JP3727613B2 - インドロカルバゾール誘導体を含有する前立腺病理疾患の治療薬 - Google Patents
インドロカルバゾール誘導体を含有する前立腺病理疾患の治療薬 Download PDFInfo
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Description
発明の背景
本発明は、前立腺の病理疾患を治療するための、インドロカルバゾール化合物K−252a、またはその好ましい誘導体の使用に関する。
【0002】
前立腺の障害は、老齢の男性に共通するものである。例えば、前立腺過形成は80歳までの男性のうち90%に影響する。過形成疾患が泌尿器閉塞を引き起こす場合、外科的技術によって苦痛が緩和される。今や、男性で最も頻繁に診断される前立腺癌は、外科手術によって、放射線療法によって、あるいはアンドロゲン遮断、例えば、去勢によって、エストロゲン療法によって、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の類似体の投与によって(ハリソンズ・プリンシプルズ・オブ・インターナル・メディシン(Harrison's Principles of Internal Medicine)、第12版、ウィルソン(Wilson)ら編、マグローヒル(MacGraw-Hill)、ニューヨーク、1629−32頁)、または非特異的かつ高毒性の成長因子阻害剤であるスラミン(Suramin)の投与によって頻繁に治療されてきた。
【0003】
成長因子のニューロトロフィンファミリーは神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3(NT−3)およびニューロトロフィン4/5(NT−4/5)を含む。これらの塩基性蛋白質は約120個のアミノ酸長で、約50%の配列相同性を有し、哺乳動物の種間で高度に保存されている(イサックソン(Issackson)ら、エフ・イー・ビイ・エス・レターズ(FEBS Lett.) 285:260−64、1991)。NGFは発見された最初の成長因子であって、最も特徴付けられたニューロトロフィンである。NGFは感覚神経および交感神経の正常な成長および成人の生活におけるこれらの細胞の正常な機能に必要である(レビ−モンタルシニィ(Levi-Montalcini)、アニュアル・レビューズ・オブ・ニューロサイエンシズ(Annu. Rev. Neurosci.)5:341−362、1982;ヤンクナー(Yankner)ら、アニュアル・レビューズ・オブ・バイオケミストリー(Annu. Rev. Biochem.)51:845−868、1982)。
【0004】
ニューロトロフィンの結合および一連の高親和性受容体(trk)の活性化は、ニューロトロフィンの生物効果のほとんどを媒介するのに必要かつ十分である。該trkは、細胞外リガンド結合ドメイン、膜内配列、および細胞質チロシンキナーゼドメインを含む膜内蛋白質である。該trkは、個々のニューロトロフィンにつき優先的結合特異性を持つ構造的に関連する蛋白質のファミリーである。しばしばtrkと呼ばれるtrkAはNGFについての高度に親和性の受容体であるが、特定の条件下で、NT−3に対する生物学的応答も媒介できる(カプラン(Kaplan)ら、サイエンス(Science)252:554−558、1991;クライン(Klein)ら、セル(Cell)65:189−197、1991;コルドン−カルド(Cordon-Cardo)ら、セル(Cell)66:173−183、1991)。trkBはBDNF、NT−3、およびNT4/5に結合し、その機能を媒介する(クライン(Klein)ら、セル(Cell)66:395−403、1991;スキント(Squinto)ら、セル(Cell)65:885−893、1991;クライン(Klein)ら、ニューロン(Neuron)8:947−956、1992)。trkCはNT−3に対しては比較的特異的である(ランバレ(Lamballe)ら、セル(Cell)66:967−979、1991)。
【0005】
ノカルジオシス(Nocardiosis)種およびアクチノマデュラ(Actinomadula)種の培養ブロスから単離したアルカロイド様物質であるK−252aは、プロテインキナーゼC、A、およびG、ならびにミオシン軽鎖キナーゼおよびホスホリラーゼキナーゼの阻害剤である。
【0006】
発明の概要
本発明は、哺乳動物における前立腺の病理疾患を治療する方法であって、該疾患が前立腺細胞の過剰増殖に由来するものである当該治療方法をその要旨とする。該方法は、インドロカルバゾール化合物、例えば、K−252a、またはその機能的誘導体の治療上有効量を哺乳動物に投与することを含む。
【0007】
K−252aのある種の機能的誘導体は前立腺組織の増殖を防げ、それにより、前立腺細胞の病理学的増殖、例えば、良性前立腺肥大、または前立腺癌、すなわち、局所的に限定されたまたは転移性前立腺癌によって呈される疾患を緩和し、またはその退縮を引き起こすために使用できる。前立腺細胞の過剰または病理学的な増殖は、限定されるものではないが悪性形質転換、前立腺における上皮(分泌)細胞に対する繊維筋性(間質)細胞の比率の変更を含めた多数の細胞の変化のうちいずれかによって、あるいは前立腺の拡大または膨潤の程度の大きな変化によって示すことができる。この結果、排尿躊躇、貧弱な尿流、間欠的な尿流動、または器官皮膜外部の細胞の増殖のごとき症状となり得る。
【0008】
「K−252aの機能的誘導体」とは、ニューロトロフィン受容体、例えば、trkA、trkBまたはtrkCに関連するチロシンキナーゼ(TK)活性を阻害するK−252a誘導体を意味する。好ましくは、該ニューロトロフィン受容体はtrkAであり、NGFが接触すると活性化される。K−252a誘導体の存在下におけるtrkのTK活性は、好ましくは、K−252a誘導体の不存在下におけるtrkのTK活性よりも小さい。trkのTK活性は本明細書に開示した方法によって測定できる。
本発明の範囲内にある機能的誘導体は式Iによって表すことができる。好ましい式Iの化合物は、以下、化合物I−1ないしI−76という。式Iによって表される機能的誘導体は:
【0009】
【化5】
【0010】
[式中、
a)Z1およびZ2は共に水素:
1)RはOH、1−6個の炭素原子のO−n−アルキル、および2−6個の炭素原子のO−アシルよりなる群から選択され;
2)Xは下記の群より選択される:
H;
CONHC6H5、但し、R1およびR2は共にはBrでない;
CH2Y、ここに、Yは、
OR7、ここに、R7はHまたは2−5個の炭素原子のアシル、好ましくは、アセチル;
SOR8、ここに、R8は、1−3個の炭素原子のアルキル、アリール、または窒素原子を含む複素環基;
NR9R10、ここに、R9およびR10は、独立して、H、1−3個の炭素原子のアルキル、Pro、Ser、Gly、Lys、または2−5個の炭素原子のアシル、但し、R9およびR10のうちの一方のみがPro、Ser、Gly、Lysまたはアシル;
SR16、ここに、R16はアリール、1−3個の炭素原子のアルキル、または窒素原子を含む複素環基;N3;CO2CH3;S−Glc;
CONR11R12、ここに、R11およびR12は、独立して、H、1−6個の炭素原子のアルキル、C6H5、1−6個の炭素原子のヒドロキシアルキルであるか、あるいはR11およびR12は一緒になって
-CH2CH2OCH2-CH2-を形成する;CO2CH3;CH=NNHCONH2;
CONHOH;CH=NOH;CH=NNHC(=NH)NH2;
【0011】
【化6】
【0012】
R17がアリールであるCH=NN(R17)2;R18が低級アルキルもしくはアリールであるCH2NHCONHR18;あるいは
XおよびRは一緒になって−CH2NHCO2−、−CH2OC(CH3)2O−、=O、または−CH2N(CH3)CO2−を形成する;
3)R1、R2、R5およびR6は各々独立してHであるか、あるいはそれらのうち2つまではF、Cl、Br、I、NO2、CN、OH;NHCONHR13、ここに、R13はC6H5または1−3個の炭素原子のアルキル、但し、R1、R2、R5およびR6のうち1つのみがNHCONHR13;CH2OR13;1−3個の炭素原子のアルキル;CH2OCONHR14;NHCO2R14、ここに、R14は低級アルキル;CH(SC6H5)2;またはCH(−SCH2CH2S−);あるいはR1はCH2S(O)pR21、ここに、pは0もしくは1であって、R21はアリール、1−3個の炭素原子のアルキル、窒素原子を含む複素環基、
【0013】
【化7】
【0014】
またはCH2CH2N(CH3)2であって、R2、R5およびR6はH;あるいはR1はCH=NNR22R23、ここに、R22およびR23は各々独立してH、1−3個の炭素原子のアルキル、C(=NH)NH2、または窒素原子を含む複素環基、あるいはR22およびR23は一緒になって−(CH2)4−、−(CH2CH2OCH2CH2)−、または−CH2CH2N(CH3)CH2CH2)−を形成し、但し、R22およびR23は共にはHではあり得ず、かつ双方がアルキルである場合を除いてR22またはR23のうち少なくとも一方はHであって、R2、R5およびR6はH;および
b)Z1およびZ2が一緒になってOを表す場合;XはCO2CH3;RはOHであってR1、R2、R5およびR6は各々水素を意味する]
である。
【0015】
本発明の範囲内にある機能的誘導体は式IIによっても表すことができる。好ましい式II誘導体は、以下、化合物II−1ないしII−4という。式IIによって表される機能的誘導体は:
【0016】
【化8】
【0017】
[式中、
a)R3およびR4は各々独立してH、1−6個の炭素原子のアルキル、1−3個の炭素原子のヒドロキシアルキル、および3−6個の炭素原子のアルケニルよりなる群から選択され、但し、R3およびR4は共にはHではない;
b)Z1およびZ2は共に水素であって、
R1、R2、R5およびR6は各々独立してH、またはそれらのうち2つまではF、Cl、Br、I、NO2、CN、またはOH;NHCONHR13、ここに、R13はC6H5または1−3個の炭素原子のアルキル、但し、R1、R2、R5およびR6のうち1つのみがNHCONHR13;CH2OR13;1−3個の炭素原子のアルキル;CH2OCONHC2H5;またはNHCO2CH3;および
c)Z1およびZ2が一緒になってOを表す場合、R1、R2、R5およびR6は各々水素を意味する]
である。
【0018】
本発明の種々の方法のいずれかで用いる好ましい式I、式II、式III、式IV、式V、および式VIの化合物はテーブル1およびテーブル1Aに示されるものであり、ここに、以下の置換がなされている。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】
【表6】
【0025】
従って、関連する態様において、本発明は、哺乳動物において前立腺の病理疾患を治療する方法をその要旨とする。該方法は、I−1、I−2、I−3、I−4、I−5、I−6、I−7、I−8、I−9、I−10、I−11、I−12、I−13、I−14、I−15、I−16、I−17、I−18、I−19、I−20、I−21、I−22、I−23、I−24、I−25、I−26、I−27、I−28、I−29、I−30、I−31、I−32、I−33、I−34、I−35、I−36、I−37、I−38、I−39、I−40、I−41、I−42、I−43、I−44、I−45、I−46、I−47、I−48、I−49、I−50、ならびにI−51、I−52、I−53、I−54、I−55、I−56、I−57、I−58、I−59、I−60、I−61、I−62、I−63、I−64、I−65、I−66、I−67、I−68、I−69、I−70、I−71、I−72、I−73、I−74、I−75、およびI−76よりなる群から選択されるインドロカルバゾール化合物の治療上有効量を哺乳動物に投与することを含む。
【0026】
従って、関連する態様において、本発明は哺乳動物において前立腺の病理疾患を治療する方法をその要旨とする。該方法は、I−52、I−53、I−54、I−55、I−56、I−57、I−58、I−59、I−60、I−61、I−62、I−63、I−64、I−65、I−66、I−67、I−68、I−69、I−70、I−71、I−72、I−73、I−74、I−75、およびI−76よりなる群から選択されるインドロカルバゾール化合物の治療上有効量を哺乳動物に投与することを含む。
【0027】
もう1つの具体例において、該インドロカルバゾール化合物はI−6、I−9、I−11、I−13、I−14、I−16、I−17、I−18、I−19、I−24、I−25、I−27、I−31、I−33、I−34、I−35、I−37、I−40、I−41、I−43、I−45、I−46、I−47、I−48、I−49、I−50、およびI−51よりなる群から選択される。
好ましい具体例において、該インドロカルバゾール化合物はI−1、I−5、I−8、I−12、I−15、I−16、I−19、I−20、I−22、またはI−42である。
もう1つの好ましい具体例において、Z1およびZ2は共に水素である。
【0028】
さらなる関連態様において、本発明は、哺乳動物において前立腺の病理疾患を治療する方法をその要旨とする。該方法は、II−1、II−2、II−3、およびII−4よりなる群から選択されるインドロカルバゾール化合物の治療上有効量を哺乳動物に投与することを含む。
本発明の種々の方法のうちいずれにおいても、該インドロカルバゾール誘導体は薬理学的賦形剤と組み合わせて、あるいは医薬上許容される塩の形態で投与できる。
【0029】
また、本発明は、以下の式(III):
【0030】
【化9】
【0031】
[式中、R1はハロゲン、CH2OCONHR14、またはNHCO2R14(R14は低級アルキルを表す)を表し;R2は水素またはハロゲンを表し;およびXはCO2CH3、CH2OH、またはCONHR15(R15は水素、ヒドロキシで置換された低級アルキル、またはアリール)を表し、但し、R1=ハロゲン、R2=水素、およびX=CO2CH3またはCH2OHの組合せ、R1=R2=ハロゲンおよびX=CO2CH3の組合せ、およびR1=R2=BrおよびX=CONHC6H5の組合せは除外される。]
によって表される化合物をその要旨とする。式III化合物の医薬上許容される塩は本発明に含まれる。
【0032】
また、本発明は、以下の式(IV):
【0033】
【化10】
【0034】
[式中、XはCH2S(O)R16(R16はアリールまたは窒素原子を含む複素環基を表す)、CH2SR16、CH=NN(R17)2(R17はアリールを表す)、CH2NHCONHR18(R18は低級アルキルもしくはアリールを表す)、またはCH2CO2CH3を表す]
によって表される化合物をその要旨とする。式IV化合物の医薬上許容される塩は本発明に含まれる。
【0035】
また、本発明は、以下の式(V):
【0036】
【化11】
【0037】
[式中、R19およびR20のうちの一方は水素であって他方はアリルであるか、あるいはそれらの双方はアリルである]
によって表される化合物またはその医薬上許容される塩をその要旨とする。
【0038】
また、本発明は、以下の式VI:
【0039】
【化12】
【0040】
[式中、R1はCH(SC6H5)2、CH(−SCH2CH2S−)、CH2SR24(R24はベンズイミダゾール−2−イル、フルフリル、2−ジメチルアミノエチル、または1H−1,2,4−トリアゾール−3−イルである)、またはCH=NR25(R25はピロリジン−1−イル、ピリジン−2−イルアミノ、グアニジノ、モルホリノ、ジメチルアミノ、または4−メチルピペラジン−1−イルである)を表す]
によって表される化合物またはその医薬上許容される塩をその要旨とする。
【0041】
好ましい具体例において、本発明は、以下の新規組成物:化合物I−35、I−37、I−40、I−42、およびI−43をその要旨とする。また、本発明は、新規化合物II−1、II−2、およびII−3を含む。また、本発明は、新規化合物I−58、I−59、I−60、I−61、I−62、I−63、I−64、I−65、I−66、I−67、I−68、I−69、I−70、I−71、I−72、I−73、I−74、I−75、およびI−76を含む。
【0042】
他の好ましい具体例において、哺乳動物における前立腺の病理疾患は、良性前立腺肥大または前立腺癌であり;化合物Iまたは化合物IIの存在下におけるtrkの活性は化合物Iまたは化合物IIの不存在下におけるtrkの活性よりも小さい。
【0043】
式(III)および式(IV)での基における定義において、低級アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、およびヘキシルのごとき、1ないし6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基を意味する。アリールは、フェニルおよびナフチルのごとき、6ないし10個の炭素原子を有するアリール基を意味する。複素環基の例はピロリル、ピラニル、チオピラニル、ピリジル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリミジニル、トリアジニル、インドリル、キノリル、プリニル、およびベンゾチアゾリルである。ハロゲンはフッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を含む。
好ましくは、化合物(III)、化合物(IV)、化合物(V)、および化合物(VI)の医薬上許容される塩は医薬上許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、およびアミノ酸付加塩を含む。
【0044】
医薬上許容される酸付加塩の例は、塩酸塩、硫酸塩、およびリン酸塩のごとき無機酸付加塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、およびクエン酸塩のごとき有機酸付加塩である。医薬上許容される金属塩の例はナトリウム塩およびカリウム塩のごときアルカリ金属塩、マグネシウム塩およびカルシウム塩のごときアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、および亜鉛塩である。医薬上許容されるアンモニウム塩の例は、アンモニウム塩およびテトラメチルアンモニウム塩である。医薬上許容される有機アミン付加塩の例はモルホリンおよびピペリジンとの塩である。医薬上許容されるアミノ酸付加塩の例は、リシン、グリシン、およびフェニルアラニンとの塩である。
本発明の他の特徴および利点は、以下のその好ましい具体例の記載および請求の範囲から明らかであろう。
【0045】
詳細な記載
出願人は、trkの自己リン酸化を阻害する候補化合物の能力は前立腺の病理疾患を治療するその能力を予測すると判断した。本明細書中に示すごとく、これは、trk阻害剤での薬理学的介入はin vivoにて前立腺細胞の増殖を明らかに阻害できるからである。増殖する前立腺細胞はこの点で特別である。何故ならば、trkは非前立腺増殖性細胞タイプの大きなサブセットに存在するにも拘わらず、それは必ずしも原因力ではなく、また、増殖を駆動する維持力でもないからである。かくして、前立腺の病理疾患の治療に有用な化合物の選択は、trk自己リン酸化を阻害する化合物の能力に従って、実質的に狭くなり得る。
trk自己リン酸化スリクーニングにおいて陽性の結果を示す化合物は、前立腺細胞の増殖を阻害するその能力につき、前立腺由来細胞系および適当なin vivo動物モデル双方において特別にテストする。本明細書中に開示する該テスト結果は、in vitroにて自己リン酸化を阻害する化合物の能力と、前立腺細胞増殖を阻害する能力との間の直接的な相関を示す。
以下に述べるのは、trkの自己リン酸化を阻害するその能力に基づく病理学的前立腺細胞増殖を阻害するキナーゼ阻害剤K−252aのある種の誘導体の能力の分析である。
【0046】
実施例1:trkの阻害剤の選択
前立腺細胞増殖の阻害のための候補化合物は、trkに関連するチロシンキナーゼ活性を阻害するその能力に従って選択した。NGFの結合に際し、trkAは、そのチロシンキナーゼドメインの活性化の結果として自己リン酸化を受ける(カプラン(Kaplan)ら、ネイチャー(Nature)350:158−160、1991)。trkの自己リン酸化の程度は測定でき、それは、trkキナーゼ活性についての信頼できるアッセイとして認識されている(カプラン(Kaplan)、1991、前掲)。
【0047】
PC12細胞(ATCC番号 CRL1721)は、trkAを担持し、NGFで処理した場合に交感神経に分化するラット・クロム親和性細胞腫細胞である。この細胞は7.5%ウシ胎児血清、7.5%ウマ血清、2mMグルタミン、1mMピルビン酸塩を含有するDMEM培地(ギブコ(GIBCO))にて100mmの皿中で増殖させた。10%CO2および90%空気の湿潤雰囲気中、37℃で細胞をインキュベートした。密集下細胞培養を無血清培地中で1時間インキュベートし、100nMまたは500nMの濃度のK−252a誘導体化合物と共に1時間インキュベートし、次いで、50ng/mlの濃度のNGFで5分間刺激した。各培養中の細胞を破壊し、当業者に公知の標準的な技術によって細胞溶解物を調製した。各溶解物を抗−trk抗体と共にインキュベートし、それにより、免疫複合体が形成された。trkのC−末端の16個のアミノ酸に対して、ポリクローナル抗−trkA、BおよびC抗体を調製した(カプラン(Kaplan)ら、1991、前掲)。該免疫複合体をプロテインA−セファロースビーズ上に収集し、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)によって分離し、当業者によく知られた技術を用いて、二フッ化ポリビニリデン(PVDF)膜(ミリポア・コーポレイション(Millipore Corp.)、ベッドフォード(Bedford)、マサチューセッツ州)に移行させた。該膜を、チロシンリン酸化trkに結合するが、trkの非リン酸化形態には結合しない抗−ホスホチロシン抗体と共にインキュベートした。抗−ホスホチロシン抗体に結合した蛋白質を増感化された化学ルミネッセンス(ELC、アマーシャム(Amersham))で可視化し、これを図1にて暗色の「スポット」として示す。
【0048】
trkの自己リン酸化の測定により、trkチロシンキナーゼ活性の良好な指標、それにより、trk刺激の良好な指標が提供される。候補阻害剤の不存在下で添加されたNGFの結果、trkのチロシンリン酸化の増加が起こった。図1のDMSO(+)(ジメチルスルホキシド)との見出しがあるカラムを参照し、該ビヒクルは、NGFの存在下であって候補阻害剤化合物の不存在下でのtrkAの実質的なリン酸化を示す。細胞培養を100nM濃度の化合物I−9、I−7、またはI−1の存在下、NGFで刺激した場合、リン酸化応答は存在しなかった(スポットは観察されず)。100nM濃度の化合物I−20およびI−39の存在下で、リン酸化応答は幾分減少した(より小さなスポットが観察された)。100nM濃度のK−252a誘導体である化合物734の存在下では、自己リン酸化に対する効果はなかった。誘導体化合物734は非活性の陰性対照として含まれ、これは、他のテストした誘導体の阻害活性は非特異的毒性には帰せられないことを示す。
【0049】
trkのチロシンキナーゼドメインの自己リン酸化を阻害するその能力につき前記したごとく、K−252a化合物I−1および130の異なるK−252a誘導体化合物をテストした(該誘導体化合物の濃度は100nMおよび/または500nMであった)。阻害は、図の左側に示されるtrkマーカーと共に移動するスポットの不存在によって示された。部分的阻害は、減少したサイズのスポットによって示された。73の化合物が500nMまたはそれ以下の濃度でリン酸化の少なくとも部分的阻害を示した。テーブル2に掲げたこれらの化合物は前立腺の細胞の異常増殖の治療用の機能的K−252a誘導体であると予測される。
【0050】
【表7】
【0051】
【表8】
【0052】
【表9】
【0053】
実施例2:培養中の癌性ヒト前立腺細胞の増殖阻害
アンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞系Tsu−Pr1(イイズミ(Iizumi)ら、ジャーナル・オブ・ウロロジー(J. Urol.)137:1304−1306、1987)、DuPro−1(ギングリッチ(Gingrich)ら、ジャーナル・オブ・ウロロジー(J. Urol.)146:915−919、1991)、PC−3(ATCC番号 CRL1435)およびDU−145(ATCC番号 HTB81)の、培養における、増殖を阻害するその能力についてK−252aの機能的誘導体をテストした。実験を通じ、Tsu−Pr1およびDu−Pro1細胞を、10%ウシ胎児血清(ハイクローン(Hyclone))、2mM グルタミン、100U/mlペニシリン、および100μg/mlストレプトマイシンを含有するRPMI1640培地(ギブコ(GIBCO))中に維持した。PC−3細胞を、10%ウシ胎児血清(ハイクローン(Hyclone))、2mMグルタミン、100U/mlペニシリン、および100μg/mlストレプトマイシンを含有するハム(Ham)のF12K培地(アービン・サイエンティフィック(Irvine Scientific))中で維持した。すべての細胞系を5%CO2を含有する湿潤雰囲気中、37℃に維持した。DU−145細胞を、10%ウシ胎児血清(ハイクローン(Hyclone))および2mMグルタミンを含有する無抗生物質最小必須培地(ギブコ(GIBCO))中に維持した。
【0054】
候補化合物による増殖阻害についてのテストは以下の手順で行った。96−ウェル・プレート(ファルコン(Falcon))の各ウェルに0.1ml培地中の2,500細胞を入れた。培養を一晩インキュベートし、しかる後、培地0.1ml分を各ウェルに添加した。各0.1ml分は異なる濃度の10の代表的候補化合物(I−1、I−5、I−8、I−12、I−15、I−16、I−19、I−20、I−22、およびI−42)を含有するものであった。2のさらなる0.1ml分はK−252a誘導体cmp700またはcmp783を含有するものであって、これは、実施例1に記載したテストにおいてtrkのチロシンキナーゼドメインの自己リン酸化を阻害することは見い出されなかった。従って、該誘導体cmp700およびcmp783は、癌由来前立腺細胞の増殖の阻害がtrkのチロシンキナーゼドメインの自己リン酸化の阻害に相関することを示す陰性対照として含まれた。他の対照ウェルにはいずれのK−252a誘導体化合物も含まない培地を与えた。インキュベーションは3日間継続した。3日目に、カルセイン蛍光分析法(ボジスジコ−コイネ(Bozyczko-Coyne)ら、ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス・メソッズ(J. Neurosci. Meth.)50、205−216(1993))を用いて、各ウェル中の細胞の数を測定した。
【0055】
可視染料フルオレセインジアセテートの類似体であるカルセインAM(モレキュラー・プローブズ(Molecular Probes)、ユーゲン(Eugene)、オレゴン州)を細胞に取り込ませ、細胞内で分解して蛍光性塩とし、これを可視細胞の無傷膜によって保持させる。かくして、この方法は細胞生存の信頼できかつ定量的な測定を与える。カルセインAMをダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水(D−PBS)に希釈して(2×)最終アッセイ濃度(6μM)の2倍とし、100μl培地を含む培養ウェルに100μlを添加した。次いで、該プレートを37℃で1時間インキュベートした。次いで、細胞を4回D−PBSで洗浄して、細胞に取り込まれなかった過剰のカルセインを除去した。発光=485nmおよび励起=538nmにて、ミリポア(Millipore)プレートリーディング蛍光光度計(Cytofluor2350)を用いて該プレートを読み取った。ブランク値(培地を含むが細胞を含まないウェル)を差し引いた後、相対蛍光値は細胞生存の定量的測定を反映する。
【0056】
機能的誘導体を含有するウェル中の細胞数を対照ウェル中の細胞数と比較した。細胞増殖を50%阻害した濃度を計算し、これを「IC50」という。結果をテーブル3に示す。
【0057】
【表10】
【0058】
テーブル3に掲載したすべての化合物は1またはそれ以上の前立腺癌由来細胞系で細胞増殖を阻害した。各化合物についての現実のIC50濃度はテストした細胞系の間で変化したものの、阻害の一般的パターンはすべての細胞系を通じて同一であった(テーブル3)。例えば、I−12、I−5およびI−19は、異なる能力を有するが、すべての4つの細胞系で増殖を阻害する最も優れた化合物であった。対照的に、trkを阻害しない化合物700および783は、明らかに、前立腺細胞系増殖の能力の劣る阻害剤であった。PC−3細胞系の増殖は、trkの阻害剤によって最も影響されないようであった。trkの数、タイプおよび/または分布は、用いた他の細胞系と比較して、PC−3細胞で異なり得る。テーブル3に示したデータは、trkの自己リン酸化を阻害する化合物はアンドロゲン−非依存性ヒト前立腺癌細胞の増殖を阻害するという結論を支持する。
【0059】
実施例3:性的に未熟なマウスにおける前立腺成長の阻害
以下の動物モデルは、増殖的前立腺疾患の治療についての機能的誘導体の効力をテストするために用いることができる。各々15−20gの性的に未熟な雄マウス(チャールズ・リバー・ラボラトリーズ(Charles River Laboratories)、ローリィ(Raleigh)、ノースカロライナ州)を以下のin vivo実験で用いた。該マウスを購入の少なくとも3日後に割り当て、すべての実験で用いる前に順化させた。 化合物I−1、I−12、およびcmp700を10%Tween20、5%エタノール、および85%リン酸緩衝生理食塩水(TEPBS)に溶解することによって、その溶液を毎日調製した。各テスト群は12匹のマウスを含むものであった。マウスにTEPBS、1または10mg/kgの濃度の化合物I−1を含有するTEPBS、1または10mg/kgの濃度の化合物I−12を含有するTEPBS、あるいは1または10mg/kgの濃度のcmp700を含有するTEPBSを21日間毎日皮下注射した。21日間の投与期間の最後に、マウスを犠牲にし、身体の全血液、背面前立腺、腹側前立腺、凝固腺(coagulating glands)、精嚢、心臓、肝臓、胃、肺、腎臓および精巣を別々に収集し、秤量した。
【0060】
Coat-A-Count Total Testosterone RIAキット(ダイアグノスティック・プロダクツ・コーポレイション(Diagnostic Products Corporation)、ロスアンゼルス、カリフォルニア州90045)を用いて血漿内テストステロンの濃度を測定した。これは、当該化合物が、血清中テストステロンのレベルの変調に関与しない機構を通じて上皮細胞増殖を妨げることを示すために行った。
【0061】
各組織の平均重量をテーブル4、5、6および7に示す。DunnetteのT−検定または群t−検定を用い、化合物I−1を含むTEPBS、化合物I−12を含むTEPBS、またはcmp700を含むTEPBSの注射を摂取したマウスからの結果を、TEPBS単独を摂取したマウスからの結果と比較した(テーブル4および5)。DunnetteのT−検定、ニューマン−ケル(Newman−Keul)検定、または群t−検定を用い、化合物I−19を含むTEPBSの注射を摂取したマウスからの結果を、TEPBS単独を摂取したマウスからの結果と比較した(テーブル6および7)(タラリダ(Tallarida)ら、マニュアル・オブ・ファルマコロジ−・キャルキュレーション・ウイズ・コンピュータ・プログラムズ(Manual of Pharmacologie Caluculation with Computer Programs)、第2版、シュプリンゲル・フェアラーク(Springer Verlag)、ニューヨーク、1987、121−125頁、131−134頁、145−148頁)。
【0062】
【表11】
【0063】
【表12】
【0064】
【表13】
【0065】
【表14】
【0066】
テストしたいずれの化合物も体重ならびに胃、心臓、肺、精巣、腎臓または肝臓の重量を有意に減少させなかった(テーブル5および7)。対照的に、(テーブル4および6に示すように)、投与量1mg/kgの化合物I−1は腹側前立腺および精嚢の重量を有意に減少させた。高投与量の化合物I−1は大きな効果を生じなかった。投与量1mg/kgおよび10mg/kgの化合物I−12は腹側前立腺および精嚢の重量を減少させた。背面前立腺の重量は1mg/kgの化合物I−12での処理後に減少したのみであった。濃度1mg/kgおよび10mg/kgの化合物I−19は腹側前立腺、背面前立腺、精嚢、および凝固腺の重量を有意に減少させた。trkのチロシンキナーゼ活性を阻害しなかった誘導体cmp700は前立腺組織の増殖を阻害しなかったが、10mg/kgの投与量で精嚢重量を減少させなかったものの1mg/kgでは減少させた。
いずれの群間においても血漿内テストステロンの濃度に有意な差異はなかった。かくして、腹側前立腺、背面前立腺、または精嚢の重量の減少は循環テストステロンの量の減少によるものではなかった。
【0067】
実施例4:機能的誘導体での前立腺癌の阻害
前記実施例3で提供した方法に加え、本明細書中で提供するK−252a誘導体の特に前立腺癌の治療のための有用性はいくつかの動物モデルで評価できる。これらのうちの2つは、1)ヌードマウスにおけるヒト前立腺癌細胞系の増殖に対する機能的誘導体の効果のテスト;および2)ラットにおけるDunning前立腺腫瘍の増殖に対する機能的誘導体の効果を含む。
【0068】
ヌードマウスで化合物をテストするために、ヒト前立腺細胞系、例えば、実施例2に記載したTsu−Pr1、DuPro−1、PC−3、またはDU−145細胞系は標準的な条件下で増殖させ、成体意識喪失ヌードマウスの後方臀部に(1×106細胞/0.1ml−107細胞/ml)皮下注射できる(グリーブ(Gleave)ら、キャンサー・リサーチ(Cancer Res.)51:3753−3761、1991)。腫瘍の増殖に対するテスト化合物の効果は、テスト化合物の存在下および不存在下で腫瘍のサイズおよび成長速度を測定することによって評価される。
【0069】
Dunningラット前立腺腫瘍系は、潜在的癌治療の評価についての標準的なモデルとなっている移植可能なラット腫瘍である。潜在的抗癌性化合物の効果を評価するためにDunning腫瘍を用いる1つの方法は詳細に記載されている(イサックス(Issacs)、キャンサー・リサーチ(Cancer Res.)49:6290−6294、1989)。このモデルにおいて腫瘍を減少させるための本明細書中で提供されるK−252a誘導体の利用性は、腫瘍の増殖速度に対するテスト化合物の効果を測定することを含む。テスト化合物を溶解させ、前記したごとくに注射する。
【0070】
実施例5
前立腺癌の動物モデルにおけるtrk拮抗剤の効果
in vitroにおいてアンドロゲン−非依存性前立腺癌細胞の増殖阻害におけるtrk拮抗剤の効果は、当該分子はアンドロゲン−非依存性前立腺癌のin vivoモデルで効果的であろうことを示した。本発明者らは、in vivoにおけるアンドロゲン−非依存性DunningR−3327 AT−2ラット前立腺腫瘍の増殖に対する化合物I−19およびI−5の効果を調べることを選択した。該AT−2腫瘍は、元のゆっくりと増殖するアンドロゲン−依存性Dunning R−3327 Hラット前立腺腫瘍に由来する高度に未分化の細胞系である(イサックス(Issacs)ら、プロステート(Prostate)9:261−281、1986)。該AT−2腫瘍モデルはリノミド(linomide)(イチカワ(Ichikawa)ら、キャンサー・リサーチ(Cancer Research)52:3022−3028、1992)およびアンドロゲン−非依存性前立腺癌について臨床試行で評価を受けている(アイゼンバーガー(Eisenberger)ら、ジャーナル・オブ・ナショナル・キャンサー・インスティテュート(J. Natl. Can. Inst.)85:611−621、1993)スラミン(suramin)(モートン(Morton)ら、プロステート(Prostate)17:327−336、1990)を含めた他の潜在的抗前立腺癌剤を特徴付けるのに使用されてきた。
【0071】
実験プロトコル:24匹の同系雄Copenhagenラットの側腹部に1×106のAT−2.1腫瘍生細胞を皮下接種した。すべての動物で約2.7cm3のサイズまで腫瘍を成長させ(約14日)、しかる後、各々動物8匹の3群にランダムに割り当てた。群1はビヒクル単独の皮下注射を毎日摂取させた(1ml/kg体重)。群2は化合物I−19(I−19を10mg/mlにて含有する溶液1ml/kg)の皮下注射を毎日摂取させた。群3は化合物I−5(I−5を3mg/mlにて含有する溶液1ml/kg)の皮下注射を毎日摂取させた。すべての動物につきその腫瘍サイズを16日間評価した。腫瘍容量は式(1×w2)×0.5を用いて計算した。
【0072】
結果:実験の結果はテーブル8に示す。化合物I−19(10mg/kg/日)および化合物I−5(3mg/kg/日)の両化合物は、AT−2.1腫瘍の増殖の阻害において約50−60%効果的であった。これらの結果は、in vivoにての前立腺癌増殖の阻害におけるこれらの化合物の有用性を示す。
【0073】
【表15】
【0074】
化合物の合成
化合物(III)、化合物(IV)、化合物(V)、および化合物(VI)の製法を以下に記載する。
【0075】
実施例6
化合物I−45
化合物(A-2-1;図2;R1a=Br、R2=H)(250mg、0.46mmol)をジメチルホルムアミド1mlに溶解させ、次いで、水酸化ナトリウム23.5mgの水溶液0.25mlを添加し、続いて、室温で4時間撹拌した。1N塩酸を添加して該溶液のpHを1〜2に調整した後、沈殿を濾過によって収集して、223mg(収率91%)の化合物(B−1;R1a=Br、R2=H)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):2.00(1H,dd,J=5.1,14.0Hz),2.22(3H,s),5.01(2H,s),7.10(1H,dd,J=5.7,7.0Hz),7.26−8.08(6H,m),8.65(1H,s),9.36(1H,d,J=2Hz)
【0076】
化合物(B−1;R1a=Br、R2=H)(210mg、0.39mmol)をピリジン3mlに溶解させ、次いで、無水酢酸0.44ml(4.7mmol)を添加し、続いて、室温で4日間撹拌した。溶媒を蒸発させた後、1N塩酸4mlを残渣に添加し、沈殿を濾過によって収集して223mg(収率99%)の化合物(C−1;R1a=Br、R2=H)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):1.66(3H,s),2.48(3H,s),5.02(2H,s),7.16−8.08(7H,m),8.69(1H,s),9.34(1H,d,J=2Hz)
【0077】
化合物(C−1;R1a=Br、R2=H)(100mg、0.17mmol)を塩化チオニル3mlに懸濁し、続いて、90℃で4.5時間撹拌した。溶媒を蒸発させた後、ジエチルエーテルを残渣に添加し、沈殿を濾過によって収集して84mg(収率83%)の化合物(D−1;R1a=Br、R2=H)を得た。
【0078】
化合物(D−1;R1a=Br、R2=H)(84mg、0.39mmol)を二塩化エチレン2mlに溶解し、次いで、0.8% NH3/テトラヒドロフランの3mlを氷冷下で添加し、続いて、同温度で1時間撹拌した。溶媒を蒸発させた後、残渣をテトラヒドロフラン2mlおよびメタノール0.5mlの混合液に溶解し、次いで、1N NaOH 1mlを添加し、続いて、室温で3時間撹拌した。該溶液に1N 塩酸(1.2ml)を添加して中和し、続いて、テトラヒドロフランで希釈した。混合物を生理食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒の蒸発の後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=98/2)に付して54mg(収率72%)の化合物I−45を得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):2.018(1H,dd,J=4.6,13.7Hz),2.183(3H,s),4.985(1H,d,J=17.0Hz),5.054(1H,d,J=17.1Hz),6.308(1H,s),7.057(1H,dd,J=4.9,7.5Hz),7.353−8.092(8H,m),8.696(1H,s),9.385(1H,d,J=2.1Hz)
SIMS(m/z):531(M+1)+
【0079】
実施例7
化合物I−35
化合物(F;図3)(70mg、0.12mmol)をテトラヒドロフラン3mlおよびジメチルホルムアミド1mlの混合液に溶解し、次いで、トリエチルアミン34μl(0.24mmol)およびイソシアン酸エチル19μl(0.24mmol)を添加し、続いて、50℃で6時間撹拌した。クロロホルムで希釈した後、混合物を順次水および生理食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒の蒸発後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1)に付して71mg(収率91%)の化合物(G)を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ(ppm):1.16(3H,t,J=7.3Hz),1.800(3H,s),2.150(1H,dd,J=5.1,14.5Hz),2.282(3H,s),2.849(3H,s),3.273(1H,m),3.978(1H,dd,J=7.5,14.5Hz),4.011(3H,s),5.355(2H,brs),5.406(1H,d,J=17.4Hz),5.449(1H,d,J=17.4Hz),7.007(1H,dd,J=5.1,7.4Hz),7.427−8.098(6H,m),9.245(1H,s)
FAB−MS(m/z):652(M)+
【0080】
化合物(G)(44mg、0.067mmol)を二塩化エチレン1mlおよびメタノール0.5mlの混合液に溶解し、次いで、28%ナトリウムメトキシド/メタノール13μlを添加し、続いて、室温で20分間撹拌した。Amberlist15を混合物に添加して中和し、不溶性物質を濾去した。溶媒を蒸発させた後、残渣を分取用TLC(クロロホルム/メタノール=95/5)に付して68.9mg(収率24%)の化合物I−35を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ(ppm):1.103(3H,t,J=7.2Hz),2.163(3H,s),2.282(1H,dd,J=5.0,14.3Hz),3.184(2H,q,J=7.2Hz),3.288(1H,dd,J=7.5,14.3Hz),4.023(3H,s),4.866(1H,d,J=17.0Hz),4.937(1H,d,J=16.9Hz),5.230(2H,s),6.856(1H,dd,J=5.0,7.5Hz),7.306−7.882(6H,m),9.148(1H,s)
FAB−MS(m/z):569(M+1)+
【0081】
実施例8
化合物I−37
化合物(N;図4)(98mg、0.17mmol)を二塩化エチレン5mlに溶解し、次いで、クロロギ酸メチル39μlおよびトリエチルアミン71μlを添加し、続いて、室温で1.5時間撹拌した。メタノール(1ml)を溶液に添加し、溶媒を蒸発させた。残渣を分取用TLC(クロロホルム/メタノール=98/2)に付し、得られた粗生成物を酢酸エチルから再結晶して18mg(収率17%)の化合物(O−1;R14=CH3)を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ(ppm):1.783(3H,s),2.125(1H,dd,J=5.0,14.6Hz),2.269 (3H,s),2.810(3H,s),3.828(3H,s),3.965(1H,dd,J=7.4,14.6Hz),4.007(3H,s),5.357(1H,d,J=17.8Hz),5.403(1H,d,J=17.6Hz),6.963(1H,dd,J=4.9,7.6Hz),7.411−8.071(6H,m),8.944(1H,d,J=2.0Hz)
【0082】
前記にて得られた化合物(O−1;R14=CH3)8mg(0.013mmol)を用い、実施例7と実質的に同一の方法を繰り返して5mg(収率71%)の化合物I−37を得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):1.999(1H,dd,J=4.6,13.9Hz),2.146(3H,s),3.373(1H,dd,J=7.7,14.2Hz),3.688(3H,s),3.924(3H,s),4.959(1H,d,J=17.6Hz),5.020(1H,d,J=17.6Hz),6.311(1H,s),7.081(1H,dd,J=5.0,7.0Hz),7.333−8.052(6H,m),8.553(1H,s)
FAB−MS(m/z):541(M+1)+
【0083】
実施例9
化合物I−42
化合物(A−1−1、プロセス1;R1a=R2a=Br)(62.5mg,0.1mmol)をテトロヒドロフラン3mlおよびメタノール1mlの混合液に溶解し、次いで、水素化ホウ素ナトリウム19mg(0.5mmol)を添加し、続いて、室温で12時間撹拌した。1N塩酸でpH1〜2に調整した後、混合物を生理食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒の蒸発の後、残渣を分取用TLC(クロロホルム/メタノール=95/5)に付して37mg(収率62%)の化合物I−42を得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):1.918(1H,dd,J=4.9,5.1Hz),2.140(3H,s),3.149(1H,dd,J=7.3,7.6Hz),3.728−3.836(2H,m),5.009(1H,d,J=17.8Hz),5.070(1H,d,J=17.5Hz),5.144(1H,t,J=5.1Hz),5.439(1H,s),6.994(1H,dd,J=4.9,7.5Hz),7.573−8.184(5H,m),8.701(1H,s),9.387(1H,d,J=2.2Hz)
FAB−MS(m/z);598(M+1)+
【0084】
実施例10
化合物I−43
67mg(0.1mmol)の化合物(D−2;R1a=R2=Br)および120μlのエタノールアミンを用い、実施例6と実質的に同様のアミド化手法を繰り返し、次いで、実施例7と実質的に同様の脱アセチル化方法を繰り返して30mgの化合物I−43を得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):2.009(1H,dd,J=4.7,13.9Hz),2.102(3H,s),4.832(1H,t,J=5.5Hz),5.004(1H,d,J=17.3Hz),5.073(1H,d,J=17.3Hz),6.509(1H,s),7.055(1H,dd,J=4.7,7.3Hz),7.586−8.270(6H,m),8.695(1Hs),9.380(1H,d,J=2.2Hz)
FAB−MS(m/z):655(M+1)+
【0085】
実施例11
化合物I−46
化合物(J,プロセス7)(43.8mg,0.1mmol)をテトラヒドロフラン1mlに溶解し、次いで、イソシアン酸エチル12μl(0.15mmol)およびトリエチルアミン28μl(0.2mmol)を添加し、続いて、室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させた後、残渣を分取用TLC(クロロホルム/メタノール=9/1)に付して11mg(収率22%)の化合物I−46を得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):1.051(3H,t,J=7.2Hz),1.964(1H,dd,J=5.3,13.5Hz),2.145(3H,s),2.959(1H,dd,J=7.6,13.8Hz),3.111(2H,m),4.965(1H,d,J=17.4Hz),5.031(1H,d,J=17.6Hz),5.835(1H,s),6.138(1H,t,J=5.7Hz),6.265(1H,t,J=5.4Hz),6.925(1H,dd,J=5.4,7.4Hz),7.253−8.059(7H,m),8.584(1H,s),9.200(1H,d,J=7.8Hz)
FAB−MS(m/z):510(M+1)+
【0086】
実施例12
化合物I−47
43.8mg(0.1mmol)の化合物(J)および13μlのイソシアン酸フェニルを用い、実施例11と実質的に同様の方法を繰り返して13mg(収率23%)の化合物I−47を得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):2.063(1H,dd,J=5.2,13.4Hz),2.180(3H,s),2.999(1H,dd,J=7.3,13.6Hz),3.635−3.727(2H,m),4.965(1H,d,J=17.1Hz),5.043(1H,d,J=17.4Hz),5.776(1H,s),6.445(1H,dd,J=4.6,6.6Hz),6.928(1H,t,J=7.4Hz),7.007(1H,dd,J=5.5,7.3Hz),7.243−8.074(11H,m),8.583(1H,s),8.830(1H,s),9.198(1H,d,J=7.8Hz)
FAB−MS(m/z):558(M+1)+
【0087】
実施例13
化合物I−48
化合物(K,プロセス8)(44mg,0.1mmol)をテトラヒドロフラン3mlおよび水0.3mlの混合液に溶解し、次いで、1,1−ジフェニルヒドラジン−塩酸塩110mg(0.5mmol)を添加し、続いて、室温で4時間撹拌した。クロロホルムで希釈した後、混合物を順次塩化水素の10%水溶液、水、および生理食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を蒸発させた後、残渣を分取用TLC(クロロホルム/メタノール=97/3)に付して30mgの化合物I−48を得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):2.012(3H,s),2.137(1H,dd,J=5.2,13.5Hz),3.588(1H,dd,J=7.4,13.2Hz),4.973(1H,d,J=17.3Hz),5.031(1H,d,J=17.3Hz),6.086(1H,s),6.885(1H,s),7.105(1H,dd,J=5.4,7.3Hz),7.250−8.045(17H,m),8.590(1H,s),9.230(1H,d,J=7.8Hz)
FAB−MS(m/z):604(M+1)+
【0088】
実施例14
化合物I−49
化合物(H,プロセス5)(59.3mg,0.1mmol)をジメチルホルムアミド1mlに溶解し、次いで、チオフェノール21μlおよび水素化ナトリウム(60%)8mg(0.2mmol)を添加し、続いて、室温で3.5時間撹拌した。クロロホルムで希釈した後、混合物を順次飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、および生理食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を蒸発させた後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1)に付して22mg(収率41%)の化合物I−49を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ(ppm):2.211(3H,s),2.661(1H,dd,J=5.7,14.4Hz),3.423(1H,dd,J=7.6,14.5Hz),3.537(1H,d,J=13.0Hz),3.734(1H,d,J=13.0Hz),4.545(1H,d,J=17.3Hz),4.761(1H,d,J=17.3Hz),6.568(1H,dd,J=5.5,7.4Hz),7.091−8.003(12H,m),8.736(1H,d,J=7.9Hz)
FAB−MS(m/z):532(M+1)+
【0089】
実施例15
化合物I−50
化合物(H)59.3mgおよび2−メルカプトピリジン22.2mgを用い、実施例14と実質的に同様の方法を繰り返して38.7mg(収率73%)の化合物I−50を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ(ppm):2.326(3H,s),2.401(1H,m),3.339(1H,dd,J=7.4,14.5Hz),3.571(1H,d,J=14.9Hz),4.130(1H,d,J=14.8Hz),4.918(1H,d,J=16.6Hz),5.002(1H,d,J=16.7Hz),6.723(1H,dd,J=6.0,7.4Hz),7.173−8.468(11H,m),9.177(1H,d,J=7.7Hz)
FAB−MS(m/z):533(M+1)+
【0090】
実施例16
化合物I−51、プロセス6参照
化合物I−49(プロセス5;15mg、0.028mmol)をクロロホルム0.38mlに溶解し、次いで、m−クロロ過安息香酸4.8mgを含有するクロロホルム0.2mlを−48℃で添加し、続いて、室温で2時間撹拌した。クロロホルムでの希釈の後、混合物を順次飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および生理食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒の蒸発の後、残渣をクロロホルムから再結晶して6.1mg(収率40%)の化合物I−51を得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):2.100(0.87H,s),2.189(2.13H,s),4.982(1H,d,J=18.0Hz),5.038(1H,d,J=17.9Hz),6.056(0.71H,s),6.337(0.29H,s),7.145−8.073(12H,m),8.583(1H,s),9.200(0.29H,d,J=7.4Hz),9.207(0.71H,d,J=8.3Hz)
FAB−MS(m/z):548(M+1)+
【0091】
実施例17
化合物I−40
30mgの化合物I−50および9.5mgのm−クロロ過安息香酸を用い、実施例16と実質的に同様の方法を繰り返して、12.8mg(収率42%)の化合物I−40を得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):2.134(0.25H,s),2.185(0.75H,s),4.981(1H,d,J=7.9Hz),5.040(1H,d,J=7.6Hz),6.212(0.75H,s),6.449(0.25H,s),7.088−8.228(11H,m),8.598(1H,s),8.809(0.25H,m),8.919(0.75H,m),9.198(0.25H,d,J=7.2Hz),9.213(0.75H,d,J=7.7Hz)
FAB−MS(m/z):549(M+1)+
【0092】
実施例18
化合物I−31
化合物(H;図5)(360mg)をジメチルホルムアミド5mlに溶解し、次いで、シアン化ナトリウム90mgを添加し、続いて、80℃で4時間撹拌した。溶媒を蒸発させた後、残渣を対応する酸まで加水分解し、ジアゾメタンでエステル化した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=98/2)に付して30mgの化合物I−31を得た。
1H−NMR(CDCl3+DMSO−d6;9/1) δ(ppm):2.20(3H,s),4.90(2H,brs),6.84(1H,m),7.12−8.00(7H,m),9.20(1H,d,J=8.0Hz)
EI−MS(m/z):448(M)+
【0093】
実施例19
化合物II−1、II−2、およびII−3
化合物(M;図6)(337mg,0.85mmol)をジメチルホルムアミド10mlに溶解し、水素化ナトリウム(60%)41mg(1.02mmol)を氷冷下で添加し、続いて、同温度で10分間撹拌した。臭化アリル(88μl,1.02mmol)を添加し、溶液を氷冷下で1時間撹拌した。該溶液にメタノール1mlを添加し、続いて、クロロホルムで希釈した。混合物を順次水および生理食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒の蒸発の後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/トルエン=1/9)に付して、217mg(収率54%)の化合物(P−1;R19=R20=アリル)ならびに109mg(収率30%)の化合物(P−2;R19=H,R20=アリル)および化合物(P−3;R19=アリル、R20=H)の混合物(1/1.4)を得た。
【0094】
化合物(P−1;R 19 =R 20 =アリル)
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):5.044−5.478(11H,m),6.084−6.223(2H,m),7.295−8.176(7H,m),9.415(1H,d,J=7.8Hz)
FAB−MS(m/z):476(M+1)+
【0095】
化合物(P−2;R 19 =H,R 20 =アリル)および化合物(P−3;R 19 =アリル、R 20 =H)の混合物(1/1 . 4)
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):4.694(0.58H,dd,J=1.3,17.3Hz),4.757(0.42H,d,J=17.0Hz),5.003−5.172(3H,m),4.465(1H,dd,J=1.7,10.9Hz),5.565−5.619(2H,m),6.111−6.222(1H,m),7.135−8.177(7H,m),9.302(0.42H,d,J=8.1Hz),9.353(0.58H,d,J=8.1Hz),11.555(0.42H,s),11.713(0.58H,s)
FAB−MS(m/z):436(M+1)+
【0096】
化合物(P−1;R19=R20=アリル)(205mg,0.43mmol)をテトラヒドロフラン20mlに溶解し、2M硫酸水溶液16mlを添加し、続いて、70℃で8時間撹拌した。酢酸エチルで希釈した後、混合物を順次水および生理食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を蒸発させた後、残渣をクロロホルム/酢酸エチルから再結晶して112mg(収率66%)の化合物II−1を得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):4.965(2H,s),5.067−5.371(8H,m),6.080−6.211(2H,m),7.276−8.051(7H,m),8.571(1H,s),9.434(1H,d,J=7.8Hz)
FAB−MS(m/z):392(M+1)+
【0097】
化合物(P−2;R19=H,R20=アリル)および化合物(P−3;R19=アリル、R20=H)の混合物(1/1.4)の100mg(0.23mmol)を用い、前記したのと実質的に同様の方法を繰り返して、39mg(収率50%)の化合物II−3および化合物II−2の混合物(1.5/1)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):4.694(0.6H,d,J=17.1Hz),4.755(0.4H,d,J=17.2Hz),4.967(2H,s),5.008−5.556(3H,m),6.145(1H,m),7.219−8.278(7H,m),8.463(1H,s),9.318(0.4H,d,J=7.9Hz),9.369(0.6H,d,J=7.9Hz)
FAB−MS(m/z);352(M+1)+
【0098】
実施例20
化合物I−58
化合物(A−3)(特開昭63−295588号)(69mg,0.12mmol)をジクロロエタン3.5mlに溶解し、次いで、チオフェノール66μl(0.6mmol)および三フッ化ホウ素エーテル錯体23μl(0.18mmol)を氷冷下で添加し、続いて、同温度で4.5時間撹拌した。反応混合物を順次飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、および生理食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を蒸発させた後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン/酢酸エチル=90/10)に付して84mg(収率90%)のN,O−ジアセチル化化合物VI−1を得た。
FAB−MS(m/z):781(M+1)+
【0099】
N,O−ジアセチル化化合物VI−1(70mg,0.09mmol)をクロロホルム6mlおよびメタノール3mlの混合液に溶解し、次いで、5.1Nナトリウムメトキシド18μl(0.09mmol)を添加し、続いて、室温で20分間撹拌した。Amberlist15(100mg)を反応混合物に添加し、続いて、1時間撹拌し、不溶性物質を濾過によって分離した。溶媒を蒸発させた後、残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=97/3)に付して15mg(収率24%)の化合物I−58を得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):2.035(1H,dd,J=4.9,14.1Hz),2.135(3H,s),3.921(3H,s),4.982(1H,d,J=16.9Hz),5.033(1H,d,J=17.1Hz),6.231(1H,s),6.348(1H,s),7.096(1H,dd,J=4.9,7.3Hz),7.196−8.060(16H,m),8.577(1H,s),9.457(1H,d,J=1.9Hz)
FAB−MS(m/z):698(M+1)+
【0100】
実施例21
化合物I−59
化合物(A−3)58mg(0.1mmol)およびエタンジチオール25μl(0.3mmol)を用い、実施例20と実質的に同様の方法を繰り返して50mg(収率76%)のN,O−ジアセチル化化合物VI−1を得た。
FAB−MS(m/z):656(M+1)+
【0101】
N,O−ジアセチル化化合物VI−Iの35mg(0.05mmol)を用い、実施例20と実質的に同様の方法を繰り返して26mg(収率91%)の化合物I−59を得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):2.013(1H,dd,J=4.9,14.0Hz),2.148(3H,s),3.590−3.641(2H,m),3.925(3H,s),4.984(1H,d,J=17.7Hz),5.034(1H,d,J=17.7Hz),5.931(1H,s),6.331(1H,s),7.113(1H,dd,J=5.0,7.4Hz),7.345−8.060(6H,m),8.588(1H,s),9.318(1H,d,J=1.5Hz)
FAB−MS(m/z):572(M+1)+
【0102】
実施例22
化合物I−67
化合物(A−3)50.1mg(0.0862mmol)および2−メルカプトベンズイミダゾール129.5mg(0.862mmol)を用い、後記するプロセス16と実質的に同様の方法に従って、46.0mg(収率75%)のN,O−ジアセチル化化合物I−67を得た。
FAB−MS(m/z):714(M+1)+
【0103】
33.4mg(0.0468mmol)のN,O−ジアセチル化化合物I−67を用い、実施例20と実質的に同様の方法を繰り返して、17.5mg(収率59%)の化合物I−67を得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):2.995(1H,dd,J=4.9,14.1Hz),2.139(3H,s),3.914(3H,s),4.779(2H,s),4.979(1H,d,J=17.3Hz),5.028(1H,d,J=17.3Hz),6.342(1H,s),7.101(1H,dd,J=4.9,7.3Hz),7.123−8.056(10H,m),8.617(1H,s),9.278(1H,m)
FAB−MS(m/z):630(M+1)+
【0104】
実施例23
化合物I−68
50mg(0.0861mmol)の化合物A−3および0.0868ml(0.861mmol)のフルフリルメルカプタンを用い、後記するプロセス16と実質的に同様の方法に従い、36.0mg(収率62%)のN,O−ジアセチル化化合物I−68を得た。
FAB−MS(m/z):678(M+1)+
【0105】
22.7mg(0.0335mmol)のN,O−ジアセチル化化合物I−68を用い、実施例20と実質的に同様の方法を繰り返して、17.7mg(収率89%)の化合物I−68を得た。
1H−NMR(CDCl3) δ(ppm):2.209(3H,s),2.607(1H,dd,J=4.9,14.5Hz),3.401(1H,dd,J=7.5,14.5Hz),3.671(2H,s),3.857(2H,s),4.103(3H,s),4.532(1H,brs),4.789(1H,d,J=16.1Hz),4.873(1H,d,J=16.1Hz),5.690(1H,s),6.378(1H,dd,J=1.9,3.2Hz),6.416(1H,dd,J=0.6,3.2Hz),6.846(1H,dd,J=4.8,7.5Hz),7.334−7.932(7H,m),8.961(1H, m)
FAB−MS(m/z):593(M)+
【0106】
実施例24
化合物I−69
化合物(A−3)(100mg,0.173mmol)をクロロホルム4mlに溶解し、次いで、1−アミノピロリジン塩酸塩34.0mg(0.277mmol)を添加し、続いて、室温で4時間撹拌した。減圧下での溶媒の蒸発後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1)に付して100.5mg(収率90%)のN,O−ジアセチル化化合物I−69を得た。
FAB−MS(m/z):648(M+1)+
【0107】
40mg(0.0618mmol)のN,O−ジアセチル化化合物I−69を用い、実施例20と実質的に同様の方法を繰り返して、30mg(収率86%)の化合物I−69を得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):1.910−1.937(4H,m),2.031(1H,dd,J=4.9,14.1Hz),2.142(3H,s),2.329−2.635(4H,m),3.395(1H,dd,J=7.3,14.1Hz),3.925(3H,s),4.981(1H,d,J=17.0Hz),5.030(1H,d,J=17.0Hz),7.110(1H,dd,J=4.9,7.3Hz),7.345−8.057(6H,m),7.425(1H,s),8.596(1H,s),9.210(1H,d,J=1.4Hz)
FAB−MS(m/z):564(M+1)+
【0108】
実施例25
化合物I−70
49.0mg(0.0846mmol)の化合物(A−3)および2−ヒドラジノピリジン15.8mg(0.145mmol)のクロロホルム溶液を用い、プロセス20と実質的に同様の方法に従い、35.8mg(収率64%)のN,O−ジアセチル化化合物I−70を得た。
FAB−MS(m/z):671(M+1)+
【0109】
24.6mg(0.0367mmol)のN,O−ジアセチル化化合物I−70を用い、実施例20と実施的に同様の方法を繰り返して、11.8mg(収率55%)の化合物I−70を得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):2.039(1H,dd,J=5.0,13.9Hz),2.153(3H,s),3.418(1H,dd,J=7.2,13.9Hz),3.933(3H,s),5.001(1H,d,J=17.5Hz),5.057(1H,d,J=17.5Hz),6.366(1H,s),6.748(1H,m),7.164(1H,dd,J=5.0,7.2Hz),7.301−8.120(9H,m),8.242(1H,s),8.656(1H,s),9.368(1H,s),10.738(1H,s)
FAB−MS(m/z):587(M+1)+
【0110】
実施例26
化合物I−71
50mg(0.0861mmol)の化合物(A−3)および200mg(1.41mmol)の2−ジメチルアミノエタンチオール塩酸塩を用い、後記するプロセス16と実質的に同様の方法に従い、56.3mg(収率98%)のN,O−ジアセチル化化合物I−71を得た。
FAB−MS(m/z):668(M+1)+
【0111】
36.6mg(0.0548mmol)のN,O−ジアセチル化化合物I−71を用い、実施例20と実質的に同様の方法を繰り返して、28.4mg(収率89%)の化合物I−71を得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):2.011(1H,dd,J=4.9,14.1Hz),2.142(9H,s),2.460−2.584(4H,m),3.404(1H,dd,J=7.3,14.1Hz),3.923(3H,s),3.950(2H,s),4.951−5.054(2H,m),6.336(1H,s),7.111(1H,dd,J=4.9,7.3Hz),7.338−8.060(6H,m),8.595(1H,s),9.137(1H,d,J=1.3Hz)
FAB−MS(m/z):585(M+1)+
【0112】
実施例27
化合物I−72
30mg(0.0516mmol)の化合物(A−3)および52.2mg(0.516mmol)の1H−1,2,4−トリアゾール−3−チオールを用い、後記するプロセス16と実質的に同様の方法に従い、31.4mg(収率92%)のN,O−ジアセチル化化合物I−72を得た。
FAB−MS(m/z):665(M+1)+
【0113】
15mg(0.0226mmol)のN,O−ジアセチル化化合物I−72を用い、実施例20と実質的に同様の方法を繰り返して粗製化合物I−72を得た。クロロホルム/メタノール(90/10)を添加し、続いて撹拌して、10.9mg(収率83%)の化合物I−72を沈殿として得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):2.006(1H,dd,J=4.9,13.9Hz),2.144(3H,s),3.375(1H,dd,J=7.3,13.9Hz),3.921(3H,s),4.559(2H,brs),4.977(1H,d,J=17.4Hz),5.033(1H,d,J=17.4Hz),6.332(1H,s),7.106(1H,dd,J=4.9,7.3Hz),7.341−8.062(6H,m),8.614(1H,s),9.202(1H,d,J=1.5Hz)
FAB−MS(m/z):581(M+1)+
【0114】
実施例28
化合物I−73
化合物(A−3)(97.5mg,0.168mmol)をテトラヒドロフラン4mlに溶解し、次いで、アミノグアニジン硫酸塩25.1mg(0.0950mmol)の水溶液を添加し、続いて、室温で3時間撹拌した。酢酸エチルを添加し、続いて、撹拌し、不溶性物質を濾過によって収集し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=85/15)に付して、87.1mg(収率82%)のN,O−ジアセチル化化合物I−73を得た。
FAB−MS(m/z):636(M+1)+
【0115】
69.6mg(0.110mmol)のN,O−ジアセチル化化合物I−73を用い、実施例20と実質的に同様の方法を繰り返して、37.2mg(収率62%)の化合物I−73を得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):2.046(1H,dd,J=4.9,14.2Hz),2.148(3H,s),3.406(1H,dd,J=7.5,14.2Hz),3.929(3H,s),4.988(1H,d,J=17.3Hz),5.045(1H,d,J=17.3Hz),5.637−6.129(4H,m),6.350(1H,s),7.156(1H,dd,J=4.9,7.5Hz),7.345−8.092(6H,m),8.206(1H,s),8.603(1H,s),9.271(1H,d,J=1.7Hz)
FAB−MS(m/z):552(M+1)+
【0116】
実施例29
化合物I−74
103.8mg(0.179mmol)の化合物(A−3)および0.020ml(0.207mmol)の4−アミノモルホリンを用い、後記するプロセス20と実質的に同様の方法に従い、82.8mg(収率70%)のN,O−ジアセチル化化合物I−74を得た。
FAB−MS(m/z):663(M)+
【0117】
50.6mg(0.0763mmol)のN,O−ジアセチル化化合物I−74を用い、後記する実施例20と実質的に同様の手法を繰り返して36.4mg(収率82%)の化合物I−74を得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):2.042(1H,dd,J=4.8,14.3Hz),2.144(3H,s),3.139−3.163(4H,m),3.404(1H,dd,J=7.5,14.3Hz),3.792−3.815(4H,m),3.927(3H,s),4.984(1H,d,J=17.3Hz),5.040(1H,d,J=17.3Hz),6.352(1H,s),7.132(1H,dd,J=4.8,7.5Hz),7.344−8.065(6H,m),7.897(1H,s),8.610(1H,s),9.316(1H,d,J=1.7Hz)
FAB−MS(m/z):580(M+1)+
【0118】
実施例30
化合物I−75
100mg(0.173mmol)の化合物A−3および16.7mg(0.173mmol)の1,1−ジメチルヒドラジン塩酸塩を用い、後記するプロセス20と実質的に同様の方法に従い、52.3mg(収率49%)のN,O−ジアセチル化化合物I−75を得た。
FAB−MS(m/z):622(M+1)+
【0119】
38.4mg(0.0618mmol)のN,O−ジアセチル化化合物I−75を用い、実施例20と実質的同様の手法を繰り返して、10.9mg(収率33%)の化合物I−75を得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):2.037(1H,dd,J=5.0,14.1Hz),2.142(3H,s),2.939(6H,s),3.399(1H,dd,J=7.5,14.1Hz),3.926(3H,s),4.981(1H,d,J=17.7Hz),5.037(1H,d,J=17.7Hz),6.342(1H,s),7.118(1H,dd,J=5.0,7.5Hz),7.342−8.063(6H,m),7.533(1H,s),8.601(1H,s),9.258(1H,s)
FAB−MS(m/z):538(M+1)+
【0120】
実施例31
化合物I−76
99.5mg(0.172mmol)の化合物(A−3)および42.4mgの1−アミノ−4−メチルピペラジンを用い、後記するプロセス20と実質的に同様の方法に従い、N,O−ジアセチル化化合物I−76を得た。
次いで、前記N,O−ジアセチル化化合物I−76を用い、実施例20と実質的に同様の方法を繰り返して19.4mg[化合物(A−3)からの収率19%]の化合物I−76を得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ(ppm):2.040(1H,dd,J=5.0,14.0Hz),2.144(3H,s),2.268(3H,s),2.553(4H,m),3.167(4H,m),3.401(1H,dd,J=7.2,14.0Hz),3.927(3H,s),4.982(1H,d,J=17.1Hz),5.038(1H,d,J=17.1Hz),6.345(1H,s),7.128(1H,dd,J=5.0,7.2Hz),7.343−8.065(6H,m),7.827(1H,s),8.609(1H,s),9.299(1H,d,J=1.2Hz)
FAB−MS(m/z):593(M+1)+
【0121】
プロセス1
化合物(III−1)[R1およびR2が、独立して、ハロゲンであって、XがCH2OHである化合物(III)]は、以下の反応工程:
【0122】
【化13】
【0123】
(式中、R1aおよびR2aは独立してハロゲンを表す)
によって調製できる。
R1aおよびR2aの定義におけるハロゲンは前記と同じ意味を有する。
出発化合物(A−1)は、ここに参照して明細書の一部とみなす特開昭62−120388号に開示されている。
化合物(III−1)は化合物(A−1)を不活性溶媒中、2ないし10当量の還元剤で処理することによって得られる。還元剤の例は水素化ホウ素ナトリウムである。不活性溶媒の例はジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランのごときエートルとメタノールまたはエタノールのごときアルコールとの混合溶媒である。アルコールに対するエーテルの比は、好ましくは、1:1ないし5:1である。反応は0ないし50℃にて3ないし24時間で完了する。
【0124】
プロセス2
化合物(III−2)[R1がハロゲン、R2が水素またはハロゲンであって、XがCONHR15である化合物(III)]は、図2に示す以下の反応工程によって調製できる(式中、R1a、R2、およびR15は前記と同じ意味を有する)。
出発化合物(A−2)は特開昭62−120388号公報(前掲)に開示されている。
化合物(B)は1ないし1.5当量のアルカリ金属水酸化物で化合物(A−2)を加水分解することによって得られる。アルカリ金属水酸化物の例は水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムである。反応溶媒としては、ジメチルホルムアミド等を用いる。反応は0ないし50℃にて1ないし24時間で完了する。
化合物(C)は化合物(B)と3ないし20当量のアセチル化剤との反応によって得られる。アセテル化剤の例は無水酢酸である。反応溶媒としては、ピリジン等を用いる。反応は0ないし50℃にて1時間ないし4日で完了する。
化合物(D)は化合物(C)と、溶媒としても作用するカルボキシル基のハロゲン化剤との反応によって得られる。ハロゲン化剤の例は塩化チオニルおよび塩化オキサリルである。反応は50ないし100℃にて、1ないし3時間で完了する。
【0125】
化合物(E)は化合物(D)と5ないし30当量のR15NH2との反応によって得られる。反応溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルムまたは二塩化エチレンのごときハロゲン化炭化水素、ジメチルホルムアミド等を用いる。反応は0ないし50℃にて1ないし24時間で完了する。
化合物(III−2)は化合物(E)を0.5ないし10当量の脱アセチル化剤で脱アセチル化することによって得られる。脱アセチル化剤の例はナトリウムメトキシドのごときアルカリ金属アルコキシドおよび水酸化ナトリウムのごときアルカリ金属水酸化物である。反応溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、または二塩化エチレンのごときハロゲン化炭化水素とメタノールまたはエタノールのごときアルコールとの混合溶媒、ジオキサンまたはテトラヒドロフランのごときエーテルとメタノールまたはエタノールのごときアルコールとの混合溶媒等を用いる。アルコールに対するハロゲン化炭化水素の比、またはアルコールに対するエーテルのそれは1:5ないし1:1である。反応は0ないし50℃にて5分ないし1時間で完了する。
【0126】
プロセス3
化合物(III−3)[R1がCH2OCONHR14であって、XがCO2CH3である化合物(III)]は、図3に示す以下の反応工程によって調製できる(式中、R14は低級アルキルを表す)。
出発化合物(F)は、(引用して本明細書の一部とみなす)特開昭63−295588号に開示されている。
化合物(G)は、塩基存在下における化合物(F)と1ないし5当量のR14NCOとの反応によって得られる。該塩基の例はトリエチルアミンである。反応溶媒としては、テトラヒドロフランとジメチルホルムアミドの混合溶媒等を用いる。ジメチルホルムアミドに対するテトラヒドロフランの比は5:1ないし1:1である。反応は10ないし70℃にて5ないし24時間で完了する。
化合物(III−3)は化合物(III−2)の調製と同様にして化合物(G)から得られる。
【0127】
プロセス4
化合物(III−4)[R1がNHCO2R14であってXがCO2CH3である化合物III]は、図4に示す以下の反応工程によって調製できる(式中、R14は低級アルキルを表す)。
出発化合物(N)は、(引用して本明細書の一部とみなす)特開昭63−295588号に開示されている。
化合物(O)は、1ないし5当量の塩基の存在下における化合物(N)と1ないし5当量のClCO2R14との反応によって得られる。該塩基の例はトリエチルアミンである。反応溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、または二塩化エチレンのごときハロゲン化炭化水素等を用いる。反応は0ないし50℃にて1ないし3時間で完了する。
化合物(III−4)は化合物(III−2)の調製と同様の方法にて化合物(O)から得られる。
【0128】
プロセス5
化合物(IV−1)[XがCH2SR16である化合物(IV)]は、以下の反応工程によって調製できる:
【0129】
【化14】
【0130】
(式中、R16は前記と同じ意味を有する)。
出発化合物(H)は、(引用して本明細書の一部とみなす)特開昭62−155285号に開示されている。
化合物(IV−1)は1ないし5当量の塩基の存在下における化合物(H)と1ないし5当量のR16SHとの反応によって得られる。該塩基の例は水素化ナトリウムのごときアルカリ金属水素化物である。反応溶媒としては、ジメチルホルムアミド等を用いる。反応は0ないし50℃にて2ないし5時間で完了する。
【0131】
プロセス6
化合物(IV−2)[XがCH2S(O)R16である化合物(IV)]は以下の反応工程によって調製できる:
【0132】
【化15】
【0133】
(式中、R16はアリールまたは含窒素原子複素環基を表す)
化合物(IV−2)は化合物(IV−1)を1ないし1.5当量の酸化剤で処理することによって得られる。該酸化剤の例はm−クロロ過安息香酸である。反応溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、または二塩化エチレンのごときハロゲン化炭化水素等を用いる。反応は−70ないし0℃にて1ないし8時間で完了する。
【0134】
プロセス7
化合物(IV−3)[XがCH2NHCONHR18である化合物(IV)]は、以下の反応工程によって調製できる:
【0135】
【化16】
【0136】
(式中、R18は低級アルキルまたはアリールを表す)
出発化合物(J)は、(引用して本明細書の一部とみなす)特開昭62−155285号に開示されている。
化合物(IV−3)は1ないし3当量の塩基の存在下における化合物(J)と1ないし3当量のR18NCOとの反応によって得られる。該塩基の例はトリエチルアミンである。反応溶媒としては、テトラヒドロフラン等を用いる。反応は0ないし50℃にて1ないし5時間で完了する。
【0137】
プロセス8
化合物(IV−4)[XがCH=NN(R17)2である化合物(IV)]は、以下の反応工程によって調製できる:
【0138】
【化17】
【0139】
(式中、R17はアリールを表す)
出発化合物(K)は特開昭63−295588号(前掲)に開示されている。
化合物(IV−4)は化合物(K)と2ないし10当量のR17 2NNH2・HClとの反応によって得られる。反応溶媒としては、ジオキサンまたはテトラヒドロフランのごときエーテルと水との混合溶媒等を用いる。水に対するエーテルの比は1:10ないし1:2である。反応は0ないし50℃にて2ないし8時間で完了する。
【0140】
プロセス9
化合物(IV−5)[XがCH2CO2CH3である化合物(IV)]は、図5に示す以下の反応工程によって調製できる。
化合物(L)は化合物(H)と1ないし5当量のシアン化剤との反応によって得られる。該シアン化剤の例はシアン化ナトリウムのごときアルカリ金属シアン化物である。反応溶媒としては、ジメチルホルムアミド等を用いる。反応は20ないし100℃にて1ないし24時間で完了する。
化合物(IV−5)は化合物(L)を10ないし50ml/mmolのアルカリ金属水酸化物水溶液で加水分解し、続いて2ないし10当量のCH2N2で処理することによって得られる。アルカリ金属水酸化物水溶液の例は水酸化ナトリウムの30%水溶液および水酸化カリウムの30%水溶液である。加水分解においては、エチレングリコール等を反応溶媒として用い、反応は120ないし180℃にて1ないし3時間で完了する。CH2N2での処理においては、ジメチルホルムアミド等を反応溶媒として用い、反応は0ないし30℃にて1ないし5時間で完了する。
【0141】
プロセス10
化合物(V)は図6に示す以下の反応工程によって調製できる(式中、THPはテトラヒドロピラニルを表し;R19およびR20のうち一方は水素であって他方はアリルであるか、あるいは双方がアリルである)。
出発化合物(M)はジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイェティ・パーキン・トランスアクションズ(J. Chem. Soc. Perkin Trans.)I、2475(1990)に開示されている。
化合物(P)は1ないし1.5当量の塩基の存在下における化合物(M)と1ないし1.5当量の臭化アリルとの反応によって得られる。該塩基の例は水素化ナトリウムのごときアルカリ金属水素化物である。反応溶媒としては、ジメチルホルムアミド等を用いる。反応は−10ないし10℃にて1ないし5時間で完了する。
化合物(V)は化合物(P)を4ないし50ml/mmolの酸水溶液で処理することによって得られる。酸水溶液の例は2M H2SO4である。反応溶媒としては、テトラヒドロフラン等を用いる。反応は50ないし100℃にて5ないし24時間で完了する。
【0142】
プロセス11
化合物(VI−1)[R1がCH(SC6H5)2またはCH(−SCH2CH2S−)である化合物VI]は以下の反応工程によって調製できる:
【0143】
【化18】
【0144】
[式中、R1bはCH(SC6H5)2またはCH(−SCH2CH2S−)を表す]
出発化合物(A−3)は特開昭63−295588号に開示されている。
N,O−ジアセチル化化合物(VI−1)は不活性溶媒中のルイス酸の存在下における化合物(A−3)と1ないし10当量の対応するメルカプタンとの反応によって得られる。ルイス酸の例は三フッ化ホウ素エーテル錯体である。不活性溶媒の例はジクロロエタンである。反応は0℃ないし室温にて1ないし24時間で完了する。
次いで、化合物(VI−1)はN,O−ジアセチル化化合物(VI−1)の1ないし5当量のアルカリ金属アルコキシドでの加水分解によって得られる。アルカリ金属アルコキシドの例はナトリウムメトキシドおよびカリウムエトキシドである。反応溶媒しては、クロロホルム、メタノール、その混合液等を用いる。反応は0ないし50℃にて0.1ないし24時間で完了する。
【0145】
プロセス12
化合物(VI−2)[R1がCH2SR24である化合物(VI)]は、以下の反応工程によって調製できる:
【0146】
【化19】
【0147】
(式中、R1cはCH2SR24を表す)
N,O−ジアセチル化化合物(VI−2)は、不活性溶媒中の酸の存在下における化合物(A−3)と1ないし10当量の対応するメルカプタンとの反応によって得られる。酸の例は(±)−10−ショウノウスルホン酸である。不活性溶媒としては、クロロホルム、メタノール、その混合液等を用いる。反応は0ないし50℃にて1ないし48時間で完了する。
次いで、化合物(VI−2)はN,O−ジアセチル化化合物(VI−2)の1ないし5当量のアルカリ金属アルコキシドでの加水分解によって得られる。アルカリ金属アルコキシドの例はナトリウムメトキシドおよびカリウムエトキシドである。反応溶媒としては、クロロホルム、メタノール、その混合液等を用いる。反応は0ないし50℃にて0.1ないし24時間で完了する。
【0148】
プロセス13
化合物(VI−3)[R1がCH=NR25である化合物(VI)]は以下の反応工程によって調製できる:
【0149】
【化20】
【0150】
(式中、R1dはCH=NR25を表す)
N,O−ジアセチル化化合物(VI−3)は不活性溶媒中の酸の存在下における化合物(A−3)と1ないし10当量の対応するヒドラジン誘導体との反応によって得られる。酸の例は塩酸である。不活性溶媒としては、クロロホルム、メタノール、テトラヒドロフラン、水、それらの混合液等を用いる。反応は0ないし
50℃にて1ないし48時間で完了する。
【0151】
別法として、N,O−ジアセチル化化合物(VI−3)は、化合物(A−3)と、1ないし10当量の対応するヒドラジン誘導体の酸付加塩との不活性溶媒中の反応によって得られる。酸の例は塩酸および硫酸である。不活性溶媒としては、クロロホルム、メタノール、テトラヒドロフラン、水、それらの混合液等を用いる。反応は0ないし50℃にて1ないし48時間で完了する。
次いで、化合物(VI−3)はN,O−ジアセチル化化合物を1ないし5当量のアルカリ金属アルコキシドで加水分解することによって得られる。アルカリ金属アルコキシドの例はナトリウムメトキシドおよびカリウムエトキシドである。反応溶媒としては、クロロホルム、メタノール、それらの混合液等を用いる。反応は0ないし50℃にて0.1ないし24時間で完了する。
【0152】
プロセス14
化合物I−57
化合物(B−1)[特開昭62−155285号参照](393mg,0.9mmol)、α,ε−ジベンジルオキシカルボニル−L−リシン(1.06g,2.6mmol)、4−メチルモルホリン(0.1ml,0.9mmol)、およびN−ヒドロキシスクシンイミド(312mg,2.7mmol)を25mlのテトラヒドロフランに溶解し、次いで、ジシクロヘキシルカルボジイミド558mg(2.7mmol)を含有する6mlのテトラヒドロフランを氷冷下に添加し、続いて、室温で12時間撹拌した。不溶性物質を濾去し、溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=98/2)に付して、385mg(収率51%)の保護された化合物I−57を得た。化合物(B−1)は以下に示す。
【0153】
【化21】
【0154】
SI−MS(m/z):835(M+1)+
【0155】
前記保護された化合物I−57(355mg,0.42mmol)をジメチルホルムアミド10mlに溶解し、次いで、10%パラジウム炭素500mgを添加し、続いて、水素雰囲気中、50℃で10時間撹拌した。セライト(Celite)で濾過し、溶媒を蒸発させた後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール/28%アンモニア水=80/20/2)に付し、1.7N塩酸/酢酸エチルで処理して、120mg(収率44%)の化合物I−57を塩酸塩として得た。
1H−NMR(DMSO−d6/D2O=10/1) δ(ppm):1.40−2.32(7H,m),2.22(3H,s),2.64−3.24(3H,m),3.40−4.20(3H,m),5.04(2H,s),7.10(1H,m),7.30−8.20(7H,m),8.96(1H,brs),9.20(1H,d,J=8Hz)
SI−MS(m/z):567(M+1)+
【0156】
プロセス15
化合物I−66
化合物I(Z1、Z2、R5、R6=H;R=OH;X=CO2CH3;R1=R2=CH2SC2H5)(WO 94/02488参照)(10mg,0.016mmol)をクロロホルム0.5mlに溶解し、次いで、m-クロロ過安息香酸5.6mg(0.032mmol)を−48℃にて添加し、続いて、同温で0.5時間撹拌した。反応混合物を、順次、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、および生理食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒の蒸発後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クルルホルム/メタノール=90/10)に付して、10mg(収率は定量的)の化合物I−66を得た。
1H−NMR(CDCl3/CD3OD=10/1)δ(ppm):1.334−1.429(6H,m),2.120,2.136,2.148,2.157(3H,4s),3.270−3.372(1H,m),4.082(3H,s),4.619−4.792(2H,m),6.832(1H,brs),7.225−7.857(5H,m),8.939(0.6H,d,J=7.6Hz),8.997(0.4H,d,J=8.3Hz)
FAB−MS(m/z):648(M+1)+
【0157】
プロセス16
化合物I−60
化合物(A−3)(58mg,0.1mmol)をクロロホルム3mlに溶解し、次いで、2−メルカプトピリジン112mg(1mmol)および(±)−10−ショウノウスルホン酸49mg(0.21mmol)を添加し、続いて、室温で12時間撹拌した。反応混合物を、順次、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、生理食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を蒸発させた後、残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1)に付して44mg(収率65%)のN,O−ジアセチル化化合物I−60を得た。
FAB−MS(m/z):675(M+1)+
【0158】
38mg(0.056mmol)のN,O−ジアセチル化化合物I−60を用い、実質的に実施例20と同様の方法を繰り返して29mg(収率87%)の化合物I−60を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):2.160(3H,s),2.849(1H,dd,J=4.9,14.4Hz),4.054(3H,s),4.556(1H,d,J=12.9Hz),4.622(1H,d,J=14.9Hz),4.656(1H,d,J=12.7Hz),4.734(1H,d,J=16.1Hz),5.048(1H,brs),5.352(1H,s),6.807(1H,dd,J=2.6,7.4Hz),7.000−7.949(9H,m),8.533−8.553(1H,m),8.918(1H,d,J=1.2Hz)
FAB−MS(m/z):591(M+1)+
【0159】
プロセス17
化合物I−62
化合物(A−3)58mg(0.1mmol)および2−メルカプトピリミジン112mg(1mmol)を用い、実質的にプロセス16と同様の手法を繰り返して65mg(収率96%)のN,O−ジアセチル化化合物I−62を得た。
FAB−MS(m/z):676(M+1)+
【0160】
58mg(0.086mmol)のN,O−ジアセチル化化合物I−62を用い、実質的に実施例20と同様の方法を繰り返して49mg(収率96%)の化合物I−62を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):2.200(3H,s),4.066(3H,s),4.595(1H,d,J=13.2Hz),4.657(1H,d,J=13.2Hz),4.793(1H,d,J=17.1Hz),4.892(1H,d,J=17,1Hz),6.878(1H,dd,J=4.8,7.4Hz),6.987−7.920(7H,m),8.583(2H,d,J=4.8Hz),9.162(1H,s)
FAB−MS(m/z):592(M+1)+
【0161】
プロセス18
化合物I−64
化合物I−60(19mg,0.032mmol)をクロロホルム0.5mlに溶解し、次いで、m−クロロ過安息香酸5.5mg(0.032mmol)を−48℃にて添加し、続いて、同温で1.5時間撹拌した。反応混合物を、順次、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および生理食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を蒸発させた後、残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=85/15)に付して13mg(収率76%)の化合物I−64を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):2.184(1.5H,s),2.191(1.5H,s),2.572(0.5H,dd,J=4.6,14.4Hz),2.609(0.5H,dd,J=4.5,14.7Hz),3.449(0.5H,dd,J=7.4,11.6Hz),3.485(0.5H,dd,J=7.7,11.4Hz),4.095(3H,s),4.173(0.5H,d,J=13.1Hz),4.230(0.5H,d,J=13.2Hz),4.485(0.5H,d,J=13.2Hz),4.538(0.5H,d,J=12.9Hz),4.588−4.828(3H,m),5.582(0.5H,brs),5.723(0.5H,brs),6.819−6.873(1H,m),7.227−7.894(9H,m),8.371(0.5H,s),8.607(0.5H,s),8.716−8.747(1H,m)
FAB−MS(m/z):607(M+1)+
【0162】
プロセス19
化合物I−63
36mg(0.06mmol)の化合物I−62を用い、実質的にプロセス18と同様の方法を繰り返して20mg(収率55%)の化合物I−63を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):2.170(3H,s),2.501(0.6H,dd,J=4.7,14.6Hz),2.564(0.4H,dd,J=4.6,14.5Hz),3.410−3.487(1H,m),4.076(1.2H,s),4.082(1.8H,s),4.326−4.765(5H,m),5.682(0.4H,brs),5.796(0.6H,brs),6.788−6.834(1H,m),7.203−7.877(7H,m),8.267(1H,s),8.736−8.751(2H,m)
FAB−MS(m/z):608(M+1)+
【0163】
プロセス20
化合物I−61
化合物(A−3)(58mg,0.1mmol)をクロロホルム6mlおよびメタノール3mlの混合液に溶解し、次いで、2−ヒドラジノ−2−イミダゾリン91mg(0.5mmol)の水溶液0.5mlおよび3N 塩酸0.05mlを添加し、室温で3時間撹拌した。反応混合物を、順次、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および生理食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を蒸発させた後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=90/100)に付して57mg(収率86%)のN,O−ジアセチル化化合物I−61を得た。
FAB−MS(m/z):662(M+1)+
【0164】
47mg(0.07mmol)のN,O−ジアセチル化化合物I−61を用い、実質的に実施例20と同様の方法を繰り返して34mg(収率84%)の化合物I−61を得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):2.052(1H,dd,J=4.9,14.0Hz),2.150(3H,s),3.933(3H,s),4.995(1H,d,J=17.3Hz),5.044(1H,d,J=17.3Hz),6.372(1H,brs),7.164(1H,dd,J=5.0,7.2Hz),7.353−8.166(6H,m),8.213(1H,s),8.619(1H,s),9.214(1H,d,J=1.3Hz)
FAB−MS(m/z):578(M+1)+
【0165】
プロセス21
化合物II−4
【0166】
【化22】
【0167】
化合物(D−1)(ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイェティ・パーキン・トランスアクション(J. Chem. Soc. Perkin Trans.)1:2475,1990)(823.7mg,2.083mmol)をジメチルホルムアミド20mlに溶解し、水素化ナトリウム(60%)166.4mg(4.16mmol)を氷冷下に添加し、続いて、同温で10分間撹拌した。臭化アリル(0.45ml,5.2mmol)を添加し、溶液を氷冷下で2時間撹拌した。クロロホルムで希釈した後、水を添加し、有機層を分離し、生理食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶媒を蒸発させた後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/トルエン=1/15)に付して735.0mg(収率74%)の化合物(E−1)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.563−2.154(6H,m),3.657(1H,m),4.008(1H,m),5.044−5.478(11H,m),6.153(2H,m),7.240−7.640(6H,m),8.167(1H,d,J=7.8Hz),9.415(1H,d,J=7.8Hz)
FAB−MS(m/z):476(M+1)+
【0168】
水素化ホウ素ナトリウム(77.7mg,2.05mmol)をテトラヒドロフラン20mlに懸濁し、アルゴン雰囲気下、0℃でヨウ素231.0mg(1.82mmol)を添加し、続いて、同温度で15分間撹拌した。化合物(E−1)(136.7mg,0.287mmol)を同温度で添加し、混合物を室温で4.5時間撹拌した。反応混合物を0℃まで冷却した後、1N水酸化ナトリウム3.7mlおよび過酸化水素の35%水溶液3.7mlを添加し、続いて、さらに30分間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を、順次、水および生理食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶媒を蒸発させた後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=15/1)に付して88.9mg(収率61%)の化合物(F−1)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.60−2.11(10H,m),3.129(2H,t,J=5.9Hz),3.192(2H,t,J=5.9Hz),3.798(1H,dt,J=2.8,11.7Hz),4.09−4.15(1H,m),4.723(2H,t,J=7.2Hz),4.807(2H,t,J=7.2Hz),4.943(1H,d,J=16.6Hz),5.107(1H,d,J=16.6Hz),5.652(1H,dd,J=2.4,10.5Hz),7.15−7.18(1H,m),7.318(1H,ddd,J=1.1,7.0,8.0Hz),7.35−7.39(1H,m),7.461(1H,ddd,J=1.2,6.8,8.0Hz),7.519(1H,dd,J=1.0,8.0Hz),7.610(1H,d,J=8.0Hz),7.951(1H,d,J=8.0Hz),9.490(1H,d,J=8.0Hz)
FAB−MS(m/z):512(M+1)+
【0169】
化合物(F−1)(88.9mg,0.174mmol)をテトラヒドロフラン10mlに溶解し、4N硫酸8mlを添加し、続いて、60℃で24時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、氷を添加し、続いて、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を、順次、水および生理食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶媒を蒸発させた後、残渣を薄層クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=15/1)に付して37.6mg(収率51%)の化合物II−4を得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.59−1.65(2H,m),1.70−1.82(2H,m),3.03−3.27(2H,m),3.09−3.14(2H,m),4.371(1H,t,J=5.0Hz),4.419(1H,t,J=5.0Hz),4.780(2H,t,J=7.3Hz),4.818(2H,t,J=7.4Hz),4.972(2H,s),7.288(1H,ddd,J=0.8,7.0,7.8Hz),7.370(1H,t,J=7.2Hz),7.501(1H,ddd,J=1.2,7.0,8.2Hz),7.563(1H,ddd,J=1.1,7.2,8.3Hz),7.779(1H,d,J=8.3Hz),7.848(1H,d,J=8.2Hz),8.043(1H,d,J=7.2Hz),9.412(1H,dd,J=0.8,7.8Hz)
FAB−MS(m/z):428(M+1)+
【0170】
K−252a誘導体の調製
I−1のさらなる機能的誘導体は、当業者に公知の方法を用いる化学合成によって、およびすべて引用して本明細書の一部とみなす以下の文献の手法によってde novoで調製できる。例えば、化合物Iの調製に用いる手法は、引用して本明細書の一部とみなすムラカタ(Murakata)ら(米国特許第4,923,986号)に記載されている。化合物IIの調製に用いる手法は、ムーディ(Moody)ら、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J. Org. Chem.)57:2105−2114(1992);シュテグリヒ(Steglich)ら、アンゲヴァンデ・ヘミー・インテルナツィオナル・エディツィオーン・イン・イングリッシュ(Angew. Chem. Int. Ed. Engl.)19:459−460(1980);ナカニシ(Nakanishi)ら、ジャーナル・オブ・アンティバイオティックス(J. Antibiotics)39:1066−1071(1986);および特願昭60−295172号(1985)に記載されている。化合物Iのためのさらなる方法が特願昭60−295173号(1985)、特願昭62−327858号(1987)、特願昭62−327859号(1987)および特願昭60−257652号(1985)[メイジ・セイカ・カイシャ・リミテッド(Meiji Seika Kaisha Ltd.)]に記載されている。
【0171】
療法
本明細書で提供する化合物は、医薬上許容される非毒性賦形剤および担体と混合することによって医薬製剤に処方できる。前記したごとく、かかる組成物は非経口投与用に、特に、液状の溶液もしくは懸濁液の形態に調製でき;経口投与用に、特に、錠剤またはカプセル剤の形態に調製でき;または鼻孔内投与用に、特に、粉末剤、点鼻剤またはエアロゾルの形態に調製できる。
都合よくは、該組成物は単位投与形態で投与でき、医薬分野でよく知られた、あるいは例えばレミントンズ・ファルマシューティカル・サイエンシズ(Remington's Pharmaceutical Sciences)(マック・パブリッシング・カンパニー(Mack Pub. Co.)、イーストン(Easton)、ペンシルベニア州、1980)に記載されたいずれの方法によっても調製できる。非経口投与用の処方は、共通の賦形剤として、滅菌水または生理食塩水、ポリエチレングリコールのごときポリアルキレングリコール、植物起源の油、水素化ナフタレン等を含有する。特に、生体適合性、生分解性ラクチドポリマー、ラクチド/グリコリド共重合体、またはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体は、有効成分化合物の放出を制御するのに有用な賦形剤である。これらの有効成分化合物のための他の潜在的に有用な非経口デリバリ系はエチレン−酢酸ビニル共重合体粒子、浸透圧ポンプ、移植注入系、およびリポソームを包含する。吸入投与用の処方は賦形剤、例えば、ラクトースを含有し、あるいは、例えば、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、グリココレートおよびデオキシコレートを含有する水性溶液、または点鼻剤の形態の、もしくは鼻孔内に適用すべきゲルとしての投与用の油性溶液であってもよい。また、非経口投与用処方には、バッカル投与用のグリココレート、直腸投与用のメトキシサリシレート、または膣投与用のクエン酸を含ませることができる。
【0172】
治療用組成物において本明細書に記載した化合物の濃度は、投与すべき薬物の用量、使用する化合物の化学的特性(例えば、疎水性)、および投与経路を含めた多数の因子に応じて変化し得る。一般に、本発明の化合物は、非経口投与用には、約0.1ないし10%w/vの化合物を含有する水性の生理的緩衝液にて提供できる。典型的な用量は、1日当たり約1μg/kgないし約1g/kg体重の範囲であり;好ましい用量範囲は1日当たり約0.01mg/kgないし100mg/kg体重である。投与すべき薬物の好ましい用量は前立腺疾患の進行のタイプおよび程度、個々の患者の総じての健康状態、選択した化合物の相対的生物学的効力、化合物賦形剤の処方、およびその投与経路のごとき変数に依存するであろう。
他の具体例は請求の範囲内のものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 K−252a誘導体によるリガンド−依存性trkチロシンキナーゼリン酸化の阻害を示すウェスタンブロットのオートラジオグラムである。
【図2】 化合物III−2の合成の模式図である。
【図3】 化合物III−3の合成の模式図である。
【図4】 化合物III−4の合成の模式図である。
【図5】 化合物IV−5の合成の模式図である。
【図6】 化合物Vの合成の模式図である。
Claims (25)
- 該化合物が医薬上許容される塩の形態である請求の範囲第1、第2、または第3項記載の化合物。
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