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JP3728053B2 - 吐出用液体収容容器 - Google Patents

吐出用液体収容容器 Download PDF

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JP3728053B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吐出用液体収容容器に関し、特に、インクジェット記録装置に使用される液体状のインクや処理用の液体を保有するタンクとして好適な吐出用液体収容容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、インクジェット記録装置に使用されるインクタンクにおいては、インクジェットへッドにインクを供給するためのインク供給口と、インク消費に見合った容積の空気をインクタンク内に導入するための大気連通口との2つの開口部を備えている。
【0003】
かかる2つの開口部を有するインクタンクにあっては、まず、記録時にインクジェットヘッドにインク切れ等を伴わず安定的にインクを供給できること、また、非記録時には様々な環境条件の変化においてもインクの洩れを確実に防止すること、および、インクタンクの交換の際の開封時におけるインクの漏出を確実に防止することが要求されている。
【0004】
このような要求を満たすべく、インク等の液体を収容するための実質的に密閉された空間と、その側方に負圧発生部材を備えた負圧発生室とを有するインク収容容器が、本出願人によって提案されている。
【0005】
かかるインク収容容器に関する代表的な先行出願として、特開平7−125232号、米国特許第5,509,140号明細書および特開平7−68778号公報を挙げることができる。
【0006】
特開平7−125232号公報には、側方からのインク供給管の挿入により負圧発生部材に圧縮分布を生じさせ、密閉空間内のインクを気液交換により合理的に消費していく発明が代表的な発明として開示されている。
【0007】
また、米国特許第5,509,140号明細書は、インク収容容器内の構造として、気液交換促進構造を予め形成することで、気液交換のより早期かつ確実な負圧安定域を形成できる発明を代表的な発明として開示している。
【0008】
さらに、特開平7−68778号公報は、インク収容容器の底部からインク供給を行う構成の容器に対して、上記米国特許第5,509,140号に記載の発明を利用しつつ、底部におけるインクの一時的溜めとしての凹部を付加した発明を開示している。
【0009】
上述の発明はいずれも、本出願人により製品化され現在も実用に供されている。
【0010】
一方、実開昭57−16385号公報は、上述の発明とは考えの異なる、いわゆる、バードフィード(チキンフィード)方式によりインク供給を行う構成を開示している。
【0011】
さらに、特開平7−125232号公報には、負圧発生部材を収容すると共に大気連通部を備えた負圧発生部材収納室と、該大気連通部から離れた位置に設けられた微少な連通部を介してのみ負圧発生部材収納室に連通され該負圧発生部材収納室に供給するインクを直接収納している液体収納室とで構成され、負圧特性を安定させ、インクの使用効率を高めるようにしたインクタンクが開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年におけるインクジェット記録装置の需要が増大する中、そのプリントの高速化やプリントの高品質化に対する要求もますます高くなってきている。
【0013】
一方で、インクジェット記録装置の使用頻度が高くなり、インクの消費量が増大するからインクタンクを頻繁に交換する必要があるが、これは消費者にとっては煩わしいことである。従って、このインクタンクの交換頻度を低減するために大容量のインクタンクの出現が求められている。
【0014】
また、高品質化のためには、記録媒体上でのインクの滲み、いわゆる、フェザリングを避ける意味から、表面張力の大きいインクを用いることが好ましい。
【0015】
そこで、本発明者等は、液体を実質的な密閉空間に収容し、その空間の側方に負圧発生部材を有する負圧発生室を具備した液体収容容器の大型化を目指す検討に入った、特に、負圧発生部材を有する負圧発生室を底面に沿った方向に大型化し、全体的にも容器外壁が形成する容積も大幅に増加する(例えば、30cm3 以上)ことを目指した。
【0016】
前述した、本出願人の発明によって、気液交換システム全体は技術的に完成したものであるため、その気液交換技術を導入して検討したところ、別の技術的問題に直面した、すなわち、大型化された液体収容容器であるために、負圧発生部材自体のばらつき要素が大きく影響し始め、歩留まりが悪くなる場合があった。
【0017】
発明者等は、各種の観点から技術的要素を検討したところ、新たなる発明を完成するに至った。
【0018】
本発明の目的は、液体収容容器の大型化によって、従来は無視し得た圧力損失のパラメータに係わる影響に注目し、大型化された容器であっても負圧発生部材のばらつきに影響されずに安定した負圧条件を維持しつつ、実質的に密閉された空間内の液体を効率よく供給できる新たな着想に基づく新規な構造の吐出用液体収容容器を提供することにある。
【0019】
また、本発明は上記検討中に得られた圧力損失に関する知見、すなわち、気液交換構造の安定した状況を利用した新たな液体供給システムを提供するものである。
【0020】
さらに、本発明は単位時間当たりの液体供給量が異なる容器であっても、共通構造の容器により対応できる技術的関係式を教示するものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明の吐出用液体収容容器は、大気と連通する大気連通部と液体噴射ヘッドに液体を供給するための吐出用液体供給とを備え内部に負圧発生部材を収納した負圧発生部材収納室と、前記負圧発生部材収納室と連通路を介して連通するとともに、前記連通路を除いて実質的に密閉である液体収納室と、前記負圧発生部材収納室と前記液体収納室とを連通する前記連通路を規定し、両室を仕切る隔壁と、前記隔壁の前記負圧発生部材収納室側に設けられ、前記隔壁の途中から前記連通路に至る経路として構成され、前記負圧発生部材収納室から前記液体収納室に大気を導入するのに利用される大気導入経路と、を備える吐出用液体収容容器であって、前記大気導入経路の全部あるいは大気導入経路の一部分が、次に示す条件式を満たす毛管力発生部として構成されていることを特徴とする。
【0022】
H<h≦Hs−Hp−Δh
ここで、hは、前記毛管力発生部により発生される毛管力を吐出用液体の密度ρと重力加速度gの積で割り長さの次元に変換して示したもの、すなわち、発生する毛管力をΔPcとするとき、h=ΔPc/ρg、Hは毛管力発生部と液体噴射ヘッド吐出口形成面の位置ヘッドの差、Hsは、負圧発生部材の毛管力を吐出用液体の密度ρと重力加速度gの積で割り長さの次元に変換して示したもの、すなわち、負圧発生部材の毛管力をΔPsとするとき、Hs=ΔPs/ρg、Hpは負圧発生部材内の気液交換が始まった状態における気液界面と毛管力発生部の位置ヘッドの差、Δhは連通路と吐出用液体供給口との間の負圧発生部材における圧力損失を前記密度ρと重力加速度gの積で割り長さの次元に変換して示したもの、すなわち、圧力損失をΔPeとするとき、Δh=ΔPe/ρgである。
【0023】
また、請求項2に記載の発明の吐出用液体収容容器は、大気と連通する大気連通部と液体噴射ヘッドに液体を供給するための吐出用液体供給とを備え内部に負圧発生部材を収納した負圧発生部材収納室と、前記負圧発生部材収納室と連通路を介して連通するとともに、前記連通路を除いて実質的に密閉である液体収納室と、前記負圧発生部材収納室と前記液体収納室とを連通する前記連通路を規定し、両室を仕切る隔壁と、前記隔壁の前記負圧発生部材収納室側に設けられ、前記隔壁の途中から前記連通路に至る経路として構成され、前記負圧発生部材収納室から前記液体収納室に大気を導入するのに利用される大気導入経路と、を備える吐出用液体収容容器であって、前記大気導入経路の全部あるいは大気導入経路の一部分が、次に示す条件式を満たす毛管力発生部として構成されていることを特徴とする。
【0024】
H+hm<h≦Hs−Hp−Δh
ここで、hは、前記毛管力発生部により発生される毛管力を吐出用液体の密度ρと重力加速度gの積で割り長さの次元に変換して示したもの、すなわち、発生する毛管力をΔPcとするとき、h=ΔPc/ρg、Hは毛管力発生部と液体噴射ヘッド吐出口形成面の位置ヘッドの差、Hsは、負圧発生部材の毛管力を吐出用液体の密度ρと重力加速度gの積で割り長さの次元に変換して示したもの、すなわち、負圧発生部材の毛管力をΔPsとするとき、Hs=ΔPs/ρg、Hpは負圧発生部材内の気液交換が始まった状態における気液界面と毛管力発生部の位置ヘッドの差、Δhは連通路と吐出用液体供給口との間の負圧発生部材における圧力損失を前記密度ρと重力加速度gの積で割り長さの次元に変換して示したもの、すなわち、圧力損失をΔPeとするとき、Δh=ΔPe/ρg、hmは設計マージン毛管力を前記密度ρと重力加速度gの積で割り長さの次元に変換して示した設計マージンを示すもの、すなわち、設計マージン毛管力をΔPmとするとき、hm=ΔPm/ρgである。
【0025】
さらに、請求項3に記載の発明の吐出用液体収容容器は、請求項1または2に記載の吐出用液体収容容器において、前記毛管力発生部は、Lをその周囲長およびSをその断面積とするとき、前記hが次式で表されるものであることを特徴とする。
【0026】
【数6】
h=L/S×γ/ρg×cosθ
但し、ρは吐出用液体の密度、gは重力加速度、γは吐出用液体の表面張力、θは吐出用液体の接触角である。
【0028】
請求項に記載の発明の吐出用液体収容容器は、請求項1または2に記載の吐出用液体収容容器において、前記吐出用液体供給口は吐出用液体収容容器の底部に形成されていることを特徴とする。
【0029】
請求項に記載の発明の吐出用液体収容容器は、請求項1または2に記載の吐出用液体収容容器において、前記大気導入路は、気液交換後、その上端が大気との連通状態を維持することを特徴とする。
【0030】
請求項に記載の発明の吐出用液体収容容器は、請求項1または2に記載の吐出用液体収容容器において、前記大気導入経路は、上部が前記毛管力発生部よりも断面積が大きい通路であることを特徴とする。
【0031】
請求項に記載の発明の吐出用液体収容容器は、請求項1または2に記載の吐出用液体収容容器において、少なくとも前記毛管力発生部は、複数本設けられていることを特徴とする。
【0032】
請求項に記載の発明の吐出用液体収容容器は、請求項1または2に記載の吐出用液体収容容器において、前記大気導入経路は、一面が前記負圧発生部材で塞がれた溝で形成されていることを特徴とする。
【0033】
請求項に記載の発明の吐出用液体収容容器は、請求項1または2に記載の吐出用液体収容容器において、前記毛管力発生部は矩形断面を有した、その幅×深さの寸法が、0.20〜0.40mm×0.20〜0.40mmであることを特徴とする。
【0034】
請求項10に記載の発明の吐出用液体収容容器は、請求項1または2に記載の吐出用液体収容容器において、前記毛管力発生部の長さ寸法が、2〜10mmであることを特徴とする。
【0035】
請求項11に記載の発明の吐出用液体収容容器は、請求項1または2に記載の吐出用液体収容容器において、前記大気導入経路の高さは前記連通路の上縁から10〜30mmであることを特徴とする。
【0036】
請求項12に記載の発明の吐出用液体収容容器は、請求項1または2に記載の吐出用液体収容容器において、前記連通路と前記吐出液体供給口との距離は、10〜50mmであることを特徴とする。
【0037】
請求項13に記載の発明の吐出用液体収容容器は、請求項1ないし12のいずれかに記載の吐出用液体収容容器において、前記負圧発生部材は、ポリウレタンフォームの吸収体であることを特徴とする。
【0038】
請求項14に記載の発明の吐出用液体収容容器は、請求項1ないし13のいずれかに記載の吐出用液体収容容器において、前記吐出用液体供給口に前記負圧発生部材に当接させて圧固体を配設したことを特徴とする。
【0039】
請求項15に記載の発明の吐出用液体収容容器は、請求項14に記載の吐出用液体収容容器において、前記圧固体は、ポリプロピレンのフェルトであることを特徴とする。
【0040】
請求項16に記載の発明の吐出用液体収容容器は、請求項1ないし15のいずれかに記載の吐出用液体収容容器において、前記吐出用液体収容容器は、液体噴射ヘッドに供給するインクを収容するものであることを特徴とする。
【0056】
本発明による吐出用液体収容容器は、上部で大気に連通し下部でインク供給口に連通し内部に負圧発生部材を収容する負圧発生部材収納室と、吐出用液体を直接に収容する実質的に密閉された液体収納室とを備え、前記負圧発生部材収納室と前記液体収納室とが底部の連通路を介して連通されているので、吐出用液体が充填されたとき、液体収納室には吐出用液体のみが収容され、負圧発生部材収納室の負圧発生部材に所定の高さの気液界面位置にまで吐出用液体が含浸される。そして、吐出用液体供給口を介して吐出用液体が消費されるに連れ、気液界面が低下し、毛管力発生部を有し前記負圧発生部材収納室から前記液体収納室に大気を導入する大気導入路の上端に気液界面が到達すると、大気が大気導入路に導入される。すると、該大気導入路に構成された毛管力発生部の毛管力に打ち勝って、大気が連通路を介して液体収納室に入り込む。そこで、液体収納室のインクが代わりに負圧発生部材収納室に供給される、気液交換が行われることになる。この結果、前記大気導入路の毛管力発生部に再度インクが充填されて、毛管力が発生し、液体収納室からのインクの供給が停止される。
【0057】
吐出用液体の消費中の大半はこの気液交換が連続的に行われ、負圧発生部材内の発生負圧はこの大気導入路の毛管力発生部の毛管力により決定される。従って、この毛管力を所定の値に設定することにより、発生負圧をほぼ一定に制御することができ、負圧特性の安定化が図れる。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき添付図面を参照しつつ説明する。
【0059】
本発明の好適な実施の形態の一つの概要を、まず、図1および図2を参照して説明する。
【0060】
まず、本実施の形態にかかる吐出用液体収容容器としてのインクタンク10は、略直方体状をなしており、その上壁10Uには、インクタンク内部と通じる穴である大気連通口12が設けられている。
【0061】
この通気孔12は射出成形により形成されるために、一般的に直径1mm程度が普通である。インクの蒸発は一種の拡散現象であるために、拡散通過に比例して増加するし、拡散距離の2乗に比例して少なくなる。そこで、図13(A)、(B)に詳しく示すように、通気孔12が形成された部分につながるような溝を上壁10Uに形成し、この溝をジグザグや複雑な迷路形状にした大気連通溝11としている。そして、この長い複雑な大気連通溝11を覆うフィルム部材(不図示)をインクタンク10の上壁10Uに熱溶着により、あるいは接着剤もしくは粘着剤で貼り付けて、長く複雑な大気連通通路を構成している。このようにすることにより、通気孔12を直接大気に開口させる場合と比較して、インクの蒸発量が1/1000〜1/10000に低減される。なお、図13(B)に示すものは、使用量の多いブラックインク用である。
【0062】
そして、フィルム部材の一部分はそのままインクタンク10の端面を越えて延長され、摘み部分となっている。摘み部分の一部には、摘み部分であることを明確に認識させるための表示部が形成されている。フィルム部材の一部の両縁には切断補助のための切れ目が前記大気連通溝11を外して設けられており、この切れ目からフィルム部材が切断されることにより、大気連通溝11の一端が露出され、この大気連通溝11の一部分が大気と連通することで大気連通口12が開封されることとなる。なお、図1には図示の簡略化のために、上壁10Uには大気連通口12のみが示されている。
【0063】
また、インクタンク10の下壁10Bには、筒状に突出した形態で吐出用液体供給口としてのインク供給口を有するインク供給筒14が形成されている。そして、物流過程では大気連通口12はフィルムシート等で、また、このインク供給筒14はインク供給口密閉部材としてのキャップにより塞がれて密閉されている。
【0064】
16はインクタンク10の外側に弾性変形自在に一体に成形されたレバー部材であり、その中間部に係止用突起が形成されている。
【0065】
20は、上述のインクタンク10が装着されるヘッド一体型のタンクケースであり、本実施の形態では、例えば、シアンC、マゼンタM、イエローYの各色のインクタンク10(10C、10M、10Y)を収容する。タンクケース20の下部にはカラーインクジェットヘッド22が一体的に設けられている。カラーインクジェットヘッド22はその複数の吐出口が下向きに形成されている(以下、この吐出口が形成されているヘッドの面を吐出口形成面と称す)。
【0066】
そして、インクタンク10は、図1(A)に示す状態から、ヘッド一体型のタンクケース20に、そのインク供給筒14がカラーインクジェットヘッド22の不図示のインク供給筒受け部に係合し、かつ、カラーインクジェットヘッド22のインク通路筒がインク供給筒14内に進入するように押し込まれる。すると、レバー部材16の係止用突起16Aがヘッド一体型のタンクケース20の所定箇所に形成された不図示の突起に係合し、図1(B)に示す正規の装着状態が得られる。なお、このインクタンク10が装着された状態のヘッド一体型のタンクケース20は、不図示のインクジェット記録装置のキャリッジにさらに搭載されプリント可能状態とされる。しかしてこの状態で、インクタンク10の底部とヘッドの吐出口形成面との間には所定の水頭差Hが形成されることになる。
【0067】
ここで、インクタンク10の全実施の形態に共通する内部構造につき、図2を参照して説明する。
【0068】
本実施の形態のインクタンク10は、上部で大気連通口12を介して大気に連通し下部でインク供給口に連通し内部に負圧発生部材としての吸収体32を収容する負圧発生部材収納室34と、液体のインクを収容する実質的に密閉された液体収納室36とに隔壁38でもって仕切られている。そして、負圧発生部材収納室34と液体収納室36とはインクタンク10の底部付近で隔壁38に形成された連通路40を介してのみ連通されている。
【0069】
負圧発生部材収納室34を画成するインクタンク10の上壁10Uには、内部に突出する形態で複数個のリブ42が一体に成形され、負圧発生部材収納室34に圧縮状態で収容される吸収体32と当接している。しかして、上壁10Uと吸収体32の上面との間にエアバッファ室44が形成されている。吸収体32は熱圧縮ウレタンフォームで形成されており、後述するように所定の毛管力を発生すべく、圧縮状態で負圧発生部材収納室34内に収容されている。この所定の毛管力を発生するための吸収体32のポアサイズの絶対値は、使用するインクの種類、インクタンク10の寸法、インクジェットヘッド22の吐出口形成面の位置(水頭差H)等により異なるが、後述の毛管力発生部としての毛管力発生溝または通路での毛管力よりも大きい毛管力を発生できることが必要であり、そのためには、約50個/インチ以上であることが最低必要である。
【0070】
また、インク供給口14Aを画成しているインク供給筒14内には、ディスク状ないしは円柱状の圧固体46が配置されている。圧固体46は、例えば、ポリプロピレンのフェルトにより形成され、それ自体は外力により容易に変形しないものである。圧固体46は、上述のタンクケース20に装着されていない図2に示す状態において、吸収体32を局所的に圧縮するよう吸収体32に押し込まれた状態に保持されている。このために、インク供給筒14の端部には、圧固体46の周辺に当接するフランジが形成されている。
【0071】
なお、この押し込み量は、上述のカラーインクジェットヘッド22のインク通路筒がインク供給筒14内に進入されたとき、1.0〜3.0mm、取り外されて進入していないとき、0.5〜2.0mmとするのが好ましい。これは、インクの良好な流れを確保しつつ、インクタンクが取り外されたときのインクたれを防止するためである。
【0072】
また、インク供給口部分には圧固体46が配されており、圧固体46が吸収体32に押し付けられているので、吸収体32の圧固体46に接する部分は変形する。従って、インク供給口14Aが気液交換口である連通路40に近すぎると、吸収体32の変形による歪みの影響が気液交換口に及ぶので、インクタンクの製造ばらつきが大きくなる。最悪の場合には、適正な負圧を発生できずにインク供給口14Aからインク垂れを起こすこともある。逆に、インク供給口14Aが気液交換口である連通路40から離れ過ぎていると、後述する気液交換動作時に連通路40からインク供給口14Aまでの流抵抗が大きくなり、インクの消費速度が速いときに圧力損失によりインク切れを起こす場合がある。従って、連通路40からインク供給口14Aまでの距離はほぼ10〜50mmであるのが好ましい。
【0073】
次に、負圧発生部材収納室34と液体収納室36との容積の関係について述べる。インクタンク10の使用途中、すなわち、液体収納室36の上部に空気が存在する状態で温度変化や気圧変化に曝されると、液体収納室36の上部の空気が膨張し、インクが負圧発生部材収納室34に押し出されることがある。この押し出されたインクは負圧発生部材収納室34の吸収体32に吸収される。従って、吸収体32の容積は、実際の使用上想定されるあらゆる条件において予測される量の押し出されたインクに対して充分な吸収能力があるよう設定されるべきである。
【0074】
ところで、大容量インクタンクの場合には、吸収体32の高さも高くなる(例えば、40mm以上)ので重力に抗してインクを吸い上げねばならず、結果として、吸収能力は単純に容積のみでは決定できない。特に、押し出されてくるインクの吸収体32内での液位(気液界面)を高く必要とするときには、重力に抗して吸収体32が吸い上げる液位上昇速度が追いつかず、インク供給口からインクが漏れてしまう場合がある。この液位上昇速度を抑制するためには負圧発生部材収納室34の底面積を広くとることが望ましい。
【0075】
しかし、限られた全体の容積の中で負圧発生部材収納室34の底面積を大きくとると、結局、負圧発生部材収納室34の容積を大きくとることになり、その結果、液体収納室36の容積が小さくなってしまい収容できるインク量が少なくなってしまう。
【0076】
一方、吸収体32のインク吸収速度はインクの表面張力によっても影響される。例えば、収容される液体の表面張力γ(dyn/cm)を30〜50程度に変化させた場合、通常使用する環境として想定される5〜35℃程度の温度変化を想定し、収容容量の最適化を図ったところ、液体の種類によっても異なるが、負圧発生部材収納室34と液体収納室36との容積比としては、ほぼ1:1〜5:3の範囲となった。
【0077】
また、負圧発生部材収納室34のエアバッファ室44の大きさは、容積効率の点からはできるだけ小さくするのが望ましい。しかしながら、負圧発生部材収納室34内に急にインクが流入したときに、大気連通口12からインクが噴き出すのを防止するに足る容量を確保することが必要であり、そのためには、エアバッファ室44の容積は負圧発生部材収納室34の容積の約1/5〜1/8とするのが好ましい。
【0078】
次に、負圧発生部材としての吸収体32で発生する負圧を制御する構造につき説明する。
【0079】
まず、第1の形態は、図10に示すように、隔壁38の下方の負圧発生部材収納室34側に、負圧発生部材としての吸収体32に面し下端が連通路40に連通する大気導入路の毛管力発生部を形成する通路61が2つ平行に形成されている。毛管力発生部を形成する通路61は、後述するように、隔壁38内の溝面と吸収体32側の一面により、毛管力を発生する毛細管とみなすことができる。
【0080】
また、第2の形態は、図11に示すように、隔壁38の下方の負圧発生部材収納室34側に、上端が負圧発生部材としての吸収体32に当接して開口する大気導入路の第1通路54と、該第1通路54に連通し下端が連通路40に連通する第2通路64とがそれぞれ2つ平行に形成されている。この第1通路54と第2通路64とによって大気導入溝が構成され、第2通路64の一部に毛管力発生部を有している。さらに、毛管力発生部を形成する第2通路64の下端は図11(D)に示すように、連通路40の上側の長手方向に形成した溝65に連続するようにしてもよい。このようにすると、第2通路64の下端において吸収体32の溝内への喰い込みがあっても通路が確実に確保される。また、この形態は、第2通路64より大きい第1通路54が設けられているので、大気導入の確実性が担保され、気液交換開始時の抵抗が低減される。第2通路64は、後述するように、隔壁38内の溝面と吸収体32側の一面により、毛管力を発生する毛細管とみなすことができる。尚、図11(D)では、第2通路64の下端にエアが通りやすいようにテーパを設けている。
【0081】
さらに、第3の形態では、隔壁38の下方の負圧発生部材収納室34側に、図3に拡大して示すように、上端が負圧発生部材としての吸収体32に当接して開口する大気導入路の第1通路50と、該第1通路50に連通し下端が連通路40に連通する第2通路60とがそれぞれ3つ形成されている。
【0082】
なお、本第3の形態では、第1通路50および毛管力発生部を形成する第2通路60は隔壁38の幅方向中央に形成された凹部70の底面に形成されている。凹部70は隔壁38の面に対しなだらかに傾斜する3つの面70A、70B、70Bと隔壁38の面に平行な底面70Cから形成されている。そして、連通路40の幅はこの凹部70の幅とほぼ等しくされている。しかして、負圧発生部材収納室34に収容された吸収体32は、隔壁38の面および凹部70を形成する3つの面70A、70B、70Bと底面70Cに圧接する。第2通路60は、隔壁38内の3つの面と吸収体32側の一面により、毛管力を発生する毛細管とみなすことができる。この形態は、凹部70の底面に第1通路50および第2通路60が形成されているので、前形態に比べ、さらに、大気導入の安定化が図られ、気液交換が安定的に行われる。また、連通路40に空気泡の溜まりが発生するのを防止する効果もある。
【0083】
次に、上述した毛管力発生溝の断面形状の諸形態につき、図12を参照して説明する。
【0084】
図12(A)に示す例は、台形断面としたものであり、今、開口部の幅をW1、底部の幅をW2、深さ(高さ)をD、斜面長(斜面の傾斜角は1.3度)をdとすると、その周囲長Lは、L=W1+W2+2d、断面積Sは、S=D(W1+2)/2となる。
【0085】
また、図12(B) に示す例は、矩形断面としたものであり、今、開口部の幅をW、深さ(高さ)をDとすると、その周囲長Lは、L=2(W+D)、断面積Sは、S=DWとなる。
【0086】
さらに、図12(C) に示す例は、半円形断面としたものであり、今、開口部の幅、すなわち、直径を2rをとすると、その周囲長Lは、L=r(2+π)、断面積Sは、S=πr2 /2となる。
【0087】
なお、図12(D)には半円形と矩形とを組み合わせた断面の例、図12(E)には三角形断面の例を示すが、それぞれの周囲長および断面積は容易に求められるので、式の提示は省略する。
【0088】
なお、上述の実施の形態では、第1および第2の通路として、それぞれ、溝により形成する例を示したが、この溝に換え、図4に示すように、大気導入路を通路そのもので形成してもよい。すなわち、隔壁38の下方に、上端が負圧発生部材としての吸収体32に当接して開口する第1通路としての大気導入通路56と、該大気導入通路56に連通し下端が連通路40に連通する第2通路としての毛管力発生通路66とを形成するようにしてもよい。このようにすると、毛管力発生通路66は、溝の一部を吸収体32で塞ぐ構造を採る必要がないので、吸収体32の影響を受けることなく、毛管力発生を設定することができる。
【0089】
ここで、上述した本実施の形態におけるインクタンクの動作原理につき説明する前に、図14ないし図16を参照して、以下で用いる用語の定義を明らかにしておく。
【0090】
図14は液体収納室36にインクを充填した状態を示し、かかる状態においてインクは吸収体32にその毛管力によって吸上げられ、気液界面LLの位置をとる。吸収体毛管力をインク密度ρと重力加速度gの積で割り長さの次元に変換した吸収体毛管力Hsは、気液交換前の気液界面LLとこれに連続した液柱内の大気圧位置と高さの差として測定される。
【0091】
次に、図15はインクの消費に伴い気液交換が始まった状態を示し、Hpは負圧発生部材としての吸収体32内の気液界面LLと毛管力発生部を形成する第2通路60内の毛管力発生部60aとの高さの差である。ここで、図15に示す例は、熱圧縮吸収体32を用いた場合で、吸収体32は予め均一に熱圧縮され、その後負圧発生部材収納室34内に挿入されるので、吸収体32内の圧縮率の分布はかなり均一となる。従って、吸収体32内の気液界面LLはほぼ水平で両端が少し持ち上がる程度である。
【0092】
また、図16は同じくインクの消費に伴い気液交換が始まった状態を示すが、これは無圧縮吸収体32を用いた場合で、負圧発生部材収納室34の容積よりもかなり大きな体積の吸収体を体積比で4〜4.5倍程度圧縮して挿入するので、圧縮率の分布が不均一になり易い。従って、吸収体32内の気液界面LLは、図示の如く、全体的に下向きに凸で両端が高く持ち上がった形態となる。この場合、Hpは気液界面LLの最下点と毛管力発生部60aとの高さの差となる。
【0093】
さらに、図15および図16において、Δhは連通路40と吐出用液体供給口14Aとの間の負圧発生部材である吸収体32における圧力損失をインク密度ρと重力加速度gの積で割り長さの次元に変換した損失ヘッドであり、圧力損失をΔPeとするとき、Δh=ΔPe/ρgとなる。圧力損失は吸収体32内で発生するので、図示のように吸収体32の端部と吐出用液体供給口14Aの端部との間の圧力損失である。液体収納室36と連通路40との間の圧力損失はほぼ0であるので、Δhを測定するためには、液体収納室36内の圧力と供給口14Aの端部との圧力ヘッドの差を求めればよい。
【0094】
なお、以下の動作原理の説明では、大気導入路に第1通路50および第2通路60が形成された形態を用いて行うが、毛管力発生溝のみが形成された形態、および大気導入通路56および毛管力発生通路66が形成された実施の形態の場合も原理は同じである。
【0095】
インクジェット記録装置が稼働すると、インクジェットヘッド22からインクが吐出されインクタンク10にインク吸引力が生ずる。
【0096】
負圧発生部材収納室34内の負圧発生部材である吸収体32中に充分な量のインクが含浸されているときは、負圧発生部材中のインクが消費され、そのインクの上面(気液界面)(図2にLLで示す)が低下する。このときの発生負圧の大きさは、負圧発生部材の気液界面における毛管力と吐出口形成面からの気液界面LLの高さにより決定される。
【0097】
さらに消費が進み、気液界面LLが大気導入路の第1通路50の上端部に到達した後、液体収納室36の底部の圧力が第2通路60内よりも低くなると、第1通路50および第2通路60を通じて液体収納室36に大気が供給される。この結果、液体収納室36内の圧力は大気導入分上昇し、この上昇した圧力と負圧発生部材である吸収体32の圧力との差を解消すべく、液体収納室36から吸収体32中へ連通路40を介してインクが供給される。すなわち、気液交換が行われる。この時点でタンク底部の圧力はインク供給量分上昇し、液体収納室36への大気の供給が停止する。
【0098】
インク消費中は、上述の気液交換が連続的に行われることで、液体収納室36のインクが負圧発生部材収納室34内へ供給されるので、液体収納室36内のインクを消費中の発生負圧は第2通路60で発生する毛管力により決定される。従って、第2通路60の寸法を選定することにより、液体収納室36内のインクを消費しているときの発生負圧を決定できる。
【0099】
さらに、図5を参照しつつ、本発明に係るインクタンク10の動作原理につき詳述する。
【0100】
負圧発生部材収納室34に収容されている負圧発生部材(吸収体)32には多数の毛細管が形成されているとみなすことができ、そのメニスカス力により負圧を発生させる。通常、インクタンク10には、その使用開始直後では負圧発生部材である吸収体32中に充分なインクが含浸されているので、各々のみなし毛細管の水頭高さは充分高いところに位置している。
【0101】
インク供給口14Aを介してインクが消費されると、負圧発生部材収納室34の底部の圧力が低下し、各みなし毛細管の水頭も低下する。すなわち、図5(A)に示すように、インク消費に従って、負圧発生部材32の気液界面LLが低下していく。なお、このときの各水頭の高さは全てが等しいわけではなく、負圧発生部材である吸収体32内に存在する圧力損失により、インク供給口14Aに近いみなし毛細管の水頭がより低くなる。
【0102】
また、このときのインクタンク10内での発生負圧は負圧発生部材32の持つ毛管力により、および、インクジェットヘッド22の吐出口形成面での圧力は気液界面LLと吐出口形成面との高さの差で決まる。
【0103】
さらにインクが消費されると、気液界面LLが低下し、図5(B)に示す状態となり、大気導入路の第1通路50の上端が気液界面LLの上側に位置し、第1通路50内に大気が入る。このとき、吸収体32のみなし毛細管の持つ毛管力に比べ、毛管力発生部である第2通路60に発生される毛管力が小さくなるように設定されているので、さらなるインクの消費により第2通路60内のメニスカスが破られ、図5(C)に示すように、気液界面LLが低下することなく、大気Xが第2通路60および連通路40を通って、液体収納室36に導入される。
【0104】
液体収納室36に大気Xが導入されると、その分、液体収納室36の圧力が負圧発生部材収納室34底部の圧力よりも高くなり、その圧力差をなくす分、インクが液体収納室36から負圧発生部材収納室34に供給される。すると、第2通路60の発生する負圧よりも圧力が高くなり、第2通路60にインクが流入してメニスカスを形成するので、さらなる大気の液体収納室36への導入が停止されるのである。
【0105】
ここで、さらにインクが消費されると、上述のように、気液界面LLは低下することなく、第2通路60内のメニスカスが再度破られ、大気が液体収納室36に導入される。従って、気液界面LLが大気導入路の第1通路50の上端に到達した後は、気液界面LLが低下することなく、換言すると、大気導入路の上端が大気との連通状態を維持したまま、第2通路60内のメニスカスの破壊および再生が、インクの消費中、繰り返され、インクタンク10内に発生される負圧がほぼ一定に制御されることになる。この負圧は、第2通路60内のメニスカスを大気が破る力で決定され、上述のように、第2通路60の寸法と使用するインクの特性(表面張力、接触角、密度)とにより決定される。
【0106】
従って、毛管力発生部である第2通路60で発生される毛管力を、液体収納室に収容される吐出用液体であるインクないしは処理用液体の色、種類により異なることがある毛管力のうちの下限値と上限値との間になるように設定すれば、インクタンク10の構造を変更することなく、同一構造のインクタンク10を全ての種類のインクないしは処理用液体に用いることができる。
【0107】
なお、インクジェットヘッド22の吐出口形成面における圧力は、第2通路60の毛管力、吸収体32の圧力損失、および、インク供給口14Aが形成されたインクタンク底部と吐出口形成面との相対高さ等の和で決まる。
【0108】
ここで、上述の第2通路60、61、64および後述する第2通路62、63に要求される寸法仕様につき述べる。
【0109】
上述のように、インクの消費が進むにつれ、インク切れを生ずることなくインクの供給が行われるためには、インクタンク10内に発生される負圧がほぼ一定に制御されることが必要である。また、インクタンク10がヘッド一体型のタンクケース20に装着され、さらに、不図示のインクジェット記録装置のキャリッジに搭載されプリント可能状態とされた状態では、インクタンク10の底部の毛管力発生部とヘッドの吐出口形成面との間には所定の位置ヘッドの差が形成されている。この状態で、ヘッドの吐出口からインクが漏出しないようにするためには、吐出口形成面における吐出口内のインク圧力が、常に、大気圧よりも低くなければならない。
【0110】
また、液体収納室36内のインクを使い切るまでは、気液界面LLの高さを安定的に維持しておく必要がある。そのためには、インク消費中にインクが吸収体32内を流れる時に発生する圧力損失に抗して、吸収体32内の気液界面LLのメニスカスを安定的に維持する必要がある。
【0111】
これらの条件を満たすには、毛管力発生部の発生する毛管力は以下の式を満足しなければならない。すなわち、
【0112】
【数7】
H<h≦Hs−Hp−Δh (1)
ここで、hは、前記毛管力発生部により発生される毛管力を吐出用液体の密度ρと重力加速度gの積で割り長さの次元に変換した毛管力、すなわち、発生する毛管力をΔPcとするとき、h=ΔPc/ρg、Hは毛管力発生部と液体噴射ヘッド吐出口形成面の位置ヘッドの差、Hsは、負圧発生部材の毛管力を吐出用液体の密度ρと重力加速度gの積で割り長さの次元に変換した毛管力、すなわち、負圧発生部材の毛管力をΔPsとするとき、Hs=ΔPs/ρg、Hpは負圧発生部材内の気液界面と毛管力発生部の位置ヘッドの差、Δhは連通路と吐出用液体供給口との間の負圧発生部材における圧力損失を前記密度ρと動力加速度gの積で割り長さの次元に変換した損失ヘッド、すなわち、圧力損失をΔPeとするとき、Δh=ΔPe/ρg、である。
【0113】
ところで、一般に、毛細管内に発生する毛管力をΔPcとするとき、それを長さの次元に変換した毛管力hは、次式で表される。
【0114】
【数8】
h=L/S×γ/ρg×cosθ (2)
ここで、Lはこの管の周囲長(cm)、Sは断面積(cm2 )、γはインクの表面張力(dyn/cm)、θは接触角、ρは密度(g/cm3 )、および、gは重力加速度(980cm/s2 )である。
【0115】
従って、結局、毛管力発生部の寸法は、(1)式を(2)式に代入することにより、下記の式を満足することが要求される。
【0116】
【数9】
1/cosθ×ρg/γ× H<L/S ≦ 1/cosθ×ρg/γ× (Hs-Hp-Δh) (3)
但し、Lは毛管力発生部の周囲長、Sはその断面積、ρはインクの密度、gは重力加速度、γはインクの表面張力、θはインクの接触角である。
【0117】
ところで、実際にインクジェット記録装置で使用される際には、キャリッジの走査や様々の衝撃による加速度や、環境変化による温度変動、圧力変動が加わるので、吐出口形成面における吐出口内のインク圧力は安全を見込んで少なくとも大気圧より−10mmH2 O程度よりも小さくすることが好ましい。
【0118】
これを考慮すると、長さの次元に変換した毛管力hは次式を満足することが望ましい。
【0119】
【数10】
H+hm<h≦Hs−Hp−Δh (4)
従って、(3)式は以下のようになる。
【0120】
【数11】
1/ cosθ×ρg/γ×(H+hm)<L/S ≦1/ cosθ×ρg/γ× (Hs-Hp-Δh)
ここで、図12(A)に示す台形断面の第2通路60を代表的に用いて、具体的な数値を求める。
【0121】
(実施例1)今、開口部の幅W1=0.25mm、底部の幅W2=0.24mm、深さD=0.38mmとすると、斜面長(斜面の傾斜角は1.3度)dもほぼ0.38mmであり、L/Sは135cm-1である。そして、表面張力46.5dyn/cmのインクを用いた場合、気液交換時静負圧は−5.2cmであった。よって、hmが1cmで、Hが2.7cm、Hs=10cm、Hp=1.2cm、Δh=1.5cmの場合、96<L/S≦189となる。
【0122】
(実施例2)次に、開口部の幅W1=0.26mm、底部の幅W2=0.25mm、深さD=0.32mmとすると、斜面長(斜面の傾斜角は1.3度)dもほぼ0.32mmであり、L/Sは140cm-1である。そして、表面張力34.8dyn/cmのインクを用いた場合、気液交換時静負圧は−4.9cmであった。よって、hmが1cmで、Hが2.7cm、Hs=10cm、Hp=1.2cm、Δh=1.5cmの場合、106<L/S≦209となる。
【0123】
(実施例3)さらに、開口部の幅W1=0.25mm、底部の幅W2=0.23mm、深さD=0.34mmとすると、斜面長(斜面の傾斜角は1.3度)dもほぼ0.34mmであり、L/Sは143cm-1である。そして、表面張力41.6dyn/cmのインクを用いた場合、気液交換時静負圧は−4.3cmであった。よって、hmが1cmで、Hが2.7cm、Hs=10cm、Hp=1.2cm、Δh=1.5cmの場合、123<L/S≦243となる。
【0124】
第2通路60の断面積は、必要な毛管力を発生する寸法として、幅×深さが、0.20〜0.40mm×0.20〜0.40mm程度であるが、吸収体32の溝内への侵入量を少なく抑えるには、幅が深さよりも小さいことが好ましい。
【0125】
なお、第1通路50の断面積は第2通路60の断面積よりも大きければよい。第2通路60の長さは、連通路40の上端から2〜10mm程度でよい。短すぎると吸収体32の圧接が安定せず、長すぎると吸収体32の侵入の影響を受けやすいので、4mm程度が好ましい。
【0126】
また、第1通路50の上端の高さは、前述のように、吸収体32の気液界面の高さを規制するので、インク切れを生ぜず、かつ、吸収体32のバッファ能力を損なうことのない位置に設定する。好ましくは、連通路40の上端から10〜30mm程度である。
【0127】
図6に、このインクジェットヘッド22の吐出口形成面における圧力がインク消費に応じて変化する様子を示す。インクタンク10の使用開始直後の初期状態では、吸収体32内のメニスカスは後退接触角と前進接触角との間にあり、若干量のインクの消費で後退接触角の発生する負圧P1に達する。
【0128】
その後、気液界面LLが第1通路50の上端に到達する前の吸収体32に含浸されたインクを消費する間は、吸収体32の毛管力と気液界面LLと吐出口との水頭差とにより発生負圧が決定され、インクの消費に伴いその負圧は気液界面LLが第1通路50の上端に到達するまで低下していく(P1からP2の期間、図5(A)に対応する)。
【0129】
そして、気液界面LLが第1通路50の上端に到達すると、それまで吸収体32が発生負圧を決定していたのが、第2通路60の発生する負圧に切り替わり、圧力がP2(図5(B)に対応する)からP3(図5(C)に対応する)に上昇する。その後、気液が交換されつつ液体収納室36内のインクが消費される間は、発生負圧が一定(P3)に保たれる。
【0130】
そして、液体収納室36内のインクが全て消費される直前では、連通路40に大気とインクとが共存し、液体収納室36内に残存したインクが吸収体32に吸収されるので、一時的に圧力が上昇(P4)する。
【0131】
さらにインクの消費が続くと、吸収体32内のインクが消費され、圧力の低下と共に供給限界となり、インクタンク10の使用限度となる。
【0132】
次に、図8および図9を用いて、本発明のさらに他の実施の形態を上述した実施の形態を模式的に示した図7と対比しつつ説明する。なお、図7ないし図9において、(A)におけるハッチングは部材の断面を示すが、(B)においては、吸収体32の接触面を示している。
【0133】
図7は上述した実施の形態を模式的に示したものであり、第1通路50および第2通路60がそれぞれ3つ、1対1の対応関係で隔壁38に設けられた形態である。
【0134】
図8に示す形態は、大気導入路の第1通路52および毛管力発生部である第2通路62を1対2の対応関係で設けたものである。従って、この形態では、2つの第1通路52と4つの第2通路62とが隔壁38に形成されている。
【0135】
また、図9に示す形態は、大気導入路の第1通路53および毛管力発生部である第2通路63を概ね1対5の対応関係で設けたものである。ただし、この場合には、1つの第1通路53の幅が広く、吸収体32が溝内に侵入しすぎて通路が確保されなくなる可能性があるので、溝内にリブ55を形成して吸収体32を支持するのが好ましい。なお、第2通路63の個数は3以上の複数であれば、5つでなくてもよい。
【0136】
なお、本発明は、大容量のインクタンクに適用すべくなされたものであるが、これに限らず適用できることは言うまでもない。
【0137】
上述した実施例では、毛管力発生部を形成する第2通路が、気液交換しない際には、液体収容容器内に収容されている液体によって大気に対して遮断されている構成例を示しているが、本発明の条件を満足していれば、毛管力発生部は大気に対して開放されていても良い。これは、この毛管力発生部が本発明の条件下で、つり合い関係を保持できるからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態のインクタンクおよびヘッド一体型タンクケースを示す斜視概略図であり、(A)は装着前、(B)は装着後を示す。
【図2】本発明の実施の一形態のインクタンクを示す断面図である。
【図3】図2のインクタンクの要部を示す斜視図である。
【図4】本発明のインクタンクの他の実施形態の要部を示す断面図である。
【図5】本発明のインクタンクの動作原理を説明するための概略断面図である。
【図6】本発明にかかるインクタンクを用いたインクジェットヘッドの吐出口形成面での発生負圧のインク消費に対する変化を示すグラフである。
【図7】図2のインクタンクの要部を示す(A)模式的断面図および(B)隔壁の模式的正面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態を示す(A)模式的断面図および(B)隔壁の模式的正面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態を示す(A)模式的断面図および(B)隔壁の模式的正面図である。
【図10】本発明のさらに他の実施の形態を示す(A)隔壁の模式的斜視図、(B)隔壁の模式的断面図および(C)隔壁の模式的正面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施の形態を示す(A)隔壁の模式的斜視図、(B)隔壁の正面図、(C)隔壁の模式的断面図および(D)隔壁のさらに他の形態の模式的断面図である。
【図12】本発明の毛管力発生部の種々の形態を(A)〜(E)示す隔壁の模式的断面図である。
【図13】本発明の実施の他の形態のインクタンクを示す斜視図である。
【図14】本発明の一実施の形態のインクタンクを示す断面図であり、吸収体の毛管力Hsを説明する。
【図15】本発明の一実施の形態のインクタンクを示す断面図であり、気液交換時の毛管力発生部と吸収体内の気液界面LLとの水頭差Hpおよび吸収体の圧力損失Δhを説明する。
【図16】本発明の一実施の形態のインクタンクを示す断面図であり、気液交換時の毛管力発生部と他の吸収体内の気液界面LLとの水頭差Hpおよび吸収体の圧力損失Δhを説明する。
【符号の説明】
10 インクタンク
12 大気連通口
14 インク供給筒
14A インク供給口
32 吸収体(負圧発生部材)
34 負圧発生部材収納室
36 液体収納室
38 隔壁
40 連通路
42 リブ
44 エアバッファ室
46 圧固体
50、52、53 大気導入溝(第1通路)
55 リブ
56 大気導入通路(第1通路)
60、61、62、63 毛管力発生溝(第2通路)
66 毛管力発生通路(第2通路)

Claims (16)

  1. 大気と連通する大気連通部と液体噴射ヘッドに液体を供給するための吐出用液体供給とを備え内部に負圧発生部材を収納した負圧発生部材収納室と、
    前記負圧発生部材収納室と連通路を介して連通するとともに、前記連通路を除いて実質的に密閉である液体収納室と、
    前記負圧発生部材収納室と前記液体収納室とを連通する前記連通路を規定し、両室を仕切る隔壁と、
    前記隔壁の前記負圧発生部材収納室側に設けられ、前記隔壁の途中から前記連通路に至る経路として構成され、前記負圧発生部材収納室から前記液体収納室に大気を導入するのに利用される大気導入経路と、
    を備える吐出用液体収容容器であって、
    前記大気導入経路の全部あるいは大気導入経路の一部分が、次に示す条件式を満たす毛管力発生部として構成されていることを特徴とする吐出用液体収容容器。
    H<h≦Hs−Hp−Δh
    ここで、hは、前記毛管力発生部により発生される毛管力を吐出用液体の密度ρと重力加速度gの積で割り長さの次元に変換して示したもの、すなわち、発生する毛管力をΔPcとするとき、h=ΔPc/ρg、Hは毛管力発生部と液体噴射ヘッド吐出口形成面の位置ヘッドの差、Hsは、負圧発生部材の毛管力を吐出用液体の密度ρと重力加速度gの積で割り長さの次元に変換して示したもの、すなわち、負圧発生部材の毛管力をΔPsとするとき、Hs=ΔPs/ρg、Hpは負圧発生部材内の気液交換が始まった状態における気液界面と毛管力発生部の位置ヘッドの差、Δhは連通路と吐出用液体供給口との間の負圧発生部材における圧力損失を前記密度ρと重力加速度gの積で割り長さの次元に変換して示したもの、すなわち、圧力損失をΔPeとするとき、Δh=ΔPe/ρgである。
  2. 大気と連通する大気連通部と液体噴射ヘッドに液体を供給するための吐出用液体供給とを備え内部に負圧発生部材を収納した負圧発生部材収納室と、
    前記負圧発生部材収納室と連通路を介して連通するとともに、前記連通路を除いて実質的に密閉である液体収納室と、
    前記負圧発生部材収納室と前記液体収納室とを連通する前記連通路を規定し、両室を仕切る隔壁と、
    前記隔壁の前記負圧発生部材収納室側に設けられ、前記隔壁の途中から前記連通路に至る経路として構成され、前記負圧発生部材収納室から前記液体収納室に大気を導入するのに利用される大気導入経路と、
    を備える吐出用液体収容容器であって、
    前記大気導入経路の全部あるいは大気導入経路の一部分が、次に示す条件式を満たす毛管力発生部として構成されていることを特徴とする吐出用液体収容容器。
    H+hm<h≦Hs−Hp−Δh
    ここで、hは、前記毛管力発生部により発生される毛管力を吐出用液体の密度ρと重力加速度gの積で割り長さの次元に変換して示したもの、すなわち、発生する毛管力をΔPcとするとき、h=ΔPc/ρg、Hは毛管力発生部と液体噴射ヘッド吐出口形成面の位置ヘッドの差、Hsは、負圧発生部材の毛管力を吐出用液体の密度ρと重力加速度gの積で割り長さの次元に変換して示したもの、すなわち、負圧発生部材の毛管力をΔPsとするとき、Hs=ΔPs/ρg、Hpは負圧発生部材内の気液交換が始まった状態における気液界面と毛管力発生部の位置ヘッドの差、Δhは連通路と吐出用液体供給口との間の負圧発生部材における圧力損失を前記密度ρと重力加速度gの積で割り長さの次元に変換して示したもの、すなわち、圧力損失をΔPeとするとき、Δh=ΔPe/ρg、hmは設計マージン毛管力を前記密度ρと重力加速度gの積で割り長さの次元に変換して示した設計マージンを示すもの、すなわち、設計マージン毛管力をΔPmとするとき、hm=ΔPm/ρgである。
  3. 前記毛管力発生部は、Lをその周囲長およびSをその断面積とするとき、前記hが次式で表されるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の吐出用液体収容容器。
    h=L/S×γ/ρg×cosθ
    但し、ρは吐出用液体の密度、gは重力加速度、γは吐出用液体の表面張力、θは吐出用液体の接触角である。
  4. 前記吐出用液体供給口は吐出用液体収容容器の底部に形成されていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の吐出用液体収容容器。
  5. 前記大気導入経路は、気液交換後、その上端が大気との連通状態を維持することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の吐出用液体収容容器。
  6. 前記大気導入経路は、上部が前記毛管力発生部よりも断面積が大きい通路であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の吐出用液体収容容器。
  7. 少なくとも前記毛管力発生部は、複数本設けられていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の吐出用液体収容容器。
  8. 前記大気導入経路は、一面が前記負圧発生部材で塞がれ溝で形成されていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の吐出用液体収容容器。
  9. 前記毛管力発生部は矩形断面を有した、その幅×深さの寸法が、0.20〜0.40mm×0.20〜0.40mmであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の吐出用液体収容容器。
  10. 前記毛管力発生部の長さ寸法が、2〜10mmであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の吐出用液体収容容器。
  11. 前記大気導入経路の高さは前記連通路の上縁から10〜30mmであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の吐出用液体収容容器。
  12. 前記連通路と前記吐出液体供給口との距離は、10〜50mmであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の吐出用液体収容容器。
  13. 前記負圧発生部材は、ポリウレタンフォームの吸収体であることを特徴とする請求項1ないし1のいずれかに記載の吐出用液体収容容器。
  14. 前記吐出用液体供給口に前記負圧発生部材に当接させて圧固体を配設したことを特徴とする請求項1ないし1のいずれかに記載の吐出用液体収容容器。
  15. 前記圧固体は、ポリプロピレンのフェルトであることを特徴とする請求項1に記載の吐出用液体収容容器。
  16. 前記吐出用液体収容容器は、液体噴射ヘッドに供給するインクを収容するものであることを特徴とする請求項1ないし1のいずれかに記載の吐出用液体収容容器。
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