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JP3714983B2 - 推力アクチュエータ - Google Patents

推力アクチュエータ Download PDF

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JP3714983B2
JP3714983B2 JP02633295A JP2633295A JP3714983B2 JP 3714983 B2 JP3714983 B2 JP 3714983B2 JP 02633295 A JP02633295 A JP 02633295A JP 2633295 A JP2633295 A JP 2633295A JP 3714983 B2 JP3714983 B2 JP 3714983B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、モータの回転力を軸方向の動力に変換してロッドを駆動する推力アクチュエータに関し、特に4輪駆動車における2輪駆動と4輪駆動との切換装置、または差動固定装置(通称デフロック)のロック状態とアンロック状態との切換装置等に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
例えば、4輪駆動車における2輪駆動と4輪駆動との切換装置としては、特公平5−55331号公報に開示されたものが知られている。
この切換装置は、フォークシャフトに固定されたシフトフォークによってスライダを操作し、このスライダを介して前輪側の駆動軸に設けられたスプラインと後輪側の駆動軸に設けられたスプラインとを連結されることで4輪駆動となり、切り離されることで2輪駆動となる。そして、フォークシャフトを軸方向に往復動させる手段として推力アクチュエータが用いられている。
【0003】
推力アクチュエータは、モータの回転力をギヤの組み合わせにより増力してピニオンギヤに伝達し、ピニオンギヤからロッドと同軸に配設したラックギヤに伝達して推力(軸方向の動力)に変換している。そして、モータとロッド間には、ロッドがロックした時に反力(弾力)を蓄えるためのトーションスプリングが配設されている。
【0004】
この推力アクチュエータの作動を図8に示すタイムチャートに基づいて簡単に説明する。
始動スイッチがオンされてモータが回転すると、推力によりロッドが作動して、そのロッドに連結されたフォークシャフトを駆動する。ここで、ロッドがロックした場合(即ち、スライダとスプラインとが噛み合わないでフォークシャフトの移動が停止した時/図8中のX時点)でも、トーションスプリングがモータの回転力を受けて捩じられることにより、モータはロックすることなく回転を継続し、所定量回転した後、通電が停止される(図8中のY時点)。
【0005】
この状態でスライダとスプラインとが噛み合うのを待ち、噛み合った時(図8中のZ時点)に、トーションスプリングに蓄えられた弾力によってロッドが作動する。このトーションスプリングの働きにより、モータロック時の過大推力がロッドに掛からないようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の推力アクチュエータは、下記の課題を有している。
イ)モータが所定量回転した後、モータへの通電を停止するシステムである。従って、モータへの通電を停止するタイミングを知るために、モータの回転量(回転角)を検出する装置が必要であり、この検出装置からモータの通電制御を行う制御装置(ECU)へ信号を送るための信号線が必要となって、システム的にコスト高となる。
【0007】
ロ)トーションスプリングは、その捩じりトルクを小さくする目的で、モータに近い側(減速量を小さくできる)に配設されている。そのため、トーションスプリングの捩じり量(回転量)を大きく取ることが多く、通常では角度にして180度と大きいことから、バネ定数の極端に小さいスプリングを必要とする。これを実現するためには、スプリングの巻き数を極端に大きくしなければならず、トーションスプリング自体が大きくなり、装置全体の大型化を招く。
【0008】
仮に、バネ定数の大きいスプリングを使用した場合は、モータの捩じり込み量に従ってロッドの出力荷重の増加度合いが大きくなることから、過荷重となってしまうため適用は困難である。
一方、トーションスプリングをロッド側に設けた場合は、捩じり量の角度は小さくなるが、捩じりトルクは大きくする必要があるため、やはりトーションスプリング自体が大きくなってしまう。
【0009】
ハ)上述の説明でロッドがロックしている時、即ちスライダがスプラインと噛み合うまでの所謂「待ち状態」の時は、トーションスプリングに蓄えられた反力によりモータが逆回転しないように、進み角の小さいウォームギヤを設ける必要がある。しかし、スライダがスプラインと噛み合ってロッドの作動が終了した後でも、ロッドにはトーションスプリングのセット荷重(残存捩じり分による捩じりトルク)が掛かっている。従って、進み角の小さいウォームギヤによってモータが逆回転できない構造であると、モータとロッドとの間で動力を伝達する各ギヤや軸、および軸を支持するハウジング等に常時荷重が掛かってしまう。このため、耐力が大きくクリープ強度の高いギヤや軸およびハウジングを用いる必要があることから、装置の大型化を招くとともにコスト高となる。
【0010】
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、モータへの通電停止後に動力伝達系に荷重が掛からない構造として装置の小型化および軽量化を実現するとともに、電気配線を簡素化してコストダウンを図った推力アクチュエータを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の構成を採用した。
請求項1では、通電を受けて負荷電流に応じた出力トルクを発生するモータと、軸方向に往復動可能に設けられたロッドと、前記モータの出力トルクを軸方向の推力に変換して前記ロッドに伝達するとともに、前記モータへの通電が停止された時に、前記ロッドに掛かる負荷を受けて前記モータを逆回転できる動力伝達機構と、前記モータを所定時間通電するとともに、前記モータに所定値以上の負荷が掛かった時に、前記モータの出力トルクが前記所定値を超えないように前記負荷電流を制限するモータ駆動回路とを備え、
前記動力伝達機構は、前記モータの出力軸に取り付けられるウォームギヤと、このウォームギヤに噛み合うウォームホィールとを有する歯車減速機構によって構成され、前記モータへの通電が停止された時に、前記モータが逆回転できる様に、前記ウォームギヤの進み角が大きく設定されていることを特徴とする。
【0012】
請求項2では、請求項1に記載した推力アクチュエータにおいて、
前記モータ駆動回路は、前記モータに所定値以上の負荷が掛かった時に、前記モータに流れる負荷電流を一定に保つ定電流回路を有することを特徴とする。
【0013】
請求項3では、請求項1または2に記載した推力アクチュエータにおいて、
前記モータ駆動回路は、前記モータに所定値以上の負荷が掛かった時に、前記モータに流れる負荷電流を所定の増加率で増加させることを特徴とする。
【0014】
【作用および発明の効果】
(請求項1)
モータに発生する出力トルクが動力伝達機構により軸方向の推力に変換されて、ロッドに伝達されることでロッドが駆動される(軸方向に移動する)。この駆動中にロッドがロックしてモータに掛かる負荷が増大すると、負荷の増大に伴ってモータの出力トルクも増大するが、モータに掛かる負荷が所定値以上となっても、モータ駆動回路によってモータの出力トルクが所定値を超えないように負荷電流が制限される。
その後、ロッドのロック状態が解消されてロッドが移動を完了し、モータへの通電が停止されると、モータは、動力伝達機構に残存する荷重を受けて一旦わずかに逆回転した後、停止する。
【0015】
この発明によれば、ロッドがロックしてモータに掛かる負荷が増大した時に、モータに流れる負荷電流が制限されてモータの出力トルクが抑えられるため、ロッドおよび動力伝達機構に過大な(必要以上の)負荷が掛からない。また、モータへの通電が停止された後、モータが一旦わずかに逆回転して動力伝達機構の残存荷重を解消することができるため、モータの回転停止後にロッドおよび動力伝達機構に負荷が掛からない。このため、動力伝達機構の構成部品(例えば、ギヤ、軸、軸受等)の小型化および軽量化(樹脂化)が可能となる。
また、モータは、モータ駆動回路により所定時間だけ通電される。つまり、所定時間経過後にモータへの通電が停止される。従って、従来装置のように、モータへの通電停止タイミングを知るためにモータの回転量を検出する必要がないことから、その分、電気配線を簡素化してコストダウンを図ることができる。
【0016】
(請求項2)
モータ駆動回路は、定電流回路を有し、この定電流回路によって、モータに所定値以上の負荷が掛かった時にモータに流れる負荷電流を一定に保つことができる。これにより、モータは負荷電流に応じた出力トルク(所定値)を発生する。即ち、出力トルクが所定値以上となることはない。
【0017】
(請求項3)
モータ駆動回路は、モータに所定値以上の負荷が掛かった時に、モータに流れる負荷電流を所定の増加率で増加させる。これにより、負荷の急増に伴ってモータ出力が急増するのを抑えることができるため、動力伝達機構に衝撃荷重が加わることがなく、動力伝達機構を構成する各部品の強度を低く設定することが可能となる。
【0018】
【実施例】
次に、本発明の推力アクチュエータを4輪駆動車の2輪駆動と4輪駆動とを切り換える切換装置に適用した実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
図1は推力アクチュエータの内部構造を示す平面図(アッパケースを取り外した状態)、図2は推力アクチュエータの内部構造を示す側面断面図である。
【0019】
まず、図4に基づいて2輪駆動と4輪駆動とを切り換える切換装置100の構造を説明する。
切換装置100は、前輪駆動軸110の外周に設けられたスプライン111、後輪駆動軸120に設けられたスプライン121、両者のスプライン111、121に係合可能に設けられたスライダ130、およびスライダ130を操作するシフトフォーク140が固定されたフォークシャフト150等より構成されている。
【0020】
前輪駆動軸110は、エンジンからトランスミッション(図示しない)を介して駆動力が伝達されて、エンジン運転中は常時回転している(後輪駆動軸120にエンジンの駆動力が伝達される構造でも良い)。
後輪駆動軸120は、前輪駆動軸110と軸方向に対向して配置され、前輪駆動軸110の端部にベアリング160を介して回転自在に支持されている。
【0021】
スライダ130は、2輪駆動の時に前輪駆動軸110のスプライン111に噛み合わされており、2輪駆動から4輪駆動へ切り換える時に、図4の右方向へ移動して後輪駆動軸120のスプライン121とも噛み合う(両方のスプライン111、121と噛み合った状態)。
即ち、フォークシャフト150に固定されたシフトフォーク140によってスライダ130を操作し、このスライダ130を介して前輪駆動軸110のスプライン111と後輪駆動軸120のスプライン121とが連結されることで4輪駆動となり、切り離されることで2輪駆動となる。
【0022】
推力アクチュエータ1は、フォークシャフト150を駆動操作するもので、図1および図2に示すように、出力トルクを発生するモータ2、このモータ2の出力トルクを伝達する動力伝達機構(後述する)、この動力伝達機構により伝達された動力(推力)を受けて軸方向に往復動するロッド3、各構成部品を収容するケース4、およびモータ2を通電するモータ駆動回路5(図3参照)等より構成されている。
【0023】
モータ2は、モータ駆動回路5より通電を受けて出力軸2aが回転することにより、負荷電流に応じた出力トルクを発生する(図5参照)。
動力伝達機構は、歯車減速機構を成すもので、モータ2の出力軸2aに取り付けられて出力軸2aと一体に回転するウォームギヤ6、ウォームギヤ6と噛み合うウォームホイール7、ウォームホイール7と同軸に設けられた小径ギヤ8、小径ギヤ8と噛み合う大径ギヤ9、大径ギヤ9と同軸に配置された小径ギヤ10、小径ギヤ10と噛み合うプレートギヤ11、プレートギヤ11と一体に回転するピニオンギヤ12、およびピニオンギヤ12と噛み合うラックギヤ13等より構成されている。
【0024】
ウォームギヤ6は、モータ2の通電が停止された時に、モータ2が逆回転できるように進み角(ピッチ)の大きいものを使用している。
ウォームホイール7と小径ギヤ8とは、図示しない軸受を介してケース4に回転自在に支持された支持軸14と一体に設けられており、その支持軸14と共に同期して回転する。
大径ギヤ9と小径ギヤ10は、軸受15を介してケース4に回転自在に支持された支持軸16と一体に設けられて、その支持軸16と共に同期して回転する。
【0025】
プレートギヤ11は、図2に示すように扇形に設けられて、その要となるボス部11a(図1参照)で支持軸17に回転可能に支持されている。
ピニオンギヤ12は、プレートギヤ11のボス部11aが軸方向に延長されて、その延長部の外周に一体に設けられている。
ラックギヤ13は、ロッド3の端部に一体に設けられて、ピニオンギヤ12の回転力を推力(軸方向の動力)に変換する。
【0026】
ロッド3は、ケース4(アッパケース4b)にシール部材18を介して往復動可能に支持されて、先端部がケース4の外側(図2の左側)へ突出し、その先端部に設けられた連結ピン3a(図4参照)を介して切換装置100のフォークシャフト150に連結されている。このロッド3は、ラックギヤ13により変換された推力を受けてラックギヤ13と一体に作動する(軸方向に移動する)ことにより、フォークシャフト150を駆動する。
【0027】
ケース4は、各構成部品を収容するロアケース4aと、このロアケース4aの開口部にシール部材19を介して液密に被せられるアッパケース4bとから成り、両者がビス20により締め付け固定されている。なお、ロアケース4aには、モータ2の通電端子21が取り出された防水コネクタ22が一体に設けられている。この防水コネクタ22には、モータ駆動回路5の給電線に取り付けられた給電用コネクタ(図示しない)が差し込まれて、通電端子21を介してモータ駆動回路5からモータ2へ駆動電力が給電される。
【0028】
モータ駆動回路5は、図3に示すように、手動スイッチ23を介して電子制御装置(ECU)24に接続され、手動スイッチ23がオンされた時に、電子制御装置24より出力される起動信号を受けてモータ2を所定時間(例えば1秒間)だけ通電する。但し、モータ駆動回路5は、モータ2に流れる負荷電流を一定に保つ定電流回路(例えばPWM:パルス幅変調)を備え、出力軸2aに掛かる負荷が増加しても所定値i3 以上の平均電流が流れないように負荷電流を制限している。従って、モータ2の出力トルクは、出力軸2aに掛かる負荷が増加しても、負荷電流i3 に応じた規定トルクT3 以上には大きくならない。ここで、PWMがゆえに負荷電流はリップル分があるが、周波数が100Hz程度以上であれば、トルク変動はほとんどない。
【0029】
上記の関係を図5に示すモータ特性図を用いて説明する。
一般的な直流モータ2の負荷電流iと回転数Nとの関係は、図5に示すように、出力トルクTに対して反比例する。
従って、▲1▼モータ2の出力軸2aに掛かる負荷が軽い場合、即ちモータ2の出力トルクが小さくて良い場合は、低負荷時の或る出力トルクT1 に対して回転数N1 は高いが、負荷電流i1 は低くなる。
【0030】
また、▲2▼モータ2の出力軸2aに掛かる負荷が重い場合、即ちモータ2の出力トルクが大きくなる場合は、高負荷時の或る出力トルクT2 に対して回転数N2 は低いが、負荷電流i2 は高くなる(但し、モータ2に流れる負荷電流を制限しない場合)。
これに対して、モータ2に流れる負荷電流を制限した場合は、高負荷になってもi3 以上電流が流れないため、負荷電流i3 に応じた出力トルクT3 以上の負荷が掛かればモータ2は停止する。即ち、出力軸2aに掛かる負荷がモータ2の規定トルクT3 以上に増加しても、モータ2の出力トルクはT3 以上にならない。
【0031】
なお、上記の電子制御装置24は、マイクロコンピュータ(図示しない)を内蔵して車両のエンジン制御、サスペンション制御、またはエアコン制御等を行うもので、イグニッションスイッチIGがオンされることで、車載電源Bより電力の供給を受けて作動する。
【0032】
次に、本実施例の作動を図6に示すタイムチャートを参照しながら説明する。
但し、以下の説明は、2輪駆動から4輪駆動へ切り換える場合の作動である。
乗員により手動スイッチ23がオンされて、電子制御装置24からモータ駆動回路5へ起動信号が出力されることにより、モータ駆動回路5を介してモータ2が通電される(図中A点)。
通電を受けてモータ2が回転することにより、出力軸2aに取り付けられたウォームギヤ6が出力軸2aと一体に回転し、このウォームギヤ6と噛み合うウォームホイール7が回転する(図2に回転方向を矢印で示す)。
【0033】
ウォームホイール7の回転は、ウォームホイール7と共に支持軸14に一体に設けられた小径ギヤ8を介して大径ギヤ9に伝達される。この大径ギヤ9の回転は、同期して回転する小径ギヤ10からプレートギヤ11に伝達された後、このプレートギヤ11と同期して回転するピニオンギヤ12からラックギヤ13に伝達されて、ピニオンギヤ12とラックギヤ13との間で軸方向の推力に変換される。
【0034】
このラックギヤ13で変換された推力により、ロッド3が作動(図2の右方向へ移動)してフォークシャフト150を駆動する。これにより、フォークシャフト150に固定されたシフトフォーク140を介してスライダ130が移動(図4の右方向へ移動)し、前輪駆動軸110に設けられたスプライン111と噛み合ったまま、後輪駆動軸120に設けられたスプライン121とも噛み合うことで、前輪駆動軸110と後輪駆動軸120とが連結されて2輪駆動から4輪駆動へ切り換えられる。
【0035】
ここで、シフトフォーク140を介して移動するスライダ130は、後輪駆動軸120のスプライン121に噛み合う際に、スプライン121の端面に当接してスムーズな噛み合いが行われない場合が生じる。この場合、前輪駆動軸110の回転に伴ってスライダ130とスプライン121との互いの歯筋が合致するまでスライダ130の移動が停止される(図中B点)。
【0036】
これにより、推力アクチュエータでは、ロッド3がロック(作動停止)することでモータ2の出力軸2aに掛かる負荷が急増する(図中一点鎖線で示す)。この時、モータ2は、出力軸2aに発生する出力トルクが所定値T3 を超えないように負荷電流が制限されるため、出力軸2aに掛かる負荷の方がモータ出力(出力トルク)より大きくなって、モータ2の回転が停止する。
【0037】
その後、前輪駆動軸110の回転に伴いスライダ130と後輪駆動軸120のスプライン121との歯筋が合致して両者が噛み合い始めると、出力軸2aに掛かっている負荷が低減してモータ出力より小さくなることで、それまで停止していたモータ2が回転する(図中C点)。
このモータ2の回転により、再びロッド3が移動してスライダ130とスプライン121との噛み合いを完了させる。
【0038】
その後、フォークシャフト150は、スライダ130と後輪駆動軸120のスプライン121とが噛み合った状態でさらに移動し、シフトフォーク140がストッパ170に当接することで停止する(図中D点)。このシフトフォーク140がストッパ170に当接して停止することで再び出力軸2aに掛かる負荷が増大するが、上述したようにモータ2に流れる負荷電流が制限されることで、モータ出力が所定値T3 以上になることはない。
【0039】
モータ2の通電開始から所定時間(1秒)経過後に通電が停止されることにより、出力軸2aが一旦停止するが、ロッド3に掛かっている負荷(動力伝達機構に残存する荷重)が反力となって出力軸2aが逆回転することにより、ロッド3および動力伝達機構に掛かっていた負荷が解消される(図中E点)。
【0040】
(本実施例の効果)
本実施例では、ロッド3がロックしてモータ2の出力軸2aに過大な負荷が掛かった時に、モータ2に流れる負荷電流を制限してモータ2の出力トルクが所定値T3 を超えないように維持することができる。このため、従来装置のようにモータの出力トルクをトーションスプリングに蓄える必要がないことから、トーションスプリング自体が不要となる。
【0041】
また、モータ2の通電が停止された時に、モータ2が逆回転してロッド3および動力伝達機構に掛かっていた負荷を解消することができる。これにより、ロッド3および動力伝達機構を構成する各ギヤ類(ウォームギヤ6、ウォームホイール7、小径ギヤ8、大径ギヤ9、小径ギヤ10、プレートギヤ11、ピニオンギヤ12、ラックギヤ13)の小型化および樹脂化による軽量化を図ることができるとともに、それに伴って各ギヤ類を支持する支持軸14、16、17およびケース4の樹脂化が可能となり、コストダウンを図ることができる。
【0042】
また、本実施例では、モータ2の通電時間が予め設定されており、通電開始から所定時間経過後に通電停止される。従って、従来装置のように、モータ2の通電停止タイミングをモータ2の回転量によって検出する必要がないため、その分、電気配線の簡素化(システムの簡素化)を図ることができる。
なお、上述の作動は、2輪駆動から4輪駆動へ切り換える場合について説明したものであるが、4輪駆動から2輪駆動へ切り換える場合についても同様の作用および効果が得られることは言うまでもない。
【0043】
(第2実施例)
第1実施例では、スライダ130が後輪駆動軸120のスプライン121と噛み合う直前にロッド3が停止する時、モータ出力の急増によって衝撃荷重が掛かることがあるため、動力伝達機構の各ギヤ類6〜13の強度安全率を高く設定する必要がある。
そこで、本実施例では、ロッド3がロックしてモータ2に掛かる負荷が急増した時に、モータ2に流れる負荷電流を急増させないで、図7に示すように、所定の増加率(例えば10mA/msec)で増加させる様にした。このように、電流を所定の増加率で徐々に増加させることにより、上記の衝撃荷重による不具合を解消できるため、動力伝達機構に使用する各ギヤ類6〜13の安全率を低く設定できる。また、小型化が可能となる。
【0044】
〔変形例〕
本実施例では、モータ2に流れる負荷電流を制限することにより、モータ2に掛かる負荷が急増した時(T3 以上)にモータ2が停止する。このため、例えば高回転型のモータ2を使用していれば、モータ2の停止に伴う衝撃力が加わるため、この衝撃力を吸収する衝撃吸収材(例えばトーションスプリング)を動力伝達機構に介在させても良い。
本実施例では、モータ2が逆回転できるように、進み角の大きいウォームギヤ6を使用したが、ウォームギヤ6の代わりに小径の平歯車を用いても良い。
本実施例では、推力アクチュエータ1を2輪駆動と4輪駆動とを切り換える切換装置100に適用したが、差動固定装置のロック状態とアンロック状態との切換装置に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】推力アクチュエータの内部構造を示す平面図である。
【図2】推力アクチュエータの内部構造を示す側面断面図である。
【図3】推力アクチュエータを駆動する電気回路図である。
【図4】推力アクチュエータを含む切換装置の全体断面図である。
【図5】出力トルクに対する回転数と電流との関係を示すモータ特性図である。
【図6】第1実施例の作動に係わるタイムチャートである。
【図7】第2実施例の作動に係わるタイムチャートである。
【図8】従来装置の作動に係わるタイムチャートである。
【符号の説明】
1 推力アクチュエータ
2 モータ
3 ロッド
5 モータ駆動回路
6 ウォームギヤ(動力伝達機構)
7 ウォームホイール(動力伝達機構)
8 小径ギヤ(動力伝達機構)
9 大径ギヤ(動力伝達機構)
10 小径ギヤ(動力伝達機構)
11 プレートギヤ(動力伝達機構)
12 ピニオンギヤ(動力伝達機構)
13 ラックギヤ(動力伝達機構)

Claims (3)

  1. a)通電を受けて負荷電流に応じた出力トルクを発生するモータと、
    b)軸方向に往復動可能に設けられたロッドと、
    c)前記モータの出力トルクを軸方向の推力に変換して前記ロッドに伝達するとともに、前記モータへの通電が停止された時に、前記ロッドに掛かる負荷を受けて前記モータを逆回転できる動力伝達機構と、
    d)前記モータを所定時間通電するとともに、前記モータに所定値以上の負荷が掛かった時に、前記モータの出力トルクが前記所定値を超えないように前記負荷電流を制限するモータ駆動回路とを備え
    前記動力伝達機構は、前記モータの出力軸に取り付けられるウォームギヤと、このウォームギヤに噛み合うウォームホィールとを有する歯車減速機構によって構成され、前記モータへの通電が停止された時に、前記モータが逆回転できる様に、前記ウォームギヤの進み角が大きく設定されていることを特徴とする推力アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載した推力アクチュエータにおいて、
    前記モータ駆動回路は、前記モータに所定値以上の負荷が掛かった時に、前記モータに流れる負荷電流を一定に保つ定電流回路を有することを特徴とする推力アクチュエータ。
  3. 請求項1または2に記載した推力アクチュエータにおいて、
    前記モータ駆動回路は、前記モータに所定値以上の負荷が掛かった時に、前記モータに流れる負荷電流を所定の増加率で増加させることを特徴とする推力アクチュエータ。
JP02633295A 1995-02-15 1995-02-15 推力アクチュエータ Expired - Lifetime JP3714983B2 (ja)

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