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JP3713006B2 - 既設杭の切断方法、及びその切断装置 - Google Patents

既設杭の切断方法、及びその切断装置 Download PDF

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JP3713006B2
JP3713006B2 JP2002276912A JP2002276912A JP3713006B2 JP 3713006 B2 JP3713006 B2 JP 3713006B2 JP 2002276912 A JP2002276912 A JP 2002276912A JP 2002276912 A JP2002276912 A JP 2002276912A JP 3713006 B2 JP3713006 B2 JP 3713006B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、既設杭の長さ方向の一部を撤去する場合などに適用可能な、既設杭の切断方法、及びその切断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物や土木構造物の基礎を構成するため、あるいは地盤改良などのために、地中に杭が打ち込まれていることがある。このような建築物や土木構造物を解体してその場所に新しい建築物や土木構造物を構築しようとする場合や、地中にシールド工法によってトンネルを構築する場合など、地中に埋設されている既設杭を撤去する必要が生じることがある。
例えば、都市部などにおいては、シールドの通過予定路線途上に既設杭が埋まったまま残されている場合がある。この場合、シールドを通過させる前に、この既設杭を撤去しておく必要がある。
【0003】
既設杭の撤去方法としては、既設杭の側周の地盤の摩擦抵抗を無くすかあるいは軽減し、既設杭のみを引き上げる方法がある。この種の技術は、例えば特許文献1などに開示されている。
【0004】
しかし、この方法では、既設杭の長さが長い場合、地盤の掘削深さやケーシングの打ち込み深さが長くなり、多大な労力や費用を要する。
これに対し、既設杭の一部のみを撤去すれば済む場合には、その撤去すべき部分の下端において既設杭を切断し、その切断高さより上方を撤去すればよい。
また、既設杭の全部を撤去すれば済む場合にも、既設杭の杭体を輪切りにしてこれらを順次撤去すれば、一度に撤去する杭体の切断片は小さいので、撤去に用いる施工機械が小規模なもので済む。
【0005】
しかしながら、既設杭を、地中に埋設された状態のままで切断するためには、従来、既設杭の側周の地盤を掘削して空中に露出させる必要があり、施工に大きな労力を要していた。
また、既設杭の側周に沿ってケーシングを圧入し、このケーシングと既設杭の側周面との空隙を利用して、ウォータージェットを用いて切断を行う場合には、既設杭に内蔵された鉄筋や鉄骨などを切削するのに、かなりの切断時間を要していた。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−41960号公報(図1〜図3)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、地中に埋設された既設杭を、地表面より下方において簡便に切断することのできる、既設杭の切断方法、及びその切断装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明である既設杭の切断方法は、例えば図1〜図5に示すように、所定のかぶりコンクリート厚を持たせた状態に軸方向補強材(軸方向鉄筋)1r,2rを内蔵する既設杭1,2の軸に沿って、その上端から、既設杭1,2の切断しようとする切断高さ1C,2Cより下方まで到達する貫通孔1H,2Hを穿設し、この貫通孔1H,2Hにその上端から前記切断高さ1C,2Cまで切断装置10,20を挿入し、この切断装置10,20を前記貫通孔1H,2Hの内周面1Hs,2Hsに対して固定し、前記切断装置10,20に備えられたカッタ(ワイヤソー)11c,(ディスクカッタ)21cで前記貫通孔1H,2Hの内周面1Hs,2Hsから前記既設杭1,2をその外側に向かう方向に、前記既設杭1,2の軸方向補強材1r,2rに到達するまで切削して、該軸方向補強材1r,2rを切断し、前記切断高さ1C,2Cのうちカッタ11c,21cにより切削されずに残された部位のコンクリートに力を加えて割裂させること
を特徴とする。
ここで、上記既設杭とは、場所打ち鉄筋コンクリート杭やコンクリート充填鋼管杭、または、工場などで製作されるPC杭、PHC杭、SC杭などの既製コンクリート杭、のことを指す。
また、既設杭1,2の軸に沿って貫通孔1H,2Hを穿設するためには、オーガスクリューやコアドリルなどの穿孔機械を用いる。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、所定のかぶりコンクリート厚を持たせた状態に軸方向補強材を内蔵する既設杭に貫通孔を穿設し、この貫通孔に切断装置を挿入して貫通孔の内周面に対して固定し、切断装置に備えられたカッタで貫通孔の内周面から既設杭をその外側に向かう方向に、前記既設杭の軸方向補強材に到達するまで切削して、該軸方向補強材を切断し、前記切断高さのうちカッタにより切削されずに残された部位のコンクリートに力を加えて割裂させるので、既設杭を地盤中の所望の高さで切断する際に、既設杭の外周に沿う地盤を掘削機械などで掘削して杭体の切断部位を空中に露出させる必要がない。しかも、既設杭の切断高さにおいて軸方向補強材を確実に切断できるとともに、カッタで切削されずに残された部位のコンクリートに衝撃力などを与えて割裂させることで、既設杭の全断面をカッタで切削する場合に比して、切断作業の効率を上げることができる。
【0010】
この結果として、地表面より深い支持層まで延在する既設杭や、太径の既設杭を撤去する場合には、既設杭をその高さ方向に適宜長さ毎に切断し、各切断片を順次地盤の上方へ引き上げることで、既設杭全体を一度に引き上げる場合に比較して、杭の自重や杭と地盤との間の摩擦力に抗して杭体を上方へ移動させるために必要な力が小さくて済み、既設杭を撤去するための施工機械が小規模なもので済む。
また、既設杭の全長のうち、一部のみを撤去すればよい場合には、その撤去すべき部位の下端において既設杭を切断し、この切断高さより上方の杭体のみを引き上げて撤去すれば良いので、既設杭の撤去に要する労力や費用を軽減できる。
【0013】
請求項に記載の発明は、例えば図1〜図5に示すように、既設杭1,2の軸に沿って穿設された貫通孔1H,2Hに挿入され、この貫通孔1H,2Hの内周面1Hs,2Hsから前記既設杭1,2の外側に向かう方向にこの既設杭1,2を切削して、これを切断するために用いられる既設杭の切断装置10,20であって、
前記貫通孔1H,2H内に収納可能であり、かつこの内周面1Hs,2Hsから前記既設杭1,2をその外側に向かう方向に切削可能な切断装置本体11,21と、
前記切断装置本体11,21を前記貫通孔1H,2Hの内周面1Hs,2Hsに固定し、またこの内周面1Hs,2Hsから解放可能なグリッパ12,22と
が備えられており、
前記切断装置本体11は、前記グリッパ12に対して回動自在に取り付けられた回転板11dと、
前記回転板11dに対して回動自在に、かつ、該回転板11dの側縁部に取り付けられることにより前記貫通孔1Hの中心軸の周りを、この貫通孔の内周面1Hs近傍に沿って公転可能な回転軸11aと、
前記回転軸11aを中心としてこの回転軸11aと直交する水平面内で回動可能なアーム11bと、
前記アーム11bの側面に沿って回動可能な環状のワイヤソー11cと
を備えること
を特徴とする。
ここで、上記既設杭とは、場所打ち鉄筋コンクリート杭やコンクリート充填鋼管杭、または、工場などで製作されるPC杭、PHC杭、SC杭などの既製コンクリート杭、のことを指す。
【0014】
請求項に記載の発明によれば、貫通孔内に収納可能であり、かつこの内周面から既設杭をその外側に向かう方向に切削可能な切断装置本体と、切断装置本体を貫通孔の内周面に固定し、またこの内周面から解放可能なグリッパとが備えられており、前記切断装置本体は、前記グリッパに対して回動自在に取り付けられた回転板と、前記回転板に対して回動自在に、かつ、該回転板の側縁部に取り付けられることにより前記貫通孔の中心軸の周りを、この貫通孔の内周面近傍に沿って公転可能な回転軸と、前記回転軸を中心としてこの回転軸と直交する水平面内で回動可能なアームと、前記アームの側面に沿って回動可能な環状のワイヤソーとを備えるので、既設杭の軸に沿って、その上端から、既設杭の切断しようとする切断高さより下方まで到達する貫通孔を穿設し、この貫通孔にその上端から切断高さまで切断装置を挿入し、この切断装置を貫通孔の内周面に対して固定し、切断装置に備えられたカッタで貫通孔の内周面から既設杭をその外側に向かう方向に切削することで、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られる。しかも、回転軸が、貫通孔の中心軸の周りを、この貫通孔の内周面近傍に沿って公転可能であり、この回転軸を中心としてこの回転軸と直交する水平面内でアームが回動可能であるので、回転軸に対して貫通孔の中心軸と反対側にアームが向くとき、アームの先端が貫通孔の中心軸から最も遠い位置に到達する。
したがって、回転軸の径をできるだけ小さくし、また貫通孔の断面内に収まる範囲でアームの長さをできるだけ長く製作して、貫通孔の内周面から既設杭をその外側に向かう方向に、貫通孔の直径にほぼ等しい距離だけワイヤソーで切削することができる。
【0017】
請求項に記載の発明は、例えば図5に示すように、請求項に記載の既設杭の切断装置20において、
前記切断装置本体21は、前記グリッパ22に対して回動自在に取り付けられた回転板21dと、
前記回転板21dに対して、その直径に沿って摺動自在に取り付けられることにより、前記貫通孔2Hの断面内の任意の位置に移動可能な回転軸21aと、
前記回転軸21aに取り付けられ、この回転軸21aの回転により回動するディスクカッタ21cと
を備えること
を特徴とする。
【0018】
請求項に記載の発明によれば、請求項に記載の発明と同様の効果が得られるとともに、切断装置本体に備えられ、ディスクカッタが取り付けられた回転軸が、前記回転板に対して、その直径に沿って摺動自在に取り付けられることにより、貫通孔の断面内の任意の位置に移動可能であるので、回転軸が貫通孔の内周面に最も近づくとき、ディスクカッタの刃先が貫通孔の中心軸から最も遠い位置に到達する。
したがって、回転軸の径をできるだけ小さくし、また貫通孔の断面内に収まる範囲でディスクカッタの径をできるだけ大きく製作して、貫通孔の内周面から既設杭をその外側に向かう方向に、貫通孔の半径にほぼ等しい距離だけワイヤソーで切削することができる。
また、ディスクカッタが回転軸に取り付けられているので、切断装置本体の構造が簡単なものとなる。
【0019】
請求項4に記載の発明である既設杭の切断方法は、例えば図6〜図10に示すように、既設杭3の外周に沿って、その上部から、既設杭3の切断しようとする切断高さ3Cまで到達するケーシング4を挿入し、
前記ケーシング4の下端に沿って、かつ、前記既設杭3の切断しようとする切断位置を前記ケーシング4の下端の略一周にわたって囲むように配置された環状のワイヤソー31を前記ケーシング4の片側から上方に引き上げて、このケーシング4の反対側においてこのワイヤソー31を前記既設杭3の側面に圧接する状態に移動させ、
さらに前記ワイヤソー31を徐々に引き上げつつ、このワイヤソー31を回動させて、前記既設杭3をその側面の片側から反対側へと切削し、切断すること
を特徴とする。
ここで、既設杭の外周に沿ってケーシングを挿入する際に、ウォータージェットなどを用いると、その挿入を円滑に行うことができる。
また、上記既設杭とは、場所打ち鉄筋コンクリート杭やコンクリート充填鋼管杭、または、工場などで製作されるPC杭、PHC杭、SC杭、鋼管杭などのことを指す。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、既設杭の外周に沿って、その上部から、既設杭の切断しようとする切断高さまで到達するケーシングを挿入し、ケーシングの下端に沿って、かつ、前記既設杭の切断しようとする切断位置を前記ケーシングの下端の略一周にわたって囲むように配置された環状のワイヤソーをケーシングの片側から上方に引き上げて、このケーシングの反対側においてこのワイヤソーを既設杭の側面に圧接する状態に移動させ、さらにワイヤソーを徐々に引き上げつつ、このワイヤソーを回動させて、既設杭をその側面の片側から反対側へと切削し、切断するので、ウォータージェットなどを用いて切断を行う場合に比して、既設杭の切断を確実に、短時間の作業で行うことができる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、例えば図7に示すように、既設杭3の外周に沿って挿入されたケーシング4の下端に設置され、このケーシング4の下端の高さにおいて前記既設杭3を切削し、切断するために用いられる既設杭の切断装置30であって、
前記ケーシング4の下端部に沿って、かつ、前記既設杭3の切断しようとする切断位置を前記ケーシング4の下端の略一周にわたって囲むように配置された環状のワイヤソー31と、
前記ケーシング4の側面に、このケーシングの高さ方向に取り付けられたレール32と、
前記レール32に沿って上昇して前記ワイヤソー31を引き上げ、かつ前記ワイヤソー31を回動させることが可能な駆動手段33と
を備えること
を特徴とする。
【0022】
請求項に記載の発明によれば、請求項に記載の発明と同様の効果が得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の既設杭の切断方法、及びその切断装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。
以下、各実施の形態において、切断対象とする既設杭1〜3は、軸方向鉄筋(1r,2r)を内蔵する鉄筋コンクリート杭1〜3である。
【0024】
〔第1の実施の形態〕
図1は、本実施の形態の既設杭の切断方法、及びこの既設杭の切断方法に用いる切断装置10を示す、縦断面図である。図2、図3はそれぞれ、図1におけるA−A’断面図、B−B’断面図である。
また、図4(a)〜(d)に、本実施の形態の既設杭の切断方法の手順を示す。
【0025】
まず、本実施の形態の既設杭の切断方法で用いられている既設杭の切断装置10について説明する。
既設杭の切断装置10は、図1〜図4に示すように、既設杭1,2の軸に沿って穿設された貫通孔1Hに挿入され、この貫通孔1Hの内周面1Hsから既設杭1の外側に向かう方向にこの既設杭1を切削して、これを切断するために用いられるものであって、貫通孔1H内に収納可能であり、かつこの内周面1Hsから既設杭1をその外側に向かう方向に切削可能な切断装置本体11と、切断装置本体11を貫通孔1Hの内周面1Hsに固定し、またこの内周面1Hsから解放可能なグリッパ12とが備えられて、概略構成されている。
【0026】
切断装置本体11は、図1に示すように、上下一対のグリッパ12,12の間に組み立てられている。
上下一対のグリッパ12,12には、それぞれ、各グリッパ12に対して回動自在に回転板11dが取り付けられている。
そして、図1に示すように、上下一対の回転板11d,11dの間に挟まれた状態に回転軸11aが取り付けられている。回転軸11aは、回転板11d,11dに対して回転自在に、回転板11dの側縁部に取り付けられている。これによって、回転軸11aは、貫通孔1Hの内周面1Hsに沿うように公転しながら、自身の軸周りに自転可能となっている。
【0027】
さらに、図1に示すように、回転軸11aの途上に、アーム11bが取り付けられている。回転軸11aが自転することによって、アーム11bが回転軸11aを中心として回転するようになっている。
回転軸11aの、アーム11bが取り付けられている部分には、図示しないギヤ(図示省略)が内蔵されており、このギヤと咬合するように、ワイヤソー(カッタ)11cがアーム11bの側面に沿って摺動自在に取り付けられている。
【0028】
グリッパ12には、それ自身を貫通孔1Hの内周面1Hsに固定し、またこの内周面1Hsから解放させるモータが内蔵されているとともに、グリッパ12に対して回転板11dを回転させるモータが内蔵されている(図示省略)。
また、回転板11dには、これに対して回転軸11aを回転させるモータ、及び、回転軸11aに内蔵されたギヤを回転させるモータが内蔵されている(図示省略)。このギヤが回転することにより、アーム11bの側面に沿ってワイヤソーが摺動する。
これらのモータは、上側のグリッパ12に繋がれた吊下ケーブル13中に内蔵された電線を通じて、地上の制御装置から操作されるようになっている。
【0029】
この既設杭の切断装置10を利用した、既設杭1の切断方法について説明する。
まず、軸方向鉄筋1rと帯鉄筋1hとが内蔵された鉄筋コンクリートからなる既設杭1(図4(a)参照)に、その切断しようとする切断高さ1Cより下方まで到達するように、地上から穿孔機械で、既設杭の切断装置10の径よりも大きい貫通孔1Hを穿設する(図4(b)参照)。
次いで、この貫通孔1Hの上端から、既設杭の切断装置10を挿入し、切断高さ1Cまで吊下ケーブル13で吊り下ろす。このとき、図3に示すように、切断装置本体11のアーム部11bは、貫通孔1Hの内部に収まる方向に向けておく。
【0030】
この切断高さ1Cにおいて、グリッパ12で切断装置本体11を貫通孔1Hの内周面11Hsに固定する。この状態で、回転板11dをグリッパに対して回転させつつ、回転軸11aの回転板11dに対する向きを徐々に変えて、アーム部11bの側面を貫通孔1Hの内周面に圧接させ、ギヤを回転させてワイヤソー11cで貫通孔1Hの内周面1Hsを切削していく。
そして、図3に破線で示すように、既設杭1の軸方向鉄筋1hに到達するまで、貫通孔1Hの内周面1Hsを切削する(図4(c)参照)。
【0031】
次いで、回転軸11aを回転させて、アーム部11bを貫通孔1Hの内周面より内側に収めたのち、吊下ケーブル13で既設杭の切断装置10を地上へ引き上げる(図4(d)参照)。
その後、地上から既設杭1に衝撃力を与え、切断高さ1Cのうちワイヤソー11cにより切削されずに残された部位のコンクリートを割裂させる。そして、既設杭1のうち切断高さ1Cより上部を、揚重機械で引き上げる。
【0032】
〔第2の実施の形態〕
図5は、本実施の形態の既設杭の切断方法、及びこの既設杭の切断方法に用いる切断装置20を示す、縦断面図である。
本実施の形態の既設杭の切断方法の手順は、図5(a)〜図5(c)に示すように、第1の実施の形態の既設杭の切断方法とほぼ同様である。
すなわち、既設杭2の軸に沿って、その切断しようとする切断高さ2Cより下方まで到達する貫通孔2Hを穿設し、この貫通孔2Hにその上端から切断高さ2Cまで切断装置20を挿入する。この切断装置20を前記貫通孔2Hの内周面2Hsに対して固定し、切断装置20に備えられたディスクカッタ(カッタ)21cで貫通孔2Hの内周面をその外側に向かう方向に、この既設杭2Hの軸方向鉄筋2rに到達するまで切削する。そして、切断高さ2Cのうちディスクカッタ21cで切削されずに残された部位のコンクリートに力を加えて割裂させるものである。
【0033】
本実施の形態の既設杭の切断方法で用いられている既設杭の切断装置20は、第1の実施の形態の既設杭の切断装置10と同様、図5に示すように、貫通孔2H内に収納可能であり、かつこの内周面2Hsから既設杭1をその外側に向かう方向に切削可能な切断装置本体21と、切断装置本体21を貫通孔2Hの内周面2Hsに固定し、またこの内周面2Hsから解放可能なグリッパ22とが備えられて、概略構成されたものである。
【0034】
切断装置本体21は、図5に示すように、上下一対のグリッパ22,22の間に組み立てられている。
上下一対のグリッパ22,22には、それぞれ、各グリッパ22に対して回動自在に回転板21dが取り付けられている。
そして、図1に示すように、上下一対の回転板21d,21dの間に挟まれた状態に回転軸21aが取り付けられている。回転軸21aは、回転板21d,21dに対して、その直径に沿って摺動自在に取り付けられている。これによって、回転軸21aは、貫通孔2Hの断面内の任意の位置に移動可能となっている。
【0035】
さらに、図5に示すように、回転軸21aの途上には、この回転軸21aの回転により回動するディスクカッタ21cが取り付けられている。
【0036】
グリッパ22には、それ自身を貫通孔2Hの内周面2Hsに固定し、またこの内周面2Hsから解放させるモータが内蔵されているとともに、グリッパ22に対して回転板21dを回転させるモータが内蔵されている(図示省略)。
また、回転板21dには、これに対して回転軸21aを摺動させるモータ、及び、回転軸21aを自転させるモータが内蔵されている(図示省略)。
これらのモータは、上側のグリッパ22に繋がれた吊下ケーブル23中に内蔵された電線を通じて、地上の制御装置から操作されるようになっている。
【0037】
〔第3の実施の形態〕
図6〜図10は、本実施の形態の既設杭の切断方法の手順、及びこの既設杭の切断方法に用いられている既設杭の切断装置30を示すもので、それぞれ(a)は横断面図、(b)は縦断面図である。
【0038】
まず、本実施の形態の既設杭の切断方法で用いられている既設杭の切断装置30について説明する。
本実施の形態の既設杭の切断装置30は、図7に示すように、既設杭3の外周に沿って挿入されるケーシング4の下端に設置され、このケーシング4の下端の高さにおいて既設杭3を切削し、切断するために用いられるものであって、ケーシング4の下端部に沿って配置された環状のワイヤソー31と、ケーシング4の側面に、このケーシングの高さ方向に取り付けられたレール32と、レール32に沿って上昇して前記ワイヤソー31を引き上げ、かつ前記ワイヤソー31を回動させることが可能な駆動手段33とが備えるれて、概略構成されている。
【0039】
この既設杭の切断装置30を利用した、既設杭3の切断方法について説明する。
まず、既設杭3(図6参照)の外周に沿って、その上部から、既設杭3の切断しようとする切断高さ3Cまで到達するように、上記既設杭の切断装置30が取り付けられたケーシング4を挿入する(図7参照)。
次いで、ケーシング4の下端に沿って配置された環状のワイヤソー31を前記ケーシング4の片側から上方に引き上げて、このケーシング4の反対側においてこのワイヤソー31を既設杭3の側面に圧接する状態に移動させる(図8参照)。
さらにワイヤソー31を徐々に引き上げつつ、このワイヤソー31を回動させて、既設杭3をその側面の片側から反対側へと切削していく(図9参照)。ワイヤソー31によって既設杭3の全断面が切削されると、切断が終了したことになる(図10参照)。図9(a),図10(a)における斜線部分は、ワイヤソー31による切削がなされた部分を示す。
【0040】
第1の実施の形態及び第2の実施の形態に記載の既設杭の切断方法によれば、既設杭1,2に貫通孔1H,2Hを穿設し、この貫通孔1H,2Hに切断装置10,20を挿入して貫通孔1H,2Hの内周面1Hs,2Hsに対して固定し、切断装置10,20に備えられたワイヤソー11cまたはディスクカッタ21cで貫通孔1H,2Hの内周面1Hs,2Hsから既設杭1,2をその外側に向かう方向に切削するので、既設杭1,2を地盤中の所望の高さで切断する際に、既設杭1,2の外周に沿う地盤を掘削機械などで掘削して杭体の切断部位を空中に露出させる必要がない。
【0041】
この結果として、地表面より深い支持層まで延在する既設杭や、太径の既設杭を撤去する場合には、既設杭をその高さ方向に適宜長さ毎に切断し、各切断片を順次地盤の上方へ引き上げることで、既設杭全体を一度に引き上げる場合に比較して、杭の自重や杭と地盤との間の摩擦力に抗して杭体を上方へ移動させるために必要な力が小さくて済み、既設杭を撤去するための施工機械が小規模なもので済む。
また、既設杭の全長のうち、一部のみを撤去すればよい場合には、その撤去すべき部位の下端において既設杭を切断し、この切断高さより上方の杭体のみを引き上げて撤去すれば良いので、既設杭の撤去に要する労力や費用を軽減できる。
【0042】
また、切断高さ1C,2Cにおいて、ワイヤソー11cまたはディスクカッタ21cで貫通孔1H,2Hの内周面1Hs,2Hsから既設杭1,2をその外側に向かう方向に、この既設杭1,2の軸方向鉄筋1r,2rに到達するまで切削するので、既設杭1,2の切断高さ1C,2Cにおいて軸方向鉄筋1r,2rを確実に切断できるとともに、ワイヤソー11cまたはディスクカッタ21cで切削されずに残された部位のコンクリートに衝撃力を与えて割裂させることで、既設杭1,2の全断面をワイヤソー11cまたはディスクカッタ21cで切削する場合に比して、切断作業の効率を上げることができる。
【0043】
また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態に記載の既設杭の切断装置10,20によれば、貫通孔1H,2H内に収納可能であり、かつこの内周面1Hs,2Hsから既設杭1,2をその外側に向かう方向に切削可能な切断装置本体11,21と、切断装置本体11,21を貫通孔1H,2Hの内周面1Hs,2Hsに固定し、またこの内周面1Hs,2Hsから解放可能なグリッパ12,22とが備えられているので、既設杭1,2の軸に沿って、その上端から、既設杭1,2の切断しようとする切断高さ1C,2Cより下方まで到達する貫通孔1H,2Hを穿設し、この貫通孔1H,2Hにその上端から切断高さ1C,2Cまで切断装置10,20を挿入し、この切断装置10,20を貫通孔1H,2Hの内周面1Hs,2Hsに対して固定し、切断装置10,20に備えられたワイヤソー11cまたはディスクカッタ21cで貫通孔1H,2Hの内周面1Hs,2Hsから既設杭1,2をその外側に向かう方向に切削することで、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られる。
【0044】
また、第1の実施の形態に記載の既設杭の切断装置10によれば、切断装置本体11に備えられた回転軸11aが、貫通孔1Hの中心軸の周りを、この貫通孔1Hの内周面1Hs近傍に沿って公転可能であり、この回転軸11aを中心としてこの回転軸11aと直交する水平面内でアーム11bが回動可能であるので、回転軸11aに対して貫通孔1Hの中心軸と反対側にアーム11bが向くとき、アーム11bの先端が貫通孔1Hの中心軸から最も遠い位置に到達する。
したがって、回転軸11aの径をできるだけ小さくし、また貫通孔1Hの断面内に収まる範囲でアーム11bの長さをできるだけ長く製作して、貫通孔1Hの内周面1Hsから既設杭1をその外側に向かう方向に、貫通孔1Hの直径にほぼ等しい距離だけワイヤソー11cで切削することができる。
【0045】
また、第2の実施の形態に記載の既設杭の切断装置20によれば、切断装置本体21に備えられ、ディスクカッタ21cが取り付けられた回転軸21aが、貫通孔2Hの断面内の任意の位置に移動可能であるので、回転軸21aが貫通孔2Hの内周面2Hsに最も近づくとき、ディスクカッタ21cの刃先が貫通孔2Hの中心軸から最も遠い位置に到達する。
したがって、回転軸21aの径をできるだけ小さくし、また貫通孔2Hの断面内に収まる範囲でディスクカッタ21cの径をできるだけ大きく製作して、貫通孔2Hの内周面2Hsから既設杭をその外側に向かう方向に、貫通孔2Hの半径にほぼ等しい距離だけワイヤソー11cで切削することができる。
また、ディスクカッタ21cが回転軸21aに取り付けられているので、切断装置本体21の構造が簡単なものとなる。
【0046】
また、第3の実施の形態に記載の既設杭の切断方法、及びその切断装置30によれば、既設杭3の外周に沿って、その上部から、既設杭3の切断しようとする切断高さ3Cまで到達するケーシング4を挿入し、ケーシング4の下端に沿って配置された環状のワイヤソー31をケーシング4の片側から上方に引き上げて、このケーシング4の反対側においてこのワイヤソー31を既設杭3の側面に圧接する状態に移動させ、さらにワイヤソー31を徐々に引き上げつつ、このワイヤソー31を回動させて、既設杭3をその側面の片側から反対側へと切削し、切断するので、ウォータージェットなどを用いて切断を行う場合に比して、既設杭3の切断を確実に、短時間の作業で行うことができる。
【0047】
なお、本発明の既設杭の切断方法、及びその切断装置は、上記の各実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、切断高さ1C,2Cにおいて、ワイヤソー11cまたはディスクカッタ21cで既設杭1,2の全断面を切削せず、その外周に切削されずに残された部分のコンクリートに力を与えて割裂させ、既設杭1,2を切断しているが、貫通孔の径や、既設杭の軸方向鉄筋の位置などに応じて、可能であれば、第1の実施の形態及び第2の実施の形態に記載した既設杭の切断装置により、既設杭の全断面を切削して切断しても良い。その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0048】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、所定のかぶりコンクリート厚を持たせた状態に軸方向補強材を内蔵する既設杭に貫通孔を穿設し、この貫通孔に切断装置を挿入して貫通孔の内周面に対して固定し、切断装置に備えられたカッタで貫通孔の内周面から既設杭をその外側に向かう方向に、前記既設杭の軸方向補強材に到達するまで切削して、該軸方向補強材を切断し、前記切断高さのうちカッタにより切削されずに残された部位のコンクリートに力を加えて割裂させるので、既設杭を地盤中の所望の高さで切断する際に、既設杭の外周に沿う地盤を掘削機械などで掘削して杭体の切断部位を空中に露出させる必要がない。しかも、既設杭の切断高さにおいて軸方向補強材を確実に切断できるとともに、カッタで切削されずに残された部位のコンクリートに衝撃力などを与えて割裂させることで、既設杭の全断面をカッタで切削する場合に比して、切断作業の効率を上げることができる。
【0049】
この結果として、地表面より深い支持層まで延在する既設杭や、太径の既設杭を撤去する場合には、既設杭をその高さ方向に適宜長さ毎に切断し、各切断片を順次地盤の上方へ引き上げることで、既設杭全体を一度に引き上げる場合に比較して、杭の自重や杭と地盤との間の摩擦力に抗して杭体を上方へ移動させるために必要な力が小さくて済み、既設杭を撤去するための施工機械が小規模なもので済む。
また、既設杭の全長のうち、一部のみを撤去すればよい場合には、その撤去すべき部位の下端において既設杭を切断し、この切断高さより上方の杭体のみを引き上げて撤去すれば良いので、既設杭の撤去に要する労力や費用を軽減できる。
【0051】
請求項に記載の発明によれば、貫通孔内に収納可能であり、かつこの内周面から既設杭をその外側に向かう方向に切削可能な切断装置本体と、切断装置本体を貫通孔の内周面に固定し、またこの内周面から解放可能なグリッパとが備えられており、前記切断装置本体は、前記グリッパに対して回動自在に取り付けられた回転板と、前記回転板に対して回動自在に、かつ、該回転板の側縁部に取り付けられることにより前記貫通孔の中心軸の周りを、この貫通孔の内周面近傍に沿って公転可能な回転軸と、前記回転軸を中心としてこの回転軸と直交する水平面内で回動可能なアームと、前記アームの側面に沿って回動可能な環状のワイヤソーとを備えるので、既設杭の軸に沿って、その上端から、既設杭の切断しようとする切断高さより下方まで到達する貫通孔を穿設し、この貫通孔にその上端から切断高さまで切断装置を挿入し、この切断装置を貫通孔の内周面に対して固定し、切断装置に備えられたカッタで貫通孔の内周面から既設杭をその外側に向かう方向に切削することで、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られる。しかも、回転軸が、貫通孔の中心軸の周りを、この貫通孔の内周面近傍に沿って公転可能であり、この回転軸を中心としてこの回転軸と直交する水平面内でアームが回動可能であるので、回転軸に対して貫通孔の中心軸と反対側にアームが向くとき、アームの先端が貫通孔の中心軸から最も遠い位置に到達する。
したがって、回転軸の径をできるだけ小さくし、また貫通孔の断面内に収まる範囲でアームの長さをできるだけ長く製作して、貫通孔の内周面から既設杭をその外側に向かう方向に、貫通孔の直径にほぼ等しい距離だけワイヤソーで切削することができる。
【0053】
請求項に記載の発明によれば、請求項に記載の発明と同様の効果が得られるとともに、切断装置本体に備えられ、ディスクカッタが取り付けられた回転軸が、前記回転板21dに対して、その直径に沿って摺動自在に取り付けられることにより、貫通孔の断面内の任意の位置に移動可能であるので、回転軸が貫通孔の内周面に最も近づくとき、ディスクカッタの刃先が貫通孔の中心軸から最も遠い位置に到達する。
したがって、回転軸の径をできるだけ小さくし、また貫通孔の断面内に収まる範囲でディスクカッタの径をできるだけ大きく製作して、貫通孔の内周面から既設杭をその外側に向かう方向に、貫通孔の半径にほぼ等しい距離だけワイヤソーで切削することができる。
また、ディスクカッタが回転軸に取り付けられているので、切断装置本体の構造が簡単なものとなる。
【0054】
請求項4に記載の発明によれば、既設杭の外周に沿って、その上部から、既設杭の切断しようとする切断高さまで到達するケーシングを挿入し、ケーシングの下端に沿って、かつ、前記既設杭の切断しようとする切断位置を前記ケーシングの下端の略一周にわたって囲むように配置された環状のワイヤソーをケーシングの片側から上方に引き上げて、このケーシングの反対側においてこのワイヤソーを既設杭の側面に圧接する状態に移動させ、さらにワイヤソーを徐々に引き上げつつ、このワイヤソーを回動させて、既設杭をその側面の片側から反対側へと切削し、切断するので、ウォータージェットなどを用いて切断を行う場合に比して、既設杭の切断を確実に、短時間の作業で行うことができる。
【0055】
請求項に記載の発明によれば、請求項に記載の発明と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る既設杭の切断方法、及びその切断装置の一例を示す縦断面図である。
【図2】図1におけるA−A’断面図である。
【図3】図2におけるB−B’断面図である。
【図4】本発明に係る既設杭の切断方法の手順を示す縦断面図である。
【図5】本発明に係る既設杭の切断方法、及びその切断装置の他の一例を示す縦断面図である。
【図6】本発明に係る既設杭の切断方法のさらに他の一例の手順の第1段階を示すもので、(a)は横断面図、(b)は縦断面図である。
【図7】本発明に係る既設杭の切断方法のさらに他の一例の手順の第2段階を示すもので、(a)は横断面図、(b)は縦断面図である。
【図8】本発明に係る既設杭の切断方法のさらに他の一例の手順の第3段階を示すもので、(a)は横断面図、(b)は縦断面図である。
【図9】本発明に係る既設杭の切断方法のさらに他の一例の手順の第4段階を示すもので、(a)は横断面図、(b)は縦断面図である。
【図10】本発明に係る既設杭の切断方法のさらに他の一例の手順の第5段階を示すもので、(a)は横断面図、(b)は縦断面図である。
【符号の説明】
1〜3 既設杭
1r,2r 軸方向補強材(軸方向鉄筋)
1H,2H 貫通孔
1Hs,2Hs 内周面
1C〜3C 切断高さ
4 ケーシング
10,20,30 切断装置
11,21 切断装置本体
12,22 グリッパ
11a,21a 回転軸
11b アーム
11c カッタ(ワイヤソー)
21c カッタ(ディスクカッタ)
31 ワイヤソー
32 レール
33 駆動手段

Claims (5)

  1. 所定のかぶりコンクリート厚を持たせた状態に軸方向補強材を内蔵する既設杭の軸に沿って、その上端から、既設杭の切断しようとする切断高さより下方まで到達する貫通孔を穿設し、この貫通孔にその上端から前記切断高さまで切断装置を挿入し、この切断装置を前記貫通孔の内周面に対して固定し、前記切断装置に備えられたカッタで前記貫通孔の内周面から前記既設杭をその外側に向かう方向に、前記既設杭の軸方向補強材に到達するまで切削して、該軸方向補強材を切断し、前記切断高さのうちカッタにより切削されずに残された部位のコンクリートに力を加えて割裂させること
    を特徴とする既設杭の切断方法。
  2. 既設杭の軸に沿って穿設された貫通孔に挿入され、この貫通孔の内周面から前記既設杭の外側に向かう方向にこの既設杭を切削して、これを切断するために用いられる既設杭の切断装置であって、
    前記貫通孔内に収納可能であり、かつこの内周面から前記既設杭をその外側に向かう方向に切削可能な切断装置本体と、
    前記切断装置本体を前記貫通孔の内周面に固定し、またこの内周面から解放可能なグリッパとが備えられており、
    前記切断装置本体は、前記グリッパに対して回動自在に取り付けられた回転板と、
    前記回転板に対して回動自在に、かつ、該回転板の側縁部に取り付けられることにより前記貫通孔の中心軸の周りを、この貫通孔の内周面近傍に沿って公転可能な回転軸と、
    前記回転軸を中心としてこの回転軸と直交する水平面内で回動可能なアームと、
    前記アームの側面に沿って回動可能な環状のワイヤソーと
    を備えること
    を特徴とする既設杭の切断装置。
  3. 請求項に記載の既設杭の切断装置において、
    前記切断装置本体は、前記グリッパに対して回動自在に取り付けられた回転板と、
    前記回転板に対して、その直径に沿って摺動自在に取り付けられることにより、前記貫通孔の断面内の任意の位置に移動可能な回転軸と、
    前記回転軸に取り付けられ、この回転軸の回転により回動するディスクカッタと
    を備えること
    を特徴とする既設杭の切断装置。
  4. 既設杭の外周に沿って、その上部から、既設杭の切断しようとする切断高さまで到達するケーシングを挿入し、
    前記ケーシングの下端に沿って、かつ、前記既設杭の切断しようとする切断位置を前記ケーシングの下端の略一周にわたって囲むように配置された環状のワイヤソーを前記ケーシングの片側から上方に引き上げて、このケーシングの反対側においてこのワイヤソーを前記既設杭の側面に圧接する状態に移動させ、
    さらに前記ワイヤソーを徐々に引き上げつつ、このワイヤソーを回動させて、前記既設杭をその側面の片側から反対側へと切削し、切断すること
    を特徴とする既設杭の切断方法。
  5. 既設杭の外周に沿って挿入されたケーシングの下端に設置され、このケーシングの下端の高さにおいて前記既設杭を切削し、切断するために用いられる既設杭の切断装置であって、
    前記ケーシングの下端部に沿って、かつ、前記既設杭の切断しようとする切断位置を前記ケーシングの下端の略一周にわたって囲むように配置された環状のワイヤソーと、
    前記ケーシングの側面に、このケーシングの高さ方向に取り付けられたレールと、
    前記レールに沿って上昇して前記ワイヤソーを引き上げ、かつ前記ワイヤソーを回動させることが可能な駆動手段と
    を備えること
    を特徴とする既設杭の切断装置。
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