JP3719733B2 - 屈折率分布型光学樹脂材料及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、従来の光学樹脂では実現が困難であった、高い透明性と耐熱性を合わせ持った屈折率分布型光学樹脂材料(以下、光学樹脂材料と略すことがある)及びその製造法に関するものである。
【0002】
本発明の光学樹脂材料は、それ自身が光ファイバー等の光伝送体であってもよく、また光ファイバーのプリフォーム等の光伝送体の母材であってもよい。
【0003】
本発明の光学樹脂材料である光伝送体は、非結晶樹脂であるため光の散乱がなくしかも紫外光から近赤外光まで広範囲の波長帯で透明性が非常に高いため、多種多様な波長の光システムに有効利用が可能である。特に光通信分野において幹線石英ファイバーに利用されている波長である1300nm、1550nmで低損失である光伝送体を与えるものである。
【0004】
また本発明の光学樹脂材料である光伝送体は、自動車のエンジンルーム等での過酷な使用条件に耐える、耐熱性、耐薬品性、耐湿性、不燃性を備えるものである。
【0005】
本発明の光学樹脂材料である光伝送体は、屈折率分布型の光ファイバー、ロッドレンズ、光導波路、光分岐器、光合波器、光分波器、光減衰器、光スイッチ、光アイソレーター、光送信モジュール、光受信モジュール、カップラー、偏向子、光集積回路等の多岐にわたる屈折率分布型光伝送体として有用である。ここで、屈折率分布とは光伝送体の特定の方向に沿って屈折率が連続的に変化する領域を意味し、例えば屈折率分布型光ファイバーの屈折率分布は、ファイバーの中心から半径方向に向かって屈折率が放物線に近い曲線で低下している。
【0006】
本発明の光学樹脂材料が光伝送体の母材の場合は、これを熱延伸等で紡糸して、屈折率分布型光ファイバー等の光伝送体を製造できる。
【0007】
【従来の技術】
従来より知られている屈折率分布型プラスチック光伝送体用の樹脂としては、メチルメタクリレート系樹脂を代表とした光学樹脂や、WO94/04949に記載されたテトラフルオロエチレン樹脂やビニリデンフルオライド樹脂が提案されている。
【0008】
段階屈折型プラスチック光ファイバーとしてはコアをメチルメタクリレート樹脂、スチレン樹脂、カーボネート樹脂、ノルボルネン樹脂等の光学樹脂を使用し、クラッドを含フッ素ポリマーとする提案が多くなされている。また特開平2ー244007号公報にはコアとクラッドに含フッ素樹脂を用いた提案もされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、メチルメタクリレート樹脂、カーボネート樹脂、ノルボルネン樹脂等の光伝送体では達し得なかった、自動車、オフィスオートメーション(OA)機器、家電機器用途等で要求される耐熱性、耐湿性、耐薬品性、不燃性を有する光学樹脂材料を提供するものである。
【0010】
また本発明は、メタクリレート樹脂、カーボネート樹脂、ノルボルネン樹脂等の光伝送体では達し得なかった紫外光(波長200nmから400nm)と近赤外光(波長700nmから2500nm)を利用可能とし、さらに広範囲の伝送領域帯で低い光伝送損失をもつ光学樹脂材料及びその製造法を新規に提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記問題点の認識に基づいて鋭意検討を重ねた結果、耐熱性、耐湿性、耐薬品性、不燃性を付与しかつ近赤外光で光吸収が起こるC−H結合(すなわち、炭素−水素結合)をなくすためにはC−H結合を実質的に含まない含フッ素重合体が最適であるとの知見を得た。この含フッ素重合体はC−H結合の代わりにC−F結合(すなわち、炭素−フッ素結合)を有する。
【0012】
すなわち、物質に光を照射すると、ある原子間の結合の伸縮振動や、変角振動と共鳴振動する波長の光が、優先的に吸収されることになる。これまでプラスチック光ファイバーに用いられた高分子物質は主にC−H結合を有する化合物であった。このC−H結合を基本とする高分子物質では、水素原子が軽量で振動しやすいために、基本吸収は、赤外域に短波長側(3400nm)に現れる。従って、光源の波長である近赤外〜赤外域(600〜1550nm)では、このC−H伸縮振動の比較的低倍音吸収がとびとびに現れ、これが吸収損失の大きな原因になっている。
【0013】
そこで水素原子をフッ素原子に置換すると、それらの倍音吸収ピークの波長は長波長側に移動し、近赤外域での吸収量が減少する。理論値から見れば、C−H結合を有するPMMA(ポリメチルメタアクリレート)の場合には波長650nmにおいてC−H結合の吸収損失は、105dB/kmと見積もられており、波長1300nmにおいては10000dB/km以上になる。
【0014】
一方、水素原子をフッ素原子に置き換えた物質では波長650nmでは実質的に吸収による損失はなく、波長1300nmにおいてもC−F結合の伸縮振動の6倍音と7倍音の間で、1dB/kmのオーダーであり吸収損失はないと考えてよい。そのために我々はC−F結合を有する化合物を用いることを提案する。
【0015】
また、耐熱性、耐湿性、耐薬品性、不燃性を阻害する要因となるカルボキシル基やカルボニル基等の官能基を除外することが望ましい。また、カルボキシル基があると近赤外光の光吸収があり、カルボニル基があると紫外光の光吸収があるため、これらの基を除外することが望ましい。さらに光の散乱による伝送損失を低減するためには非結晶性の重合体にする事が重要である。
【0016】
更に、段階屈折率型光ファイバーの場合、マルチモードの光はコアとクラッドの界面で反射されながら伝搬する。そのためモード分散が起こり伝送帯域が低下する。しかし屈折率分布型光ファイバーではモード分散が起こりにくく伝送帯域は増加する。
【0017】
そこで光学樹脂材料として実質的にC−H結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体、特に主鎖に環構造を有する含フッ素重合体と、該重合体に比較して屈折率の異なる物質の濃度が特定の方向に勾配を有す光学樹脂材料及びその製造法を新規に見いだし、下記本発明(1)〜(2)に至った。
【0018】
(1)主鎖に環構造を有し、実質的にC−H結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体(a)と、含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が0.001以上である少なくとも1種類の実質的にC−H結合を有しない物質(b)とからなり、含フッ素重合体(a)中に物質(b)が特定の方向に沿って濃度勾配を有して分布している屈折率分布型光伝送体。
【0019】
(2)主鎖に環構造を有し、実質的にC−H結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体(a)を溶融し、含フッ素重合体(a)の溶融液の中心部に含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が0,001以上である少なくとも1種類の物質(b)、またはその物質(b)を含む含フッ素重合体(a)を注入し、物質(b)を拡散させながら、または拡散させた後に成形することにより屈折率が連続的に変化する領域を形成することを特徴とする屈折率分布型光学樹脂材料の製造法。
【0020】
含フッ素重合体として、従来よりテトラフルオロエチレン樹脂、パーフルオロ(エチレン−プロピレン)樹脂、パーフルオロアルコキシ樹脂、ビニリデンフルオライド樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂等が広く知られている。しかしながら、これらの含フッ素樹脂は結晶性を有するため、光の散乱が起こり、透明性が良好でなく、プラスチック光伝送体の材料としては好ましくない。
【0021】
これに対して、非結晶性の含フッ素重合体は、結晶による光の散乱がないため、透明性に優れる。本発明における含フッ素重合体(a)は、特にC−H結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体であって、主鎖に環構造を有する含フッ素重合体である。主鎖に環構造を有する含フッ素重合体としては、含フッ素脂肪族環構造、含フッ素イミド環構造、含フッ素トリアジン環構造または含フッ素芳香族環構造を有する含フッ素重合体が好ましい。含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体では含フッ素脂肪族エーテル環構造を有するものがさらに好ましい。
【0022】
含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体は、含フッ素イミド環構造、含フッ素トリアジン環構造または含フッ素芳香族環構造を有する含フッ素重合体に比べ、後述の熱延伸または溶融紡糸によるファイバー化に際してもポリマー分子が配向しにくく、その結果光の散乱を起こすこともないなどの理由から、より好ましい重合体である。
【0023】
含フッ素重合体(a)の溶融状態における粘度は、溶融温度200℃〜300℃において103〜105ポイズが好ましい。溶融粘度が高過ぎると溶融紡糸が困難なばかりでなく、屈折率分布の形成に必要な、物質(b)の拡散が起こりにくくなり屈折率分布の形成が困難になる。また、溶融粘度が低過ぎると実用上問題が生じる。すなわち、電子機器や自動車等での光伝送体として用いられる場合に高温にさらされ軟化し、光の伝送性能が低下する。
【0024】
含フッ素重合体(a)の数平均分子量は、10,000〜5000,000が好ましく、より好ましくは50,000〜1000,000である。分子量が小さ過ぎると耐熱性を阻害することがあり、大き過ぎると屈折率分布を有する光伝送体の形成が困難になるため好ましくない。
【0025】
含フッ素脂肪族環構造を有する重合体としては、含フッ素環構造を有するモノマーを重合して得られるものや、少なくとも2つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーを環化重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が好適である。
【0026】
含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーを重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、特公昭63−18964号公報等により知られている。即ち、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)等の含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーを単独重合することにより、またこのモノマーをテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニールエーテル)などのラジカル重合性モノマーと共重合することにより主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が得られる。
【0027】
また、少なくとも2つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーを環化重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、特開昭63−238111号公報や特開昭63−238115号公報等により知られている。即ち、パーフルオロ(アリルビニルエーテル)やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)等のモノマーを環化重合することにより、またはこのようなモノマーをテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニールエーテル)などのラジカル重合性モノマーと共重合することにより主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が得られる。
【0028】
また、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)等の含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーとパーフルオロ(アリルビニルエーテル)やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)等の少なくとも2つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーとを共重合することによっても主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が得られる。
【0029】
上記の含フッ素脂肪族環構造を有する重合体としては、具体的には以下の(I)〜(IV)式から選ばれる繰り返し単位を有するものが例示される。なお、これらの含フッ素脂肪族環構造を有する重合体中のフッ素原子は、屈折率を高めるために一部塩素原子で置換されていてもよい。
【0030】
【化2】
【0031】
[上記(I)〜(IV)式において、lは0〜5、mは0〜4、nは0〜1、l+m+nは1〜6、o,p,qはそれぞれ0〜5、o+p+qは1〜6、RはFまたはCF3、R1はFまたはCF3、R2はFまたはCF3、X1はFまたはCl、X2はFまたはClである。]
含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、主鎖に環構造を有する重合体が好適であるが、環構造を有する重合単位を20モル%以上、好ましくは40モル%以上含有するものが透明性、機械的特性等の面から好ましい。
【0032】
物質(b)は、含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が0.001以上である少なくとも1種類の物質であり、含フッ素重合体(a)よりも高屈折率であっても低屈折率であってもよい。光ファイバー等においては通常は含フッ素重合体(a)よりも高屈折率の物質を用いる。
【0033】
この物質(b)としては、ベンゼン環等の芳香族環、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、エーテル結合等の結合基を含む、低分子化合物、オリゴマー、ポリマーが好ましい。又、物質(b)は、含フッ素重合体(a)と同様な理由から実質的にC−H結合を有しない物質である。含フッ素重合体(a)との屈折率の差は0.005以上であることが好ましい。
【0034】
オリゴマーやポリマーである物質(b)としては、前記したような含フッ素重合体(a)を形成するモノマーの重合体からなり、含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が0.001以上であるオリゴマーやポリマーであってもよい。モノマーとしては、含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が0.001以上である重合体を形成するものから選ばれる。たとえば、屈折率の異なる2種の含フッ素重合体(a)を用い、一方の重合体(a)を物質(b)として他の重合体(a)中に分布させることができる。
【0035】
これらの物質(b)は、上記マトリックスとの比較において、溶解性パラメータの差が7(cal/cm3)1/2以内であることが好ましい。ここで溶解性パラメータとは物質間の混合性の尺度となる特性値であり、溶解性パラメータをδ、物質の分子凝集エネルギーをE、分子容をVとして、式δ=(E/V)1/2で表される。
【0036】
低分子化合物としては、例えば炭素原子に結合した水素原子を含まないハロゲン化芳香族炭化水素がある。特に、ハロゲン原子としてフッ素原子のみを含むハロゲン化芳香族炭化水素やフッ素原子と他のハロゲン原子を含むハロゲン化芳香族炭化水素が、含フッ素重合体(a)との相溶性の面で好ましい。また、これらのハロゲン化芳香族炭化水素は、カルボニル基、シアノ基などの官能基を有していないことがより好ましい。
【0037】
このようなハロゲン化芳香族炭化水素としては、例えば式Φr−Zb[Φrは水素原子のすべてがフッ素原子に置換されたb価のフッ素化芳香環残基、Zはフッ素以外のハロゲン原子、−Rf、−CO−Rf、−O−Rf、あるいは−CN。ただし、Rfはパーフルオロアルキル基、ポリフルオロパーハロアルキル基、または1価のΦr。bは0または1以上の整数。]で表される化合物がある。芳香環としてはベンゼン環やナフタレン環がある。Rfであるパーフルオロアルキル基やポリフルオロパーハロアルキル基の炭素数は5以下が好ましい。フッ素以外のハロゲン原子としては、塩素原子や臭素原子が好ましい。
【0038】
具体的な化合物としては例えば、1,3−ジブロモテトラフルオロベンゼン、1,4−ジブロモテトラフルオロベンゼン、2−ブロモテトラフルオロベンゾトリフルオライド、クロロペンタフルオロベンゼン、ブロモペンタフルオロベンゼン、ヨードペンタフルオロベンゼン、デカフルオロベンゾフェノン、パーフルオロアセトフェノン、パーフルオロビフェニル、クロロヘプタフルオロナフタレン、ブロモヘプタフルオロナフタレンなどがある。
【0039】
ポリマーやオリゴマーである物質(b)としては、前記(I)〜(IV)の繰り返し単位を有するものの内、組み合される含フッ素重合体(a)とは異なる屈折率を有する含フッ素重合体(例えば、ハロゲン原子としてフッ素原子のみを含む含フッ素重合体とフッ素原子と塩素原子を含む含フッ素重合体との組み合せ、異なる種類や異なる割合の2以上のモノマーを重合して得られた2種の含フッ素重合体の組み合せなど)が好ましい。
【0040】
また、上記のごとき主鎖に環構造を有する含フッ素重合体以外に、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテルなどの水素原子を含まないモノマーからなるオリゴマー、それらモノマー2種以上の共重合オリゴマーなども物質(b)として使用できる。また、−CF2CF(CF3)O−や−(CF2)nO−(nは1〜3の整数)の構造単位を有するパーフルオロポリエーテルなども使用できる。これらオリゴマーの分子量は、非結晶性となる分子量範囲から選ばれ、数平均分子量300〜10,000が好ましい。拡散のしやすさを考慮すると、数平均分子量300〜5000がさらに好ましい。
【0041】
特に好ましい物質(b)は、含フッ素重合体(a)特に主鎖に環構造を有する含フッ素重合体との相溶性が良好であること等から、クロロトリフルオロエチレンオリゴマーである。相溶性が良好であることにより、含フッ素重合体(a)、特に主鎖に環構造を有する含フッ素重合体、とクロロトリフルオロエチレンオリゴマーとを200〜300℃で加熱溶融により容易に混合させることができる。又、含フッ素溶媒に溶解させて混合した後、溶媒を除去することにより両者を均一に混合させることができる。クロロトリフルオロエチレンオリゴマーの好ましい分子量は、数平均分子量500〜1500である。
【0042】
本発明の光学樹脂材料は屈折率分布型光ファイバーであることが最も好ましい。この光ファイバーにおいて、物質(b)は含フッ素重合体(a)中に中心から周辺方向に沿って濃度勾配を有して分布している。好ましくは、物質(b)が含フッ素重合体(a)よりも高屈折率の物質であり、この物質(b)が光ファイバーの中心から周辺方向に沿って濃度が低下する濃度勾配を有して分布している光ファイバーである。ある場合には物質(b)が含フッ素重合体(a)よりも低屈折率の物質であり、この物質が光ファイバーの周辺から中心方向に沿って濃度が低下する濃度勾配を有して分布している光ファイバーも有用である。前者の光ファイバーなどの光伝送体は通常物質(b)を中心に配置し周辺方向に向かって拡散させることにより製造できる。後者の光ファイバーなどの光伝送体は物質(b)を周辺から中心方向に拡散させることによって製造できる。
【0043】
本発明の光学樹脂材料である光伝送体は、波長700〜1,600nmで、100mの伝送損失が100db以下とすることができる。特に主鎖に脂肪族環構造を有する含フッ素重合体では同様な波長で、100mの伝送損失が50db以下とすることができる。波長700〜1,600nmという比較的長波長において、このような低レベルの伝送損失であることは極めて有利である。すなわち、石英光ファイバーと同じ波長を使えることにより、石英光ファイバーとの接続が容易であり、また波長700〜1,600nmよりも短波長を使わざるをえない従来のプラスチック光ファイバーに比べ、安価な光源で済むという利点がある。本発明の光学樹脂材料製造において、樹脂の成形と屈折率分布の形成は同時であっても別々であってもよい。たとえば、紡糸や押し出し成形等により屈折率分布を形成すると同時に屈折率分布を形成して本発明光学樹脂材料を製造できる。また、紡糸や押し出し成形で樹脂の成形を行った後、屈折率分布を形成することができる。さらに、屈折率分布を有するプリフォーム(母材)を製造し、このプリフォームを成形(たとえば紡糸)して光ファイバー等の光学樹脂材料を製造できる。なお、前記のように本発明光学樹脂材料は、上記屈折率分布を有するプリフォームをも意味する。
【0044】
本発明の光学樹脂材料の製造方法としては、たとえば以下の(1)〜(7)の方法がある。しかしこれらに限られるものではない。特に好ましい方法は(1)の方法である。
【0045】
(1)含フッ素重合体(a)を溶融し、含フッ素重合体(a)の溶融液の中心部に物質(b)またはその物質(b)を含む含フッ素重合体(a)を注入し、物質(b)を拡散させながら、または拡散させた後に成形する方法。
【0046】
この場合、物質(b)を注入するには、中心部に1層のみ物質(b)を注入する場合のみならず、中心部に物質(b)を多層に注入してもよい。成形には光ファイバーのプリフォーム等のごときロッド状母材を成形するために適する押出溶融成形、光ファイバーを成形するために適する溶融紡糸成形等がある。
【0047】
(2)溶融紡糸や延伸などによって得られた含フッ素重合体(a)からなる芯材に、物質(b)またはその物質(b)を含む含フッ素重合体(a)を繰り返しディップコートする方法。
【0048】
(3)回転ガラス管などを利用して中空状の含フッ素重合体(a)からなる管を形成し、この重合体管の内部に物質(b)またはその物質(b)を含む含フッ素重合体(a)を形成するモノマー相を密封し、低速で回転させながら重合させる方法。
【0049】
この界面ゲル共重合の場合、重合過程において、含フッ素重合体(a)からなる管がモノマー相に膨潤し、ゲル相が形成され、モノマー分子が選択的にゲル相内に拡散しながら重合される。
【0050】
(4)含フッ素重合体(a)を形成するモノマーと物質(b)を形成するモノマーであって、それらモノマーの反応性が異なる2種のモノマーを用いて、生成する含フッ素重合体(a)と物質(b)の組成比が周辺部から中心に向かって連続的に変化するように重合反応を進行させる方法。
【0051】
(5)含フッ素重合体(a)と物質(b)を均一に混合した混合物または溶媒中で均一に混合した後、溶媒のみを揮発除去させることにより得られる混合物を、熱延伸または溶融押出によりファイバー化し、次いで(またはファイバー化直後に)加熱状態で不活性ガスと接触させて物質(b)を表面から揮発させることにより屈折率分布を形成する方法。または、上記ファイバー化した後、含フッ素重合体(a)を溶解せずに物質(b)のみを溶解する溶媒中にファイバーを浸漬し、物質(b)をファイバー表面から溶出させることにより屈折率分布を形成する方法。
【0052】
(6)含フッ素重合体(a)からなるロッドまたはファイバーに、含フッ素重合体(a)よりも屈折率が小さい物質(b)のみを被覆するか、または含フッ素重合体(a)と物質(b)との混合物を被覆し、次いで加熱により物質(b)を拡散させて屈折率分布を形成する方法。
【0053】
(7)高屈折率重合体と低屈折率重合体とを加熱溶融または溶媒を含有する溶液状態で混合し、それぞれ混合割合の異なる状態で多層押出させながら(または押出したのちに)両者を互いに拡散させ、最終的に屈折率分布の形成されたファイバーを得る方法。この場合、高屈折率重合体が含フッ素重合体(a)で低屈折率重合体が物質(b)でもよく、高屈折率重合体が物質(b)で低屈折率重合体が物質(b)でもよい。
【0054】
【実施例】
次に、本発明の実施例について更に具体的に説明するが、この説明が本発明を限定するものでないことは勿論である。
【0055】
「合成例1」
パーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)[PBVE]の35g、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン(R113)の5g、イオン交換水の150g、及び重合開始剤として((CH3)2CHOCOO)2の90mgを、内容積200mlの耐圧ガラス製オートクレーブに入れた。系内を3回窒素で置換した後、40℃で22時間懸濁重合を行った。その結果、数平均分子量約1.5×105の重合体(以下、重合体Aという)を28g得た。
【0056】
重合体Aの固有粘度[η]は、パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)[PBTHF]中30℃で0.50であった。重合体Aのガラス転移点は108℃であり、室温ではタフで透明なガラス状の重合体であった。また10%熱分解温度は465℃であり、溶解性パラメーターは5.3(cal/cm3)1/2であり、屈折率は1.34であった。図1に重合体Aの光線透過率を示す。
【0057】
「合成例2」
パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)[PDD]とテトラフルオロエチレンを重量比80:20でラジカル重合し、ガラス転移点160℃で数平均分子量約5×105の重合体(以下、重合体Bという)を得た。重合体Bは無色透明であり、屈折率は1.3で、光線透過率も高かった。
【0058】
またPDDとクロロトリフルオロエチレン(CTFE)を重量比75:25でラジカル重合し、ガラス転移点150℃で数平均分子量約3×105の重合体(以下、重合体Cという)を得た。重合体Cは無色透明であり、屈折率は1.4で、光線透過率も高かった。
【0059】
「合成例3」
PBVEの8g、PDDの2g、PBTHFの10g、重合開始剤として((CH3)2CHOCOO)2の20mgを、内容積50mlの耐圧ガラス製アンプルに入れた。系内を3回窒素で置換した後、40℃で20時間重合を行った。その結果、数平均分子量約2×105の透明な重合体(以下、重合体Dという)6.7gを得た。
【0060】
重合体Dのガラス転移点157℃、屈折率は1.32、IRスペクトルの1930cm−1の吸収の吸光度よりPDDの重合単位含量を求めたところ12重量%であった。
【0061】
また、PBVEの2g、PDDの8g、PBTHFの10g、重合開始剤として((CH3)2CHOCOO)2の20mgを、内容積50mlの耐圧ガラス製アンプルに入れた。系内を3回凍結脱気した後、30℃で20時間重合を行った。その結果、数平均分子量約3×105の透明な重合体(以下、重合体Eという)を7g得た。
【0062】
重合体Eのガラス転移点210℃、屈折率は1.29、IRスペクトルの1930cm~1の吸収の吸光度よりPDDの重合単位含量を求めたところ82重量%であった。
【0063】
「実施例1」
上記合成で得られた重合体AをPBTHF溶媒中で溶解し、これに屈折率1.52であり重合体Aとの溶解性パラメーターの差が3.2(cal/cm3)1/2である1,3−ジブロモテトラフルオロベンゼン(DBTFB)を12重量%量添加し混合溶液を得た。この溶液を脱溶媒し透明な混合重合体(以下、重合体Fという)を得た。
【0064】
重合体Aを溶融し、その中心に溶融液の重合体Fを注入しながら300℃で溶融紡糸することにより屈折率が中心部から周辺部に向かって徐々に低下する光ファイバーが得られた。
【0065】
得られた光ファイバーの光伝送特性は、780nmで300dB/km、1550nmで130dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバーであることを確かめた。
【0066】
「実施例2」
PBVEの40g、重合開始剤として((CH3)2CHOCOO)2の500mlを加えガラス管に仕込み、凍結脱気した後、高速で回転しながら重合した。合成された中空状の管をガラス管より取り出し数平均分子量約1×105のポリマーからなる管を得た。この管の中空部にPBVEの20g、高屈折率物質としてDBTFBの2g、重合開始剤として((CH3)2CHOCOO)2の200mlを加えて、密封し、低速で回転しながら重合した。
【0067】
重合過程において、管のポリマーがモノマー相に膨潤し、ゲル相が形成されるため、重合反応はこのゲル相内でゲル効果によって促進され、ポリマー相は周辺部より形成される。この際にモノマー分子は高屈折率物質分子に比べて分子サイズが小さいために選択的にゲル相内に拡散し、高屈折率物質が中心部に集められて重合されるために、中心部から周辺部に向けて屈折率が徐々に減少する屈折率分布が形成される。こうして得られたプリフォームを熱延伸して屈折率分布を有する光ファイバーが得られた。
【0068】
得られた光ファイバーの光伝送特性は、650nmで500dB/km、1550nmで150dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバーであることを確かめた。
【0069】
「実施例3」
前記合成で得られた重合体Dで30ミクロンの芯材を作成した。またPBTHF溶媒中に重合体Dを1重量%濃度で含む溶液(以下、溶液Dという)を調整した。同じくPBTHF溶媒中に重合体Eを1重量%で含む溶液(以下、溶液Eという)を調整した。重合体Dの芯材に溶液Dを引き上げ速度6cmでディップコートし180℃で乾燥した。重合体Dの径が100nm増加するのを確認した。この溶液Dに上記溶液Eを重量で250分の1ずつ加え同様にディップコートと乾燥を500回繰り返した。最後に10重量%濃度の溶液Eのディップコートと乾燥を5回繰り返し180℃で2時間乾燥した。径が約600ミクロンの屈折率が中心部から周辺部に向かって徐々に低下する光ファイバーが得られた。
【0070】
得られた光ファイバーの光伝送特性は、650nmで1050dB/km、950nmで460dB/km、1300nmで130dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバーであることを確かめた。「実施例4」
前記で合成された重合体Bと重合体Cの等量をPBTHF溶媒に溶解し混合した。これを脱溶媒し透明の重合体混合物(B+C)を得た。重合体Bを溶融し、その内側に溶融した重合体混合物(B+C)を、さらに中心に溶融した重合体Cを注入しながら溶融紡糸することにより屈折率が中心部から周辺部に向かって徐々に低下する光ファイバーが得られた。
【0071】
得られた光ファイバーの光伝送特性は、650nmで550dB/km、1550nmで130dB/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝達できる光ファイバーであることを確かめた。
【0072】
「実施例5」
DBTFBを12重量%用いる代わりに数平均分子量800のCTFEオリゴマーを30重量%用いる以外実施例1と同様な方法で光ファイバーを得た。このオリゴマーの屈折率は1.41であり、重合体Aとの溶解性パラメーターの差は1.4(cal/cm3)1/2であった。得られた光ファイバーは屈折率が中心部から周辺部に向かって徐々に低下していた。
【0073】
この光ファイバーの光伝送特性は、780nmで280dB/km、1550nmで120dB/kmであり、可視光から近赤外までの光を良好に伝達できる光ファイバーであることを確かめた。
【0074】
「実施例6」
反応性比r1(PDD/PBVE共重合体の生成速度定数に対するPDD単独重合体の生成速度定数の比)が1.9のPDD50部と反応性比r2(PDD/PBVE共重合体の生成速度定数に対するPBVE単独重合体の生成速度定数の比)が0.19のPBVE50部および光開始剤としてジアルコキシアセトフェノン1部を5部のHCFC225に溶解したものをガラスアンプルに入れ系内を3回凍結脱気した後、低圧水銀ランプを用いて光重合を行ったところ、周辺部の屈折率1.31中心部が1.33の連続した屈折率分布を有するプリフォームが得られた。これを熱延伸して屈折率分布を有する光ファイバーを得た。
【0075】
得られた光ファイバーの光伝送特性は、650nmで320db/Km、1550nmで250db/Kmであり、可視光から紫外光までの光を良好に伝達できる光ファイバーであることを確かめた。
【0076】
「実施例7」
重合体A85部とDBTFB15部とを溶融混合し、ロッドを成形した。このロッドを200℃で加熱延伸させファイバーを作成した。このとき、加熱延伸部から出るファイバーを120℃に加熱した長さ1mの電気炉を通す。この電気炉中にはあらかじめ120℃に加熱した乾燥空気を流し、これによりファイバーの表面からDBTFBを揮発させ、屈折率分布の形成された光ファイバーが得られた。
【0077】
得られた光ファイバーの光伝送特性は650nmで420dB/km、780nmで250dB/km、1300nmで110dB/kmであり、可視光から近赤外までの光を良好に伝達できる光ファイバーであることを確かめた。
【0078】
「実施例8」
PBVE90部とCTFE10部とを重合することにより数平均分子量約2×105の重合体(以下、重合体Fという)を得た。重合体Fに数平均分子量800のCTFEオリゴマーを溶融均一混合してそのオリゴマー含量が20重量%となるようなロッドを得た。
【0079】
これを熱延伸して直径500μのファイバーを作成した。このファイバーをエタノール中に通してCTFEオリゴマーを溶出させた後、200℃に加熱した円筒状の加熱炉中を約10秒の滞留時間で通すことにより乾燥させた。その結果、外周部の屈折率1.36中心部の屈折率1.38の屈折率分布のついた光ファイバーが得られた。
【0080】
得られた光ファイバーの光伝送特性は、650nmで250db/Km、1550nmで150db/Kmであり、可視光から紫外光までの光を良好に伝達できる光ファイバーであることを確かめた。
【0081】
「実施例9」
重合体Cを270℃で押出法により紡糸し、得られたファイバーを直ちに220℃に加熱したヘキサフルオロプロピレンオキシド(HFPO)オリゴマー(数平均分子量2100)中に滞留時間が3分となるように通過させた。その結果、HFPOオリゴマーがファイバー中に拡散浸透し、外周部から中心に向かって連続的に屈折率が変化する外径600μの光ファイバーが得られた。このとき外周部の屈折率は1.34中心部の屈折率は1.35であった。
【0082】
得られた光ファイバーの光伝送特性は、650nmで300db/Km、1550nmで130db/Kmであり、可視光から紫外光までの光を良好に伝達できる光ファイバーであることを確かめた。
【0083】
「実施例10」
PDDとPBVEを重合させて、PDD含量が20重量%の数平均分子量約1×105の重合体(以下、重合体Gという)および60重量%の数平均分子量約5×105の重合体(以下、重合体Hという)を合成した。屈折率はそれぞれ、重合体Gが1.33であり、重合体Hが1.31であった。
【0084】
重合体GとHそれぞれをパーフルオロトリブチルアミン/パーフロロオクタン=20/80(重量比)に重合体濃度が20重量%となるように溶解したのち、表1に示す割合で両者を混合した11種類の溶液を調整したのち、加熱により溶媒を一部揮発させて約30000cPのゲル状溶液とした。この11種類の混合割合の異なるゲルを80℃に加熱させながら多層ノズルを用いて同心円状に多層ファイバーを押し出した。このファイバーを空気を流通させた加熱炉中(約150〜200℃)を通過させ残存溶媒を除去した。この結果、屈折率分布が形成されたファイーバーを得た。
【0085】
得られた光ファイバーの光伝送特性は、650nmで350dB/km、950nmで150dB/km、1300nmで120dB/kmであり、可視光から近赤外までの光を良好に伝達できる光ファイバーであることを確かめた。
【0086】
「比較例」
屈折率分布型プラスチック光ファイバーにおいて、PMMAの光伝送損失は波長650nmで約400dB/km、また波長780nm、1300nm、1550nmでは非常に伝送損失が大きく光伝送体としては実用性がないものであった。
【0087】
又、段階屈折率型プラスチック光ファイバーにおいて、コアとクラッドが含フッ素樹脂光ファイバーは可視光から近赤外光までの光を伝送可能だが、その光伝送損失は約300dB/kmと報告されている。
【0088】
これに比較して本発明による屈折率分布型透明フッ素樹脂光ファイバーは可視光から近赤外光までの光を極めて低損失に伝送することが可能である。
【0089】
【表1】
【0090】
【発明の効果】
本発明では、屈折率分布型光ファイバー、屈折率分布型光導波路、屈折率分布型ロッドレンズ等の多岐にわたるプラスチック光伝送体において非結晶性のフッ素樹脂を利用することにより、紫外光から近赤外光までの光を極めて低損失に伝送することが可能になった。
【0091】
特に屈折率分布型光ファイバーはファイバー径が大きいにもかかわらずフレキシブルで分岐・接続が容易であるため短距離光通信用に最適であるが、これまで実用可能な低損失の光ファイバーは提案されなかった。本発明は短距離光通信用に実用可能な低損失の光ファイバーを提供するものである。
【0092】
又、本発明の光伝送体は、自動車のエンジンルーム、OA機器、プラント、家電等での過酷な使用条件に耐える、耐熱性、耐薬品性、耐湿性、不燃性を備えるプラスチック光伝送体を提供するものである。更に、本発明の屈折率分布型光学樹脂材料は、光ファイバーのみならず平板型やロッド型のレンズとしても利用可能である。その場合、中心部から周辺部への屈折率変化を低くするか高くするかにより、凸レンズ及び凹レンズとして機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】重合体Aの光線透過率を示す図。
Claims (5)
- 主鎖に環構造を有し、実質的にC−H結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体(a)と、含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が0.001以上である少なくとも1種類の実質的にC−H結合を有しない物質(b)とからなり、含フッ素重合体(a)中に物質(b)が特定の方向に沿って濃度勾配を有して分布している屈折率分布型光伝送体。
- 主鎖に環構造を有する含フッ素重合体が主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体である請求項1に記載の光伝送体。
- 光伝送体が屈折率分布型光ファイバーである請求項1または2に記載の光伝送体。
- 主鎖に環構造を有し、実質的にC−H結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体(a)と、含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差が0.001以上である少なくとも1種類の実質的にC−H結合を有しない物質(b)とからなり、含フッ素重合体(a)中に物質(b)が中心から周辺方向に沿って濃度勾配を有して分布している屈折率分布型光ファイバー。
- 物質(b)が含フッ素重合体(a)より高い屈折率を有し、かつ中心から周辺方向に沿って濃度が低下する濃度勾配を有して分布している請求項4に記載の屈折率分布型光ファイバー。
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