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JP3713908B2 - 圧縮着火式内燃機関 - Google Patents

圧縮着火式内燃機関 Download PDF

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    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は圧縮着火式内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧縮着火式内燃機関においては、燃焼室内に噴射された燃料の分散度合が燃焼に大きな影響を与える。即ち、燃焼室全体に燃料が分散せしめられると単位容積当りの発熱量が低くなるために燃焼温度が低くなり、斯くしてNOx の発生しないおだやかな燃焼が行われる。また、燃料粒子の周りには十分な空気が存在するために煤も発生しなくなる。そこで燃焼室内全体に噴射燃料を分散させるために圧縮上死点前60度よりも前の圧縮工程中に燃料を噴射するようにした圧縮着火式内燃機関が公知である(特開平7−317588号公報参照)。
【0003】
即ち、燃焼室内の圧力が高くなると空気抵抗が大きくなるために噴射燃料が燃焼室内全体に広がりずらくなり、従ってこの圧縮着火式内燃機関では燃焼室内の圧力が低い、圧縮上死点前60度以前に燃料を噴射するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところでこのように燃焼室内全体に噴射燃料を分散させるようにした場合、燃料噴射量が少ないときにはNOx およびHCが発生しないおだやかな燃焼が行われる。しかしながら燃料噴射量が多くなると燃料が早期に着火し出し、一旦燃料が早期に着火すると燃焼室内の温度が上昇するために燃料は更に早期に着火するようになる。その結果、燃焼が次第に激しくなり、ノッキングが発生するばかりでなく多量のNOx および煤が発生することになる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために1番目の発明では、燃焼室内に燃料を噴射するようにした圧縮着火式内燃機関において、機関の運転領域を予め定められた境界を境にして低負荷側の運転領域と高負荷側の運転領域に分割すると共にこの運転領域の境界を機関の運転状態に応じて移動させるようにし、機関の運転状態がこの運転領域の境界よりも低負荷側であるときには圧縮上死点前のほぼ60度以前に燃料を早期噴射し、機関の運転状態が運転領域の境界よりも高負荷側となったときには圧縮上死点付近において燃料を噴射する圧縮上死点噴射に切換えるようにしている。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1を参照すると、1は機関本体、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は電気制御式燃料噴射弁、7は吸気弁、8は吸気ポート、9は排気弁、10は排気ポートを夫々示す。吸気ポート8は対応する吸気枝管11を介してサージタンク12に連結され、サージタンク12は吸気ダクト13を介して排気ターボチャージャ14のコンプレッサ15に連結される。一方、排気ポート10は排気マニホルド16および排気管17を介して排気ターボチャージャ14の排気タービン18に連結される。
【0011】
排気マニホルド16とサージタンク12とは排気ガス再循環(以下、EGRと称す)通路19を介して互いに連結され、EGR通路19内には電気制御式EGR制御弁20が配置される。各燃料噴射弁6は燃料供給管21を介して燃料リザーバ、いわゆるコモンレール22に連結される。このコモンレール22内へは電気制御式の吐出量可変な燃料ポンプ23から燃料が供給され、コモンレール22内に供給された燃料は各燃料供給管21を介して燃料噴射弁6に供給される。コモンレール22にはコモンレール22内の燃料圧を検出するための燃料圧センサ24が取付けられ、燃料圧センサ24の出力信号に基づいてコモンレール22内の燃料圧が目標燃料圧となるように燃料ポンプ23の吐出量が制御される。
【0012】
電子制御ユニット30はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス31によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)32,RAM(ランダムアクセスメモリ)33、常時電源に接続されたバックアップRAM33a,CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35および出力ポート36を具備する。燃料圧センサ22の出力信号は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。サージタンク12には吸入空気温に比例した出力電圧を発生する吸気温センサ25が取付けられ、この吸気温センサ25の出力電圧は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。また、シリンダヘッド3にはノッキングセンサ26が取付けられ、ノッキングセンサ26はローパスフィルタ27を介してピークホールド回路28の入力端子に接続される。ピークホールド回路28の出力端子は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に接続される。
【0013】
また、アクセルペダル40にはアクセルペダル40の踏込み量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ41が接続され、負荷センサ41の出力電圧は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。更に入力ポート35にはクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ42が接続される。一方、出力ポート36は対応する駆動回路38を介して燃料噴射弁6、EGR制御弁20、燃料ポンプ23およびピークホールド回路28のリセット入力端子に接続される。
【0014】
図2はノッキングセンサ26の出力電圧VS の変化とピークホールド回路28の出力電圧VP の変化を示している。ノッキングが発生すると機関本体1が振動し、このときノッキングセンサ26は機関本体1の振動強度に比した出力電圧VS を発生する。ピークホールド回路28の出力電圧VP はこれまで発生したノッキングセンサ26の出力電圧VS のピーク値に保持される。このピークホールド回路28の出力電圧VP は例えば一定クランク角度毎に発生するリセット信号によってリセットされる。
【0015】
冒頭で述べたように燃料噴射量が少ないときには噴射燃料を燃焼室5内全体に分散させればNOx および煤が発生しないおだやかな燃焼が行われる。
即ち、燃料が噴射され、ピストン4が上昇して燃焼室5内の温度が一定温度以上になると燃料粒子周りの蒸発燃料が酸素と結合する。このとき燃料粒子が集まっていると、即ち、燃料粒子の密度が高いと燃料粒子は周囲の燃料粒子の蒸発燃料の酸化反応熱を受けて高温となる。その結果、燃料粒子内の炭化水素が水素分子H2 や炭素Cに熱分解される。この熱分解により発生した水素分子H2 は爆発的に燃焼して高温を発生し、斯くしてNOx が発生することになる。一方、熱分解により炭素Cが発生するとこれら炭素同志が結合し、その一部がすすとして排出されることになる。このように燃料粒子の密度が高いと燃料粒子内の炭化水素の熱分解作用に起因してNOx やすすが発生する。このようなNOx やすすの発生を阻止するためには燃料粒子間の間隔を大きくしてやればよく、そのためには燃料粒子を広範囲に分散させてやればよいことになる。
【0016】
図3の曲線はピストン4の圧縮作用のみによる燃焼室5内の圧力Pの変化を示している。図3からわかるように燃焼室5内の圧力Pはほぼ圧縮上死点前BTDC60度を越えると急速に上昇する。これは吸気弁7の開弁時期とは無関係であっていかなる往復動式内燃機関であっても燃焼室5内の圧力Pは図3に示されるように変化する。燃焼室5の圧力Pが高くなると空気抵抗が大きくなるために噴射燃料は広範囲に分散せず、噴射燃料を広範囲に分散させるためには燃焼室5内の圧力Pが低いときに燃料噴射を行うことが必要となる。そこで本発明による実施例では燃焼室5内の圧力Pが低い圧縮上死点前BTDC60度前に燃料噴射I1 、即ち早期噴射を行うようにしている。事実、圧縮上死点前BTDC60度以前に早期噴射I1 を行うとNOx および煤はほとんど発生しなくなる。
【0017】
このように圧縮上死点前BTDC60度以前に早期噴射I1 を行うとNOx および煤がほとんど発生しない運転領域が図4の運転領域Xで示されている。なお、図4において縦軸Qは燃料噴射量を示しており、横軸Nは機関回転数を示している。図4からわかるようにこの運転領域Xは燃料噴射量Qの少ない運転領域、即ち低負荷側の運転領域である。
【0018】
一方、燃料噴射量Qが多くなると燃料粒子の密度が高くなる。従って燃料噴射量Qが増大したときにも、即ち機関の運転状態が図4の運転領域Yになったときにも圧縮上死点前BTDC60度以前に早期噴射を行うようにしておくと燃料の熱分解によって燃料が早期に着火し、その結果ノッキングが発生するばかりでなくNOx および煤が発生することになる。そこで本発明による実施例では機関の運転状態が運転領域Xから境界Zを越えて高負荷側の運転領域Yに移行したときには通常の圧縮着火式内燃機関と同様にほぼ圧縮上死点付近で燃料噴射が行われる圧縮上死点噴射に切換えるようにしている。
【0019】
図5に燃料噴射時期を示す。なお、図5において縦軸はクランク角を示し、横軸は燃料噴射量Qを示している。図5に示されるように運転領域Xにおいては圧縮上死点前(BTDC)60度以前に燃料噴射I1 が行われる。運転領域XにおけるθS1およびθE1は夫々燃料噴射I1 の噴射開始時期および噴射完了時期を示しており、図5に示される実施例では噴射完了時期θE1がほぼ圧縮上死点前(BTDC)80度に固定されている。
【0020】
一方、図5に示されるように運転領域Yにおいては圧縮上死点(TDC)付近において燃料噴射I2 が行われる。運転領域YにおけるθS2およびθE2は夫々燃料噴射I2 の噴射開始時期および噴射完了時期を示しており、図5に示される実施例では噴射開始時期θS2がほぼ圧縮上死点前(BTDC)5度に固定されている。
【0021】
図5において燃料噴射量Qはアクセルペダル40の踏込み量Lと機関回転数Nの関数であり、この燃料噴射量Qは図6(A)に示すようなマップの形で予めROM32内に記憶されている。一方、図5において運転領域Xにおける燃料噴射I1 の噴射開始時期θS1もアクセルペダル40の踏込み量Lと機関回転数Nの関数であり、この噴射開始時期θS1も図6(B)に示すようなマップの形で予めROM32内に記憶されている。また、図5において運転領域Yにおける燃料噴射I2 の噴射完了時期θE2もアクセルペダル40の踏込み量Lと機関回転数Nの関数であり、この噴射完了時期θE2も図6(C)に示すようなマップの形で予めROM32内に記憶されている。
【0022】
前述したように早期噴射I1 を行うとNOx および煤がほとんど発生せず、従ってできる限り早期噴射I1 を行うことが好ましい。従って図4に示される運転領域Xと運転領域Yの境界ZはNOx および煤が発生しはじめる限界値に設定される。この限界値は実験により求めることができるがこの限界値は機関の運転状態や経年変化によって変化するので運転領域の境界Zは学習制御することが好ましいことになる。また、早期噴射I1 と圧縮上死点噴射I2 とが頻繁に繰返されるのを阻止することが好ましく、そのためには早期噴射I1 と圧縮上死点噴射I2 の切換え作用についてヒステリシスを設けることが好ましい。
【0023】
そこで本発明による実施例では図7に示されるように図4に示される各運転領域X,Yを複数個の機関回転数範囲n1 ,n2 ,…n10に分割し、各機関回転数範囲n1 ,n2 ,…n10に対して夫々第1の境界M1 ,M2 ,…M10と、第1の境界よりも低負荷側の第2の境界L1 ,L2 ,…L10を設定し、第1の境界M1 ,M2 ,…M10が早期噴射I1 を行った際にNOx および煤がほとんど発生しない正規の燃焼が行われる限界値に維持されるように第1の境界M1 ,M2 ,…M10を学習制御するようにしている。なお、図7において早期噴射I1 から圧縮上死点噴射I2 へは第1の境界M1 ,M2 ,…M10において切換えられ、圧縮上死点噴射I2 から早期噴射I1 へは第2の境界L1 ,L2 ,…L10において切換えられる。
【0024】
もう少し具体的に説明すると第1の境界M1 ,M2 ,…M10および第2の境界L1 ,L2 ,…L10の値は機関負荷で表わされており、図7に示される実施例では第1の境界M1 ,M2 ,…M10の値は燃料噴射量Qでもって表わされている。従って図7に示される実施例では燃料噴射量Qが第1の境界M1 ,M2 ,…M10を越えると早期噴射I1 から圧縮上死点噴射I2 に切換えられ、燃料噴射量Qが第2の境界L1 ,L2 ,…L10よりも少なくなれば圧縮上死点噴射I2 から早期噴射I1 に切換えられることになる。
【0025】
前述したようにNOx および煤が発生しはじめる運転領域Xの限界値、即ち第1の境界は実験により求めることができる。本発明による実施例では実験により求めた第1の境界の値が図8に示されるように基準境界値m1 ,m2 ,…m10として各機関回転数範囲n1 ,n2 ,…n10に対し夫々記憶されている。また、図8に示されるように各機関回転数範囲n1 ,n2 ,…n10に対して夫々第1の境界の学習値G1 ,G2 ,…G10が設けられている。
【0026】
次に第1の境界Mi(i=1,2,…10)および第2の境界Li(i=1,2,…10)の学習制御について説明する。
前述したように早期噴射I1 を行っている場合において燃料噴射量が多くなると燃料が早期に着火し出し、一旦燃料が早期に着火すると燃焼室内の温度が上昇するために燃料は更に早期に着火するようになる。その結果、燃焼が次第に激しくなるためにノッキングが発生し、機関回転数が上昇しだす。このときが運転領域Xの限界であり、従ってノッキングが発生したことから運転領域Xの限界であることが判別できる。従って本発明による実施例では図2においてピークホールド回路28の出力電圧VP が設定値Vo を越えたときには運転領域Xの限界であると判断し、このときには第1の境界を低負荷側に移動させるようにしている。
【0027】
即ち、本発明による実施例では第1の境界の学習値Giが次第に基づいて算出される。
Gi=mi+Δmi
ここでmiは図8に示される基準境界値であり、Δmiは補正値である。燃料噴射量Qが第1の境界値Miと第2の境界値Liとの間にあるとき、即ちMi>Q>Liのときにピークホールド回路28の出力電圧VP が設定値VO を越えると補正値Δmiは徐々に減少せしめられ、その結果学習値Giが徐々に減少せしめられる。学習値Giが減少すると第1の境界値Miも減少せしめられる。
【0028】
一方、Mi>Q>LiのときにVp ≦VO であれば補正値Δmiが徐々に増大せしめられ、その結果学習値Giも徐々に増大せしめられる。このとき第1の境界値Miも徐々に増大せしめられる。その後、再びMi>Q>LiのときにVP >VO になると学習値Giが減少せしめられ、第1の境界値Miも減少せしめられる。斯くして第1の境界値Miはノッキングが発生する限界に維持されることになる。
【0029】
また、早期噴射I1 が行われているときに燃焼室5内に供給された吸入空気の温度が高くなると早期着火を生じやすくなる。そこで本発明による実施例では燃焼室5内に供給される吸入空気の温度が高くなるにつれて第1の境界値Miを低負荷側に移動させるようにしている。
即ち、具体的に言うと第1の境界値Miを次第に基づいて求めるようにしている。
【0030】
Mi=K・Gi
ここでKは補正係数であり、Giは前述の学習値である。図9はこの補正係数Kと吸入空気の温度Tとの関係を示している。吸入空気の温度Tが或る温度を越えると吸入空気温度Tが上昇するにつれて補正係数Kの値が減少せしめられ、斯くして第1の境界値Miが減少せしめられる。
【0031】
また、第2の境界値Liは次式に基づいて算出される。
Li=Mi−ΔQ
ここでΔQは一定値である。即ち、第2の境界値Liは第1の境界値Miから一定値ΔQを減算することによって得られる。
次に図10に示す割込みルーチンについて説明する。このルーチンは一定のクランク角度毎の割込みによって実行され、この割込みルーチンが実行されると図2に示されるリセット信号が発生せしめられる。
【0032】
図10を参照するとまず初めに機関回転数Nに基づいて現在の機関回転数範囲niが決定される。次いでステップ51では燃料噴射量Qが第1の境界値Miと第2の境界値Liとの間にあるか否かが判別される。Q≦Li又はQ≧Miのときにはステップ58にジャンプする。これに対してLi<Q<Miのときにはステップ52に進む。
【0033】
ステップ52ではピークホールド回路28の出力電圧VP が設定値VO よりも大きいか否かが判別される。VP >VO のときには、即ちノッキング強度が一定値以上のときにはステップ53に進んで補正値Δmiから一定値αが減算される。次いでステップ55では基準境界値miに補正値Δmiを加算した加算結果が学習値Giとされる。従ってVP >VO である限り、学習値Giは徐々に減少せしめられる。一方、ステップ52においてVP ≦VO であると判別されたときにはステップ54に進んで補正値Δmiに一定値β(β<α)が加算され、次いでステップ55に進む。従ってVP ≦VO のときには学習値Giが徐々に増大せしめられる。なお、この学習値GiはバックアップRAM33aに記憶される。
【0034】
次いでステップ56では学習値Giが基準境界値miよりも大きくなったか否かが判別される。Gi≦miのときにはステップ58に進む。これに対してGi>miのときにはステップ57に進んでGiがmiとされ、次いでステップ58に進む。従って学習値Giは基準境界値miを越えないように制御される。
ステップ58では吸気温センサ25により検出された吸入空気の温度Tに基づいて図9に示す関係から補正係数Kが算出される。次いでステップ59では学習値Giに補正係数Kを乗算することによって第1の境界値Mi(=K・Gi)が算出される。次いでステップ60では第1の境界値Miから一定値ΔQを減算することによって第2の境界値Li(=Mi−ΔQ)が算出される。次いでステップ61ではピークホールド回路28のリセット入力端子にリセット信号が送り込まれ、それによってピークホールド回路28の出力電圧VP が零とされる。
【0035】
図11は噴射制御ルーチンを示している。図11を参照するとまず初めにステップ70において図6(A)に示すマップから燃料噴射量Qが算出される。次いでステップ71では現在の機関回転数領域niが決定される。次いでステップ72では機関の運転状態が運転領域X(図4)にあることを示すフラグXがセットされているか否かが判別される。フラグXがセットされているとき、即ち機関の運転状態が運転領域Xにあるときにはステップ73に進む。
【0036】
ステップ73では燃料噴射量Qが第1の境界値Miよりも大きくなったか否かが判別される。Q≦Miのときにはステップ74に進んで図6(B)に示すマップから噴射開始時期θS1が算出される。次いでステップ75では早期噴射I1 が行われる。一方、ステップ73においてQ>Miになったと判断されたときにはステップ76に進んでフラグXがリセットされ、次いでステップ78において図6(C)に示すマップから噴射完了時期θE2が算出される。次いでステップ79では圧縮上死点噴射I2 が行われる。即ち、Q>Miになると早期噴射I1 から圧縮上死点噴射I2 に切換えられる。
【0037】
これに対し、ステップ72においてフラグXがセットされていないと判別されたときにはステップ77に進んで燃料噴射量Qが第2の境界値Liよりも小さくなったか否かが判別される。Q≧Liのときにはステップ78に進んで図6(C)に示すマップから噴射完了時期θE2が算出される。次いでステップ79では圧縮上死点噴射I2 が行われる。一方、ステップ77においてQ<Liになったと判断されたときにはステップ80に進んでフラグXがセットされ、次いでステップ74において図6(B)に示すマップから噴射開始時期θE1が算出される。次いでステップ75では早期噴射I1 が行われる。即ち、Q<Liになると圧縮上死点噴射I2 から早期噴射I1 に切換えられる。
【0038】
【発明の効果】
機関低負荷運転時にNOx および煤が発生するのを阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の全体図である。
【図2】ノッキングセンサの出力電圧Vs とピークホールド回路の出力電圧Vp を示す図である。
【図3】燃焼室内の圧力Pの変化を示す図である。
【図4】運転領域X,Yを示す図である。
【図5】噴射時期を示す図である。
【図6】燃料噴射量Q等のマップを示す図である。
【図7】第1の境界値Miおよび第2の境界値Liを示す図である。
【図8】基準境界値miおよび学習値Giを示す図である。
【図9】補正係数Kを示す図である。
【図10】割込みルーチンのフローチャートである。
【図11】噴射制御を行うためのフローチャートである。
【符号の説明】
5…燃焼室
6…燃料噴射弁
26…ノッキングセンサ

Claims (8)

  1. 燃焼室内に燃料を噴射するようにした圧縮着火式内燃機関において、機関の運転領域を予め定められた境界を境にして低負荷側の運転領域と高負荷側の運転領域に分割すると共に該運転領域の境界を機関の運転状態に応じて移動させるようにし、機関の運転状態が該運転領域の境界よりも低負荷側であるときには圧縮上死点前のほぼ60度以前に燃料を早期噴射し、機関の運転状態が該運転領域の境界よりも高負荷側となったときには圧縮上死点付近において燃料を噴射する圧縮上死点噴射に切換えるようにした圧縮着火式内燃機関。
  2. 燃焼室内に供給された吸入空気の温度が高くなるほど上記運転領域の境界を低負荷側に移動させるようにした請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関。
  3. 上記運転領域の境界を上記早期噴射が行われたときの燃焼の状態に応じて移動させるようにした請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関。
  4. 上記早期噴射が行われたときに予め定められた正規の燃焼が行われているか否かを判断する判断手段を具備し、該早期噴射が行われたときに予め定められた正規の燃焼が行われていないと判断されたときには上記運転領域の境界が低負荷側に移動せしめられる請求項3に記載の圧縮着火式内燃機関。
  5. 上記判断手段は機関の発生するノッキング強度が予め定められた値を越えたときに予め定められた正規の燃焼が行われていないと判断する請求項4に記載の圧縮着火式内燃機関。
  6. 上記運転領域の境界が予め定められた機関回転数範囲毎に定められている請求項3に記載の圧縮着火式内燃機関。
  7. 上記運転領域の境界が第1の境界と第1の境界よりも低負荷側の第2の境界からなり、該第1の境界において上記早期噴射から圧縮上死点噴射に切換えられ、該第2の境界において上記圧縮上死点噴射から早期噴射に切換えられる請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関。
  8. 上記第1の境界を上記早期噴射が行われたときの燃焼の状態に応じて移動させ、上記第2の境界は第1の境界が低負荷側に移動せしめられたときには低負荷側に移動せしめられる請求項7に記載の圧縮着火式内燃機関。
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