JP3715091B2 - 画像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばプラント機器や公共システムの遠隔監視装置に使用される画像処理装置及び画像処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術1.
例えば特開昭57−37993号公報には、一台のテレビカメラを揺動させて撮像し、この撮像した信号を立体テレビ受像機に表示することにより、電力プラントを安全かつ正確に自動点検監視ができるようにする画像処理手法が提案されている。
図22はそのような従来の画像処理装置の構成を示すブロック図であり、図において、101は立体視用のテレビカメラなどの立体映像撮像手段、102は立体映像撮像手段101を操作員の両眼間の距離だけ左右に揺動する左右視差間カメラ移動手段、103は立体視のための画像に変換する画像処理手段、104は画像処理手段103により変換された画像を表示し、監視員に立体映像を見せる立体テレビ受像手段である。
【0003】
次に動作について説明する。
原子炉格納容器内を走行する遠隔操作車には、マニピュレータ等の他に立体映像撮像手段101が備えられている。この立体映像撮像手段101は左右視差間カメラ移動手段102により、操作員の両眼間の距離だけ左右に揺動するように形成されている。そして立体映像撮像手段101で撮像された左及び右画像信号は画像処理手段103に送られて画像処理された後、操作卓に設けられた立体テレビ受像手段104に表示される。操作員はこの画像を見ながら操作車を操作することにより、中央監視室にいる監視員が、遠隔にある監視現場の監視対象の映像を、あたかも監視現場にいるかの如く、忠実に提示して見せることができる。結果として、電力プラントを安全且つ正確に遠隔操作で自動点検監視ができる。
【0004】
従来技術2.
例えば、J.Y.A.Wang.E.H.Adelson:“Layered Representation for Motion Analysis”,Proc.of the IEEE Comp. Vis. and Pat. Rec.(CVPR),pp.361-366, 1993には、一台のカメラを移動しながら撮影した連続的な画像に対して、それぞれの中から隣接する二枚の画像を順次選択しながら、それら二枚の画像間で各点の動きベクトルを計算し、手前の物体は大きく動き、奥の物体はあまり大きく動かないことを利用して奥行きを推定し、動画像をアニメーションのセル画のように奥行き毎に分割された複数のレイヤによって表現し、奥行きの順序に従って重ね合わせた上で、相互に動かすことにより動画像を表現する画像処理手法が提案されている。
図23はそのような従来の画像処理装置の構成を示すブロック図であり、図において、105は連続画像を撮像する連続画像撮像手段、106は連続画像撮像手段を移動する移動手段、107は移動手段106によって連続画像撮像手段105を移動させながらとらえた連続画像のうちの二枚から画像間の輝度情報の動きであるオプティカルフローを抽出する二枚画像間オプティカルフロー抽出手段、108は二枚画像間オプティカルフロー抽出結果を領域分割、領域統合する領域分割統合手段、109は領域分割統合された結果から、画像をそれぞれの領域毎に移動速度に応じた奥行きの層状構造に変換する画像再構成手段、110は再構成された画像を提供する画像表示手段である。
【0005】
次に動作について説明する。
連続画像撮像手段105は、移動手段106によって移動させられながら、連続画像を撮像する。連続画像撮像手段105によって得られた連続画像のうち時間的に隣接する二枚の画像が順次選択されて、二枚画像間オプティカルフロー抽出手段107によりオプティカルフローが抽出される。オプティカルフロー抽出結果は、領域分割統合手段108で領域分割、領域統合され、画像再構成手段109で領域毎の移動速度に応じた奥行きの層状構造に変換される。そして、再構成された画像は、画像表示手段110で提示される。
【0006】
従来技術3.
例えば、特開昭58−50417号公報には、一定微小距離毎に撮像した複数枚の対象物体の画像を合成して得る直線エッジの傾きを検出することにより、細かく簡単にカメラと対象物体間の距離を算出する画像処理手法が提案されている。
図24はそのような従来の画像処理装置の構成を示すブロック図であり、図において、111は対象を撮影する連続画像撮像手段、112は連続画像撮像手段111を直線上で移動させる移動手段、113は移動手段112により移動させられた連続画像撮像手段111から一定微小移動距離ごとに撮像された複数枚の画像を時間毎に積み重ねて、水平軸、垂直軸及び時間軸から構成される箱状の三次元画像データを合成する画像合成手段、114は画像合成手段113から直線エッジを抽出する直線エッジ検出手段である。
【0007】
次に動作について説明する。
連続画像撮像手段111は移動手段112によって直線上を移動し、一定微小移動距離ごとに連続画像を撮像する。画像合成手段113は一定微小移動距離ごとに撮像された複数枚の画像を時間毎に積み重ねて、水平軸、垂直軸及び時間軸から構成される箱状の三次元画像データを合成する。直線エッジ検出手段114は画像合成手段113で合成された箱状の三次元画像データを、ある水平ラインで切断した二次元の画像データから直線エッジを抽出し、その直線エッジの方向から注目点の距離を推定する処理を各水平ライン毎に行う。
【0008】
このように、連続画像撮像手段111を移動手段112により駆動して、直線上を移動しながら一定微小移動距離ごとに撮像された複数枚の画像から画像合成手段113を用いて距離画像を合成し、このように合成して得られた距離画像から直線エッジ方向を検出することにより、直線エッジの方向を得て、距離を求め、エッジに対応する物体上の点に対して細かく距離測定をすることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の画像処理装置は以上のように構成されているので、次のような課題があった。
従来技術1では、遠隔にある監視現場の監視対象の映像を、中央監視室にある監視員に対して、あたかも監視現場にいるかの如く、忠実に提示して見せることにより、監視対象の遠隔監視を行うものであるが、監視員にとっては、監視対象の立体的な映像が実際に見やすいものであるとは限らず、効率的に遠隔監視を行うことができないなどの課題があった。例えば複雑な配管や建物の柱が注目する監視対象を部分的に遮蔽し、細かい部分の監視の妨げになるような場合である。従って、この場合には、監視員にとっては見やすい画像であるとは言えないため、注目対象よりも手前にある遮蔽物を画像処理によって取り除く等により、監視員にとって見やすい動画像を生成することが望まれる。
【0010】
また、従来技術2では、画像中の各注目点対象までの距離を推定した後、アニメーションのセル画のように、層状に重ね合わせた表現を行うことができるが、動画像中の各点の奥行きを知るための、動画像中の各点のオプティカルフローである動きベクトルを、連続する二枚の画像だけを用いて求めているため、奥行き情報を信頼性高く距離推定するのが困難であり、信頼性高く距離推定を行うためには、二枚の画像だけでなく、より多くの画像を用いる必要があるなどの課題があった。
【0011】
また、従来技術3では、連続画像撮像手段を、直線上を移動させながら、一定微小移動距離ごとに撮像された複数枚の画像によって生成される時空間画像から直線エッジの方向を抽出し、エッジ方向に相当する距離を求めるため、細かく距離測定を行うことができるが、この手法により得られる距離情報は、エッジに対応する部分の距離情報でしかなく、エッジカメラの振動や移動速度のむらが、距離測定の精度に大きく影響するため、物理的に強固な構造を持つ移動機構が必要となり、プラント等の点検において、機動性を損なうなどの課題があった。このため、直線エッジの方向が明瞭に抽出できない部分の距離情報を、周辺の輝度情報あるいは時間的に前後する精度情報を用いて補う何らかの手法が望まれる。また、カメラの移動に伴う振動や移動速度のむらを抑制する何らかの手段が望まれる。
【0012】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、注目対象よりも手前にある遮蔽物を画像処理によって取り除くことにより、見やすい動画像を生成することができる画像処理装置及び画像処理方法を得ることを目的とする。
【0013】
また、この発明は、直線エッジの方向が明瞭に抽出できない部分の距離情報を、周辺の輝度情報あるいは時間的に前後する精度情報を用いて補うことにより、見やすい動画像を生成することができる画像処理装置及び画像処理方法を得ることを目的とする。
【0014】
さらに、この発明は、カメラの移動に伴う振動や移動速度のむらを抑制することにより、見やすい動画像を生成することができる画像処理装置及び画像処理方法を得ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る画像処理装置は、移動しながら物体を撮像する連続画像撮像手段と、この連続画像撮像手段によって連続的に撮像された二次元座標の静止画像を時間的に積み重ねて連続画像とし、この連続画像から時間軸を新たな座標軸とする三次元座標の時空間画像を生成する時空間画像生成手段と、上記時空間画像の横軸時間軸面に現れるストライプの上記時間軸に対する角度から上記静止画像に写った物体の位置を判断し、予め指定した物体を画像処理して除去する時空間画像処理手段と、この時空間画像処理手段によって画像処理された時空間画像を時間毎に切り出して、画像表示手段が映像可能な静止画像を時間的に積み重ねた連続画像に変換する画像再構成手段と、前記時空間画像処理手段は、時空間画像の横軸縦軸面に連続画像撮像手段の移動方向と光軸方向との角度に応じて複数のスリット位置を設定し、この複数のスリット位置で上記時空間画像を切断して横軸時間軸面の複数の二次元座標のスリット画像を生成するスリット画像生成手段と、上記複数のスリット画像それぞれに対して予め指定された物体を画像処理して除去する複数のスリット画像処理手段と、これら複数のスリット画像処理手段により画像処理された複数のスリット画像を、連続画像撮像手段の移動方向と光軸方向との角度に応じて設定した上記複数のスリット位置に置き直すことにより、三次元座標の時空間画像を生成するスリット画像合成手段と、前記スリット画像処理手段は、二次元のスリット画像から量子化された複数の直線エッジを抽出する直線エッジ抽出手段と、この直線エッジ抽出手段により抽出された上記複数の直線エッジを、この量子化された各エッジ方向毎に領域統合した複数の領域統合画像を生成する複数の領域統合手段と、これら複数の領域統合手段で生成された上記複数の領域統合画像を順に層状に重ね合わせることにより、二次元の層状画像を生成する層状画像合成手段とから構成されたものである。
【0016】
この発明に係る画像処理装置は、移動しながら物体を撮像する連続画像撮像手段と、この連続画像撮像手段によって連続的に撮像された二次元座標の静止画像を時間的に積み重ねて連続画像とし、この連続画像から時間軸を新たな座標軸とする三次元座標の時空間画像を生成する時空間画像生成手段と、上記時空間画像の横軸時間軸面に現れるストライプの上記時間軸に対する角度から上記静止画像に写った物体の位置を判断し、予め指定した物体を画像処理して除去する時空間画像処理手段と、この時空間画像処理手段によって画像処理された時空間画像を時間毎に切り出して、画像表示手段が映像可能な静止画像を時間的に積み重ねた連続画像に変換する画像再構成手段と、前記時空間画像処理手段は、時空間画像の横軸縦軸面に連続画像撮像手段の移動方向と光軸方向との角度に応じて複数のスリット位置を設定し、この複数のスリット位置で上記時空間画像を切断して横軸時間軸面の複数の二次元座標のスリット画像を生成するスリット画像生成手段と、上記複数のスリット画像それぞれに対して予め指定された物体を画像処理して除去する複数のスリット画像処理手段と、これら複数のスリット画像処理手段により画像処理された複数のスリット画像を、連続画像撮像手段の移動方向と光軸方向との角度に応じて設定した上記複数のスリット位置に置き直すことにより、三次元座標の時空間画像を生成するスリット画像合成手段と、前記スリット画像処理手段は、二次元のスリット画像から予め指定されたエッジ方向の直線エッジを抽出する直線エッジ抽出手段と、この直線エッジ抽出手段により抽出された直線エッジを、量子化されたエッジ方向に領域統合すると共に、このように領域統合した領域の輝度情報を上記スリット画像から除去する指定距離対応エッジ方向領域統合手段と、輝度情報を除去した上記領域の中から代表点を抽出する領域内代表点抽出手段と、輝度情報が除去された上記領域内の上記代表点を中心とする局所領域内部で輝度値を補う局所領域輝度情報推定手段とから構成されたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による画像処理装置を用いた遠隔監視装置を示す概観構成図であり、図において、1は移動手段2の上を移動しながら監視対象4A,4B(及び遮蔽物5A〜5D)を連続的に撮像する連続画像撮像手段、2は連続画像撮像手段1を走行軸2Aに沿って移動させる移動手段であり、この移動手段2には、エンコーダが付加されて連続画像撮像手段1の移動を読み取ることができると共に、ジャイロが付加されて連続画像撮像手段1の回転運動を読み取ることができるようになっている。3は連続画像撮像手段1で撮影した画像データ、エンコーダからの移動データ及びジャイロからの回転運動データをディジタル化して画像メモリ(図示せず)に展開するか、あるいはデータバスへ転送するホストコンピュータである。4A,4Bは注目すべき監視対象(物体)、5A〜5Dは配管、建物の柱または柵等のように、監視対象4A,4Bを部分的に遮蔽する遮蔽物(物体)である。
【0022】
図2はこの発明の実施の形態1による画像処理装置の構成を示すブロック図であり、図において、1は上記図1で示した連続画像撮像手段、2も上記図1で示した移動手段である。6は連続画像撮像手段1によって連続的に撮像された二次元座標(横軸と縦軸)の静止画像を時間的に積み重ねて連続画像(図3の1000)とし、この連続画像から時間軸を新たな座標軸とする三次元座標(横軸、縦軸及び時間軸)の時空間画像(図3の2000)を生成する時空間画像生成手段、7は時空間画像生成手段6によって生成された時空間画像を画像処理して遮蔽物(図3の2000A)を除去する時空間画像処理手段、8は時空間画像処理手段7によって画像処理された時空間画像(図3の3000)を時間毎に切り出して、静止画像が時間的に積み重ねた連続画像(図3の4000)に変換する画像再構成手段である。尚、これら時空間画像生成手段6、時空間画像処理手段7及び画像再構成手段8は上記図1で示したホストコンピュータ3内に設けられている。9は画像再構成手段8によって再構成された連続画像を監視員に表示する画像表示手段である。尚、この発明の実施の形態1による画像処理装置は、時空間画像生成手段6、時空間画像処理手段7及び画像再構成手段8により構成される。
【0023】
図3は図2に示した画像処理装置による画像処理方法(遮蔽物を除去する画像処理手法)を説明するための図である。図において、1000は連続画像撮像手段1により撮像した連続的な静止画像を時間的に積み重ねた連続画像、1000Aは連続画像1000の一つである静止画像上に写っている遮蔽物である。2000は時空間画像生成手段6により連続画像1000から生成された三次元座標の時空間画像、2000Aは時空間画像2000の時間軸断面(x−y面)上の遮蔽物である。3000は時空間画像2000を時空間画像処理手段7で画像処理することにより、遮蔽物2000Aを取り除いた時空間画像である。4000は画像再構成手段8により時空間画像3000を時間毎に切り出されて変換された、静止画像を時間的に積み重ねた連続画像である。
尚、この図3に示した連続画像1000,4000及び時空間画像2000,3000は、連続画像撮像手段1の移動方向と連続画像撮像手段1の撮像方向である光軸とが垂直であって、連続画像移動手段1が等速度で直線運動している場合の画像例である。
【0024】
図4は図3の時空間画像2000の拡大図であり、図において、2000Aは時空間画像2000のx−y面上の遮蔽物、2000a,2000bは時空間画像2000のx−time面(横軸時間軸面)に現れるストライプである。連続画像撮像手段1が移動しながら物体(監視対象4A,4B、遮蔽物5A〜5D)を撮像するため、連続的な静止画像上の物体の位置も移動するので、時空間画像2000のx−time面に時間軸(time)に沿った物体の移動の軌跡としてストライプ2000a,2000bが現れるものである。従って、連続画像撮像手段1の移動速度が早くなる程、ストライプ2000a,2000bの時間軸(time)に対する角度が急になり、また物体が連続画像撮像手段1から近い程(手前にある程)、時間軸に対する角度が急になる(従って、ストライプ2000aはストライプ2000bよりも手前にある物体である)。
【0025】
図4に示すように、時空間画像2000には、座標軸として、横方向にx軸(x座標)、縦方向にy軸(y座標)及び奥行き方向に時間軸(time座標)が設定されている。上記したように、時空間画像2000は、時空間画像生成手段6により二次元(x−y面)の静止画像を時間的に重ね合わせて連続画像1000とし、この連続画像1000から時間軸を新たな座標軸とする三次元座標の画像情報として生成されたものである。従って、時空間画像2000を時間軸で切断したx−y面が2次元の静止画像である。
静止面の画素数は、一般的に横512、縦512であるため、時空間画像2000のxy座標の座標数もこの画素数に対応して、横512、縦512である。一方、時間軸の座標数は、連続画像撮像手段1の撮像時間によって異なる。このように設定された時空間画像2000の3次元座標には、輝度値などの画像データや時間データなどが格納される。
【0026】
次に動作について説明する。
(1)まず、連続画像撮像手段1が移動しながら監視対象4A,4Bを撮像する動作について説明する。
図1に示したように、連続画像撮像手段1が、移動手段2の走行軸2Aに沿って移動しながら連続的に監視対象4A,4B(及び遮蔽物5A〜5D)を撮像し、この撮像した画像データをディジタル化して連続的な静止画像(データ)とする。ホストコンピュータ3は、ディジタル化された連続的な静止画像を画像メモリに展開するか、あるいはデータバスへ転送する。そして、画像メモリ内の静止画像またはデータバスで転送された静止画像は、ホストコンピュータ3内の時空間画像生成手段6、時空間画像処理手段7及び画像再構成手段8で画像処理される。
尚、図1で示したように、移動手段2が連続画像撮像手段1を走行軸2Aに沿って移動させる場合に限らず、移動ロボットが連続画像撮像手段1を搭載して移動する等の方法でも構わない。
【0027】
この実施の形態1では、移動手段2が連続画像撮像手段1を等速で移動させる場合を示している。しかし、移動手段2にはエンコーダが付加されているので、連続画像撮像手段1の移動情報をエンコーダから得ることによって速度補正を行うことも可能であるため、連続画像撮像手段1が等速移動である必要はない。
また、この実施の形態1では、連続画像撮像手段1の移動方向と撮像方向とは垂直である場合を示している。しかし、移動手段2にはジャイロが付加されているので、連続画像撮像手段1の回転運動情報をジャイロから得ることによって回転運動に対する補正も可能であるため、連続画像撮像手段1は直線運動である必要もない。
【0028】
(2)次に、画像処理装置(即ち、時空間画像生成手段6、時空間画像処理手段7及び画像再構成手段8)が、連続画像撮像手段1が撮像した連続的な静止画像を画像処理する動作を説明する。
まず、画像メモリ内の静止画像またはデータバスで転送された静止画像は、時空間画像生成手段6に送られる。ここで、静止画像には、監視対象4A,4Bの他に遮蔽物1000Aも撮像されている。時空間画像生成手段6は、連続的な静止画像を時間的に並べて連続画像1000とし、この連続画像1000から時間軸を新しい座標軸とする三次元座標の時空間画像2000を生成する。時空間画像生成手段6により連続的な静止画像から生成された時空間画像2000にも遮蔽物2000Aが存在するので、次に、時空間画像処理手段7は、画像処理することによって、時空間画像2000上の遮蔽物2000Aを除去する。
【0029】
時空間画像処理手段7が時空間画像2000上で遮蔽物2000Aとその他の物体(監視対象4A,4Bなど)を区別するのは、基本的に次のようにして行われる。
即ち、図4に示すように、時空間画像2000のx−time面(時空間画像2000をy軸で切り出した面)には、ストライプ(物体の直線的な軌跡)が現れる。このストライプの時間軸に対する角度が急である程、そのストライプの物体は連続画像撮像手段1に近い位置にあり、ストライプの時間軸に対する角度が緩くなる程、そのストライプの物体は連続画像撮像手段1から遠い位置にある。従って、ストライプ2000aが時間軸(time)に対して最も急な角度であるので、ストライプ2000aの物体が連続画像撮像手段1に対して最も手前の位置にあることが判断でき、一方、ストライプ2000bはストライプ2000aよりも時間軸に対する角度が緩いため、ストライプ2000bの物体はストライプ2000aの物体よりも奥の位置にあることが解る。このようにして、連続画像撮像手段1から物体までの距離(位置)を判断し、時空間画像2000上で遮蔽物2000Aとその他の物体を区別する。従って、ストライプ2000aが遮蔽物2000Aであると判断できる。
【0030】
時空間画像処理手段7は、このように連続画像撮像手段1に対する各物体の奥行き情報を得ることによって、監視対象4A,4Bよりも手前に位置し、部分的に監視対象4A,4Bを遮蔽する遮蔽物5A〜5D(時空間画像2000上の遮蔽物2000A)を画像処理により除去する。
時空間画像処理手段7が、時空間画像2000上の遮蔽物2000Aを除去すると、時空間画像2000上に空白ができてしまう。そこで、時空間画像処理手段7は、その遮蔽物2000Aが存在しない時間帯における監視対象4A,4Bの輝度値と奥行き情報を用いて空白の除去部分の画像を置き換える。このように、時空間画像処理手段7が、実際にはその時間帯においては遮蔽物5A〜5Dの陰で見ることのできない監視対象4A,4Bの表面の輝度情報と奥行き情報を補うことにより、手前の遮蔽物5A〜5Dを画像処理的に除去した時空間画像3000を生成する。画像再構成手段8は、遮蔽物2000Aが除去された時空間画像3000を時間毎に切り出し、静止画像を連続的に重ね合わせた連続画像4000に変換する。
【0031】
(3)そして、画像表示手段9は、画像再構成手段8によって再構成された連続画像4000を監視員に表示する。連続画像4000は、遮蔽物5A〜5Dが除去されているので、監視員にとって監視対象4A,4Bが見やすく監視しやすいものである。
【0032】
図5はこの画像処理装置により画像処理した画像例を示す図である。100は監視対象4A,4B及び遮蔽物5A〜5Dの鳥瞰図である。1001〜1005は連続画像撮像手段1が実際に撮影した連続的な静止画像である。4001〜4005は連続的な静止画像1001〜1005から、時空間画像生成手段6及び時空間画像処理手段7により、遮蔽物5A〜5Dが取り除かれた連続的な静止画像である。200は画像処理されて鳥瞰図100から遮蔽物を取り除かれた鳥瞰図である。
このように、連続的な静止画像1001〜1005が画像処理されて連続的な静止画像4001〜4005となり、連続的な静止画像4001〜4005が画像表示手段9で表示されるので、監視員は監視対象4A,4Bを監視しやすくなる。
【0033】
以上のように、この実施の形態1によれば、注目すべき監視対象4A,4Bが、配管、建物の柱、柵等の遮蔽物5A〜5Dによって部分的に遮蔽されている場合でも、連続する静止画像1000を用いて、遮蔽物5A〜5Dが存在しない時間帯の監視対象4A,4Bの輝度値を用いて置き換えることにより、実際にはその時間帯には見ることのできない監視対象4A,4Bの表面の輝度情報を補って、手前の遮蔽物5A〜5Dを除去した時空間画像を生成するので、監視員にとって見やすい画像を提供し、効率のよい遠隔監視環境を提供することができるという効果が得られる。
【0034】
尚、この実施の形態1は、連続画像撮像手段1が光軸に垂直な方向で、かつ一定速度で移動する場合について説明した。このような場合、時空間画像2000のx−time面のストライプが直線となるため、最も精度よく遮蔽物を除去することができるためである。しかし、連続画像撮像手段1が光軸に垂直な方向で移動しない場合、または連続画像撮像手段1が一定速度で移動しない場合でも、連続画像1000または時空間画像2000を補正することにより、精度よく遮蔽物を除去することができる。このような連続画像1000または時空間画像2000の補正方法を以降の実施の形態で説明する。
【0035】
実施の形態2.
連続画像撮像手段1の移動が等速度直線運動であれば、連続画像1000における各物体の軌跡(時空間画像2000のx−time面のストライプ)が直線となる。従って、これらの直線的な軌跡は計算式により求めることができ、また時空間画像2000の解析も容易である。しかし、連続画像撮像手段1の移動が等速直線運動でない場合は、連続画像1000における各物体の軌跡は複雑なものとなって時空間画像2000の解析も容易でない。そこで、この実施の形態2では、連続画像撮像手段1が撮影した連続画像1000を補正して時空間画像2000を生成し、時空間画像2000の解析を容易にするものである。
【0036】
図6はそのようなこの発明の実施の形態2による画像処理装置における時空間画像生成手段の具体的構成を示すブロック図であり、図において、6は上記実施の形態1で説明した時空間画像生成手段である。61は連続画像撮像手段1が連続画像1000を撮像するときに振動している場合、連続画像撮像手段1が撮像した連続画像1000から時空間画像2000を生成する際に、移動手段2に付加されたエンコーダから送られる連続画像撮像手段1の移動情報に応じて、連続画像1000の重ね合わせる位置を補正する移動量補正手段(連続画像位置補正手段)である。62は連続画像撮像手段1の振動、揺れ、移動速度のむら等がある場合、連続画像1000の重ね合わせる位置を補正してその振動、揺れ、または移動速度のむら等を補正する揺れ・時間軸補正手段(連続画像位置補正手段)である。63は移動量補正手段61と揺れ・時間軸補正手段62によって修正された位置で連続画像1000を時間軸に沿って重ね合わせて三次元の時空間画像2000を生成する連続画像の時空間合成手段である。
【0037】
ここで、移動量補正手段61と揺れ・時間軸補正手段62は、ともに連続画像撮像手段1が撮影した連続画像1000の重ね合わせる位置を修正する機能を備えたものであり、このように、移動量補正手段61及び揺れ・時間軸補正手段62により連続画像1000を修正することにより、最終的に正確な時空間画像2000を生成するものである。
しかし、移動量補正手段61と揺れ・時間軸補正手段62の補正機能は、異なるものである。即ち、移動量補正手段61は、移動手段2に付加されたエンコーダまたはジャイロからの移動情報を基に、連続画像1000の大まかな位置合わせ修正を行うものであるのに対し、揺れ・時間軸補正手段62は、連続画像撮像手段1で撮像された連続画像1000を画像処理することによって連続画像1000のさらに細かい位置合わせ修正を行うものである。
【0038】
揺れ・時間軸補正手段62によってさらに細かい位置合わせを行う必要があるのは、機械的な振動や構造的な剛性不足による揺れや、移動機構(移動手段2)の速度むら等の理由により生じる三次元の時空間画像2000の歪みに関しては、連続画像撮像手段1自身に機械的な防振装置を付加することにより、1Hz前後の機構的なカメラの揺れはほとんど補正できるが、これよりも周波数の高い機械的な振動や、移動機構の速度むらに関しては機械的な防振装置などでは補正できないからである。
【0039】
次に動作について説明する。
(1)まず、移動量補正手段61の動作について説明する。
図7は移動量補正手段61の動作を説明するための図であり、同図(a)は連続画像撮像手段1が移動方向に等速直線移動する場合を示し、同図(b)は連続画像撮像手段1が上下方向に波状に振動する場合を示すものである。
図7(a)に示すような連続画像撮像手段1が移動方向に等速直線運動する場合、連続画像撮像手段1が光軸方向1b1で撮像した連続画像1010は上下方向にずれがないものである。従って、連続画像1010の重ね合わせる位置を補正する必要がない。
一方、図7(b)に示すような連続画像撮像手段1が上下方向に波状に振動する場合、連続画像撮像手段1が光軸方向1b1で撮像した連続画像1011は上下方向にずれが生じてしまう。そこで、移動手段2に付加されたエンコーダからの連続画像撮像手段1の移動情報に基づいて、連続画像1011の位置を上下方向に補正する。このように補正した連続画像1012は、上下方向のずれがなくなったものとなる。
【0040】
このように、移動量補正手段61が連続画像1000の大まかな位置合わせを行うことにより、連続画像1012における各物体の軌跡が直線となり、連続画像1012の解析も容易となる。従って、時空間画像2000の生成も容易となる。
尚、連続画像撮像手段1の移動量の補正は、図7に示したような上下方向には限られず、左右の回転方向、移動方向の速度の変化に対しても、それぞれの移動に応じた連続画像1000の補正を行うことにより、時間軸と空間軸を変形し、画像処理の行いやすい時空間画像2000を生成することができる。
【0041】
(2)次に、揺れ・時間軸補正手段62の動作について説明する。
揺れ・時間軸補正手段62は、振動または揺れ補正機能と時間軸補正機能(移動速度むら補正機能)という2つの補正機能を有している。
(a)図8は揺れ・時間軸補正手段62による連続画像撮像手段1の振動または揺れ(特に、上下方向の振動または揺れ)を補正する動作を説明するための図である。図において、300は監視対象4A,4B及び遮蔽物5A〜5Dの鳥瞰図である。1020〜1023は連続画像撮像手段1を移動させながら撮影した監視対象4A,4Bの連続的な静止画像、1030〜1033は連続的な静止画像1020〜1023それぞれから水平エッジ1030A〜1033Aを抽出した水平エッジ抽出画像、1040〜1043は水平エッジ抽出画像1030〜1033それぞれの水平エッジ1030A〜1033Aを水平方向に射影(圧縮)した水平方向射影画像である。
【0042】
このように、揺れ・時間軸補正手段62は、連続画像撮像手段1で撮影した連続的な静止画像1020〜1023から(揺れ・時間軸補正手段62の微分フィルタ(図示せず)によって)水平エッジ1030A〜1033Aを抽出した水平エッジ抽出画像1030〜1033を生成する。そして、水平エッジ抽出画像1030〜1033の水平エッジ1030A〜1033Aを水平方向に射影して水平方向射影画像1040〜1043を生成する。この水平方向射影画像1040〜1043を垂直方向に位置合わせすることにより、連続画像撮像手段1の振れ(カメラ振れ)を補正する。このように、連続的な静止画像1020〜1023から水平エッジ1030A〜1033Aを抽出し、この水平エッジ1030A〜1033Aを水平方向に射影するのは、より精度よく垂直方向の位置合わせができるようにするためである。
【0043】
(b)図9は揺れ・時間軸補正手段62による移動速度のむらを補正する動作を説明するための図である。図において、1050は連続的な静止画像を時間的に重ね合わせた連続画像、5001は連続画像1050をある高さ(点線で示した部分)で切り出したスリット画像、5002はスリット画像5001の軌跡(ストライプ)の直線性を調べるためにスリット画像5001を起こしたスリット画像、5003はスリット画像5002の時間軸を変換し、軌跡が直線になるようにしたスリット画像である。
スリット画像5002の軌跡の傾きが急な部分は、時間軸の座標間隔を狭くするように変換することにより、スリット画像5002のように軌跡が直線となる。尚、軌跡の傾きが緩い部分は、時間軸の座標間隔を広くするように変換する。
このように、スリット画像5000の時間軸を変換することにより、連続画像撮像手段1の移動速度むらを除去することができ、その結果、正確な三次元の時空間画像2000を得ることができる。
【0044】
尚、この実施の形態2では、簡単のために連続画像撮像手段1の移動方向が光軸に対して垂直で、撮像素子の水平ラインに平行である場合について説明しているが、もしこれらの条件が異なる場合でも、連続画像1000を変換するか、エッジ抽出を行う方向を変更するか、あるいは射影計算を行う方向を変更する等の方法により、上記と同様の結果を得ることができる。
【0045】
以上のように、この実施の形態2によれば、移動量補正手段61により、連続画像1000の大まかな位置合わせ補正を行うと共に、揺れ・時間軸補正手段62により、連続画像1000のさらに細かい位置合わせ補正を行うので、連続画像撮像手段1の移動が等速直線運動でない場合であっても、最終的に正確に位置合わせされた時空間画像2000を生成することができ、時空間画像2000を容易に解析することができるという効果が得られる。
【0046】
実施の形態3.
図10はこの発明の実施の形態3による画像処理装置における時空間画像処理手段の構成を示すブロック図であり、図において、7は上記実施の形態1で示した時空間画像処理手段である。71は三次元の時空間画像2000のx−y面(横軸縦軸面、即ち、二次元の連続画像1000)に連続画像撮像手段1の移動方向と光軸方向との角度に応じて複数のスリット位置を設定し、この複数のスリット位置で時空間画像2000を切断してx−time面(横軸時間軸面)の複数の二次元スリット画像(図11の5000)を生成するスリット画像生成手段である。72a〜72gはそれぞれスリット画像生成手段71により生成された複数のスリット画像それぞれに対して遮蔽物除去などの画像処理を行うスリット画像処理手段である。73はそれぞれのスリット画像に対応するスリット画像処理手段72a〜72gにより画像処理されたスリット画像(図11の6000)を、連続画像撮像手段1の移動方向と光軸方向との角度に応じて設定した複数のスリット位置に置き直すことにより、三次元の時空間画像3000を生成するスリット画像合成手段である。
【0047】
次に動作について説明する。
まず、この実施の形態3の時空間画像処理手段7の基本的な動作について説明する。
図11は時空間画像処理手段7の基本的な動作を説明するための図である。尚、時空間画像生成手段6により、連続的な静止画像を連続画像1000とし、連続画像1000から時空間画像2000を生成する動作及び画像再構成手段8により、時空間画像3000から連続画像4000を生成する動作については、上記実施の形態1で示したものと同様であるため、重複する説明を省略する。
【0048】
スリット画像生成手段71は、時空間画像生成手段6により生成された三次元座標の時空間画像2000(時空間画像2000を時間軸で切断した複数のx−y面1000のそれぞれ)に、連続画像撮像手段1の移動方向と光軸方向との角度に応じて複数のスリットを設定し、この複数のスリットの位置で時空間画像2000を切断したx−time面の複数の二次元スリット画像5000を生成する。そして、各々のスリット画像処理手段72a〜72gは、スリット画像生成手段71で生成された複数のスリット画像それぞれについて、監視対象4A,4Bまでの奥行き情報を調べると同時に監視対象4A,4Bよりも手前に存在し、監視対象4A,4Bを遮蔽する遮蔽物5A〜5Dを画像処理的に除去する。そして、スリット画像合成手段73はそれぞれのスリットの位置に対応するスリット画像処理手段72a〜72gで生成された画像処理後のスリット画像6000を、連続画像撮像手段1の移動方向と光軸方向との角度に応じて設定した複数のスリットの位置に置き直すことにより、三次元の時空間画像3000を再構成する。
尚、図10において、スリット画像処理手段72a〜72gは7つしか描かれていないが、回路規模あるいは計算機の演算能力に応じてこれらの数を増加させることも可能である。
【0049】
尚、図11では、簡単のために連続画像撮像手段1の移動方向が光軸に対して垂直で、撮像素子の水平ラインに平行である場合を示しているが、もしこれらの条件が異なる場合でも、スリットの設定位置を変更する等の方法により、同様の結果を得ることができる。
【0050】
次に、時空間画像2000(時空間画像2000を時間軸で切断したx−y面1000のそれぞれ)に設ける複数のスリットの位置の設定の仕方について、図12から図15に基づいて説明する。
(1)図12は時空間画像2000に設ける複数のスリットの位置の設定方法の一例を説明するための図であり、同図(a)は連続画像撮像手段1の移動方向と光軸方向とが垂直であることを示す図、同図(b)はそのときの連続的な静止画像のそれぞれに設定されるスリット位置を示す図である。同図(a)において、1a3は連続画像撮像手段1の移動方向、1b3は連続画像撮像手段1の光軸方向であり、移動方向1a3と光軸方向1b3は垂直である。1c3は連続画像撮像手段1の撮像範囲である。また、同図(b)において、1060は静止画像(連続画像の一枚)、1060Aは静止画像1060に設定されるスリットである。
同図(a)に示すように、連続画像撮像手段1の移動方向1a3と光軸方向1b3が垂直である場合、静止画像1060上の物体は水平方向に移動するだけであるので、静止画像1060には水平方向のスリット1060Aを設定する。このように、スリット1060Aの位置でスリット画像5000を生成することにより、直線的な軌跡を得ることができ、その結果、スリット画像5000を容易に解析することができる。
【0051】
尚、この図12に示した場合のスリット1060Aの数は、最大、連続画像撮像手段1から得られる画像の縦方向の画素数(一般的には512画素)まで設定することにより、より細かな画像処理を行うことができる。
【0052】
(2)図13は時空間画像2000に設ける複数のスリットの位置の設定方法の一例を説明するための図であり、同図(a)は連続画像撮像手段1の移動方向と光軸方向が鋭角αをなしていること示す図、同図(b)はそのときの連続的な静止画像のそれぞれに設定されるスリット位置を示す図、同図(c)はスリットの位置を水平方向に変形した静止画像例である。同図(a)において、1a4は連続画像撮像手段1の移動方向、1b4は連続画像撮像手段1の光軸方向であり、移動方向1a4と光軸方向1b4は鋭角αをなしている。1c4は連続画像撮像手段1の撮像範囲である。また、同図(b)において、1061は静止画像(連続画像の一枚)、1061Aは静止画像1060に設定されるスリット、1061Bはスリット1061Aが集まる消失点である。
同図(a)に示すように、連続画像撮像手段1の移動方向1a4と光軸1b4とがある鋭角αをもって移動する場合、静止画像1060上の物体は消失点1061Bを中心とした放射線状のスリット1061方向に移動する。従って、静止画像1061に水平方向のスリットを設定しても、スリット画像5000に直線の軌跡が現れないので、静止画像1061には消失点1061Bを中心とした放射線状に延びるスリット1061Aを設定する。このように、スリット1061Aの位置でスリット画像5000を生成することにより、直線的な軌跡を得ることができ、その結果、スリット画像5000を容易に解析することができる。
【0053】
図13(b)において、消失点1061Bからの距離rと方向θとによる極座標を直交座標に変形し、さらに、rの代わりに、
r’=(r+f/ccdx )/(rcosα+(f/ccdx )sinα)
但し、fは焦点距離、ccdx は撮像素子の横方向の一画素の長さ・・・(1)
を用いることにより、図13(c)の静止画像1062となる。この静止画像1062は、静止画像1060と同様に、画像上の全てのスリットが水平線となっているので、スリット画像5000を生成する画像処理が容易となる(スリットに傾きがあると画像処理が困難となるものである)。
【0054】
(3)図14は時空間画像2000に設ける複数のスリットの位置の設定方法の一例を説明するための図であり、同図(a)は連続画像撮像手段1の移動方向と光軸方向が同方向(並行)であることを示す図、同図(b)はそのときの連続的な静止画像のそれぞれに設定されるスリット位置を示す図、同図(c)はスリットの位置を水平方向に変形した静止画像例である。同図(a)において、1a5は連続画像撮像手段1の移動方向、1b5は連続画像撮像手段1の光軸方向であり、移動方向1a5と光軸方向1b5は同方向である。1c5は連続画像撮像手段1の撮像範囲である。また、同図(b)において、1063は静止画像(連続画像の一枚)、1063Aは静止画像1063に設定されるスリット、1063Bは静止画像1063の中心にあるスリット1063Aが集まる消失点である。図14(a)に示すように、連続画像撮像手段1の移動方向1a5と光軸1b5とが同方向である場合、静止画像1063上の物体は消失点1063Bを中心とした放射線状のスリット1063方向に移動する。即ち、静止画像1063の中心の消失点1063Bから放射線状に物体が移動する。従って、静止画像1063には消失点1063Bを中心とした放射線状に延びるスリット1063Aを設定する。このように、スリット1063Aの位置でスリット画像5000を生成することにより、直線的な軌跡を得ることができ、その結果、スリット画像5000を容易に解析することができる。
【0055】
図14(b)において、消失点1063Bからの距離rと方向θとによる極座標を直交座標に変形し、さらにrの代わりに、
r”=1/r ・・・(2)
を用いることにより、図14(c)の静止画像1064となる。この静止画像1064は、静止画像1060と同様に、画像上の全てのスリットが水平線となっているので、スリット画像5000を生成する画像処理が容易となる。
【0056】
(4)図15は連続画像撮像手段(カメラ)1が傾いている場合、または移動手段(のレール)2が下に傾いている場合の連続的な静止画像のそれぞれに設定されるスリット位置を示す図である。
図15(a)は連続画像撮像手段1の移動方向と光軸方向とが垂直であるが、連続画像撮像手段1が撮像面の水平軸とある角度βをもって傾いている場合のスリット位置を示す図である。図において、1065は連続的な静止画像、1065Aは静止画像1065上に設定するスリットである。
図15(a)に示すように、スリット位置1065Aを水平から角度βで設定することにより、スリット画像5000において直線的な軌跡を得ることができる。
【0057】
図15(b)は連続画像撮像手段1の移動方向と光軸方向とが鋭角αをなし、かつ連続画像撮像手段1が撮像面の水平軸とある角度βをもって傾いている場合のスリット位置を示す図である。図において、1066は連続的な静止画像、1066Aは静止画像1066上に設定するスリットである。
図15(b)の静止画像1066は、図13(b)で示した静止画像1061において、消失点1061Bの位置が(f/ccdx )tanβだけ下にずれたものである。
【0058】
図15(c)は連続画像撮像手段1の移動方向と光軸方向とが同方向であり、かつ連続画像撮像手段1が撮像面の水平軸とある角度βをもって傾いている場合のスリット位置を示す図である。図において、1067は連続的な静止画像、1067Aは静止画像1067上に設定するスリットである。
図15(c)の静止画像1067は、図14(b)で示した静止画像1063において、消失点1063Bの位置が(f/ccdx )tanβだけ下にずれたものである。
【0059】
以上のように、この実施の形態3によれば、スリット画像生成手段71により、連続画像撮像手段1の移動方向と光軸方向との角度に応じて複数のスリット位置で時空間画像2000を切断して複数の二次元スリット画像5000を生成し、スリット画像処理手段72a〜72gにより、複数のスリット画像それぞれに対して遮蔽物除去などの画像処理を行い、スリット画像合成手段により、画像処理されたスリット画像6000を複数のスリット位置に置き直して三次元の時空間画像3000を生成するように構成したので、スリット画像5000上で直線的な軌跡(ストライプ)を得ることができ、その結果、スリット画像5000を容易に解析することができるという効果が得られる。
また、スリット画像処理手段72a〜72gが、各スリット画像5000毎のスリット画像処理を並列的に行うことにより、高速な時空間画像処理を行うことができる。
【0060】
実施の形態4.
この実施の形態4は、下記の実施の形態5と共に、スリット画像処理手段による画像処理に関するものである。
図16はこの発明の実施の形態4による時空間画像処理手段におけるスリット画像処理手段の構成を示すブロック図であり、図において、72は上記図10に示したのと同様のスリット画像処理手段である。721は三次元の時空間画像2000を連続画像撮像手段1の移動方向と光軸方向との角度に応じて設定した複数のスリットで分割することにより生成された、二次元のスリット画像5000の一つを入力とし、その二次元のスリット画像5000から量子化された直線エッジ(図19の5031A〜5034A)を抽出する直線エッジ抽出手段である。722a〜722gはそれぞれ直線エッジ抽出手段721により抽出された量子化された直線エッジを、この量子化された各エッジ方向毎に領域統合した領域統合画像(図19の5035〜5038)を生成する各直線エッジ方向別の領域統合手段である。723は各エッジ方向別の領域統合手段722a〜722gで生成された領域統合画像を、最も奥の距離に相当するエッジ方向の領域統合画像から、予め指定したある距離に相当するエッジ方向の領域統合画像まで、順に層状に重ね合わせることにより、二次元の層状画像(スリット画像)6000(図19ではスリット画像6001)を生成する層状画像合成手段である。
【0061】
図17及び図18は直線エッジ抽出手段721の直線エッジ抽出法の一例を示す図である。
図17において、5010は直線エッジを抽出するスリット画像、5010Aはスリット画像5010中の注目領域、5010Bは注目領域5010Aの拡大図、a0 〜a8 は注目領域5010B内の各画素の輝度値である。
【0062】
図17に示す直線エッジ抽出手段721の直線エッジの抽出方法は、局所的な微分処理、即ちディジタル画像処理における局所的な領域内の画素の輝度値の差分処理によって直線エッジの方向を求めるものである。例えば注目領域5010Bの各輝度値a0 〜a8 を用いて、
横方向の勾配を
dx=(a2 +2a5 +a8 −a0 −2a3 −a6 ) ・・・(4)
縦方向の勾配を
dy=(a6 +2a7 +a8 −a0 −2a1 −a2 ) ・・・(5)
として求め、そして、直線エッジの方向角θを
θ=Tan-1(dy/dx) ・・・(6)
として求める。このような方法により、量子化された直線エッジを抽出する。
【0063】
また、図18において、5020は直線エッジを抽出するスリット画像、5020Aはスリット画像5020A内の注目領域、5020B〜5020Hはある方向に放射状に設定した注目領域5020A内の局所領域、d0 〜d6 は局所領域5020A〜5020H内の画素の輝度値の分散である。
【0064】
図18に示す直線エッジ抽出手段721の直線エッジの抽出方法は、注目点を中心として、各方向別に放射状に設定した複数の局所領域内での画素の輝度値の相関からエッジの方向を求めるものである。各方向別に放射状に設定した複数の局所領域5020B〜5020H内の画素の輝度値の分散d0 〜d6 が最小となる方向にエッジ方向とする方法である。例えば、各方向別の放射状局所領域5020B〜5020H内の画素値の分散d0 〜d6 を計算し、それらのうちで最小になるものを検索し、その最小値を与える方向を直線エッジの方向とする。
尚、図17及び図18に示した直線エッジの抽出方法は一例であって他の方法により直線エッジを抽出するものであってもよい。
【0065】
尚、図16において、領域統合手段722a〜722gは7つしか描かれていないが、回路規模あるいは計算機の演算能力に応じてこれらエッジ方向量子化数を増加させることも可能である。
また、図18の局所領域5020B〜5020Hでは、方向は7つしか描かれておらず、また放射状の局所領域5020B〜5020Hの大きさも半径4画素しか描かれていないが、回路規模、計算機の演算能力に応じてこれら方向数、および局所領域の大きさは増加させることもできる。
【0066】
次に動作について説明する。
図19は図16に示したスリット画像処理手段72の動作を説明するための図である。図において、5030は二次元のスリット画像、5031〜5034はスリット画像5030から量子化された直線エッジ5031A〜5034Aが抽出された直線エッジ抽出画像、5035〜5038は直線エッジ5031A〜5034Aが領域統合された領域統合画像、6001は領域統合画像5035〜5038が層状に重ね合わされた層状画像である。
【0067】
直線エッジ抽出手段721は、二次元のスリット画像5030から直線エッジ5031A〜5034Aを抽出する。直線エッジ5031A〜5034Aの抽出方法は、例えば、上記図17及び図18に示したものによる。各エッジ方向別の領域統合手段722a〜722gは、直線エッジ抽出手段721により抽出された直線エッジ5031A〜5034Aを量子化された各エッジ方向毎に領域統合した領域統合画像5035〜5038を生成する。層状画像合成手段723は、各エッジ方向別の領域統合手段722a〜722gで生成された領域統合画像5035〜5038を、最も奥の距離に相当するエッジ方向の領域統合画像5035から、予め指定したある距離に相当するエッジ方向の領域統合画像5038まで順に層状に重ね合わせることにより、層状画像6001(スリット画像)を生成する。
【0068】
尚、図19では、領域統合画像5035〜5037の3枚から最終的な層状画像6001を合成しているが、これに限るものではない。
また、簡単のためにエッジの方向は4方向として説明しているが、回路規模あるいは計算機の演算能力に応じてこれらエッジ方向量子化数を増加させることも可能である。
【0069】
以上のように、この実施の形態4によれば、直線エッジ抽出手段721により、二次元のスリット画像5030から量子化された直線エッジ5031A〜5034Aを抽出し、各エッジ方向別の領域統合手段722a〜722gにより、量子化された各エッジ方向毎に直線エッジ5031A〜5034Aを領域統合した領域統合画像5031〜5034を生成し、層状画像合成手段723により、各エッジ方向別の領域統合手段722a〜722gで生成された領域統合画像5035〜5038を、最も奥の距離に相当するエッジ方向のスリット画像5035から、予め指定したある距離に相当するエッジ方向のスリット画像5038まで、順に層状に重ね合わせることにより、二次元の層状画像6001を生成するように構成したので、的確に遮蔽物除去の画像処理を行うことができ、最終的に監視員が見やすい連続画像4000を得ることができるという効果が得られる。
【0070】
実施の形態5.
図20はこの発明の実施の形態5による時空間画像処理手段におけるスリット画像処理手段の構成を示すブロック図である。図において、721は二次元のスリット画像(図21の5040)の1つから量子化された直線エッジ(図21の5041A)を抽出する直線エッジ抽出手段である。尚、この直線エッジ抽出手段721は、上記図15で示したものと同様または相当するものである。上記図15で示した直線エッジ抽出手段721は、複数の直線エッジ(図19の5031A〜5034A)を抽出していたが、図20で示す直線エッジ抽出手段721は、予め指定したある距離(位置)よりも近い距離(位置)に相当する直線エッジを遮蔽物として抽出するものである。724は直線エッジ抽出手段721により抽出された量子化された遮蔽物の直線エッジを、量子化されたエッジ方向に領域統合すると共に、このように領域統合した遮蔽物領域(図21の5042A)の輝度情報ををスリット画像(図21の5040)から除去する指定距離対応エッジ方向領域統合手段である。725は遮蔽物領域(図21の5042A)の中からその代表点(図21の5043A)を抽出し、スリット画像(図21の5040)にその代表点を設定する領域内代表点抽出手段、726は直線エッジのつながりが最も自然な形になるように、輝度情報が除去された遮蔽物領域内の代表点を中心とする局所領域(図21の5050)内部で輝度値を補う局所領域輝度情報推定手段である。
【0071】
次に動作について説明する。
図21はこの発明の実施の形態5によるスリット画像処理手段72の動作を説明するための図である。尚、図21では、連続画像撮像手段1の移動方向と光軸方向が垂直であって、かつ撮像素子の水平ラインと平行な場合についての画像例を示している。
図において、5040は二次元のスリット画像、5041は二次元のスリット画像5040から予め指定したある距離よりも近い距離に相当するエッジ方向を遮蔽物として、その直線エッジのみを抽出した直線エッジ抽出画像である。5042は抽出された直線エッジのみを領域統合した領域統合画像、5042Aは領域統合の結果得られた遮蔽物領域である。5043は領域統合の結果得られた領域統合画像5042の遮蔽物領域5042Aから、その代表点5043A(ここでは主軸上の点の集合)を抽出した代表点抽出画像、5043Aは遮蔽物領域5042Aから得られた代表点(主軸上の点の集合)、5044はスリット画像5040から遮蔽物領域5042Aの部分の輝度情報を除去したスリット画像、5044Aはスリット画像5044の輝度情報除去領域、5044Bは輝度情報除去領域5044A内の代表点(ここでは主軸)、5050はスリット画像5044内の局所領域である。
【0072】
5050a〜5050hはスリット画像5044内の局所領域である。この局所領域5050a〜5050hは輝度情報除去領域5044Aで直線エッジのつながりが最も自然な形になるように、輝度値を補う処理を示すものである。また、5060a〜6010は徐々に輝度値を補っていく様子を示したものである。6020は最終的に輝度情報除去領域5044Aの輝度値が補われた状態を示すスリット画像である。
【0073】
直線エッジ抽出手段721は、二次元のスリット画像5040の1つから量子化された直線エッジ5041Aを抽出する。そして、指定距離対応エッジ方向領域統合手段724は、直線エッジ抽出手段721により抽出された直線エッジを、量子化されたエッジ方向に領域統合する。そして、指定距離対応エッジ方向領域統合手段724は、スリット画像5040から遮蔽物領域5042Aの輝度情報を除去する。このように除去された領域が、スリット画像5044内の輝度情報除去領域5044Bである。領域内代表点抽出手段725は、遮蔽物領域5042Aからその代表点5043Aを抽出する。このようにして抽出された代表点が、スリット画像5044内の代表点5044Bである。
【0074】
局所領域輝度情報推定手段726は、局所領域5050内部で、輝度情報除去領域5044A内の代表点5044Bを中心に線分Aを回転させ、線分と直線エッジが平行になったときにその線分Aの部分に輝度値を補う。
局所領域輝度情報推定手段726が、局所領域5050内の輝度値を補う動作を局所領域5050a〜5050hを基に説明する。まず、局所領域5050aでは線分Aと直線エッジは平行でない。線分Aを少し回転させた局所領域5050bでは線分Aと直線エッジは平行となっているので、線分Aの部分に輝度値が補われる。後は同様に、局所領域5050c〜5050hに示すように、線分Aを少しずつ回転させながら、直線エッジと平行になるか否かを調べる。そして、このようにして輝度値を補っていく様子を示したものが、局所領域5060a〜6010である。そして、最終的にスリット画像5044の輝度情報除去領域5044Aの輝度値を補うと、スリット画像6020のようになる。
【0075】
以上のように、この実施の形態5によれば、直線エッジ抽出手段721により、予め指定したある距離(位置)よりも近い距離(位置)に相当する直線エッジ5041Aを遮蔽物と判断して抽出し、指定距離対応エッジ方向領域統合手段724により、直線エッジ抽出手段721により抽出された量子化された直線エッジを、量子化されたエッジ方向に領域統合し、領域統合した領域を遮蔽物領域5042Aとしてスリット画像5040から除去し、領域内代表点抽出手段725により、遮蔽物領域として統合された領域の中からその代表点5043Aを抽出し、局所領域輝度情報推定手段726により、遮蔽物領域内の代表点を中心とする局所領域5050内部で、直線エッジのつながりが最も自然な形になるように輝度値を補うように構成したので、的確に遮蔽物除去の画像処理を行うことができ、最終的に監視員が見やすい連続画像4000を得ることができるという効果が得られる。
【0076】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、移動しながら物体を撮像する連続画像撮像手段と、この連続画像撮像手段によって連続的に撮像された二次元座標の静止画像を時間的に積み重ねて連続画像とし、この連続画像から時間軸を新たな座標軸とする三次元座標の時空間画像を生成する時空間画像生成手段と、時空間画像の横軸時間軸面に現れるストライプの時間軸に対する角度から静止画像に写った物体の位置を判断し、予め指定した物体を画像処理して除去する時空間画像処理手段と、この時空間画像処理手段によって画像処理された時空間画像を時間毎に切り出して、画像表示手段が映像可能な静止画像を時間的に積み重ねた連続画像に変換する画像再構成手段とから構成したので、注目すべき監視対象が、配管、建物の柱、柵等の遮蔽物によって部分的に遮蔽されている場合でも、予め指定した遮蔽物を除去し、遮蔽物が存在しない時間帯の監視対象の輝度値を置き換えることにより、実際にはその時間帯には見ることのできない監視対象の表面の輝度情報を補って、手前の遮蔽物を除去した時空間画像を生成することができ、従って監視員にとって見やすい画像を提供し、効率のよい遠隔監視環境を提供することができる効果がある。
【0078】
さらに、この発明によれば、時空間画像処理手段を、時空間画像の横軸縦軸面に連続画像撮像手段の移動方向と光軸方向との角度に応じて複数のスリット位置を設定し、この複数のスリット位置で時空間画像を切断して横軸時間軸面の複数の二次元座標のスリット画像を生成するスリット画像生成手段と、複数のスリット画像それぞれに対して予め指定された物体を画像処理して除去する複数のスリット画像処理手段と、これら複数のスリット画像処理手段により画像処理された複数のスリット画像を、連続画像撮像手段の移動方向と光軸方向との角度に応じて設定した複数のスリット位置に置き直すことにより、三次元座標の時空間画像を生成するスリット画像合成手段とから構成したので、スリット画像上で直線的なストライプを得ることができ、その結果、スリット画像を容易に解析することができる効果がある。
また、スリット画像処理手段を複数設けたので、各スリット画像毎に画像処理を行うことができ、その結果、高速に時空間画像処理を行うことができる効果もある。
【0079】
さらに、この発明によれば、スリット画像処理手段を、二次元のスリット画像から量子化された複数の直線エッジを抽出する直線エッジ抽出手段と、この直線エッジ抽出手段により抽出された上記複数の直線エッジを、この量子化された各エッジ方向毎に領域統合した複数の領域統合画像を生成する複数の領域統合手段と、これら複数の領域統合手段で生成された複数の領域統合画像を順に層状に重ね合わせることにより、二次元の層状画像を生成する層状画像合成手段とから構成したので、的確に遮蔽物除去の画像処理を行うことができ、最終的に監視員が見やすい連続画像を得ることができる効果がある。
【0080】
さらに、この発明によれば、スリット画像処理手段を、二次元のスリット画像から予め指定されたエッジ方向の直線エッジを抽出する直線エッジ抽出手段と、この直線エッジ抽出手段により抽出された直線エッジを、量子化されたエッジ方向に領域統合すると共に、このように領域統合した領域の輝度情報をスリット画像から除去する指定距離対応エッジ方向領域統合手段と、輝度情報を除去した領域の中から代表点を抽出する領域内代表点抽出手段と、輝度情報が除去された領域内の代表点を中心とする局所領域内部で輝度値を補う局所領域輝度情報推定手段とから構成したので、的確に遮蔽物除去の画像処理を行うことができ、最終的に監視員が見やすい連続画像を得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による画像処理装置を用いた遠隔監視装置を示す概観構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】 図2に示した画像処理装置による画像処理方法(遮蔽物を除去する画像処理手法)を説明するための図である。
【図4】 図3の時空間画像の拡大図である。
【図5】 画像処理装置により画像処理した画像例を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態2による画像処理装置における時空間画像生成手段の具体的構成を示すブロック図である。
【図7】 移動量補正手段の動作を説明するための図であり、(a)は連続画像撮像手段が移動方向に等速直線移動する場合を示し、(b)は連続画像撮像手段が上下方向に波状に振動する場合を示す図である。
【図8】 揺れ・時間軸補正手段による連続画像撮像手段の振動または揺れを補正する動作を説明するための図である。
【図9】 揺れ・時間軸補正手段による移動速度のむらを補正する動作を説明するための図である。
【図10】 この発明の実施の形態3による画像処理装置における時空間画像処理手段の構成を示すブロック図である。
【図11】 時空間画像処理手段の基本的な動作を説明するための図である。
【図12】 時空間画像に設ける複数のスリットの位置の設定方法の一例を説明するための図であり、(a)は連続画像撮像手段の移動方向と光軸方向とが垂直であることを示す図、(b)はそのときの連続的な静止画像のそれぞれに設定されるスリット位置を示す図である。
【図13】 時空間画像に設ける複数のスリットの位置の設定方法の一例を説明するための図であり、(a)は連続画像撮像手段の移動方向と光軸方向が鋭角αをなしていること示す図、(b)はそのときの連続的な静止画像のそれぞれに設定されるスリット位置を示す図、(c)はスリットの位置を水平方向に変形した静止画像例を示す図である。
【図14】 時空間画像に設ける複数のスリットの位置の設定方法の一例を説明するための図であり、(a)は連続画像撮像手段の移動方向と光軸方向が同方向(並行)であること示す図、(b)はそのときの連続的な静止画像のそれぞれに設定されるスリット位置を示す図、(c)はスリットの位置を水平方向に変形した静止画像例を示す図である。
【図15】 連続画像撮像手段が傾いている場合、または移動手段が下に傾いている場合の連続的な静止画像のそれぞれに設定されるスリット位置を示す図である。
【図16】 この発明の実施の形態4による時空間画像処理手段におけるスリット画像処理手段の構成を示すブロック図である。
【図17】 直線エッジ抽出手段の直線エッジ抽出法の一例を示す図である。
【図18】 直線エッジ抽出手段の直線エッジ抽出法の一例を示す図である。
【図19】 図16に示したスリット画像処理手段の動作を説明するための図である。
【図20】 この発明の実施の形態5による時空間画像処理手段におけるスリット画像処理手段の構成を示すブロック図である。
【図21】 この発明の実施の形態5によるスリット画像処理手段の動作を説明するための図である。
【図22】 従来技術1の画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図23】 従来技術2の画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図24】 従来技術3の画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 連続画像撮像手段、4A,4B 監視対象(物体)、5A〜5D 遮蔽物(物体)、6 時空間画像生成手段、7 時空間画像処理手段、8 画像再構成手段、9 画像表示手段、61 移動量補正手段(連続画像位置補正手段)、62 揺れ・時間軸補正手段(連続画像位置補正手段)、63 時空間合成手段、71 スリット画像生成手段、72a〜72g スリット画像処理手段、73 スリット画像合成手段、721 直線エッジ抽出手段、722a〜722g 領域統合手段、723 層状画像合成手段、724 指定距離対応エッジ方向領域統合手段、725 領域内代表点抽出手段、726 局所領域輝度情報推定手段、1000,4000 連続画像、2000,3000 時空間画像、2000a,2000b ストライプ、5000,6000 スリット画像。
Claims (2)
- 移動しながら物体を撮像する連続画像撮像手段と、この連続画像撮像手段によって連続的に撮像された二次元座標の静止画像を時間的に積み重ねて連続画像とし、この連続画像から時間軸を新たな座標軸とする三次元座標の時空間画像を生成する時空間画像生成手段と、上記時空間画像の横軸時間軸面に現れるストライプの上記時間軸に対する角度から上記静止画像に写った物体の位置を判断し、予め指定した物体を画像処理して除去する時空間画像処理手段と、この時空間画像処理手段によって画像処理された時空間画像を時間毎に切り出して、画像表示手段が映像可能な静止画像を時間的に積み重ねた連続画像に変換する画像再構成手段と、前記時空間画像処理手段は、時空間画像の横軸縦軸面に連続画像撮像手段の移動方向と光軸方向との角度に応じて複数のスリット位置を設定し、この複数のスリット位置で上記時空間画像を切断して横軸時間軸面の複数の二次元座標のスリット画像を生成するスリット画像生成手段と、上記複数のスリット画像それぞれに対して予め指定された物体を画像処理して除去する複数のスリット画像処理手段と、これら複数のスリット画像処理手段により画像処理された複数のスリット画像を、連続画像撮像手段の移動方向と光軸方向との角度に応じて設定した上記複数のスリット位置に置き直すことにより、三次元座標の時空間画像を生成するスリット画像合成手段と、前記スリット画像処理手段は、二次元のスリット画像から量子化された複数の直線エッジを抽出する直線エッジ抽出手段と、この直線エッジ抽出手段により抽出された上記複数の直線エッジを、この量子化された各エッジ方向毎に領域統合した複数の領域統合画像を生成する複数の領域統合手段と、これら複数の領域統合手段で生成された上記複数の領域統合画像を順に層状に重ね合わせることにより、二次元の層状画像を生成する層状画像合成手段とから構成されたことを特徴とする画像処理装置。
- 移動しながら物体を撮像する連続画像撮像手段と、この連続画像撮像手段によって連続的に撮像された二次元座標の静止画像を時間的に積み重ねて連続画像とし、この連続画像から時間軸を新たな座標軸とする三次元座標の時空間画像を生成する時空間画像生成手段と、上記時空間画像の横軸時間軸面に現れるストライプの上記時間軸に対する角度から上記静止画像に写った物体の位置を判断し、予め指定した物体を画像処理して除去する時空間画像処理手段と、この時空間画像処理手段によって画像処理された時空間画像を時間毎に切り出して、画像表示手段が映像可能な静止画像を時間的に積み重ねた連続画像に変換する画像再構成手段と、前記時空間画像処理手段は、時空間画像の横軸縦軸面に連続画像撮像手段の移動方向と光軸方向との角度に応じて複数のスリット位置を設定し、この複数のスリット位置で上記時空間画像を切断して横軸時間軸面の複数の二次元座標のスリット画像を生成するスリット画像生成手段と、上記複数のスリット画像それぞれに対して予め指定された物体を画像処理して除去する複数のスリット画像処理手段と、これら複数のスリット画像処理手段により画像処理された複数のスリット画像を、連続画像撮像手段の移動方向と光軸方向との角度に応じて設定した上記複数のスリット位置に置き直すことにより、三次元座標の時空間画像を生成するスリット画像合成手段と、前記スリット画像処理手段は、二次元のスリット画像から予め指定されたエッジ方向の直線エッジを抽出する直線エッジ抽出手段と、この直線エッジ抽出手段により抽出された直線エッジを、量子化されたエッジ方向に領域統合すると共に、このように領域統合した領域の輝度情報を上記スリット画像から除去する指定距離対応エッジ方向領域統合手段と、輝度情報を除去した上記領域の中から代表点を抽出する領域内代表点抽出手段と、輝度情報が除去された上記領域内の上記代表点を中心とする局所領域内部で輝度値を補う局所領域輝度情報推定手段とから構成されたことを特徴とする画像処理装置。
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