信されるまでの間に受信したパケット、すなわち、図13におけるパケットd、eおよびfは破棄せざるを得ない。このように、一部のパケットの喪失に伴ってバースト的なパケットの喪失が発生する結果、ヘッダを圧縮しない方法を採った場合よりもスループットが低下してしまう場合も生じ得る。特に送信側ノードと受信側ノードとの間に無線区間が含まれる場合には、当該無線区間においてパケットの喪失が発生しやすいため、これに伴ってパケットのバースト的なロスが多く引き起こされるという問題があった。かかる問題を解決するための技術として、IETFが発行するRFC2507および2508ならびにInternet-Draftには、以下の各技術が開示されている。
【0021】
方法1:フルヘッダパケットの周期的な送信(RFC2507)
上述した従来方法Aにおいては、送信側ノードは、ヘッダ内の一定値フィールドに変更があった場合にのみフルヘッダパケットを送信するようにしたが、この方法1においては、図14に示すように、一定値フィールドの変更の有無に関わらず、送信対象となる複数のIPパケットを一定個数間隔毎に選択し、選択したIPパケットについてはヘッダを圧縮することなくフルヘッダパケットとして受信側ノードに送信する一方、それ以外のパケットについてはヘッダを圧縮してヘッダ圧縮パケットとして受信側ノードに送信するようになっている。上記従来方法Aにおいては、一定値フィールドに変更がない限り、受信側ノードにはフルヘッダパケットが送信されないため、以後の全てのパケットが破棄されることとなるが、本方法によれば、一定周期でフルヘッダパケットが送信されるようになっているため、一部のパケットの喪失に起因して破棄されるパケットの数を減らすことができるという利点がある。しかしながら、本方法においては、フルヘッダパケットの送信周期を長くすると、破棄されるパケットの数が増加する一方、フルヘッダパケットの送信周期を短くするとオーバーヘッドの大きいフルヘッダパケットが多数送信されることとなり、通信効率の低下を招くこととなるといった問題がある。
【0022】
方法2:バックチャネルによるフルヘッダの要求(RFC2507,2508)
本方法においては、図15に示すように、パケットの喪失を検知すると、受信側ノードは、送信側ノードに対してフルヘッダパケットを要求するためのメッセージであるCONTEXT_STATEを送信するようになっている。送信側ノードは、このCONTEXT_STATEを受信すると、次に送信すべきIPパケットをフルヘッダパケットとして受信側ノードに送信する。この結果、受信側ノードにおいて、一部のパケットの喪失に起因して他のパケットが破棄される期間を、パケットのロスが発生してから、CONTEXT_STATEに応じて送信されたフルヘッダパケットを受信するまでの期間に抑えることができる。しかしながら、本方法においては、受信側ノードがCONTEXT_STATEを送信してから、フルヘッダパケットを受信するまでの時間、すなわちRTT(Round Trip Time)が大きいと、破棄されるパケットが多くなるという問題がある。無線区間を含んでパケットの送受信が行われる場合には、当該区間において特にRTTが長くなるから、かかる問題は特に顕著に現れる。
【0023】
方法3:Twiceアルゴリズム(RFC2507)
本方法においては、パケットの喪失が発生した後に受信されるヘッダ圧縮パケット内の圧縮ヘッダを、当該パケットの喪失が発生する直前に受信し、復元したRTP/UDP/IPヘッダに基づいて復元するようになっている。例えば、図16に示すように、パケットbが正常に受信された後、パケットcが喪失し、次にパケットdが正常に受信された場合を想定する。この場合、パケットbからパケットdの間で差分値ΔBの値に変化がないとすれば、パケットd内の差分一定フィールドBは、パケットbの差分一定フィールドBにΔBを2倍した数値を加えることにより算出することができる。さらに、本方法においては、圧縮ヘッダ内にUDPチェックサムを含ませるようになっており(図11(b)参照)、このUDPチェックサムを用いて、パケットが正しく復元できたか否かを判断するようになっている。しかしながら、図16に示すように、パケットkが喪失し、かつ、パケットjからパケットkの間で差分一定フィールドの差分値ΔBに変化があった場合には、パケット喪失直後に受信されたパケットlを正確に復元することができないという問題がある。特に、無線区間を含んでパケットの送受信が行われる場合にあっては、パケットの喪失が連続的に(すなわち、長い期間にわたって)発生する。かかる場合には、喪失された多数のパケット間で差分値ΔBが変化しない場合は少ないと考えられるから、上記問題は特に顕著に現れる。
【0024】
方法4:ROCCO(Internet-Draft)
本方法においては、送信されるメディアの特性に基づいて、差分値ΔBを推測するようになっている。例えば、図17においては、パケットgおよびhが喪失し、かつ、パケットgからパケットhの間で差分値ΔBの値に変化があった場合を想定している。この場合、送信されるメディアの特性に基づいて、差分値ΔBの変化が推測され、推測された差分値ΔBをパケットfに加えることにより、パケットiを復元することができる。さらに、本方法においては、誤り検出符号(CRC)によって正しく復元できたか否かを確認するようになっている。本方法によれば、差分値ΔBに変化があった場合であっても、その後のパケットを復元することができる。しかしながら、本方法においては、差分値ΔBの変化をどのように推測するかが問題となる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
このように、IPパケットのRTP/UDP/IPヘッダを圧縮した場合であっても効率よくデータ通信を行うための方法として各種の方法が提案されてはいるものの、いずれの方法も何らかの問題を有しており、送信側ノードと受信側ノード間で生じたあるパケットの喪失に起因して破棄されるパケットの数を効果的に減らすには限界があるのが現状であった。
【0026】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、送受信すべきパケットのヘッダを圧縮する場合であっても、あるパケットの喪失に起因して破棄されるパケットの数を有効に減らすことができるパケット伝送方法、中継装置およびデータ端末を提供することを目的としている。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明は、送信側と受信側とを含むネットワークにおいて、前記送信側は、送信すべき非圧縮パケットを、フルヘッダを有するフルヘッダパケットまたは圧縮ヘッダを有するヘッダ圧縮パケットに変換して前記受信側に送信する一方、前記受信側は、前記送信側から送信されたフルヘッダパケットまたはヘッダ圧縮パケットを受信して非圧縮パケットに変換するパケット伝送方法であって、前記受信側は、前記送信側と受信側との間で前記フルヘッダパケットまたはヘッダ圧縮パケットの喪失が発生した場合には、当該パケット喪失後、次にフルヘッダパケットを受信するまでの間に受信したヘッダ圧縮パケットを保持し、前記パケット喪失後に受信したフルヘッダパケット内のフルヘッダの内容に基づいて、前記保持したヘッダ圧縮パケット内の圧縮ヘッダを復元することを特徴とするパケット伝送方法を提供するものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更可能である。
【0029】
A:第1実施形態
A−1:第1実施形態の構成
図1は、本発明に係るパケット伝送方法を適用可能な通信システムの構成を模式的に例示するブロック図である。この通信システムにおいては、送信側データ端末1と受信側データ端末2とが、ネットワーク3を介してパケットの交換を行うことができるようになっている。なお、以下では、送信側データ端末1が受信側データ端末2に対してパケットを送信する場合を例に説明を進める。
【0030】
ネットワーク3には、送信側ノード3aおよび受信側ノード3bが含まれている。この送信側ノード3aおよび受信側ノード3bは、送信側データ端末1と受信側データ端末2との間で交換されるパケットの中継を行う役割を担っている。なお、図1に示すネットワーク3には、送信側ノード3aおよび受信側ノード3bが1つずつ含まれている場合を例示しているが、本発明を適用できるのはかかる場合に限られず、より多数のノードが含まれていてもよいことはいうまでもない。
【0031】
かかる構成の下、送信側データ端末1は、受信側データ端末2を宛先に特定したパケットをネットワーク3に対して順次送信する。ここで、送信側データ端末1から送信されるパケットは、図11(a)に示したRTP/UDP/IPヘッダを含むIPパケットである。送信側ノード3aは、この送信側データ端末1から送信されたIPパケットを順次受信し、受信したIPパケットをフルヘッダを含むフルヘッダパケットまたは圧縮ヘッダを含むヘッダ圧縮パケットのいずれかに変換して受信側ノード3bに送信する。ここで、フルヘッダとは、上述したように、IPパケット内のRTP/UDP/IPヘッダにおけるIPヘッダまたはUDPヘッダに含まれるlength値を、CONTEXT_IDまたはlink_seqを含むデータに代えたものである。一方、こうして送信側ノード3aから送信されたヘッダ圧縮パケットまたはフルヘッダパケットを受信した受信側ノード3bは、ヘッダ圧縮パケット内の圧縮ヘッダまたはフルヘッダパケット内のフルヘッダをRTP/UDP/IPヘッダに復元するとともに、当該RTP/UDP/IPヘッダを含むIPパケットを受信側データ端末2に送信する。受信側データ端末2は、受信側ノード3bから送信されたIPパケットを受信し、受信したIPパケットに従って所定の処理(例えば、RTPペイロードに従った画像の表示や音声の再生等)を行う。
【0032】
なお、上記従来の技術にも示したように、フルヘッダパケットは、当該フルヘッダパケットに含まれるフルヘッダの内容のみに基づいてRTP/UDP/IPヘッダを含むIPパケットを復元可能なパケットである。なお、RTP/UDP/IPヘッダ内のlength値は、フルヘッダにおいてCONTEXT_STATEおよびlink_seqに置き換えられるが、下位レイヤの情報から復元可能である。これに対し、ヘッダ圧縮パケットは、当該ヘッダ圧縮パケットに含まれる圧縮ヘッダのみではRTP/UDP/IPヘッダを含むIPパケットを復元することはできないが、その他のパケット(フルヘッダパケット等)の内容に基づいて、IPパケットに復元可能なパケットである。
【0033】
次に、図2を参照して、受信側ノード3bの構成を説明する。同図に示すように、受信側ノード3bは、受信部31b、送信部32b、制御部33bおよび記憶部34bと、これらの各部を接続するバス35bとを含んで構成されている。
【0034】
受信部31bは、送信側ノード3aから送信されたフルヘッダパケットまたはヘッダ圧縮パケットを通信回線を介して受信し、制御部33bに出力するための手段である。また、送信部32bは、制御部33bから出力されたデータを通信回線を介して受信側データ端末2に送信するための手段である。
【0035】
制御部33bは、CPU等を含んで構成され、記憶部34bに記憶されたプログラムを実行することによりこの受信側ノード3bの各部を制御するための手段である。具体的には、制御部33aは、送信側ノード3aから受信部31bを介して受信したフルヘッダパケットまたはヘッダ圧縮パケットをIPパケットに変換し、送信部32bを介して受信側データ端末2に送信する機能を有している。また、本実施形態における制御部33bは、送信側ノード3aと受信側ノード3bとの間で生じたパケットの喪失を検知することができる。そして、かかるパケットの喪失が検知された場合、制御部33bは、送信側ノード3aに対してフルヘッダパケットの送信を要求するためのCONTEXT_STATEを送信するようになっている。
【0036】
ところで、上記従来の技術に示した各手法においては、送信側と受信側との間でパケットの喪失が生じた場合、喪失したパケット以後のパケットであって、次にフルヘッダパケットが受信されるまでの間に受信されたパケットは破棄されるようになっていた。これに対し、本実施形態における受信側ノード3b内の制御部33bは、パケットの喪失を検知した後、次にフルヘッダパケットを受信するまでの間に受信されたヘッダ圧縮パケットを記憶部34bに順次書き込むようになっている。そして、当該パケットの喪失後にフルヘッダパケットを受信すると、当該フルヘッダパケット内のフルヘッダの内容に基づいて、記憶部34bに記憶されたヘッダ圧縮パケット内の圧縮ヘッダを復元してIPパケットを生成し、受信側データ端末2に送信するようになっている。なお、制御部33bが行う処理については、後の動作説明において詳述する。
【0037】
なお、送信側ノード3aも、上述した受信側ノード3bと同様の構成となっている。すなわち、送信側ノード3aは、送信側データ端末1からのIPパケットを受信する受信部31aと、当該送信側ノード3a内の各部を制御する制御部33aと、記憶部34aと、制御部33aから出力されたパケットを受信側ノード3bに対して送信する送信部32aとを含んで構成されている。ただし、本実施形態においては、送信側ノード3a内の制御部33aは、送信側データ端末1から送信されたIPパケットのうち、少なくとも最初のIPパケットをフルヘッダパケットとして受信側ノード3bに送信する一方、その他のIPパケットをヘッダ圧縮パケットとして受信側ノード3bに送信するようになっている。また、送信側ノード3a内の制御部33aは、受信側ノード3bからCONTEXT_STATEを受信した場合、その直後に送信すべきIPパケットをフルヘッダパケットとして受信側ノード3bに送信するようになっている。
【0038】
A−2:第1実施形態の動作
図3は、本実施形態に係るパケット伝送方法における動作を例示するタイミングチャートである。
同図に示すように、送信側データ端末1から送信対象となる最初のIPパケットaを受信すると、送信側ノード3a内の制御部33aは、当該パケットをフルヘッダパケットとして受信側ノード3bに送信する。具体的には、当該IPパケット内のRTP/UDP/IPヘッダを記憶部34aに書き込むとともに、当該RTP/UDP/IPヘッダに含まれるlengthフィールドをCONTEXT_IDおよびlink_seqを含む情報に置き換えたフルヘッダを生成し、当該フルヘッダと、IPパケット中のRTPペイロードとを含むフルヘッダパケットaを受信側ノード3bに対して送信する。
【0039】
次に、送信側データ端末1からIPパケットbを受信した場合、制御部33aは、当該IPパケットbをヘッダ圧縮パケットとして受信側ノード3bに送信する。詳述すると、制御部33aは、まず、当該IPパケットのRTP/UDP/IPヘッダを記憶部34aに書き込むとともに、当該RTP/UDP/IPヘッダ内の差分一定フィールドの値と、記憶部34aに記憶されているIPパケットaのRTP/UDP/IPヘッダの差分一定フィールドの値との差分値を演算する。そして、制御部33aは、当該差分値を含む圧縮ヘッダを生成し、この圧縮ヘッダと、IPパケットb内のRTPペイロードとを含むヘッダ圧縮パケットを、受信側ノード3bに対して送信する。
【0040】
続いて、送信側データ端末1からIPパケットcを受信すると、制御部33aは、当該IPパケット内のRTP/UDP/IPヘッダを記憶部34aに書き込むとともに、当該RTP/UDP/IPヘッダの差分一定フィールドの値と、記憶部34aに記憶されているIPパケットbのRTP/UDP/IPヘッダの差分一定フィールドの値との差分値を求め、当該差分値が、記憶部34aに記憶されている差分値(すなわちIPパケットbとIPパケットaとの間の差分値)と同一であるか否かを判定する。この結果、同一であると判定した場合には、受信側ノード3bに対して新たに差分値を通知する必要はないから、制御部33aは、差分値を含まない圧縮ヘッダを生成するとともに、当該圧縮ヘッダを含むヘッダ圧縮パケットcを受信側ノード3bに対して送信する。
これに対し、上記差分値が同一でないと判定した場合には、今回新たに求められた差分値を受信側ノード3bに対して通知すべく、当該差分値を含む圧縮ヘッダを生成するとともに、当該圧縮ヘッダとIPパケットc内のRTPペイロードとを含むヘッダ圧縮パケットを受信側ノード3bに対して送信する。さらに、制御部33aは、記憶部34aに既に記憶されている差分値(すなわち、IPパケットaとIPパケットbとの間の差分値)を、今回新たに得られた差分値に更新する。
【0041】
以後、送信側データ端末1からIPパケットd、eおよびfを受信した場合も、上記IPパケットcと同様の処理がなされ、差分値を含むヘッダ圧縮パケットまたは差分値を含まないヘッダ圧縮パケットが受信側ノード3bに送信される。
【0042】
ここで、図3に示す例においては、送信側データ端末1からIPパケットgを受信する直前に受信側ノード3bからのCONTEXT_STATEを受信した場合を想定している。この場合、送信側ノード3a内の制御部33aは、CONTEXT_STATEの受信直後に送信すべきIPパケットgを、フルヘッダパケットgとして送信する。以後同様に、送信側ノード3a内の制御部33aは、パケットh〜lについてはヘッダ圧縮パケットとして受信側ノードに送信する一方、CONTEXT_STATEの受信直後に送信すべきパケットmについてはフルヘッダパケットとして受信側ノード3bに送信する。
【0043】
一方、受信側ノード3b内の制御部33bは、フルヘッダパケットaを受信すると、これに含まれるフルヘッダからRTP/UDP/IPヘッダを復元し、これを含むIPパケットaを受信側データ端末2に送信するとともに、当該RTP/UDP/IPヘッダを記憶部34bに記憶する。次に、ヘッダ圧縮パケットbを受信すると、制御部33bは、記憶部34bに保持されたIPパケットaのRTP/UDP/IPヘッダの内容を参照してヘッダ圧縮パケットb内の圧縮ヘッダをRTP/UDP/IPヘッダに復元し、得られたIPパケットbを受信側データ端末2に送信する。
【0044】
ここで、図3においては、送信側ノード3aから送信されたヘッダ圧縮パケットcが何らかの理由により喪失された場合を例示している。この場合、受信側ノード3b内の制御部33bは、喪失したヘッダ圧縮パケットcの次のヘッダ圧縮パケットdを受信し、当該パケットd内のlink_seqがパケットb内のlink_seqから連続していないことによりパケットcが喪失されたことを検知する。パケットcの喪失が検知されると、制御部33bは、送信側ノード3aに対し、CONTEXT_STATEを送信するとともに、パケットの喪失から次のフルヘッダパケットを受信するまでの間に受信されるヘッダ圧縮パケットを記憶部34bに順次書き込む。図3に示す例では、パケットcの喪失が発生してからフルヘッダパケットgを受信するまでの間に、ヘッダ圧縮パケットd〜fが受信され、これらのヘッダ圧縮パケットが順次記憶部34bに書込まれることとなる。
【0045】
次に、受信側ノード3b内の制御部33bは、CONTEXT_STATEに応じて送信側ノード3aから送信されたフルヘッダパケットgを受信する。ここで、本実施形態における制御部33bは、このフルヘッダパケットg内の差分一定フィールドの値から、差分値Δを順次減じることによって、パケットd〜fのヘッダ内の差分一定フィールドを復元するようになっている。具体的には、図3に示すように、フルヘッダパケットg内の差分一定フィールドの値から差分値Δを減じることにより、パケットf内の差分一定フィールドの内容を復元し、こうして復元されたパケットf内の差分一定フィールドの値から差分値Δを減じることにより、パケットe内の差分一定フィールドの内容を復元する、といった具合である。さらに、本実施形態においては、記憶部34bに記憶されたIPパケットbのRTP/UDP/IPヘッダの内容に基づいて、パケットd〜f内の一定値フィールドの内容も復元されるようになっている。こうして、パケットd〜f内のRTP/UDP/IPヘッダの内容が復元されるのである。以下、図4に示すフローチャートを参照して、上記圧縮ヘッダの復元のために受信側ノード3b内の制御部33bが実行する処理の詳細について説明する。
【0046】
まず、受信側ノード3b内の制御部33bは、link_seqの欠番によってパケットcの喪失を検知すると、レジスタNに「0」をセットする(ステップS1)。続いて、レジスタNの内容を「1」だけインクリメントする(ステップS3)。
【0047】
次に、ヘッダ圧縮パケットdから復元されるべきRTP/UDP/IPヘッダのうち、一定値フィールド、length値、UDPチェックサムおよびマーカビットを復元する。具体的には、記憶部34bに記憶されたIPパケットbのRTP/UDP/IPヘッダを読み出し、当該ヘッダに含まれる一定値フィールドをパケットdのRTP/UDP/IPヘッダの一定値フィールドとする。なお、UDPチェックサムおよびマーカビットは、図11(b)に示すように、圧縮ヘッダ内に含まれるものである。また、length値は、下位レイヤのヘッダに含まれる情報によって取得することができる。さらに、制御部33bは、パケットdに新たな差分値が含まれている場合(図11(b)に示す破線部分が含まれている場合)には当該差分値を抽出する(ステップS4)。
【0048】
続いて、ステップS4において部分的(一定値フィールド等について)に復元されたRTP/UDP/IPヘッダと、ヘッダ圧縮パケットdに含まれるRTPペイロードの内容をデータIP(1)として記憶部34bに記憶するとともに、当該時点におけるIPヘッダのIDの差分値、RTPヘッダ内のシーケンス番号の差分値、およびタイムスタンプの差分値を、それぞれΔIP_ID(1)、ΔRTP_SN(1)およびΔRTP_TS(1)として記憶部34bに書き込む(ステップS5)。なお、当該時点における各情報(ID、シーケンス番号およびタイムスタンプ)の差分値とは、パケットdに新たな差分値が付加されている場合には当該差分値であり、含まれていない場合にはその時点において記憶部34bに保持されている差分値である。
【0049】
以後、フルヘッダパケットgが受信されるまでの間に受信されるヘッダ圧縮パケットeおよびf(n=2〜3)についても、ステップS2〜S5の処理が同様に行われる。
【0050】
次に、フルヘッダパケットgを受信すると、これに含まれるフルヘッダから取得されるRTP/UDP/IPヘッダを、IP(4)として記憶部34bに記憶する(ステップS6)。続いて、パケットfとフルヘッダパケットgとの間で差分値に変更がないものとみなし、パケットeとパケットfとの間のID、SNおよびTSについての差分値、すなわち、ΔIP_ID(3)、ΔRTP_SN(3)、ΔRTP_TS(3)を、パケットfとフルヘッダパケットgとの間のIP、SNおよびTSについての差分値、すなわち、ΔIP_ID(4)、ΔRTP_SN(4)およびΔRTP_TS(4)とする(ステップS7)。つまり、
ΔIP_ID(4)=ΔIP_ID(3)
ΔRTP_SN(4)=ΔRTP_SN(3)
ΔRTP_TS(4)=ΔRTP_SN(3)
とする。
【0051】
次に、フルヘッダパケットgの各差分一定フィールドの内容から、パケットfとgとの間の差分値とみなされた数値、すなわち、上述したΔIP_ID(4)、ΔRTP_SN(4)およびΔRTP_TS(4)を減じることにより、パケットfの差分一定フィールドの内容を復元する(ステップS8)。具体的には、パケットfについて、復元対象となるIPヘッダ内のID、RTPヘッダ内のシーケンス番号(SN)、およびRTPヘッダ内のタイムスタンプ(TS)の値を、それぞれIP(3).IP_ID、IP(3).RTP_SN、およびIP(3).RTP_TSとし、フルヘッダパケットgについて、IPヘッダ内のID、RTPヘッダ内のシーケンス番号、およびRTPヘッダ内のタイムスタンプの値を、それぞれIP(4).IP_ID、IP(4).RTP_SN、およびIP(4).RTP_TSとすると、以下の演算によりパケットfの差分一定フィールドの内容が復元できる。
IP(3).IP_ID=IP(4).IP_ID−ΔIP_ID(4)
IP(3).RTP_SN=IP(4).RTP_SN−ΔRTP_SN(4)
IP(3).RTP_TS=IP(4).RTP_TS−ΔRTP_TS(4)
【0052】
こうしてパケットfのRTP/UDP/IPヘッダが復元されると、制御部33bは、パケットfに含まれていたUDPチェックサムを用い、正しく復元されたか否かを判定する(ステップS9)。この結果、正しく復元されたと判定される場合には、レジスタNの値を「1」だけデクリメントした後(ステップS10)、パケットeおよびdについても同様に、ステップS8およびS9の処理を実行する。
【0053】
一方、ステップS9において、正しく復元できていないと判定される場合には、それよりも前に受信されたパケットについても正しく復元することはできないから、その時点で処理を止めてステップS11に移行する。また、ステップS10において、Nの値を「1」だけデクリメントした結果、Nの値が「0」となった場合には(ステップS12)、復元対象となる全てのパケットの復元が終了したことを意味するから、ステップS11に移行する。
【0054】
制御部33bは、ステップS11において、正しく復元できた各パケットを、当該各パケットに含まれるRTPヘッダ内のシーケンス番号の順に、順次受信側データ端末2に送信する。なお、正しく復元できなかったパケットについては破棄される。
以上が本実施形態における動作である。
【0055】
上述したように、本実施形態に係るパケット伝送方法によれば、パケット喪失が発生した後に受信されるヘッダ圧縮パケットを保持しておき、次に受信したフルヘッダパケットの内容に基づいてこれらのパケットのヘッダを復元するようになっている。ここで、上記従来の技術において示した各方法においては、パケットの喪失が発生した後、次のフルヘッダパケットが受信されるまでの間においては、各パケットが適切に受信されているにもかかわらず破棄しなければならないという問題があった。これに対し、本実施形態においては、パケットの喪失から次のフルヘッダパケット受信までの間に受信されたパケットを有効に利用することができる。従って、パケットの喪失によって、受信側データ端末におけるデータの再生等に与えられる影響を、従来の技術と比較して小さくすることができるという利点がある。
【0056】
A−3:第1実施形態の変形例
上記第1実施形態においては、パケットcの喪失が発生してから次のフルヘッダパケットgが受信されるまでの間に受信されたパケットd〜fの一定値フィールドを、当該パケットcの喪失よりも前に受信されたIPパケットbのRTP/UDP/IPヘッダの内容に従って復元するようにしたが、これに限らず、例えば、これらのパケットd〜fの一定値フィールドを、新たに受信されたフルヘッダパケットgの内容に基づいて復元するようにしてもよい。図5は、本変形例におけるパケット復元のための動作を表すフローチャートである。なお、同図に示すフローチャートは、復元対象となるパケット内の一定値フィールドを、これらの各パケットの受信後に受信されたフルヘッダパケットgの内容に基づいて復元する点を除いて前掲図4に示したものと同様であるため、以下では、図4と比較して異なる点についてのみ説明する。
【0057】
まず、上記第1実施形態においては、ステップS4において、パケットの喪失後に受信されたヘッダ圧縮パケット内の一定値フィールドの情報を、既に受信され記憶部34bに保持されているIPパケットbのRTP/UDP/IPヘッダの一定値フィールドを用いて復元するようにしたが、本変形例においては、ステップS4’においては一定値フィールドの復元は行わず、length値、UDPチェックサムおよびマーカビットMのみを復元するようになっている。従って、続くステップS5において、IP(N)として記憶部34bに記憶されるのは、一定値フィールドおよび差分一定フィールドを含まないRTP/UDP/IPヘッダと、今回受信したヘッダ圧縮パケット内のRTPペイロードとを有するパケットである。
【0058】
一方、復元対象となるパケットの一定値フィールドは、ステップS8’において、当該パケットの次のフルヘッダパケットgの内容に基づいて復元される。すなわち、図5のステップS8’に下線を付して示すように、復元対象となるパケットの一定値フィールドを、当該パケットの直後に受信されたフルヘッダパケットに含まれる一定値フィールドの内容と同様の内容とみなすのである。例えば、図3に示した状況を例にとると、パケットfの一定値フィールドの内容を、当該パケットfの直後に受信されたフルヘッダパケットgの一定値フィールドと同一とみなすことにより、パケットfの一定値フィールドの内容を復元する。また、パケットeの一定値フィールドの内容を、こうして復元されたパケットfの一定値フィールドの内容と同一であるとみなすことにより、パケットeの一定値フィールドの内容を復元するようになっている。
【0059】
本変形例にあっても、最終的にはUDPチェックサムにより正確に復元されたか否かが判定され、正確に復元されたパケットのみが受信側データ端末に送信されることとなる。本変形例によっても上記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0060】
B:第2実施形態
B−1:第2実施形態の構成
上記各実施形態においては、ネットワーク3内の受信側ノード3bにおいて、パケットの喪失が発生した後に受信したヘッダ圧縮パケットを保持するとともに、当該パケット喪失後に受信したフルヘッダパケットの内容に基づいて、保持したヘッダ圧縮パケットの内容を復元するようにした。しかしながら、上記各実施形態においては、パケットの喪失後に受信したフルヘッダパケットの差分一定フィールドと、当該フルヘッダパケットの直前に受信したヘッダ圧縮パケットの差分一定フィールドとの差分値に変更がないものと仮定して上記復元を行うようにしたため(図4中のステップS7)、この差分値に変更があった場合には、保持されたヘッダ圧縮パケットの内容を正しく復元できないという問題が発生し得る。本実施形態は、このような問題を解決可能なパケット中継方法に係るものである。
【0061】
本実施形態に係る通信システムの構成、ならびに送信側ノード3aおよび受信側ノード3bの構成は、前掲図1および図2に示したものと同様となる。ただし、上記実施形態における送信側ノード3aから受信側ノード3bへの送信対象がフルヘッダパケットまたはヘッダ圧縮パケットであったのに対し、本実施形態における送信側ノード3aは、これらのパケットに加え、所定の場合には差分値を含むフルヘッダパケットを送信対象とする点で異なっている。具体的には、本実施形態における送信側ノード3aは、送信側データ端末1から受信したIPパケットをフルヘッダパケットとして送信すべき場合であって、かつ、当該IPパケットの差分一定フィールドと、その直前に受信したIPパケットの差分一定フィールドとの差分値が、記憶部34aに記憶された差分値と異なっている場合(すなわち、差分値に変更があった場合)には、当該新たな差分値を含むフルヘッダパケットを受信側ノード3bに対して送信するようになっている。
【0062】
ここで、図6(a)は、差分値が付加されたフルヘッダパケットの内容を模式的に表す図である。同図に破線で示すように、このフルヘッダパケットには、RTP/UDP/IPヘッダ内の差分一定フィールド(すなわち、IPヘッダ内のID、ならびにRTPヘッダ内のシーケンス番号およびタイムスタンプ)のうちの差分値に変更があったものについて、当該変更後の差分値が含まれることとなる。また、上記各実施形態と同様に、フルヘッダパケット内のフルヘッダは、IPヘッダおよびUDPヘッダ内のlength(図6(a)において斜線を付した部分)をCONTEXT_IDおよびlink_seqに置き換えたものであるが、差分値を付加した場合のフルヘッダパケットにおいては、図6(b)および(c)に示すように、CONTEXT_IDおよびlink_seqに加え、フラグS、TおよびIが含まれることとなる。これらの各フラグは、差分値に変更があった差分一定フィールドを示す情報である。例えば、RTPヘッダ内のシーケンス番号の差分値に変更があった場合、図6(a)に破線で示すように当該変更後の差分値ΔRTP_SNがヘッダに付加されるとともに、フラグSに「1」がセットされるのである。また、IPヘッダ内のIDの差分値に変更があった場合、当該変更後の差分値ΔIP_IDがヘッダに付加されるとともに、フラグIに「1」がセットされる。同様に、RTPヘッダ内のタイムスタンプの差分値に変更があった場合には、変更後の差分値ΔRTP_TSがヘッダに付加されるとともに、フラグTに「1」がセットされる。受信側ノード3bは、差分値が付加されたフルヘッダパケットを受信すると、上記フラグを参照することにより変更があった差分一定フィールド(ID、シーケンス番号、タイムスタンプのいずれであるか)を検知するとともに、当該差分一定フィールドの変更後の差分値を取得することができるのである。
【0063】
B−2:第2実施形態の動作
次に、図7を参照して、本実施形態の動作を説明する。なお、以下では、上記第1実施形態と同様に、送信側ノード3aが、受信側ノード3bからCONTEXT_STATEを受信することを契機として、IPパケットをフルヘッダパケットとして受信側ノード3bに送信する場合を例示する。
【0064】
まず、送信側データ端末1からIPパケットa乃至fを順次受信すると、送信側ノード3a内の制御部33aは、最初のIPパケットaについてはフルヘッダパケットとして受信側ノード3bに送信する一方、IPパケットb乃至cについてはヘッダ圧縮パケットとして受信側ノード3bに送信する。なお、この動作は、上記第1実施形態で示したものと同様であるため、その詳細な説明を省略する。
【0065】
ここで、図7においては、送信側ノード3a内の制御部33aが、送信側データ端末1からIPパケットgを受信する直前に、受信側ノード3bからCONTEXT_STATEを受信した場合を想定している。この場合、制御部33aは、当該CONTEXT_STATEの受信直後に送信側データ端末1から受信したIPパケットgを、差分値を含まないフルヘッダパケットまたは差分値が付加されたフルヘッダパケットとして受信側ノード3bに送信する。具体的には、以下の通りである。
【0066】
まず、制御部33aは、今回受信したIPパケットgに含まれるRTP/UDP/IPヘッダを記憶部34aに書き込むとともに、当該RTP/UDP/IPヘッダの差分一定フィールドの値と、記憶部34aに記憶されているRTP/UDP/IPヘッダ(IPパケットfに含まれていたもの)の差分一定フィールドの値との差分値を求める。続いて、制御部33aは、得られた差分値が、記憶部34aに記憶された差分値と同一であるか否かを判定する。この結果、記憶部34aに記憶された差分値と同一であると判定した場合には、当該差分値は既に受信側ノード3bに通知されているから、今回得られた差分値を受信側ノード3bに改めて通知する必要はない。従って、制御部33aは、IPパケットgのRTP/UDP/IPヘッダ内のlengthをCONTEXT_ID(上記フルヘッダパケットaに含ませたCONTEXT_IDとは異なるもの)およびlink_seqを含む情報に置き換えたフルヘッダを生成し、当該フルヘッダとIPパケットg内のRTPペイロードとを含むフルヘッダパケットgを受信側ノード3aに対して送信する。
【0067】
これに対し、上記判定において記憶部34aに記憶された差分値と同一でないと判定した場合、制御部33aは、今回得られた差分値を受信側ノード3bに対して通知すべく、当該差分値を含むフルヘッダパケットを受信側ノード3bに対して送信する。詳述すると、制御部33aは、まず、IPパケットgのRTP/UDP/IPヘッダ内のlengthを、CONTEXT_IDおよびlink_seq、ならびに変更があった差分一定フィールドに対応して「1」がセットされたフラグ(図6(c)参照)を含むデータに置き換えるとともに、上記変更後の新たな差分値(図6(a)に破線で示す部分)を含むフルヘッダを生成する。そして、制御部33aは、このフルヘッダと、IPパケットg内のRTPペイロードとを含むフルヘッダパケットgを、受信側ノード3bに対して送信するのである。なお、図7においては、IPパケットfとIPパケットgとの間の差分一定フィールドの差分値に変更があり、当該IPパケットgが差分値を含むフルヘッダパケットgとして送信された場合を例示している。
【0068】
送信側データ端末1から以後のIPパケットh乃至nを受信した場合にも上記と同様の処理がなされ、差分値を含まないヘッダ圧縮パケットまたはフルヘッダパケット、もしくは差分値を含むヘッダ圧縮パケットまたはフルヘッダパケットのいずれかが、適宜送信側ノード3aから受信側ノード3bに対して送信される。
【0069】
次に、受信側ノード3bの制御部33bが、上記のようにして送信側ノード3aから送信されたパケットを受信した場合の動作を説明する。
まず、送信側ノードから送信されたフルヘッダパケットaを受信すると、受信側ノード3b内の制御部は、当該フルヘッダパケットa内のフルヘッダに含まれるCONTEXT_IDおよびlink_seq等を抽出して記憶部34bに書き込むとともに、フルヘッダ中のこれらの情報を、下位レイヤの内容に基づいて得られるlengthに置き換えて、RTP/UDP/IPヘッダを復元する。そして、このRTP/UDP/IPヘッダを、先に書込んだCONTEXT_IDおよびlink_seqに対応付けて記憶部34bに書き込むとともに、当該RTP/UDP/IPヘッダを含むIPパケットaを受信側データ端末2に対して送信する。
【0070】
次に、送信側ノード3aから送信されたヘッダ圧縮パケットbを受信すると、受信側ノード3b内の制御部33bは、当該ヘッダ圧縮パケットbに含まれる差分値を記憶部34bに書き込む。さらに、制御部33bは、当該圧縮ヘッダに含まれるCONTEXT_IDと同一のCONTEXT_IDを記憶部34bから検索し、検索されたCONTEXT_IDに対応付けられたRTP/UDP/IPヘッダ(この場合にはIPパケットaのRTP/UDP/IPヘッダ)を読み出す。そして、読み出したRTP/UDP/IPヘッダの差分一定フィールドに、今回取得した差分値を加算して得られる差分一定フィールドと、IPパケットaのRTP/UDP/IPヘッダ内の一定値フィールドとを含むRTP/UDP/IPヘッダを生成する。さらに、制御部33bは、記憶部34bに既に記憶されているIPパケットaのRTP/UDP/IPヘッダを、今回新たに得られたRTP/UDP/IPヘッダに更新するとともに、当該RTP/UDP/IPヘッダを含むIPパケットbを、受信側データ端末2に対して送信する。
【0071】
ここで、図7においては、送信側ノード3aから送信されたヘッダ圧縮パケットcが何らかの理由により喪失された場合を例示している。この場合、受信側ノード3bの制御部33bは、ヘッダ圧縮パケットd内のlink_seqがパケットb内のlink_seqから連続していないことによってヘッダ圧縮パケットcが喪失されたことを検知する。以下、図8に示すフローチャートを参照して、かかるパケットの喪失が検知された場合に制御部33bによって実行される動作について説明する。
【0072】
まず、受信側ノード3b内の制御部33bは、レジスタnに「0」をセットするとともに(ステップS21)、直前に受信したパケット(すなわち、喪失されたパケットの次のパケット)がヘッダ圧縮パケットであるか否かを判定する(ステップS22)。図7に示す例では、パケット喪失直後に受信したのはヘッダ圧縮パケットdであるから、この判定の結果は「Yes」となる。次に、制御部33bは、このヘッダ圧縮パケットについて、一定値フィールド、length値、UDPチェックサムおよびマーカビット(Mbit)を復元し、復元された情報と今回受信したヘッダ圧縮パケット内のRTPペイロードとをIP(n)として記憶部34bに記憶する(ステップS23)。すなわち、ヘッダ圧縮パケットdから復元されるべきIPパケットd内の差分一定フィールド以外のフィールドが復元され、IP(0)として記憶部34bに記憶されることとなる。なお、この復元動作は、上記第1実施形態に示したものと同様にして行うことができる。
【0073】
続いて、制御部33bは、当該時点における差分一定フィールドの差分値、すなわち、IPヘッダのIDの差分値、RTPヘッダのシーケンス番号の差分値、およびRTPヘッダのタイムスタンプの差分値を、それぞれΔIP_ID(n)、ΔRTP_SN(n)、およびΔRTP_TS(n)として(以下、これらをまとめて「Δ(n)」と表記する)、記憶部34bに記憶する(ステップS24)。なお、当該時点における差分値とは、今回受信したヘッダ圧縮パケットに新たな差分値が付加されている場合には当該差分値であり、含まれていない場合には当該時点において記憶部34bに記憶されている差分値である。
【0074】
続いて、制御部33bは、次のパケットを受信するまで待機し、当該次のパケットを受信すると(ステップS25)、レジスタnの値を「1」だけインクリメントする(ステップS26)。以後、上記のステップS22〜S26に示した動作がヘッダ圧縮パケットeおよびfについても実行され、この結果、ヘッダ圧縮パケットd〜fについては、図9に例示する各情報(すなわち、IP(n)およびΔ(n))が記憶部34bに記憶される。
【0075】
一方、ステップS25においてフルヘッダパケットを受信すると、続くステップS22における判定結果が「No」となってステップS27に進む。すなわち、制御部33bは、受信したフルヘッダパケットg内のフルヘッダに含まれるCONTEXT_IDおよびlink_seq等をlengthに置き換えたRTP/UDP/IPヘッダを生成し、当該RTP/UDP/IPヘッダと今回受け取ったフルヘッダパケットのRTPペイロードとからなるIPパケットを生成する。そして、得られたIPパケットを、IP(3)として記憶部34bに記憶する(ステップS27)。ここで、図9に示すように、すなわちフルヘッダパケットから得られたIPパケット(IP(3))のRTP/UDP/IPヘッダには、差分一定フィールド(すなわち、ID、シーケンス番号およびタイムスタンプ)の値も含まれる。
【0076】
続いて制御部33bは、当該フルヘッダパケットとその前に受信されたヘッダ圧縮パケットとの間の各差分一定フィールドの差分値をΔ(n)として記憶部34bに記憶する。図7の場合を例にとれば、以下の通りである。まず、制御部33bは、今回受信したフルヘッダパケットgに新たな差分値(図6(a)において破線で示された部分)が付加されているか否かを判定する(ステップS28)。この結果、差分一定フィールドのいずれかについての差分値が付加されていると判定すると、当該差分一定フィールドについては新たな差分値を、他の差分一定フィールドについては、当該時点において記憶部34bに記憶された差分値を、それぞれΔ(3)として記憶部34bに記憶する(ステップS29)。これに対し、今回受信したフルヘッダパケットgに新たな差分値が付加されていない場合には、当該時点において記憶部34bに記憶されている差分値を、Δ(3)として記憶部34bに記憶する(ステップS30)。
【0077】
以上示した動作の結果、パケットd乃至gについて、図9に示す情報が記憶部34bに記憶されることとなる。なお、この時点において、IP(3)として記憶されたIPパケットgには差分一定フィールドの値も含まれているものの、パケットd乃至fの差分一定フィールドはIP(0)〜IP(2)には含まれていない。従って、以後、これらのパケットd乃至f(すなわち、ヘッダ圧縮パケットとして受信されたパケット)のRTP/UDP/IPヘッダに含ませるべき差分一定フィールドの値を復元するための動作が実行される。
【0078】
まず、制御部33bは、レジスタnの値を「1」だけデクリメントするとともに(ステップS32)、フルヘッダパケットから復元されたRTP/UDP/IPヘッダ中の差分一定フィールドの値から、上記のようにして得られた差分値を減算することにより、当該フルヘッダパケットの直前に受信したヘッダ圧縮パケットの差分一定フィールドを復元する(ステップS33)。図7に例示した場合にあっては、フルヘッダパケットgの内容に基づいて記憶されたIP(3)に含まれる差分一定フィールドの各値から、Δ(3)として記憶された各差分一定フィールドの差分値を減算することにより、ヘッダ圧縮パケットfの差分一定フィールドを復元する。具体的には、IP(3)に含まれるIDの値をIP(3).IP_ID、IP(3)に含まれるシーケンス番号の値をIP(3).RTP_SN、IP(3)に含まれるタイムスタンプの値をIP(3).RTP_TSとすると、ヘッダ圧縮パケットfの差分一定フィールドIP(2).IP_ID、IP(2).RTP_SN、IP(2).RTP_TSの値は、
IP(2).IP_ID=IP(3).IP_ID−ΔIP_ID(3)
IP(2).RTP_SN=IP(3).RTP_SN−ΔRTP_SN(3)
IP(2).RTP_TS=IP(3).RTP_TS−ΔRTP_TS(3)
なる演算によって得られる(図9参照)。
【0079】
こうして差分一定フィールドの値を復元すると、制御部33bは、当該差分一定フィールドと、IP(2)として記憶部34bに記憶されている差分一定フィールド以外の部分とを合わせてIPパケットfを生成する。この後、制御部34bは、当該IPパケットfに含まれるUDPチェックサムを用い、正しく復元されたか否かを判定する(ステップS34)。この結果、正しく復元されていると判定した場合、制御部33bは、当該IPパケットfを記憶部34bに記憶する(ステップS35)。以後、制御部33bは、他のヘッダ圧縮パケットeおよびdの差分一定フィールドを復元するための動作、すなわち、上述したステップS32〜S35に示したのと同様の動作を繰り返す。
【0080】
ここで、ステップS31において、レジスタnの値が「0」となった場合には、保持されたすべてのヘッダ圧縮パケットの復元が終了したことを意味しているから、それまでに記憶部34bに記憶されたIPパケット(フルヘッダパケットから得られたIPパケットも含む)を、RTPヘッダ中のシーケンス番号の順番に、受信側データ端末2に対して順次送信する(ステップS37)。
【0081】
一方、ステップS34において、正しく復元できていないと判定される場合には、それよりも前に受信されたヘッダ圧縮パケットについても正しく復元することはできないから、復元が失敗したパケットを破棄するとともに(ステップS36)、それ以前に復元が完了しているIPパケットを受信側データ端末2に対して送信する(ステップS37)。
以上が本実施形態の動作である。
【0082】
このように、本実施形態によれば、差分値の変更があった場合には、ヘッダ圧縮パケットのみならずフルヘッダパケットについても当該差分値を付加して送信するようになっている。従って、フルヘッダパケットとして送信すべきIPパケットとその直前のIPパケットとの間で差分値に変更があった場合であっても、受信側ノード3bにおいては正確にヘッダ圧縮パケットの内容を復元することができる。
【0083】
C:第3実施形態
上記各実施形態においては、パケットの喪失直後に受信したフルヘッダパケット内の差分一定フィールドの値から、パケット喪失後に保持したヘッダ圧縮パケットに関する差分値を順次減算することによって、保持したヘッダ圧縮パケットをIPパケットに復元するようにした。しかしながら、パケット喪失後に受信したフルヘッダパケットに基づいて、保持したヘッダ圧縮パケットを復元するための方法は、これに限られるものではない。以下に示す本実施形態は、かかる方法の一例に関するものである。なお、以下では、本実施形態のうち、上記各実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0084】
上記各実施形態における送信側ノード3aは、IPパケット中の差分一定フィールドの差分値に変更があった場合、ヘッダ圧縮パケットの圧縮ヘッダ中に当該変更後の差分値を含ませるようにした。これに対し、本実施形態においては、この差分値に代えて、各差分一定フィールドの値を表すビット列のうちの下位の数ビット(以下、「下位ビット列LSB」という)を、ヘッダ圧縮パケット中の圧縮ヘッダに含ませるようになっている。
【0085】
すなわち、送信側ノード3aは、送信側データ端末1からヘッダ圧縮パケットとして送信すべきIPパケットを受信すると、当該IPパケット内の差分一定フィールドの値と、記憶部34aに記憶されているIPパケット(その直前に受信したIPパケット)内の各差分一定フィールドの値との差分値を求め、記憶部に記憶されている差分値と比較する。この結果、いずれかの差分一定フィールドの差分値に変更があったと判定すると、送信側ノード3a内の制御部33aは、今回受信したIPパケット中の変更があった差分一定フィールドを表すビット列から下位ビット列LSBを抽出する。そして、この下位ビット列LSBと、変更があった差分一定フィールドに応じて「1」がセットされたフラグ(図11(b)におけるフラグS、TおよびIに相当する)とを含む圧縮ヘッダを生成し、この圧縮ヘッダを含むヘッダ圧縮パケットを受信側ノード3bに対して送信するのである。一方、上記差分値の比較の結果、双方の差分値が同一である場合には、今回受信したIPパケットを圧縮したヘッダ圧縮パケット中には、下位ビット列LSBは含ませない。
【0086】
ところで、上記下位ビット列LSBを、差分一定フィールドを表すビット列のうちの下位何ビットに設定するかは、送信対象となるデータや、差分一定フィールド(ID、シーケンス番号およびタイムスタンプ)ごとの性質等に応じて適宜選定される。例えば、差分一定フィールドを表すビット列のうち、変更が生じないと予想される上位数ビットを除いたビット列を、下位ビット列LSBとすることが考えられる。
【0087】
次に、図10を参照して、本実施形態の動作を説明する。なお、実際には、上記第1実施形態等にも示したように、差分一定フィールドにはIPヘッダ中のIDや、RTPヘッダ中のシーケンス番号およびタイムスタンプ等が含まれるが、以下では、簡単のため、これらを総称して単に「差分一定フィールド」と呼ぶこととする。
【0088】
まず、送信側ノード3aは、送信側データ端末1から最初に受信したIPパケットaをフルヘッダパケットとして、以後受信したIPパケットb乃至fをヘッダ圧縮パケットとして受信側ノード3bに送信する。さらに、図10においては、IPパケットgを受信する直前に、受信側ノード3bからCONTEXT_STATEを受信した場合を想定しているので、送信側ノード3aは、IPパケットgについてはフルヘッダパケットとして受信側ノード3bに送信する。ここで、上述したように、ヘッダ圧縮パケット中の圧縮ヘッダには、差分一定フィールドの差分値に変更があったものについてのみ下位ビット列LSBが含まれることとなる。図10においては、ヘッダ圧縮パケットb、dおよびfには下位ビット列LSBb、LSBdおよびLSBfがそれぞれ含まれる一方、ヘッダ圧縮パケットeには下位ビット列LSBが含まれない場合を想定している。
【0089】
一方、受信側ノード3b内の制御部33bは、送信側ノード3aから最初に受信したフルヘッダパケットaからIPパケットaを復元して記憶部34bに格納するとともに、このIPパケットaを受信側データ端末2に送信する。続いて制御部33bは、次に受信したヘッダ圧縮パケットbを、IPパケットaを用いて復元する。具体的には、図10に示すように、記憶部34bに格納されたIPパケットaのうちの差分一定フィールドを読み出し、この差分一定フィールドを表すビット列のうちの下位ビット列LSBaを、ヘッダ圧縮パケットbに含まれる下位ビット列LSBbに置換することによってヘッダ圧縮パケットbの差分一定フィールドを復元する(図10中の▲1▼)。そして、制御部33bは、この差分一定フィールドを含むIPパケットbを生成して記憶部34bに格納するとともに、このIPパケットbを受信側データ端末2に送信するのである。
【0090】
ここで、図10においては、送信側ノード3aから送信されたヘッダ圧縮パケットcが、受信側ノード3bによって受信される前に、何らかの原因によって喪失された場合を想定している。受信側ノード3b内の制御部33bは、ヘッダ圧縮パケットbの次にヘッダ圧縮パケットdを受信したことによってヘッダ圧縮パケットcが喪失されたことを検知すると、送信側ノード3aに対してCONTEXT_STATEを送信する。
【0091】
さらに、制御部33bは、パケットcの喪失後、次にフルヘッダパケットgを受信するまでに受信したヘッダ圧縮パケットd乃至fを記憶部34bに順次格納する。具体的には、下位ビット列LSBを含むヘッダ圧縮パケットを受信した場合には、当該ヘッダ圧縮パケットをそのまま記憶部34bに格納する。一方、下位ビット列LSBを含まないヘッダ圧縮パケットを受信した場合には、当該ヘッダ圧縮パケットに対して、その直前に受信した、下位ビット列LSBを含むヘッダ圧縮パケットのLSBを付加して記憶部34bに格納する。例えば、図10に示す例においては、ヘッダ圧縮パケットeは下位ビット列LSBを含まないので、その直前に受信した下位ビット列を含むヘッダ圧縮パケットdの当該下位ビット列LSBdが、下位ビット列LSBeとして、ヘッダ圧縮パケットeとともに記憶部34bに格納されることとなる。
【0092】
次に、先に送信したCONTEXT_STATEに応じて送信側ノード3aから送信されたフルヘッダパケットgを受信すると、制御部33bは、このフルヘッダパケットgの内容に基づいて、記憶部34bに保持されたヘッダ圧縮パケットd乃至fをIPパケットに復元するための処理を実行する。以下、この復元処理について詳述する。
【0093】
まず、制御部33bは、フルヘッダパケットgをIPパケットgに復元して記憶部34bに格納するとともに、当該IPパケットgを受信側データ端末2に送信する。なお、図10においては、当該IPパケットg中の差分一定フィールドを表すビット列のうち、下位ビット列を「LSBg」、それ以外のビットを「G」によってそれぞれ表記している。
【0094】
次に、制御部33bは、記憶部34bに格納されたIPパケットg内の差分一定フィールドを読み出し、当該差分一定フィールドを表すビット列のうちの下位ビット列LSBgを、記憶部34bに格納されたヘッダ圧縮パケットfの下位ビット列LSBfに置き換え、ヘッダ圧縮パケットfの差分一定フィールドを復元する(図10中の▲2▼)。そして、制御部33bは、この差分一定フィールドと、IPパケットgの一定値フィールドとを含むIPパケットfを生成するとともに、ヘッダ圧縮パケットf中に含まれていたチェックサムを用いて正しく復元できたか否かを判定する。
【0095】
IPパケットfが正しく復元できた場合には、このIPパケットfを用いてヘッダ圧縮パケットeが復元される。すなわち、制御部33bは、IPパケットfの差分一定フィールドのうちの下位ビット列LSBfを、記憶部34bに格納されたヘッダ圧縮パケットeの下位ビット列LSBe(LSBdと同一の内容である)に置き換えて、ヘッダ圧縮パケットeの差分一定フィールドを復元する(図10中の▲3▼)。一方、IPパケットfが正しく復元できなかった場合には、フルヘッダパケットとして受信・復元されたIPパケットgを用いてヘッダ圧縮パケットeが復元される。すなわち、制御部33bは、IPパケットgの差分一定フィールドのうちの下位ビット列LSBgを、記憶部34bに格納されたヘッダ圧縮パケットeに対応する下位ビット列LSBeに置き換えて、ヘッダ圧縮パケットeの差分一定フィールドを復元する。
【0096】
こうして、IPパケットfまたはgのいずれかの内容に基づいて、ヘッダ圧縮パケットeについての差分一定フィールドを復元すると、制御部33bは、この差分一定フィールドと、IPパケットfまたはg内の一定値フィールドとを含むIPパケットeを生成するとともに、ヘッダ圧縮パケットeに含まれていたチェックサムを用いて正しく復元できたか否かを判定する。
【0097】
以後、制御部33bは、パケットcの喪失後、フルヘッダパケットgの受信までの間に受信したすべてのヘッダ圧縮パケットについて同様の処理を行う。そして、すべてのヘッダ圧縮パケットについて処理を終了すると、正しく復元できたIPパケットのみを、各々のRTPヘッダ中に含まれるシーケンス番号の順に、順次受信側データ端末2に送信する。一方、正しく復元できなかったパケットは破棄する。
【0098】
このように、本実施形態においても、上記各実施形態と同様に、パケット喪失後に受信されたヘッダ圧縮パケットが、当該パケット喪失直後に受信されたフルヘッダパケットに基づいて順次復元されるようになっているため、上記各実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、本実施形態においては、あるヘッダ圧縮パケットの復元に際し、パケット喪失直後に受信したフルヘッダパケット、または当該ヘッダ圧縮パケットの直前に復元されたIPパケットのうちのいずれかを用いることができる。例えば、図10においては、ヘッダ圧縮パケットdの復元に際してフルヘッダパケットgを復元したIPパケットg、またはヘッダ圧縮パケットeを復元したIPパケットeのうちのいずれかを用いることができる。従って、復元対象となるヘッダ圧縮パケットdの直前の復元対象であるヘッダ圧縮パケットeが正しく復元されなかった場合であっても、IPパケットgの内容に基づいてヘッダ圧縮パケットdを復元することができるのである。従って、本実施形態によれば、上記各実施形態と比較して復元の効率を向上させることができるという利点がある。
【0099】
上記各実施形態に示したように、本発明においては、パケット喪失後に受信・保持したヘッダ圧縮パケットの内容を、当該パケット喪失直後に受信したフルヘッダパケットの内容に基づいて復元するものであればよい。すなわち、パケット喪失直後に受信したフルヘッダパケットを用いて、それ以前のヘッダ圧縮パケットを復元する方法は、上記各実施形態に示した方法に限られるものではなく、他の種々の方法をも用いることができるのである。
【0100】
D:第4実施形態
上記各実施形態においては、送信側ノード3aがIPパケットをヘッダ圧縮パケットまたはフルヘッダパケットに変換する機能(以下、「圧縮機能」という)を有する一方、受信側ノード3bがヘッダ圧縮パケットまたはフルヘッダパケットをIPパケットに変換する機能(以下、「復元機能」という)を有するようにした。これに対し、本実施形態においては、図1に示す送信側データ端末および受信側ノード3bが圧縮機能を有し、送信側ノード3aおよび受信側データ端末2が復元機能を有するようになっている。
【0101】
具体的には、送信側データ端末1は、送信対象となるIPパケットを順次生成し、最初のIPパケットおよび送信側ノード3aからCONTEXT_STATEを受信した直後に送信すべきIPパケットについては、フルヘッダパケットとして送信側ノード3aに送信する一方、その他のIPパケットについては、ヘッダ圧縮パケットとして送信側ノード3aに送信する。
【0102】
一方、送信側ノード3aは、上記第1実施形態における受信側ノード3bと同様の動作を行うことにより、送信側データ端末1から送信されたフルヘッダパケットまたはヘッダ圧縮パケットをIPパケットに復元し、受信側ノード3bに送信する。受信側ノード3bは、これらのIPパケットを受信し、フルヘッダパケットまたはヘッダ圧縮パケットに変換して受信側データ端末に送信する。
【0103】
一方、受信側データ端末2は、受信側ノード3bから受信したフルヘッダパケットまたはヘッダ圧縮パケットをIPヘッダに変換する。ここで、受信側ノード3bと受信側データ端末2との間で生じたパケットの喪失を検知すると、受信側データ端末2は、当該パケットの喪失後、次にフルヘッダパケットが受信されるまでの間に受信されたヘッダ圧縮パケットを内部の記憶装置に記憶する。そして、当該パケットの喪失後にフルヘッダパケットを受信すると、当該フルヘッダパケット内のフルヘッダの内容に基づいて、上記記憶装置に記憶されたヘッダ圧縮パケット内の圧縮ヘッダを復元してIPパケットを生成するのである。この後、受信側データ端末2は、受信した各パケットに含まれるデータに従って画像の表示や音声の出力等の処理を行う。こうした場合にも、上記各実施形態と同様の効果が得られる。
【0104】
以上説明したように、パケットの喪失後、次にフルヘッダパケットを受信するまでに受信されたヘッダ圧縮パケットの圧縮ヘッダの内容を、当該フルヘッダパケット内のフルヘッダの内容に基づいて復元する機能を、受信側データ端末に持たせるようにしてもよいのである。すなわち、本発明にかかるパケット伝送方法は、ネットワーク内でパケットの送受信を行う任意の装置に対して適用可能である。つまり、特許請求の範囲における「送信側」および「受信側」は、データ端末間のパケットの交換を中継するパケット中継装置のみならず、パケットの送信元であるデータ端末およびパケットの送信先であるデータ端末をも含む概念である。
【0105】
E:変形例
<変形例1>
上記各実施形態においては、送信側ノード3aは、受信側ノード3bからのCONTEXT_STATEを受信した直後に送信すべきIPパケットを、フルヘッダパケットとして受信側ノード3bに対して送信するようにした。しかしながら、送信側ノード3aがフルヘッダパケットとして送信するIPパケットの条件は、これに限られるものではない。送信側ノード3aからフルヘッダパケットとして送信されるIPパケットとしては、例えば以下のようなものが考えられる。
【0106】
a.第1の態様
送信対象となるIPパケット内のRTP/UDP/IPヘッダ内の一定値フィールドの値に変更が生じない場合、送信側ノード3aは、上記実施形態に示したように、最初に送信すべきIPパケット、および受信側ノードからCONTEXT_STATEを受信した直後に送信すべきIPパケットについてのみフルヘッダパケットとして送信することも可能である。しかしながら、一定値フィールドの値に変更が生じ得る場合には、かかるパケットに加え、上記従来技術Aにも示したように、一定値フィールドの内容に変更があったパケットもフルヘッダパケットとして送信される必要がある。すなわち、送信側ノード3a内の制御部33aは、RTP/UDP/IPヘッダ内の一定値フィールドに変更があったパケットについても、フルヘッダパケットとして送信するようにしてもよい。なお、CONTEXT_STATEを受信した直後に送信すべきIPパケットに代えて、一定値フィールドに変更があったIPパケットについてのみフルヘッダパケットとして送信するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0107】
b.第2の態様
送信側ノード3aにおいては、上記従来の技術において方法1として示したように、送信側データ端末1から順次送信されるパケットのうちの1のパケットを一定個数間隔毎に選択し、選択したパケットをフルヘッダパケットとして受信側ノード3bに送信するようにしてもよい。
【0108】
なお、上記第1および第2の態様においても、受信側ノード3bは、パケットの喪失が発生してから、送信側ノード3aからのフルヘッダパケットが受信されるまでに受信されたパケットを保持しておき、当該フルヘッダパケットの内容に基づいてこれらの保持したパケットを復元する点は上記各実施形態と同様である。
【0109】
<変形例2>
フルヘッダパケットおよびヘッダ圧縮パケットは、上記各実施形態に示したものに限られない。すなわち、本発明における「フルヘッダパケット」とは、送信側ノードにおける圧縮動作の内容と、受信側ノードにおける復元動作の内容とを一致させるための機能を有するパケットであればいかなる構成であってもよい。例えば、フルヘッダパケットは、上記機能を有していれば、必ずしもそれ自身の内容に基づいて非圧縮パケットを復元可能なパケットである必要はないし、また、必ずしもIPヘッダに基づいて生成されるパケットである必要はない。一方、圧縮ヘッダは、他のパケット(フルヘッダパケットや、ヘッダ圧縮パケットを復元したIPパケット)の内容に基づいて復元可能なパケットであれば、いかなる構成としてもよい。
【0110】
【発明の効果】
本発明においては、パケットの喪失時から次にフルヘッダが受信されるまでに受信されたヘッダ圧縮パケットを保持しておき、当該パケットの喪失後に受信したフルヘッダパケットの内容に基づいて、当該保持されたヘッダ圧縮パケット内の圧縮ヘッダを復元するようになっている。この結果、上記従来の技術と比較して、他のパケットの喪失に伴って破棄されるパケットを減らすことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る通信システムの構成を例示するブロック図である。
【図2】 同通信システムにおける受信側ノードの構成を例示するブロック図である。
【図3】 同通信システムにおける動作を示すタイミングチャートである。
【図4】 同通信システムにおける受信側ノードの、パケット喪失時の動作を示すフローチャートである。
【図5】 第1実施形態の変形例におけるパケット喪失時の動作を示すフローチャートである。
【図6】 本発明の第2実施形態に係る通信システムにおける差分値付きフルヘッダパケットの構成を表す図である。
【図7】 同通信システムにおける動作を示すタイミングチャートである。
【図8】 同通信システムにおける受信側ノードの、パケット喪失時の動作を示すフローチャートである。
【図9】 同通信システムにおけるパケット喪失時の、受信側ノード内の記憶部の記憶内容を例示する図である。
【図10】 本発明の第3実施形態に係る通信システムにおける動作を示すタイミングチャートである。
【図11】 (a)はRTP/UDP/IPヘッダの内容を示す図であり、(b)は圧縮ヘッダの内容を示す図である。
【図12】 従来のパケット伝送方法(従来方法A)の手順を示すタイミングチャートである。
【図13】 同パケット伝送方法の問題点を説明するためのタイミングチャートである。
【図14】 従来のパケット伝送方法(方法1)の手順を示すタイミングチャートである。
【図15】 従来のパケット伝送方法(方法2)の手順を示すタイミングチャートである。
【図16】 従来のパケット伝送方法(方法3)の手順を示すタイミングチャートである。
【図17】 従来のパケット伝送方法(方法4)の手順を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1……送信側データ端末、2……受信側データ端末、3……ネットワーク、3a……送信側ノード(中継装置)、3b……受信側ノード(中継装置)、31a……受信部、32a……送信部、33a……制御部、34a……記憶部、35a……バス。
Claims (8)
- 送信側と受信側とを含むネットワークにおいて、前記送信側は、送信すべき非圧縮パケットを、フルヘッダを有するフルヘッダパケットまたは圧縮ヘッダを有するヘッダ圧縮パケットに変換して前記受信側に送信する一方、前記受信側は、前記送信側から送信されたフルヘッダパケットまたはヘッダ圧縮パケットを受信して非圧縮パケットに変換するパケット伝送方法であって、
前記受信側は、
前記送信側と受信側との間で前記フルヘッダパケットまたはヘッダ圧縮パケットの喪失が発生した場合には、当該パケット喪失後、次にフルヘッダパケットを受信するまでの間に受信したヘッダ圧縮パケットを保持し、
前記パケット喪失後に受信したフルヘッダパケット内のフルヘッダの内容に基づいて、前記保持したヘッダ圧縮パケット内の圧縮ヘッダを復元する
ことを特徴とするパケット伝送方法。 - 前記非圧縮パケットに含まれる非圧縮ヘッダは、各非圧縮パケット間で所定の差分値ずつ変化する差分一定情報を含み、
前記受信側は、
前記パケット喪失後に受信したフルヘッダパケットのフルヘッダに含まれる差分一定情報から所定の差分値を減ずることにより、前記保持したヘッダ圧縮パケットの差分一定情報を復元する
ことを特徴とする請求項1に記載のパケット伝送方法。 - 前記非圧縮パケットに含まれる非圧縮ヘッダは、各非圧縮パケット間で所定の差分値ずつ変化する差分一定情報を含み、
前記送信側は、
前記非圧縮パケットを変換したフルヘッダパケットのうち少なくとも一部の前記フルヘッダパケットに対し、当該非圧縮パケットと他の非圧縮パケットとの間の前記差分一定情報の差分値を付加する一方、
前記受信部は、
前記パケット喪失後に、前記差分値が付加されたフルヘッダパケットを受信した場合には、当該差分値と、当該フルヘッダパケットのフルヘッダに含まれる差分一定情報とを用いて、前記保持したヘッダ圧縮パケットの差分一定情報を復元する
ことを特徴とする請求項1に記載のパケット伝送方法。 - 前記送信側は、
前記非圧縮パケットをフルヘッダパケットとして送信する場合であって、当該非圧縮パケットと、当該非圧縮パケットの直前の非圧縮パケットとの間の差分一定情報の差分値が、他の非圧縮パケット間の差分一定情報の差分値と異なる場合に、当該フルヘッダパケットに対して差分値を付加する
ことを特徴とする請求項3に記載のパケット伝送方法。 - 前記非圧縮パケットに含まれる非圧縮ヘッダは、各非圧縮パケット間で同一となる一定値情報を含み、
前記受信側は、
前記パケット喪失直前または直後に受信したフルヘッダパケット内のフルヘッダに含まれる一定値情報に基づいて、前記保持したヘッダ圧縮パケットの一定値情報を復元する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のパケット伝送方法。 - 前記非圧縮パケットに含まれる非圧縮ヘッダは、各非圧縮パケット間で所定の差分値ずつ変化する差分一定情報を含む一方、少なくとも一部の前記ヘッダ圧縮パケット内の圧縮ヘッダは、前記非圧縮ヘッダ内の差分一定情報を表すビット列のうちの一部である部分ビット列を含み、
前記受信側は、
前記パケット喪失後に受信したフルヘッダパケットのフルヘッダに含まれる差分一定情報を表すビット列のうちの一部を、所定のヘッダ圧縮パケットに含まれる前記部分ビット列に置き換えることによって、前記保持したヘッダ圧縮パケットの差分一定情報を復元する
ことを特徴とする請求項1に記載のパケット伝送方法。 - 複数のデータ端末間に介在し、各データ端末間で交換されるパケットを中継する中継装置において、
フルヘッダを有するフルヘッダパケットまたは圧縮ヘッダを有するヘッダ圧縮パケットを受信して、非圧縮パケットに変換する受信手段と、
前記フルヘッダパケットまたはヘッダ圧縮パケットが、前記受信手段によって受信される前に喪失した場合には、当該パケット喪失後、次にフルヘッダパケットを受信するまでの間に受信されたヘッダ圧縮パケットを保持する保持手段と、
前記パケット喪失後に受信されたフルヘッダパケット内のフルヘッダの内容に基づいて、前記保持手段によって保持されたヘッダ圧縮パケット内の圧縮ヘッダを復元する復元手段と
を具備することを特徴とする中継装置。 - 他のデータ端末との間でネットワークを介したパケット交換が可能なデータ端末であって、
フルヘッダを有するフルヘッダパケットまたは圧縮ヘッダを有するヘッダ圧縮パケットを受信して、非圧縮パケットに変換する受信手段と、
フルヘッダパケットまたはヘッダ圧縮パケットが、前記受信手段によって受信される前に喪失した場合には、当該パケット喪失後、次にフルヘッダパケットを受信するまでの間に受信されたヘッダ圧縮パケットを保持する保持手段と、
前記パケット喪失後に受信されたフルヘッダパケット内のフルヘッダの内容に基づいて、前記保持手段によって保持されたヘッダ圧縮パケット内の圧縮ヘッダを復元する復元手段と
を具備することを特徴とするデータ端末。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000146787A JP3730835B2 (ja) | 2000-03-03 | 2000-05-18 | パケット伝送方法、中継装置およびデータ端末 |
SG200101043A SG100624A1 (en) | 2000-03-03 | 2001-02-22 | Method and apparatus for packet transmission with header compression |
DE2001613906 DE60113906T2 (de) | 2000-03-03 | 2001-02-26 | Verfahren und Vorrichtung zur Paketübertragung mit Paketenkopfkompression |
EP01104404A EP1137237B1 (en) | 2000-03-03 | 2001-02-26 | Method and apparatus for packet transmission with header compression |
US09/794,842 US6385199B2 (en) | 2000-03-03 | 2001-02-26 | Method and apparatus for packet transmission with header compression |
KR1020010011017A KR100359703B1 (ko) | 2000-03-03 | 2001-03-03 | 헤더 압축에 의한 패킷 전송 방법 및 장치 |
CNB011109475A CN1165140C (zh) | 2000-03-03 | 2001-03-05 | 标题压缩分组的传输方法和设备 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000059368 | 2000-03-03 | ||
JP2000-132685 | 2000-05-01 | ||
JP2000132685 | 2000-05-01 | ||
JP2000-59368 | 2000-05-01 | ||
JP2000146787A JP3730835B2 (ja) | 2000-03-03 | 2000-05-18 | パケット伝送方法、中継装置およびデータ端末 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002026963A JP2002026963A (ja) | 2002-01-25 |
JP3730835B2 true JP3730835B2 (ja) | 2006-01-05 |
Family
ID=27342580
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000146787A Expired - Lifetime JP3730835B2 (ja) | 2000-03-03 | 2000-05-18 | パケット伝送方法、中継装置およびデータ端末 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6385199B2 (ja) |
EP (1) | EP1137237B1 (ja) |
JP (1) | JP3730835B2 (ja) |
KR (1) | KR100359703B1 (ja) |
CN (1) | CN1165140C (ja) |
DE (1) | DE60113906T2 (ja) |
SG (1) | SG100624A1 (ja) |
Families Citing this family (68)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FI107000B (fi) * | 1999-02-17 | 2001-05-15 | Nokia Mobile Phones Ltd | Otsikon pakkaaminen reaaliaikaisissa palveluissa |
US6754231B1 (en) * | 1999-06-18 | 2004-06-22 | Telefonaktiebolaget Lm Ericsson (Publ) | Robust header compression in packet communications |
US6791982B2 (en) * | 1999-09-29 | 2004-09-14 | Telefonaktiebolaget Lm Ericsson | Segmentation protocol that supports compressed segmentation headers |
US6711164B1 (en) * | 1999-11-05 | 2004-03-23 | Nokia Corporation | Method and apparatus for performing IP-ID regeneration to improve header compression efficiency |
US6535925B1 (en) * | 1999-11-09 | 2003-03-18 | Telefonaktiebolaget L M Ericsson (Publ) | Packet header compression using division remainders |
EP1146713B1 (en) * | 2000-03-03 | 2005-04-27 | NTT DoCoMo, Inc. | Method and apparatus for packet transmission with header compression |
US20020001315A1 (en) * | 2000-03-21 | 2002-01-03 | Tran Hung V. | Method and apparatus for compressing IP/UDP/RTP headers in a lossy environment |
JP3323483B2 (ja) * | 2000-09-12 | 2002-09-09 | 松下電器産業株式会社 | パケット送信装置およびパケット伝送方法 |
US20040136380A1 (en) * | 2000-09-12 | 2004-07-15 | Daiji Ido | Packet transmitter, packet receiver and packet transmission method |
EP1374524A1 (en) * | 2001-03-29 | 2004-01-02 | BRITISH TELECOMMUNICATIONS public limited company | Protocol conversion |
JP3512177B2 (ja) | 2001-05-16 | 2004-03-29 | 松下電器産業株式会社 | パケット受信装置及びパケット伝送方法 |
JP3617967B2 (ja) | 2001-09-28 | 2005-02-09 | 松下電器産業株式会社 | ヘッダ圧縮パケット受信装置及び方法 |
US6954460B2 (en) * | 2001-10-05 | 2005-10-11 | Ericsson Inc. | Method and apparatus for compressing packet headers |
JP4549610B2 (ja) * | 2001-11-08 | 2010-09-22 | ソニー株式会社 | 通信システム、通信方法、送信装置および方法、受信装置および方法、並びにプログラム |
US7814068B2 (en) * | 2001-11-16 | 2010-10-12 | Gemalto Sa | Identifying changed records in a file stored on an electronic token |
EP1315356B1 (en) | 2001-11-24 | 2008-10-22 | Lg Electronics Inc. | Method for transmitting packet data in compressed form in a communication system |
KR100425745B1 (ko) * | 2001-11-24 | 2004-04-06 | 엘지전자 주식회사 | 패킷의 헤더압축을 지원하는 통신 시스템에서 패킷의전송방법 |
KR100765122B1 (ko) * | 2001-11-24 | 2007-10-11 | 엘지전자 주식회사 | 패킷의 헤더압축을 지원하는 통신 시스템에서전체헤더패킷과 압축헤더패킷의 전송 제어 장치와 방법 |
KR100443012B1 (ko) * | 2001-12-22 | 2004-08-04 | 엘지전자 주식회사 | 압축데이터의 바이트열 복원 방법 |
US6760345B1 (en) * | 2002-01-16 | 2004-07-06 | Raytheon Company | Compressing cell headers for data communication |
US20030196081A1 (en) * | 2002-04-11 | 2003-10-16 | Raymond Savarda | Methods, systems, and computer program products for processing a packet-object using multiple pipelined processing modules |
JP3857611B2 (ja) * | 2002-05-20 | 2006-12-13 | 富士通株式会社 | データ圧縮プログラム、データ圧縮方法、およびデータ圧縮装置 |
US8619592B2 (en) * | 2002-06-12 | 2013-12-31 | Telefonaktiebolaget L M Ericsson (Publ) | Method and apparatus for increased internet protocol (IP) headers compression performance by reporting cause of missing packets |
KR100497357B1 (ko) * | 2002-06-26 | 2005-06-23 | 삼성전자주식회사 | 인터넷 프로토콜 기반 네트워크 환경에 있어서 헤더 압축및 패킷 다중화 장치와 그 방법 |
JP4317403B2 (ja) * | 2002-08-09 | 2009-08-19 | パナソニック株式会社 | ヘッダ圧縮装置及びヘッダ圧縮方法 |
US7647421B2 (en) * | 2002-08-20 | 2010-01-12 | Nokia Corporation | Extension header compression |
KR100663586B1 (ko) * | 2002-08-28 | 2007-01-02 | 삼성전자주식회사 | 헤더 압축에 의한 패킷 데이터의 송신 방법 및 장치 |
KR20040040724A (ko) * | 2002-11-07 | 2004-05-13 | 엘지전자 주식회사 | 무선 이동 통신 시스템의 상향 공통채널 및 그 운용 방법 |
JP4406816B2 (ja) * | 2002-12-11 | 2010-02-03 | ソニー株式会社 | 受信装置および受信方法、記録媒体、並びにプログラム |
US7386013B1 (en) * | 2003-01-03 | 2008-06-10 | Juniper Networks, Inc. | Systems and methods for compressing packet headers |
US20040225748A1 (en) * | 2003-05-09 | 2004-11-11 | Chong Huai-Ter Victor | Systems and methods for deleting transactions from multiple fast data streams |
GB2403877A (en) * | 2003-07-09 | 2005-01-12 | Motorola Inc | Packet communication with header compression |
US7450586B2 (en) * | 2003-07-22 | 2008-11-11 | Motorola, Inc. | Network header compression arrangement |
US7512715B2 (en) * | 2003-09-26 | 2009-03-31 | Nokia Corporation | System and method for requesting a resource over at least one network with reduced overhead |
US7372841B2 (en) * | 2004-07-12 | 2008-05-13 | Research In Motion Limited | Packet-based communication system and method |
KR100703494B1 (ko) * | 2004-08-09 | 2007-04-03 | 삼성전자주식회사 | 이동통신 시스템에서 사용자 데이터 프로토콜 체크섬을 포함하는 음성패킷망의 패킷 송/수신 방법 및 장치 |
US8165104B2 (en) * | 2004-12-08 | 2012-04-24 | Qualcomm Incorporated | Methods and systems for enhancing local repair in robust header compression |
US7864701B2 (en) * | 2005-03-31 | 2011-01-04 | Intel Corporation | Apparatus, system and method capable of decreasing management frame size in wireless networks |
US7602778B2 (en) * | 2005-06-29 | 2009-10-13 | Cisco Technology, Inc. | System and methods for compressing message headers |
US9031071B2 (en) * | 2005-08-26 | 2015-05-12 | Alcatel Lucent | Header elimination for real time internet applications |
KR100748342B1 (ko) | 2005-09-14 | 2007-08-09 | 매그나칩 반도체 유한회사 | 씨모스 이미지 센서의 제조방법 |
US7948989B2 (en) * | 2006-05-04 | 2011-05-24 | Qualcomm, Incorporated | Methods and systems for enhancing local repair in robust header compression |
JP5058997B2 (ja) * | 2006-06-29 | 2012-10-24 | 京セラ株式会社 | コンテンツデータ、送信装置、受信装置および復号方法 |
JP4954622B2 (ja) * | 2006-06-29 | 2012-06-20 | 京セラ株式会社 | 受信装置および復号方法 |
US7616568B2 (en) * | 2006-11-06 | 2009-11-10 | Ixia | Generic packet generation |
US7899025B2 (en) * | 2006-12-26 | 2011-03-01 | Alcatel-Lucent Usa Inc. | Header suppression in a wireless communication network |
US8027328B2 (en) * | 2006-12-26 | 2011-09-27 | Alcatel Lucent | Header compression in a wireless communication network |
JP4937005B2 (ja) * | 2007-06-13 | 2012-05-23 | 三菱電機株式会社 | 音声伝送装置 |
US7885294B2 (en) * | 2007-08-23 | 2011-02-08 | Cisco Technology, Inc. | Signaling compression information using routing protocols |
US8059651B2 (en) | 2007-12-17 | 2011-11-15 | Motorola Solutions, Inc. | Method for recovering lost header |
US8559463B2 (en) * | 2008-02-20 | 2013-10-15 | General Dynamics C4 Systems, Inc. | Systems and methods for providing efficient bandwidth utilization in packet switched networks |
US7898985B1 (en) * | 2008-04-23 | 2011-03-01 | Juniper Networks, Inc. | Composite next hops for forwarding data in a network switching device |
JP4985565B2 (ja) * | 2008-06-30 | 2012-07-25 | 富士通株式会社 | 送受信回路、受信回路及び送受信回路の制御方法 |
KR101236033B1 (ko) * | 2008-07-21 | 2013-02-21 | 한국전자통신연구원 | 통신 오버헤드를 제거하는 통신 시스템 |
US8014317B1 (en) | 2008-08-21 | 2011-09-06 | Juniper Networks, Inc. | Next hop chaining for forwarding data in a network switching device |
JP5327225B2 (ja) * | 2008-09-19 | 2013-10-30 | 富士通株式会社 | パケットの送信方法及び受信ノード |
US7899056B2 (en) * | 2009-01-13 | 2011-03-01 | Fujitsu Limited | Device and method for reducing overhead in a wireless network |
US8023513B2 (en) * | 2009-02-24 | 2011-09-20 | Fujitsu Limited | System and method for reducing overhead in a wireless network |
CN102282808B (zh) * | 2009-04-30 | 2013-11-06 | 华为技术有限公司 | 一种数据的传输方法、相关设备和通信系统 |
US8509237B2 (en) * | 2009-06-26 | 2013-08-13 | Wisconsin Alumni Research Foundation | Architecture and system for coordinated network-wide redundancy elimination |
KR101722719B1 (ko) | 2009-07-08 | 2017-04-11 | 톰슨 라이센싱 | 역방향의 강력한 헤더 압축 수신기 |
CN101764811B (zh) * | 2009-12-30 | 2013-02-13 | 飞天诚信科技股份有限公司 | 数据流的生成方法 |
CN106937329B (zh) | 2011-12-20 | 2021-04-20 | 华为技术有限公司 | 网际协议头置换映射关系的获取方法及网络节点 |
US20140153580A1 (en) * | 2013-02-15 | 2014-06-05 | Comtech Ef Data Corp. | Reference encoding and decoding for improving network header compression throughput for noisy channels |
JP6654136B2 (ja) * | 2014-08-08 | 2020-02-26 | 京セラ株式会社 | 受信端末及び送信端末 |
WO2016045736A1 (de) * | 2014-09-25 | 2016-03-31 | Siemens Aktiengesellschaft | Bereitstellen von prozesswerten in einer prozessanlage |
JP6524771B2 (ja) * | 2015-03-23 | 2019-06-05 | 日本電気株式会社 | 通信装置、パケット伝送方法、及び、プログラム |
US20250024083A1 (en) * | 2023-07-10 | 2025-01-16 | Comcast Cable Communications, Llc | Systems and methods for generating differential header data |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB9617553D0 (en) * | 1996-08-21 | 1996-10-02 | Walker Christopher P H | Communication system with improved routing switch |
US5987022A (en) * | 1996-12-27 | 1999-11-16 | Motorola, Inc. | Method for transmitting multiple-protocol packetized data |
JPH10247935A (ja) * | 1997-03-05 | 1998-09-14 | Yazaki Corp | データ通信システムに用いられるデータフォーマット |
US6032197A (en) * | 1997-09-25 | 2000-02-29 | Microsoft Corporation | Data packet header compression for unidirectional transmission |
US6111924A (en) * | 1998-02-03 | 2000-08-29 | Videoserver, Inc. | Error-correction-code synchronization in a videoconferencing gateway |
US6092120A (en) * | 1998-06-26 | 2000-07-18 | Sun Microsystems, Inc. | Method and apparatus for timely delivery of a byte code and serialized objects stream |
-
2000
- 2000-05-18 JP JP2000146787A patent/JP3730835B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
2001
- 2001-02-22 SG SG200101043A patent/SG100624A1/en unknown
- 2001-02-26 US US09/794,842 patent/US6385199B2/en not_active Expired - Lifetime
- 2001-02-26 DE DE2001613906 patent/DE60113906T2/de not_active Expired - Lifetime
- 2001-02-26 EP EP01104404A patent/EP1137237B1/en not_active Expired - Lifetime
- 2001-03-03 KR KR1020010011017A patent/KR100359703B1/ko active IP Right Grant
- 2001-03-05 CN CNB011109475A patent/CN1165140C/zh not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP1137237B1 (en) | 2005-10-12 |
US20010030963A1 (en) | 2001-10-18 |
DE60113906T2 (de) | 2006-07-06 |
EP1137237A2 (en) | 2001-09-26 |
US6385199B2 (en) | 2002-05-07 |
CN1165140C (zh) | 2004-09-01 |
SG100624A1 (en) | 2003-12-26 |
DE60113906D1 (de) | 2005-11-17 |
KR100359703B1 (ko) | 2002-11-04 |
CN1311591A (zh) | 2001-09-05 |
EP1137237A3 (en) | 2003-10-15 |
KR20010087314A (ko) | 2001-09-15 |
JP2002026963A (ja) | 2002-01-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3730835B2 (ja) | パケット伝送方法、中継装置およびデータ端末 | |
EP1146713B1 (en) | Method and apparatus for packet transmission with header compression | |
JP4317403B2 (ja) | ヘッダ圧縮装置及びヘッダ圧縮方法 | |
JP3751823B2 (ja) | 実時間サービスにおけるヘッダ圧縮 | |
JP4582565B2 (ja) | パケット通信におけるロバストヘッダ圧縮 | |
JP3559019B2 (ja) | 信頼できないネットワークが存在する場合にロバストなip/udp/rtpヘッダ圧縮を達成するシステム及び方法 | |
KR101649374B1 (ko) | 가속화된 처리율을 달성하는 시스템 및 방법 | |
US7164680B2 (en) | Scheme for supporting real-time packetization and retransmission in rate-based streaming applications | |
JP4592935B2 (ja) | ヘッダ復元装置およびヘッダ復元方法 | |
JP2001320422A (ja) | ヘッダ圧縮を伴うパケット伝送のための方法および装置 | |
EP1187417B1 (en) | Method and apparatus for transmitting data packets | |
JP4859323B2 (ja) | チェックサムに基づくヘッダ圧縮におけるトランスポート層チェックサムの代替 | |
JP2003500933A (ja) | インターネットプロトコルを使用する遠隔通信のための方法および装置 | |
KR100497357B1 (ko) | 인터넷 프로토콜 기반 네트워크 환경에 있어서 헤더 압축및 패킷 다중화 장치와 그 방법 | |
JP4814864B2 (ja) | パケット多重化装置及びパケット多重化プログラム | |
US20060259845A1 (en) | Method and apparatus for acknowledging a bitwise data chunk in wireline and wireless communication systems | |
CN102006295A (zh) | 基于atm承载ip语音的数据压缩方法 | |
US20040165542A1 (en) | Packet transmitter and packet transmitter method | |
JP2008141633A (ja) | データ通信システム、データ受信装置、データ受信方法、データ送信装置およびデータ送信方法 | |
JP2002094553A (ja) | パケット伝送装置およびパケット伝送方法 | |
JP2001313673A (ja) | パケット伝送方法、パケット中継装置およびデータ端末 | |
JP4529883B2 (ja) | パケット伝送装置 | |
Madsen et al. | IP header compression for media streaming in wireless networks | |
CN103780342B (zh) | 基于增益控制的卫星链路质量自适应报头压缩方法 | |
EP1482700A1 (en) | Packet transmitter and packet transmission method |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050301 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050510 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050711 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051004 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051007 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 3730835 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091014 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101014 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111014 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121014 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131014 Year of fee payment: 8 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |