JP3725224B2 - 靴 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バルカナイズ式又は射出成形法により形成される中入れ底を有する靴に関する。
【0002】
【従来の技術】
バルカナイズ式製法や射出成形法は、金型を必要とするなど、設備コストが高いものの、底付け作業がグッドイヤウエルト式等の製法と比較して容易であると共に、セメンテッド式により製造された靴と比較して表底の接着強度が大きいことから、簡易かつセメンテッド式をしのぐ堅牢な方法として普及している。また、この方法により製造される靴は、表底とアッパーとの強固な密着により防水性にも優れているというメリットも有する。
【0003】
また、軽量化を図るために、表底の全てをバルカナイズ式や射出成形法で成形するのではなく、中入れ底のみをバルカナイズ式や射出成形法で成形し、この中入れ底に発泡させた合成ゴムなど軽量な素材から形成した表底を貼着する製法も用いられている。この場合、さらに、防水性を損なわずに軽量化を図るため、甲革下部と密着する踏付け部の周縁部を除く中央付近をくり抜いて成形することが行われている。また、この方法によれば、バルカナイズ式や射出成形法のみで底を成形する場合と比較して、中入れ底の厚みが薄いため、材料の加硫あるいは固化時間を短縮できるなどのメリットを有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、靴内の蒸れを防止するため、表底の踏付け部中央付近に、厚み方向に貫通する貫通孔を設けると共に、通気性のある中底を用い、さらに、表底と中底との間に非透水性の透湿性部材を配設した靴底が知られている。この靴底によれば、靴内の熱や水分を効率的に外部へ放出することができる一方、外部からの水や異物の侵入を防ぐことができるという効果を有している。
【0005】
しかしながら、このような非透水性の透湿性部材を有する蒸れ防止構造を上記したバルカナイズ式や射出成形法で形成した中入れ底を有する靴に適用しようとすると次のような問題がある。
【0006】
すなわち、中入れ底の踏付け部中央付近には、くり抜き部が形成されているため、中入れ底と中底との間に非透水性の透湿性部材を配設する必要があるが、中入れ底と該透湿性部材とがある程度重なっていないと密着性が得られず、容易に剥がれるおそれがある。このため、くり抜き部の大きさよりも大きな面積を有するものを用いる必要があり、中入れ底との密着性という点では、該透湿性部材の面積が大きいほど好ましい。しかし、あまり大きすぎると、つり込まれたアッパーと重なってしまう。アッパーと透湿性部材とが重なる程度の大きさの場合、つり込みの際に透湿性部材が周縁から内方に向かって押され、しわが生じ、透湿性部材の機能が十分に発揮されないおそれがある。一方、中入れ底と透湿性部材との密着性を大きくするために、逆に、中入れ底のくり抜き部の大きさを小さくすることも考えられる。しかしながら、くり抜き部の大きさを小さくすればするほど、中入れ底の重量が重くなるという問題がある。
【0007】
本発明は上記した課題を解消するためになされたものであり、中入れ底の重量をほとんど増さないなど、踏付け部中央付近にくり抜き部を有する中入れ底を備えた靴が本来有する特性を損なわず、しかも、透湿性部材と中入れ底との密着性が優れている靴を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の靴は、通気性を有する中底にアッパーをつり込んだ後、バルカナイズ式又は射出成形法により踏付け部中央付近にくり抜き部を有する中入れ底を形成し、次に、該くり抜き部に中物を装填し、しかる後、通気性を有する表底を設けることにより製造される靴において、
中入れ底が、くり抜き部内周縁の非接地面側に、内方に張り出すフランジ部を有していると共に、このフランジ部を含めた中入れ底と中底との間に非透水性の透湿性部材が配設されていることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳述する。図において、1は本実施例の靴であり、中底2、中入れ底3、非透水性の透湿性部材4、中物5、表底6、アッパー7等を有して構成される。
【0010】
中底2はゴムや合成樹脂から構成され、踏付け部略中央部に厚み方向に貫通する貫通孔2aが複数形成されている。貫通孔2aの大きさ(孔径)及び数は、ビジネス用、スポーツ用など、靴の用途に応じて適宜変更することができ、例えば、スポーツ用などの場合には孔径を比較的大きくしたり、数を多めに設けたりして通気性を高めることができる。なお、中底2は、通気性があれば、必ずしもこのような貫通孔2aを有していなくてもよい。
【0011】
中入れ底3は、所定の型を用いて、バルカナイズ式又は射出成形法により形成される。すなわち、バルカナイズ式製法による場合は、左右両サイドの金型と底金型の間に未加硫ゴム片を入れ、加熱加圧して加硫しながら取り付け、射出成形法の場合は、液状の原料を金型の間に注入して取り付ける。
【0012】
また、中入れ底3の踏付け部中央付近には、くり抜き部3aが形成されている。このくり抜き部3aは軽量化のため設けるものであるが、本実施の形態ではさらに、中入れ底3のくり抜き部3aの内周縁の非接地面側に、内方に張り出すフランジ部3bが形成されている。このフランジ部3bは後述の非透水性の透湿性部材4を配設するために設けられるものであり、中入れ底3の重量が大きく増えないよう、できるだけ薄く形成することが好ましい。
【0013】
本実施の形態のような中入れ底3を形成するに当たっては、バルカナイズ式、射出成形法、いずれの場合も、くり抜き部3aを形成するため、例えば、底金型として、踏付け部中央付近に相当する上面部に、該くり抜き部3aの形状に対応した隆起部が形成されているものを用いる。より具体的には、該隆起部としては、その上面周縁部のみ多少低めにしたものを用いる。周縁部と他の部分との間で高さの差を有することにより、フランジ部3bが形成されることになる。
【0014】
非透水性の透湿性部材4は、中入れ底3のくり抜き部3aよりも大きな面積で中底2に設けた貫通孔2a及び後述の表底6に設けた貫通孔6a全体を覆うことが可能な形状を有している。この透湿性部材4は、非透水性の透湿膜41を挟んで、その一面に目の細かいシート42(例えば、ポリエステル織布又は不織布)、他面に目の粗いシート43(例えば、旭化成アピコ社製の商品名「トリコット」)が配設された3層構造となっている。非透水性の透湿膜41としては、水を通過させずに水蒸気のみ又は水蒸気と空気のみを通過させるものであればどのようなものであってもよく、例えば、日東電工社製、商品名「ミクロテックス」を用いることができる。なお、これら各層を構成する素材は、周縁部のみに接着剤が塗布されて固着されている。
【0015】
中物5は、中入れ底3に形成されたくり抜き部3a内に配設されるもので、従来公知の通気性を有する素材であれば何であってもよく、例えば、スポンジやコルク等を用いることができる。
【0016】
表底6は、中底2と同様、踏付け部中央付近に複数の貫通孔6aを有している。この貫通孔6aは、表底6の接地面側に形成されるトレッドパターンの凸部が歩行時の荷重を直接支えることになるので、図1に示すように、その凹部6bに設けることにより小石等の異物が詰まるおそれを少なくすることができる。なお、貫通孔6aは、通気性を確保するために設けられているものであるため、中底2と同様、表底6を構成する素材自体が通気性を有するものであれば、このような貫通孔を別途設けなくてもよい。
【0017】
次に、上記した靴の製造方法について説明する。
まず、上記した通気孔2aを有する中底2をラスト(図示せず)に仮止めし、アッパー7をつり込む。このつり込み作業までは、中底2として通気孔2aを有するものを用いるほかは、従来のバルカナイズ式製法や射出成形法と全く同様である。なお、アッパー7としては、靴の用途により、甲革のみ、あるいは図面に示したように甲革71のほかに裏革72を有するもののいずれであってもよい。
【0018】
次に、中底2の接地面側において、全ての通気孔2aを閉塞するように、非透水性の透湿性部材4で覆う。なお、非透水性の透湿性部材4は、予め、アッパー7のつり込み部7aと重ならないような大きさで形成しておく。非透水性の透湿性部材4は、目の細かいシート42が中底2の接地面と接触するような向きにして、その周縁部を接着剤などを用いて中底2に仮止めする。
【0019】
次に、アッパー7内にバルカナイズ式製法又は射出成形法で用いる金足型を挿入し、上記したような金型を用いて中入れ底3を形成する。中入れ底3には、フランジ部3bが形成されているため、このフランジ部3bを含めると、非透水性の透湿性部材4と中入れ底3との接着面積は、フランジ部3bを形成してない場合と比較してかなり大きくとれる。しかも、非透水性の透湿性部材4は、中入れ底3に対し目の粗いシート43が接合するように配設されているため、成形時に中入れ底3の形成材料が目の粗いシート43の隙間に入り込み、非透水性の透湿膜41と直接接合することになる。非透水性の透湿膜41と中入れ底3とが直接接合していない場合には、目の粗いシート43を伝わって水等が侵入するおそれがあるが、本実施の形態によればそのおそれがない。
【0020】
次に、中物5を中入れ底3に形成されたくり抜き部3aに装填し、表底6を取り付ける。表底6を取り付ける方法は、中入れ底3の接地面に接着剤を塗布して加圧密着させるセメンテッド式方法によってもよいし、中入れ底3に対して縫いつける方法等を採用してもよい。
【0021】
上記した方法により製造された靴によれば、歩行の際、着地したり、地面から離れたりすることにより、中底3に設けた貫通孔3a、非透水性の透湿性部材4、表底6の貫通孔6aを経て靴内で水蒸気に変わった汗が放出される。また、靴内の熱も放出される。その一方、非透水性の透湿性部材4が、その構成要素として非透水性の透湿膜41を有するため、表底6に設けた貫通孔6aからの水や埃が靴内に侵入することが防止される。
【0022】
【発明の効果】
本発明の靴によれば、非透水性の透湿性部材が中入れ底と密着して配設されているため、通気性が良好である一方で、表底の接地面側からの水や埃の侵入を防ぐことができる。しかも、軽量であるといった踏付け部中央付近にくり抜き部を有する中入れ底を備えた靴が本来有する特性を損なうこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の靴の一の実施の形態を示す横断面図である。
【図2】 同実施の形態の縦断面図である。
【符号の説明】
1 靴
2 中底
3 中入れ底
4 非透水性の透湿性部材
41 非透水性の透湿膜
42 目の細かいシート
43 目の粗いシート
5 中物
6 表底
7 アッパー
Claims (3)
- 通気性を有する中底にアッパーをつり込んだ後、バルカナイズ式又は射出成形法により踏付け部中央付近にくり抜き部を有する中入れ底を形成し、次に、該くり抜き部に中物を装填し、しかる後、通気性を有する表底を設けることにより製造される靴において、
中入れ底が、くり抜き部内周縁の非接地面側に、内方に張り出すフランジ部を有していると共に、このフランジ部を含めた中入れ底と中底との間に非透水性の透湿性部材が配設されていることを特徴とする靴。 - 前記非透水性の透湿性部材が、非透水性の透湿膜と、該透湿膜の一面に積層される目の細かいシートと、他面に積層される目の粗いシートとからなる請求項1記載の靴。
- 前記非透水性の透湿性部材が、目の粗いシート側を中入れ底と密着させて配設されている請求項2記載の靴。
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JP33254395A JP3725224B2 (ja) | 1995-11-29 | 1995-11-29 | 靴 |
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- 1995-11-29 JP JP33254395A patent/JP3725224B2/ja not_active Expired - Lifetime
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