JP3725038B2 - トラクタの昇降制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポジション制御弁を利用してロータリ耕耘装置を昇降制御して、耕深を安定維持するよう構成した機械式の昇降制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記昇降制御装置としては、特開平11−4603号公報に開示されたものが知られている。この昇降制御装置は、図10に示すように、ロータリ耕耘装置61の後カバー62の上昇揺動によって引き操作されるセンサワイヤ63のインナワイヤ63b先端と、昇降用のポジション制御バルブ64の調節レバー65とを連結するとともに、センサワイヤ63のアウターワイヤ63a端部をワイヤ支持アーム66に支持し、ポジションレバー67を調節レバー65に干渉しない下降側の限界位置に操作した状態で、自動耕深制御時の目標耕深を設定調節するオートレバー68によってワイヤ支持アーム66を位置変更して、センサワイヤ63全体を前後に移動させることで、ポジション制御弁64が中立バランスするロータリ耕耘装置61の対地高さ、つまり、自動耕深制御における目標耕深を変更調節するよう構成し、また、ポジションレバー67を前後に揺動して、バネ69によって下降側に回動付勢された調節レバー65を直接に接当操作して人為的にロータリ耕耘装置61の高さを変更調節するよう構成したものが知られている。
【0003】
上記構成の昇降制御装置においては、ポジションレバー67によってポジション制御弁64の調節レバー65を上昇U側に接当移動させる場合、調節レバー65の上昇側への移動に伴って、アウタワイヤ63aから前方に延出されたインナーワイヤ63bがたるむことになり、たるんだインナワイヤ63bが近くの装置部品に引っ掛かるおそれがある。そこで、インナワイヤ63b全体を後方に引き操作するように、後カバー62とセンサワイヤ63のインナワイヤ63bとを連係する回動リン70クの支点にたるみ取り用のねじりバネ71などを装備している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成によると、インナワイヤ83bの前端を前方に引き付勢する下降操作用のバネ69は、たるみ取り用のねじりバネ71の張力と、インナワイヤ63bとアウタワイヤ63aとの摺動抵抗とに打ち勝つだけの力を必要があり、センサワイヤ63が古くなって前記摺動抵抗が増えてくると、バネ69の張力でインナワイヤ63bを円滑に引き操作できなくなり、下降作動が円滑かつ迅速に行われなくなることがあった。
【0005】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、円滑かつ迅速な昇降作動を行わせることができるとともに、精度の高い耕深調節を行うことが可能な昇降制御装置を提供することを主たる目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1に係る発明の構成、作用および効果〕
【0007】
(構成) 請求項1に係る発明のトラクタの昇降制御装置は、リフトアーム昇降用のポジション制御バルブの調節レバーを、ポジションレバーによって上昇側に接当変位させるよう構成するとともに、ロータリ耕耘装置における耕耘カバーの後部に枢着される後カバーの上下揺動を検出するセンサワイヤにおけるインナワイヤの前端部と昇降用の前記ポジション制御バルブの調節レバーとを連係し、前記センサワイヤにおけるアウタワイヤの前端をオートレバーによって位置調節して自動耕深制御における耕深設定を行うよう構成してあるトラクタの昇降制御装置において、前記調節レバーとインナワイヤ前端部との連係部位に、調節レバーに対してインナワイヤ前端部が前方へ移動するのを許容し、調節レバーに対してインナワイヤ前端部が所定位置以上後方へ移動するの接当を阻止するインナワイヤ融通機構を備え、前記インナワイヤ融通機構は、前記調節レバーに前後揺動可能にワイヤ連係アームを取付け、このワイヤ連係アームの遊端部に前記インナワイヤの前端部を連結し、かつ、調節レバーに対するワイヤ連係アームの一定位置以上の後方への揺動を阻止する接当手段を備えることによって構成されていることを特徴とする。
【0008】
(作用) 上記構成によると、ポジション制御を行う時には、オートレバーを最深側である前方に大きく操作して、センサワイヤにおけるアウタワイヤの前端を大きく前方に移動させておく。この状態でポジションレバーを上昇側に操作して任意の高さを設定すると、ポジション制御バルブの調節レバーはポジションレバーに接当押圧されて上昇方向である後方に変位され、これによってポジション制御バルビの中立バランスが崩れてロータリ耕耘装置は上昇作動するとともに、その上昇作動がフィードバックされ、ロータリ耕耘装置がポジションレバーの操作位置に対応した高さまで上昇したところで上昇作動が停止する。このポジション制御では、オートレバーの前方操作によって、センサワイヤにおけるインナワイヤ後端が前方に変位され、インナーワイヤの前端側に余裕が形成され、後カバーの揺動に伴うインナワイヤの押し引きが調節レバーの作動に影響を与えることはない。
【0009】
自動耕深制御を行う時には、上記とは逆に、ポジションレバーを最深側である前方に大きく操作して、ポジションレバーがポジション制御バルブの調節レバーに干渉しないようにしておく。この状態でオートレバーを上昇側に操作して任意の耕深を設定すると、センサワイヤのアウタワイヤ前端部の位置がオートレバーの操作位置に応じた後方位置に移動する。これによってインナワイヤ前端部が融通機構の限界に達して、調節レバーに対する後方への相対移動が阻止された状態がもたらされ、後カバーが下方に揺動してインナワイヤが後方に引かれると調節レバーが後方(上昇側)に変位される状態となり、後カバーがオートレバーの操作位置に対応した所定の高さ位置に在る状態でポジション制御バルブが中立バランスする。そして、この中立バランス状態からロータリ耕耘装置が更に沈下すると、後カバーが持上げ揺動されてセンサワイヤのインナワイヤが後方に引かれ、調節レバーが後方に移動されて上昇制御がなされる。逆に、中立バランス状態からロータリ耕耘装置が浮き上がると、接地追従する後カバーが下方に揺動されてセンサワイヤのインナワイヤが弛められ、インナワイヤ前端部が前方に移行することで調節レバーが前方に移動されて下降制御がなされる。このように、この機械式の自動耕深制御は、ポジション制御における調節レバーの基準位置をオートレバーによって設定し、この時の耕深を基準耕深として、これからの耕深変化によって調節レバーを自動調節して実耕深を基準耕深に安定維持するものである。
【0010】
耕深を或る基準耕深に設定しての上記自動耕深制御において、圃場の端部(枕地)では機体の方向転換に際してロータリ耕耘装置を大きく上昇させる必要があり、この上昇にはオートレバーを所望の耕深設定位置に残したままでポジションレバーをオートレバーよりも上昇側に大きく操作し、ポジション制御バルブの調節レバーを強制的に大きく上昇側に接当移動させることになる。その後、機体の方向転換が終わると再びポジションレバーをオートレバーを超えて最深位置に操作することで、自動耕深制御状態にしてオートレバーで設定してある元の基準耕深まで自動下降させてゆく。
この場合、ポジションレバーで上昇位置に接当操作した調節レバーを下降側である前方に作動させる時に、ロータリ耕耘装置の先の上昇によって弛んでいるセンサワイヤのインナワイヤ前端部が、融通機構を介して既に前方に移動しているので、ポジションレバーを下降方向に操作して調節レバーの上昇方向への接当を解除して調節レバーを自由にすると、調節レバーはポジション制御バルブの付勢作用によって下降側に作動する。この際、融通の限界に到達するまでは、調節レバーはインナワイヤの影響を受けることなく速やかに前方に作動し、ロータリ耕耘装置は、オートレバーで設定してある基準耕深まで速やかに下降してゆく。
【0011】
また、上記構成によると、インナワイヤ前端部の前方(下降側)への融通移動が、ワイヤ支持アームの揺動として実行されるので、インナワイヤ前端部の融通移動が円滑なものとなる。
【0012】
【0013】
(効果) 従って、請求項1に係る発明によると、センサワイヤにおけるアウタワイヤとインナワイヤとの摺動抵抗が増えても、上昇位置からの下降作動を円滑かつ迅速に行わせることが可能となった。
【0014】
また、インナワイヤ前端部の前方(下降側)への融通移動が、ワイヤ連係アームの揺動として実行されるので、インナワイヤ前端部の融通移動が円滑なものとなり、より好適に実施することができる。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
〔請求項2に係る発明の構成、作用および効果〕
【0031】
(構成) 請求項2に係る発明のトラクタの昇降制御装置は、請求項1の発明において、前記耕耘カバーに枢支した後カバーの遊端部の上下方向変位に略比例して、前記センサワイヤにおけるインナワイヤの後端部を押し引き変位させるセンサワイヤ操作機構を耕耘カバーに備えてあることを特徴とする。
【0032】
(作用) 上記構成によると、上端を支点に揺動する後カバーの下端接地部位は円弧軌跡で移動するので、耕深が浅い範囲では単位耕深変化に対する後カバーの揺動角度は大きく、耕深が深い範囲では単位耕深変化に対する後カバーの揺動角度は小さいものとなる。ここで、後カバーの遊端部の上下方向変位に略比例して、センサワイヤにおけるインナワイヤの後端部を押し引き変位させるセンサワイヤ操作機構を導入することで、耕深変化に略比例してポジション制御バルブノ 調節レバーを変位佐作動させることができる。
【0033】
(効果) 従って、請求項2に係る発明によると、請求項1の発明の上記効果をもたらすとともに、実際の耕深変化に対応して昇降制御して目標耕深を精度よく維持することができる。
【0034】
〔請求項3に係る発明の構成、作用および効果〕
【0035】
(構成) 請求項3に係る発明のトラクタの昇降制御装置は、請求項2の発明において、前記センサワイヤ操作機構を構成するに、前記耕耘カバーに揺動リンクを枢支し、この揺動リンクの後部と前記後カバーとをリンク連動するとともに、揺動リンクの前部に前記センサワイヤにおけるインナワイヤの後端部を連結し、後カバーの揺動範囲の下半領域では、揺動リンクの前部が前後移動成分の小さい回動軌跡に沿って揺動変位し、後カバーの揺動範囲の上半領域では、揺動リンクの前部が前後移動成分の大きい回動軌跡に沿って揺動変位するよう設定してあることを特徴とする。
【0036】
(作用) 上記構成によると、耕深が浅い領域では単位耕深変化に対する後カバーの揺動角度は大きいが、揺動リンクの前後移動成分の小さい回動軌跡においてインナワイヤの後端部を押し引きすることで、後カバーの揺動角度の割りにはインナワイヤの変位量が小さくなる。また、耕深が深い領域では単位耕深変化に対する後カバーの揺動角度は小さいが、揺動リンクの前後移動成分の大きい回動軌跡においてインナワイヤの後端部を押し引きすることで、後カバーの揺動角度の割りにはインナワイヤの変位量が大きくなる。その結果、全耕深範囲において、単位耕深変化に対するインナワイヤの変位量が均一化される。
【0037】
(効果) 従って、請求項3に係る発明によると、請求項2の発明の上記効果をもたらすとともに、全耕深範囲において、均一な精度での自動耕深制御を好適に行うことができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
図1に、ロータリ耕耘仕様に構成された農用トラクタの後部側面が示されている。この農用トラクタは、トラクタ本機1の後部に、3点リンク機構2を介してロータリ耕耘装置3が連結され、内臓したリフトシリンダ4によって上下揺動可能に油圧駆動されるリフトアーム5で前記3点リンク機構2が駆動昇降されるようになっている。
【0039】
図5の制御用油圧回路に示されるように、単動型に構成された前記リフトシリンダ4はポジション制御バルブ6よって作動制御されるものであり、このポジションバルブ6には、主スプール7、下降用バルブ8、リリーフバルブ9、アンロードバルブ10、等が含まれており、リフトシリンダ4とポジション制御バルブ6とは落下速度調整バルブ11を介して接続されている。
【0040】
前記ポジション制御バルブ6は、トラクタ本機1における後部ミッションケース12の上部一側に装備されており、図3に示すように、主スプール7の突出部に連結した操作金具7aに天秤揺動可能に連結リンク21が枢支連結されるとともに、この連結リンク21の両端に、調節レバー軸22の内端に連設した偏心ピン22aと、フィードバックレバー軸23の内端に連設した偏心ピン23aとがそれぞれ係止連結されている。
【0041】
調節レバー軸22の外端部には調節レバー22bが固着されるとともに、フィードバックレバー軸23の外端部にはフィードバックレバー23bが固着されており、調節レバー22bが回動されて連結リンク21がフィードバックレバー軸23の偏心ピン23aとの係止点を中心にして揺動して、主スプール7が上昇側あるいは下降側にシフトされ、リフトシリンダ4を介してリフトアーム5が駆動上昇作動あるいは自重下降作動する。このリフトアーム5が作動すると、その作動がフィードバックリンク24およびフィードバックレバー23bを介してフィードバックレバー軸23の回動に変換され、主スプール7は、連結リンク21を介して逆方向にシフトされ、調節レバー22bの回動操作位置に対応した所定の回動位置までフィードバックレバー23bが回動されると主スプール7は中立に復帰し、昇降作動が停止する。つまり、調節レバー22bを任意に回動操作することで、リフトアーム5を調節レバー22bに対応した位置にまで昇降させるポジション制御機構が構成されている。
【0042】
前記調節レバー22bの前側近傍には、人為的に作業高さを設定するポジションレバー31と、自動耕深制御時の目標耕深設定を行うオートレバー32とが、支点a周りに前後揺動可能に配備されており、先ず、ポジションレバー31による昇降操作について説明する。なお、この場合、図6に示すように、オートレバー32は、最前方の「オート切り」位置に操作しておく。
【0043】
前記ポジション制御弁6の主スプール7はコイルバネ25によって突出方向、つまり、下降方向に付勢されており、これに伴って調節レバー22bは、図において時計方向に回動付勢されて、前記ポジションレバー21に後方から接当している。従って、ポジションレバー31を後方(図中、反時計方向)に向けて揺動するに連れて、調節レバー22bは付勢力に抗して回動され、リフトアーム5は調節レバー22bに対応した位置まで上昇される。逆に、ポジションレバー31を前方(図中、時計方向)に向けて揺動するに連れて、回動付勢されている調節レバー22bはポジションレバー31に追従して回動し、リフトアーム5は調節レバー22bに対応した位置まで下降する。なお、ポジションレバー31を、最前方位置に操作した状態では、リフトアーム5の下降に伴うフィードバックにかかわらず、ポジション制御弁6は中立復帰されないようになっており、リフトアーム5が機械的な下限まで自重下降可能な状態、いわゆるフローティング状態がもたらされる。
【0044】
次に、前記オートレバー32による耕深設定構造および自動耕深制御機構について説明する。
【0045】
図4および図5に示すように、前記ロータリ耕耘装置3におけるロータ部3aを上方から覆う耕耘カバー33の後端には、耕耘中の土の飛散を防止するとともに耕耘跡を均平化する後カバー34が、支点b周りに上下揺動可能に装備されている。耕耘カバー33の後部上方には支点c周りに揺動可能に揺動リンク35が装備されるとともに、この揺動リンク35の後端と後カバー34とに亘って連動リンク36が架設され、耕耘カバー33の上部にアウタワイヤ37aの後端を連結支持したセンサワイヤ37のインナワイヤ37b後端が、前記揺動リンク35の前端部にピン連結されている。これによって、ロータリ耕耘装置3が下降して後カバー34が圃場面との接触によって相対的に持上げ揺動されると、これに伴って揺動リンク35が時計方向に揺動されてインナワイヤが後方に引き操作され、また、逆に、ロータリ耕耘装置3が上昇して後カバー34が圃場面に追従して下降揺動されると、これに伴って揺動リンク35が反時計方向に揺動されてインナワイヤが前方に押し弛め操作されるようになっている。
【0046】
ここで、後カバー34が大きく下がっている領域では、揺動リンク35は前後方向に倒れ込んだ姿勢で作動し、後カバー34の単位揺動角度に対するワイヤ連結点pの前後方向移動量が少なく、逆に、後カバー34が大きく持上げられる領域では、揺動リンク35は起立した姿勢で作動し、後カバー34の単位揺動角度に対するワイヤ連結点pの前後方向移動量が多くなるように、ワイヤ連結点pの位置が設定されている。つまり、後カバー34の後端の上下方向の変位量に対するワイヤ連結点pの前後方向変位量が、後カバー34の揺動領域の全体において略一定になるように設定され、もって、耕深変化に対するセンサワイヤ操作量の均一化が図られている。
【0047】
前記センサワイヤ37はレリーズワイヤからなり、そのアウタワイヤ37aの後端部が耕耘カバー33の上部に連結支持されるとともに、そのインナワイヤ37bの後端が前記揺動リンク35の前端にピン連結されている。そして、センサワイヤ37はトラクタ本機1側に延出されて、後部ミッションケース17の右側個所において、前記ポジション制御弁6の調節レバー22bに、以下に示すように連動連結されている。
【0048】
図2に示すように、後部ミッションケース12には、支点d周りに前後揺動可能にワイヤ支持アーム41が装備されており、このワイヤ支持アーム41の遊端部にセンサワイヤ37におけるアウタワイヤ37aの前端部が支持されている。
また、前記調節レバー22bには、支点e周りに前後揺動可能にワイヤ連係アーム42が枢支連結されており、このワイヤ連係アーム42の遊端部にアウタワイヤ37aの前端部から導出されたインナワイヤ37bの前端が脱着自在にピン連結されている。
【0049】
また、前記ワイヤ連係アーム42は、調節レバー22bに連設した舌片22cとの接当によって後方への揺動が制限されるとともに、支点eに装着したねじりバネ43によって前方に揺動付勢され、これによって、インナワイヤ37bが常に前方へ引き付勢されるようになっている。
【0050】
つまり、調節レバー22bとインナワイヤ前端部との連係部位に、調節レバー22bに対してインナワイヤ前端部が前方へ移動するのを許容し、調節レバー22bに対してインナワイヤ前端部が所定位置以上後方へ移動するの接当阻止するインナワイヤ融通機構38が構成されているのである。
【0051】
前記ワイヤ支持アーム41と前記オートレバー32とが屈曲形成された連係ロッド44で連動連結され、オートレバー32を後方(浅い側)に揺動するほど、アウタワイヤ37aの前端部が後方に移動されるようになっている。
【0052】
次に、上記構成による自動耕深制御作動、および、その耕深調節作動について説明する。なお、自動耕深制御を行う場合に、基本的には、図2に示すように、ポジションレバー31を前方限界の最下降位置にまで操作しておく。
【0053】
ポジションレバー31を最下降位置に操作するとともに、オートレバー32を、自動耕深制御が利かない最前方位置に操作したフローティング状態では、ロータリ耕耘装置3は下降限界にまで下降し、後カバー34が地面との接触によって大きく持ち上げられた状態にある。この時、後カバー34の持ち上げによってセンサワイヤ37のインナーワイヤ37bが後方に大きく引かれているが、オートレバー32の前方操作によってワイヤ支持アーム41も大きく前方に揺動されて、センサワイヤ37全体が前方に移動されているので、調節レバー22bはインナーワイヤ37bによって作動が制限されることなく、前方(下降側D)に回動している。
【0054】
この状態から、オートレバー32を後方に移動操作して或る耕深位置にセットすると、ワイヤ支持アーム41の後方揺動によってアウターワイヤ37aの前端部が後方に移動し、ワイヤ連係アーム43が調節レバー22bに対して後方限界まで移動し、さらにワイヤ支持アーム41が後方に揺動することで、調節レバー22bが強制的に後方(上昇側U)に揺動され、調節レバー22bとフィードバックアーム23bとのバランスが崩れて、リフトアーム5が駆動上昇作動してロータリ耕耘装置3が上昇される。
【0055】
ロータリ耕耘装置3が上昇してゆくと、接地追従する後カバー34が相対的に下降揺動して、センサワイヤ37のインナーワイヤ37bが弛められる。これに伴ってワイヤ連係アーム42がねじりバネ43によって前方に揺動されとともに、前方に不正されている調節レバー22bが前方に移動する。これによって、リフトアーム5の上昇に伴うフィードバックアーム23aの回動位置と調節レバー22bの位置とがバランスした状態に到ってポジション制御バルブ6が中立状態となり、ロータリ耕耘装置3の上昇作動が停止する。図2はポジション制御バルブ6が中立バランスした状態を示し、この時ロータリ耕耘装置3は、オートレバー32によって設定された目標耕深に維持されることになり、以降は、この状態を基準状態にして自動的に耕深制御が行われる。
【0056】
上記基準状態で耕耘作業を行っていて、例えば、トラクタ本機1の前輪が圃場の隆起に乗りあがったり、後輪が圃場の凹部に落ち込んだりして、機体が前上がり傾斜すると、ロータリ耕耘装置3が目標耕深よりも深くなりかかるが、これに伴って後カバー34が持ち上げ揺動され、センサワイヤ37のインナワイヤ37bが引き操作されるとともに、ワイヤ連係アーム42に後方への操作力が作用する。に揺動されて操作リンク42が後方に移動する。
【0057】
ここで、前記基準状態では、調節レバー22bの舌辺22cにワイヤ連係アーム42が接当係合されて調節レバー22bが所定の目標耕深位置に保持されているので、上記のように耕深が深くなってインナワイヤ37bが引き操作されると、ワイヤ連係アーム42が接当係合されている調節レバー22bは目標耕深位置を超えて後方(上昇側U)に回動操作され、ロータリ耕耘装置3が駆動上昇される。そして、後カバー34が元の姿勢にまで復元すると上昇作動が停止して、元の耕深に戻される。
【0058】
また、上記基準状態で耕耘作業を行っていて、例えば、トラクタ本機1の後輪が圃場の隆起に乗りあがったり、前輪が圃場の凹部に落ち込んだりして、機体が前下がり傾斜すると、ロータリ耕耘装置3が目標耕深よりも浅くなりかかるが、これに伴って後カバー34が垂れ下がり揺動し、センサワイヤ37のインナワイヤ37bが弛められる。
【0059】
インナワイヤ37bが弛められると、ワイヤ連係アーム42が前方に揺動され、これに追従して調節レバー22bが目標耕深位置より前方(下降側D)に揺動し、ロータリ耕耘装置3が自重によって下降する。そして、後カバー34が元の姿勢にまで持ち上げ揺動されると、下降作動が停止して元の耕深に戻される。
【0060】
そして、オートレバー32を後方に調節移動するほど、ワイヤ連係アーム42を介して調節レバー22bを支持するインナワイヤ37bの位置が後方に位置することになり、後カバー34が振り下がった状態、つまり、浅い耕耘状態が設定されることになる。逆に、オートレバー32を前方に調節移動するほど、ワイヤ連係アーム42を介して調節レバー22bを支持するインナワイヤ37bの位置が前方に位置することになり、後カバー34が持ち上がった状態、つまり、深い耕耘状態が設定されることになる。
【0061】
また、図6中に示すように、オートレバー32を最前方の「オート切り」位置にセットすると、センサワイヤ37全体が大きく前方に移動されるので、ワイヤ連係アーム42が前方に大きく振られて調節レバー22bとの接当連係が解除される。従って、このようにオートレバー32を最前方の「切」位置に操作した状態では、ロータリ耕耘装置3が大きく下降されて後カバー34が地面に接触して相対的に持ち上げられてインナワイヤ37bが後方に引かれても、ワイヤ連係アーム42で調節レバー22bを接当支持することが不能となる。つまり、センサワイヤ37の作動によって調節レバー22bが操作されることがない自動耕深制御オフ状態がもたらされるのである。
【0062】
上記自動耕深制御を利用しての耕耘作業中において、一行程の作業走行が終了して畦際に到ると、図7に示すように、ポジションレバー31をオートレバー32よりも上昇側に操作することで、調節レバー23bをポジションレバー31で直接に上昇側Uに回動させてロータリ耕耘装置3を強制上昇させる。そして、畦際での機体方向転換が終了した後、ポジションレバー31をオートレバー32を越えて最下降位置にまで操作することで、再び元の自動耕深制御状態に復帰して目標耕深まで下降作動させることができる。
【0063】
この場合、ロータリ耕耘装置3を一旦大きく上昇させると、図7中に示すように、後カバー34が最大限に振り下がることによってインナワイヤ37bが弛められるので、揺動付勢されているワイヤ連係アーム42が前方に揺動することになり、次にポジションレバー31が大きく前方に操作されて自動耕深制御状態に戻る時に、調節レバー23bはセンサワイヤ37の摺動抵抗に関係なく軽く前方に移動できる状態になり、ポジション制御バルブは円滑に下降状態に切換えられ、ロータリ耕耘装置3は速やかに下降してゆく。
【0064】
〔別実施形態〕 本発明は、前記インナワイヤ融通機構38を、以下のような形態に変形して実施することも可能である。
【0065】
[1] 図8に示すように、調節レバー23bに、前後方向に向かう長孔51を備えたガイド部材52を固着し、この長孔51に、前記センサワイヤ37におけるインナワイヤ37bの前端ピン53を一定範囲内で前後移動可能に係入したガイド機構を導入するとともに、その前端ピン53をバネ54によって前方に付勢しておくことによっても、上記例と同等の機能を発揮させることができる。
【0066】
[2] 図9に示すように、調節レバー23bに回動自在に装着したワイヤ支持部材としての球支点ピン55に、センサワイヤ37におけるインナワイヤ37bを前後摺動自在に挿通するとともに、インナワイヤ37bの前端ピン53を球支点ピン55に接当させてインナワイヤ前端部の後方への抜け止めとしたガイド機構を導入するとともに、インナワイヤ37bの前端ピン53をバネ54によって前方に付勢しておくことによっても、上記例と同等の機能を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 トラクタ後部の側面図
【図2】 自動耕深制御モードにおける制御バルブ操作部の側面図
【図3】 ポジション制御バルブおよびその操作部を示す正面図
【図4】 後カバーとセンサワイヤとの連係構造を示す側面図
【図5】 昇降用の油圧回路図
【図6】 ポジション制御モード(オート切り)における制御バルブ操作部の側面図
【図7】 自動耕深制御モードにおいてポジションレバーで上昇操作を行った状態を示す制御バルブ操作部の側面図
【図8】 インナワイヤ融通機構の別実施形態を示す側面図
【図9】 インナワイヤ融通機構の更に別実施形態を示す側面図
【図10】 従来の制御バルブ操作部の概略側面図
【符号の説明】
6 ポジション制御バルブ
22b 調節レバー
31 ポジションレバー
32 オートレバー
33 耕耘カバー
34 後カバー
37 センサワイヤ
37a アウタワイヤ
37b インナワイヤ
38 インナワイヤ融通機構
41 ワイヤ支持アーム
42 ワイヤ連係アーム
53 前端ピン
55 ワイヤ支持部材(球支点ピン)
Claims (3)
- リフトアーム昇降用のポジション制御バルブの調節レバーを、ポジションレバーによって上昇側に接当変位させるよう構成するとともに、ロータリ耕耘装置における耕耘カバーの後部に枢着される後カバーの上下揺動を検出するセンサワイヤにおけるインナワイヤの前端部と昇降用の前記ポジション制御バルブの調節レバーとを連係し、前記センサワイヤにおけるアウタワイヤの前端をオートレバーによって位置調節して自動耕深制御における耕深設定を行うよう構成してあるトラクタの昇降制御装置において、
前記調節レバーとインナーワイヤ前端部との連係部位に、調節レバーに対してインナワイヤ前端部が前方へ移動するのを許容し、調節レバーに対してインナワイヤ前端部が所定位置以上後方へ移動するの接当を阻止するインナワイヤ融通機構を備え、
前記インナワイヤ融通機構は、前記調節レバーに前後揺動可能にワイヤ連係アームを取付け、このワイヤ連係アームの遊端部に前記インナワイヤの前端部を連結し、かつ、調節レバーに対するワイヤ連係アームの一定位置以上の後方への揺動を阻止する接当手段を備えることによって構成されていることを特徴とするトラクタの昇降制御装置。 - 請求項1記載のトラクタの昇降制御装置であって、
前記耕耘カバーに枢支した後カバーの遊端部の上下方向変位に略比例して、前記センサワイヤにおけるインナワイヤの後端部を押し引き変位させるセンサワイヤ操作機構を耕耘カバーに備えてあることを特徴とするトラクタの昇降制御装置。 - 請求項2記載のトラクタの昇降制御装置であって、
前記センサワイヤ操作機構を構成するに、前記耕耘カバーに揺動リンクを枢支し、この揺動リンクの後部と前記後カバーとをリンク連動するとともに、揺動リンクの前部に前記センサワイヤにおけるインナワイヤの後端部を連結し、後カバーの揺動範囲の下半領域では、揺動リンクの前部が前後移動成分の小さい回動軌跡に沿って揺動変位し、後カバーの揺動範囲の上半領域では、揺動リンクの前部が前後移動成分の大きい回動軌跡に沿って揺動変位するよう設定してあることを特徴とするトラクタの昇降制御装置。
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