JP3705182B2 - 水循環装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、循環ポンプによって圧送される水が、循環供給管路を通って循環ポンプに戻る水循環装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は水素などの燃料と空気などの酸化剤とを電気化学的に反応させることにより、燃料のもつ化学的エネルギを直接電気エネルギに変換する装置であり、近年家庭向けの定置式発電システムや、自動車等移動体の動力源などへの利用が広がりつつある。その中でも電解質に高分子イオン交換膜を用いた固体高分子電解質型燃料電池は、出力密度が高いこと、構造が単純なこと、動作温度が比較的低いことなどの好ましい特徴が多くあり、より一層の技術開発への期待が高まっている。
【0003】
このような固体高分子電解質型燃料電池(PEFC)における単位セル電池の構成を、図13を用いて説明する。すなわち、イオン導電性を有する固体高分子膜1を間に挟んで、アノード電極3およびカソード電極5がそれぞれ配置されている。アノード電極3に隣接した位置には、アノード電極3に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給溝7が、カソード電極5に隣接した位置には、カソード電極5に酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス供給溝9が、それぞれ設けられている。
【0004】
上記した燃料ガス供給溝7および酸化剤ガス供給溝9のそれぞれの外側には、導電性を有するガス不透過性のアノードセパレータ11およびカソードセパレータ13が設けられている。アノードセパレータ11のさらに外側には、導電性を有するガスおよび水不透過性の水セパレータ15が、そのさらに外側には、発電に伴って発生する余分の熱を取り除くことにより、電池スタック温度を適正に保つためのスタック冷却水を流す冷却水供給溝17が、それぞれ設けられている。
【0005】
上記した固体高分子膜1〜冷却水供給溝17の各構成要素によって、単位セル電池19が構成されている。
【0006】
以上のような固体高分子電解質型燃料電池においては、アノード電極3に燃料ガスを、カソード電極5に酸化剤ガスをそれぞれ供給すると、単位セル電池19の一対の電極3,5間で電気化学反応により、以下のように起電力が生じる。
【0007】
アノード反応:H2 →2H+ +2e-
カソード反応:2H+ +1/2O2 +2e- →2H2 O
すなわち、通常、燃料ガスとしては水素が使用され、酸化剤ガスとしては空気が使用されるが、まず、アノード電極3に水素を、カソード電極5に空気をそれぞれ供給すると、アノード電極3では、供給された水素が水素イオンと電子に解離する。そして水素イオンは固体高分子膜1を通り、電子は図示しない外部回路を通って、それぞれカソード電極5に移動する。
【0008】
一方、カソード電極5においては、供給された空気中の酸素と上記水素イオンおよび電子とが反応して水を生成する。このとき外部回路を通った電子は電流となり電力を供給することができる。つまり、アノード電極3およびカソード電極5においては、それぞれ上述した化学反応式に示す反応が進行する。なお、生成された水は未反応ガスと共に電池外に排出される。
【0009】
ところで、単位セル電池19の起電力は1V以下と低いため、通常の実用型燃料電池システムは、数十〜数百枚の単位セル電池19を積層した電池スタックを有し、この電池スタックによる発電を行なっている。
【0010】
以上のような固体高分子電解質型燃料電池に使用されるイオン導電性を有する固体高分子膜1としては、例えば、プロトン交換膜であるパーフルオロロカーボンスルホン酸(NafionR :米国デュポン社)が知られている。この膜は、分子中に水素イオンの交換基をもち、飽和含水することによりイオン導電性電解質として機能するとともに、燃料と酸化剤とを分離する機能も有する。逆に、膜の含水量が少なくなると、イオン抵抗が高くなり、燃料と酸化剤が混合するクロスオーバが発生し、電池での発電が困難となる。このため、固体高分子膜は飽和含水としておくことが望ましい。
【0011】
一方、発電によりアノード電極3で分離した水素イオンが固体高分子膜1を通りカソード電極5に移動するときに、水も一緒に移動するため、アノード電極3側では固体高分子膜1は乾燥する傾向にある。また、供給する燃料または空気に含まれる水蒸気が少ないと、それぞれの反応ガス入口付近で固体高分子膜1は乾燥する傾向にある。このような理由から、固体高分子電解質型燃料電池には、あらかじめ加湿した燃料と酸化剤を供給することが一般的に行われている。
【0012】
よって、このような燃料電池システムには、燃料と酸化剤を加湿する加湿器に、加湿水を循環供給する管路や、発電によって生じる燃料電池スタック内の余分な熱を除去するための燃料電池冷却水を循環供給する管路、または補機類用の冷却水を循環供給する管路などの水循環装置が具備されることが多い。
【0013】
以上で述べたような燃料電池システムにおける水循環装置の従来技術として、特開平11−273704号公報に記載されたものが知られている。これは、メインタンクに蓄えられた水を、循環ポンプによって吸い出し、供給管を通して燃料電池スタックへ送出し、燃料電池スタックからは排出管を通して、メインタンクに戻すことにより、燃料電池スタックに内部加湿水、または冷却水を循環供給する構成になっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述のような従来の燃料電池システムの水循環装置では、次のような問題点がある。
【0015】
燃料電池スタックへ水を送り込む供給管の一部が、循環流路全体に対して相対的に高い位置になる可能性があり、このとき循環ポンプで水を流しても、前記の相対的に高い位置にある供給管内の特に上側に空気が残りやすく、循環水中に空気気泡が混入したり、もしくは実質的な循環水量が低下することで、水量が、要求される量に対して不足する状況が発生しやすくなる。
【0016】
よって結果として、空気気泡の押し出しのためや実質的な水量を確保するために、循環ポンプ駆動に必要以上のエネルギが消費されることになり、燃料電池システム全体のエネルギ効率が低下したり、循環水量不足が続くと、電解質膜の含水量不足や燃料電池の冷却不良が発生する。
【0017】
また循環ポンプの吸入口付近の配管については、相対的に高い位置にない場合でも、循環ポンプ吸入口付近の配管内に空気が残ってしまうと、循環ポンプを回転させても充分な量の水を吸入吐出できなくなる。
【0018】
そこで、この発明は、水が循環する循環供給管路中の空気を効率よく排出できるようにすることを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、循環ポンプによって圧送される水が、循環供給管路を通って前記循環ポンプに戻る水循環装置において、前記循環供給管路のうち、その前後の配管部に比べて高さ位置が相対的に高くなっている配管部に、上下方向に延長される分岐管の下端を連通接続し、この分岐管の上端は、前記循環供給管路を循環する水が常に下部に存在している空気排出容器の下部に接続され、前記空気排出容器の上部に、この空気排出容器の内圧を大気に開放する大気開放通路を設け、この大気開放通路に、通路の遮断および開放を行なう大気開放手段を設け、前記循環供給管路に設置された複数個の前記空気排出容器のうち、高さが最も高い位置にある空気排出容器の前記大気開放手段は、燃料電池システムの運転停止時から次回運転開始時までの間は、開いている構成としてある。
【0020】
請求項2の発明は、請求項1の発明の構成において、前記循環供給管路中の前記循環ポンプの吸入口付近に、上下方向に延長される分岐管の下端を連通接続し、この分岐管の上端は、前記循環供給管路を循環する水が常に下部に存在している空気排出容器の下部に接続されている
請求項3の発明は、請求項1または2の発明の構成において、電解質膜が燃料極と酸化剤極との間に配置された単電池を少なくとも一つ有する燃料電池スタックを備えるとともに、前記燃料極に供給する燃料と前記酸化剤極に供給する酸化剤との少なくとも一方の被加湿ガスに加湿水を供給して加湿する加湿手段を備え、前記循環供給管路は、前記加湿手段内に形成されている加湿水流路を含んでいる構成としてある。
【0021】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明の構成において、電解質膜が燃料極と酸化剤極との間に配置された単電池を少なくとも一つ有する燃料電池スタックを備え、この燃料電池スタックには、その内部で生じる反応熱を除去するための冷却水が通過する冷却水流路が設けられ、前記循環供給管路は、この冷却水流路を含んでいる構成としてある。
【0022】
請求項5の発明は、請求項3の発明の構成において、前記加湿手段は、被加湿ガス流路と加湿水流路との間に透湿性の膜が配置された膜式加湿器であり、この膜式加湿器の上部の前記加湿水流路に、上下方向に延長される分岐管の下端を連通接続し、この分岐管の上端は、前記循環供給管路を循環する水が常に下部に存在している空気排出容器の下部に接続されている構成としてある。
【0025】
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明の構成において、前記空気排出容器に、内部の水の液位を検知する液位検知手段を設け、この液位検知手段からの液位検知信号に応じて、前記大気開放手段を開閉制御する構成としてある。
【0026】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、前後の配管部に比べて高さ位置が相対的に高い位置にある循環供給管路に下端を接続した分岐管の上端を、循環供給管路を循環する水が常に下部に存在している空気排出容器の下部に接続するようにしたので、循環供給管路内の空気を素早く空気排出容器へ追いやることができ、循環供給管路内の空気の排出を効率よく行え、空気抜きのための実質循環水量を確保するための余分な循環ポンプの駆動仕事が不要となる。
また、空気排出容器の上部に、空気排出容器の内圧を大気に開放する大気開放通路を設け、この大気開放通路の途中に通路の遮断および開放を行なう大気開放手段を配置したので、燃料電池システムの運転中に、循環供給管路内から空気排出容器内に送り込まれて滞留する空気の量が増えた場合でも、大気開放手段を一時的に開放することで、運転を停止することなく空気排出容器の内圧と大気圧との差圧によって空気排出容器内の空気を大気中へ排出でき、この結果空気排出容器の空気貯蔵能力を再生することができ、システムの運転性が向上する。また、この大気開放通路は、水注入時の注入口としても利用可能であり、循環供給管路の相対的に高い場所から注入することができるため、空気を循環供給管路に閉じこめることなく、水交換作業を効率的に行うことができる。
さらに、循環供給管路に設置された複数個の空気排出容器のうち、高さが最も高い位置にある空気排出容器の大気開放手段は、燃料電池システムの運転停止時から次回運転開始時までの間は、開いているので、循環供給管路内の循環水が自然冷却、体積収縮してゆく過程で、水の収縮分に対応した空気が大気開放手段を通じて空気排出容器内に流入することになる。その結果として、冷却時に循環供給管路内の各部が負圧になることが回避され、循環供給管路の継ぎ目などからの空気の吸い込みを防止することができ、次回運転開始時の空気抜き作業を容易にし、燃料電池システムの起動特性を改善することができる。
【0027】
請求項2の発明によれば、循環供給管路中の循環ポンプの吸入口付近に、分岐管の下端を連通接続し、この分岐管の上端は、循環供給管路を循環する水が常に下部に存在している空気排出容器の下部に接続するようにしたので、循環ポンプの吸入口付近の循環供給管路内に空気が存在している場合でも、空気排出容器に容易に空気を移動させることができ、循環供給管路内の空気の排出を効率よく行え、循環ポンプは、常に安定した量の水を吐出することができる。
【0028】
請求項3の発明によれば、循環供給管路は、燃料電池スタックに供給する燃料と酸化剤との少なくとも一方の被加湿ガスに加湿水を供給して加湿する加湿手段内の加湿水流路を含んでおり、この循環供給管路内の空気を素早く空気排出容器へ追いやることで、循環ポンプの駆動力は、加湿手段での要求量を満たすだけの必要最小限の循環水量に対応する分に抑えながら、燃料電池システムの運転が可能となり、結果としてシステム全体のエネルギ効率を高めることができる。また、循環ポンプ吸入口付近の循環供給管路内の空気を空気排出容器に移動させることで、この部位での空気抜きが容易になるので、循環水量が不足する状況を回避でき、被加湿ガスの加湿量制御が容易になり、燃料電池の電解質膜の含水率を適正に維持することができ、燃料電池スタックの耐久性、信頼性を高めることができる。
【0029】
請求項4の発明によれば、循環供給管路は、燃料電池スタックの内部で生じる反応熱を除去するための冷却水が通過する冷却水流路を含んでおり、この循環供給管路内の空気を素早く空気排出容器へ追いやることで、循環ポンプの駆動力は、燃料電池スタックでの余分な熱を除去するのに必要とされるだけの循環水量に対応する分に抑えながら、燃料電池システムの運転が可能となり、結果としてシステム全体のエネルギ効率を高めることができる。また、循環ポンプ吸入口付近の循環供給管路内の空気を空気排出容器に移動させることで、この部位での空気抜きが容易になるので、循環水量が不足する状況を回避でき、冷却水量制御が容易になり、燃料電池スタックの耐久性、信頼性を高めることができる。
【0030】
請求項5の発明によれば、加湿手段として膜式加湿器を用い、この膜式加湿器の上部に、内部の加湿水流路と分岐管で連結された空気排出容器を備えているので、循環供給管路内の水を交換する場合などには、加湿水流路が狭く複雑な構造をしていて、一般的に空気抜きが困難な膜式加湿器内部の空気も、加湿器内部の加湿水流路から空気排出容器へと容易に追いやることができ、加湿水の交換直後の運転時であっても、循環ポンプの駆動力は必要最小限に抑えることが可能であり、結果として、燃料電池システム全体のエネルギ効率をさらに高めることができる。
【0033】
請求項6の発明によれば、空気排出容器に内部の液位を検知できる液位検知手段を設け、液位検知手段からの液位検知信号に応じて、大気開放手段を開閉制御するようにしたので、空気排出容器内の液位、および液位の変化を正確に検知でき、適切なタイミングで効果的に空気排出容器内の空気を大気中へ排出することが可能となる。その結果として、燃料電池システム運転中も空気排出容器における空気抜き性能を安定化することができ、運転性をより高めることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0035】
図1は、この発明の第1の実施形態を示す水循環装置の概略的な全体構成図である。
【0036】
循環供給管路21には、循環供給管路21内に充填された水を循環させる循環ポンプとしての水循環ポンプ23および、循環する水を利用する水利用機器25がそれぞれ設けられている。水循環ポンプ23の吐出口から吐出された水は、循環供給管路21内を流れて水利用機器25に供給される。水利用機器25で利用された後排出された水は、再度循環供給管路21内を流れて水循環ポンプ23の吸入口に戻る。
【0037】
水利用機器25としては、例えば燃料電池システムにおける加湿器や、冷却水が供給される燃料電池スタックがある。
【0038】
燃料電池スタックは、電解質膜が燃料極と酸化剤極との間に配置された単電池を少なくとも一つ有するものであり、燃料極に供給する燃料と酸化剤極に供給する酸化剤との少なくとも一方の被加湿ガスに、上記した加湿器により加湿水を供給する。したがって、この場合の循環供給管路21には、加湿水が流れることになる。
【0039】
また、燃料電池スタックには、発電に伴って発生する余分の熱を取り除くことにより、電池スタック温度を適正に保つためのスタック冷却水を流す冷却水供給溝が設けられている。したがって、この場合の循環供給管路21には、スタック冷却水が流れることになる。
【0040】
このような燃料電池システム内の循環供給管路21は、システムを構成する各装置、各機器のレイアウトの都合により、上下の高さ位置が高くなったり低くなったりすることが避けられない。このような高さが変化しながら流れる循環供給管路21において、その前後の配管部に比べて上下方向の高さ位置が相対的に高くなっている配管部の複数箇所21a,21b,21cおよび、水循環ポンプ23の吸入口付近21dのそれぞれの上部に、空気排出容器としての空気抜き用の気液分離タンク27を設けている。
【0041】
図2は、図1のA−A断面図である。気液分離タンク27の下部には、上下方向に延長された分岐管29の上端が連通接続され、この分岐管29の下端は循環供給管路21に連通接続されている。気液分離タンク27内には、循環供給管路21内を循環する水が常に所定量存在している。
【0042】
上記図1に示した水循環装置では、水循環ポンプ23が作動することで、水循環ポンプ23から吐出された水が水利用機器25に供給され、ここで利用された水は水利用機器25から排出されて、再度循環供給管路21内を流れ、水循環ポンプ23に戻る。
【0043】
このとき、循環供給管路21内に、例え空気などの気体が混入しても、循環供給管路21内の相対的に高くなっている場所(複数箇所21a,21b,21c)に気水分離タンク27が設置されているので、水を循環させているうちに空気などの気体は、この気水分離タンク27内へ分岐管29を介して容易に導かれる。これにより、空気抜きのための実質循環水量を確保するための余分な水循環ポンプ23の駆動仕事が不要となり、水利用機器25を含む水循環装置全体のエネルギ効率が向上する。
【0044】
また、水循環ポンプ23の吸入口付近21dにも気水分離タンク27が設置されているので、例え水循環ポンプ23の吸入口付近21dの循環供給管路21内に空気が存在している場合でも、気水分離タンク27内に容易に空気を移動させることができる。これにより、循環供給管路21内の空気混入状態は速やかに解消され、水循環ポンプ23は、常に安定した量の水を吐出することができ、水循環装置全体の運転性も向上する。
【0045】
図3は、この発明の第2の実施形態を示す水循環装置の概略的な全体構成図である。この第2の実施形態は、固体高分子電解質型燃料電池システムの加湿用純水循環装置に適用したものである。燃料電池スタックへ供給される燃料および酸化剤ガスをそれぞれ加湿するための加湿水は、電池電極間の短絡などを防ぐため、イオン成分が含まれていない導電率の低い純水とされることが一般的である。
【0046】
この水循環装置における循環供給管路31には、循環供給管路31内に充填された純水を循環させる循環ポンプとしての純水循環ポンプ33、循環する純水を利用する水利用機器としての加湿手段である膜式加湿器35および、熱交換器37がそれぞれ設けられている。
【0047】
膜式加湿器35には、上記した循環供給管路31が接続されるとともに、被加湿ガスである燃料や酸化剤が流れる被加湿ガス管路39が接続されており、膜式加湿器35内には、これら各循環供給管路31および被加湿ガス管路39に接続される加湿水流路および被加湿ガス流路がそれぞれ形成されている。この加湿水流路と被加湿ガス流路との間に透湿性の膜が配置されており、加湿水が被加湿ガスに直接接触して加湿を行う。
【0048】
熱交換器37には、上記した循環供給管路31が接続されるとともに、燃料電池スタックの冷却水などの高温流体が流れる高温流体管路41が接続され、高温流体管路41内の高温流体と、循環供給管路31を流れる加湿水とが熱交換する。
【0049】
また、純水循環ポンプ33の吸入口付近31bにおける循環供給管路31には、純水供給管43を介して純水貯蔵タンク45が接続されている。
【0050】
そして、上記した循環供給管路31において、その前後配管部に比べて上下方向の高さ位置が相対的に高くなっている配管部の箇所31aおよび、純水循環ポンプ33の吸入口付近31bにおける純水供給管43の接続部より上流側のそれぞれの上部に、前記図2に示したものと同様に、分岐管29を介して循環供給管路31に接続される空気抜き用の気液分離タンク27をそれぞれ設けている。
【0051】
なお、循環供給管路31において、その前後配管部に比べて上下方向の高さ位置が相対的に高くなっている配管部の箇所31aは、1つとしているが、図1ののように複数あってもよく、この複数箇所に気液分離タンク27をそれぞれ設けても構わない。
【0052】
上記図3に示した水循環装置では、まず純水貯蔵タンク45に貯蔵された純水が純水循環ポンプ33に吸入され、出口側に吐出される。吐出された純水は、循環供給管路31を通って膜式加湿器35に供給される。膜式加湿器35内部では、前述したように被加湿ガス流路を通過する被加湿ガスと純水とが膜を介して接触することで、被加湿ガスを加湿する。
【0053】
このとき同時に、純水の持っている熱の一部も被加湿ガスに与えることで、被加湿ガスの温度も上昇する。膜式加湿器35から流出する温度の低下した純水は、再び循環供給管路31を通って熱交換器37に供給される。熱交換器37においては、高温流体管路41を通ってくる燃料電池スタックの冷却水などの高温流体と、加湿器35で熱の奪われた純水とで熱交換を行なう。純水は、熱を得て高温化した後、さらに循環供給管路31を流れて純水循環ポンプ33の吸入口側に戻ることで、循環供給管路31を循環してゆく。
【0054】
このとき、循環供給管路31内に、例え空気などの気体が混入しても、循環供給管路31内の相対的に高くなっている場所(箇所31a)に、気水分離タンク27が設置されているので、純水を循環させているうちに空気などの気体は、この気水分離タンク27内へ容易に導かれる。これにより、空気抜きのための実質循環純水量を確保するための余分な純水循環ポンプ33の駆動仕事が不要となり、燃料電池システム全体のエネルギ効率が向上する。
【0055】
また、純水循環ポンプ33の吸入口付近31bにも気水分離タンク27が設置されているので、例え純水循環ポンプ33の吸入口付近31bの循環供給管路31内に空気が存在していた場合でも、気水分離タンク27内に容易に空気を移動させることができる。これにより、循環供給管路31内の空気混入状態は速やかに解消され、純水循環ポンプ33は、常に安定した量の純水を吐出することができ、燃料電池システムの運転性も向上する。
【0056】
図4は、この発明の第3の実施形態を示す水循環装置の概略的な全体構成図である。この第3の実施形態は、固体高分子電解質型燃料電池システムの燃料電池スタックに対する冷却水循環装置に適用したものである。
【0057】
この水循環装置における循環供給管路51には、循環供給管路51内に充填された冷却水を循環させる循環ポンプとしての冷却水循環ポンプ53、循環する冷却水を利用する水利用機器としての燃料電池スタック55、熱交換器57およびラジエータ59がそれぞれ設けられている。
【0058】
燃料電池スタック55には、上記した循環供給管路51が接続されるとともに、反応ガスが流れる反応ガス管路61が接続されており、燃料電池スタック55内には、これら各循環供給管路51および反応ガス管路61に接続される冷却水流路および反応ガス流路がそれぞれ形成されている。
【0059】
熱交換器57には、上記した循環供給管路51が接続されるとともに、燃料電池スタック55の加湿器通過後の純水などの低温流体が流れる低温流体管路63が接続され、低温流体管路63内の低温流体と、循環供給管路51を流れる冷却水とが熱交換する。
【0060】
また、冷却水循環ポンプ53の吸入口付近51bの循環供給管路51には、純水供給管65を介して冷却水貯蔵タンク67が接続されている。
【0061】
そして、上記した循環供給管路51において、その前後の配管部に比べて上下方向の高さ位置が相対的に高くなっている配管部の箇所51aの上部に、前記図2に示したものと同様に、分岐管29を介して循環供給管路51に接続される空気抜き用の気液分離タンク27を設けている。
【0062】
なお、循環供給管路51において、その前後配管部に比べて上下方向の高さ位置が相対的に高くなっている配管部の箇所51aは、1つとしているが、図1ののように複数あってもよく、この複数箇所に気液分離タンク27をそれぞれ設けても構わない。
【0063】
上記図4に示した水循環装置では、まず冷却水貯蔵タンク67に貯蔵された純水が、冷却水循環ポンプ53に吸入され、出口側に吐出される。吐出された冷却水は、循環供給管路51を通って燃料電池スタック55に供給される。燃料電池スタック55内部では、反応ガス管路61から流れてくる燃料ガスと酸化剤ガスとが反応して電力を発生し、その際に余分な熱を循環供給管路51を流れてくる冷却水に吸収させることで、燃料電池スタック55の内部温度を適正に保つ。
【0064】
燃料電池スタック55から流出する高温化した冷却水は、再び循環供給管路51を通って熱交換器57に供給される。熱交換器57においては、低温流体管路63を通ってくる加湿器通過後の純水などの低温流体と、燃料電池スタック55で高温化した冷却水とで熱交換を行なう。冷却水は、熱を放出して低温化した後、さらに循環供給管路51を流れてラジエータ59にてさらに余分な熱を大気中に放出することで温度を下げ、冷却水循環ポンプ53の吸入口側に戻ることで、循環供給管路51を循環してゆく。
【0065】
このとき、循環供給管路51内に、例え空気などの気体が混入しても、循環供給管路51内の相対的に高くなっている場所(箇所51a)に、気水分離タンク27が設置されているので、冷却水が循環しているうちに空気などの気体は、この気水分離タンク27内に容易に導かれる。これにより、空気抜きのためや実質循環冷却水量を確保するための余分な冷却水循環ポンプ53の駆動仕事が不要となり、燃料電池システム全体のエネルギ効率が向上する。
【0066】
なお、この例においても、図3のものと同様に、冷却水循環ポンプ53の吸入口付近51bに、気水分離タンク27を設置することで、例え冷却水循環ポンプ53の吸入口付近51bの循環供給管路51内に空気が存在していた場合でも、気水分離タンク27内に容易に空気を移動させることができる。これにより、循環供給管路51内の空気混入状態は速やかに解消され、冷却水循環ポンプ53は、常に安定した量の冷却水を吐出することができ、燃料電池システムの運転性も向上する。
【0067】
図5は、前記図3の第2の実施形態に係わる水循環装置における膜式加湿器35の内部構成を概略的に示したものである。
【0068】
この膜式加湿器35の内部には、被加湿ガス流路390および加湿水流路310がそれぞれ存在し、図示しない透湿性の膜を挟んで上記被加湿ガスと加湿水(純水)とを接触させ、被加湿ガスを加湿する構造になっている。被加湿ガス流路390は被加湿ガス管路39に、加湿水流路310は循環供給管路31に、それぞれ接続されている。
【0069】
そして、この実施形態にあっては、膜式加湿器35の上部に、前記図2に示したものと同様に、分岐管29を介して加湿水流路310(循環供給管路31)に接続される空気抜き用の気液分離タンク27を設けている。
【0070】
膜式加湿器35内部の加湿水流路310は狭く複雑になっているため、内部の空気が抜けにくいことが一般的であるが、本構成であれば、膜式加湿器35内部の加湿水流路310に存在する空気を、容易に気水分離タンク27へと追いやることができる。
【0071】
特に、純水(加湿水)交換直後の運転時において、膜式加湿器35内部の加湿水流路310内を速やかに純水で満たすことが可能となり、膜式加湿器35の加湿性能を最大限に利用することができる。純水循環ポンプ33(図3参照)は、加湿に必要な分のみを循環すればよいことになるので、余分なポンプ駆動仕事が少なくなり、結果として、燃料電池システム全体のエネルギ効率がさらに向上する。
【0072】
ここで、図6に示すように、前記図2に示してある気水分離タンク27の上部には、タンク内圧を大気開放する大気開放通路69を設け、この大気開放通路69の途中に通路の遮断および開放を行なう大気開放手段としての大気開放弁71を設ける必要がある。
【0073】
この場合、燃料電池システムの運転中に、循環供給管路21内から気水分離タンク27内に送り込まれ滞留する空気の量が増えてきた場合に、大気開放弁71を一時的に開放する。これにより、運転を停止することなく気水分離タンク27の内圧と大気圧との差圧によって気水分離タンク27内の空気を大気中へ放出でき、気水分離タンク27の空気貯蔵能力を再生することができてシステムの運転性が向上する。
【0074】
また、この大気開放通路69は、循環供給管路21への水注入時の注入口としても利用可能であり、循環供給管路21の相対的に高い場所から注入することができるため、空気を循環供給管路21内に閉じこめることなく水交換作業が効率的なものとなる。
【0075】
ここで、図7(a)のように、気水分離タンク27に図6に示したような大気開放通路69が設けられていない場合に、循環供給管路21中をA点、大気中をB点とし、燃料電池システムをある時間運転して循環水の温度が常温より高くなった暖機後に運転を停止して放置するときを想定する。この場合、図7(b)のように、運転停止後の時間経過とともに水温は徐々に下がってゆき、その温度降下に応じて循環水の体積は収縮してゆく。
【0076】
このため、気水分離タンク27が密閉されているような大気開放通路のない図7(a)の場合には、A点圧力はシステム停止直後は大気圧+タンク内水位によって決まる圧力になっているが、図7(b)のように徐々に圧力が低下し、ある時間を経過するとB点圧力(大気圧)を下回って負圧になってしまう。
【0077】
これに対し図8(a)のように、大気開放通路69を備えた気水分離タンク27では、燃料電池システムの運転停止時から次回運転開始時までの間、大気開放通路69を開放しておくことで、前記した図7(b)のように、循環水が自然冷却、体積収縮してゆく過程でも、図8(c)に示すように、常にA点圧力はB点圧力より高く保つことができる。
【0078】
図9は、前記図6における大気開放弁71を開にする制御のフローチャートであり、以下にそのアルゴリズムを説明する。
【0079】
まず、水循環ポンプ23の回転が停止したかどうかが判定される(ステップ901)。停止していない場合は再びステップ901に戻るが、停止したと判定された場合には、大気開放弁71を全開にする(ステップ903)。
【0080】
図10は、前記図6における大気開放弁7を閉にする制御のフローチャートであり、以下にそのアルゴリズムを説明する。
【0081】
まず、システムを起動した後(ステップ1001)、大気開放弁71を全閉にする(ステップ1003)。続いて水循環ポンプ23の運転を開始する(ステップ1005)。
【0082】
このように、気水分離タンク27に、大気開放弁71を備えた大気開放通路69を設けて図9および図10のような制御を行うことで、燃料電池システム運転停止後の冷却時に循環供給管路21内各部が負圧になることを回避でき、循環供給管路21の継ぎ目などからの空気の吸い込みを防止することができる。このため、次回運転開始の空気抜き作業を容易にし、燃料電池システムの起動特性が改善されることになる。
【0083】
またこのとき、循環供給管路21に設置された複数個の気水分離タンク27のうち、高さが最も高い位置にあるタンク上部の大気開放弁71のみを開くという制御を行なうことで、各気水分離タンク27間の水位差によって低い位置にある気水分離タンク27から水が溢れることがなく、システム運営上好ましいものとなる。
【0084】
図11は、前記図6の構成における気水分離タンク27に、タンク内の液位を検知するための液位検知手段としての液位センサ73を設置している。液位センサ73はタンク内の液面に浮遊するフロート73aが、液面の上下に対応してガイドロッド73bにガイドされて上下動し、この上下位置を検知部73cが検知して液位とする。液位センサ73からの液位信号はコントロールユニット75に送られ、液位に応じて大気開放弁71に弁開閉信号を送信する。
【0085】
図12は、上記図11に示した大気開放弁71を開閉制御するためのフローチャートであり、以下にそのアルゴリズムを説明する。
【0086】
まず、気水分離タンク27内の液位が所定下限を下回ったかどうかを判定する(ステップ1201)。所定下限にまだ到達していない場合は再びステップ1201に戻るが、所定下限以下になった場合は、気水分離タンク27内に多くの空気が溜まったと判断して、大気開放弁71を全開にする(ステップ1203)。
【0087】
このときシステム運転中であれば、循環供給管路21内は水循環ポンプ23により加圧された状態であることから正圧となっているため、気水分離タンク27内と大気との圧力差によって気水分離タンク27内に溜まった空気は大気へ放出されるとともに、気水分離タンク27内液位が上昇してゆくことになる。
【0088】
この過程において、気水分離タンク27内の液位が所定上限以上となったかどうかを判定する(ステップ1205)。ここで、液位が所定上限にはまだ到達していない場合は再びステップ1205に戻るが、所定上限以上となった場合は、気水分離タンク27内の空気はほぼ追い出すことができたと判断して、大気開放弁71を全閉にする(ステップ1207)。
【0089】
上記図11の構成において図12のような制御を行うことで、適切なタイミングで効果的に各気水分離タンク27内に留まった空気を大気中に放出することが可能となる。その結果、燃料電池システムの運転中も各気水分離タンク27における空気抜き性能を安定して維持することができ、システムの運転性をより高めることができる。
【0090】
なお、前記した大気開放通路69、大気開放弁71および液位センサ73、コントロールユニット75は、図1における水循環装置に限らず、図3および図5の水循環装置における気水分離タンク27にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示す水循環装置の概略的な全体構成図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】この発明の第2の実施形態を示す水循環装置の概略的な全体構成図である。
【図4】この発明の第3の実施形態を示す水循環装置の概略的な全体構成図である。
【図5】図3の第2の実施形態に係わる水循環装置における膜式加湿器を概略的に示した部構成図である。
【図6】図2に示してある気水分離タンクの上部に、大気開放弁を備えた大気開放通路を接続した構成図である。
【図7】(a)は気水分離タンクの上部に大気開放通路を設けていない構成図、(b)はシステム運転停止後の水温の変化特性図、(c)は運転停止後の循環供給管路内圧力の変化特性図である。
【図8】(a)は気水分離タンクの上部に大気開放通路を設けてある構成図、(b)は運転停止後の循環供給管路内圧力の変化特性図である。
【図9】 図6における大気開放弁を開にする制御のフローチャートである。
【図10】 図6における大気開放弁を閉にする制御のフローチャートである。
【図11】図6の構成における気水分離タンクに液位センサを設置した構成図である。
【図12】図11に示した大気開放弁を開閉制御するためのフローチャートである。
【図13】一般的な固体高分子電解質型燃料電池スタックの構成を示す概略図である。
【符号の説明】
23 水循環ポンプ(循環ポンプ)
21,31,51 循環供給管路
21d,31b 吸入口付近
27 気水分離タンク(空気排出容器)
29 分岐管
33 純水循環ポンプ(循環ポンプ)
35 膜式加湿器(加湿手段)
53 冷却水循環ポンプ(循環ポンプ)
55 燃料電池スタック
69 大気開放通路
71 大気開放弁(大気開放手段)
73 液位センサ(液位検知手段)
310 加湿水流路
390 被加湿ガス流路
【発明の属する技術分野】
この発明は、循環ポンプによって圧送される水が、循環供給管路を通って循環ポンプに戻る水循環装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は水素などの燃料と空気などの酸化剤とを電気化学的に反応させることにより、燃料のもつ化学的エネルギを直接電気エネルギに変換する装置であり、近年家庭向けの定置式発電システムや、自動車等移動体の動力源などへの利用が広がりつつある。その中でも電解質に高分子イオン交換膜を用いた固体高分子電解質型燃料電池は、出力密度が高いこと、構造が単純なこと、動作温度が比較的低いことなどの好ましい特徴が多くあり、より一層の技術開発への期待が高まっている。
【0003】
このような固体高分子電解質型燃料電池(PEFC)における単位セル電池の構成を、図13を用いて説明する。すなわち、イオン導電性を有する固体高分子膜1を間に挟んで、アノード電極3およびカソード電極5がそれぞれ配置されている。アノード電極3に隣接した位置には、アノード電極3に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給溝7が、カソード電極5に隣接した位置には、カソード電極5に酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス供給溝9が、それぞれ設けられている。
【0004】
上記した燃料ガス供給溝7および酸化剤ガス供給溝9のそれぞれの外側には、導電性を有するガス不透過性のアノードセパレータ11およびカソードセパレータ13が設けられている。アノードセパレータ11のさらに外側には、導電性を有するガスおよび水不透過性の水セパレータ15が、そのさらに外側には、発電に伴って発生する余分の熱を取り除くことにより、電池スタック温度を適正に保つためのスタック冷却水を流す冷却水供給溝17が、それぞれ設けられている。
【0005】
上記した固体高分子膜1〜冷却水供給溝17の各構成要素によって、単位セル電池19が構成されている。
【0006】
以上のような固体高分子電解質型燃料電池においては、アノード電極3に燃料ガスを、カソード電極5に酸化剤ガスをそれぞれ供給すると、単位セル電池19の一対の電極3,5間で電気化学反応により、以下のように起電力が生じる。
【0007】
アノード反応:H2 →2H+ +2e-
カソード反応:2H+ +1/2O2 +2e- →2H2 O
すなわち、通常、燃料ガスとしては水素が使用され、酸化剤ガスとしては空気が使用されるが、まず、アノード電極3に水素を、カソード電極5に空気をそれぞれ供給すると、アノード電極3では、供給された水素が水素イオンと電子に解離する。そして水素イオンは固体高分子膜1を通り、電子は図示しない外部回路を通って、それぞれカソード電極5に移動する。
【0008】
一方、カソード電極5においては、供給された空気中の酸素と上記水素イオンおよび電子とが反応して水を生成する。このとき外部回路を通った電子は電流となり電力を供給することができる。つまり、アノード電極3およびカソード電極5においては、それぞれ上述した化学反応式に示す反応が進行する。なお、生成された水は未反応ガスと共に電池外に排出される。
【0009】
ところで、単位セル電池19の起電力は1V以下と低いため、通常の実用型燃料電池システムは、数十〜数百枚の単位セル電池19を積層した電池スタックを有し、この電池スタックによる発電を行なっている。
【0010】
以上のような固体高分子電解質型燃料電池に使用されるイオン導電性を有する固体高分子膜1としては、例えば、プロトン交換膜であるパーフルオロロカーボンスルホン酸(NafionR :米国デュポン社)が知られている。この膜は、分子中に水素イオンの交換基をもち、飽和含水することによりイオン導電性電解質として機能するとともに、燃料と酸化剤とを分離する機能も有する。逆に、膜の含水量が少なくなると、イオン抵抗が高くなり、燃料と酸化剤が混合するクロスオーバが発生し、電池での発電が困難となる。このため、固体高分子膜は飽和含水としておくことが望ましい。
【0011】
一方、発電によりアノード電極3で分離した水素イオンが固体高分子膜1を通りカソード電極5に移動するときに、水も一緒に移動するため、アノード電極3側では固体高分子膜1は乾燥する傾向にある。また、供給する燃料または空気に含まれる水蒸気が少ないと、それぞれの反応ガス入口付近で固体高分子膜1は乾燥する傾向にある。このような理由から、固体高分子電解質型燃料電池には、あらかじめ加湿した燃料と酸化剤を供給することが一般的に行われている。
【0012】
よって、このような燃料電池システムには、燃料と酸化剤を加湿する加湿器に、加湿水を循環供給する管路や、発電によって生じる燃料電池スタック内の余分な熱を除去するための燃料電池冷却水を循環供給する管路、または補機類用の冷却水を循環供給する管路などの水循環装置が具備されることが多い。
【0013】
以上で述べたような燃料電池システムにおける水循環装置の従来技術として、特開平11−273704号公報に記載されたものが知られている。これは、メインタンクに蓄えられた水を、循環ポンプによって吸い出し、供給管を通して燃料電池スタックへ送出し、燃料電池スタックからは排出管を通して、メインタンクに戻すことにより、燃料電池スタックに内部加湿水、または冷却水を循環供給する構成になっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述のような従来の燃料電池システムの水循環装置では、次のような問題点がある。
【0015】
燃料電池スタックへ水を送り込む供給管の一部が、循環流路全体に対して相対的に高い位置になる可能性があり、このとき循環ポンプで水を流しても、前記の相対的に高い位置にある供給管内の特に上側に空気が残りやすく、循環水中に空気気泡が混入したり、もしくは実質的な循環水量が低下することで、水量が、要求される量に対して不足する状況が発生しやすくなる。
【0016】
よって結果として、空気気泡の押し出しのためや実質的な水量を確保するために、循環ポンプ駆動に必要以上のエネルギが消費されることになり、燃料電池システム全体のエネルギ効率が低下したり、循環水量不足が続くと、電解質膜の含水量不足や燃料電池の冷却不良が発生する。
【0017】
また循環ポンプの吸入口付近の配管については、相対的に高い位置にない場合でも、循環ポンプ吸入口付近の配管内に空気が残ってしまうと、循環ポンプを回転させても充分な量の水を吸入吐出できなくなる。
【0018】
そこで、この発明は、水が循環する循環供給管路中の空気を効率よく排出できるようにすることを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、循環ポンプによって圧送される水が、循環供給管路を通って前記循環ポンプに戻る水循環装置において、前記循環供給管路のうち、その前後の配管部に比べて高さ位置が相対的に高くなっている配管部に、上下方向に延長される分岐管の下端を連通接続し、この分岐管の上端は、前記循環供給管路を循環する水が常に下部に存在している空気排出容器の下部に接続され、前記空気排出容器の上部に、この空気排出容器の内圧を大気に開放する大気開放通路を設け、この大気開放通路に、通路の遮断および開放を行なう大気開放手段を設け、前記循環供給管路に設置された複数個の前記空気排出容器のうち、高さが最も高い位置にある空気排出容器の前記大気開放手段は、燃料電池システムの運転停止時から次回運転開始時までの間は、開いている構成としてある。
【0020】
請求項2の発明は、請求項1の発明の構成において、前記循環供給管路中の前記循環ポンプの吸入口付近に、上下方向に延長される分岐管の下端を連通接続し、この分岐管の上端は、前記循環供給管路を循環する水が常に下部に存在している空気排出容器の下部に接続されている
請求項3の発明は、請求項1または2の発明の構成において、電解質膜が燃料極と酸化剤極との間に配置された単電池を少なくとも一つ有する燃料電池スタックを備えるとともに、前記燃料極に供給する燃料と前記酸化剤極に供給する酸化剤との少なくとも一方の被加湿ガスに加湿水を供給して加湿する加湿手段を備え、前記循環供給管路は、前記加湿手段内に形成されている加湿水流路を含んでいる構成としてある。
【0021】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明の構成において、電解質膜が燃料極と酸化剤極との間に配置された単電池を少なくとも一つ有する燃料電池スタックを備え、この燃料電池スタックには、その内部で生じる反応熱を除去するための冷却水が通過する冷却水流路が設けられ、前記循環供給管路は、この冷却水流路を含んでいる構成としてある。
【0022】
請求項5の発明は、請求項3の発明の構成において、前記加湿手段は、被加湿ガス流路と加湿水流路との間に透湿性の膜が配置された膜式加湿器であり、この膜式加湿器の上部の前記加湿水流路に、上下方向に延長される分岐管の下端を連通接続し、この分岐管の上端は、前記循環供給管路を循環する水が常に下部に存在している空気排出容器の下部に接続されている構成としてある。
【0025】
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明の構成において、前記空気排出容器に、内部の水の液位を検知する液位検知手段を設け、この液位検知手段からの液位検知信号に応じて、前記大気開放手段を開閉制御する構成としてある。
【0026】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、前後の配管部に比べて高さ位置が相対的に高い位置にある循環供給管路に下端を接続した分岐管の上端を、循環供給管路を循環する水が常に下部に存在している空気排出容器の下部に接続するようにしたので、循環供給管路内の空気を素早く空気排出容器へ追いやることができ、循環供給管路内の空気の排出を効率よく行え、空気抜きのための実質循環水量を確保するための余分な循環ポンプの駆動仕事が不要となる。
また、空気排出容器の上部に、空気排出容器の内圧を大気に開放する大気開放通路を設け、この大気開放通路の途中に通路の遮断および開放を行なう大気開放手段を配置したので、燃料電池システムの運転中に、循環供給管路内から空気排出容器内に送り込まれて滞留する空気の量が増えた場合でも、大気開放手段を一時的に開放することで、運転を停止することなく空気排出容器の内圧と大気圧との差圧によって空気排出容器内の空気を大気中へ排出でき、この結果空気排出容器の空気貯蔵能力を再生することができ、システムの運転性が向上する。また、この大気開放通路は、水注入時の注入口としても利用可能であり、循環供給管路の相対的に高い場所から注入することができるため、空気を循環供給管路に閉じこめることなく、水交換作業を効率的に行うことができる。
さらに、循環供給管路に設置された複数個の空気排出容器のうち、高さが最も高い位置にある空気排出容器の大気開放手段は、燃料電池システムの運転停止時から次回運転開始時までの間は、開いているので、循環供給管路内の循環水が自然冷却、体積収縮してゆく過程で、水の収縮分に対応した空気が大気開放手段を通じて空気排出容器内に流入することになる。その結果として、冷却時に循環供給管路内の各部が負圧になることが回避され、循環供給管路の継ぎ目などからの空気の吸い込みを防止することができ、次回運転開始時の空気抜き作業を容易にし、燃料電池システムの起動特性を改善することができる。
【0027】
請求項2の発明によれば、循環供給管路中の循環ポンプの吸入口付近に、分岐管の下端を連通接続し、この分岐管の上端は、循環供給管路を循環する水が常に下部に存在している空気排出容器の下部に接続するようにしたので、循環ポンプの吸入口付近の循環供給管路内に空気が存在している場合でも、空気排出容器に容易に空気を移動させることができ、循環供給管路内の空気の排出を効率よく行え、循環ポンプは、常に安定した量の水を吐出することができる。
【0028】
請求項3の発明によれば、循環供給管路は、燃料電池スタックに供給する燃料と酸化剤との少なくとも一方の被加湿ガスに加湿水を供給して加湿する加湿手段内の加湿水流路を含んでおり、この循環供給管路内の空気を素早く空気排出容器へ追いやることで、循環ポンプの駆動力は、加湿手段での要求量を満たすだけの必要最小限の循環水量に対応する分に抑えながら、燃料電池システムの運転が可能となり、結果としてシステム全体のエネルギ効率を高めることができる。また、循環ポンプ吸入口付近の循環供給管路内の空気を空気排出容器に移動させることで、この部位での空気抜きが容易になるので、循環水量が不足する状況を回避でき、被加湿ガスの加湿量制御が容易になり、燃料電池の電解質膜の含水率を適正に維持することができ、燃料電池スタックの耐久性、信頼性を高めることができる。
【0029】
請求項4の発明によれば、循環供給管路は、燃料電池スタックの内部で生じる反応熱を除去するための冷却水が通過する冷却水流路を含んでおり、この循環供給管路内の空気を素早く空気排出容器へ追いやることで、循環ポンプの駆動力は、燃料電池スタックでの余分な熱を除去するのに必要とされるだけの循環水量に対応する分に抑えながら、燃料電池システムの運転が可能となり、結果としてシステム全体のエネルギ効率を高めることができる。また、循環ポンプ吸入口付近の循環供給管路内の空気を空気排出容器に移動させることで、この部位での空気抜きが容易になるので、循環水量が不足する状況を回避でき、冷却水量制御が容易になり、燃料電池スタックの耐久性、信頼性を高めることができる。
【0030】
請求項5の発明によれば、加湿手段として膜式加湿器を用い、この膜式加湿器の上部に、内部の加湿水流路と分岐管で連結された空気排出容器を備えているので、循環供給管路内の水を交換する場合などには、加湿水流路が狭く複雑な構造をしていて、一般的に空気抜きが困難な膜式加湿器内部の空気も、加湿器内部の加湿水流路から空気排出容器へと容易に追いやることができ、加湿水の交換直後の運転時であっても、循環ポンプの駆動力は必要最小限に抑えることが可能であり、結果として、燃料電池システム全体のエネルギ効率をさらに高めることができる。
【0033】
請求項6の発明によれば、空気排出容器に内部の液位を検知できる液位検知手段を設け、液位検知手段からの液位検知信号に応じて、大気開放手段を開閉制御するようにしたので、空気排出容器内の液位、および液位の変化を正確に検知でき、適切なタイミングで効果的に空気排出容器内の空気を大気中へ排出することが可能となる。その結果として、燃料電池システム運転中も空気排出容器における空気抜き性能を安定化することができ、運転性をより高めることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0035】
図1は、この発明の第1の実施形態を示す水循環装置の概略的な全体構成図である。
【0036】
循環供給管路21には、循環供給管路21内に充填された水を循環させる循環ポンプとしての水循環ポンプ23および、循環する水を利用する水利用機器25がそれぞれ設けられている。水循環ポンプ23の吐出口から吐出された水は、循環供給管路21内を流れて水利用機器25に供給される。水利用機器25で利用された後排出された水は、再度循環供給管路21内を流れて水循環ポンプ23の吸入口に戻る。
【0037】
水利用機器25としては、例えば燃料電池システムにおける加湿器や、冷却水が供給される燃料電池スタックがある。
【0038】
燃料電池スタックは、電解質膜が燃料極と酸化剤極との間に配置された単電池を少なくとも一つ有するものであり、燃料極に供給する燃料と酸化剤極に供給する酸化剤との少なくとも一方の被加湿ガスに、上記した加湿器により加湿水を供給する。したがって、この場合の循環供給管路21には、加湿水が流れることになる。
【0039】
また、燃料電池スタックには、発電に伴って発生する余分の熱を取り除くことにより、電池スタック温度を適正に保つためのスタック冷却水を流す冷却水供給溝が設けられている。したがって、この場合の循環供給管路21には、スタック冷却水が流れることになる。
【0040】
このような燃料電池システム内の循環供給管路21は、システムを構成する各装置、各機器のレイアウトの都合により、上下の高さ位置が高くなったり低くなったりすることが避けられない。このような高さが変化しながら流れる循環供給管路21において、その前後の配管部に比べて上下方向の高さ位置が相対的に高くなっている配管部の複数箇所21a,21b,21cおよび、水循環ポンプ23の吸入口付近21dのそれぞれの上部に、空気排出容器としての空気抜き用の気液分離タンク27を設けている。
【0041】
図2は、図1のA−A断面図である。気液分離タンク27の下部には、上下方向に延長された分岐管29の上端が連通接続され、この分岐管29の下端は循環供給管路21に連通接続されている。気液分離タンク27内には、循環供給管路21内を循環する水が常に所定量存在している。
【0042】
上記図1に示した水循環装置では、水循環ポンプ23が作動することで、水循環ポンプ23から吐出された水が水利用機器25に供給され、ここで利用された水は水利用機器25から排出されて、再度循環供給管路21内を流れ、水循環ポンプ23に戻る。
【0043】
このとき、循環供給管路21内に、例え空気などの気体が混入しても、循環供給管路21内の相対的に高くなっている場所(複数箇所21a,21b,21c)に気水分離タンク27が設置されているので、水を循環させているうちに空気などの気体は、この気水分離タンク27内へ分岐管29を介して容易に導かれる。これにより、空気抜きのための実質循環水量を確保するための余分な水循環ポンプ23の駆動仕事が不要となり、水利用機器25を含む水循環装置全体のエネルギ効率が向上する。
【0044】
また、水循環ポンプ23の吸入口付近21dにも気水分離タンク27が設置されているので、例え水循環ポンプ23の吸入口付近21dの循環供給管路21内に空気が存在している場合でも、気水分離タンク27内に容易に空気を移動させることができる。これにより、循環供給管路21内の空気混入状態は速やかに解消され、水循環ポンプ23は、常に安定した量の水を吐出することができ、水循環装置全体の運転性も向上する。
【0045】
図3は、この発明の第2の実施形態を示す水循環装置の概略的な全体構成図である。この第2の実施形態は、固体高分子電解質型燃料電池システムの加湿用純水循環装置に適用したものである。燃料電池スタックへ供給される燃料および酸化剤ガスをそれぞれ加湿するための加湿水は、電池電極間の短絡などを防ぐため、イオン成分が含まれていない導電率の低い純水とされることが一般的である。
【0046】
この水循環装置における循環供給管路31には、循環供給管路31内に充填された純水を循環させる循環ポンプとしての純水循環ポンプ33、循環する純水を利用する水利用機器としての加湿手段である膜式加湿器35および、熱交換器37がそれぞれ設けられている。
【0047】
膜式加湿器35には、上記した循環供給管路31が接続されるとともに、被加湿ガスである燃料や酸化剤が流れる被加湿ガス管路39が接続されており、膜式加湿器35内には、これら各循環供給管路31および被加湿ガス管路39に接続される加湿水流路および被加湿ガス流路がそれぞれ形成されている。この加湿水流路と被加湿ガス流路との間に透湿性の膜が配置されており、加湿水が被加湿ガスに直接接触して加湿を行う。
【0048】
熱交換器37には、上記した循環供給管路31が接続されるとともに、燃料電池スタックの冷却水などの高温流体が流れる高温流体管路41が接続され、高温流体管路41内の高温流体と、循環供給管路31を流れる加湿水とが熱交換する。
【0049】
また、純水循環ポンプ33の吸入口付近31bにおける循環供給管路31には、純水供給管43を介して純水貯蔵タンク45が接続されている。
【0050】
そして、上記した循環供給管路31において、その前後配管部に比べて上下方向の高さ位置が相対的に高くなっている配管部の箇所31aおよび、純水循環ポンプ33の吸入口付近31bにおける純水供給管43の接続部より上流側のそれぞれの上部に、前記図2に示したものと同様に、分岐管29を介して循環供給管路31に接続される空気抜き用の気液分離タンク27をそれぞれ設けている。
【0051】
なお、循環供給管路31において、その前後配管部に比べて上下方向の高さ位置が相対的に高くなっている配管部の箇所31aは、1つとしているが、図1ののように複数あってもよく、この複数箇所に気液分離タンク27をそれぞれ設けても構わない。
【0052】
上記図3に示した水循環装置では、まず純水貯蔵タンク45に貯蔵された純水が純水循環ポンプ33に吸入され、出口側に吐出される。吐出された純水は、循環供給管路31を通って膜式加湿器35に供給される。膜式加湿器35内部では、前述したように被加湿ガス流路を通過する被加湿ガスと純水とが膜を介して接触することで、被加湿ガスを加湿する。
【0053】
このとき同時に、純水の持っている熱の一部も被加湿ガスに与えることで、被加湿ガスの温度も上昇する。膜式加湿器35から流出する温度の低下した純水は、再び循環供給管路31を通って熱交換器37に供給される。熱交換器37においては、高温流体管路41を通ってくる燃料電池スタックの冷却水などの高温流体と、加湿器35で熱の奪われた純水とで熱交換を行なう。純水は、熱を得て高温化した後、さらに循環供給管路31を流れて純水循環ポンプ33の吸入口側に戻ることで、循環供給管路31を循環してゆく。
【0054】
このとき、循環供給管路31内に、例え空気などの気体が混入しても、循環供給管路31内の相対的に高くなっている場所(箇所31a)に、気水分離タンク27が設置されているので、純水を循環させているうちに空気などの気体は、この気水分離タンク27内へ容易に導かれる。これにより、空気抜きのための実質循環純水量を確保するための余分な純水循環ポンプ33の駆動仕事が不要となり、燃料電池システム全体のエネルギ効率が向上する。
【0055】
また、純水循環ポンプ33の吸入口付近31bにも気水分離タンク27が設置されているので、例え純水循環ポンプ33の吸入口付近31bの循環供給管路31内に空気が存在していた場合でも、気水分離タンク27内に容易に空気を移動させることができる。これにより、循環供給管路31内の空気混入状態は速やかに解消され、純水循環ポンプ33は、常に安定した量の純水を吐出することができ、燃料電池システムの運転性も向上する。
【0056】
図4は、この発明の第3の実施形態を示す水循環装置の概略的な全体構成図である。この第3の実施形態は、固体高分子電解質型燃料電池システムの燃料電池スタックに対する冷却水循環装置に適用したものである。
【0057】
この水循環装置における循環供給管路51には、循環供給管路51内に充填された冷却水を循環させる循環ポンプとしての冷却水循環ポンプ53、循環する冷却水を利用する水利用機器としての燃料電池スタック55、熱交換器57およびラジエータ59がそれぞれ設けられている。
【0058】
燃料電池スタック55には、上記した循環供給管路51が接続されるとともに、反応ガスが流れる反応ガス管路61が接続されており、燃料電池スタック55内には、これら各循環供給管路51および反応ガス管路61に接続される冷却水流路および反応ガス流路がそれぞれ形成されている。
【0059】
熱交換器57には、上記した循環供給管路51が接続されるとともに、燃料電池スタック55の加湿器通過後の純水などの低温流体が流れる低温流体管路63が接続され、低温流体管路63内の低温流体と、循環供給管路51を流れる冷却水とが熱交換する。
【0060】
また、冷却水循環ポンプ53の吸入口付近51bの循環供給管路51には、純水供給管65を介して冷却水貯蔵タンク67が接続されている。
【0061】
そして、上記した循環供給管路51において、その前後の配管部に比べて上下方向の高さ位置が相対的に高くなっている配管部の箇所51aの上部に、前記図2に示したものと同様に、分岐管29を介して循環供給管路51に接続される空気抜き用の気液分離タンク27を設けている。
【0062】
なお、循環供給管路51において、その前後配管部に比べて上下方向の高さ位置が相対的に高くなっている配管部の箇所51aは、1つとしているが、図1ののように複数あってもよく、この複数箇所に気液分離タンク27をそれぞれ設けても構わない。
【0063】
上記図4に示した水循環装置では、まず冷却水貯蔵タンク67に貯蔵された純水が、冷却水循環ポンプ53に吸入され、出口側に吐出される。吐出された冷却水は、循環供給管路51を通って燃料電池スタック55に供給される。燃料電池スタック55内部では、反応ガス管路61から流れてくる燃料ガスと酸化剤ガスとが反応して電力を発生し、その際に余分な熱を循環供給管路51を流れてくる冷却水に吸収させることで、燃料電池スタック55の内部温度を適正に保つ。
【0064】
燃料電池スタック55から流出する高温化した冷却水は、再び循環供給管路51を通って熱交換器57に供給される。熱交換器57においては、低温流体管路63を通ってくる加湿器通過後の純水などの低温流体と、燃料電池スタック55で高温化した冷却水とで熱交換を行なう。冷却水は、熱を放出して低温化した後、さらに循環供給管路51を流れてラジエータ59にてさらに余分な熱を大気中に放出することで温度を下げ、冷却水循環ポンプ53の吸入口側に戻ることで、循環供給管路51を循環してゆく。
【0065】
このとき、循環供給管路51内に、例え空気などの気体が混入しても、循環供給管路51内の相対的に高くなっている場所(箇所51a)に、気水分離タンク27が設置されているので、冷却水が循環しているうちに空気などの気体は、この気水分離タンク27内に容易に導かれる。これにより、空気抜きのためや実質循環冷却水量を確保するための余分な冷却水循環ポンプ53の駆動仕事が不要となり、燃料電池システム全体のエネルギ効率が向上する。
【0066】
なお、この例においても、図3のものと同様に、冷却水循環ポンプ53の吸入口付近51bに、気水分離タンク27を設置することで、例え冷却水循環ポンプ53の吸入口付近51bの循環供給管路51内に空気が存在していた場合でも、気水分離タンク27内に容易に空気を移動させることができる。これにより、循環供給管路51内の空気混入状態は速やかに解消され、冷却水循環ポンプ53は、常に安定した量の冷却水を吐出することができ、燃料電池システムの運転性も向上する。
【0067】
図5は、前記図3の第2の実施形態に係わる水循環装置における膜式加湿器35の内部構成を概略的に示したものである。
【0068】
この膜式加湿器35の内部には、被加湿ガス流路390および加湿水流路310がそれぞれ存在し、図示しない透湿性の膜を挟んで上記被加湿ガスと加湿水(純水)とを接触させ、被加湿ガスを加湿する構造になっている。被加湿ガス流路390は被加湿ガス管路39に、加湿水流路310は循環供給管路31に、それぞれ接続されている。
【0069】
そして、この実施形態にあっては、膜式加湿器35の上部に、前記図2に示したものと同様に、分岐管29を介して加湿水流路310(循環供給管路31)に接続される空気抜き用の気液分離タンク27を設けている。
【0070】
膜式加湿器35内部の加湿水流路310は狭く複雑になっているため、内部の空気が抜けにくいことが一般的であるが、本構成であれば、膜式加湿器35内部の加湿水流路310に存在する空気を、容易に気水分離タンク27へと追いやることができる。
【0071】
特に、純水(加湿水)交換直後の運転時において、膜式加湿器35内部の加湿水流路310内を速やかに純水で満たすことが可能となり、膜式加湿器35の加湿性能を最大限に利用することができる。純水循環ポンプ33(図3参照)は、加湿に必要な分のみを循環すればよいことになるので、余分なポンプ駆動仕事が少なくなり、結果として、燃料電池システム全体のエネルギ効率がさらに向上する。
【0072】
ここで、図6に示すように、前記図2に示してある気水分離タンク27の上部には、タンク内圧を大気開放する大気開放通路69を設け、この大気開放通路69の途中に通路の遮断および開放を行なう大気開放手段としての大気開放弁71を設ける必要がある。
【0073】
この場合、燃料電池システムの運転中に、循環供給管路21内から気水分離タンク27内に送り込まれ滞留する空気の量が増えてきた場合に、大気開放弁71を一時的に開放する。これにより、運転を停止することなく気水分離タンク27の内圧と大気圧との差圧によって気水分離タンク27内の空気を大気中へ放出でき、気水分離タンク27の空気貯蔵能力を再生することができてシステムの運転性が向上する。
【0074】
また、この大気開放通路69は、循環供給管路21への水注入時の注入口としても利用可能であり、循環供給管路21の相対的に高い場所から注入することができるため、空気を循環供給管路21内に閉じこめることなく水交換作業が効率的なものとなる。
【0075】
ここで、図7(a)のように、気水分離タンク27に図6に示したような大気開放通路69が設けられていない場合に、循環供給管路21中をA点、大気中をB点とし、燃料電池システムをある時間運転して循環水の温度が常温より高くなった暖機後に運転を停止して放置するときを想定する。この場合、図7(b)のように、運転停止後の時間経過とともに水温は徐々に下がってゆき、その温度降下に応じて循環水の体積は収縮してゆく。
【0076】
このため、気水分離タンク27が密閉されているような大気開放通路のない図7(a)の場合には、A点圧力はシステム停止直後は大気圧+タンク内水位によって決まる圧力になっているが、図7(b)のように徐々に圧力が低下し、ある時間を経過するとB点圧力(大気圧)を下回って負圧になってしまう。
【0077】
これに対し図8(a)のように、大気開放通路69を備えた気水分離タンク27では、燃料電池システムの運転停止時から次回運転開始時までの間、大気開放通路69を開放しておくことで、前記した図7(b)のように、循環水が自然冷却、体積収縮してゆく過程でも、図8(c)に示すように、常にA点圧力はB点圧力より高く保つことができる。
【0078】
図9は、前記図6における大気開放弁71を開にする制御のフローチャートであり、以下にそのアルゴリズムを説明する。
【0079】
まず、水循環ポンプ23の回転が停止したかどうかが判定される(ステップ901)。停止していない場合は再びステップ901に戻るが、停止したと判定された場合には、大気開放弁71を全開にする(ステップ903)。
【0080】
図10は、前記図6における大気開放弁7を閉にする制御のフローチャートであり、以下にそのアルゴリズムを説明する。
【0081】
まず、システムを起動した後(ステップ1001)、大気開放弁71を全閉にする(ステップ1003)。続いて水循環ポンプ23の運転を開始する(ステップ1005)。
【0082】
このように、気水分離タンク27に、大気開放弁71を備えた大気開放通路69を設けて図9および図10のような制御を行うことで、燃料電池システム運転停止後の冷却時に循環供給管路21内各部が負圧になることを回避でき、循環供給管路21の継ぎ目などからの空気の吸い込みを防止することができる。このため、次回運転開始の空気抜き作業を容易にし、燃料電池システムの起動特性が改善されることになる。
【0083】
またこのとき、循環供給管路21に設置された複数個の気水分離タンク27のうち、高さが最も高い位置にあるタンク上部の大気開放弁71のみを開くという制御を行なうことで、各気水分離タンク27間の水位差によって低い位置にある気水分離タンク27から水が溢れることがなく、システム運営上好ましいものとなる。
【0084】
図11は、前記図6の構成における気水分離タンク27に、タンク内の液位を検知するための液位検知手段としての液位センサ73を設置している。液位センサ73はタンク内の液面に浮遊するフロート73aが、液面の上下に対応してガイドロッド73bにガイドされて上下動し、この上下位置を検知部73cが検知して液位とする。液位センサ73からの液位信号はコントロールユニット75に送られ、液位に応じて大気開放弁71に弁開閉信号を送信する。
【0085】
図12は、上記図11に示した大気開放弁71を開閉制御するためのフローチャートであり、以下にそのアルゴリズムを説明する。
【0086】
まず、気水分離タンク27内の液位が所定下限を下回ったかどうかを判定する(ステップ1201)。所定下限にまだ到達していない場合は再びステップ1201に戻るが、所定下限以下になった場合は、気水分離タンク27内に多くの空気が溜まったと判断して、大気開放弁71を全開にする(ステップ1203)。
【0087】
このときシステム運転中であれば、循環供給管路21内は水循環ポンプ23により加圧された状態であることから正圧となっているため、気水分離タンク27内と大気との圧力差によって気水分離タンク27内に溜まった空気は大気へ放出されるとともに、気水分離タンク27内液位が上昇してゆくことになる。
【0088】
この過程において、気水分離タンク27内の液位が所定上限以上となったかどうかを判定する(ステップ1205)。ここで、液位が所定上限にはまだ到達していない場合は再びステップ1205に戻るが、所定上限以上となった場合は、気水分離タンク27内の空気はほぼ追い出すことができたと判断して、大気開放弁71を全閉にする(ステップ1207)。
【0089】
上記図11の構成において図12のような制御を行うことで、適切なタイミングで効果的に各気水分離タンク27内に留まった空気を大気中に放出することが可能となる。その結果、燃料電池システムの運転中も各気水分離タンク27における空気抜き性能を安定して維持することができ、システムの運転性をより高めることができる。
【0090】
なお、前記した大気開放通路69、大気開放弁71および液位センサ73、コントロールユニット75は、図1における水循環装置に限らず、図3および図5の水循環装置における気水分離タンク27にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示す水循環装置の概略的な全体構成図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】この発明の第2の実施形態を示す水循環装置の概略的な全体構成図である。
【図4】この発明の第3の実施形態を示す水循環装置の概略的な全体構成図である。
【図5】図3の第2の実施形態に係わる水循環装置における膜式加湿器を概略的に示した部構成図である。
【図6】図2に示してある気水分離タンクの上部に、大気開放弁を備えた大気開放通路を接続した構成図である。
【図7】(a)は気水分離タンクの上部に大気開放通路を設けていない構成図、(b)はシステム運転停止後の水温の変化特性図、(c)は運転停止後の循環供給管路内圧力の変化特性図である。
【図8】(a)は気水分離タンクの上部に大気開放通路を設けてある構成図、(b)は運転停止後の循環供給管路内圧力の変化特性図である。
【図9】 図6における大気開放弁を開にする制御のフローチャートである。
【図10】 図6における大気開放弁を閉にする制御のフローチャートである。
【図11】図6の構成における気水分離タンクに液位センサを設置した構成図である。
【図12】図11に示した大気開放弁を開閉制御するためのフローチャートである。
【図13】一般的な固体高分子電解質型燃料電池スタックの構成を示す概略図である。
【符号の説明】
23 水循環ポンプ(循環ポンプ)
21,31,51 循環供給管路
21d,31b 吸入口付近
27 気水分離タンク(空気排出容器)
29 分岐管
33 純水循環ポンプ(循環ポンプ)
35 膜式加湿器(加湿手段)
53 冷却水循環ポンプ(循環ポンプ)
55 燃料電池スタック
69 大気開放通路
71 大気開放弁(大気開放手段)
73 液位センサ(液位検知手段)
310 加湿水流路
390 被加湿ガス流路
Claims (6)
- 循環ポンプによって圧送される水が、循環供給管路を通って前記循環ポンプに戻る水循環装置において、前記循環供給管路のうち、その前後の配管部に比べて高さ位置が相対的に高くなっている配管部に、上下方向に延長される分岐管の下端を連通接続し、この分岐管の上端は、前記循環供給管路を循環する水が常に下部に存在している空気排出容器の下部に接続され、前記空気排出容器の上部に、この空気排出容器の内圧を大気に開放する大気開放通路を設け、この大気開放通路に、通路の遮断および開放を行なう大気開放手段を設け、前記循環供給管路に設置された複数個の前記空気排出容器のうち、高さが最も高い位置にある空気排出容器の前記大気開放手段は、燃料電池システムの運転停止時から次回運転開始時までの間は、開いていることを特徴とする水循環装置。
- 前記循環供給管路中の前記循環ポンプの吸入口付近に、上下方向に延長される分岐管の下端を連通接続し、この分岐管の上端は、前記循環供給管路を循環する水が常に下部に存在している空気排出容器の下部に接続されていることを特徴とする請求項1記載の水循環装置。
- 電解質膜が燃料極と酸化剤極との間に配置された単電池を少なくとも一つ有する燃料電池スタックを備えるとともに、前記燃料極に供給する燃料と前記酸化剤極に供給する酸化剤との少なくとも一方の被加湿ガスに加湿水を供給して加湿する加湿手段を備え、前記循環供給管路は、前記加湿手段内に形成されている加湿水流路を含んでいることを特徴とする請求項1または2記載の水循環装置。
- 電解質膜が燃料極と酸化剤極との間に配置された単電池を少なくとも一つ有する燃料電池スタックを備え、この燃料電池スタックには、その内部で生じる反応熱を除去するための冷却水が通過する冷却水流路が設けられ、前記循環供給管路は、この冷却水流路を含んでいることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の水循環装置。
- 前記加湿手段は、被加湿ガス流路と加湿水流路との間に透湿性の膜が配置された膜式加湿器であり、この膜式加湿器の上部の前記加湿水流路に、上下方向に延長される分岐管の下端を連通接続し、この分岐管の上端は、前記循環供給管路を循環する水が常に下部に存在している空気排出容器の下部に接続されていることを特徴とする請求項3記載の水循環装置。
- 前記空気排出容器に、内部の水の液位を検知する液位検知手段を設け、この液位検知手段からの液位検知信号に応じて、前記大気開放手段を開閉制御することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の水循環装置。
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