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JP3729580B2 - 吹付材料及びそれを用いた吹付工法 - Google Patents

吹付材料及びそれを用いた吹付工法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の粉状ポリカルボン酸系高性能減水剤を含有し、道路、鉄道、及び導水路等のトンネルにおいて露出した地山面へ吹付ける吹付材料及びそれを用いた吹付工法に関する。なお、本発明では、ドライセメントモルタル、セメントモルタル、ペースト、及びコンクリートを総称してセメントモルタル又はコンクリートという。
【0002】
【従来の技術】
従来、トンネル掘削等露出した地山の崩落を防止するために急結剤をコンクリートに配合した急結性コンクリートの吹付工法が行われている(特公昭60−4149号公報)。この工法は、通常、掘削工事現場に設置した、セメント、骨材、及び水の計量混合プラントで吹付コンクリートを作り、それをアジテータ車で運搬し、コンクリートポンプで圧送し、途中に設けた合流管で、他方から圧送した急結剤と混合し、急結性吹付コンクリートとして地山面に所定の厚みになるまで吹付ける工法である。この工法では吹付コンクリートに流動性を与えるために、減水性、空気連行性、及び分散性を有する高性能減水剤を吹付コンクリートを調製する際に添加することがある。高性能減水剤としては、ナフタレンスルホン酸塩系、メラミンスルホン酸塩系、及びポリカルボン酸系等が挙げられる。ナフタレンスルホン酸塩系やメラミンスルホン酸塩系の高性能減水剤は、粉末として各種セメント混和材に混合して吹付材料に使用できる。しかしながら、ナフタレンスルホン酸塩系の高性能減水剤は、セルロース系の粉塵低減剤やリバウンド防止剤と併用すると減水性、空気連行性、及び分散性が消失してしまうという欠点があった。ナフタレンスルホン酸塩系やメラミンスルホン酸塩系の高性能減水剤はともに強度の向上効果が小さいという欠点もあった。さらに、調製した吹付コンクリートを練り置いた場合には、スランプの経時的変化が大きく、吹付装置の機械的・電気的トラブル等により吹付コンクリートを練り置く必要が生じたときにコンクリートが硬くなってしまい、圧送性に悪影響を及ぼしたり、急結剤と均一に混合しにくくなったりして、品質的に不均一な急結性吹付コンクリートとなり、トンネル表面からコンクリートが崩落する等の危険が生じるという欠点があった。
【0003】
そこで、スランプロスの小さいポリカルボン酸系高性能減水剤が使用されるようになった。ポリカルボン酸系高性能減水剤として、ポリアルキレングリコールモノアリルエーテル−マレイン酸系共重合体、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸系共重合体、水溶性のオレフィンとα,β−不飽和ジカルボン酸誘導体との共重合体、スルホン化スチレン−マレイン酸共重合体のケン化物、及びスチレン−マレイン酸共重合体のケン化物等等を使用することにより、吹付コンクリートの流動性と急結性を改良する方法が提案されている(特公平5−53743号公報、特開平3−153550号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらのポリカルボン酸系高性能減水剤は減水率、スランプロス、及び強度発現の点でいまだ満足されるものではなかった。
減水剤は吹付現場で添加せずに済むように、各種粉体材料と予めプレミックスできる粉末であることが好ましいが、従来のポリアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸系共重合体は、通常は室温でロウ状や水飴状であり、水溶液でないと使用できないという課題があった。そのために、吹付作業において、セメント、急結剤等の粉状セメント混和剤、及びフライアッシュ等の粉状セメント混和材と、減水剤とを現場でわざわざ別々に計量・添加しなければならず、作業性が著しく低下してしまうという課題があった。
そこで、分散性、急結性、強度、及び作業性の点から満足できる吹付材料が求められるようになった。
【0005】
本発明者は、これらの課題を種々検討した結果、ポルトランドセメント、アルミナセメント、及び混合セメント等の各種セメント、シリカフューム、高炉スラグ、及びフライアッシュ等の各種セメント混和材、並びに、その他の粉状高性能減水剤、粉状粉塵低減剤、粉状消泡剤、凝結促進剤、及び凝結遅延剤等の各種粉状セメント混和剤等の各種粉体材料と予めプレミックスできる特定の粉状ポリカルボン酸系高性能減水剤を使用することにより、スランプ保持性、急結性、初期・長期の強度発現性、粉塵低減性、リバウンド性、及び作業性に優れた高品質な吹付材料が得られる知見を得て本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、セメントと、化学式(1)で示されるポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテルとマレイン酸の共重合体のカルシウム塩からなる粉状ポリカルボン酸系高性能減水剤とを含有してなることを特徴とする吹付材料である。
【化2】
Figure 0003729580
そして、セメント、化学式(1)で示されるポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテルとマレイン酸の共重合体のカルシウム塩からなる粉状ポリカルボン酸系高性能減水剤、及びカルシウムアルミネートを含有してなる急結剤を含有してなることを特徴とする請求項1又は2記載の吹付材料であり、化学式(1)においてa=0であることを特徴とする該吹付材料であり、さらに、急結剤が凝結促進剤を含有してなることを特徴とする該吹付材料であり、さらに、凝結遅延剤、粉塵低減剤、超微粉、及び繊維からなる群より選ばれた一種又は二種以上の混和剤を含有してなることを特徴とする該吹付材料であり、該吹付材料を使用してなることを特徴とする吹付工法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
本発明で使用するセメントとしては、通常市販されている普通、早強、中庸熱、及び超早強等の各種ポルトランドセメント、これらのポルトランドセメントにフライアッシュや高炉スラグ等を混合した各種混合セメント、並びに、市販の微粒子セメント等が挙げられ、各種ポルトランドセメントや各種混合セメントを微粉末化して使用してもよい。
【0009】
本発明で使用する粉状ポリカルボン酸系高性能減水剤は、下記化学式(1)で示されるポリアルキレングリコールアルケニルエーテルとマレイン酸の共重合体のカルシウム塩である(以下本共重合体カルシウム塩という)。
【化3】
Figure 0003729580
【0010】
前記化学式(1)において、Aの中では本共重合体カルシウム塩の水溶性が大きい点で炭素数2のエチレン基が好ましい。Rで示されるアルキル基は共重合体の製造が容易であり、水溶性が大きい点でメチル基が好ましい。nは分散性の点で1〜60が好ましい。1未満だと分散性が得られず、、60を越えると共重合体製造時に反応液の粘度が大きくなり、反応性が小さくなるおそれがある。
【0011】
本共重合体カルシウム塩の重量平均分子量は3000〜100000が好ましい。3000未満だと分散性が低下し、100000を越えてもさらなる効果は期待できず、コスト高となるおそれがある。重量平均分子量は、例えば既知のポリエチレングリコールを標準物質とし、水系GPCにより測定したものを用いた。
【0012】
化学式(1)で示されるポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテルとマレイン酸の共重合体(以下本共重合体という)は公知の製造方法により製造できる。例えば特開昭64−109号公報や特開平8−48852号公報記載の方法により、ポリアルキレングリコールモノアリルエーテルと無水マレイン酸の共重合体やポリアルキレングリコールモノビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体を、有機溶媒中や無溶媒の条件下で、ラジカル開始剤によりラジカル重合して製造できる。本共重合体に使用するポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテルの中では、無水マレイン酸との共重合性、生産性、及び減水性に優れ、重合速度が速く、並びに、得られた共重合体中の未反応不純物を容易に除去できる点で、化学式(1)においてa=0であるポリアルキレングリコールモノビニルエーテルが好ましい。なお、ポリアルキレングリコールアルケニルエーテルと無水マレイン酸との共重合モル比は、共重合体が容易に得られる点で、1/2〜2/1が好ましく、1/1.2〜1.2/1がより好ましい。又、無水マレイン酸のかわりに無水シトラコン酸やマレイミド類を使用してもよいが、分散性や価格の点で無水マレイン酸が好ましい。
【0013】
本共重合体カルシウム塩は、本共重合体とカルシウム塩化合物を反応させることにより得られる。製造方法としては、共重合体の有機溶媒溶液や共重合体を加熱溶融した溶液に、水酸化カルシウムや水酸化カルシウムと水とを混合したスラリーを添加して中和反応した後に乾燥・粉砕する方法や、共重合体の有機溶媒を加熱スチームによりストリッピングして共重合体水溶液を回収した後に水酸化カルシウムと反応させ、乾燥・粉砕する方法等が挙げられる。
【0014】
本共重合体カルシウム塩からなる粉状ポリカルボン酸系高性能減水剤の平均粒径は特に限定されないが、0.1〜200μmが好ましい。0.1μm未満だと微粒子化するコストが高くなり、200μmを越えると粉状ポリカルボン酸系高性能減水剤が速やかに溶解しなかったり、各種粉体材料とドライブレンドした際に偏析したりして効果が得られないおそれがある。粉状ポリカルボン酸系高性能減水剤を微粉化する方法としては通常、粉霧乾燥、粉砕、及び溶媒析出等が挙げられる。
【0015】
化学式(1)の本共重合体カルシウム塩からなる粉状ポリカルボン酸系高性能減水剤の使用量はセメント100重量部に対して0.01〜5.0重量部が好ましく、0.02〜5.0重量部がより好ましい。0.01重量部未満では充分な分散性能が得られず、5.0重量部を越える場合には凝結遅延や材料分離を生じるおそれがある。
【0016】
化学式(1)の本共重合体カルシウム塩は粉状のポリカルボン酸系高性能減水剤であるため、各種セメント、各種セメント混和材、及び各種粉状セメント混和剤と予め混合したプレミックス製品として使用できる。例えば、カルシウムアルミネートや、アルカリ金属アルミン酸塩やアルカリ金属炭酸塩等の凝結促進剤からなる急結剤に予め混合しておくことにより、粉塵低減やリバウンド防止の効果を付与できる。
【0017】
本発明では、初期にセメントモルタル又はコンクリートの凝結を起こさせる点で、急結剤としてカルシウムアルミネートを使用することが好ましい。カルシウムアルミネートとは、初期にコンクリートの凝結を起こさせる急結成分をいい、その鉱物成分としては、CaOをC、Al23 をAとすると、C3 A、C127 、CA、及びCA2 等で示されるカルシウムアルミネート熱処理物を粉砕したもの等が挙げられる。更に、その他の鉱物成分として、SiO2 を含有するアルミノケイ酸カルシウム、C127 の1つのCaOをCaF2 等のハロゲン化物で置き換えたC117 ・ CaX2 (Xはフッ素等のハロゲン)、SO3 成分を含むC43 ・ SO3 、アルミナセメント、並びに、ナトリウム、カリウム、及びリチウム等のアルカリ金属が一部固溶したカルシウムアルミネート等が挙げられ、結晶質や非晶質いずれもが使用できる。これらの中では、反応活性の点で、C127 組成に対応する熱処理物を急冷した非晶質カルシウムアルミネートが好ましい。
カルシウムアルミネートの粒度は、急結性や初期強度発現性の点で、ブレーン値で3000cm2/g 以上が好ましく、4000cm2/g 以上がより好ましい。3000cm2/g 未満だと急結性や初期強度発現性が低下するおそれがある。
【0018】
カルシウムアルミネートの使用量は、セメント100重量部に対して、1〜20重量部が好ましく、5〜15重量部がより好ましい。1重量部未満では初期凝結が起こらず、20重量部を越えると長期強度発現性を阻害するおそれがある。
【0019】
本発明では、セメントの凝結を促進させ、セメントモルタルに急結力を与える点で、凝結促進剤を使用することが好ましい。
【0020】
凝結促進剤としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、及びアルミン酸リチウム等のアルカリ金属アルミン酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及び炭酸リチウム等のアルカリ金属炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アルミニウム、及び明礬等の硫酸塩、消石灰、並びに、アミン化合物等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を併用してもよい。これらの中では凝結性の点で、アルカリ金属アルミン酸塩やアルカリ金属炭酸塩の使用が好ましい。
本発明では、初期凝結性や強度発現性の向上の点で、カルシウムアルミネートと凝結促進剤を併用することが好ましい。なお、場合によっては、凝結促進剤は水に溶解させ、液体として使用してもよい。
【0021】
凝結促進剤の使用量は、カルシウムアルミネートを併用しない場合には、セメント100重量部に対して、1〜20重量部が好ましく、5〜15重量部がより好ましい。1重量部未満ではセメントモルタルの凝結が促進せず、20重量部を越えると長期強度発現性に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0022】
又、カルシウムアルミネートを併用する場合には、凝結促進剤の使用量は、カルシウムアルミネート100重量部に対して、0.5〜50量部が好ましく、1〜30重量部がより好ましい。0.5重量部未満ではセメントモルタルの凝結が促進せず、50重量部を越えると長期強度発現性に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0023】
カルシウムアルミネートと凝結促進剤を混合した場合の急結剤の使用量は、セメント100重量部に対して、1〜20重量部が好ましく、5〜15重量部がより好ましい。1重量部未満ではセメントモルタルの凝結が促進せず、20重量部を越えると長期強度発現を阻害するおそれがある。
【0024】
本発明では、さらに、凝結遅延剤、超微粉、粉塵低減剤及び繊維からなる群より選ばれた一種又は二種以上の混和剤を使用することが好ましい。
【0025】
凝結遅延剤は、セメントモルタルの凝結時間を遅延させるものをいい、有機酸、アルカリ金属炭酸塩、アルコール類、リン酸塩、及びホウ酸塩等が挙げられる。
【0026】
有機酸としては、グルコン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、及び乳酸又はこれらの塩等が挙げられる。
有機酸の使用量は、セメント100重量部に対して、0.05〜3重量部が好ましく、0.1〜2重量部がより好ましい。0.05重量部未満では効果がなく、3重量部を越えると硬化が遅延しすぎて硬化不良となるおそれがある。
【0027】
アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、及び炭酸水素カリウム等が挙げられる。
アルカリ金属炭酸塩の使用量は、セメント100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。0.1重量部未満では効果がなく、10重量部を越えると硬化が遅延しすぎて硬化不良となるおそれがある。
【0028】
アルコール類としては、エタノール、メタノール、エチレングリコール、及びグリセリン等の水酸基を一個以上有する低分子水溶性アルコール類や、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類やトリエタノールアミン等のアミノアルコール類にプロピレンオキサイドやエチレンオキサイドを付加重合させた付加物である水溶性高分子ポリオール類等が挙げられる。
アルコール類の使用量はセメント100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましく、0.5〜3重量部がより好ましい。0.1重量部未満では効果がなく、5重量部を越えると硬化が遅延しすぎて硬化不良となるおそれがある。
【0029】
リン酸塩としては、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、及びトリメタリン酸ナトリウム等が挙げられる。又、ナトリウムの代わりにカリウムを使用してもよい。これらの中では、長期強度発現性を阻害しにくい点で、トリポリリン酸ナトリウムが好ましい。
リン酸塩の使用量は、セメント100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましく、0.2〜2重量部がより好ましい。0.1重量部未満では効果がなく、5重量部を越えると硬化が遅延しすぎて硬化不良となるおそれがある。
【0030】
ホウ酸塩としては、ホウ酸ナトリウムやホウ酸カリウム等が挙げられる。
ホウ酸塩の使用量はセメント100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。0.1重量部未満では効果がなく、10重量部を越えると硬化が遅延しすぎて硬化不良となるおそれがある。
【0031】
これらの凝結遅延剤の中では初期強度発現の点で、有機酸とアルカリ炭酸塩の併用が好ましい。
【0032】
有機酸とアルカリ炭酸塩を併用した場合、アルカリ炭酸塩の使用量は、有機酸100重量部に対して、10〜1000重量部が好ましく、50〜700重量部がより好ましい。10重量部未満では効果がなく、1000重量部を越えると遅延性が低下するおそれがある。
有機酸とアルカリ炭酸塩の混合物の使用量は、セメント100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。0.1重量部未満では効果がなく、10重量部を越えると硬化が遅延しすぎて硬化不良となるおそれがある。
【0033】
本発明で使用する粉塵低減剤とは、粉塵低減性やリバウンド防止性を有するものをいい、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、メチルエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリ酢酸ビニル、及びポリエチレン−ポリ酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらの中では、効果が大きい点で、メチルセルロースが好ましい。
粉塵低減剤の使用量は、セメント100重量部に対して、0.001〜1.0重量部が好ましく、0.01〜0.5重量部がより好ましい。0.001重量部未満では効果がなく、1.0重量部を越えると粘性が大きくなり、圧送性に支障を来すおそれがある。
【0034】
本発明で使用する超微粉とは平均粒径10μm以下のものをいい、セメント量や粉塵量の低減と、コンクリートの圧送性の向上とを可能にする。超微粉としては、微粉スラグ、フライアッシュ、ベントナイト、カオリン、及びシリカフューム等が挙げられる。これらの中では効果が大きい点で、シリカフュームが好ましい。
超微粉の使用量は、セメント100重量部に対して、1〜100重量部が好ましく、2〜30重量部がより好ましい。1重量部未満では効果がなく、100重量部を越えると凝結や硬化が遅れるおそれがある。
【0035】
本発明で使用する繊維は、無機質や有機質いずれも使用でき、吹付コンクリートの耐衝撃性や弾性を向上させるものである。繊維状物質の長さは、圧送性や混合性の点で、50mm以下が好ましく、30mm以下がより好ましい。50mmを越えると圧送中に吹付コンクリートが閉塞するおそれがある。
無機質の繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、ロックウール、石綿、セラミック繊維、及び金属繊維等が挙げられ、有機質の繊維としては、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアクリル繊維、セルロース繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアミド繊維、パルプ、麻、木毛、及び木片等が挙げられる。これらの中では、経済性の点でビニロン繊維や金属繊維が好ましい。
繊維の使用量は、セメント100重量部に対して、0.5〜7重量部が好ましく、1〜5重量部がより好ましい。0.5重量部未満では効果がなく、7重量部を越えると吹付コンクリートの流動性が低下するおそれがある。
【0036】
本発明での水の使用量は、セメント100重量部に対して、35〜60重量部以下が好ましく、40〜55重量部がより好ましい。35重量部未満だとミキサーで混練りできず、60重量部を越えると強度発現性が悪くなるおそれがある。
【0037】
本発明で使用される粗骨材や細骨材等の骨材は吸水率が低くて、骨材強度が高いものが好ましいが、特に制限されるものではない。
粗骨材としては最大直径20mm以下のものが好ましく、ポンプ圧送性を考慮すると最大直径5〜15mmのものがより好ましい。
細骨材としては最大直径5mm以下のものが好ましく、川砂、山砂、石灰砂、及び珪砂等が挙げられる。
【0038】
本発明の吹付材料を使用する際には、連行空気量を調整するために消泡剤を使用してもよい。消泡剤としては、低級アルコール類、高級アルコール類、油脂類、脂肪酸類、脂肪酸エステル類、リン酸エステル類、金属石鹸類、鉱物油類、シリコーン類、及びポリエーテル類の高分子等が挙げられる。これらの中では効果が大きい点で高分子が好ましい。高分子としては、ポリオキシエチレンポリプロピレン付加物等のポリオキシアルキレン類、ポリオキシアルキレン類の末端基の一部をアルキル基でエーテル化したポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレン類の末端基の一部をアリール基やアルキルアリール基でエーテル化したポリオキシアルキレン(アルキル)アリールエーテル類、ポリオキシアルキレン類の末端基の一部を脂肪酸エステル化したポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレン類の末端基の一部を硫酸エステル化したポリオキシアルキレン(アルキル)アリールエーテル硫酸エステル塩類、及びポリオキシアルキレン類の末端基の一部をアミノ化したポリオキシアルキレンアルキルアミン類等のポリオキシアルキレン類等が挙げられる。
消泡剤の使用方法としては、本共重合体カルシウム塩を製造する途中で予め添加する方法、消泡剤をホワイトカーボンやシリカ等の無機粉体に含浸させて粉状消泡剤とする方法、及び本共重合体カルシウム塩や各種粉体材料とともにプレミックスする方法等が挙げられる。
【0039】
消泡剤の使用量は、本共重合体カルシウム塩からなる粉状ポリカルボン酸系高性能減水剤100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、0.05〜5重量部がより好ましい。0.01重量部未満だと消泡効果がなく、10重量部を越えても消泡効果の向上は期待できず、連行空気量が却って多くなるおそれがある。
【0040】
本発明の吹付工法では、要求される物性、経済性、及び施工性等から、セメントを含有するドライセメントモルタル、セメントと水を含有するセメントモルタル、ペースト、及びコンクリートとして吹付作業を行うことができ、必要に応じて、これらにカルシウムアルミネートを含有する急結剤を流動中合流混合してもよい。
【0041】
吹付工法としては、乾式吹付法や湿式吹付法が挙げられる。
乾式吹付法としては、セメントと骨材を混合したドライセメントモルタルを調製する一方で、必要に応じて急結剤もベルトコンベアで搬入混合し、空気圧送し、途中で急結剤、水を順に供給し吹付ける方法等が挙げられる。
湿式吹付法としては、セメント、骨材、及び水を混合したセメントモルタルを調製し、空気圧送し、例えば、途中に設けたY字管の一方から必要に応じて急結剤を空気圧送し、セメントモルタルと合流混合させ吹付ける方法等が挙げられる。
これらの吹付工法の場合、本共重合体カルシウム塩からなる粉状ポリカルボン酸系高性能減水剤、凝結促進剤、凝結遅延剤、粉塵低減剤、超微粉、及び繊維といった急結剤以外の混和剤や混和材は、モルタル側や急結剤側のどちら側にも混合でき、一方側のみに圧送しても良く、両側に併用してもよい。最終的に本発明からなる吹付材料が吹き付けられれば問題はない。凝結促進剤、粉塵低減剤、超微粉、及び繊維は、優れた効果が得られる点で、モルタル側へ使用することが好ましい。
なお、場合によっては、急結剤と水を混合し、急結剤スラリーとして使用してもよい。
【0042】
本発明の吹付工法においては、従来使用の吹付設備等が使用できる。通常、吹付圧力は2〜5kg/cm2、吹付速度は4〜20m3/hである。
吹付設備は吹付が十分に行われれば、特に限定されるものではなく、例えば、コンクリートの圧送にはアリバー社商品名「アリバー280」等が、急結剤の圧送には急結剤圧送装置「ナトムクリート」等が使用できる。
【0043】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明する。
【0044】
(実施例1)
各材料の単位量をセメント360kg/m3 、粗骨材734kg/m3 、細骨材1089kg/m3 、及び水191kg/m3 とし、セメント100重量部に対して表1に示す量の高性能減水剤を混合して吹付コンクリートとした。この吹付コンクリートについて、スランプや圧縮強度を測定した。但し、使用材料中の本共重合体カルシウム塩のnは化学式(1)中のnである。結果を表1に示す。
【0045】
(使用材料)
セメント:市販普通ポルトランドセメント 比重3.16
粗骨材:富山県境川産砂利、表乾状態、最大寸法15mm以下、比重2.64
細骨材:富山県境川産川砂、表乾状態、最大寸法5mm以下、比重2.61
水:水道水、20℃
高性能減水剤▲1▼:本共重合体カルシウム塩、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル−マレイン酸共重合体カルシウム塩、n=45、重量平均分子量20000、粉体、粒径200μm以下
高性能減水剤▲2▼:本共重合体カルシウム塩、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル−マレイン酸共重合体カルシウム塩、n=10、重量平均分子量20000、粉体、粒径200μm以下
高性能減水剤▲3▼:本共重合体カルシウム塩、メトキシポリエチレングリコールアリルエーテル−マレイン酸共重合体カルシウム塩、n=10、重量平均分子量20000、粉体、粒径200μm以下
高性能減水剤▲4▼:市販のナフタレンスルホン酸塩系高性能減水剤、粉体
高性能減水剤▲5▼:市販のメラミン系高性能減水剤、粉体
高性能減水剤▲6▼:市販のメトキシポリエチレングリコールメタクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体塩を主成分とする高性能減水剤、水溶液
高性能減水剤▲7▼:スチレン−マレイン酸共重合体塩、重量平均分量40000、粉体、粒径200μm以下
【0046】
(測定方法)
スランプ:JIS A 1101に準じて測定。
圧縮強度:直径10cm×長さ20cmの型枠にコンクリートを流し込んで成形し、硬化後脱型し、20℃で水中養生し、20t耐圧試験機で測定した。
重量平均分子量:水系GPCにより測定した。重量平均分子量は既知のポリエチレングリコールを標準物質とした。
【0047】
【表1】
Figure 0003729580
【0048】
(実施例2)
セメント100重量部、高性能減水剤▲1▼0.3重量部、及び表2に示す量の凝結促進剤を混合して吹付コンクリートとしたこと以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表2に示す。
(使用材料)
凝結促進剤A:市販アルミン酸ナトリウム
凝結促進剤B:市販炭酸ナトリウム
凝結促進剤C:市販明礬
【0049】
【表2】
Figure 0003729580
【0050】
(実施例3)
各材料の単位量をセメント360kg/m3 、粗骨材734kg/m3 、細骨材1089kg/m3 、及び水191kg/m3 とし、セメント100重量部に対して表3に示す量の高性能減水剤▲1▼を混合して吹付コンクリートとし、これをコンクリート圧送機「アリバ−280」を用いて圧送した。途中で設けたY字管の一方より、カルシウムアルミネートからなる急結剤を、セメント100重量部に対して10重量部混合して急結剤添加機「デンカナトムクリート」で圧送し、合流混合して急結性吹付コンクリートを調製した。
この急結性吹付コンクリートを4m3/hの吹付速度で30分間高さ3.5m、幅2.5mの模擬トンネルに吹付けし、粉塵量とリバウンド率を測定した。結果を表3に示す。
(使用材料)
カルシウムアルミネート:主成分C127 、ブレーン値6100cm2/g 、比重2.90
(測定方法)
粉塵量:吹付け開始後、10分毎に吹付場所より3mの定位置で測定した。
リバウンド率:吹付け終了後、付着せずに落下した吹付コンクリートの量を測定し、(リバウンド率)=(吹付けの際に模擬トンネルに付着せずに落下した吹付コンクリートの重量)/(吹付けに使用した吹付コンクリートの重量)×100(%)の式から算出した。
【0051】
【表3】
Figure 0003729580
【0052】
(実施例4)
セメント100重量部と高性能減水剤▲1▼0.3重量部を混合して吹付コンクリートとし、カルシウムアルミネートからなる急結剤をセメント100重量部に対して表4に示す量を混合して急結性吹付コンクリートとしたこと以外は、実施例3と同様に実施し、圧縮強度を測定した。結果を表4に示す。
(測定方法)
圧縮強度:調製した吹付コンクリートを、幅25cm×長さ25cmのプルアウト型枠と縦50cm×横50cm×長さ20cmの型枠に吹付けした。材齢3時間はプルアウト型枠の供試体を使用して測定した。プルアウト型枠表面からピンを吹付コンクリートで被覆し、型枠の裏側よりピンを引き抜き、その時の引き抜き強度を求め、(圧縮強度)=(引き抜き強度)×4/(供試体表面積)の式から圧縮強度を算出した。材齢1日以降は幅50cm×長さ50cm×厚さ20cmの型枠から採取した直径5cm×長さ10cmの供試体を20トン耐圧機で測定し、圧縮強度を求めた。
【0053】
【表4】
Figure 0003729580
【0054】
(実施例5)
セメント100重量部と高性能減水剤▲1▼0.3重量部を混合して吹付コンクリートとし、カルシウムアルミネート100重量部と表5に示す量の凝結促進剤を混合した急結剤をセメント100重量部に対して10重量部混合して急結性吹付コンクリートとしたこと以外は、実施例3と同様に実施し、所定材齡での圧縮強度を実施例4の方法に従って測定した。結果を表5に示す。
【0055】
【表5】
Figure 0003729580
【0056】
(実施例6)
セメント100重量部と高性能減水剤▲1▼0.3重量部を混合して吹付コンクリートとし、カルシウムアルミネート100重量部と凝結促進剤A10重量部を混合した急結剤を、セメント100重量部に対して表6に示す量を混合して急結性吹付コンクリートとしたこと以外は、実施例3と同様に実施し、圧縮強度を実施例4の方法に従って測定した。結果を表6に示す。
【0057】
【表6】
Figure 0003729580
【0058】
(実施例7)
各材料の単位量を実施例1と同様にし、表乾状態の粗骨材と細骨材を使用し、セメント100重量部と高性能減水剤▲1▼0.3重量部を混合してドライコンクリートを調製し、ベルトコンベアで吹付機に搬入した。一方、カルシウムアルミネート100重量部と凝結促進剤A10重量部を混合した急結剤をセメント100重量部に対して10重量部を、ベルトコンベア上でドライコンクリートに添加した。
急結剤を添加したドライコンクリートを吹付機から空気圧送し、Y字管により水をセメント100重量部に対して50重量部となるように加え、乾式吹付施工を実施し、圧縮強度を実施例4の方法に従って測定した。
その結果、配管の閉塞等のトラブルもなく吹付施工を実施することができた。その時の材齢3時間の圧縮強度は1.3N/mm2 、28日の圧縮強度は33.4N/mm2 であった。
【0059】
又、この時の粉塵量を高性能減水剤▲1▼を添加しない場合と比較したところ、高性能減水剤▲1▼を添加しない場合では、29.6mg/m3 であるのに対し、高性能減水剤▲1▼を添加した場合では、19.6mg/m3 であり、明らかに高性能減水剤▲1▼を添加した方が粉塵発生量が少なかった。
【0060】
(実施例8)
セメント100重量部、高性能減水剤▲1▼0.3重量部、及び表7に示す量の凝結遅延剤を混合して吹付コンクリートとし、カルシウムアルミネート100重量部と凝結促進剤A10重量部を混合した急結剤を、セメント100重量部に対して10重量部混合して急結性吹付コンクリートとしたこと以外は、実施例3と同様に実施し、圧縮強度を実施例4の方法に従って測定した。結果を表7に示す。
(使用材料)
凝結遅延剤α:市販クエン酸
凝結遅延剤β:市販の炭酸カリウム
凝結遅延剤γ:市販のクエン酸3と炭酸カリウム7の混合物(重量比)
凝結遅延剤δ:市販エチレングリコール
凝結遅延剤ε:市販トリポリリン酸ナトリウム
凝結遅延剤ζ:市販ホウ酸ナトリウム
【0061】
【表7】
Figure 0003729580
【0062】
(実施例9)
セメント100重量部、高性能減水剤▲1▼0.3重量部、及び表8に示す量の粉塵低減剤を混合して吹付コンクリートとし、カルシウムアルミネート100重量部と凝結促進剤A10重量部を混合した急結剤を、セメント100重量部に対して10重量部混合して急結性吹付コンクリートとしたこと以外は、実施例3と同様に実施し、粉塵量及びリバウンド率を測定した。結果を表8に示す。
(使用材料)
粉塵低減剤ア:市販メチルセルロース
粉塵低減剤イ:市販ヒドロキシプロピルセルロース
【0063】
【表8】
Figure 0003729580
【0064】
(実施例10)
セメント100重量部、高性能減水剤▲1▼0.3重量部、及び表9に示す量の超微粉を混合して吹付コンクリートとし、カルシウムアルミネート100重量部と凝結促進剤A10重量部を混合した急結剤を、セメント100重量部に対して10重量部混合して急結性吹付コンクリートとしたこと以外は、実施例3と同様に実施し、リバウンド率を測定した。結果を表9に示す。
(使用材料)
超微粉a:市販のシリカヒューム、平均粒径10μm以下
超微粉b:市販の高炉スラグの粉砕品、平均粒径10μm以下
【0065】
【表9】
Figure 0003729580
【0066】
(実施例11)
セメント100重量部、高性能減水剤▲1▼0.3重量部、及び表10に示す量の繊維を混合して吹付コンクリートとし、カルシウムアルミネート100重量部と凝結促進剤A10重量部を混合した急結剤を、セメント100重量部に対して10重量部混合して急結性吹付コンクリートとしたこと以外は、実施例3と同様に実施し、耐衝撃性を測定した。結果を表10に示す。
(使用材料)
繊維i:市販のビニロン繊維、繊維長10mm
繊維ii:市販のスチールファイバー、繊維長30mm
(測定方法)
耐衝撃性:材齢3時間後の吹付コンクリートを幅20cm×長さ20cm×厚さ2.5cmに切り取ったものを、平らにならした標準砂の上に置き、重さ100gの球体を50cmの高さから落下させた。落下回数が5回以内で破壊したものを×とし、破壊せずにひびが入ったものを○、破壊せずにひびが入らないものを◎とした。
【0067】
【表10】
Figure 0003729580
【0068】
(実施例12)
セメントの単位量を表11に示す量とし、水の使用量をセメント100重量部に対して表11に示す量とし、セメント100重量部と高性能減水剤▲1▼0.3重量部を混合して吹付コンクリートとし、カルシウムアルミネート100重量部と凝結促進剤A10重量部を混合した急結剤を、セメント100重量部に対して10重量部を混合して急結性吹付コンクリートとしたこと以外は、実施例3と同様に実施した。吹付コンクリートについては、混練り直後のスランプを測定した。結果を表11に示す。
【0069】
【表11】
Figure 0003729580
【0070】
【発明の効果】
本発明の吹付材料を使用することにより、吹付機のトラブル等で吹付コンクリートを練り置く必要が生じても、長時間にわたり流動性が大きく、強度発現、粉塵低減、及びリバウンド低減に優れた吹付コンクリートや急結性吹付コンクリートが得られる。又、本発明の吹付材料は粉末であるために、セメントや各種セメント混和材とあらかじめプレミックスでき、作業性を改善でき、より高品質な吹付材料を調整できる。さらに、セルロース系粉塵低減剤と併用しても減水効果や分散効果が維持でき、強度発現性の阻害も抑えることができる。

Claims (6)

  1. セメントと、化学式(1)で示されるポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテルとマレイン酸の共重合体のカルシウム塩からなる粉状ポリカルボン酸系高性能減水剤とを含有してなることを特徴とする吹付材料。
    Figure 0003729580
  2. セメント、化学式(1)で示されるポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテルとマレイン酸の共重合体のカルシウム塩からなる粉状ポリカルボン酸系高性能減水剤、及びカルシウムアルミネートを含有してなる急結剤を含有してなることを特徴とする請求項1記載の吹付材料。
  3. 化学式(1)においてa=0であることを特徴とする請求項1又は2記載の吹付材料。
  4. さらに、急結剤が凝結促進剤を含有してなることを特徴とする請求項1〜3記載の吹付材料。
  5. さらに、凝結遅延剤、粉塵低減剤、超微粉、及び繊維からなる群より選ばれた一種又は二種以上の混和剤を含有してなることを特徴とする請求項1〜4記載の吹付材料。
  6. 請求項1〜5記載の吹付材料を使用してなることを特徴とする吹付工法。
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