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JP3725803B2 - 半導体ウエハの不純物の測定方法及び半導体ウエハの不純物の測定プログラム - Google Patents

半導体ウエハの不純物の測定方法及び半導体ウエハの不純物の測定プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ(例えば、シリコン半導体ウエハ、シリコン半導体ウエハ上に積層されるシリコン膜、シリコン半導体ウエハ上に積層されるシリコンゲルマニウム膜など)中に含まれるAs、B等の不純物の正しい深さ方向濃度分布を決定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエハ中の不純物の深さ方向濃度分布を測定する表面分析装置および方法の一つとして、二次イオン質量分析装置および二次イオン質量分析方法がある。
【0003】
二次イオン質量分析法では、減圧された密閉容器内に配置された試料表面に一次イオンを連続的に照射し,前記試料表面をスパッタ励起することで発生する二次イオンの質量分析をすることで試料表面近傍に存在する元素の深さ方向濃度分析を行う。
【0004】
Si基板試料の浅い拡散層に用いられるドーパント不純物の深さ方向濃度分布を二次イオン質量分析法により行うと、上記一次イオンのエネルギーに依存して不純物の深さ方向濃度分布が変化すること(深さ方向濃度分布の傾きが変化すること)が知られている。この場合、一般に、一次イオンエネルギーを低くする方が得られる深さ方向濃度分布が真に近づくと言われている。
しかしながら、Si半導体中のB(ホウ素)を例えば以下の1)、2)の方法にて測定すると、低いエネルギー(1keV以下)の一次イオンを用いても、深さ5nm以下の領域におけるB濃度の分布が大きく異なり、どちらの分布が真もしくは真に近いのか、あるいは、いずれの分布も真でないのかを判断することができないという問題点がある。
【0005】
1)低いエネルギー(1keV以下)の酸素一次イオン(O2 +)、入射角(試料の法線方向からの角度)0°〜20°でB+イオンを測定、B+二次イオンの深さ方向分布からBの深さ方向濃度分布を得る方法。
【0006】
2)低いエネルギー(1keV以下)の酸素一次イオン(O2 +)、入射角(試料の法線方向からの角度)60°〜45°、かつ酸素ガスを試料表面に吹き付けながらB+二次イオンを測定、B+二次イオンの深さ方向分布からBの深さ方向濃度分布を得る方法。
【0007】
また、Si半導体中のAs(ヒ素)を例えば以下の3)、4)の方法にて測定すると、低いエネルギー(1keV以下)の一次イオンを用いても、深さ5nm以下の領域、特に試料表面に付いているSi自然酸化膜近傍におけるAs濃度の分布が大きく異なり、どちらの分布が真もしくは真に近いのか、あるいは、いずれの分布も真でないのかを判断することができないという問題点がある。
【0008】
3)低いエネルギー(1keV以下)のCs一次イオン(Cs+)の入射角(試料の法線方向からの角度)70°〜50°、AsSi-およびSi2 -二次イオンを測定、各深さ(各深さの分析点)におけるAsSi-/Si2 -イオン強度比の深さ方向分布からAsの深さ方向濃度分布を得る方法。
【0009】
4)低いエネルギー(1keV以下)のCs一次イオン(Cs+)の入射角(試料の法線方向からの角度)70°〜50°、AsSi-およびSi2 -二次イオンを測定、Si2 -イオン強度が一定となる深い領域(5nmよりも深い領域)での平均Si2 -イオン強度の比(AsSi-/Average Si2 -)の深さ方向分布からAsの深さ方向濃度分布を得る方法。
【0010】
以上説明したように、二次イオン質量分析装置を用いる際、強度比を算出するのに使用する二次イオンの種類等の測定条件が変動すると、Bの深さ方向濃度分布およびAsの深さ方向濃度分布が変化し、どの方法により得た深さ方向濃度分布が真の分布であるのか、もしくは真に近い分布であるのかを判断することが極めて困難であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、複数の手法により得られた深さ方向濃度分布のうち、どの手法により得た深さ方向濃度分布が真もしくは真に近い分布であるのかを判断することが可能な半導体ウエハの不純物の測定方法及び半導体ウエハの不純物の測定プログラムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半導体ウエハの不純物の測定方法は、
不純物を含む半導体ウエハについて、化学分析法、核反応法またはラザフォード後方散乱法により前記半導体ウエハ中の前記不純物の面濃度を測定することにより基準面濃度を得ると共に、前記半導体ウエハ中の前記不純物の深さ方向濃度分布を複数の手法により測定し、複数の深さ方向濃度分布を得る工程と、
前記複数の深さ方向濃度分布それぞれを面濃度に変換する工程と、
前記変換された面濃度のうち前記基準面濃度に最も近い値を選択し、前記選択した面濃度を与えた深さ方向濃度分布を正しい深さ方向濃度分布と判定する工程と
を具備することを特徴とするものである。
【0013】
ここで、面濃度とは、半導体ウエハ中の不純物元素の総量をXとし、半導体ウエハの面積をSとした際、(X/S)で算出される値を意味する。
【0014】
基準面濃度の測定と複数の深さ方向濃度分布の測定は、並行して行っても良いし、基準面濃度を測定する前か後に複数の深さ方向濃度分布の測定を行うことも可能である。
【0015】
本発明に係る半導体ウエハの不純物の測定プログラムは、
化学分析法、核反応法またはラザフォード後方散乱法により得た半導体ウエハ中の不純物の面濃度を基準面濃度としてコンピュータに入力させる命令と、
複数の手法により測定した前記半導体ウエハ中の前記不純物の深さ方向濃度分布それぞれを面濃度にコンピュータにて変換させる命令と、
前記変換された面濃度のうち前記基準面濃度に最も近い値をコンピュータに選択させる命令と
を具備することを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に係る半導体ウエハにおける不純物の深さ方向濃度分布決定方法は、
本発明は、存在する不純物の絶対量を高精度、高い確からしさにて測定可能な化学分析法、核反応法、ラザフォード後方散乱法から得られた不純物面濃度を用いて、表面分析装置の複数の分析方法により得られた深さ方向濃度分布のうち、どの方法により得た深さ方向濃度分布が正しい分布であるのかを判断する方法を提供することを目的としている。なお、本発明では、半導体ウエハ試料の面内方向の不純物濃度が均一もしくはほぼ均一(濃度ゆらぎが±10%)であることが望ましい。
【0017】
Si半導体の研究開発におけるSi半導体の複数の作製工程(複数のイオン注入プロセス、複数の熱処理プロセス)を経たSi半導体中の不純物の深さ方向濃度分布を、本発明で真と判定された深さ方向濃度分布を与えた手法を用いて測定すると、得られた深さ方向濃度分布は真もしくは真に近い分布を示しているため、その分布形状やそこから得られる不純物面濃度などを比較・検討することにより、どのSi半導体作製工程が最も優れているのかを的確に判断することができる。すなわち、研究開発段階において複数のSi半導体作成工程の比較・検討を的確に行えるため、その研究開発を効率的に行なうことができる。
【0018】
また、Si半導体工場におけるSi半導体中の不純物の深さ方向濃度分布を、本発明で真と判定された深さ方向濃度分布を与えた手法を用いて測定すると、優良試料と不良試料の不純物の深さ方向濃度分布形状やそこから得られる不純物面濃度などを正確に比較・検討することができるため、不純物分布形状・面濃度の異常に由来したSi半導体の不良解析を的確に判断することができる。
【0019】
深さ方向濃度分布の測定は、元素の深さ方向濃度分布が得られる表面分析法であれば、特に限定されないが、二次イオン質量分析法か、あるいはスパッタ中性粒子質量分析法が望ましい。
【0020】
前記不純物がAs、P、Sb、B、In、GeおよびGaよりなる群から選択される1種類以上である場合、前記基準面濃度を化学分析法により測定し、かつ前記複数の深さ方向濃度分布を二次イオン質量分析装置が有する複数の手法で得ることが望ましい。このような構成にすることによって、真偽判定の信頼性をより高くすることができる。
【0021】
化学分析法としては、半導体ウエハ中の不純物(As、P、Sb、B、In、Ge、Ga)の総量を正確に分析できるものであればどのようなものでも良いが、被分析元素がAsである場合には、以下に説明する方法で化学分析を行うことが望ましい。この化学分析は、半導体ウエハを過マンガン酸カリウム、過ヨウ素酸カリウム及過ヨウ素酸よりなる群から選択される1種類以上の化合物と硝酸とフッ化水素酸とを用いて分解し、Asを含む分解液を得る工程と、前記分解液中のマンガン、カリウム及びヨウ素をイオン化する工程と、前記分解液中のマンガンイオン、カリウムイオン及び沃素イオンをイオン交換樹脂を用いて除去する工程と、前記分解液中のAsを質量分析する工程とを備えるものである。
【0022】
また、化学分析により得られた半導体ウエハ中の不純物(As、P、Sb、B、In、Ge、Ga)の総量を面濃度に換算するには、以下のような作業を行うことが好ましい。半導体ウエハのウエハ表面の面積を正確に評価するため、正方形もしくは長方形に試料を切り出すことが望ましい。試料形状が正方形や長方形でない場合は試料重量から面積を算出することもできる。このようにして得られた半導体ウエハ中の不純物(As、P、Sb、B、In、Ge、Ga)の総量および半導体ウエハの面積を用いて、(面濃度=不純物元素の総量/ウエハ面積)の式に従って、半導体ウエハ中の不純物(As、P、Sb、B、In、Ge、Ga)の面濃度を算出することができる。
【0023】
前記不純物がBおよび/またはFである場合、前記基準面濃度を前記核反応法により測定し、かつ前記複数の深さ方向濃度分布を二次イオン質量分析装置が有する複数の手法で得ることが好ましい。このような構成にすることによって、真偽判定の信頼性をより高くすることができる。
【0024】
ここで、核反応法とは、高エネルギー(例えば、0.5MeV以上)に加速した粒子を半導体ウエハに照射し、加速された粒子と半導体ウエハ中不純物が核反応を起こし、その核反応により生成する放射線の量を検出することにより半導体ウエハ中の不純物量を測定する方法を意味し、このような核反応法であれば特に限定されない。加速し半導体ウエハに照射される粒子は一般にはイオンであるが、その粒子が中性子線であり、中性子線と半導体ウエハ中不純物が核反応を起こしその核反応により生成する放射線の量を検出することにより半導体ウエハ中の不純物量を測定しても良い。この際には測定される不純物はB,Fに限定されるものではなく、As、P、Sb、B、In、Ge、FおよびGaのいずれでもよい。
【0025】
半導体ウエハ中のBを測定する際には、加速した粒子が水素イオン(プロトン)、そのエネルギーが0.65MeV、核反応により生成・検出される放射線がα線であることが望ましい。また、半導体ウエハ中のFを測定する際には、加速した粒子が水素イオン(プロトン)、そのエネルギーが0.872MeV〜0.9MeV、核反応により生成・検出される放射線がγ線またはα線であることが望ましい。
【0026】
前記不純物がAs、Sb、In、GeおよびGaよりなる群から選択される1種類以上である場合、前記基準面濃度を前記ラザフォード後方散乱法により測定し、かつ前記複数の深さ方向濃度分布を二次イオン質量分析装置が有する複数の手法で得ることが好ましい。このような構成にすることによって、真偽判定の信頼性をより高くすることができる。
【0027】
ここで、ラザフォード後方散乱法とは、高エネルギー(例えば、0.3MeV〜5MeV)に加速した粒子を半導体ウエハに照射し、加速された粒子が半導体ウエハ中不純物に散乱されて半導体ウエハから放出され、その後方散乱粒子のエネルギーと量を検出することにより半導体ウエハ中の不純物量および存在深さ測定を行う方法を意味し、このようなラザフォード後方散乱法であれば特に限定されない。後方散乱された粒子のエネルギー及び量は半導体検出器により検出される。エネルギーは、磁場型もしくは電場型エネルギー分析器を通して計測しても良い。試料に照射する加速粒子(後方散乱される粒子でもある)は、通常、HeイオンおよびHイオン(プロトン)であるが、測定される半導体ウエハ中の不純物原子(As、Sb、In、Ge、Ga)よりも軽いイオンであれば何でも良い。
【0028】
二次イオン質量分析法で用いられる二次イオン質量分析装置は、真空環境下に配置され、試料搭載可能な密閉容器と、前記試料の一部に一次イオンビームを照射するためのイオン発生手段と、前記一次イオンビームによって前記試料表面からスパッタ励起する二次イオンを分析する分析手段とを備えるものである。
【0029】
一次イオンには、どのような種類のイオンでも使用することができるが、Cs+、O2 +、O-、Ar+、Kr+、Xe+、Ga+及びIn+よりなる群から選択される1種類以上のイオンを使用することが望ましい。また、一次イオンのエネルギーは、1keV以下であることが望ましい。
【0030】
二次イオンを分析する分析手段としては、二次イオンの質量分離が可能で、かつ質量分離された二次イオンの量を検出できるものであれば何でも良いが、質量分離器には、二重収束型質量分析器、四重極型質量分析器、飛行時間型質量分析器が望ましい。質量分析器が飛行時間型質量分析器である場合には、照射する一次イオンとして、Cs+、O2 +及びO-よりなる群から選ばれる一種のイオンと、Ar+、Kr+、Xe+、Ga+及びIn+よりなる群から選ばれる一種のイオンとの2種のイオンを交互に使用することができる。Cs+、O2 +及びO-よりなる群から選ばれる一種のイオンは、深さ方向に試料表面をスパッタするために用いられる。一方、Ar+、Kr+、Xe+、Ga+及びIn+よりなる群から選ばれる一種のイオンは、二次イオンを検出する際に用いられる。さらに、上記二次イオン質量分析装置には、分析時に試料表面に酸素ガスを吹き付けるためのノズルが取り付けられていることが望ましい。
【0031】
二次中性粒子質量分析法で用いられる二次中性粒子質量分析装置は、真空環境下に配置され、試料搭載可能な密閉容器と、前記試料の一部に一次イオンビームを照射するためのイオン発生手段と、前記一次イオンビームによって前記試料表面からスパッタ励起する中性粒子をイオン化するためのレーザーもしくは電子ビーム照射装置と、前記レーザーもしくは電子ビーム照射装置によりイオン化された粒子を分析する分析手段とを具備するものである。
【0032】
一次イオンには、どのような種類のイオンを用いても良いが、Ar+、Kr+、Xe+、Ga+及びIn+よりなる群から選択される1種類以上のイオンであることが望ましい。また、一次イオンのエネルギーは1keV以下であることが望ましい。レーザーもしくは電子ビーム照射装置によりイオン化された粒子を分析する分析手段は、その質量分離および質量分離された粒子の量の検出が可能であれば特に限定されないが、質量分離器には、二重収束型質量分析器、四重極型質量分析器、飛行時間型質量分析器が望ましい。
【0033】
本発明による半導体中不純物の深さ方向濃度分布決定方法を図1のフローチャートに沿って説明する。化学分析法による半導体ウエハ中の不純物の面濃度を基準面濃度として用いる深さ方向濃度分布決定方法を代表例として説明する。
【0034】
図1の1で示す試料前処理工程について説明する。
【0035】
(試料前処理工程1)
この工程では、不純物の深さ方向濃度分布を知りたい被分析用の半導体ウエハ試料を準備する。
【0036】
一般に、半導体ウエハは6インチ径、8インチ径などの大きさで、以下の一連の工程(化学分析法、ラザフォード後方散乱法、核反応法、二次イオン質量分析法、二次中性粒子質量分析法)にて分析を行うには大きすぎ、また、任意の1箇所の分析を行なうため、3cm角〜3mm角の大きさに切ることが望ましい。半導体ウエハの切り出しには、例えば、ダイヤモンドカッター等を使うことができる。また、正方形もしくは長方形に正確に切り出すためにはダイシングソー等の試料切り出し装置を用いることが望ましい。切り出した半導体ウエハには切り出し屑その他の汚れが付いているので、エアブローによる切り出し屑の除去や純水もしくはアルコール系、ケトン系などの有機溶剤による洗浄を行うことが望ましい。
【0037】
特に、化学分析により半導体ウエハ中の不純物面濃度を評価する際には、半導体ウエハのウエハ表面面積を正確に評価することが必要になるため、正方形もしくは長方形に試料を切り出すことが望ましい。正方形もしくは長方形に切り出された半導体ウエハの面積は、半導体ウエハの両辺(縦、横の辺)の長さをノギス、マイクロメータ等にて正確に測定し、得られた縦の長さと横の長さの積から面積を算出することが好ましい。また、切り出した半導体ウエハ試料の形状が正方形や長方形でない場合は試料重量から面積を算出することが可能である。
【0038】
次いで、図1の2で示す第一工程のうちその1について説明する。
【0039】
(第一工程−その1)
化学分析法により半導体ウエハ中の不純物面濃度を得る方法を、Si半導体中のAs面濃度を求める方法を例にして説明する。
【0040】
(第1反応工程)
Si半導体ウエハ試料を過マンガン酸カリウム溶液、硝酸、フッ化水素酸を順次接触させて溶液中で分解する。この際、分解の終了を確認するには過マンガン酸カリウム溶液の色(桃色)を視覚認識することで反応の進行状況から終了までを確認することが可能である。桃色を視覚認識できず反応が終了していない場合には過マンガン酸カリウム溶液の添加を行う。この様な操作を行う事によって、Asがシリコンの化合物となって揮散しないようにすることができる。
【0041】
その後、得られた試料溶液を加熱濃縮をすることでAsを含む分解液を得る第一反応工程が終了する。
【0042】
この第1反応工程での化学反応は以下の式(1)で表される。また、過マンガン酸カリウムの代わりに、過ヨウ酸カリウム溶液及び過ヨウ素酸溶液のうち少なくとも一方の試薬を使用することができる。これは、過マンガン酸カリウムと同様の反応が起こるからである。過マンガン酸カリウム溶液に代えて、過ヨウ酸カリウム溶液または過ヨウ素酸溶液を使用する場合、この第1反応工程での化学反応は下記式(2)で表される。
【0043】
2MnO4 -+16H++5As → 2Mn2++5As5++8H2O …(1)
2IO3 -+12H++5As3+ → 2I++5As5++6H2O …(2)
この第1反応工程にて、Asの価数を3価から5価に上げて、飛散してしまう化学物質になり難い形態に変えることができる。また、この工程では、反応式で示していないが、シリコンをH2SiF6等の飛散しやすい化合物にして除去している。
【0044】
上記第1反応工程で用いられる容器に関しては、硝酸、フッ化水素酸を用いるため、これらの薬品に耐えうるものが好ましく、例えば、フッ素樹脂製容器を挙げることができる。さらに、その後の処理操作性を考慮すると、容積が100〜250ml程度のフッ素樹脂製ボトルを使用するのが好ましい。また、第1反応工程のウエハ分解に用いるのに必要な試薬濃度は、試料を分解することが可能であれば、特に制限されないが、不純物が少ない高純度のものを使用することが好ましい。特に、過マンガン酸カリウムの濃度は4〜6%、硝酸濃度は50〜68%、フッ化水素酸濃度は30〜38%の範囲が試料分解の面から適当であり、この範囲外では試料を分解するのが困難になる恐れがある。また、酸濃度については濃度が高いほどウエハの分解時間が短くなる傾向があるため、高いほうが好ましい。
【0045】
(第2反応工程)
第1反応工程後の試料溶液を硝酸と過酸化水素を用いて再溶解させ、Asを含む試料溶液を得る第2反応工程を終了する。
【0046】
この工程では試料溶液に硝酸および過酸化水素を添加し、試薬の構成元素のうち、被分析不純物であるAs以外の元素(例えば、マンガン、カリウム、ヨウ素)と硝酸および過酸化水素とを反応させ、マンガン、カリウム、ヨウ素を陽イオン或いは陰イオンにする。第1反応工程で使用した試薬によってイオンにする元素は変わり、マンガン、カリウム及びヨウ素のうちの1種類以上の元素が該当する。第1工程で過マンガン酸カリウムを使用した場合、この第2反応工程での化学反応は以下の式(3)で示される。一方、第1工程で過ヨウ酸カリウム溶液または過ヨウ素酸溶液を使用した場合、第2反応工程での化学反応は式(4)で表される。
【0047】
5H2O2+MnO4 -+6H+→ 2Mn2++2H2O+5O2 …(3)
5H2O2+2IO3 -+6H+→ I2 ++8H2O+4O2 …(4)
この第2反応工程を経ることによってマンガン、カリウム及びヨウ素をイオンにし、次のイオン交換樹脂での吸着の準備を行う事ができる。
【0048】
第2反応工程の再溶解方法において用いる試薬(硝酸、過酸化水素)は、不純物の少ない高純度酸を使用するのが好ましい。過酸化水素水は、飛散しやすいために低濃度である方が望ましいが、後に行うイオン交換分離操作を容易に行う観点から、濃度を20〜35%の範囲内にすることが望ましい。一方、硝酸は、MnO4 -を早く分解するために高濃度である方が望ましいが、後に行うイオン交換分離操作を容易に行う観点から、濃度を50〜60%の範囲内にすることが好ましい。
【0049】
(イオン交換反応工程)
第2反応工程の後、上述した試料溶液をイオン交換樹脂と接触させ、上述したイオン(例えば、マンガンイオン、カリウムイオン、ヨウ素イオン)を陽イオン交換樹脂に吸着させ、Asのみを陽イオン交換樹脂から溶出させる除去工程が終了する。
【0050】
この工程は重要である。この除去工程がない場合は、次の分析工程でAsを質量分析する際、Asと比べて1000倍〜10000倍程度高濃度のマンガン、カリウム、ヨウ素が被測定不純物であるAsを散乱させてしまうため、質量分析装置に導入することができず、低濃度のAsを正確に定量分析できない。このような理由から、イオン交換樹脂を用いてマンガン、カリウム及びヨウ素を除去する必要がある。
【0051】
陽イオン交換樹脂としては、例えば、スチレンとジビニルベンゼンの共重合体を基体とし、交換基としてスルホン基(−SOH)を持っている陽イオン交換樹脂が好ましい。また、用いるイオン交換樹脂の粒径は、分析に供するAs量、処理すべき水溶液の量、精製効率、液流速などの因子などによって適宜条件を選定することになる。通常、50〜400メッシュ程度ものが好ましい。その理由は50未満では流速が早すぎてK、Mnも同様に出てしまい、400より大きいと流速が遅すぎてトータルの分析時間がかかりすぎるからである。さらに好ましい範囲は、100〜200メッシュである。
【0052】
溶液とイオン交換樹脂とを接触させる方法はバッチ法でもカラム法でも良いが、バッチ法はAsとマンガン、カリウムが完全に分離できない恐れがあるため、カラム法が望ましい。バッチ及びカラム材質は、フッ化水素酸、硝酸等の用いる試薬に耐えうるものであれば何でも良いが、塩素系樹脂(例えば塩化ビニールなど)は塩素が溶出し測定に影響する場合があるので控えた方がよい。バッチ及びカラムは使用する樹脂量により任意内径のものを使用することができる。また、どちらの方法でも操作の自動化として、振とう機や送液ポンプを用いたクロマトグラフで行うことができる。
【0053】
(Si半導体ウエハ試料中のAs面濃度の測定)
最後に、除去工程後の分離溶液を例えば誘導結合プラズマ質量分析装置にて被分析不純物(As)を分析する分析工程を行なう。得られたAs量を、試料前処理工程で得られたSi半導体ウエハ試料の面積で除算することにより、Si半導体ウエハ試料中のAsの面濃度を得る。
【0054】
次いで、図1の3に示す第二工程について説明する。
【0055】
(第二工程)
第二工程として半導体ウエハ中不純物の深さ方向濃度分布を表面分析装置が有する複数の分析手法により測定する。第二工程は、前述した第一工程と並行して行うことが望ましい。
【0056】
表面分析装置としては、深さ方向濃度分布が得られる表面分析装置であれば特に限定されず、二次イオン質量分析装置か、スパッタ中性粒子質量分析装置が望ましい。ここでは、二次イオン質量分析法により半導体ウエハ中の不純物の深さ方向濃度分布を得る方法を、Si半導体中のAsの深さ方向濃度分布を得るケースを一例にして説明する。
【0057】
一次イオンにはCs、一次イオンのエネルギーは1keV以下が望ましい。一次イオンのエネルギーを1keV以下にすることによって、深さ方向分解能を高くすることができる。一次イオンのエネルギーのさらに好ましい範囲は、0.8KeV以下である。二次イオンを分析する分析手段は、二次イオンの質量分離を行うことができ、かつ質量分離された二次イオンの量を検出できる質量分離器であれば何でも良いが、質量分離器としては、二重収束型質量分析器、四重極型質量分析器が望ましい。また、一次イオンとしてCs+を用い、かつ二次イオンにAsSi-を用いることによって、Asを高感度で測定することができる。
【0058】
二次イオン質量分析装置を用いる際、例えば、以下の2つの方法にてAsの深さ方向濃度分布を得ることができる。
【0059】
1)低いエネルギー(1keV以下)のCs一次イオン(Cs+)、入射角(試料の法線方向からの角度)60°、AsSi-およびSi2 -二次イオンを測定、各深さ(各深さの分析点)における(AsSi-/Si2 -)イオン強度比の深さ方向分布(縦軸が(AsSi-/Si2 -)イオン強度比で、横軸が測定時間)からAsの深さ方向濃度分布を得る方法。
【0060】
2)低いエネルギー(1keV以下)のCs一次イオン(Cs+)、入射角(試料の法線方向からの角度)60°、AsSi-およびSi2 -二次イオンを測定、Si2 -イオン強度が一定となる深い部分での平均Si2 -イオン強度の比(AsSi-/Average Si2 -)の深さ方向分布(縦軸が(AsSi-/Average Si2 -)イオン強度比で、横軸が測定時間)からAsの深さ方向濃度分布を得る方法。
【0061】
Si半導体中のAs濃度が既知の標準試料を前述した1)および2)の方法で測定し、被測定対象試料のAs分布と比較することにより、被測定対象試料についての1)、2)の方法で得たイオン強度比変化を濃度変化に変換した。なお、試料近傍(深さ5nm以下)での分布の不確定性効果を受けにくくするため、標準試料にはAs濃度(不純物濃度)が深さ方向に一定の試料か、10nmよりも深くに注入ピークが存在するAsイオン注入試料を用いることが好ましい。また、被測定対象試料についての1)、2)の方法で得た深さ方向濃度の深さを較正するため、二次イオン質量分析により開いたクレータの深さを深さ計等で測定した。クレータ深さが浅い場合(100nm以下)、深さ計の誤差が大きいので、深さ既知の深さにデルタドープを施した試料と比較することにより深さを較正すると良い。
【0062】
このような手段を用いることにより、二次イオン質量分析の手法1)、2)に基づいた2つの深さ方向濃度分布(縦軸;濃度、横軸;深さに較正済み)が得られる。
【0063】
図1の4で示す第三工程について説明する。
【0064】
(第三工程)
第二工程にて得られた2種類のSi半導体中のAs深さ方向濃度分布(縦軸;濃度、横軸;深さに較正済み)について、それぞれ、面積積分を行うことにより、二次イオン質量分析の手法1)、2)に基づいた2つの不純物面濃度を得る。
【0065】
図1の5で示す第四工程−その1について説明する。
【0066】
(第四工程−その1)
第一工程の化学分析方法で得られた半導体ウエハ中の不純物面濃度をaとする。一方、第三工程の二次イオン質量分析の手法1)、2)に基づいた複数(2つ)の不純物面濃度をb1、b2とする。
【0067】
この工程では二次イオン質量分析の手法1)、2)に基づいて得られた複数(2つ)の不純物面濃度b1、b2を、真値と考えられる化学分析方法により得られた半導体ウエハ中の不純物面濃度aと比較し、不純物面濃度b1、b2のうち、不純物面濃度aにより近い方を選び出す。ここでは、仮にb2がaに近かったとする。
【0068】
図1の6で示す第四工程−その2について説明する。
【0069】
(第四工程−その2)
次に、下記(I)式で表わされるaとb2の差の割合が±0.1以内、望ましくは±0.05以内であるかどうかを判定する。
【0070】
(a−b2)/a …(I)
もし、±0.1以内、望ましくは±0.05以内であれば、不純物面濃度b2を得た二次イオン質量分析法の手法2)は真の深さ方向濃度分布を測定できる手法だと決定する。
【0071】
また、aとb2の差の割合が+0.1よりも大きいか、もしくは−0.1未満であれば、不純物面濃度b1、b2を得た二次イオン質量分析法の手法1)、2)は共に真の深さ方向濃度分布を測定できない手法だと判断する。この際、他の深さ方向濃度分布の測定手法を探索、考案して再度第二工程を行う必要がある。
【0072】
なお、ここまでは、第一工程で化学分析法により半導体ウエハ中の不純物の面濃度を測定する例を説明したが、基準面濃度の測定は、化学分析法、核反応法及びラザフォード後方散乱法のうち最も高精度な手法で行われ、3つのうちどの方法が高精度な方法であるかは、不純物の種類により異なる。以下に、核反応法で基準面濃度を得る第一工程−その2と、ラザフォード後方散乱法で基準面濃度を得る第一工程−その3とを説明する。
【0073】
(第一工程−その2)
核反応法により半導体ウエハ中の不純物面濃度を得るための方法を、Si半導体中のB面濃度を得るケースを例にして説明する。
【0074】
試料前処理工程にて切り出された半導体ウエハ試料を核反応分析装置内に導入し、試料を入れた核反応装置内を真空にする。0.65MeVに加速されたプロトンビームを半導体ウエハ試料に照射すると、半導体ウエハの最表面から深さ約0.3μmまでに存在するB原子(質量数11のB原子)の一部は核反応式11B(p,α)8Beに基づいて、核反応を起こしα線を放出する。
【0075】
放出されたα線はα線検出器(半導体検出器)により検出される。照射されたpビームが半導体ウェハの母材により後方散乱されてα線検出器に浸入すると、核反応により発生したα線検出のB.G.となるので、後方散乱されたプロトンがα線検出器に入らないようα線検出器の全面にマイラー膜等を置くことが望ましい。 またα線の検出効率をよくするため、できる限りα線検出器は大きいものを使用したほうが望ましく、さらに検出器の立体角を広げるために検出器はできるだけ試料に近づけることが望ましい。
【0076】
B面濃度既知のSi半導体ウエハの分析結果と被測定試料の核反応法による分析結果(α線収量)を比較することにより、被測定対象であるSi半導体ウエハ中のB面濃度を知ることができる。この際、B面濃度既知のSi半導体ウエハと被測定試料の核反応法による測定条件(例えばpビーム電荷量、試料とα線検出器の距離など)はできるだけ同一にしたほうが良い。また、pビーム電荷量が異なる場合はその比を考慮してB面濃度を算出する。上記の方法はBの同位体元素11Bの面濃度を算出する方法であるが、もし他の同位体10Bが被測定試料に含まれており、かつその同位体存在比が天然同位体存在比と同じであることが判っていれば、その同位体比を考慮してB面濃度を算出する。
【0077】
(第一工程−その3)
ラザフォード後方散乱法により半導体ウエハ中の不純物面濃度を得るための方法を、Si半導体中のSb面濃度を得るケースを例にして説明する。
【0078】
試料前処理工程にて切り出された半導体ウエハ試料をラザフォード後方散乱分析装置内に導入、試料を入れたラザフォード後方散乱分析装置内を真空にする。 2MeVに加速されたHeイオンビームを半導体ウエハ試料に照射すると、半導体ウエハの最表面から深さ約1μmまでに存在するSi原子やSb原子により入射されたHeイオンの一部は弾性散乱衝突により後方散乱される。後方散乱されたHeは標的原子(この場合Si,Sb原子)に依存したエネルギーを有する。また、Si半導体ウエハ内をHeビームが通過する際に、Si半導体内の電子と非弾性散乱効果による相互作用を起こすため、Heビームは通過する深さに応じて徐々にエネルギーを失う。このため、後方散乱されたHeの量とエネルギーを分析することにより、被分析試料であるSi半導体内の深さ方向濃度分布の評価が可能となる。この場合、Sb原子により後方散乱されたHe量とSi原子により後方散乱されたHe量を比較することにより、Si半導体内のSb面濃度の算出が可能となる。ちなみに、このラザフォード後方散乱分析法によって深さ方向濃度分布の評価が可能であるものの、その深さ方向分解能は通常せいぜい10nm程度であるため、第二工程で深さ方向濃度分布を測定する際には、二次イオン質量分析法か、もしくはスパッタ中性粒子質量分析法が好ましい。
【0079】
【実施例】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0080】
(実施例1)
(試料準備工程)
この実施例1では、Si半導体ウエハ表面にエネルギー0.5keV、ドーズ量6.0E13cm-2の条件にてAsをイオン注入した試料を準備した。このAsイオン注入されたSiウエハを1cm×1cm角にダイシングソーを用いて切断し、となりあった2個の試料(1cm×1cm角)を得た。各試料の大きさをノギスにて測定したところ、縦が1.00cm、横が1.00cmで、面積が1.00cm2であった。この後、切削屑を取り除くため、純水にて2つの試料の超音波洗浄を行なった。一方の試料を第1工程で使用し(以下、試料Aと称す)、他方の試料を第2工程で使用する(以下、試料Bと称す)。
【0081】
(第一工程)
Si半導体ウエハ中のAs分析を化学分析法により行う。その理由を説明する。半導体ウエハ(例えば、Si半導体ウエハ)中のAs分析を高い反応断面積の核反応法にて行なうには、核反応を起こさせるイオンビームのエネルギーを通常(3MeV以下)よりも高くする必要があり、汎用の核反応装置では困難であるからである(高エネルギーイオンビームを発生させる核反応装置があれば、もちろん核反応法を使うことは問題無い)。また、半導体ウエハ(例えば、Si半導体ウエハ)中のAsの面濃度が13乗cm-2オーダー程度以下である場合に、ラザフォード後方散乱法を採用すると、感度不足となる恐れがある(もちろん15乗cm-2程度以上のAs分析であれば、ラザフォード後方散乱法を用いることは問題ない)。このような理由から、実施例1の場合には、高感度かつ高精度にてAs分析を行なう手法として化学分析法を選択した。
【0082】
<第1反応工程>
試料Aを250mlのフッ素樹脂製ボトルに入れ、過マンガン酸カリウム(溶液(6%w/v)10ml、高純度硝酸7ml、高純度フッ化水素酸7mlを加え、ホットプレート上(200℃)で加熱分解した。試料分解に際して、過マンガン酸カリウム溶液が飛散しないようにはじめは軽くふたをし、反応が安定した後にふたを取る。また、硝酸との反応により過マンガン酸カリウム溶液の色(薄桃色)が無くなるようであれば適宜追加する。
【0083】
放冷後、過マンガン酸カリウムを還元させるため、高純度過酸化水素水0.1ml〜0.5ml(過マンガン酸カリウム溶液の色(薄桃色)が無くなるまで加える)づつ加え、その後100mlのフッ素樹脂製ビーカーに移し、ホットプレート上(230℃)で蒸発濃縮した。
【0084】
<第2反応工程>
放冷後、蒸発濃縮の際に生成したマンガン沈殿物を溶解するために、高純度硝酸0.1ml、高純度過酸化水素水0.5mlを加え沈殿物を溶解後、50mlフッ素樹脂製メスフラスコに移し標線まで水を加えた。
【0085】
<陽イオン交換>
底にポリプロピレンウールが詰められ、長さが150mmで、直径が5mmのポリプロピレン製カラムに、陽イオン交換樹脂として強酸性ジビニルベンゼンGEL(平均粒径:75〜150メッシュ)10gを充填し、純水および硝酸で十分に洗浄・膨潤させた。ついで、第2反応工程で得られた処理液をエッペンドルフピペットにて1ml分取し、陽イオン交換カラムに流した。この操作を10回(計10ml)行い、陽イオン交換カラムに金属類を吸着させた。さらに、水5mlを3回に分けて陽イオン交換カラムに流し、計25mlでAsを溶出させた。
【0086】
溶出液を全て30mlのフッ素樹脂製容器に回収し、その溶液中のAs量を誘導結合プラズマ質量分析装置にて測定したところ、As量は7.85ngであった。試料Aの面積は1.00cm2であるので、原子数密度を用いた面濃度は6.30E13atoms/cm2であった。この面濃度を基準面濃度とする。
【0087】
(第二工程)
この工程では四重極型二次イオン質量分析法を用いて試料前処理工程にて準備した試料B中のAsの深さ方向濃度分布を測定した。
【0088】
まず、この工程で使用する二次イオン質量分析装置について図2を参照して説明する。図2は、実施例1で用いる二次イオン質量分析装置の概略構成を示す模式図である。
【0089】
二次イオン質量分析装置11は、試料Sが配置される試料室12と、試料S表面をスパッタするための一次イオンビームを発生する一次イオン源13と、一次イオン源13から発生した一次イオンを収束さらにラスターするための一次イオン銃カラム14と、試料室12の試料S表面から発生する二次イオンを引き出すための二次イオンレンズ15と、二次イオンレンズ15から送られる二次イオンを分析する手段としての質量分析器16と、質量分離された二次イオンを検出する手段としての検出器17と、表面分析装置内の真空度を維持するための真空ポンプ18と、試料Sを載せ、その一次イオンビームが試料Sに照射する角度、位置を調整するための試料マニュピレータ19とを備える。また、一次イオン銃カラム14内には、一次イオン銃カラム14内の一次イオンをラスターするための電極20が配置されている。電極20、二次イオンレンズ15及び質量分析器16を制御するためのコンピュータ21は、電極20、二次イオンレンズ15および質量分析器16と電気的に接続されている。さらに、検出器17で検出された信号は同じく電気的に接続されているコンピュータ21にその信号を送信できるようになっている。なお、コンピュータ21の操作や、値の入力等はコンピュータ21に接続されているキーボード22にて行なう。
【0090】
以上説明した二次イオン質量分析装置を用いて試料中の不純物の深さ方向の濃度を測定する方法を説明する。
【0091】
(1)試料Sを試料室12に導入する。
【0092】
(2)一次イオン源13を起動する。
【0093】
(3)一次イオン銃カラム14の操作を行い、一次イオンビームを所定のエネルギー、電流量、ビーム径に調整する。
【0094】
(4)試料Sを載せた試料マニュピレータ19を調整し、一次イオンが試料Sに照射する入射角を所定の値に設定すると共に、一次イオンの照射位置を所定箇所に設定する。
【0095】
(5)試料S表面で発生した二次イオンを効率良く検出器17に導くためと、所定の質量分解能を得るために、二次イオンレンズ15及び質量分析器16を調整する。
【0096】
(6)コンピュータ21のキーボード22を操作することにより、コンピュータ21から測定開始の信号を一次イオン電極20、二次イオンレンズ15及び質量分析器16に与える。その結果、所定のラスター幅にて試料Sのスパッタが開始され、所定の二次イオン種の質量分離、二次イオン強度の検出が行なわれた後、検出器17が所定の二次イオンの検出強度信号をコンピュータ21に送信する。スパッタを連続的に行い、連続的に所定の二次イオンの信号をコンピュータが取り込むことにより、所定の二次イオンの深さ方向分布(縦軸が二次イオン強度比で、横軸が測定時間)が得られる。
【0097】
(7)深さ方向分布の深さを較正するため、二次イオン質量分析によりあけたクレータの深さを深さ計等で測定した。コンピュータ21のキーボード22により深さ計で得られた深さを入力することにより、深さ方向分布の横軸の時間を深さに変換する。
【0098】
(8)不純物濃度が既知の標準試料について、前述した(6)で説明したのと同様にして二次イオンの深さ方向分布(縦軸が二次イオン強度比で、横軸が測定時間)を得て、得られた分布から所定の二次イオンの相対感度係数を算出する。算出された相対感度係数をコンピュータ21のキーボード22によりに入力することにより、深さ方向分布の縦軸の二次イオン強度比を濃度(atoms/cm3)に変換し、求める試料の不純物についての深さ方向濃度分布を得る。得られた深さ方向濃度分布データは、コンピュータ21に格納される。
【0099】
以上説明した二次イオン質量分析装置を用いて以下の3つの測定条件により、試料B中のAsについての深さ方向濃度分布を得た。なお、深さ方向分布を深さ方向濃度分布に変換する際に使用されるAs濃度既知の標準試料として、As注入におけるエネルギーが20keVで、ドーズ量が1E15cm-2の標準試料を用意した。
【0100】
1)0.6keVのCs一次イオン(Cs+)、入射角(試料の法線方向からの角度)60°にてAsSi-およびSi2 -二次イオンを測定、各深さ(各深さの分析点)におけるAsSi-/Si2 -イオン強度比からAsの深さ方向分布を得た。
【0101】
2)0.6keVのCs一次イオン(Cs+)、入射角(試料の法線方向からの角度)60°にてAsSi-およびSi-二次イオンを測定、各深さ(各深さの分析点)におけるAsSi-/Si-イオン強度比からAsの深さ方向分布を得た。
【0102】
3)0.6eVのCs一次イオン(Cs+)の入射角(試料の法線方向からの角度)60°にてAsSi-およびSi2 -二次イオンを測定、Si2 -イオン強度が一定となる深い部分(5nm〜30nm)での平均Si2 -イオン強度の比(AsSi-/Average Si2 -)からAsの深さ方向分布を得た。
【0103】
3つの測定条件ともに0.6keVのCs一次イオン、AsSi-二次イオンを用いたが、その理由はAsを最も高感度に測定できる組み合わせであるからである。一次イオンのエネルギーを0.6keVにしたのは深さ方向分解能を良くするためであり、およそ0.8keV以下であれば高い深さ方向分解能で測定ができる。
【0104】
前述した(1)〜(3)の方法で求められた試料B中のAsの深さ方向濃度分布を図3に示す。図3の横軸は試料Bの深さ(nm)で、縦軸はAs濃度(atoms/cm3)である。
【0105】
図3から明らかなように、二次イオン質量分析法の1)、2)、3)の3つの測定条件にて測定したAs深さ方向濃度分布は、深さ3nmより深い領域では一致しているが、表面から3nmまでの領域では一致していない。すなわち、測定条件1)、2)、3)で得られる深さ方向濃度分布は、同一でないことが判る。
【0106】
(第三工程)
まず、図4に示すように、第一工程にて求められた基準面濃度(a)をコンピュータ21に入力した。次いで、第二工程でコンピュータ21に格納された試料B(Si半導体)中のAsの深さ方向濃度分布(b1’、b2’、b3’)、それぞれについての面積積分、つまり面濃度b1、b2、b3をコンピュータ21に算出させた。
【0107】
得られた二次イオン質量分析の測定条件1)、2)、3)に基づいた3つのAs面濃度b1、b2、b3を下記表1に示す。なお、表1には、第1工程の化学分析法により求めた試料A(半導体ウエハ)中のAs面濃度(a)を併記する。
【0108】
【表1】
Figure 0003725803
【0109】
(第四工程)
第一工程の化学分析方法で得られた半導体ウエハ中のAsの面濃度(a)6.3E13atoms/cm2と第三工程の二次イオン質量分析の測定条件1)、2)、3)で得られたAs面濃度(表1記載)をコンピュータ21に比較させ、真値である化学分析法による結果に最も近い測定条件3)の結果をコンピュータ21に選択させた。また、化学分析法による基準面濃度をaとし、二次イオン質量分析法のうち測定条件3)による面濃度をb3とした際の{(a−b3)/a}をコンピュータ21で算出したところ、+0.08で、±0.1の範囲内に収まっていた。よって、二次イオン質量分析法の測定条件3)は真もしくは真に近い深さ方向濃度分布を測定できる測定条件だということが判った。
【0110】
仮に、{(a−b3)/a}が−0.1未満か、+0.1よりも大きい場合、コンピュータ21は、二次イオン質量分析の測定条件を変更して試料B中のAsの深さ方向濃度分布を測定するよう、二次イオン質量分析測定の画面に戻る。
【0111】
二次イオン質量分析の測定条件の変更は、例えば、前述した測定条件1)、2)、3)におけるCs一次イオン(Cs+)のエネルギーを低くする(例えば、0.4keV)等が挙げられる。一次イオンのエネルギーを下げると、より正確な分析が可能になる。
【0112】
測定条件を変更した二次イオン質量分析後、コンピュータ21にて深さ方向濃度分布の面積積分から面濃度が算出され、算出された面濃度は、前述した第1工程で求められた基準面濃度と比較される。
【0113】
Si半導体の研究開発におけるSi半導体の複数の作製工程(複数のイオン注入プロセス、複数の熱処理プロセス)を経たSi半導体中のヒ素深さ方向濃度分布を、真のヒ素深さ方向濃度分布が得られる測定条件3)を用いて測定する。得られた複数のヒ素深さ方向濃度分布は真のヒ素分布を示しているため、その分布形状やそこから得られるヒ素面濃度などを比較・検討することにより、どのSi半導体作製工程が最も優れているのかを的確に判断することができる。すなわち、研究開発段階において複数のSi半導体作成工程の比較・検討を的確に行えるため、その研究開発を効率的に行なうことができる。
また、Si半導体工場におけるSi半導体中のヒ素深さ方向濃度分布を、真のヒ素深さ方向濃度分布が得られる測定条件3)を用いて測定する。優良試料と不良試料のヒ素深さ方向濃度分布形状やそこから得られるヒ素面濃度などを比較・検討することにより、ヒ素分布形状・面濃度の異常に由来したSi半導体の不良解析を的確に判断することができる。
【0114】
(比較例1)
第一工程を実施しないこと以外は、実施例1と同様にして操作を行なった。前述した表1に示すように、二次イオン質量分析の測定条件1)、2)、3)により得られた面濃度は、互いに異なる値をとるため、二次イオン質量分析のみではどの値が真もしくは真に近いかが不明である。すなわち、比較例1では真の深さ方向濃度分布を決定することができないことが判る。
【0115】
また、真のヒ素深さ方向濃度分布を得ることができないので、Si半導体の研究開発やSi半導体工場において研究効率の劣化や、不良解析効率の劣化を生じる。
【0116】
(実施例2)
(試料準備工程)
この実施例2では、Si半導体ウエハ表面にエネルギー0.5keV、ドーズ量1.0E15cm-2の条件にて11Bをイオン注入した試料を準備した。このBイオン注入されたSiウエハを約1cm×1cm角にダイヤモンドカッターを用いて切断し、となりあった2個の試料(約1cm×1cm角)を得た。この後、切削屑を取り除くため、2つの試料に対して窒素ブローを行なった。一方の試料を第1工程で使用し(以下、試料Cと称す)、他方の試料を第2工程で使用する(以下、試料Dと称す)。
【0117】
(第一工程)
Si半導体ウエハ(試料C)中のB分析は、核反応法で行われる。その理由を説明する。前述した実施例1で説明した化学分析法にてB分析を行なうと、工程の途中でBが揮発して全量回収できない恐れがあるからである。また、Si半導体ウエハ中のB面濃度が15乗cm-2程度以下であるため、B分析をラザフォード後方散乱法にて行なうには感度不足である。このような理由から、実施例2の場合には、高感度かつ高精度にB分析を行なう手法として、核反応法を選択した。
【0118】
試料Cを核反応分析装置内に導入、試料Cを入れた核反応装置内を真空にする。 0.65MeVに加速されたプロトンビームを半導体ウエハ試料に照射すると、イオン注入された11Bの一部は核反応を起こし、α粒子を試料外へ放出した。放出されたα粒子を半導体検出器により検出し、プロトンビーム照射による試料電流の電荷量が100μC(マイクロクーロン)になるまで、α粒子を積算したところ、カウント数は3232カウントとなった。
【0119】
なお、このとき、後方散乱されたプロトンが検出器へ入射しないように検出器の全面をマイラー膜で覆った。また、α粒子の検出効率を向上させるため、有感面積2000mm2の検出器を使用、試料と検出器の距離は、立体角を大きく取れるよう、10cmとした。
【0120】
一方、Si半導体ウエハに5keV、1.0E16cm-2の条件にて11Bをイオン注入した試料(標準試料)を用意した。イオン注入のエネルギーを5keVにすると、Si半導体ウエハ中には意図した面濃度で11Bを注入することができる。つまり、前記標準試料中の11Bの面濃度は、ドーズ量と同じ1.0E16cm-2である。このような標準試料について、上記と同一条件にて核反応法によりB分析を行ったところ、α線の積算カウントは29381カウントであった。
【0121】
被分析試料(試料C)と標準試料はプロトンの電荷量を含めて同一条件にて測定したため、被分析試料(試料C)の11Bの面濃度は、得られたα線積算カウント数の比(被分析試料(試料C)でのα線カウント数/標準試料でのα線カウント数)と標準試料の面濃度で求めることができる。これから被分析試料(試料C)の11Bの面濃度は1.10E15atoms/cm2であることが判った。この面濃度を基準面濃度とする。
【0122】
(第二工程)
この工程では、四重極型二次イオン質量分析法を用いて試料前処理工程にて準備した半導体ウエハ試料(試料D)中の11Bの深さ方向濃度分布を測定した。
【0123】
前述した図2に示す二次イオン質量分析装置を用いて以下の2つの測定条件にて試料D中の11Bの深さ方向濃度分布を得た。なお、深さ方向分布を深さ方向濃度分布に変換する際に使用されるB濃度既知の標準試料として、11Bの濃度が6E18cm-3で、かつ濃度が深さ方向に均一であるSi半導体ウエハを用意した。
【0124】
1)0.5keVの酸素一次イオン(O2 +)、入射角0°でB+イオンを測定、B+二次イオンの深さ方向分布からBの深さ方向分布を得た。
【0125】
2)0.5keVの酸素一次イオン(O2 +)、入射角45°、酸素ガスを試料表面に吹き付けながらB+二次イオンを測定、B+二次イオンの深さ方向分布からBの深さ方向分布を得た。得られた深さ方向濃度分布データは、コンピュータに格納される。
【0126】
前述した(1)及び(2)の測定条件ともに、一次イオンとして0.5keVの酸素一次イオン(O2 +)を使用し、かつ二次イオンとしてB+イオンを用いたが、その理由はBを最も高感度に測定できる組み合わせであるからである。一次イオンのエネルギーを0.5keV以下にすることによって、高い深さ方向分解能が得られる。
【0127】
前述した(1)〜(2)の測定条件で求められた試料D中の11Bの深さ方向濃度分布を図5に示す。図5の横軸は試料Dの深さ(nm)で、縦軸は11B濃度(atoms/cm3)である。
【0128】
図5から明らかなように、二次イオン質量分析法の1)、2)の2つの測定条件にて測定した11B深さ方向濃度分布は、深さ2nmより深い領域では一致しているが、表面から2nmまでの領域では一致していない。すなわち、測定条件1)、2)で得られる深さ方向濃度分布は、同一でないことが判る。
【0129】
(第三工程)
まず、第一工程にて求められた基準面濃度(a)をコンピュータに入力した。次いで、第二工程にてコンピュータに格納された試料D(Si半導体)中のBの深さ方向濃度分布(b1’、b2’)、それぞれについての面積積分、つまり面濃度b1、b2をコンピュータで算出した。
【0130】
得られた二次イオン質量分析の測定条件1)、2)に基づいた2つの11B面濃度を下記表2に示す。なお、表2には、第1工程の核反応法により求めた試料C(半導体ウエハ)中の11B面濃度を併記する。
【0131】
【表2】
Figure 0003725803
【0132】
(第四工程)
第一工程で得られた核反応法による半導体ウエハ中の11Bの面濃度(a)1.10E15atoms/cm2と第三工程の二次イオン質量分析の測定条件1)、2)で得られた11Bの面濃度(表2記載)をコンピュータに比較させ、真値である核反応法による結果に最も近い測定条件2)の結果をコンピュータに選択させた。また、核反応法による面濃度をaとし、二次イオン質量分析法のうち測定条件2)による面濃度をb2とした際、{(a−b2)/a}は−0.05で、±0.1の範囲内に収まっていた。よって、二次イオン質量分析法の測定条件2)は真もしくは真に近い深さ方向濃度分布を測定できる測定条件だということが判った。
【0133】
仮に、{(a−b2)/a}が−0.1未満か、+0.1よりも大きい場合、コンピュータは、二次イオン質量分析の測定条件を変更して試料D中の11Bの深さ方向濃度分布を測定するよう、二次イオン質量分析測定の画面に戻る。
【0134】
二次イオン質量分析の測定条件の変更は、例えば、前述した測定条件1)、2)における酸素一次イオン(O2 +)のエネルギーを低くする(例えば、0.25keV)等が挙げられる。一次イオンのエネルギーを下げると、より正確な分析が可能になる。
【0135】
測定条件を変更した二次イオン質量分析後、コンピュータにて深さ方向濃度分布の面積積分から面濃度が算出され、算出された面濃度は、前述した第1工程で求められた基準面濃度と比較される。
【0136】
Si半導体の研究開発におけるSi半導体の複数の作製工程(複数のイオン注入プロセス、複数の熱処理プロセス)を経たSi半導体中のボロン深さ方向濃度分布を、真のボロン深さ方向濃度分布が得られる測定条件2)を用いて測定する。得られた複数のボロン深さ方向濃度分布は真のボロン分布を示しているため、その分布形状やそこから得られるボロン面濃度などを比較・検討することにより、どのSi半導体作製工程が最も優れているのかを的確に判断することができる。すなわち、研究開発段階において複数のSi半導体作成工程の比較・検討を的確に行えるため、その研究開発を効率的に行なうことができる。
【0137】
また、Si半導体工場におけるSi半導体中のボロン深さ方向濃度分布を、真のボロン深さ方向濃度分布が得られる測定条件2)を用いて測定する。優良試料と不良試料のボロン深さ方向濃度分布形状やそこから得られるボロン面濃度などを比較・検討することにより、ボロン分布形状・面濃度の異常に由来したSi半導体の不良解析を的確に判断することができる。
【0138】
(比較例2)
第一工程を実施しない以外は、実施例2と同様にして操作を行なった。前述した表2に示すように、二次イオン質量分析の測定条件1)、2)により得られた面濃度は、互いに異なる値をとるため、二次イオン質量分析のみではどの値が真もしくは真に近いかが不明である。すなわち、比較例2では真の深さ方向濃度分布を決定することができないことが判る。
【0139】
また、真のボロン深さ方向濃度分布を得ることができないので、Si半導体の研究開発やSi半導体工場において研究効率の劣化、不良解析効率の劣化がする。
【0140】
(実施例3)
不純物としてP(リン)を含むSi半導体ウエハについて、化学分析法により基準面濃度を測定した。また、前述した実施例1で説明したのと同様な二次イオン質量分析装置(一次イオンとしてCs+を、かつ二次イオンとしてPSi-を使用)を用い、半導体ウエハ中のPについての深さ方向濃度分布を複数得た。各深さ方向濃度分布を前述した実施例1で説明したのと同様な方法で面濃度に変換し、面濃度と基準面濃度を比較したところ、二次イオン強度比として(PSi-/Average Si2 -)を使用する測定条件により得られた面濃度が最も基準面濃度に近かった。
【0141】
また、化学分析法による基準面濃度をaとし、二次イオン強度比として(PSi-/Average Si2 -)を使用する測定条件による面濃度をbとした際の{(a−b)/a}をコンピュータで算出したところ、+0.03で、±0.1の範囲内に収まっていた。よって、二次イオン強度比として(PSi-/Average Si2 -)を使用する測定条件は真もしくは真に近い深さ方向濃度分布を測定できる測定条件だということが判った。
【0142】
(実施例4)
不純物としてSbを含むSi半導体ウエハについて、化学分析法により基準面濃度を測定した。また、前述した実施例1で説明したのと同様な二次イオン質量分析装置(一次イオンとしてCs+を、かつ二次イオンとしてSbSi-を使用)を用い、半導体ウエハ中のSbについての深さ方向濃度分布を複数得た。各深さ方向濃度分布を前述した実施例1で説明したのと同様な方法で面濃度に変換し、得られた面濃度と基準面濃度を比較したところ、二次イオン強度比として(SbSi-/Average Si2 -)を使用する測定条件により得られた面濃度が最も基準面濃度に近かった。
【0143】
また、化学分析法による基準面濃度をaとし、二次イオン強度比として(SbSi-/Average Si2 -)を使用する測定条件による面濃度をbとした際の{(a−b)/a}をコンピュータで算出したところ、+0.06で、±0.1の範囲内に収まっていた。よって、二次イオン強度比として(SbSi-/Average Si2 -)を使用する測定条件は真もしくは真に近い深さ方向濃度分布を測定できる測定条件だということが判った。
【0144】
なお、化学分析法の代わりにラザフォード散乱分析法により基準面濃度を測定したところ、前述した実施例4と同様な結果が得られた。
【0145】
(実施例5)
不純物としてInを含むSi半導体ウエハについて、化学分析法により基準面濃度を測定した。また、前述した実施例2で説明したのと同様な二次イオン質量分析装置(一次イオンとしてO2 +を、かつ二次イオンとしてIn+を使用)を用い、半導体ウエハ中のInについての深さ方向濃度分布を複数得た。各深さ方向濃度分布を前述した実施例2で説明したのと同様な方法で面濃度に変換し、得られた面濃度と基準面濃度を比較したところ、一次イオン入射角0°、酸素ガスの吹き付けを行わずに二次イオンを測定する測定条件により得られた面濃度が最も基準面濃度に近かった。
【0146】
また、化学分析法による基準面濃度をaとし、最も基準面濃度に近い面濃度をbとした際の{(a−b)/a}をコンピュータで算出したところ、−0.09で、±0.1の範囲内に収まっていた。よって、酸素ガスの吹き付けを行わずに二次イオンを測定する測定条件は真もしくは真に近い深さ方向濃度分布を測定できる測定条件だということが判った。
【0147】
なお、化学分析法の代わりにラザフォード散乱分析法により基準面濃度を測定したところ、前述した実施例5と同様な結果が得られた。
【0148】
(実施例6)
不純物としてGaを含むSi半導体ウエハについて、化学分析法により基準面濃度を測定した。また、前述した実施例2で説明したのと同様な二次イオン質量分析装置(一次イオンとしてO2 +を、かつ二次イオンとしてGa+を使用)を用い、半導体ウエハ中のGaについての深さ方向濃度分布を複数得た。各深さ方向濃度分布を前述した実施例2で説明したのと同様な方法で面濃度に変換し、得られた面濃度と基準面濃度を比較したところ、入射角0°、酸素ガスの吹き付けを行わずに二次イオンを測定する測定条件により得られた面濃度が最も基準面濃度に近かった。
【0149】
また、化学分析法による基準面濃度をaとし、最も基準面濃度に近い面濃度をbとした際の{(a−b)/a}をコンピュータで算出したところ、−0.08で、±0.1の範囲内に収まっていた。よって、酸素ガスの吹き付けを行わずに二次イオンを測定する測定条件は真もしくは真に近い深さ方向濃度分布を測定できる測定条件だということが判った。
【0150】
(実施例7)
不純物としてGeを含むSi半導体ウエハについて、ラザフォード後方散乱分析法により基準面濃度を測定した。また、前述した実施例1で説明したのと同様な二次イオン質量分析装置(一次イオンとしてCs+を、かつ二次イオンとしてGeSi-を使用)を用い、半導体ウエハ中のGeについての深さ方向濃度分布を複数得た。各深さ方向濃度分布を前述した実施例1で説明したのと同様な方法で面濃度に変換し、得られた面濃度と基準面濃度を比較したところ、二次イオン強度比として(GeSi-/Average Si2 -)を使用する測定条件により得られた面濃度が最も基準面濃度に近かった。
【0151】
また、ラザフォード後方散乱分析法による基準面濃度をaとし、二次イオン強度比として(GeSi-/Average Si2 -)を使用する測定条件による面濃度をbとした際の{(a−b)/a}をコンピュータで算出したところ、+0.05で、±0.1の範囲内に収まっていた。よって、二次イオン強度比として(GeSi-/Average Si2 -)を使用する測定条件は真もしくは真に近い深さ方向濃度分布を測定できる測定条件だということが判った。
【0152】
なお、ラザフォード後方散乱分析法の代わりに化学分析法により基準面濃度を測定したところ、前述した実施例7と同様な結果が得られた。
【0153】
(実施例8)
不純物としてFを含むSi半導体ウエハについて、核反応法により基準面濃度を測定した。また、前述した実施例1で説明したのと同様な二次イオン質量分析装置(一次イオンとしてCs+を、かつ二次イオンとしてF-またはFSi-を使用)を用い、半導体ウエハ中のFについての深さ方向濃度分布を複数得た。各深さ方向濃度分布を前述した実施例1で説明したのと同様な方法で面濃度に変換し、得られた面濃度と基準面濃度を比較したところ、二次イオン強度比として(FSi-/Average Si2 -)を使用する測定条件により得られた面濃度が最も基準面濃度に近かった。
【0154】
また、核反応法による基準面濃度をaとし、二次イオン強度比として(FSi-/Average Si2 -)を使用する測定条件による面濃度をbとした際の{(a−b)/a}をコンピュータで算出したところ、+0.09で、±0.1の範囲内に収まっていた。よって、二次イオン強度比として(FSi-/Average Si2 -)を使用する測定条件は真もしくは真に近い深さ方向濃度分布を測定できる測定条件だということが判った。
【0155】
実施例1〜8における不純物元素、基準面濃度を測定する測定条件、二次イオン質量分析の一次イオン及び二次イオンの種類、真の深さ方向分布が得られる測定条件、(a−b)/bの値を下記表3に示す。
【0156】
【表3】
Figure 0003725803
【0157】
なお、前述した実施例では、コンピュータに基準面濃度を入力した後、深さ方向濃度分布を入力し、深さ方向濃度分布を面濃度に変換する例を説明したが、入力順序はこれに限らず、例えば、コンピュータに深さ方向濃度分布を入力し、深さ方向濃度分布を面濃度に変換した後、コンピュータに基準面濃度を入力することが可能である。
【0158】
また、前述した実施例では、複数の手法により得られた深さ方向濃度分布が予めコンピュータに格納されている例を説明したが、複数の手法により得られた深さ方向濃度分布をコンピュータに入力する測定プログラムにすることも可能である。
【0159】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明に係る半導体ウエハの不純物の測定方法と半導体ウエハの不純物の測定プログラムによれば、半導体ウエハ中の深さ方向濃度分布を複数の分析手法により測定した際、得られた複数の深さ方向濃度分布の中から真に近い深さ方向濃度分布を判定することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体ウエハの不純物の測定方法の一例を示すフローチャート図。
【図2】実施例1の半導体ウエハにおける不純物の深さ方向濃度分布決定方法で使用される二次イオン質量分析装置の概略構成を示す模式図。
【図3】実施例1の二次イオン質量分析において得られた半導体ウエハ中のAsの深さ方向濃度分布を示す特性図。
【図4】実施例1の半導体ウエハにおける不純物の深さ方向濃度分布決定プログラムの一例を示すフローチャート図。
【図5】実施例2の二次イオン質量分析において得られた半導体ウエハ中のBの深さ方向濃度分布を示す特性図。
【符号の説明】
11…二次イオン質量分析装置、
12…試料室、
13…一次イオン源、
15…二次イオンレンズ、
16…質量分析器、
17…検出器、
18…真空ポンプ、
20…電極、
21…コンピュータ。

Claims (5)

  1. 不純物を含む半導体ウエハについて、化学分析法、核反応法またはラザフォード後方散乱法により前記半導体ウエハ中の前記不純物の面濃度を測定することにより基準面濃度を得ると共に、前記半導体ウエハ中の前記不純物の深さ方向濃度分布を複数の手法により測定し、複数の深さ方向濃度分布を得る工程と、
    前記複数の深さ方向濃度分布それぞれを面濃度に変換する工程と、
    前記変換された面濃度のうち前記基準面濃度に最も近い値を選択し、前記選択した面濃度を与えた深さ方向濃度分布を正しい深さ方向濃度分布と判定する工程と
    を具備することを特徴とする半導体ウエハの不純物の測定方法。
  2. 前記不純物がAs、P、Sb、B、In、GeおよびGaよりなる群から選択される1種類以上である場合、前記基準面濃度を前記化学分析法により測定し、かつ前記複数の深さ方向濃度分布を測定条件を異ならせた二次イオン質量分析で得ることを特徴とする請求項1記載の半導体ウエハの不純物の測定方法。
  3. 前記不純物がBおよび/またはFである場合、前記基準面濃度を前記核反応法により測定し、かつ前記複数の深さ方向濃度分布を測定条件を異ならせた二次イオン質量分析で得ることを特徴とする請求項1記載の半導体ウエハの不純物の測定方法。
  4. 前記不純物がAs、Sb、In、GeおよびGaよりなる群から選択される1種類以上である場合、前記基準面濃度を前記ラザフォード後方散乱法により測定し、かつ前記複数の深さ方向濃度分布を測定条件を異ならせた二次イオン質量分析で得ることを特徴とする請求項1記載の半導体ウエハの不純物の測定方法。
  5. 化学分析法、核反応法またはラザフォード後方散乱法により得た半導体ウエハ中の不純物の面濃度を基準面濃度としてコンピュータに入力させる命令と、
    複数の手法により測定した前記半導体ウエハ中の前記不純物の深さ方向濃度分布それぞれを面濃度にコンピュータにて変換させる命令と、
    前記変換された面濃度のうち前記基準面濃度に最も近い値をコンピュータに選択させる命令と
    を具備することを特徴とする半導体ウエハの不純物の測定プログラム。
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