JP3710389B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に関し、より詳細には、レーザ光源からの光変調されたレーザ光を感光体や、静電記録媒体等の像担持面上に導光して、その面上に例えば静電潜像から成る画像情報を形成するようにした複写機、レーザビームプリンター、ファクシミリ等に好適な画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からこの種の画像形成装置のレーザ駆動回路においては、レーザに一定のDC電流を流しておき(この電流のことをバイアス電流と呼ぶ)、それに加えて画像データによってスイッチするスイッチ電流を流すのが一般的である。レーザにはしきい値電流なる変化点が存在し、しきい値電流より小さい電流を加えただけでは、レーザはレーザ発光せずに位相もばらばらな拡散光であるダイオード発光を行う。
【0003】
このダイオード発光中の光量は、レーザ発光時に比べて極めて小さい。そして、しきい値より大きい電流を流して初めてレーザ発光を行う。これは、レーザがレーザ発振を行うには、レーザ内部のあるエネルギー準位を超える必要があるためで、このエネルギー準位を超える電流を流しておけば、後はわずかな電流量の増減でレーザの発光量を制御することができる。
【0004】
したがって、全くバイアス電流を流さない時よりも、あらかじめ電流を流しておいてレーザ内部のエネルギー準位を高めておき、そこから点灯に必要なスイッチ電流を加えることによって、このエネルギー準位を超えるのに要する時間が短くなり、レーザの発光特性の改善を図ることができる。このような理由から、この種の装置のレーザ駆動回路においてはバイアス電流を印加する手段をとっていた。
【0005】
以上の説明からもわかるように、レーザ素子は、流す電流に比例して発光量が変化するという特性を有する。したがって、画像形成用のレーザ発光量の制御は、レーザに流れる電流を制御することで行われる。一般的には、レーザパワーを一定に保つために、APC(オートパワーコントロール)制御というものが行われている。
【0006】
これは、レーザに内蔵されたフォトダイオードでレーザの発光量を検出して、この検出信号とレーザパワーの目標となるリファレンスの所定値とを比較して、小さいようであれば電流を増やして光量を上げ、大きいようであれば電流を減らして光量を下げるという制御を行って、レーザパワーを一定に保つというものである。
【0007】
この制御は、実際にレーザを発光させて行うために、発光パターンが一定とならない画像形成中には行えず、基本的に画像領域外のいわゆるブランキング期間に行われている。そして、このブランキング期間で行われたAPC制御の結果を基としてレーザパワーで、1水平同期期間内は一定電流がレーザに流され、画像形成が行われる。
【0008】
ここで、レーザの特性としてドループという温度特性がある。これは、レーザは流す電流量によって発光量が変わる素子であるが、この他に温度に対しても変化要素を有する。すなわち、レーザを発光させるにあたって同じ電流値でもレーザチップの温度によって発光量が変わる。そこで、上述したブランキング期間にAPC制御を行い、一定の電流で1H期間は発光させるわけであるが、厳密には1Hの発光期間の最初と最後では発光量が変わっている。この現象は、レーザが発光するとレーザチップ自体の温度が上昇するので、この温度の影響を受けて発光量が落ちるためである。
【0009】
従来のこの種の機種においては、画像形成速度がそんなに早くなかったことより、レーザを発光させる発光量自体がそんなに大きくなかったのでこのドループ量も小さく、さほど問題にならなかった。また、レーザチップを金属の鏡筒に圧入することでヒートシンクとして放熱させ、従来通りのAPC制御のみで光量制御が行われていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
近年、デジタルコピーも高速化/高精細化が進み、レーザによる書込みの方法も変わってきている。通常のアンダーフィールドスキャン(UFS)タイプのレーザ走査系においても、ドラム感度は変わらないのでスピードアップした分だけ同じ電位を得るために、レーザのパワーアップが必要である。また、高速の書込みに有効なオーバーフィールドスキャン(OFS)タイプのレーザ走査系は、UFSに比較して大きなレーザパワーが必要である。
【0011】
したがって、今後、装置のスピードアップ又は露光方式の違いによってレーザのパワーがますます増大することが予想される。レーザのパワーがアップすると前述のドループ量が大きくなり、1ライン内でのレーザの光量差が顕在化するとともに、画像上の濃度差がはっきりとあらわれる可能性が大きい。ドループ特性としては、必ず感光体上を走査する走査方向の最初が大きく終りが小さくなるので、画像としてはレーザの走査方向に沿って濃度が変わることになる。
【0012】
レーザチップの発熱量を抑える方法としては、ヒートシンクを有効に活用する方法と、ペルチェ素子などを用いてチップ自体の温度を制御する方法がある。しかしながら、ヒートシンクをいかに大きくしても、瞬間的に発生するチップ内の温度変化を吸収することは不可能であり、ドループ特性をなくすには有効な手法とはいえない。また、ペルチェ素子等を用いた温度制御も同様で、応答性という点とコスト的な観点からあまり効果的なものではない。
【0013】
また、レーザ光量の傾きを補正する方法として、プロセス的に一次帯電の分布を変える方法と、ドラムの感度に傾きをもたせる方法がある。画像の濃度差は最終的にはドラム上の電位分布で決まるので、実際の画像形成装置の製造工程において上述した方法を用いて、ドラム上の電位分布を一定にさせている場合もある。しかしながら、この現状のプロセス的な補正方法では限界があり、今後生じるであろうドループの傾きによるドラム電位の傾きを補正するためには、新しい手法が必要と考えられる。
【0014】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、装置の高速化・高精細化のためにレーザの発光量を増大させても、装置の環境温度や連続使用などの使用環境を含めて、レーザのドループ特性を補正することを可能とした画像形成装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、レーザ光源からの光変調されたレーザ光を感光体上に導光して、画像情報を形成する画像形成装置に用いられるレーザ駆動回路を備えた画像形成装置において、前記レーザを発光させるために画像情報に応じて乗ぜられるスイッチング電流量を決定する定電流発生手段と、該定電流発生手段の定電流量を制御する第1及び第2制御手段とを備え、前記第1制御手段は、前記レーザの光量をモニターしながら書込み用のレーザパワーを決定するAPC制御手段を備え、前記第2制御手段は、前記第1制御手段によって決定された電流にあるパターンで電流を重畳する電流重畳手段を備え、前記レーザの光量を検出する検出手段と、前記APC制御の結果を保持する保持手段と、該保持手段によって保持されたラインの先頭で行ったAPCの結果と前記ラインの画像作成領域後に前記検出手段によって検出された値とを比較する比較手段とを合わせ持ち、前記比較結果が前記APC制御の結果に対してレーザの光量が一定以上変化した場合に、前記第2制御手段により、前記定電流手段に電流が重畳され、一定以上変化しない場合には、前記第2制御手段により、前記定電流手段に電流を重畳しないことを特徴とするものである。
【0019】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記レーザの光量を検出する第1及び第2検出手段とを持ち、該第1の検出手段を用いて前記レーザのAPC制御を行い、前記第2の検出手段の検出結果を前記比較手段に用い、前記第2の検出手段は前記第1の検出手段より検出ゲインが高いことを特徴とするものである。
【0020】
このような構成を有する本発明によれば、このような画像形成装置におけるレーザ駆動回路において、レーザを発光させるために画像情報に応じて乗ぜられるスイッチング電流量を決定する定電流発生手段に対して、定電流発生手段の定電流量を制御する第1制御手段と、定電流発生手段の定電流量を制御する第2制御手段と、第1制御手段はレーザの光量をモニターしながら書込み用のレーザパワーを決定するAPC制御手段と、第2制御手段は第1制御手段によって決定された電流にあるパターンで電流を重畳する電流重畳手段を備え、レーザの光量を検出する検出手段と、APC制御の結果を保持する保持手段と、保持手段によって保持されたラインの先頭で行ったAPCの結果とラインの画像作成領域後に検出手段によって検出された値とを比較する比較手段とを合わせ持ち、比較結果がAPC制御の結果に対してレーザの光量が一定以上変化した場合に、第2制御手段により、定電流手段に電流が重畳され、一定以上変化しない場合には、第2制御手段により、定電流手段に電流を重畳しないようにしたので、APC制御によって決定された電流量に、ドループ特性による光量の減少を補うための補正電流を加えることで、毎ラインの光量を一定に保つだけでなく、1Hライン内での光量の安定化を図ることも可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
図1は、本発明の画像処理装置の一実施例を説明するための断面図である。 1つの原稿給紙装置1上に積載された原稿は、1枚づつ順次に原稿台ガラス2面上に搬送される。原稿が搬送されると、スキャナー部分のランプ3が点灯し、かつスキャナーユニット4が移動して原稿を照射する。原稿の反射光はミラー5,6,7を介してレンズ8を通過し、その後イメージセンサ9に入力される。イメージセンサ9に入力された画像信号は、直接あるいは一旦図示しない画像メモリに記憶され、再び読み出された後、露光制御部10に入力される。
【0022】
照射光によって感光体上に作られた潜像は、現像器12あるいは13によって現像される。潜像とタイミングを合わせて被転写紙積載部14あるいは15より転写紙が搬送され、転写部16において、現像されたトナー像が転写される。転写されたトナー像は定着部17にて被転写紙に定着された後、排紙部18より装置外部に排出される。
【0023】
図2は、露光制御部の構成を示す図で、図中符号31は半導体レーザである。半導体レーザの内部にはレーザ光の一部を検出するフォトダイオードが設けられ、フォトダイオードの検出信号を用いてレーザダイオードのAPC制御を行う。レーザ31から発したレーザビームはコリメータレンズ35及び絞り32によりほぼ平行光となり、所定のビーム径で回転多面鏡33に入射する。
【0024】
回転多面鏡33は、矢印の様な方向に等角速度の回転を行っており、この回転に伴って、入射した光ビームが連続的に角度を変える偏向ビームとなって反射される。偏向ビームと成った光はf−θレンズ34により集光作用を受ける。一方、f−θレンズは同時に走査の時間的な直線性を保証するような歪曲収差の補正を行うために、光ビームは、像担持体としての感光体11上に図の矢印の方向に等速で結合走査される。なお、36は回転多面鏡33からの反射光を検出するBD(ビームディテクト)センサであり、BDセンサ36の検出信号は回転多面鏡33の回転とデータの書き込みの同期をとるための同期信号として用いられる。
【0025】
図3は、本実施形態のレーザの制御回路の構成を示したブロック図で、画像制御部71は図1の装置の各部を制御し、イメージセンサ9で読み取られた画像信号を処理する制御回路である。この画像制御部71ではイメージセンサ9からの画像信号を後述するBD信号に同期して1ラインづつレーザ駆動回路に供給したり、あるいは詳しく後述するように半導体レーザのAPC制御に必要なタイミング信号を作成している。31は図2に示した半導体レーザのチップであり、半導体レーザ51とレーザ光の一部を検出するフォトダイオード52からなっている。36は同様に図2に示したBDセンサであり、同期信号の検出に用いられる。
【0026】
バイアス電流源61とパルス電流源60は、半導体レーザ51の制御に用いられる電流源であり、スイッチ63は画像信号に応じてオン・オフするスイッチである。ここで、スイッチ63はハイレベル信号が入力されるとオンし、半導体レーザ51は、パルス電流源60で決められた電流が流れることになり点灯する。また、スイッチ63はローレベルが入力されるとオフし、半導体レーザ51は消灯する。このように、スイッチ63を画像信号に応じて制御することによって半導体レーザ51を駆動し、感光ドラム11に光書き込みを行う。
【0027】
図1に示された装置において、プリント動作を行わないスタンバイ状態の時には通常レーザ51は消灯している。そして、プリント動作時レーザ51は点灯するわけであるが、この時、一定の発光量を保つためにAPC(AUTO POWER CONTROLL)制御が行われる。このAPC制御はレーザ光が回転多面鏡33によって感光体に走査される1ライン毎に行われ、これをラインAPC制御と呼ぶ。また、このAPC制御におけるプリント動作中は、画像形成に影響を及ぼさないように非画像領域において行われる。
【0028】
ここで、前述したように半導体レーザは一般的に、レーザをON/OFFするためのスイッチ電流に加えて、一定電流であるバイアス電流なるものをあらかじめ流しておくことで、発光特性が向上することが知られている。従来このような画像形成装置においては、このバイアス電流はレーザのしきい値電流に対して半分程度に設定されていた。しかしながら、高精細化の進む近年の画像形成装置においては、このバイアス電流をしきい値近傍に設定する必要が生じてきている。
【0029】
したがって、本実施例の画像形成装置においても、通常画質のモードではバイアス電流をしきい値の半分程度に、高画質モードではレーザのしきい値近傍にバイアス電流を設定している。このように、書き込み時のレーザパワーを変えなくても、同じレーザパワーでバイアス電流量を変えることで、レーザの発光特性を変え、微少パルスの発光再現性をよくすることで、高精細な画像データを感光体へ書き込むことが可能となる。そして、バイアス電流をしきい値近傍に設定するために、本実施例においては潜像形成に使用されるレーザのパワーに関してのみAPC(以下、トータルAPCという)を行うのではなく、バイアス電流に関してもAPC(以下、バイアスAPCという)を行っている。
【0030】
すなわち、非画像領域において、まずバイアス電流の設定を行うためにスイッチ63をOFFし、レーザ51にバイアス電流のみを供給して点灯させ、この時にこれに同期してサンプルホールド回路65をサンプル状態とする。この時、半導体レーザ51のレーザ光の一部がフォトダイオード52で検出され、その検出信号は電流電圧変換器54で電圧信号に変換される。電流電圧変換器54の信号出力は、サンプルホールド回路65でサンプルされ、オペレーションアンプ66に供給される。
【0031】
オペレーションアンプ66では、サンプルホールド回路65の出力信号とバイアス基準電圧発生器67の基準電圧を比較し、その差信号に応じてバイアス電流源61の電流を制御する。すなわち、基準電圧発生器67で基準電圧として設定されている目標の光量となるように、バイアス電流源61の電流を制御することによって半導体レーザ51の光量が所望の光量となるようにAPC制御を行う。この制御が終わるとサンプルホールド回路65はホールド状態となり、制御した値を保ったままレーザ51にバイアス電流を供給することになる。
【0032】
バイアスAPCの次にトータルAPCが行われる。当然、このトータルAPCも非画像領域において行われる。すなわち、バイアスAPC終了後スイッチ63をONし、レーザ51に前記設定したバイアス電流に加えパルス電流源60の電流を供給して点灯させ、この時にこれに同期してサンプルホールド回路68をサンプル状態とする。この時、半導体レーザ51のレーザ光の一部がフォトダイオード52で検出され、その検出信号は電流電圧変換器54で電圧信号に変換される。電流電圧変換器54の出力信号は、サンプルホールド回路68でサンプルされてオペレーションアンプ69に供給される。
【0033】
オペレーションアンプ69では、サンプルホールド回路68の出力信号とトータル基準電圧発生器70の基準電圧を比較し、その差信号に応じてパルス電流源60の電流を制御する。すなわち、トータル基準電圧発生器70で基準電圧として設定されている目標の光量となるように、パルス電流源60の電流を制御することによって、半導体レーザ51の光量が所望の光量となるようにAPC制御を行う。この制御が終わるとサンプルホールド回路68はホールド状態となり、制御した値を保ったままレーザ51にパルス電流を供給することになる。
【0034】
一方、画像領域においては、既に述べたように、非画像領域の電流電圧変換器54の出力信号が、サンプルホールド回路65及び68にホールドされており、オペレーションアンプ66及び69ではホールドされた信号と基準電圧67及び70によって、バイアス電流及びパルス電流が設定され半導体レーザ51の光量を制御する。図4に前述のラインAPCのタイミングを示す。サンプルホールド65,68は、ハイレベルでサンプル状態に、ローレベルでホールド状態となる。図4において、VIDEODATAの信号が非画像領域においてS/H−Tと同期してONした後画像領域の前で、ハイレベルとなっているのは、前述のBDセンサ36で同期信号を得るためである。VIDEO DATA信号において斜線部が画像DATAである。
【0035】
次に、ドループ補正部の構成について説明する。
図5は、図3のドループ補正部の内部構成を示す図で、前記レーザチップ内のPD52出力がS/H回路81に入力され、設定される所定の電圧83とアンプ82で差動増幅された結果が電流源84に入力され、ドループ補正する電流量が決定される。このシーケンスについては図6を用いて説明する。ドループ補正を行わないAPC制御に関しては前述の通りであるので、ドループ補正を行う電流量を決定する原理及びシーケンスについて説明を行う。
【0036】
図8は、ドループ補正を説明するための図で、1水平同期区間のレーザの発光状態を示している。まずAPCの制御を行い、次にBD検出用に点灯し、画像形成用の点灯に移行する。通常は、この制御の繰返しである。この時、図8にあるように画像領域の点灯において、レーザのドループ特性によって光量が徐々に下がっている。したがって、符号101の部分の光量を補正する必要がある。しかしながら、画像領域におけるレーザの発光状態は画像によってまちまちである。したがって、通常のレーザの制御方法であれば、画像データが少ないラインでは点灯時間が短く、発熱量も少ないのでドループ量は少ないと考えられる。
【0037】
ところが、本発明の実施例にあげているような高速機の場合、レーザの発光特性を改善するために、レーザのしきい値ギリギリまでバイアス電流を流している。したがって、画像データの有無にかかわらず画像領域ではレーザにかなりの電流が常に流れることになる。レーザチップの発熱量は、レーザの発光の有無よりも流す電流に依存する傾向が大きい。したがって、発光区間がとぎれとぎれでも、同じような崩落線を描いて光量は減少すると考えられる。
【0038】
したがって、まず、このライン制御の先頭で行ったAPCの結果を基に画像作成領域のすぐ後に再度発光させ、補正SWをON(HIでON)してドループ補正回路62から電流を供給し、S/H−H信号をHIにしてサンプル状態とし、補正電流量の制御を行う。そして所定時間後、補正SW及びS/H−HをLOとして、1ライン分の補正量を保持する。副走査方向のタイミングとしては、レーザを点灯させてラインAPC制御に移行した時点からこの制御を始めればよい。
【0039】
図7は、上述した制御方法で決定した補正量を適正な1ラインのパターンで供給する回路を示す図である。上述した制御で補正量を決定した後、次のラインの画像領域において補正SW91のみをONさせる。これによって、上述した制御方法で決定した補正量と対応した電圧が、図7の回路内のオペアンプ94に印加される。この際印加される電圧は、コンデンサ93に充電されるので最初ある程度電圧が立ち上がり徐々に一定値に近づいていくという形になる(図9)。これはちょうどドループの崩落線に対応し、この形で電流が供給されればドループが打ち消されることになり、1ラインにおける発光が安定することになる。
【0040】
なお、符号92は、補正電流を供給しない時に定電流回路が誤作動しないようにオペアンプ出力94を抑える放電抵抗であり、96は定電流回路の電流量検出用抵抗である。
【0041】
以上本実施例のようなドループに対する補正電流制御を行うことで、1ラインのレーザの発光量をより一定にすることが可能となる。
【0042】
[実施例2]
次に、上述した実施例1に加えてレーザの温度特性を考慮して制御する場合について説明する。
レーザは温度によって発光特性が変化する。例えば、レーザを連続で長い間点灯させる場合、画像形成装置の他の部分の熱も加わり、レーザチップの温度はかなり昇温する。このような状態になると、レーザチップはレーザの発光の有無に関わらずかなり高温の状態を保つことになる。このような状態では、レーザの特性としてドループ量は小さくなる。このような場合、ドループ量の補正を行わなくても画像に対する影響がなくなる。また、ドループ量を補正する回路の電流量の設定値が小さくなり、正確な制御ができなくなる可能性がある。したがって、こういった状態ではドループ量の補正制御を行わない方が望ましい。
【0043】
本実施例では、レーザチップに内蔵されているPD出力をモニターすることでドループ量を検出し、補正を行うか否かの制御を加えた構成のドループ量補正回路に関して説明する。
【0044】
図10は、本発明の第2実施例の構成を説明するための図で、実施例1に加えてI/V変換器101とサンプルホールド回路102、バッファー104、Vref Tの基準電圧70の出力を分圧する抵抗105,106、コンパレータ103が加わる。I/V変換器101は、I/V変換器54に対してゲインが高く、PD出力のより微少な変化を検出することが可能である。抵抗105,106は、Vref Tの出力を分圧して、PD出力との比較用の基準電圧を作り出す。この時、この基準電圧は画像形成に影響のないレベルとして一般的にAPCの目標値に対して数パーセントダウンで設定される。したがって、PD出力と比較する電圧はかなり小さいことより、誤動作を防止するために感度の高いI/V変換器101が必要となる。この際、Ver T出力に影響を及ぼさないように、インピーダンス整合をとるためにバッファー104を追加している。
【0045】
図11は、本実施例の制御シーケンスの説明図で、上述した構成の追加を行うことで、レーザのドループ特性により下がった発光量と、所定の許容レベルとの比較が可能となった。
【0046】
図11は、図6に対して、上述した動作のシーケンスを追加したものである。図11に示されている非画像区間においては、まずバイアス/トータルのAPCを行い、次にBD検出用に点灯し、画像領域で画像形成用の点灯を行った後、ドループ補正用の制御を行うというシーケンスが描かれている。図11はこれに対して、画像形成の後とドループ補正用の制御との間にドループによって減少した発光量と所定の値を比較するシーケンスが描かれている。まず、画像形成用の発光が終了した後、前回のラインAPCの値をもとにレーザ発光を一定期間行う。この時、ドループ補正用の電流は重畳しない。
【0047】
したがって、補正SW91はOFFしたままであり、ドループ特性によって若干減少したレーザ光量がPD52より検出され、I/V変換器101で電圧信号に変換された後、S/H回路102に入力される。比較用に点灯したタイミングとほぼ同時に、S/H回路102のS/H信号をHI(HIでサンプル)とし、消灯する前にLO(LOでホールド)とする。これによって、この発光時の発光量が電圧信号としてS/H回路102に保持され、Vref Tより分圧して作成された基準電圧70と、コンパレータ103によって比較される。コンパレータ103の比較結果がLO(LOで基準電圧より発光光量が下がっている)であれば、画像制御部71からドループ補正用の制御信号(補正SW、S/H H)が出力され、HIであれば出力されず、ドループ補正は行われない。
【0048】
以上本実施例のようなドループに対するレーザの温度特性を考慮した補正電流制御を行うことで、1ラインのレーザの発光量をより一定に安定化させることが可能となる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、レーザを発光させるために画像情報に応じて乗ぜられるスイッチング電流量を決定する定電流発生手段に対して、定電流発生手段の定電流量を制御する第1制御手段と、定電流発生手段の定電流量を制御する第2制御手段と、第1制御手段はレーザの光量をモニターしながら書込み用のレーザパワーを決定するAPC制御手段と、第2制御手段は第1制御手段によって決定された電流にあるパターンで電流を重畳する電流重畳手段を備え、レーザの光量を検出する検出手段と、APC制御の結果を保持する保持手段と、保持手段によって保持されたラインの先頭で行ったAPCの結果とラインの画像作成領域後に検出手段によって検出された値とを比較する比較手段とを合わせ持ち、比較結果がAPC制御の結果に対してレーザの光量が一定以上変化した場合に、第2制御手段により、定電流手段に電流が重畳され、一定以上変化しない場合には、第2制御手段により、定電流手段に電流を重畳しないようにしたので、装置の高速化/高精細化のためにレーザの発光量を増大させたとしても、装置に使用環境(環境温度、連続使用)を含めて、レーザのドループ特性を補正することが可能となり、より安定な質の高い画像を得ることが可能となる。また、レーザの寿命が進んで動作電流が増大したとしても補正されることになるので、従来のレーザの寿命よりも長い時間使用することが可能となると考えられる。したがって、交換が比較的困難であるスキャナーユニット内にサービスパーツ等の設定部品にすることなく、サービス性の向上に寄与することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像処理装置の一実施例を説明するための断面図である。
【図2】露光制御部内の光学系の構成図である。
【図3】レーザの制御回路の構成を示したブロック図である。
【図4】従来のラインAPCの制御シーケンスを説明するための図である。
【図5】図3におけるドループ補正回路の構成図である。
【図6】第1実施例の制御シーケンスを説明するための図である。
【図7】図5における電流源の内部回路の構成図である。
【図8】ドループ補正の原理を説明するための図である。
【図9】図7内のオペアンプに印加される電圧波形を説明するための図である。
【図10】本発明における第2実施例の構成を説明するための図である。
【図11】第2実施例のシーケンスを説明するための図である。
【符号の説明】
1 原稿給紙装置
2 原稿台ガラス
3 ランプ
4 スキャナーユニット
5,6,7 ミラー
8 レンズ
9 イメージセンサ
10 露光制御部
11 感光ドラム
12,13 現像器
14,15 被転写紙積載部
16 転写部
17 定着部
18 排紙部
31 半導体レーザ
32 絞り
33 回転多面鏡
34 f−θレンズ
35 コリメータレンズ
36 BD(ビームディテクト)センサ
51 半導体レーザ
52 フォトダイオード
54 電流電圧変換器
60 パルス電流源
61 バイアス電流源
63 スイッチ
65,68 サンプルホールド回路
66,69 オペレーションアンプ
67 基準電圧発生器
70 トータル基準電圧発生器
71 画像制御部
72 システムコントローラ
73 操作部
81 S/H回路
82 アンプ
83 設定される所定の電圧
84 電流源
91 補正スイッチ
92,96 抵抗
93 コンデンサ
94 オペアンプ
101 I/V変換器
102 サンプルホールド回路
103 コンパレータ
104 バッファー
105,106 抵抗
Claims (2)
- レーザ光源からの光変調されたレーザ光を感光体上に導光して、画像情報を形成する画像形成装置に用いられるレーザ駆動回路を備えた画像形成装置において、
前記レーザを発光させるために画像情報に応じて乗ぜられるスイッチング電流量を決定する定電流発生手段と、
該定電流発生手段の定電流量を制御する第1及び第2制御手段とを備え、
前記第1制御手段は、前記レーザの光量をモニターしながら書込み用のレーザパワーを決定するAPC制御手段を備え、
前記第2制御手段は、前記第1制御手段によって決定された電流にあるパターンで電流を重畳する電流重畳手段を備え、
前記レーザの光量を検出する検出手段と、
前記APC制御の結果を保持する保持手段と、
該保持手段によって保持されたラインの先頭で行ったAPCの結果と前記ラインの画像作成領域後に前記検出手段によって検出された値とを比較する比較手段とを合わせ持ち、
前記比較結果が前記APC制御の結果に対してレーザの光量が一定以上変化した場合に、前記第2制御手段により、前記定電流手段に電流が重畳され、一定以上変化しない場合には、前記第2制御手段により、前記定電流手段に電流を重畳しないことを特徴とする画像形成装置。 - 前記レーザの光量を検出する第1及び第2検出手段とを持ち、該第1の検出手段を用いて前記レーザのAPC制御を行い、前記第2の検出手段の検出結果を前記比較手段に用い、前記第2の検出手段は前記第1の検出手段より検出ゲインが高いことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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