JP3726495B2 - 2端子型非線形素子、その非線形素子を用いた液晶表示パネルおよび電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、液晶表示パネルなどにおいて、画素電極を駆動するスイッチング素子に用いて好適な2端子型非線形素子、その製造方法、その非線形素子を用いた液晶表示パネルおよび電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、アクティブ・マトリクス方式の液晶表示パネルは、マトリクス状に配列された画素電極の各々に非線形(スイッチング)素子が設けられた素子アレイ基板と、カラーフィルタなどが形成された対向基板と、これら両基板との間に充填された液晶とから構成され、各非線形素子を駆動して、画素毎に液晶の配向状態を制御することによって、所定の情報を表示するものである。
【0003】
ここで、非線形素子としては、主に、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)などの3端子型非線形素子と、薄膜ダイオード(TFD:Thin Film Diode)などの2端子型非線形素子とに大別されるが、後者の2端子型非線形素子の方が、配線の交差部分がないために配線間の短絡不良が原理的に発生しない点、さらに、成膜工程およびフォトリソグラフィ工程を短縮できる点において有利である。
【0004】
このような2端子型非線形素子は、一般には、導電体−絶縁体−導電体のサンドイッチ構造であり、かかる構造により双方向のダイオードスイッチング特性を有する。
【0005】
一方、近年では、装置小型化や、軽量化、低消費電力化などの理由から、液晶表示パネルに対して、バックライトを廃して反射型とする要求が高まりつつある。
【0006】
ここで、2端子型非線形素子を用いた液晶表示パネルを反射型とする場合、単純には、液晶表示パネルの背面に設けられる偏光板に反射板を加えることで、あるいは、反射型偏光板に置換することで可能である。ただし、偏光板の光透過率は低いので、画面全体が暗くなり、いわゆるペーパーホワイト化が達成できない。
【0007】
そこで、第1に、画素電極と第2導電体とを一体とするとともに、両者をアルミニウムなどの反射率の高い金属膜から構成し、第2に、電圧無印加状態で液晶分子がほぼ垂直配向されるSH(スーパーホメオトロピック)型液晶などを用いることによって、透過率の低い偏光板の使用をなるべく避けて、2端子型非線形素子を用いた反射型液晶表示パネルを構成することが考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、純粋なアルミニウムは、耐食性や耐熱性に乏しいため、そのままでは、液晶表示パネルの品質や信頼性などが低下する、という問題があった。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、液晶表示パネルに適用した場合、品質や信頼性などを高い状態で維持することが可能な2端子型非線形素子およびその製造方法、ならびに、その非線形素子を用いて、画面が明るい液晶表示パネルおよび電子機器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、基板上にタンタル単体又はタンタル合金により形成される第1導電体と、前記第1導電体の表面を陽極酸化して形成される絶縁体と、前記絶縁体上に積層された第2導電体とからなる2端子型非線形素子において、前記第2導電体として、アルミニウムにネオジムを添加した金属を用いたことを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、2端子型非線形素子において、耐食性や耐熱性などが改善されるだけでなく、電流−電圧特性のシフトや、ドリフトなどについても改善することが可能となる。
【0014】
また前記第1導電体として、タンタルにタングステンを添加した金属を用いたことを特徴とする。
【0015】
また前記第2導電体と、液晶層を駆動するための画素電極とを一体としたことを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、第2導電体あるいは画素電極の成膜工程およびフォトリソグラフィ工程を省略すること可能となる。
【0017】
また上記の2端子型非線形素子を有する液晶パネル用基板と、対向電極を有する対向基板とが適当な間隔をおいて配置されるとともに、前記液晶パネル用基板と前記対向基板との間隙内に液晶が封入されていることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、2端子型非線形素子において耐食性や耐熱性などが改善されるだけでなく、電流−電圧特性のシフトや、ドリフトなどについても改善されるので、液晶表示パネルにおいて焼き付き・残像の軽減化を図ることが可能となる。
【0019】
また電子機器にあっては、上記の液晶表示パネルを備えたことを特徴とする。このような液晶表示パネルを適用した電子機器としては、例えば、カーナビゲーションシステム、携帯情報端末機器、その他各種の電子機器が考えられる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
<TFD素子>
まず、本発明の実施形態にかかる2端子型非線形素子について説明する。この2端子型非線形素子は、例えば、アクティブマトリクス型液晶表示装置の各画素を駆動するTFD素子として用いられるものである。ここで、図1(a)は、このTFD素子を適用した液晶パネル基板における1画素分のレイアウトを示す平面図であり、図1(b)は、そのTFD素子の構造を図1(a)におけるA−A線に沿って示す断面図である。
【0022】
これらの図に示すように、TFD素子20は、基板30上に形成された絶縁膜31を下地として、その上面に形成されており、絶縁膜31の側から順番に第1導電体膜22、絶縁体たる酸化膜24、および、第2導電体膜26から構成されて、導電体−絶縁体−導電体のサンドイッチ構造を採る。そして、かかる構造によりTFD素子は、双方向のダイオードスイッチング特性を有することになる。
【0023】
また、TFD素子20を構成する第1導電体膜22は、そのまま一方の端子として走査線12となる一方、第2導電体膜26は、そのまま他方の端子として画素電極36となる。
【0024】
基板30は、絶縁性および透明性を有するものであり、例えば、ガラス、プラスチックなどから構成される。ここで、下地をなす絶縁膜31が設けられる理由は、第2導電体膜26の堆積後における熱処理により、第1導電体膜22が下地から剥離しないようにするため、および、第1導電体膜22に不純物が拡散しないようにするためである。したがって、これが問題とならない場合には、絶縁膜31は省略可能である。
【0025】
また、第1導電体膜22は、導電性の金属薄膜であり、例えば、タンタル単体あるいはタンタル合金からなる。酸化膜24は、例えば、第1導電体膜22の表面を、化成液中により陽極酸化することによって形成される絶縁膜である。第2導電体膜26は、導電性の金属薄膜であり、アルミニウムに少量の希土類元素、特に、ネオジム、サマリウム、セリウムなどのランタノイド系元素を添加した金属からなる。そして、画素電極36は、第2導電体膜26と一体に形成されている。
【0026】
<TFD素子の製造プロセス▲1▼>
次に、図1に示した非線形素子たるTFD素子20の製造プロセスについて説明する。
【0027】
(1)まず、図2に示すように、基板30上面に絶縁膜31が形成される。この絶縁膜31は、例えば、酸化タンタルからなり、スパッタリング法で堆積したタンタル膜を熱酸化する方法や、酸化タンタルからなるターゲットを用いたスパッタリングあるいはコスパッタリング法などにより形成される。この絶縁膜31は、上述したように、第1導電体膜22の密着性を向上させ、さらに基板30からの不純物の拡散を防止することを主目的として設けられるので、その膜厚は、例えば、50〜200nm程度で十分である。
【0028】
(2)次いで、絶縁膜31上面に第1導電体膜22が成膜される。この第1導電体膜22の組成は、例えば、タンタル単体あるいはタンタル合金からなる。タンタル合金とする場合、主成分のタンタルに、例えば、タングステン、クロム、モリブデン、レニウム、イットリウム、ランタン、ディスプロリウムなどの周期律表において第6〜第8族に属する元素を添加しても良い。特に添加する元素としては、タングステンが好ましく、その含有割合は、例えば、0.1〜6重量%が望ましい。
【0029】
また、第1導電体膜22は、スパッタリング法や電子ビーム蒸着法などで形成可能であり、タンタル合金からなる第1導電体膜22を形成する場合には、混合ターゲットを用いたスパッタリング法や、コスパッタリング法、電子ビーム蒸着法などが用いられる。
【0030】
なお、第1導電体膜22の膜厚は、TFD素子の用途によって好適な値が選択され、通常、100〜500nm程度である。
【0031】
(3)そして、第1導電体膜22が、一般に用いられているフォトリソグラフィおよびエッチング技術によってパターニングされる。
【0032】
(4)続いて、酸化膜24が第1導電体膜22の表面に形成される。詳細には、第1導電体膜22の表面が、陽極酸化法によって酸化することで形成される。このとき、走査線12の表面も同時に酸化されて絶縁膜が形成される。酸化膜24の膜厚は、その用途によって好ましい値が選択され、例えば、20〜70nm程度とされる。陽極酸化に用いられる化成液は、特に、限定されないが、例えば、0.01〜0.1重量%のクエン酸水溶液を用いることができる。
【0033】
(5)次いで、第2導電体膜26が成膜される。この第2導電体膜26は、上述したように、アルミニウムに少量の希土類元素、特に、ネオジム、サマリウム、セリウムなどのランタノイド系元素を添加した金属からなり、スパッタリング法などによって堆積させることによって形成されている。また、第2導電体膜26の膜厚は、例えば、50〜300nm程度である。
【0034】
(6)そして、第2導電体膜26が、画素電極36をも一体として、一般に用いられているフォトリソグラフィおよびエッチング技術によりパターニングされる。
【0035】
このようなプロセスにより、基板30には、複数のTFD素子20がマトリックス状に形成されて、素子アレイ基板となる。
【0036】
<TFD素子における他の例>
次に、TFD素子における他の例について説明する。
【0037】
<バック・トゥ・バック構造>
次に、TFD素子の他の例として、バック・トゥ・バック(back-to-back)構造のTFD素子について説明する。図3(a)は、このTFD素子を適用した液晶パネル基板における1画素分のレイアウトを示す平面図であり、図3(b)は、そのTFD素子の構造をB−B線に沿って示す断面図である。
【0038】
バック・トゥ・バック構造とは、非線形特性の対称化を図るため、2つのダイオードを逆向きに直列接続した構造をいう。このため、図に示すように、TFD素子40は、第1のTFD素子40aと第2のTFD40bとが、極性を互いに反対にして直列接続した構造となっている。
【0039】
具体的には、基板30と、この表面に形成された絶縁膜31と、第1導電体膜42と、この表面に陽極酸化によって形成された酸化膜44と、この表面に形成されて相互に離間した第2導電体膜46a、46bとから構成されている。
【0040】
そして、第1のTFD素子40aにおける第2導電体膜46aはそのまま走査線48となる一方、第2のTFD素子40bにおける第2導電体膜46bはそのまま画素電極45となっている。なお、酸化膜44は、図1に示したTFD素子20における酸化膜24に比べて膜厚が小さく設定され、例えば、約半分程度に形成される。また、第1導電体膜42や、酸化膜44、第2導電体膜46a、46bなどの各構成要素の具体的な構成などは、前述したTFD素子20と同様であるので、その説明を省略することとする。
【0041】
このほかに、2つのダイオードを逆向きに並列接続したリング状素子によっても非線形特性の対称性を確保することができる。
【0042】
<TFD素子の製造プロセス▲2▼>
次に、図3に示したようなバック・トゥ・バック構造のTFD素子40の製造プロセスについて説明する。
【0043】
(1)まず、図4に示すように、基板30上面に絶縁膜31が形成される。なお、この工程は、図2に示した工程(1)と同一である。
【0044】
(2)次いで、絶縁膜31上面に第1導電体膜42が成膜される。なお、この工程についても、図2に示した工程(2)と同一である。
【0045】
(3)そして、第1導電体膜42が、一般に用いられているフォトリソグラフィおよびエッチング技術によってパターニングされる。
【0046】
(4)続いて、酸化膜44が第1導電体膜42の表面に形成される。詳細には、図2に示した工程(4)と同様に、陽極酸化法が用いられる。これにより、走査線48の表面も同時に酸化される。ただし、酸化膜44の膜厚は、上述したように、図2に示した酸化膜22の膜厚の約半分程度である。
【0047】
(5)次いで、第2導電体膜46が成膜される。なお、この工程は、図2に示した工程(5)と同一である。
【0048】
(6)さらに、図5に示すように、第2導電体膜26が、画素電極45をも一体として、一般に用いられているフォトリソグラフィおよびエッチング技術によりパターニングされる。
【0049】
(7)そして、酸化膜44が形成された第1導電体膜42であって、図において破線で示された部分49が、一般に用いられているフォトリソグラフィおよびエッチング技術によりパターニングされて、走査線48の下層たる第1導電体膜から分離される。
【0050】
このようなプロセスにより、基板30には、第1のTFD素子40aと第2のTFD40bとからなるバック・トゥ・バック構造のTFD素子40が、マトリックス状に形成されて、素子アレイ基板となる。
【0051】
なお、バック・トゥ・バック構造を有するTFD素子の製造プロセスについては、上記工程(1)〜(7)の順番に限られず、例えば、工程(4)によって第1導電体膜42の表面に酸化膜22を形成した直後に、工程(7)によって、走査線48から分離して、この後、工程(5)、(6)を実行することによっても可能である。
【0052】
<TFD素子の特性についての考察>
次に、本実施形態にかかるTFD素子の優位性について検討する。ここで、本願発明者らは、TFD素子の第2導電体膜の材料として、従来より用いられているクロムを用いた場合と、本実施形態のようにアルミニウムにネオジムを添加した金属とを用いた場合とで比較実験を行った。なお、本実験では、アルミニウムに対するネオジムの添加量を1.0重量%(=0.19原子%)とした。
【0053】
まず、TFD素子における電流−電圧特性のシフトについて検討する。ここで、電流−電圧特性のシフトとは、図7において、元の電流−電圧特性▲1▼が、TFD素子を駆動することによって、その形状を保ったまま、例えば▲2▼のように変動することをいう。このような変動が発生すると、同一電圧値に対する電流値が相違するので、コントラストが変化する。すなわち、同一階調レベルの表示でも画面全体においてはコントラスト差が生じる。このコントラスト差が、いわゆる焼き付きとして見えることになる。
【0054】
さて、図6(a)に示すように、電流値変化に対するシフト変化の傾きは、第2導電体としてクロムを用いた場合よりも、アルミニウムにネオジムを添加した金属を用いた場合の方が小さいことが判る。なお、同図における電流値は、TFD素子の両端に一定電圧(4V)を印加した場合の値である。
【0055】
したがって、本実施形態では、クロムを用いる場合と比べると、電流−電圧特性のシフトが小さく抑えられるため、いわゆる焼き付きが軽減できるという点においてそれだけ有利となる。
【0056】
次に、TFD素子における電流−電圧特性のドリフトについて検討する。ここで、電流−電圧特性のドリフトとは、図7において、元の電流−電圧特性▲1▼が、TFD素子の両端に電圧を印加することによって、例えば▲3▼のように変動して、正負において非対称となることをいう。このように非対称になると、絶対値が同一である正負電圧での電流値に差が生じて、正負期間での直流オフセット電圧となり、これが画面上において残像として見えることとなる。
【0057】
さて、図6(b)に示すように、ドリフト値は、第2導電体としてクロムを用いた場合が0.15〜0.2Vであるのに対し、アルミニウムにネオジムを添加した金属を用いた場合が0.1V以下であるため、後者の方が小さいことが判る。なお、同図における電流値は、TFD素子に一定電流値が流れる場合の値である。
【0058】
また、このドリフトは、第1導電体として、タンタルにタングステンを添加した金属を用いると減少し、さらに、本実施形態のように、第2導電体としてアルミニウムにネオジムを添加した金属を用いると、より減少することが判った。
【0059】
したがって、本実施形態では、クロムを用いる場合と比べると、電流−電圧特性のドリフトが小さく抑えられるため、残像が少ないという点においてそれだけ有利となる。
【0060】
よって、本実施形態にかかるTFD素子を液晶表示パネルに適用すると、焼き付き・残像の軽減化を図ることが可能となる。
【0061】
なお、第2導電体膜26としてアルミニウムにネオジムを添加した金属を用いることのみによっても、TFD素子における電流−電圧特性の急峻性、シフト、ドリフトが改善されるため、第2導電体膜26と画素電極36とを一体とせずに、画素電極36をITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜で形成しても、同様な効果が得られる。ただし、図2に示した工程(1)〜(6)、あるいは、図4、図5に示した工程(1)〜(7)に加えて、画素電極たる金属膜の成膜工程およびパターニング工程が別途必要となる。
【0062】
<液晶表示パネル>
次に、上述した製造プロセスにより作成したTFD素子20(40)を適用した液晶表示パネルの一例について説明する。図8は、その等価回路の一例を示すブロック図である。
【0063】
この図に示すように、液晶表示パネル10では、走査線12とデータ線14との各交点において画素領域16が形成されており、各画素領域16は、液晶表示要素(液晶層)18とTFD素子20とが直列に接続された構成となっている。ここで、各走査線12は走査信号駆動回路100によって、また、各データ線14はデータ信号駆動回路110によって、それぞれ駆動される。
【0064】
なお、図8では、TFD素子20が走査線の側に接続され、液晶層18がデータ線の側に接続されているが、これとは逆に、TFD素子20をデータ線の側に、液晶層18を走査線の側に設ける構成でもよい。
【0065】
さらに、液晶表示パネル10の構造について説明する。図9は、その一例を摸式的に示す部分破断斜視図である。この図に示すように、液晶表示パネル10は、素子アレイ基板30と、これに対向配置される対向基板32とを備えている。対向基板32は、例えば、ガラス基板からなる。
【0066】
素子アレイ基板30において、画素電極36は、それぞれマトリクス状に複数配列する。ここで、同一行に配列する画素電極36は、行方向に短冊状に延在する複数の走査線12の1本に、TFD素子20を介して接続されている。
【0067】
一方、対向基板32において、複数のデータ線14は、それぞれ走査線12の延在方向と直交する列方向へ短冊状に延在して、かつ、素子アレイ基板30の画素電極36と交差するように形成されている。
【0068】
さて、このように構成された素子アレイ基板30と対向基板32とは、一方の基板の周辺に沿って塗布されるシール剤と、適切に散布されたスペーサとによって、一定のギャップ(間隙)を保っており、この閉空間に例えば、SH(スーパーホメオトロピック)型の液晶が封入されて、液晶層18(図8参照)が形成されている。
【0069】
一方、図8における走査信号駆動回路100が、各TFD素子20に所定電圧の走査信号を、走査線12を介して順次供給するのに合わせて、データ信号駆動回路110は、表示の階調レベルに応じたパルス幅を有するデータ信号を、データ線14を介して順次供給する。
【0070】
そして、走査線12とデータ線14とに印加される電位差に基づきTFD素子20の電流値が変化して、液晶層18が充放電される結果、当該液晶層18の表示状態、非表示状態またはその中間状態に切り替えられる。これにより、液晶層18の表示動作が制御されることとなる。
【0071】
ほかに、対向基板32には、液晶表示パネル10の用途に応じて、例えば、ストライプ状モザイク状や、トライアングル状等に配列されたカラーフィルタが設けられ、さらに、例えば、クロムやニッケルなどの金属材料や、カーボンやチタンなどをフォトレジストに分散した樹脂ブラックなどのブラックマトリクスが設けられる。
【0072】
また、液晶表示パネル10において、分子中に微小粒として分散させた高分子分散型液晶を用いれば、配向膜、偏光板等が不要となるため、光利用効率が高まり、このため液晶表示パネルの高輝度化や低消費電力化などの点において有利である。
【0073】
<電子機器:その1>
次に、このような液晶表示パネル10を電子機器に用いた例のいくつかについて説明する。
【0074】
まず、この液晶表示パネルをライトバルブとして用いたビデオプロジェクタについて説明する。図10は、ビデオプロジェクタの構成例を示す平面図である。
【0075】
この図に示すように、ビデオプロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された複数のミラー1106、1106、……および2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gに入射される。
【0076】
液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gの構成は、上述した通りであり、図示しないビデオ信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動される。さて、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、RおよびBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。したがって、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
【0077】
なお、このように液晶表示パネル10をプロジェクタに適用する場合、液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gは透過型となるので、画素電極がITOなどの透明導電膜で第2導電体とは別途形成されることとなる。
【0078】
また、液晶パネル1110R、1110Bおよび1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、対向基板32にカラーフィルタを設ける必要はない。
【0079】
<電子機器:その2>
さらに、液晶表示パネルをパーソナルコンピュータに適用した例について説明する。図11は、このパーソナルコンピュータの構成を示す正面図である。図において、パーソナルコンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、液晶ディスプレイ1206とから構成されている。この液晶ディスプレイ1206は、先に述べた液晶表示パネル10にカラーフィルタとバックライトとを付加することにより構成される。
【0080】
<電子機器:その3>
次に、液晶表示パネルをページャに適用した例について説明する。図12は、このページャの構造を示す分解斜視図である。この図に示すように、ページャ1300は、金属フレーム1302において、液晶表示パネル10を、バックライト1306aを含むライトガイド1306、回路基板1308、第1、第2のシールド板1310、1312とともに収容する構成となっている。そして、液晶表示パネル10と回路基板10との導通は、対向基板32に対しては2つの弾性導電体1314、1316によって、素子アレイ基板30に対してはフィルムテープ1318によって、それぞれ図られている。
【0081】
なお、図10〜図12を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、携帯電話、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などが電子機器の例として挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第1導電体−絶縁体−第2導電体からなる2端子型非線形素子において、前記第2導電体として、Alに希土類元素を添加した金属を用いることにより、純粋なAlを用いた場合と比べて、耐食性や耐熱性などが改善されるだけでなく、2端子型非線形素子における電流−電圧特性の急峻性、シフト、ドリフトについても改善されるので、液晶表示パネルに適用した場合に、焼き付き・残像の軽減化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明の実施形態にかかるTFD素子を適用した液晶パネル用基板の1画素分についてのレイアウトを示す平面図であり、(b)は、そのA−A線の断面図である。
【図2】 (1)〜(6)は、それぞれ同TFD素子の製造プロセスを示す図である。
【図3】 (a)は、さらに、他のTFD素子を適用した液晶パネル用基板の1画素分についてのレイアウトを示す平面図であり、(b)は、そのB−B線の断面図である。
【図4】 (1)〜(5)は、それぞれ同TFD素子の製造プロセスを示す図である。
【図5】 (6)、(7)は、それぞれ同TFD素子の製造プロセスを示す図である。
【図6】 (a)および(b)は、それぞれTFD素子の電流−電圧特性の優位性を説明するための図である。
【図7】 TFD素子の電流−電圧特性におけるシフト、ドリフトを説明するための図である。
【図8】 液晶表示パネルおよびその駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図9】 液晶表示パネルの構成を示す部分破断斜視図である。
【図10】 液晶表示パネルを適用した電子機器の一例たる液晶プロジェクタの構成を示す断面図である。
【図11】 液晶表示パネルを適用した電子機器の一例たるパーソナルコンピュータの構成を示す正面図である。
【図12】 液晶表示パネルを適用した電子機器の一例たるページャの構成を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
10……液晶表示パネル
12、48……走査線
14……データ線
18……液晶層
20、40……TFD素子
22……第1導電体膜(第1導電体)
24……酸化膜(絶縁体)
26……第2導電体膜(第2導電体)
30……(素子アレイ)基板
32……対向基板
36、45……画素電極
Claims (5)
- 基板上にタンタル単体又はタンタル合金により形成される第1導電体と、前記第1導電体の表面を陽極酸化して形成される絶縁体と、前記絶縁体上に積層された第2導電体とからなる2端子型非線形素子において、
前記第2導電体として、アルミニウムにネオジムを添加した金属を用いたことを特徴とする2端子型非線形素子。 - 前記第1導電体として、タンタルにタングステンを添加した金属を用いたことを特徴とする請求項1に記載の2端子型非線形素子。
- 前記第2導電体と、液晶層を駆動するための画素電極とを一体としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の2端子型非線形素子。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の2端子型非線形素子を有する液晶パネル用基板と、対向電極を有する対向基板とが適当な間隔をおいて配置されるとともに、前記液晶パネル用基板と前記対向基板との間隙内に液晶が封入されていることを特徴とする液晶表示パネル。
- 請求項4に記載の液晶表示パネルを備えたことを特徴とする電子機器。
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JP14635998A JP3726495B2 (ja) | 1998-05-27 | 1998-05-27 | 2端子型非線形素子、その非線形素子を用いた液晶表示パネルおよび電子機器 |
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