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JP3720651B2 - トナー及びその製造方法 - Google Patents

トナー及びその製造方法 Download PDF

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JP3720651B2
JP3720651B2 JP27027999A JP27027999A JP3720651B2 JP 3720651 B2 JP3720651 B2 JP 3720651B2 JP 27027999 A JP27027999 A JP 27027999A JP 27027999 A JP27027999 A JP 27027999A JP 3720651 B2 JP3720651 B2 JP 3720651B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電潜像を顕像化するためのトナーまたはトナージェット方式の画像形成方法におけるトナー像を形成するためのトナーおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法としては米国特許第2,297,691号明細書、特公昭42−23910号公報および特公昭43−24748号公報に記載されている如く、多数の方法が知られている。一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、ついで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて直接的あるいは間接的手段を用い、紙の如き転写材にトナー画像を転写した後、加熱、加圧、加熱加圧あるいは溶剤蒸気などにより定着し、複写物あるいはプリント物を得るものである。そして感光体上に転写されず残ったトナーは必要により種々の方法でクリーニングされ、上述の工程が繰り返される。
【0003】
上述のようなトナーは、一般に主成分が結着樹脂および着色剤からなり、さらに必要に応じて荷電制御剤および定着助剤等を含有する粒子である。通常その粒子径は数〜数十μmの範囲である。このトナーは一般に熱可塑性樹脂中に染料、顔料あるいは磁性体の如き着色剤を混合、溶融し、着色剤を均一に熱可塑性樹脂中に分散させた後、粉砕および分級するいわゆる粉砕法によって製造されている。
【0004】
近年電子写真法を用いた画像形成装置は、単なる文字原稿を複写するための事務処理用複写機というだけでなく、高画質なフルカラー出力、コンピュータの高精細出力として広く使われるようになってきた。さらに、コンピュータの汎用化とともにプリンターもパーソナル分野においても使用され、それに伴い、あらゆる環境下でも高品位な出力画像の要求が現れてきた。
【0005】
その結果トナーに要求される性能はより高度になり、トナー側からの画質向上、それが種々の環境下で高品位であるような性能向上が達成できなければ、優れた画像形成が成り立たなくなってきている。
【0006】
このような高画質化を達成する手段の一つとして、トナーの粒子径を小さくする方法がある。確かに粒子径を数μmまで小さくすることによって画質や解像度の向上が達成されてきた。
【0007】
しかし、従来のような粉砕法によるトナーは、トナーの粒径を小さくしようとして強い衝撃力を付与すると、粉砕装置に被粉砕物が融着してしまったりすることから、5乃至6μm以下の粒径にするのが困難であるとともに、さらに分級操作においてもトナーが小粒径化すると粉体の凝集力のために粒度分布をある程度までしかシャープにすることが困難である。その結果、トナーの帯電量制御が困難となり、画像の飛び散りやカブリといった問題を生じる。
【0008】
このようなトナーの小粒径化さらには粒度分布のシャープ化を改善するために重合法によるトナーが提案されている。例えば、特公平6−52432号公報や特開平5−93002号公報に、1〜10μm程度で粒度分布がシャープな粒子を製造する方法が開示されている。さらに特公平6−58543号公報や特公平6−58544号公報に、粒度分布がシャープであることに加え着色剤または導電剤と結着樹脂からなるものをコーティングすることにより、電荷特性が安定で機能性が向上した画像形成用粒子を製造する方法が開示されている。
【0009】
しかし、このような粒度分布がシャープな粒子は流動性は優れているが、反面静置した場合には最密充鎮することによって、特に高温環境における放置によってトナーが凝集するという問題が生じる。上述の機能性付与のために着色剤または導電剤等をコーティングした粒子においては、トナー表面での微細な部分での不均一さのために細密充鎮したときのより凝縮しやすくなるという問題がある。トナーまたは現像剤が凝集すると、帯電不良が発生しやすく、結果として現像された画像の解像度が悪化する問題を引き起こす。
【0010】
また、導電剤をコーティングした場合には、常温常湿環境ではトナー粒子は適度な帯電を有するが、高湿条件下においては電荷を保持できなくなり、かえって帯電不良によるカブリなどの問題が生じる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決したトナーおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
すなわち、本発明は、高湿下および低温低湿下においても、安定して高精細な画像を得ることができ、微粒径且つシャープな粒度分布を有するトナーおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明によって達成することができる。
【0014】
すなわち、本発明は、少なくとも結着樹脂および着色剤を有するトナーにおいて、該トナーは、(i)個数平均粒径が0.5乃至6.0μmであり、(ii)個数分布の変動係数が20%以下であり、(iii)メタノールにより抽出されるメタノール可溶樹脂成分を、トナー質量に対して、0.01乃至10質量%含有しており、該メタノール可溶樹脂成分は、水酸基を有する重合体組成物を含有し、且つ300乃至450mgKOH/gの水酸基価(OHv)を有することを特徴とするトナーに関する。
【0015】
さらに、本発明は、重合用溶媒に溶解可能であり、且つ重合により生成する重合体は、該重合用溶媒に溶解しない重合性単量体、および、該重合用溶媒に可溶である重合体組成物を該重合用溶媒に溶解して重合反応系を調製する工程;重合反応開始時の該重合反応系中の溶存酸素量を2.0mg/リットル以下に設定して、該重合反応系中で重合開始剤の存在下で、該重合性単量体を重合する工程;該重合反応系中から重合粒子を得る工程;および得られた重合粒子からトナーを生成する工程;を有するトナーの製造方法であって、得られたトナーは、少なくとも結着樹脂および着色剤を含有しており、(i)個数平均粒径が0.5乃至6.0μmであり、(ii)個数分布の変動係数が20%以下であり、(iii)メタノールにより抽出されるメタノール可溶樹脂成分を、トナー質量に対して、0.01乃至10質量%含有しており、該メタノール可溶樹脂成分は、水酸基を有する重合体組成物を含有し、且つ300乃至450mgKOH/gの水酸基価(OHv)を有することを特徴とするトナーの製造方法に関する。
【0016】
本発明の特徴の一つは、トナーにおいて、個数平均粒径が0.5乃至6.0μmの範囲であり、個数分布の変動係数が20%以下の範囲であり、さらにメタノール溶媒により抽出されるメタノール可溶樹脂成分、すなわちトナーが表面層が、トナー全質量に対して0.01乃至10質量%含有し、該メタノール可溶樹脂成分、すなわちトナーの表面層は、水酸基を有する重合体組成物を含有し、且つ300乃至450mgKOH/gの水酸基価を有することである。
【0017】
本発明者の詳細な検討によると、個数平均粒径が0.5乃至6.0μmのような微粒径のトナーにおいて、潜像に対して忠実な現像を行うことができることがわかった。さらにこのような微粒径のトナーにおいては個数分布の変動係数が20%以下の範囲であることが、帯電のばらつきを抑えるために必要であることも見いだした。また、このように微粒径で粒度が揃ったトナー静置におけるパッキングおよびそれに伴うトナーの凝集を防止するために、トナー表面近傍にメタノールに可溶な表面樹脂成分を0.01乃至10質量%含有することが効果的であることがわかった。さらにメタノールに可溶な樹脂成分が水酸基を有する重合体組成物を含有し、水酸基価(OHv)が300乃至450mgKOH/gであることで低湿環境下から高湿環境下まで種々の環境においてトナーの帯電特性が良好で安定した出力画像を得ることができるようになった。
【0018】
本発明において水酸基価(OHv)とは、基準油脂分析法(日本油脂化学協会編)に従って、試料1gをアセチル化する際、水酸基と結合した酢酸を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数をいう。
【0019】
メタノールにより抽出されるメタノール可溶樹脂成分、すなわちトナー表面層の成分としては、大部分はトナー表面層部の重合体組成物および結着樹脂が大部分と考えられるが、若干の残留モノマー、開始剤、その他添加剤も含まれると考えられる。
【0020】
さらに本発明においては、メタノールに可溶な樹脂成分が水酸基を有する重合体組成物を含有することが、環境安定性を非常に良好にすることも見いだした。
【0021】
さらに本発明においては、該メタノール可溶樹脂成分が、少なくとも下記の構造式で示される繰り返し単位(I)および(II)を有し、該メタノール溶媒可溶樹脂成分において繰り返し単位(I)および(II)の繰り返し単位数の合計が該メタノール可溶樹脂成分全体を構成するユニット数に対して50%以上であり、繰り返し単位(I)の繰り返し単位数が、繰り返し単位(I)および(II)の合計数に対して60乃至100%であることが、トナー粒子の主成分である結着樹脂との親和性が良好であり、より環境安定性に優れる。
【0022】
【外3】
Figure 0003720651
(式中、R1 は(CH2 n ,n=1〜4、R2 はH、置換または無置換アルキル基、ハロゲン原子、R3 〜R7 は水素原子、置換または無置換アルキル基、ハロゲン原子、ニトリル基、水酸基を表し、繰り返し単位(I)および(II)は複数種類であっても良い。)
【0023】
さらに本発明においては、該メタノール可溶樹脂成分のGPCによるポリスチレン換算の分子量分布において、(i)分子量2000〜100000の範囲に極大値を有し、(ii)分子量200〜1000の成分を3質量%以下含有することで、トナー粒子の凝集を防止し、環境安定性を良好にすると同時に高画質な出力を達成できる。
【0024】
本発明のトナーは、好ましくは重合法により直接トナーを製造する方法が好ましい。中でも重合用溶媒に溶解可能であり、且つ重合により生成する重合体は、該重合用溶媒に溶解しない重合性単量体、および、該重合用溶媒に可溶である重合体組成物を該重合用溶媒に溶解して重合反応系を調製する工程;重合反応開始時の該重合反応系中の溶存酸素量を2.0mg/リットル以下に設定して、該重合反応系中で重合開始剤の存在下で、該重合性単量体を重合する工程;該重合反応系中から重合粒子を得る工程;および得られた重合粒子からトナーを生成する工程:を有するトナーの製造方法で製造することが好ましい。
【0025】
このように水酸基を有する重合体組成物を溶解した重合反応系において、重合反応開始時の溶存酸素量が2.0mg/リットル以下にした状態で重合を開始することにより、均一な粒度分布を有する粒子を生成しうる。
【0026】
さらにその製造方法において、メタノールおよび/またはエタノールもしくはそれらの混合物を30〜99.9質量%の範囲で含有する混合溶媒、さらには、下記化学式−1に示される飽和アルコールを30質量%以上含有する洗浄用の混合溶媒で重合粒子を洗浄する洗浄工程を有する製造方法が好ましい。
【0027】
(化学式−1) Cn2n+1OH n=1〜5
【0028】
さらに該洗浄工程に使用する洗浄用溶媒が0.1乃至70質量%、好ましくは、0.5乃至65質量%の範囲で水を含有していることが好ましく、さらに該洗浄工程の最後に水で洗浄することがより好ましい。このように溶媒としてメタノールおよび/またはエタノールもしくはそれらの混合物を30〜99.9質量%の範囲で含有し、0.1乃至70質量%の水を含有している洗浄用媒体を用いることで重合体組成物を所望量表面に残すことができるという効果が得られる。また、洗浄過程において、(化学式−1)に示される飽和アルコールを30質量%以上含有する混合溶媒で複数回洗浄することにより、良好に重合体組成物をトナー表面に存在させることができる。好ましくは洗浄に使用する混合溶媒は、重合時に使用する混合溶媒と同等あるいは貧溶媒になっていることである。さらに最終の洗浄には水になっていることが上述の説明のように表面改質を行うためには好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の構成について詳細に述べる。
【0030】
本発明のトナーは、個数平均粒径が0.5乃至6.0μm、好ましくは1.0乃至5.0μmであることが重要である。これは、高精細な画像を得るために必要で、0.5μmより小さくなるとドライパウダーとしての取り扱いが困難になる。また、6μmを超えると微小ドット潜像を忠実に現像ができなくなってくるために特にハイライトの再現性が劣るようになる。
【0031】
さらに本発明において、トナーの個数分布の変動係数は20%以下、好ましくは18%以下であることがよい。
【0032】
トナーの個数分布の変動係数は、下記式により算出される。
【0033】
【外4】
Figure 0003720651
【0034】
本発明において、トナーは、平均粒径に加え、粒度分布の拡がりが特に転写プロセスでの画像再現性に大きく寄与する。すなわち、変動係数が20%を超えると平均粒径が本発明の範囲内にあっても現像は良好に行われる反面、転写時に飛び散りや転写されないトナーが存在することで特にハーフトーン再現性に劣るようになる。
【0035】
本発明においては、表面層としてメタノールにより抽出されるメタノール可溶樹脂成分が、トナー全質量に対して、0.01乃至10質量%含有し、該メタノール可溶樹脂成分は、水酸基を有する重合体組成物を含有し、水酸基価(OHv)が300乃至450mgKOH/gであることがよい。
【0036】
メタノール可溶樹脂成分が0.01質量%未満であると、トナーの環境安定性に好適な有意差が現れない。また、10質量%を超えるとかえってトナー表面への水分の吸着が多くなりすぎるために高湿環境下での帯電量が低下するという不都合を生じる。好ましくは、0.2乃至8質量%で、より好ましくは0.5乃至7.5質量%である。
【0037】
本発明においては、その表面層の樹脂成分と共に必要なのが、樹脂成分が水酸基を有する重合体組成物を含有し、水酸基価(OHv)が300乃至450mgKOH/gとなることである。表面層の樹脂成分が水酸基を有する重合体組成物を含有し表面に局在することで、水酸基価が比較的高い本発明のトナーの場合には、トナー表面での好適な保湿効果により、上述したような環境安定性が良好に図られると考えられる。それと同時にトナー製造時に重合反応系中に水酸基を有する重合体組成物を溶解した状態で粒子生成することで、粒子の粒度分布が非常にシャープなものが得られるようになる。
【0038】
好ましくは、水酸基価(OHv)は340乃至430mgKOH/gであり、より好ましくは360乃至400mgKOH/gである。水酸基価(OHv)が300mgKOH/g未満であるとトナーの製造安定性が得られない。また、450mgKOH/gを超えると水酸基が増えかえって高湿環境下での帯電量低下を招く。
【0039】
本発明において、メタノール可溶樹脂成分が、少なくとも下記の構造式で示される繰り返し単位(I)および(II)を有し、該メタノール可溶樹脂成分において繰り返し単位(I)および(II)の繰り返し単位数の合計が該メタノール可溶樹脂成分全体を構成するユニット数に対して50%以上であり、繰り返し単位(I)の繰り返し単位数が、繰り返し単位(I)および(II)の合計数に対して60乃至100%であることが好ましい。
【0040】
【外5】
Figure 0003720651
(式中、R1 は(CH2 n ,n=1〜4、R2 はH、置換または無置換アルキル基、ハロゲン原子、R3 〜R7 は水素原子、置換または無置換アルキル基、ハロゲン原子、ニトリル基、水酸基を表し、繰り返し単位(I)および(II)は複数種類であっても良い。)
【0041】
繰り返し単位(I)および(II)の合計が50%未満であると良好な環境安定性が得られず、また、繰り返し単位(I)が50%より小さいと低湿環境下でのトナー帯電量が高くなる傾向にあり、またトナーの製法上の不安定さを伴う。
【0042】
本発明において、少なくとも上記の構造式で示される繰り返し単位(I)および(II)を持つ重合体組成物を用いる場合、繰り返し単位(I)は複数種類存在しても良い。同様に、繰り返し単位(II)も複数種類存在しても良い。上記の構造式において、R1 は(CH2 n ,n=1〜4、R2 はH、置換または無置換アルキル基、ハロゲン原子、R3 〜R7 は水素原子、置換または無置換アルキル基、ハロゲン原子、ニトリル基、水酸基を表す。
【0043】
繰り返し単位(I)としては、例えばヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレートの重合物等をあげることができる。
【0044】
繰り返し単位(II)としては、例えばフェニルエチレン基、1−フェニル−1−メチルエチレン基、1−フェニル−1−フルオロメチルエチレン基、1−フェニル−1−トリフルオロメチルエチレン基、1−フェニル−1−ヒドロキシメチルエチレン基、1−フェニル−1−カルボキシメチルエチレン基、1−フェニル−1−エチルエチレン基、1−フェニル−1−n−プロピルエチレン基、1−フェニル−1−イソプロピルエチレン基、1−フェニル−1−n−ブチルエチレン基、1−フェニル−1−イソブチルエチレン基、1−フェニル−1−t−ブチルエチレン基、1−フェニル−1−n−ペンチルエチレン基、1−フェニル−1−イソペンチルエチレン基、1−フェニル−1−ネオペンチルエチレン基、1−フェニル−1−t−ペンチルエチレン基、1−フェニル−1−n−ヘキシルエチレン基、1−フェニル−1−イソヘキシルエチレン基、1−フェニル−1−フルオロエチレン基、o−トリルエチレン基、1−(o−トリル)−1−メチルエチレン基、2,3キシリルエチレン基、1−(2,3−キシリル)−1−メチルエチレン基、m−クメニルエチレン基、1−(m−クメニル)−1−メチルエチレン基、メシチルエチレン基、1−メシチル−1−メチルエチレン基、p−トリフルオロメチルフェニルエチレン基、1−(p−トリフルオロメチルフェニル)−1−メチルエチレン基、p−メトキシメチルフェニルエチレン基、1−(p−メトキシメチルフェニル)−1−メチルエチレン基、p−ヒドロキシメチルフェニルエチレン基、1−(p−ヒドロキシメチルフェニル)−1−メチルエチレン基、p−アミノメチルフェニルエチレン基、1−(p−アミノメチルフェニル)−1−メチルエチレン基、ペンタフルオロフェニルエチレン基、1−1ペンタフルオロフェニル−1−メチルエチレン基、p−ニトリルフェニルエチレン基、1−(p−ニトリルフェニル)−1−メチルエチレン基、p−ヒドロキシフェニルエチレン基、1−(o−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチレン基、p−カルボキシフェニルエチレン基、1−(p−カルボキシフェニル)−1−メチルエチレン基、p−スルホフェニルエチレン基、1−(p−スルホフェニル)−1−メチルエチレン基、p−アミノフェニルエチレン基、1−(p−アミノフエニル)−1−メチルエチレン基等をあげることができる。
【0045】
本発明の繰り返し単位(I)および(II)を持つ重合体組成物としては、例えばスチレン−ヒドロキシメチルメタクリレート共重合体、α−メチルスチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体等をあげることができる。
【0046】
本発明においては、重合体組成物は、側鎖に炭素数3個以上の炭化水素置換基を持つ繰り返し単位を持つことが好ましい。より好ましくは炭素数5個以上の炭化水素置換基である。これによりトナー粒子と重合体組成物との相溶性が良くなるためトナー粒子の製造過程が安定化が図れ、環境安定性も良好になる。
【0047】
炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基、アルコキシル基、アリールオキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシル基、複素環基等である。
【0048】
例えば、アルキル基としては、n−プロピル基、イソプロピル基、3,3,3,2,2−ペンタフルオロ−n−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、4−シアノ−n−ブチル基、4−アミノ−n−ブチル基、n−ペンチル基、t−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基など;シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基など;アルケニル基としては、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ペンテニル基、2−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基など;シクロアルケニル基としては、シクロヘキセニル基など;アリール基としては、フェニル基、o−トルイル基、m−トルイル基、p−トルイル基、p−エチルフェニル基、キシリル基、p−n−ブチルフェニル基、−tert−ブチルフェニル基、p−n−ヘキシルフェニル基、p−n−オクチルフェニル基、p−n−ノニルフェニル基、p−n−デシルフェニル基、p−n−ドデシルフェニル基、ベンジル基、p−ヒドロキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−カルボキシフェニル基、p−スルホフェニル基、ビフェニルイル基、p−フルオロフェニル基、m,p−ジフルオロフェニル基、ナフチル基、アントリル基など;アルコキシル基としては、t−ブトキシル基、n−プロポキシル基、イソプロポキシル基、n−ペンチルキシ基、ヒドロキシトリエトキシ基など;アリールオキシル基としては、フェノキシ基など;アルコキシカルボニル基としては、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、3−クロロ−2−アッシドホスホオキシプロポキシカルボニル基など;アリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル基など;アシル基としては、バレリル基、ベンゾイル基など;アシルオキシル基としては、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ベンジルカルボニルオキシ基など;複素環基としては、2−ピロリル基、2−ピリジル基、2−キノリル基、モルホリノ基、イミダゾリル基、2−ピロリジノニル基、N−カルバゾリル基などがあげられる。
【0049】
また、本発明のトナーは、メタノール可溶樹脂成分のGPCによるポリスチレン換算の分子量分布において、好ましくは分子量2000乃至100000の範囲に極大値を有するとともに分子量200〜1000の成分を3質量%以下含有することが好ましい。これは、本発明のトナーが、種々の環境において帯電量を安定化すると共に高温環境下での耐ブロッキング性、非凝集性を良好にするために必要となる。
【0050】
本発明のトナーの製造方法としては、好ましい形態として以下の方法が挙げられる。
【0051】
本発明のトナーは、重合用溶媒に溶解可能であり、且つ重合により生成する重合体は、該重合用溶媒に溶解しない重合性単量体、および、該重合用溶媒に可溶である重合体組成物を該重合用溶媒に溶解して重合反応系を調製する工程;重合反応開始時の該重合反応系中の溶存酸素量を2.0mg/リットル以下に設定して、該重合反応系中で重合開始剤の存在下で、該重合性単量体を重合する工程;該重合反応系中から重合粒子を得る工程;および得られた重合粒子からトナーを生成する工程;を有するトナーの製造方法によることが好ましい。従って、本発明のメタノールに可溶な溶媒可溶樹脂成分としては、主に上述した重合体組成物が含有される。このような重合体組成物の具体例として、上述した化合物が挙げられる。
【0052】
本発明に好ましく用いられる溶媒としては、具体的には有機溶媒、または該有機溶媒と水の混合溶媒であればあらゆるものを用いることができる。好ましくは重合性単量体組成物と反応しない有機溶媒、または該有機溶媒と水の混合溶媒を用いるのがよい。水の使用量としては、0.1〜50質量%、好ましくは0.1〜40質量%、より好ましくは0.1〜30質量%、さらに好ましくは0.5〜20質量%の範囲がよく、50質量%を超える大量の水が含有されていると、均一なトナー粒子が得られないといった問題が生じる。
【0053】
本発明に用いる溶媒の例としては、具体的には例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−エンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール2−エチルブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、2−オクタノール、2−エチル1−ヘキサノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール類;メチルセロソルブ、セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケルトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル類;ペンタン、2−メチルブタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、デカン、ノナン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、p−メンタン、ビシクロヘキシル、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の脂肪族または芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、テトラブロムエタン等のハロゲン化炭化水素類;エチルエーテル、ジメチルエーテル、トリオキサンテトラヒドロフラン等のエテノール類;メチラール、ジエチルアセタールなどのアセタール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の脂肪酸類;ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の硫黄・窒素含有有機化合物類;および水を挙げることができる。
【0054】
本発明に用いる重合性単量体としては、具体的には、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン、p−ターシャリーブチルスチレン等のスチレン系単量体;アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリルサンステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノメチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ベンジン等のメタクリル酸エステル類;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等の他、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルエーテル、イソブチルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;β−クロルエチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、p−メチルフェニルエーテル、p−クロルフェニルエーテル、p−ブロムフェニルエーテル、p−ニトロフェニルビニルエーテル、p−メトキシフェニルビニルエーテル、ブタジエン等のジエン化合物;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸モノブチル、マイレイン酸モノブチル、リン酸含有単量体、具体的には、アッシドホスホオキシエチルメタクリレート、アッシドホスホオキシプロピルメタクリレート、スルホン酸基含有単量体、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、アクロイルモルホリン、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ビニルイミダゾール、N−メチル−2−ビニルイミダゾール、N−ビニルイミダゾールを挙げることができる。
【0055】
これらの単量体は単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもでき、好ましい特性が得られるような好適な重合体組成を選択することができる。
【0056】
本発明によると、高分子量成分若しくはゲル成分を含有させることができる。このような成分の導入は、重合性の二重結合を一分子当たり2個以上有する架橋剤を使用することによって達成される。かかる架橋剤としては具体的には例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、グリセロールアクロキシジメタクリレート、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルフォン等の化合物を挙げることができ、2種類以上を適宜混合して使用しても良い。かかる架橋剤は、重合性混合物にあらかじめ混合しておくこともできるし、必要に応じて適宜重合の途中で添加することもできる。
【0057】
本発明のトナーの製造方法においては、重合後のトナーの洗浄工程も重要な工程である。洗浄に用いられる洗浄用溶媒としては、重合時に用いる重合用溶媒と同様の溶媒を用いても良いが、好ましくは、下記化学式−1に示される飽和アルコールを30質量%以上含有する混合溶媒を用いることがより好ましい。
【0058】
(化学式−1) Cn2n+1OH n=1〜5
【0059】
さらに好ましくは、該洗浄工程に使用する混合溶媒が0.1乃至70質量%の範囲で水を含有することである。このとき、重合時に使用する溶媒よりも貧溶媒になっていることが好ましい。さらに該洗浄工程において最後に水で洗浄することがより好ましい。このように洗浄過程においても重合体組成物を所望量表面に存在させると同時に極低分子量成分除去のために上記工程を経ることが重要である。また、洗浄回数としては、1回から10回程度行うことで、材料の種類が異なった場合でもメタノール可溶樹脂成分の所望量を存在させることができる。
【0060】
洗浄後のトナーは、乾燥させてトナーとして用いるが、乾燥工程として特に制限はなく、従来用いられている乾燥方法によりトナーを得ることができる。
【0061】
本発明のトナーは、必要によっては、乾燥後、分級操作を行っても良い。
【0062】
本発明においては、着色剤として公知のいずれのものを使用することができる。着色剤の添加方法については、重合性単量体組成物とともに重合と同時にトナー中へ含有させる方法や粒子を得てから温溶媒中などで染料により染色する方法等、如何なる手段で染色することが可能である。
【0063】
具体的にはカーボンブラックや公知の有機着色剤、例えばC.I.ダイレクトレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6等の染料;カドミウムイエロー、ミネラルファーストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、モリブデンオレンジGTR、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、ブリリアントカーミン3B、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、キナクリドン、ローダミンレーキ、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等の顔料;C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー9、C.I.ソルベントイエロー17、C.I.ソルベントイエロー31、C.I.ソルベントイエロー35、C.I.ソルベントイエロー100、C.I.ソルベントイエロー102、C.I.ソルベントイエロー103、C.I.ソルベントイエロー105、C.I.ソルベントオレンジ2、C.I.ソルベントオレンジ7、C.I.ソルベントオレンジ13、C.I.ソルベントオレンジ14、C.I.ソルベントオレンジ66、C.I.ソルベントレッド5、C.I.ソルベントレッド16、C.I.ソルベントレッド17、C.I.ソルベントレッド18、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド22、C.I.ソルベントレッド23、C.I.ソルベントレッド143、C.I.ソルベントレッド145、C.I.ソルベントレッド146、C.I.ソルベントレッド149、C.I.ソルベントレッド150、C.I.ソルベントレッド151、C.I.ソルベントレッド157、C.I.ソルベントレッド158、C.I.ソルベントバイオレット31、C.I.ソルベントバイオレット32、C.I.ソルベントバイオレット33、C.I.ソルベントバイオレット37、C.I.ソルベントブルー22、C.I.ソルベントブルー63、C.I.ソルベントブルー78、C.I.ソルベントブルー83、C.I.ソルベントブルー84、C.I.ソルベントブルー85、C.I.ソルベントブルー86、C.I.ソルベントブルー104、C.I.ソルベントブルー191、C.I.ソルベントブルー194、C.I.ソルベントブルー195、C.I.ソルベントグリーン24、C.I.ソルベントグリーン25、C.I.ソルベントブラウン3、C.I.ソルベントブラウン9等がある。市販染料では例えば、三菱化成のダイアレンジYellow−3G、Yellow−F、Yellow−H2G、Yellow−HG、Yellow−HC、Yellow−HL、Orange−HS、Orange−G、Red−GC、Red−S、Red−HS、Red−A、Red−K、Red−H5B、Violet−D、Blue−J、Blue−G、Blue−N、Blue−K、Blue−P、Blue−H3G、Blue−4G、Green−C、Brown−A;保土ヶ谷化学の藍染SOT染料 Yellow−1、Yellow−3、Yellow−4、Orange−1、Orange−2、Orange−3、Scarlet−1、Red−1、Red−2、Red−3、Brown−2、Blue−1、Blue−2、Violet−1、Green−1、Green−2、Green−3、Black−1、Black−4、Black−6、Black−8;BASFのsudan染料 Yellow−146、Yellow−150、Orange−220、Red−290、Red−380、Red−460、Blue−670;オリエント化学工業の、オイルブラック、オイルカラー Yellow−3G、Yellow−GG−S、Yellow−#105、Orange−PS、Orange−PR、Orange−#201、Scarlet−#308、Red−5B、Brown−GR、Brown−#416、Green−BG、Green−#502、Blue−BOS、Blue−IIN、Black−HBB、Black−#803、Black−EB、Black−EX;住友化学工業のスミプラスト ブルーGP、ブルーOR、レッド−FB、レッド−3B、イエローFL7G、イエローGC;日本化薬 カヤロン ポリエステル ブラックEX−SF300、カヤセット RedB、ブルーA−2R等を挙げることができる。
【0064】
また、さらに本発明では着色剤として磁性体を利用して、磁性トナーを得ることもできる。
【0065】
本発明に使用する重合開始剤としては、従来知られているいかなるものでも使用することができる。かかる重合開始剤としては具体的に例えば、ラジカル重合性の開始剤として、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ系もしくはジアゾ系重合開始剤;2,2′−アゾビス(2−アミノジプロパン)ジヒドロクロリド、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロリド等のアミジン化合物;ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤;及び過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムといった過硫化物系開始剤、さらに上述した開始剤の混合物を挙げることができる。
【0066】
またアニオン重合性の開始剤としては、具体的には例えばSrR2 、CaR2 、K、KR、Na、NaR、Li、LiR、ケチル、R−MgR、R−ONa、R−OK、R−OLi、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムといった強アルカリ類;ピリジン、アンモニアといった弱アルカリ類;R−O−R(但しRはアルキル基を示す)といったものがある。
【0067】
またカチオン重合性の開始剤としては、具体的には例えばSnCl4 、BF3 、AlCl3 、TiCl3などを使用することもできる。
【0068】
また、本発明においては公知の連鎖移動剤を添加することもできる。具体的には例えば、四塩化炭素、四臭化炭素、二臭化酢酸エチル、三臭化酢酸エチル、二臭化エチルベンゼン、二臭化エタン、二塩化エタン等のハロゲン化炭化水素;ジアゾチオエーテル、ベンゼン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン等の炭化水素類;ターシャリードデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類;ジイソプロピルザントゲンジスルフィド等のジスルフィド類を添加することもできる。
【0069】
本発明のトナーは、帯電性を制御する目的で荷電制御剤を添加することもできる。荷電制御剤としては、通常トナーに使用される公知の正荷電制御剤もしくは負荷電制御剤のいずれのものであっても利用することができる。具体的には例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、四級アンモニウム塩、アミン系あるいはイミン系化合物、サリチル酸又はアルキルサリチル酸の金属化合物、含金属モノアゾ系染料、カルボキシリル基又はスルホキシル基を有する化合物、ニトロフミン等のフミン酸及びフミン塩類等を挙げることができる。本発明においては、好ましくは負荷電制御剤を使用することが環境安定性を良好にする。
【0070】
本発明のトナーは、流動性や帯電性を向上する目的で種々の外添剤を添加することができる。外添剤としては、通常トナーに使用される公知のいかなる外添剤でも用いることができる。具体的には例えば、シリカ、酸化チタン、アルミナ等の微粉末がある。好ましく使用される外添剤は、BET比表面積が300m2 /g以上のものである。300m2 /g未満でも使用は可能であるが、微小粒径に加え、粒度分布がシャープなトナーの均一な表面状態を維持し、帯電を良好に行うために必要である。
【0071】
また、本発明のトナーは、キャリア粒子と混合して二成分系現像剤として使用することもできる。キャリアとしては、鉄粉、マグネタイト、フェライト、磁性体分散樹脂キャリア等、従来用いられているキャリアを使用できる。好ましくは、その個数平均粒径が30μm以下であることがトナーに十分な電荷を付与するために必要である。
【0072】
本発明で使用する測定方法について説明する。
【0073】
メタノールに可溶なメタノール可溶樹脂成分の測定は、ビーカーにトナー10gを精秤(w1)し、特級メタノール200gを入れ、24時間撹拌する。濾紙を用いて固形分を取り除いた後、抽出液を乾固させてメタノール可溶の樹脂成分として精秤(w2)し、メタノール可溶樹脂成分(質量%)=w2/w1×100で計算する。
【0074】
メタノールにより抽出されるメタノール可溶樹脂成分の重合体組成物の組成分析は、赤外吸光分析によりパーキンエルマー社製FT−IR1 600型を用いて行なう。測定方法はKBr錠剤法を用い、抽出し固化させたメタノール可溶樹脂成分とKBrを混合した後、4000〜数百cm−1までの赤外吸収を見ることにより行なう。水酸基による特有ピークの強度比をもって組成分析を行う。
【0075】
メタノール可溶樹脂成分の水酸基価の測定は、試料0.5gを精秤(W)し、200mlビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(7:3)の混合液150mlを加え溶解する。
【0076】
1/10NのKOHのエタノール溶液を用いて、ビーカー内の溶液を電位差滴定装置を用いて滴定する。用いる滴定装置は、京都電子工業(株)のAT−400win workstationを用い、APB−410電動ビュレットで自動滴定する。このときのKOH溶液の使用量をS(ml)とし、同時にブランク測定をし、このときのKOH溶液の使用量をB(ml)とする。これに基づいて次式より水酸基価を求める。
【0077】
水酸基価=(S−B)×f×5.61/W f:KOH溶液のファクター
【0078】
本発明のトナー及びメタノール可溶樹脂成分の分子量分布は、GPC測定装置(HLC−8120GPC 東ソー(株)社製)を用いて測定する。
【0079】
測定条件
カラム:TSKgel HM−M(6.0×15cm)の2連
温度 :40℃
溶媒 :THF
流速 :0.6ml/min
検出器:RI
サンプル濃度:0.1%の試料を10μl
【0080】
サンプル調整は、試料をTHF中に入れ、数時間放置した後十分振とうし(試料の合一体がなくなるまで)、さらに12時間静置する。サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45μm)を通過させたものをGPC試料とする。
【0081】
検量線は、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用する。得られた対数曲線(logM)より、分子量最大値を求める。さらに、分子量200〜1000の累積曲線から、トナー樹脂中に含まれる極低分子量成分の算出を行う。
【0082】
本発明に用いるトナー粒子の粒径の測定は、平均粒径が1μm以上のトナーについてはレーザースキャン型粒度分布測定装置(CIS−100 GALAI社製)を用いて、0.4μm〜60μmの範囲内で測定を行う。試料は、水100mlに界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)0.2ml加えた溶液にトナー0.5〜2mgを加え、超音波分散器で2分間分散した後、マグネットスターラーを入れたキュービックセルに水を8割程度入れ、その中に超音波分散した試料をピペットで1、2滴添加する。これから得られるDn、S.D.(標準偏差)をもとに、個数平均粒径、変動係数を求める。
【0083】
また、1μm以下の平均粒径を有するトナーについては、走査型電子顕微鏡(FE−SEM S−800日立製作所製)を用いて、5000倍の写真を撮り、その写真をもとに水平方向フェレ径を0.05μm以上の粒子について、累積300個以上になるように測定する。その平均をもって、個数平均粒径とする。また、この数値をCIS−100と同様の計算式により変動係数を求める。
【0084】
本発明で使用する摩擦帯電量の測定方法を記載する。トナーとキャリアを現像剤化するとき適当な混合量(2〜15質量%)となるように混合し、ターブラミキサーで180秒混合する。この混合粉体(現像剤)を底部に目開き20μm(635メッシュ)の導電性スクリーンを装着した金属製の容器にいれ、吸引機で吸引し、吸引前後の重量差と容器に接続されたコンデンサーに蓄積された電位から摩擦帯電量を求める。この際、吸引圧を33.3kPa(250mmHg)とする。この方法によって、摩擦帯電量を下記式を用いて算出する。
【0085】
Q/M(μC/g)=(C×V)/(W1−W2)
(式中、W1は吸引前の質量でありW2は吸引後の質量であり、Cはコンデンサーの容量、Vはコンデンサーに蓄積された電位である。)
【0086】
【実施例】
以下に本発明を実施例により説明する。本発明は実施例によって制限されるものではない。
【0087】
〈実施例1〉
・メタノール 274質量部
・スチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体 26質量部
(共重合組成比=2:8、Mw(重量平均分子量)=52,600)
・スチレン 78質量部
・n−ブチルアクリレート 22質量部
・2,2′−アゾビスイソバレロニトリル 5質量部
・銅フタロシアニン 6質量部
からなる混合物を反応容器中に投入し、窒素を400ml/minでバブリングしながら溶液を30分よく混合した。重合開始時の溶存酸素量を測定したところ0.9mg/リットルであった。次いでオイルバスの温度を55℃にして14時間窒素雰囲気下で還流した。
【0088】
室温まで冷却した後、分散液の固液分離と洗浄を繰り返した。洗浄にはメタノール80質量%:水20質量%の割合で調製した溶媒を用いた。この操作を4回繰り返し、最後に水により洗浄を行い、得られたスラリーを乾燥して、個数平均粒子径(Dn)5.13μm、個数分布の変動係数11.4%のトナー粒子を得た。
【0089】
メタノール溶液により24時間抽出を行った結果、メタノール可溶樹脂成分の割合は、2.4質量%であった。
【0090】
メタノール可溶樹脂成分の定性分析および定量分析により高分子化合物の樹脂微粒子に対する重量比を計算した。抽出された樹脂成分の水酸基価(OHV)を測定した結果、355mgKOH/gであり、その樹脂成分の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、49,800であり、分子量200〜1000の成分はトナー中0.6質量%であった。
【0091】
得られたトナー粒子100質量部に対し、解砕処理したBET比表面積380m2 /gシリカ1.5質量部をヘンシェルミキサーで混合し外添した。得られたトナー粒子の物性を表1に示す。
【0092】
このトナー7質量部に対して、平均粒径が35μmのフェライトコアにシリコーン樹脂コートしたキャリア93質量部をポリ瓶に入れ、ターブラーミキサーで混合撹拌し現像剤を得た。
【0093】
この現像剤を低温低湿(L/L:15℃/10%)、常温常湿(N/N:23.5℃/60%)、高温高湿(H/H:30℃/80%)のそれぞれの環境下で帯電量測定を行った。その結果、L/L:−35.9μC/g、N/N:−34.1μC/g、H/H:−32.5μC/gとなり、環境安定性に優れていた。
【0094】
キヤノン製フルカラーレーザーコピア複写機CLC−500改造機(現像容器の現像剤担持体表面粗さをRz=10μmになるようにマット化した。さらにハーフトーン再現性を緻密に評価するために、通常のレーザースポット径を20%絞った。)に入れ、ベタ画像及び極小スポットによるハーフトーン画像の形成を行い、3環境においてそれぞれ画像評価を行った。
【0095】
極小スポットにより形成されるハーフトーンの再現性の評価としては、1画素内でのレーザーのパルス幅変調(PWM)による多値記録により極小スポットに対するトナーの再現性を感光体ドラムの表面を顕微鏡で観察することにより、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0096】
(評価基準)
A:ドットの乱れがなく、極小ドットまで再現し非常に良好
B:飛び散りはなく、ドット形状はややばらつきであるが、良好
C:飛び散り、ドット形状にばらつきがあるが、実用上問題なし
D:飛び散り、ドット形状にばらつきが顕著
E:ドットのあるべきところに現像されていない、または飛び散りがひどい
【0097】
カブリの評価は、「リフレクトメータ」(東京電色社製)により測定したプリントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0098】
(評価基準)
A:1.5%未満
B:1.5%以上、2.5%未満
C:2.5%以上、4.0%未満
D:4.0%以上
【0099】
その結果を表2に示す。いずれの環境においてもベタ画像の画像濃度は高く、カブリの発生は十分に抑制され、ハーフトーンの再現性も良好であった。
【0100】
Figure 0003720651
からなる混合物を反応容器中に投入し、窒素を300ml/minでバブリングしながら溶液を30分よく混合した。重合開始時の溶存酸素量を測定したところ1.2mg/リットルであった。実施例1と同様にオイルバス温度63℃で14時間、窒素気流下で還流を行った。次いで実施例1と同様に洗浄をくり返して粒子を得た。得られたスラリーを乾燥して、個数平均粒子径(Dn)5.87μm、個数分布の変動係数14.0%のトナー粒子を得た。
【0101】
メタノール溶液により24時間抽出を行った結果、メタノール可溶樹脂成分の割合は、2.1質量%であった。
【0102】
実施例1と同様にしてメタノール可溶樹脂成分の水酸基価測定及びGPC分子量分布の測定を行った結果、水酸基価は341mgKOH/gであり、その樹脂成分の重量平均分子量は53,700、分子量200〜1000の成分はトナー中1.0質量%であった。
【0103】
実施例1と同様にして外添した。得られたトナー粒子の物性を表1に示す。
【0104】
実施例1と同様にして現像剤を作製し、評価を行った。その結果、L/L:−31.1μC/g、N/N:−28.9μC/g、H/H:‐27.9μC/gとなった。
【0105】
さらに実施例1と同様にして3環境においてそれぞれ画像評価を行った。
【0106】
その結果を表2に示す。結果は実施例1と同様に良好であった。
【0107】
〈実施例3〉
・メタノール 272質量部
・スチレン−3−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 28質量部
(共重合組成比=1:9、Mw(重量平均分子量)=66,100)
・スチレン 80質量部
・n−ブチルアクリレート 20質量部
・2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 5質量部
・銅フタロシアニン 5質量部
からなる混合物を反応容器中に投入し、窒素を400ml/minでバブリングしながら溶液を30分よく混合した。重合開始時の溶存酸素量を測定したところ0.7mg/リットルであった。実施例1と同様にオイルバス温度63℃で14時間、窒素気流下で還流を行った。次いで実施例1と同様に洗浄をくり返して粒子を得た。得られたスラリーを乾燥して、個数平均粒子径(Dn)4.72μm、個数分布の変動係数12.8%のトナー粒子を得た。
【0108】
メタノール溶液により24時間抽出を行った結果、メタノール可溶樹脂成分の割合は、2.3質量%であった。
【0109】
実施例1と同様にしてメタノール可溶樹脂成分の水酸基価測定及びGPC分子量分布の測定を行った結果、水酸基価は391mgKOH/gであり、その樹脂成分の重量平均分子量は62,800、分子量200〜1000の成分はトナー中1.5質量%であった。
【0110】
実施例1と同様にして外添した。得られたトナー粒子の物性を表1に示す。
【0111】
実施例1と同様にして現像剤を作製し、評価を行った。その結果、L/L:−36.0μC/g、N/N:−34.4μC/g、H/H:−33.9μC/gとなった。
【0112】
さらに実施例1と同様にして3環境においてそれぞれ画像評価を行った。
【0113】
その結果を表2に示す。結果は実施例1と同様に良好であった。
【0114】
〈実施例4〉
・メタノール 275質量部
・ポリ−2−ヒドロキシエチルメタクリレート 25質量部
(Mw(重量平均分子量)=67,000)
・スチレン 80質量部
・n−ブチルアクリレート 20質量部
・2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 5質量部
・銅フタロシアニン 5質量部
からなる混合物を反応容器中に投入し、窒素を300ml/minでバブリングしながら溶液を30分よく混合した。重合開始時の溶存酸素量を測定したところ1.2mg/リットルであった。実施例1と同様にオイルバス温度72℃で14時間、窒素気流下で還流を行った。次いで実施例1と同様に洗浄をくり返して粒子を得た。得られたスラリーを乾燥して、個数平均粒子径(Dn)3.99μm、個数分布の変動係数11.4%のトナー粒子を得た。
【0115】
メタノール溶液により24時間抽出を行った結果、メタノール可溶樹脂成分の割合は、2.8質量%であった。
【0116】
実施例1と同様にしてメタノール可溶樹脂成分の水酸基価測定及びGPC分子量分布の測定を行った結果、水酸基価は412mgKOH/gであり、その樹脂成分の重量平均分子量は648,000、分子量200〜1000の成分はトナー中2.0質量%であった。
【0117】
実施例1と同様にして外添した。得られたトナー粒子の物性を表1に示す。
【0118】
実施例1と同様にして現像剤を作製し、評価を行った。その結果、L/L:−25.4μC/g、N/N:−23.9μC/g、H/H:−22.2μC/gとなった。
【0119】
さらに実施例1と同様にして3環境においてそれぞれ画像評価を行った。
【0120】
その結果を表2に示す。結果は実施例1と同様に良好であった。
【0121】
〈比較例1〉
・メタノール 260質量部
・スチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体 40質量部
(共重合組成比=4:6、Mw(重量平均分子量)=51,000)
・スチレン 80質量部
・n−ブチルアクリレート 20質量部
・2,2′−アゾビスイソバレロニトリル 4.5質量部
・銅フタロシアニン 5質量部
からなる混合物を反応容器中に投入し、窒素を400ml/minでバブリングしながら溶液を20分よく混合した。重合開始時の溶存酸素量を測定したところ1.0mg/リットルであった。次いで実施例1と同様にして粒子を得た。得られたスラリーを乾燥して、個数平均粒子径(Dn)4.11μm、個数分布の変動係数30.9%のトナー粒子を得た。
【0122】
メタノール溶液により24時間抽出を行った結果、メタノール可溶樹脂成分の割合は、1.2質量%であった。
【0123】
実施例1と同様にしてメタノール可溶樹脂成分の水酸基価測定及びGPC分子量分布の測定を行った結果、水酸基価は208mgKOH/gであり、その樹脂成分の重量平均分子量は49,500、分子量200〜1000の成分はトナー中0.7質量%であった。
【0124】
実施例1と同様にして外添した。得られたトナー粒子の物性を表1に示す。
【0125】
実施例1と同様にして現像剤を作製し、評価を行った。その結果、L/L:−47.1μC/g、N/N:−40.7μC/g、H/H:−37.3μC/gとなり、帯電量の環境差が広がった。
【0126】
さらに実施例1と同様にして3環境においてそれぞれ画像評価を行った。
【0127】
その結果を表2に示す。結果は粒度分布がブロードなため微小ドットのばらつきが目立った。
【0128】
〈比較例2〉
・メタノール 270質量部
・スチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体 30質量部
(共重合組成比=2:8、Mw(重量平均分子量)=8,100)
・スチレン 80質量部
・n−ブチルアクリレート 20質量部
・2,2′−アゾビスイソバレロニトリル 4.5質量部
・銅フタロシアニン 5質量部
からなる混合物を反応容器中に投入し、窒素を400ml/minでバブリングしながら溶液を30分よく混合した。重合開始時の溶存酸素量を測定したところ0.7mg/リットルであった。次いで実施例1と同様にして粒子を得た。得られたスラリーを乾燥して、個数平均粒子径(Dn)4.72μm、個数分布の変動係数22.3%のトナー粒子を得た。
【0129】
メタノール溶液により24時間抽出を行った結果、メタノール可溶樹脂成分の割合は、4.1質量%であった。
【0130】
実施例1と同様にしてメタノール可溶樹脂成分の水酸基価測定及びGPC分子量分布の測定を行った結果、水酸基価は375mgKOH/gであり、その樹脂成分の重量平均分子量は10,200、分子量200〜1000の成分はトナー中11.1質量%であった。
【0131】
実施例1と同様にして外添した。得られたトナー粒子の物性を表1に示す。
【0132】
実施例1と同様にして現像剤を作製し、評価を行った。その結果、L/L:−21.0μC/g、N/N:−18.3μC/g、H/H:−15.2μC/gとなり、帯電量の環境差が広がった。
【0133】
さらに実施例1と同様にして3環境においてそれぞれ画像評価を行った。
【0134】
その結果を表2に示す。結果は全環境でかぶりが発生し、低温低湿下で画像濃度の低下がみられた。
【0135】
【表1】
Figure 0003720651
【0136】
【表2】
Figure 0003720651
【0137】
【発明の効果】
微粒径で、かつ粒度分布のシャープなトナーにおいて、そのトナー表面にメタノールに可溶な表面樹脂成分を一定の範囲で含有することにより、低温低湿から高温高湿環境下まで、帯電量安定性に優れ、現像/転写性に優れることにより高画質化を達成するトナーを提供することが可能となる。

Claims (13)

  1. 少なくとも結着樹脂及び着色剤を有するトナーにおいて、
    (i)個数平均粒径が0.5乃至6.0μmであり、
    (ii)個数分布の変動係数が20%以下であり、
    (iii)メタノールにより抽出されるメタノール可溶樹脂成分を、トナー質量に対して、0.01乃至10質量%含有しており、該メタノール可溶樹脂成分は、水酸基を有する重合体組成物を含有し、且つ300乃至450mgKOH/gの水酸基価(OHv)を有する
    ことを特徴とするトナー。
  2. 該メタノール可溶樹脂成分が、少なくとも下記の構造式で示される繰り返し単位(I)および(II)を有し、該メタノール可溶樹脂成分において繰り返し単位(I)および(II)の繰り返し単位数の合計が該メタノール可溶樹脂成分全体を構成するユニット数に対して50%以上であり、繰り返し単位(I)の繰り返し単位数が、繰り返し単位(I)および(II)の合計数に対して60乃至100%であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
    【外1】
    Figure 0003720651
    (式中、R1 は(CH2 n ,n=1〜4、R2 はH、置換または無置換アルキル基、ハロゲン原子、R3 〜R7 は水素原子、置換または無置換アルキル基、ハロゲン原子、ニトリル基、水酸基を表し、繰り返し単位(I)および(II)は複数種類であっても良い。)
  3. 該メタノール可溶樹脂成分が、少なくとも(I)の繰り返し単位として2−ヒドロキシエチルメタクリレートを、(II)の繰り返し単位としてスチレンを含有することを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
  4. 該メタノール可溶樹脂成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の分子量分布において、
    (i)分子量2000乃至100000の範囲に重量平均分子量(Mw)を有し、
    (ii)分子量200乃至1000の成分を3質量%以下含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 該トナーは、メタノールにより抽出されるメタノール可溶樹脂成分をトナー質量に対して、0.2乃至8質量%含有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
  6. 重合用溶媒に溶解可能であり、且つ重合により生成する重合体は、該重合用溶媒に溶解しない重合性単量体、および、該重合用溶媒に可溶である重合体組成物を該重合用溶媒に溶解して重合反応系を調製する工程;
    重合反応開始時の該重合反応系中の溶存酸素量を2.0mg/リットル以下に設定して、該重合反応系中で重合開始剤の存在下で、該重合性単量体を重合する工程;
    該重合反応系中から重合粒子を得る工程;および
    得られた重合粒子からトナーを生成する工程;
    を有するトナーの製造方法であって、
    得られたトナーは、少なくとも結着樹脂および着色剤を含有しており、
    (i)個数平均粒径が0.5乃至6.0μmであり、
    (ii)個数分布の変動係数が20%以下であり、
    (iii)メタノールにより抽出されるメタノール可溶樹脂成分を、トナー質量に対して、0.01乃至10質量%含有しており、該メタノール可溶樹脂成分は、水酸基を有する重合体組成物を含有し、且つ300乃至450mgKOH/gの水酸基価(OHv)を有することを特徴とするトナー製造方法。
  7. 該重合性単量体の重合開始時の該重合反応系中の溶存酸素量は、該重合反応系中の不活性ガスを吹き込みバブリングすることにより、2.0mg/リットル以下に設定されることを特徴とする請求項6に記載のトナーの製造方法。
  8. 該重合性単量体の重合開始時の該重合反応系中の溶存酸素量は、該重合反応系中に超音波を付与して脱酸素することにより、2.0mg/リットル以下に設定されることを特徴とする請求項6に記載のトナーの製造方法。
  9. 該重合性単量体の重合開始時の該重合反応系中の溶存酸素量は、該重合反応系中に不活性ガスを吹き込みバブリングすることおよび該重合反応系中に超音波を付与して脱酸素することにより、2.0mg/リットル以下に設定されることを特徴とする請求項6に記載のトナーの製造方法。
  10. 該重合用溶媒が、メタノールおよび/またはエタノールもしくはそれらの混合物を30乃至99.9質量%の範囲で含有する混合溶媒であり、得られた重合粒子を、下記化学式−1に示される飽和アルコールを30質量%以上含有する溶媒で洗浄することを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載のトナーの製造方法。
    (化学式−1) Cn2n+1OH n=1〜5
  11. 該メタノール可溶樹脂成分が、少なくとも下記の構造式で示される繰り返し単位(I)および(II)を有し、該メタノール可溶樹脂成分において繰り返し単位(I)および(II)の繰り返し単位数の合計が該メタノール可溶樹脂成分全体を構成するユニット数に対して50%以上であり、繰り返し単位(I)の繰り返し単位数が、繰り返し単位(I)および(II)の合計数に対して60乃至100%であることを特徴とする請求項6乃至10のいずれかに記載のトナーの製造方法。
    【外2】
    Figure 0003720651
    (式中、R1 は(CH2 n ,n=1〜4、R2 はH、置換または無置換アルキル基、ハロゲン原子、R3 〜R7 は水素原子、置換または無置換アルキル基、ハロゲン原子、ニトリル基、水酸基を表し、繰り返し単位(I)および(II)は複数種類であっても良い。)
  12. 該メタノール可溶樹脂成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の分子量分布において、
    (i)分子量2000乃至100000の範囲に重量平均分子量を有し、
    (ii)分子量200乃至1000の成分を3質量%以下含有することを特徴とする請求項6乃至11のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  13. 該トナーは、メタノールにより抽出されるメタノール可溶樹脂成分をトナー質量に対して、0.2乃至8質量%含有していることを特徴とする請求項6乃至12のいずれかに記載のトナーの製造方法。
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