JP3721583B2 - 抗炎症剤 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、抗炎症作用、解熱作用、鎮痛作用、坑リウマチ作用および抗アレルギー作用を有する5−アミノ−2−フェノキシスルホンアニリド化合物を有効成分として含有することを特徴とする抗炎症剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
2−フェノキシスルホンアニリド化合物は種々の化合物が知られているが、このうち本発明化合物に構造の近いものとしては米国特許第3,840,597号明細書が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の明細書に記載のある化合物は薬効が十分でなかった。
【0004】
本発明の目的は、抗炎症作用、解熱作用、鎮痛作用、坑リウマチ作用および抗アレルギー作用を有する優れた薬剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題の解決を目的に鋭意検討した結果、下記に表される5−アミノ−2−フェノキシスルホンアニリド化合物を有効成分として含有する抗炎症剤が目的を達成できることを見い出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、式(I)
【0007】
【0008】
で表される5−アミノ−2−フェノキシスルホンアニリド化合物またはその塩を有効成分として含有することを特徴とする抗炎症剤である。
【0009】
本発明において、塩とはナトリウム、カリウムなどとのアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウムなどとのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩及びメチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、エタノールアミン、ピリジン、リジン、アルギニンなどの有機塩基との塩である。
【0010】
本発明の抗炎症剤の有効成分である式(I)の化合物は、例えば、下記に示す(a)〜(f)の製造工程により得ることができる。
【0011】
(a)まず、2−フルオロ−5−ニトロアニリンに、メタンスルホン酸またはその反応性誘導体(例えば、酸ハロゲン化物、酸無水物など)を反応させることにより、式(II)
【0012】
【0013】
で表される化合物を得ることができる。
【0014】
本反応においてメタンスルホン酸を使用する場合には、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドなどの縮合剤の存在下に行うのが好ましい。また、反応性誘導体を使用する場合には塩基存在下で行うのが好ましく、塩基としては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの無機塩基またはトリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、4−メチルモルホリン、1−メチルピペリジン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジンなどの有機塩基が挙げられる。
【0015】
本反応は、通常溶媒中で行われ、溶媒としてはジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、アセトニトリル、水、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
【0016】
(b)次に、式(II)の化合物にフェノールを塩基存在下、反応させることにより、式(III)
【0017】
【0018】
で表される化合物を得ることができる。
【0019】
本反応における塩基としては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物、金属ナトリウム、ナトリウムアミドなどの無機塩基またはトリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジンなどの有機塩基などが挙げられる。
【0020】
本反応は、無溶媒またはジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、石油エーテル、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、クロロホルム、水などの溶媒を任意に選択して行うことができる。
【0021】
本反応においては、ヨウ化カリウム、トリス〔2―(2―メトキシエトキシ)エチル〕アミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミドなどの4級アンモニウム塩、18−クラウン−6 エーテルなどのクラウンエーテルなどを加えることにより反応を加速することもできる。
【0022】
(c)次いで、式(III)の化合物のニトロ基を還元することにより、
式(IV)
【0023】
【0024】
で表される化合物を得ることができる。
【0025】
還元はニトロ基を還元してアミノ基とする通常の還元方法でよく、例えばパラジウム−炭素、ラネーニッケル、白金などを触媒として用いる接触還元、鉄や錫を用いる還元、硫化ナトリウム−塩化アンモニウムを用いる還元、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウムなどを用いる還元などが挙げられる。
【0026】
本反応に用いる溶媒としては、還元方法により任意に選択すればよく、一般的にはメタノール、エタノール、n−プロパノールなどのアルコール、水、酢酸、酢酸エチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリルなどが挙げられる。
【0027】
(d)次いで、式(IV)の化合物と式(V)
Cl−CO−R (V)
(式中、Rは炭素原子数1〜5個のアルキル基、炭素原子数1〜5個のアルコキシ基または炭素原子数2〜6個のアルコキシカルボニル基を示す。)または
式(VI)
(R−CO)2O (VI)
(式中、Rは炭素原子数1〜5個のアルキル基、炭素原子数1〜5個のアルコキシ基または炭素原子数2〜6個のアルコキシカルボニル基を示す。)で表される化合物を反応させることにより、
式(VII)
【0028】
【0029】
(式中、Rは前記と同意義である。)で表される化合物を得ることができる。
【0030】
本反応は塩基存在化に行うのが好ましく、塩基としては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物、金属ナトリウム、ナトリウムアミドなどの無機塩基またはトリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジンなどの有機塩基などが挙げられる。
【0031】
本反応は、無溶媒またはジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、石油エーテル、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ピリジン、酢酸エチル、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、クロロホルム、水などの溶媒を任意に選択して行うことができる。
【0032】
(e)次いで、式(VII)の化合物を硝酸または硝酸塩などのニトロ化剤を用いてニトロ化することにより、
式(VIII)
【0033】
【0034】
(式中、Rは前記と同意義である。)で表される化合物を得ることができる。
【0035】
ニトロ化反応における硝酸塩としては硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸鉄、硝酸ウレアなどを用いることができ、使用する溶媒としてはニトロ化剤に応じて任意に選択するのが好ましく、酢酸、無水酢酸、トリフルオロ酢酸、硫酸、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、ジオキサン、エタノールなどが挙げられる。
【0036】
(f)最後に、式(VIII)の化合物を加水分解することにより、本発明の式(I)の化合物を得ることができる。
【0037】
本反応における加水分解は、塩基性条件あるいは酸性条件における通常のアミドの加水分解方法であり、例えば塩基性条件としては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、t−ブトキシカリウムなどを使用する方法、また、酸性条件としては塩酸、臭化水素酸、硫酸などを用いる方法が挙げられる。
【0038】
本反応で使用する溶媒は、水、メタノール、エタノール、プロパノール、t−ブタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、蟻酸、酢酸などが挙げられるが、加水分解の条件により適宜選択するのが好ましい。
【0039】
本発明の化合物は、経口または非経口的に慣用の投与剤型で投与することができる。これらは、例えば錠剤、粉剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、液剤、乳剤、懸濁剤、注射剤などであり、いずれも通常の方法により製造することができる。人に対して抗炎症剤、解熱剤、鎮痛剤および抗アレルギー剤として用いる場合、その投与量は、年齢、体重、症状、投与経路、投与回数などによって異なるが、通常1日当り5〜1000mgである。
【0040】
【発明の効果】
本発明の有効成分である化合物は、強い抗炎症作用、解熱作用、鎮痛作用、抗アレルギー作用および坑リウマチ作用などを示し、消化管障害などの副作用が少ないため、本発明は抗炎症剤、解熱剤、鎮痛剤、坑リウマチ剤および抗アレルギー剤として有用である。
【0041】
【実施例】
次に、製造例、実施例および試験例を挙げ本発明を更に詳細に説明する。
【0042】
製造例1
(1)2−フルオロ−5−ニトロアニリン52.1gを含むピリジン334ml溶液に、氷冷下、メタンスルホニルクロリド42.1gを加え、室温で7時間攪拌した。反応液に水を加え、析出物を瀘取後、粗結晶をエタノールで再結晶して淡黄色針状晶のN−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)メタンスルホンアミド56.9gを得た。
【0043】
m.p.162.5〜163.5℃
【0044】
(2)フェノール73.5gおよび水酸化ナトリウム31.2gを含む250ml水溶液に、N−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)メタンスルホンアミド50.0gを加え、5時間還流後、反応液を氷冷し、撹拌下、36%塩酸50ml、エタノール200mlを順に加えた。析出物を瀘取後、水、エタノールの順で洗浄し、風乾して黄色プリズム晶のN−(5−ニトロ−2−フェノキシフェニル)メタンスルホンアミド52.2gを得た。
【0045】
m.p.112〜113.5℃
【0046】
(3)N−(5−ニトロ−2−フェノキシフェニル)メタンスルホンアミド52.1gに塩化アンモニウム2.7gを含む51ml水溶液を加え、80℃に加熱撹拌下、鉄粉42.5gを加え、2時間撹拌した。反応物を50℃まで冷却後、酢酸エチルおよび水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水の順で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をエタノールで再結晶してN−(5−アミノ−2−フェノキシフェニル)メタンスルホンアミド29.6gを得た。
【0047】
m.p.111.5〜113.5℃
【0048】
(4)オキサリルクロリド13.7gを含むジクロロメタン180ml溶液に氷冷下、n−ペンタノール9.5g次いでピリジン8.5gを加え、5分間撹拌した。反応液を−78℃に冷却下、N−(5−アミノ−2−フェノキシフェニル)メタンスルホンアミド20.0gおよびピリジン8.5gを含むジクロロメタン70ml溶液を加え、室温で10分間撹拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出後、有機層を水、3規定塩酸、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をエタノールで再結晶して、無色結晶のN−[5−(n−ペンチル)オキサリルアミノ−2−フェノキシフェニル]メタンスルホンアミド17.2gを得た。
【0049】
m.p.164〜165℃
【0050】
(5)N−[5−(n−ペンチル)オキサリルアミノ−2−フェノキシフェニル]メタンスルホンアミド17.1gを含む酢酸60ml溶液に、90℃で加熱攪拌下、60%硝酸2.7gを加え、10分間攪拌した。反応液を室温に戻し、水を加え、析出物を瀘取後、エタノールで再結晶して黄色針状晶のN−[4−ニトロ−5−(n−ペンチル)オキサリルアミノ−2−フェノキシフェニル]メタンスルホンアミド11.5gを得た。
【0051】
m.p.123.5〜125.5℃
【0052】
(6)N−[4−ニトロ−5−(n−ペンチル)オキサリルアミノ−2−フェノキシフェニル]メタンスルホンアミド2.5gを含むテトラヒドロフラン25ml溶液に室温で10%水酸化ナトリウム水溶液25mlを加え、10分間撹拌した。反応液に3規定塩酸を加え中和した後、酢酸エチルで抽出後、有機層を水、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をアセトン−n−ヘキサンで再結晶して、橙色針状晶のN−(5−アミノ−4−ニトロ−2−フェノキシフェニル)メタンスルホンアミド1.6gを得た。
【0053】
m.p.175〜176℃
【0054】
実施例1
錠剤;1錠中に下記の成分を有する。
【0055】
【0056】
実施例2
カプセル剤;1カプセル中に下記の成分を有する。
【0057】
【0058】
実施例3
顆粒剤;1包中に下記の成分を有する。
【0059】
【0060】
試験例1〔カラゲニン足浮腫抑制試験〕
カラゲニン足浮腫抑制試験はウインターらの方法[Proc.Soc.Exp.Biol.Med.第111巻、第544頁(1962年)]に準拠して行った。
【0061】
ウイスター系ラット(1群6匹)を用い、5%アラビアゴム水溶液に懸濁した検体[本発明化合物(a)および対照薬(b)]を体重100g当り1mlの投与量で経口投与した。1時間後、1%カラゲニンを左肢足蹠に0.1ml皮下投与した。カラゲニン投与3時間後、足容積を測定し、その浮腫抑制率(%)を求めて抗炎症作用を調べた。
【0062】
尚、検体の投与量は0.3mg/kgとした。
【0063】
試験例2〔アジュバント関節炎(治療)試験〕
アジュバント関節炎(治療)試験は、ウインターらの方法[Arthritis Rheum.、第12巻、第472頁(1969年)]に準拠して行った。
【0064】
ルイス系ラット(1群7匹)の左肢足蹠に、流動パラフィンに懸濁した0.7%マイコバクテリウム ツベルクローシスを皮下注射してアジュバント関節炎を惹起した。アジュバント投与15〜18日間後、十分発症した関節炎ラットを用い、5%アラビアゴム水溶液に懸濁した検体[本発明化合物(a)および対照薬(b)]を体重100g当り1mlの投与量で1日1回4日間経口投与した。
【0065】
最終投与の翌日足容積を測定し、その腫脹抑制率(%)を求めて治療効果を調べた。検体の投与用量は0.2mg/kgとした。
【0066】
試験例3〔アジュバント関節炎(疼痛)試験〕
アジュバント関節炎(疼痛)試験は葛野らの方法[Chem.Pharm.Bull.、第23巻、第6号、第1184頁(1975年)]に準拠して行った。
【0067】
ルイス系ラット(1群10匹)の左肢足蹠に、流動パラフィンに懸濁した0.7%マイコバクテリウム ツベルクローシスを皮下注射してアジュバント関節炎を惹起した。アジュバント投与15〜18日間後、右後肢足関節の屈曲伸展刺激疼痛に対して鳴啼反応を示す関節炎ラットを用い、5%アラビアゴム水溶液に懸濁した検体[本発明化合物(a)および対照薬(b)]を体重100g当り1mlの投与量で経口投与した。投与後5時間目まで経時的に鳴啼反応の有無を測定し、その抑制率(%)を求めて鎮痛作用を調べた。検体の投与用量は1.0mg/kgとした。
【0068】
以上、試験例1〜3の結果をまとめて表1に示した。
【0069】
【表1】
【0070】
本発明化合物(a);N―(5―アミノ―4―ニトロ―2―フェノキシフェニル)メタンスルホンアミド
対照薬(b);N―(4―ニトロ―2―フェノキシフェニル)メタンスルホンアミド
【0071】
試験例4[IL−1産生抑制試験]
ヘパリン処理した正常人末梢血を無菌条件下でリンホプレップ(第一製薬)に重層して赤血球を除去後、細胞を牛胎児血清10%、ペニシリン100U/ml、ストレプトマイシン100U/ml、ヘペス緩衝液10mMおよびL−グルタミン2mMを加えたRPMI−1640培地(ギブコ社)に浮遊させて細胞数を2×106cells/mlに調製した。
【0072】
調製した細胞浮遊液500μl、ConA(シグマ社)2.0μgおよび検体[本発明化合物(a)および対照化合物(b)]の上記培地溶液250μlをマイクロプレート(平底24穴、イワキガラス社製)に添加し、5%CO2インキ ュベーターで48時間培養した。検体の培地溶液は検体をエタノールで溶解後、エタノールの最終濃度が0.05%になるように上記培地溶液で希釈することにより調製した。培養後、細胞上清液中でIL−1β量(pg/ml)をELISAキット(アマシャム社)で測定し、IL−1β産生抑制率(%)を求め、IC50値(μg/ml)を算出した。
【0073】
なお、検体の濃度は0、3、10および30μg/mlとした。
【0074】
その結果、本発明化合物(a)のIL−1産生抑制作用のIC50値は13.3μg/mlと算出されたが、対照化合物(b)は上記濃度においては50%以上の抑制作用を示さず、IC50値は求められなかった。
【産業上の利用分野】
本発明は、抗炎症作用、解熱作用、鎮痛作用、坑リウマチ作用および抗アレルギー作用を有する5−アミノ−2−フェノキシスルホンアニリド化合物を有効成分として含有することを特徴とする抗炎症剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
2−フェノキシスルホンアニリド化合物は種々の化合物が知られているが、このうち本発明化合物に構造の近いものとしては米国特許第3,840,597号明細書が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の明細書に記載のある化合物は薬効が十分でなかった。
【0004】
本発明の目的は、抗炎症作用、解熱作用、鎮痛作用、坑リウマチ作用および抗アレルギー作用を有する優れた薬剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題の解決を目的に鋭意検討した結果、下記に表される5−アミノ−2−フェノキシスルホンアニリド化合物を有効成分として含有する抗炎症剤が目的を達成できることを見い出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、式(I)
【0007】
【0008】
で表される5−アミノ−2−フェノキシスルホンアニリド化合物またはその塩を有効成分として含有することを特徴とする抗炎症剤である。
【0009】
本発明において、塩とはナトリウム、カリウムなどとのアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウムなどとのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩及びメチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、エタノールアミン、ピリジン、リジン、アルギニンなどの有機塩基との塩である。
【0010】
本発明の抗炎症剤の有効成分である式(I)の化合物は、例えば、下記に示す(a)〜(f)の製造工程により得ることができる。
【0011】
(a)まず、2−フルオロ−5−ニトロアニリンに、メタンスルホン酸またはその反応性誘導体(例えば、酸ハロゲン化物、酸無水物など)を反応させることにより、式(II)
【0012】
【0013】
で表される化合物を得ることができる。
【0014】
本反応においてメタンスルホン酸を使用する場合には、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドなどの縮合剤の存在下に行うのが好ましい。また、反応性誘導体を使用する場合には塩基存在下で行うのが好ましく、塩基としては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの無機塩基またはトリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、4−メチルモルホリン、1−メチルピペリジン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジンなどの有機塩基が挙げられる。
【0015】
本反応は、通常溶媒中で行われ、溶媒としてはジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、アセトニトリル、水、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
【0016】
(b)次に、式(II)の化合物にフェノールを塩基存在下、反応させることにより、式(III)
【0017】
【0018】
で表される化合物を得ることができる。
【0019】
本反応における塩基としては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物、金属ナトリウム、ナトリウムアミドなどの無機塩基またはトリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジンなどの有機塩基などが挙げられる。
【0020】
本反応は、無溶媒またはジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、石油エーテル、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、クロロホルム、水などの溶媒を任意に選択して行うことができる。
【0021】
本反応においては、ヨウ化カリウム、トリス〔2―(2―メトキシエトキシ)エチル〕アミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミドなどの4級アンモニウム塩、18−クラウン−6 エーテルなどのクラウンエーテルなどを加えることにより反応を加速することもできる。
【0022】
(c)次いで、式(III)の化合物のニトロ基を還元することにより、
式(IV)
【0023】
【0024】
で表される化合物を得ることができる。
【0025】
還元はニトロ基を還元してアミノ基とする通常の還元方法でよく、例えばパラジウム−炭素、ラネーニッケル、白金などを触媒として用いる接触還元、鉄や錫を用いる還元、硫化ナトリウム−塩化アンモニウムを用いる還元、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウムなどを用いる還元などが挙げられる。
【0026】
本反応に用いる溶媒としては、還元方法により任意に選択すればよく、一般的にはメタノール、エタノール、n−プロパノールなどのアルコール、水、酢酸、酢酸エチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリルなどが挙げられる。
【0027】
(d)次いで、式(IV)の化合物と式(V)
Cl−CO−R (V)
(式中、Rは炭素原子数1〜5個のアルキル基、炭素原子数1〜5個のアルコキシ基または炭素原子数2〜6個のアルコキシカルボニル基を示す。)または
式(VI)
(R−CO)2O (VI)
(式中、Rは炭素原子数1〜5個のアルキル基、炭素原子数1〜5個のアルコキシ基または炭素原子数2〜6個のアルコキシカルボニル基を示す。)で表される化合物を反応させることにより、
式(VII)
【0028】
【0029】
(式中、Rは前記と同意義である。)で表される化合物を得ることができる。
【0030】
本反応は塩基存在化に行うのが好ましく、塩基としては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物、金属ナトリウム、ナトリウムアミドなどの無機塩基またはトリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジンなどの有機塩基などが挙げられる。
【0031】
本反応は、無溶媒またはジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、石油エーテル、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ピリジン、酢酸エチル、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、クロロホルム、水などの溶媒を任意に選択して行うことができる。
【0032】
(e)次いで、式(VII)の化合物を硝酸または硝酸塩などのニトロ化剤を用いてニトロ化することにより、
式(VIII)
【0033】
【0034】
(式中、Rは前記と同意義である。)で表される化合物を得ることができる。
【0035】
ニトロ化反応における硝酸塩としては硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸鉄、硝酸ウレアなどを用いることができ、使用する溶媒としてはニトロ化剤に応じて任意に選択するのが好ましく、酢酸、無水酢酸、トリフルオロ酢酸、硫酸、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、ジオキサン、エタノールなどが挙げられる。
【0036】
(f)最後に、式(VIII)の化合物を加水分解することにより、本発明の式(I)の化合物を得ることができる。
【0037】
本反応における加水分解は、塩基性条件あるいは酸性条件における通常のアミドの加水分解方法であり、例えば塩基性条件としては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、t−ブトキシカリウムなどを使用する方法、また、酸性条件としては塩酸、臭化水素酸、硫酸などを用いる方法が挙げられる。
【0038】
本反応で使用する溶媒は、水、メタノール、エタノール、プロパノール、t−ブタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、蟻酸、酢酸などが挙げられるが、加水分解の条件により適宜選択するのが好ましい。
【0039】
本発明の化合物は、経口または非経口的に慣用の投与剤型で投与することができる。これらは、例えば錠剤、粉剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、液剤、乳剤、懸濁剤、注射剤などであり、いずれも通常の方法により製造することができる。人に対して抗炎症剤、解熱剤、鎮痛剤および抗アレルギー剤として用いる場合、その投与量は、年齢、体重、症状、投与経路、投与回数などによって異なるが、通常1日当り5〜1000mgである。
【0040】
【発明の効果】
本発明の有効成分である化合物は、強い抗炎症作用、解熱作用、鎮痛作用、抗アレルギー作用および坑リウマチ作用などを示し、消化管障害などの副作用が少ないため、本発明は抗炎症剤、解熱剤、鎮痛剤、坑リウマチ剤および抗アレルギー剤として有用である。
【0041】
【実施例】
次に、製造例、実施例および試験例を挙げ本発明を更に詳細に説明する。
【0042】
製造例1
(1)2−フルオロ−5−ニトロアニリン52.1gを含むピリジン334ml溶液に、氷冷下、メタンスルホニルクロリド42.1gを加え、室温で7時間攪拌した。反応液に水を加え、析出物を瀘取後、粗結晶をエタノールで再結晶して淡黄色針状晶のN−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)メタンスルホンアミド56.9gを得た。
【0043】
m.p.162.5〜163.5℃
【0044】
(2)フェノール73.5gおよび水酸化ナトリウム31.2gを含む250ml水溶液に、N−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)メタンスルホンアミド50.0gを加え、5時間還流後、反応液を氷冷し、撹拌下、36%塩酸50ml、エタノール200mlを順に加えた。析出物を瀘取後、水、エタノールの順で洗浄し、風乾して黄色プリズム晶のN−(5−ニトロ−2−フェノキシフェニル)メタンスルホンアミド52.2gを得た。
【0045】
m.p.112〜113.5℃
【0046】
(3)N−(5−ニトロ−2−フェノキシフェニル)メタンスルホンアミド52.1gに塩化アンモニウム2.7gを含む51ml水溶液を加え、80℃に加熱撹拌下、鉄粉42.5gを加え、2時間撹拌した。反応物を50℃まで冷却後、酢酸エチルおよび水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水の順で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をエタノールで再結晶してN−(5−アミノ−2−フェノキシフェニル)メタンスルホンアミド29.6gを得た。
【0047】
m.p.111.5〜113.5℃
【0048】
(4)オキサリルクロリド13.7gを含むジクロロメタン180ml溶液に氷冷下、n−ペンタノール9.5g次いでピリジン8.5gを加え、5分間撹拌した。反応液を−78℃に冷却下、N−(5−アミノ−2−フェノキシフェニル)メタンスルホンアミド20.0gおよびピリジン8.5gを含むジクロロメタン70ml溶液を加え、室温で10分間撹拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出後、有機層を水、3規定塩酸、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をエタノールで再結晶して、無色結晶のN−[5−(n−ペンチル)オキサリルアミノ−2−フェノキシフェニル]メタンスルホンアミド17.2gを得た。
【0049】
m.p.164〜165℃
【0050】
(5)N−[5−(n−ペンチル)オキサリルアミノ−2−フェノキシフェニル]メタンスルホンアミド17.1gを含む酢酸60ml溶液に、90℃で加熱攪拌下、60%硝酸2.7gを加え、10分間攪拌した。反応液を室温に戻し、水を加え、析出物を瀘取後、エタノールで再結晶して黄色針状晶のN−[4−ニトロ−5−(n−ペンチル)オキサリルアミノ−2−フェノキシフェニル]メタンスルホンアミド11.5gを得た。
【0051】
m.p.123.5〜125.5℃
【0052】
(6)N−[4−ニトロ−5−(n−ペンチル)オキサリルアミノ−2−フェノキシフェニル]メタンスルホンアミド2.5gを含むテトラヒドロフラン25ml溶液に室温で10%水酸化ナトリウム水溶液25mlを加え、10分間撹拌した。反応液に3規定塩酸を加え中和した後、酢酸エチルで抽出後、有機層を水、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、残渣をアセトン−n−ヘキサンで再結晶して、橙色針状晶のN−(5−アミノ−4−ニトロ−2−フェノキシフェニル)メタンスルホンアミド1.6gを得た。
【0053】
m.p.175〜176℃
【0054】
実施例1
錠剤;1錠中に下記の成分を有する。
【0055】
【0056】
実施例2
カプセル剤;1カプセル中に下記の成分を有する。
【0057】
【0058】
実施例3
顆粒剤;1包中に下記の成分を有する。
【0059】
【0060】
試験例1〔カラゲニン足浮腫抑制試験〕
カラゲニン足浮腫抑制試験はウインターらの方法[Proc.Soc.Exp.Biol.Med.第111巻、第544頁(1962年)]に準拠して行った。
【0061】
ウイスター系ラット(1群6匹)を用い、5%アラビアゴム水溶液に懸濁した検体[本発明化合物(a)および対照薬(b)]を体重100g当り1mlの投与量で経口投与した。1時間後、1%カラゲニンを左肢足蹠に0.1ml皮下投与した。カラゲニン投与3時間後、足容積を測定し、その浮腫抑制率(%)を求めて抗炎症作用を調べた。
【0062】
尚、検体の投与量は0.3mg/kgとした。
【0063】
試験例2〔アジュバント関節炎(治療)試験〕
アジュバント関節炎(治療)試験は、ウインターらの方法[Arthritis Rheum.、第12巻、第472頁(1969年)]に準拠して行った。
【0064】
ルイス系ラット(1群7匹)の左肢足蹠に、流動パラフィンに懸濁した0.7%マイコバクテリウム ツベルクローシスを皮下注射してアジュバント関節炎を惹起した。アジュバント投与15〜18日間後、十分発症した関節炎ラットを用い、5%アラビアゴム水溶液に懸濁した検体[本発明化合物(a)および対照薬(b)]を体重100g当り1mlの投与量で1日1回4日間経口投与した。
【0065】
最終投与の翌日足容積を測定し、その腫脹抑制率(%)を求めて治療効果を調べた。検体の投与用量は0.2mg/kgとした。
【0066】
試験例3〔アジュバント関節炎(疼痛)試験〕
アジュバント関節炎(疼痛)試験は葛野らの方法[Chem.Pharm.Bull.、第23巻、第6号、第1184頁(1975年)]に準拠して行った。
【0067】
ルイス系ラット(1群10匹)の左肢足蹠に、流動パラフィンに懸濁した0.7%マイコバクテリウム ツベルクローシスを皮下注射してアジュバント関節炎を惹起した。アジュバント投与15〜18日間後、右後肢足関節の屈曲伸展刺激疼痛に対して鳴啼反応を示す関節炎ラットを用い、5%アラビアゴム水溶液に懸濁した検体[本発明化合物(a)および対照薬(b)]を体重100g当り1mlの投与量で経口投与した。投与後5時間目まで経時的に鳴啼反応の有無を測定し、その抑制率(%)を求めて鎮痛作用を調べた。検体の投与用量は1.0mg/kgとした。
【0068】
以上、試験例1〜3の結果をまとめて表1に示した。
【0069】
【表1】
【0070】
本発明化合物(a);N―(5―アミノ―4―ニトロ―2―フェノキシフェニル)メタンスルホンアミド
対照薬(b);N―(4―ニトロ―2―フェノキシフェニル)メタンスルホンアミド
【0071】
試験例4[IL−1産生抑制試験]
ヘパリン処理した正常人末梢血を無菌条件下でリンホプレップ(第一製薬)に重層して赤血球を除去後、細胞を牛胎児血清10%、ペニシリン100U/ml、ストレプトマイシン100U/ml、ヘペス緩衝液10mMおよびL−グルタミン2mMを加えたRPMI−1640培地(ギブコ社)に浮遊させて細胞数を2×106cells/mlに調製した。
【0072】
調製した細胞浮遊液500μl、ConA(シグマ社)2.0μgおよび検体[本発明化合物(a)および対照化合物(b)]の上記培地溶液250μlをマイクロプレート(平底24穴、イワキガラス社製)に添加し、5%CO2インキ ュベーターで48時間培養した。検体の培地溶液は検体をエタノールで溶解後、エタノールの最終濃度が0.05%になるように上記培地溶液で希釈することにより調製した。培養後、細胞上清液中でIL−1β量(pg/ml)をELISAキット(アマシャム社)で測定し、IL−1β産生抑制率(%)を求め、IC50値(μg/ml)を算出した。
【0073】
なお、検体の濃度は0、3、10および30μg/mlとした。
【0074】
その結果、本発明化合物(a)のIL−1産生抑制作用のIC50値は13.3μg/mlと算出されたが、対照化合物(b)は上記濃度においては50%以上の抑制作用を示さず、IC50値は求められなかった。
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