JP3707213B2 - イオン導電性ゲル電解質形成用シ−ト及びイオン導電性ゲル電解質シ−トの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はゲル状又は固体状のイオン導電性高分子ゲル電解質シ−トに関するものである。さらに詳しくはイオン導電性に優れた、リチウム1次電池、リチウムイオン2次電池、電気2重層コンデンサー等の各種電気デバイス用電解質として有用に用い得る高分子ゲル電解質シ−トに関する。
【0002】
【従来の技術】
LiCoO2,LiMnO2,LiNiO2の如きリチウムの複合酸化物を正極活物質とし、Li合金や、Liを吸蔵、放出する能力を備えた炭素材を負極活物質とし、非水溶媒と電解質を用いたリチウム電池は、高性能であり、リサイクル特性にも優れていることより、パソコン、携帯電話、ミニコンポ、ミニディスク等の電子機器用電源として大きな発展を遂げており、将来的には環境に易しい電気自動車用電源として活用することが検討されている。
【0003】
従来開発されてきた非水電解質電池は、電解液としてエチレンカ−ボネ−トやプロピレンカ−ボネ−トなどの有機溶媒を用いているため、当該電池が高温雰囲気下に暴された場合や、当該電池を用いた電子機器において、当該電池に内部短絡や外部短絡などの不都合が生じ、電池温度が上昇した場合、電解液が揮散し、電池が爆発したり、火災を起こしたりするという難点があった。
【0004】
以上のような背景がある中で、固体電解質として高分子ゲル電解質は液体電解質に比べて取り扱いが容易であること、溶媒の揮散が起こらないこと、また高いイオン導電性を示すことから、リチウム2次電池の欠点と言われているデントライトの発生を抑制し得る電解質としての利用可能性の検討が進められており、例えば特開平7−245122号公報にはポリエチレンオキサイドトリオールを2官能性イソシアネートで架橋させた架橋ゲルを用いることが示されており、また特開平6−96800号公報にはポリエーテルポリオールアクリレートのゲル状架橋物を用いることが示されている。また J. Polymer Sci., Polymer Physics, 21,p.939-948 (1983) にはポリアクリロニトリル粉末と溶媒であるエチレンカーボネートに電解質を溶解混合し、キャスト成形し、溶媒を蒸発揮散させて高分子固体電解質を得る方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ポリオールとイソシアネートとの付加物、或いはポリエーテルとポリオールアクリレート等の架橋物より形成された高分子ゲル電解質は、そのイオン導電性が10-5S/cm程度と低くまだ高性能の電池用には不十分である。イオン導電率を高くするためには、ゲルの架橋密度を低下させ電解液(電解質とその溶媒)を多く含有させることが要求されるが、この方向はゲルの強度を低下させるので好ましくない。ゲルの強度低下は、例えば、電池を組み立てる場合に連続工程が採用できなくなり工業的には致命的欠陥となるからである。またアクリロニトリル重合体を溶媒に溶解してキャストする方法は、溶媒の蒸発工程が必要であり工程的に煩雑であり環境問題的にも難点がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこれらの欠点を解決すべく検討した結果、イオン導電率が高く、かつ強度的にも優れ、且つその製法において環境負荷の小さいイオン導電性ゲル電解質形成用シ−ト及びそれを用いたイオン導電性ゲル電解質シ−トの製造方法よりなる本発明を完成したものである。
【0007】
即ち、本発明は実質的に非水電解液に溶解しない高分子重合体の繊維状物又はパルプ状物よりなる支持相Aと、実質的に非水電解液により溶解ないし可塑化したイオン導電性高分子重合体繊維状物又はパルプ状物からなるマトリックス形成相Bとを一体化せしめ、かつ、支持相Aが多孔質連続相を形成したイオン導電性ゲル電解質形成用シ−トを第1の発明とし、該シ−トに、非水電解液と電解質からなる溶液を含浸させた後、高分子ゲルを形成させる高分子ゲル電解質シートの製造方法を第2の発明とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳しく説明する。
【0009】
実質的に非水電解液に溶解しない、繊維状物又はパルプ状物である高分子重合体Aとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミドなどが挙げられるが、これらの高分子重合体以外に実質的に非水電解液に溶解又は膨潤しない高分子重合体を含有しても、支持体本来の物性を維持できるものであれば問題はなく併用できる。
【0010】
支持相A本来の物性を維持するためには、繊維状又はパルプ状の高分子重合体はシ−トにおいて連続層を形成する必要がある。例えば、支持相Aが該高分子繊維状物の織物、編み物又は不織布状或いは該高分子のパルプ状物より形成した紙状物等であり、不織布又は紙状物を形成する該重合体繊維又は、パルプ状物が部分的に融着しているものが挙げられる。
【0011】
非水電解液に溶解可能な重合体は、繊維状物又はパルプ状物であり、好ましくは直径30μ以下、さらに好ましくは直径10μ以下の繊維状又はパルプ状物が好ましく用いられる。
【0012】
かくの如き構造の高分子重合体は本発明のシ−トに電解液を含浸し、該重合体を溶解又は膨潤させる際に、均一に溶解、膨潤を容易になし得るという利点がある。本発明のシート形成時、非水電解液に可溶ないし可塑化可能な重合体より形成した、該繊維状又はパルプ状物は相互に実質的に接着していないことが重要であり、本発明のシ−トにおいてマトリックス相B形成用繊維状物、又は、パルプ状物と実質的な接着箇所が存在すると、当該箇所は非水溶媒による均一な溶解ないし膨潤を阻害する原因となる。
【0013】
本発明の高分子ゲル電解質形成用シートは、非水溶媒に不溶な高分子重合体と、非水溶媒に可溶又は可塑化しうる高分子重合体の繊維状又はパルプ状物が均一に複合させたものである。このようなシートの成形方法を以下に述べる。
【0014】
1つの方法としては、非水溶媒に非可溶な熱可塑性高分子からなるから高分子重合体の短繊維状又はパルプ状物と非水溶媒に可溶又は可塑化しうる高分子重合体の繊維状又はパルプ状物を適切な配合比で混合抄造し、熱可塑性高分子を熱融着させることにより、本発明のシ−ト状物の支持体相Aが連続層を形成した、紙又は不織布状のシートを成形する方法が挙げられる。この場合、用いられる繊維状あるいはパルプ状物の長さは繊維の太さによって異なるが、概ね5mm以下の長さのものが好ましく用いられる。
【0015】
また、別の方法として、支持相Aを非水溶媒に非可溶の高分子重合体よりなる繊維の編み物、織物あるいは不織布状のシートに、非水溶媒可溶又は膨潤しうる高分子重合体の繊維状又はパルプ状物を交絡させることによっても本発明シートを得ることができる。例えば、支持相Aの織物に、片面あるいは両面にマトリックス形成相B形成用重合体の短繊維シ−トを積層したのち、ニードルパンチあるいは気流又は水流によって、支持相Aの織物とマトリックス相B形成用短繊維とを交絡させることで本発明のシートを得ることができる。
【0016】
さらに、別の方法として、非水電解液に溶解しない高分子重合体Aと非水電解質に溶解可能な高分子重合体の複合繊維の織物又は編み物に成形するか、あるいは支持相A形成用重合体として熱可塑性のものを用いた複合繊維を、数mmにカットした繊維を湿式抄造しシート化した後、熱により熱可塑性重合体繊維のみを融着させる方法がある。この場合の複合繊維は、サイドバイサイド、ブレンドあるいは芯鞘等の複合状態のものを用いることができる。かくして得られた、複合シートは支持相Aが連続層を有することから、機械的強度に優れたものとなる。
【0017】
支持相A形成用高分子重合体とマトリックス相形成用高分子重合体の割合は、最終的な高分子ゲル電解質シ−トとしての電気特性及びシート強度から設定されるものである。
【0018】
支持相A形成用高分子重合体の含有比率を上げることによって、シート強度は高くなるが、ゲル電解質シ−トとした場合は厚みが大きくなり好ましくない。概ね、支持相A形成用高分子重合体の比率は本発明のシ−トの50重量%以下が好ましい。
【0019】
本発明のゲル電解質シ−トは電池やコンデンサー等の各種電気デバイスに用いられるもので、その前駆体である本発明の高分子ゲル電解質形成用シートも、その機能から出来るだけ薄いものが好ましいが薄すぎると、電極同士の短絡が起こるため自ずから限界があり、さらに本発明の目的である機械的な強度を損なう恐れもある。本発明者らの検討では、本発明のシ−トを構成する繊維状物の太さを細くすることにより本発明のゲル状シートの厚みを50μm迄の薄さまで低減することが可能である。またゲル電解質シ−トの厚みの上限は特に限定されないが、実用的に見て500μmが限度である。
【0020】
本発明に用いられるマトリックス相B形成用高分子重合体は、非水電解液に均一に溶解、可塑化させるため、直径30μ以下、好ましくは直径10μ以下の繊維状又はパルプ状物が好ましい。この条件を満足する本発明のシ−トは、該繊維の表面積を増大させることで非水電解質の浸透を早め、すばやく均一なゲルを形成できる。
【0021】
繊維を細く紡糸する技術は各種の従来技術が適用される。例えば複合紡糸による海島繊維法、分割繊維法等があり、これらの技術により、直径5μ以下の繊維をも得られる。また、比較的重合は濃度の低い重合体溶液を溶液紡糸することによっても同様な繊維を得ることができる。さらに、フラシュ紡糸や特願平8−78374に開示されているような噴射凝固法によって得られるパルプ状物も高い比表面積を有することから好適に用いられる。これらのパルプ状物は直径が数μ以下のフィブリルを多数有しており、このものより形成されたシートは繊維同士の絡み合いが効果的で、特に薄くて緻密なゲル状シートを形成するのに適している。
【0022】
本発明に用いられる非水電解質に可溶な高分子重合体としては、ポリアクリルニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリメタアクリレート、ポリエチレンオキサイド等が上げられるが、特にこれらの高分子の中でポリアクリロニトリル系高分子はその側鎖にCN基を有するため高い誘電率を示し、イオン導電率が高い高分子固体電解質を形成するだけでなく、優れた繊維形成能を有し、本発明に最適に用いることができる。
【0023】
さらに、アクリロニトリルは各種の他のモノマーと共重合体を用いることで、非水電解液の溶解性を向上させることが可能となり、本発明のシートの形成を容易にすることができる。かような共重合成分としては、酢酸ビニル、各種(メタ)アクリレート類、特に側鎖にエチレンオキシド、やプロピレンオキシド鎖を有する(メタ)アクリレ−トや酢酸ビニルとの共重合体は好ましい特性を示す。
【0024】
また、非水溶媒に可溶又は可塑化しうる重合体の繊維状物を構成する高分子はポリアクリロニトリル系高分子に限らず、異なる二種類以上の高分子の混合物を用いることができる。この場合の繊維状物を構成する高分子としては、ポリアミド系重合体、芳香族ポリアミド系重合体、ポリオレフィン系重合体、ポリエステル系重合体、ポリカーボネート系重合体、ポリイミド系重合体、ポリ(メタ)アクリレート系重合体、ポリメチルメタクリレート系重合体、ポリフッ化ビニリデン系重合体、ポリエーテルスルホン系重合体、ポリアリルスルホン系重合体などを用いることができる。この場合ポリアクリロニトリル系重合体以外の成分が、非水電解液に溶解しないものである場合、前述のごとく本発明シートを作る有効な繊維基材として用いることができる。
【0025】
かくして得られた高分子ゲル電解質形成用シートは非水電解液に含浸させることにより、高分子ゲル電解質シートを形成することができる。
【0026】
非水電解液としては、一般に電池用の電解質を溶解する溶媒は、とくにリチウム電池の場合は非水系でなければならないが、それ以外に比誘電率が高いこと、粘度が低いこと、化学的及び電気化学的に安定で、長期間変質しないこと等多くの要件がある。このような要件に適合する溶媒を選択した結果、エチレンカ−ボネ−ト(以下ECと略す)、プロピレンカ−ボネ−ト(以下PCと略す)、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが挙げられ、これら溶媒はマトリックス相B形成用重合体として、アクリロニトリル(AN)ホモポリマー又はANを多く含む共重合体からなる固体電解質の溶媒として好適に用いることができる。マトリックス相B形成用重合体としてAN含量の比較的少ない共重合体を用いた場合では、アセトニトリルやニトロメタンも溶剤ないしは膨潤剤として作用するので使用可能である。
【0027】
本発明で言う非水電解液とはイオン伝導を担う電解質、例えばリチウム電池の場合LiClO4やLiBF4と電解質を溶解する非水溶媒、例えばPC、EC、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルフォキシド(以下DMSOと略す)、ジメチルアセトアミド(以下DMAAと略す)、ジメチルホルムアミド(以下DMFと略す)などの溶液又はこれらの混合溶液を基本とするものであり、その溶液には、電解液を安定化させるための各種添加剤も含まれていても良い。
【0028】
本発明のイオン導電性ゲル電解質形成用シートに、かような非水電解液を浸透させると、繊維状物はその表面から溶媒で溶解、膨潤し、均一なゲル状シートが得られる。この場合一部、高分子が溶解して繊維表面から電解液に溶出しても、初期の溶媒量が少なければゲル体内に吸蔵されてゲルの表面ににじみ出してくることはない。一般に非水溶媒に可溶ないし膨潤しうる高分子の量と溶媒の量比は95/5から20/80の範囲が目的に応じて選択されるが、特に本発明のイオン導電性ゲル電解質シ−トは繊維状物を基体としているために溶媒の量を多く含有でき、且つ強度のあるものが得られるのが特徴である。
【0029】
本発明のイオン導電性ゲル電解質シ−トではマトリックス相B形成用繊維状高分子は完全に溶媒に溶解していなくても良い。含浸させる非水電解液の量、即ち溶媒の量によっては繊維の表面部分のみが溶解ないしは膨潤して、繊維の中心部分は溶解せずに繊維形態を保っている場合も含むものである。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、更に具体的に説明する。
【0031】
〔実施例1〕
アクリロニトリルを95重量%、酢酸ビニルが5重量%よりなるポリアクリロニトリル系重合体をジメチルアセトアミドに溶解し、濃度4%の重合体溶液を調整した。撹拌翼を有する容器中にジメチルアセトアミドの10%水溶液を満たし、撹拌翼を高速回転することにより容器中にせん断流を生じせしめた。上記アクリロニトリル系重合体をジメチルアセトアミド水溶液に滴下し、せん断流下で凝固せしめパルプ状のポリアクリロニトリル系共重合体を得た。このパルプ状重合体を容器より回収し、さらに洗浄・脱水した。
【0032】
回収したパルプ状ポリアクリロニトリル系共重合体70重量部とポリエチレンパルプ(三井石油化学(株)製SWP E790)30重量部を所定の方法で水に分散し、標準角形シートマシンを用いてJIS P−8209法に準じて抄紙を行い、乾燥し、次いで125℃で加圧下に熱処理し紙状のシートを得た。このシ−ト中の支持相Aを構成するポリエチレンパルプは互いに熱融着した多孔質相を形成していた。
【0033】
かくして得られたポリアクリロニトリル系共重合体シートを、裁断し短冊状の試験片を得た。この試験片の面積と重量を測定することにより坪量を求めた。 坪量は48g/m2であった。この試験片の引っ張り強さ試験をJIS P−8113に準拠して行った。15mm幅の試験片の引っ張り強さは2.24kgfであった。このシートは紙類似の不透明な白色物であった。
【0034】
このポリアクリロニトリル系重合体シートを打ち抜き器を用いて直径42mmの丸形に打ち抜いた。支持電解質として1MのLiPF6を含むプロピレンカーボネート溶液を、本シートに含浸させた。含浸操作後シートは自重の1.5倍の溶液を担持していた。
【0035】
含浸操作後、シートを密閉容器中に移し80℃で12時間保持し熱処理を施したところ、一部が溶解ゲル化した、シートの厚みは150μm前後であった。
【0036】
この含浸熱処理シートの電気的特性の評価を交流インピーダンス法により行った。測定にはヒューレットパッカード社製プレシジョンLCRメーター(HP 4284A)に誘電体測定用電極(HP 16451B)を組み合わせたものを用いた。測定は試料を電極接触法により直径38mmのガード付き金属電極に圧着し、ドライボックス中で行った。室温での導電率は1.5×10-3S/cmであった。
【0037】
〔実施例2〕
アクリロニトリル95重量部、酢酸ビニル5重量部からなるアクリロニトリル系重合体25重量部をジメチルアセトアミド75重量部に溶解し、紡糸し、1.0デニールのアクリロニトリル系繊維を得た。この繊維を5mmにカットしたチョップドファイバー70重量部と実施例1で用いたポリエチレンパルプ(三井石油化学(株)製SWP E790)30重量部を所定の方法で水に分散し、標準角形シートマシンを用いてJIS P−8209法に準じて抄紙を行い、乾燥後、125℃で加圧下に熱処理を行い紙状のシートを得た。得られたシ−トのポリエチレンパルプは互いに熱融着し、多孔質の支持相Aを形成していることを確認した。
【0038】
手漉き抄紙法により調整したシートの坪量は42g/m2であった。シートの引っ張り強さは15mm幅で2.93kgfであった。このシートは紙類似の不透明な白色物であった。
【0039】
実施例1と同様に電解液を含浸し、アクリロニトリル系繊維が膨潤し半透明な状態になるまで常温放置した。得られたゲルシートの電気的測定を行った。このサンプル厚みは125μm前後で、室温での導電率は2.8×10-3S/cmであった。
【0040】
〔実施例3〕
実施例2で用いたポリアクリロニトリル系共重合体18重量部をジメチルアセトアミド82部に溶解し、紡糸し、0.2デニールの繊維を得た。この繊維を5mmにカットしたのち、該繊維濃度が0.3重量%になるように粘剤とともに水に分散した液を調整した。
目付50g/m2のポリエステル繊維織物を毎分5mの速度でネット状を走行させながら、上記アクリロニトリル系重合体該繊維の水分散液を供給し、高圧水流により、ポリエステル繊維織物中へポリアクリロニトリル系カット繊維を交絡させた後、乾燥し、ポリエステル繊維/ポリアクリロニトリル系繊維の重量比が2/3、厚み350μmの複合シートを作成した。
【0041】
実施例1と同様に電解液を含浸し、アクリロニトリル系繊維が膨潤し半透明な状態になるまで常温放置した。
【0042】
得られたゲルシートの電気的測定を行ったところ、室温での導電率は5.4×10-3S/cmであった。
【0043】
〔実施例4〕
実施例2で用いたポリアクリロニトリル系共重合体18重量部をジメチルアセトアミド82部に溶解し、紡糸し、0.2デニールの繊維を得た。この繊維を5mmにカットしたのち、該繊維濃度が0.3重量%になるように粘剤とともに水に分散した液を調整した。
目付25g/m2のポリプロピレン長繊維織物を毎分5mの速度でネット状を走行させながら、上記アクリロニトリル系重合体該繊維の水分散液を供給し、高圧水流により、ポリプロピレン繊維織物中へポリアクリロニトリル系カット繊維を交絡させた後、乾燥し、ポリプロピレン繊維/ポリアクリロニトリル系繊維の重量比が2/3、厚み300μmの複合シートを作成した。この複合シ−トを145℃で加圧下に熱処理し、ポリプロピレン繊維が融着し、多孔質構造の支持相を有するシ−トとした。
【0044】
実施例1と同様に電解液を含浸し、アクリロニトリル系繊維が膨潤し半透明な状態になるまで常温放置した。
【0045】
得られたゲルシートの電気的測定を行ったところ、室温での導電率は5.4×10-3S/cmであった。
【0046】
【発明の効果】
本発明はイオン導電率が高く、かつ強度的にも優れ、且つその製法において環境負荷の小さいイオン導電性高分子ゲル電解質シ−トを提供することが出来る。本発明により提供される高分子ゲル状電解質シ−トは、リチウムイオン二次電池をはじめリチウム金属二次電池用の固定電解質として有用である。さらに、電池を組み立てる場合に連続工程が採用でき、また溶媒の蒸発工程を必要とせず工程的にも環境問題的にも有効であるためその工業的意味は大きい。
Claims (5)
- 実質的に非水電解液に溶解しない高分子重合体よりなる繊維状物又はパルプ状物よりなる支持相Aと、実質的に非水電解液により溶解又は可塑化しうる高分子重合体の繊維状物又はパルプ状物からなるマトリックス形成相Bとが一体化され、かつ、支持相Aが連続相を形成したものである事を特徴とするイオン導電性ゲル電解質形成用シ−ト。
- 支持相Aの両面にマトリックス形成相Bを設けたことを特徴とする請求項1記載のゲル電解質形成用シ−ト。
- マトリックス形成相Bを構成する高分子重合体がアクリロニトリル単量体ユニットを50wt%以上含むアクリロニトリル系重合体である請求項1、又は、2記載のイオン導電性ゲル電解質形成用シ−ト。
- 請求項1ないし3のいずれか1項記載のゲル電解質形成用シ−トに、電解質塩および非水溶媒を含浸した後、マトリックス形成相Bをゲル化させることを特徴とするイオン導電性ゲル電解質シ−トの製造方法。
- 非水溶媒がプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルフォキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドから選ばれた少なくとも1種類を含む請求項4記載のイオン導電性ゲル電解質シ−トの製造方法。
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1997
- 1997-09-29 JP JP26427197A patent/JP3707213B2/ja not_active Expired - Fee Related
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