JP3704872B2 - アザチオキサンテン系蛍光性赤色色素化合物 - Google Patents
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種樹脂、塗料、インクなどの着色、繊維の染色の他に、色素レーザ、有機EL(電界発光)素子、蛍光標識試薬、蛍光コレクタ、蛍光センサ、シンチレータ、光ファイバー用増幅器などの用途に機能性色素として使用される蛍光性色素化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、蛍光性色素化合物については種々の構造及び発光色の色素が知られているが、赤色に高輝度で発光し、更に、堅牢性の優れた化合物は少ない。
【0003】
下記一般式(II)で表されるアザチオキサンテン系化合物は、発光輝度が高く、堅牢性の良好な赤色系蛍光性色素化合物として知られている(DT2500487、Dye and Pigments,3,〈1982〉,59〜69)。
【0004】
【化2】
【0005】
((II)式中、Rは低級アルキル基を表し、X及びYは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を表す)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記色素化合物についてもより一層の発光輝度の向上が求められているのが現状である。
【0007】
本発明は上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、発光輝度が高く、堅牢性の良好な蛍光性赤色色素化合物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のアザチオキサンテン系蛍光性赤色色素化合物は、下記一般式(I)において、Aがシクロアルキル基であることを特徴とする。
【0009】
【化3】
【0010】
シクロアルキル基を導入したアザチオキサンテン系化合物であれば、発光輝度が高く、堅牢性の良好な蛍光性赤色色素が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
本発明において、前記一般式(I)におけるAで示されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基が好適であり、シクロヘキシル基が特に好適である。
【0013】
本発明に係る上記アザチオキサンテン系化合物は例えば、次のような経路で合成することができる。
【0014】
【化4】
【0015】
上記(IV)の化合物の合成は、上記(III)の化合物を不活性溶媒中、ハロゲン化シクロアルキル、シクロアルカノールの硫酸エステル、リン酸エステル又はトシルエステルなどのアルキル化剤と脱酸剤の存在下反応させることにより実施することができる。ここで、アルキル化剤としてはシクロアルカノールのトシルエステルが好適である。アルキル化剤の使用量は、(III)の化合物に対して1〜3倍モル程度で良いが、2倍モル前後の使用量が適当である。不活性溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、トルエン、キシレン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ又は水などを用いることができるが、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンが好適である。溶媒の使用量は、(III)の化合物に対して3〜20重量倍の範囲で良いが5〜10重量倍程度が適当である。脱酸剤としては、無機及び有機の種々の塩基性化合物を用いることができるが、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが好適である。脱酸剤の使用量としては、アルキル化剤と等モル程度とするのが適当である。反応温度は50〜200℃の範囲で良いが、100〜150℃の範囲が好適である。目的物の取り出し方法としては、反応後冷却し、目的物が結晶として析出する場合には結晶を濾別し、メタノール及び水で洗浄し、乾燥すれば良い。反応後冷却しても目的物が、溶媒に大量に溶解している場合には、メタノール又は水などを添加することにより目的物の結晶を析出させ、析出した結晶を濾別し、メタノール及び水で洗浄して乾燥すれば良い。
【0016】
前記(V)の化合物の合成は、上記(IV)の化合物を不活性溶媒中、o−アミノチオフェノールと脱酸剤の存在下反応させることにより実施することができる。ここで、o−アミノチオフェノールの使用量は、(IV)の化合物に対して1〜3倍モル程度で良いが1.1〜2倍モル程度の使用量が適当である。不活性溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、トルエン、キシレン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ又は水などを用いることができるが、特に、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンが好適である。溶媒の使用量は、(IV)の化合物に対して5〜50重量倍の範囲で良いが10〜20重量倍程度が適当である。脱酸剤としては、無機及び有機の種々の塩基性化合物を用いることができるが、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが好適である。脱酸剤の使用量としては、(IV)の化合物に対し1〜2倍モル程度用いるのが適当である。反応温度は50〜200℃の範囲で良いが、80〜120℃の範囲が好適である。目的物の取り出し方法としては、反応後冷却し、目的物が結晶として析出する場合には結晶を濾別し、メタノール及び水で洗浄し、乾燥すれば良い。反応後冷却しても目的物が、溶媒に大量に溶解している場合には、メタノール又は水などを添加することにより、目的物の結晶を析出させることができるので、析出した結晶を濾別し、メタノール及び水で洗浄し、乾燥すれば良い。
【0017】
前記(I)の化合物の合成は、上記(V)の化合物を水中又は適当な有機溶媒中で、常法により亜硝酸ナトリウムでジアゾ化し、生成したジアゾニウム塩を水中又は適当な有機溶媒中で銅触媒の存在下に加熱することにより実施することができる。ここで、有機溶媒としては、有機酸類が適しており、特に酢酸が好適である。銅触媒としては、硫酸銅、酢酸銅、塩化銅、銅粉などが適している。反応温度は50〜150℃の範囲で良いが、80〜100℃の範囲が好適である。目的物の取り出し方法としては、反応後冷却すると目的物が結晶として析出するので、結晶を濾別し、メタノール及び水で洗浄し、乾燥すれば良い。目的物の精製は再結晶又はカラムクロマトグラフィーなどで実施できる。
【0018】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0019】
実施例1: 前記一般式(I)においてAがシクロヘキシル基である化合物の 製造及び蛍光スペクトルの測定並びに使用例
下記経路で前記一般式(I)においてAがシクロヘキシル基であるアザチオキサンテン系化合物を製造し、その蛍光スペクトルを測定すると共に、樹脂の着色に用いた。
【0020】
【化5】
【0021】
▲1▼ 化合物(iv)の合成
化合物(III)3.26g(0.01モル)、シクロヘキシルトシレート5.08g(0.02モル)及び炭酸ナトリウム2.12g(0.02モル)をN,N−ジメチルホルムアミド20mlに仕込み、130℃まで昇温し、130〜135℃で攪拌下2時間反応させた。反応後、室温まで冷却し、メタノール50mlを添加し、1時間攪拌後、析出した結晶を濾別し、メタノール及び水で洗浄後乾燥し、黄色結晶の化合物(iv)1.7gを得た。
【0022】
▲2▼ 化合物(v)の合成
化合物(iv)1.63g(0.004モル)、o−アミノチオフェノール1.0g(0.008モル)及び炭酸ナトリウム0.64g(0.006モル)をN,N−ジメチルホルムアミド25ml中に仕込み、100℃まで昇温し、100〜105℃で攪拌下3時間反応させた。反応後、室温まで冷却し、メタノール25mlを添加し、1時間攪拌後、析出した結晶を濾別し、メタノール及び水で洗浄後乾燥し、黄土色結晶の化合物(v)1.45gを得た。
【0023】
▲3▼ 化合物(i)の合成
化合物(v)1.36g(0.003モル)を酢酸40ml中に仕込み、沸点まで昇温し、還流下で2時間攪拌した。80℃まで冷却し、濃塩酸(35%)0.75gを添加した後0℃まで冷却した。この中に亜硝酸ナトリウム水溶液(亜硝酸ソーダ0.23g、水5ml)を0〜5℃で滴下し、同温度で2時間攪拌下反応させてジアゾ化を行った。
【0024】
硫酸銅3gを水60ml中に仕込み、95℃まで昇温し、この中に上記のジアゾ化反応液を95〜100℃で約10分間を要して少量づつ滴下した。滴下終了後、還流下で1時間反応後、室温まで冷却し、析出した結晶を濾別し、メタノール及び水で洗浄後乾燥し、暗赤色結晶0.9gを得た。この結晶をクロロホルムに溶解し、シリカゲルのカラムを通し精製した。
【0025】
得られた暗赤色結晶は、融点:304〜305℃、マススペクトルの親イオンピーク:435で、化合物(i)の融点及び分子量に一致していることが確認された。
【0026】
▲4▼ 化合物(i)の蛍光スペクトル
化合物(i)を0.025ミリモル/リットルの濃度でクロロホルムに溶解し、500nmの励起光で励起し、蛍光スペクトルを測定した結果、633nmに蛍光極大を示すスペクトルが得られた。
【0027】
▲5▼ 化合物(i)による樹脂の着色
化合物(i)0.05gをポリメチルメタクリレート(アクリペットMD:三菱レーヨン株式会社製品)100gに混合し、押出機を用いて200℃で処理し、着色ペレットを作製した。このペレットを射出成形機で200℃×5分間で成形し、着色成形板を作製した。得られた着色板は非常に強い蛍光性の赤色を示し、耐光性、耐移行性が優れていた。
【0028】
なお、射出成形の際、250℃で10分間滞留させたこと以外は上記と同様に成形した着色板の色調は、200℃×5分間で成形した着色板と同じ色調を示し、色素の熱分解による変色は無かった。
【0029】
比較例1: 前記一般式(I)においてAがエチル基である化合物の蛍光スペクトルの測定例
比較のために、下記構造式で示される化合物(vi)のクロロホルム溶液を、実施例1の▲4▼における化合物(i)と同濃度に調製し、同条件で蛍光スペクトルの測定を行った結果、632nmに蛍光極大を示すスペクトルが得られたが、蛍光の強度は化合物(i)の85%であった。
【0030】
【化6】
【0031】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、発光輝度が高く、堅牢性の良好なアザチオキサンテン系蛍光性赤色色素化合物が提供される。
【0032】
かかる本発明の蛍光性赤色色素化合物は、各種樹脂、塗料、インク等の着色、繊維等の染色、その他、色素レーザ、有機EL素子、蛍光標識試薬、蛍光コレクタ、蛍光センサ、シンチレータ、光ファイバー用増幅器などに用いられる機能性色素として工業的に極めて有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種樹脂、塗料、インクなどの着色、繊維の染色の他に、色素レーザ、有機EL(電界発光)素子、蛍光標識試薬、蛍光コレクタ、蛍光センサ、シンチレータ、光ファイバー用増幅器などの用途に機能性色素として使用される蛍光性色素化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、蛍光性色素化合物については種々の構造及び発光色の色素が知られているが、赤色に高輝度で発光し、更に、堅牢性の優れた化合物は少ない。
【0003】
下記一般式(II)で表されるアザチオキサンテン系化合物は、発光輝度が高く、堅牢性の良好な赤色系蛍光性色素化合物として知られている(DT2500487、Dye and Pigments,3,〈1982〉,59〜69)。
【0004】
【化2】
【0005】
((II)式中、Rは低級アルキル基を表し、X及びYは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を表す)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記色素化合物についてもより一層の発光輝度の向上が求められているのが現状である。
【0007】
本発明は上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、発光輝度が高く、堅牢性の良好な蛍光性赤色色素化合物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のアザチオキサンテン系蛍光性赤色色素化合物は、下記一般式(I)において、Aがシクロアルキル基であることを特徴とする。
【0009】
【化3】
【0010】
シクロアルキル基を導入したアザチオキサンテン系化合物であれば、発光輝度が高く、堅牢性の良好な蛍光性赤色色素が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
本発明において、前記一般式(I)におけるAで示されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基が好適であり、シクロヘキシル基が特に好適である。
【0013】
本発明に係る上記アザチオキサンテン系化合物は例えば、次のような経路で合成することができる。
【0014】
【化4】
【0015】
上記(IV)の化合物の合成は、上記(III)の化合物を不活性溶媒中、ハロゲン化シクロアルキル、シクロアルカノールの硫酸エステル、リン酸エステル又はトシルエステルなどのアルキル化剤と脱酸剤の存在下反応させることにより実施することができる。ここで、アルキル化剤としてはシクロアルカノールのトシルエステルが好適である。アルキル化剤の使用量は、(III)の化合物に対して1〜3倍モル程度で良いが、2倍モル前後の使用量が適当である。不活性溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、トルエン、キシレン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ又は水などを用いることができるが、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンが好適である。溶媒の使用量は、(III)の化合物に対して3〜20重量倍の範囲で良いが5〜10重量倍程度が適当である。脱酸剤としては、無機及び有機の種々の塩基性化合物を用いることができるが、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが好適である。脱酸剤の使用量としては、アルキル化剤と等モル程度とするのが適当である。反応温度は50〜200℃の範囲で良いが、100〜150℃の範囲が好適である。目的物の取り出し方法としては、反応後冷却し、目的物が結晶として析出する場合には結晶を濾別し、メタノール及び水で洗浄し、乾燥すれば良い。反応後冷却しても目的物が、溶媒に大量に溶解している場合には、メタノール又は水などを添加することにより目的物の結晶を析出させ、析出した結晶を濾別し、メタノール及び水で洗浄して乾燥すれば良い。
【0016】
前記(V)の化合物の合成は、上記(IV)の化合物を不活性溶媒中、o−アミノチオフェノールと脱酸剤の存在下反応させることにより実施することができる。ここで、o−アミノチオフェノールの使用量は、(IV)の化合物に対して1〜3倍モル程度で良いが1.1〜2倍モル程度の使用量が適当である。不活性溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、トルエン、キシレン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ又は水などを用いることができるが、特に、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンが好適である。溶媒の使用量は、(IV)の化合物に対して5〜50重量倍の範囲で良いが10〜20重量倍程度が適当である。脱酸剤としては、無機及び有機の種々の塩基性化合物を用いることができるが、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが好適である。脱酸剤の使用量としては、(IV)の化合物に対し1〜2倍モル程度用いるのが適当である。反応温度は50〜200℃の範囲で良いが、80〜120℃の範囲が好適である。目的物の取り出し方法としては、反応後冷却し、目的物が結晶として析出する場合には結晶を濾別し、メタノール及び水で洗浄し、乾燥すれば良い。反応後冷却しても目的物が、溶媒に大量に溶解している場合には、メタノール又は水などを添加することにより、目的物の結晶を析出させることができるので、析出した結晶を濾別し、メタノール及び水で洗浄し、乾燥すれば良い。
【0017】
前記(I)の化合物の合成は、上記(V)の化合物を水中又は適当な有機溶媒中で、常法により亜硝酸ナトリウムでジアゾ化し、生成したジアゾニウム塩を水中又は適当な有機溶媒中で銅触媒の存在下に加熱することにより実施することができる。ここで、有機溶媒としては、有機酸類が適しており、特に酢酸が好適である。銅触媒としては、硫酸銅、酢酸銅、塩化銅、銅粉などが適している。反応温度は50〜150℃の範囲で良いが、80〜100℃の範囲が好適である。目的物の取り出し方法としては、反応後冷却すると目的物が結晶として析出するので、結晶を濾別し、メタノール及び水で洗浄し、乾燥すれば良い。目的物の精製は再結晶又はカラムクロマトグラフィーなどで実施できる。
【0018】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0019】
実施例1: 前記一般式(I)においてAがシクロヘキシル基である化合物の 製造及び蛍光スペクトルの測定並びに使用例
下記経路で前記一般式(I)においてAがシクロヘキシル基であるアザチオキサンテン系化合物を製造し、その蛍光スペクトルを測定すると共に、樹脂の着色に用いた。
【0020】
【化5】
【0021】
▲1▼ 化合物(iv)の合成
化合物(III)3.26g(0.01モル)、シクロヘキシルトシレート5.08g(0.02モル)及び炭酸ナトリウム2.12g(0.02モル)をN,N−ジメチルホルムアミド20mlに仕込み、130℃まで昇温し、130〜135℃で攪拌下2時間反応させた。反応後、室温まで冷却し、メタノール50mlを添加し、1時間攪拌後、析出した結晶を濾別し、メタノール及び水で洗浄後乾燥し、黄色結晶の化合物(iv)1.7gを得た。
【0022】
▲2▼ 化合物(v)の合成
化合物(iv)1.63g(0.004モル)、o−アミノチオフェノール1.0g(0.008モル)及び炭酸ナトリウム0.64g(0.006モル)をN,N−ジメチルホルムアミド25ml中に仕込み、100℃まで昇温し、100〜105℃で攪拌下3時間反応させた。反応後、室温まで冷却し、メタノール25mlを添加し、1時間攪拌後、析出した結晶を濾別し、メタノール及び水で洗浄後乾燥し、黄土色結晶の化合物(v)1.45gを得た。
【0023】
▲3▼ 化合物(i)の合成
化合物(v)1.36g(0.003モル)を酢酸40ml中に仕込み、沸点まで昇温し、還流下で2時間攪拌した。80℃まで冷却し、濃塩酸(35%)0.75gを添加した後0℃まで冷却した。この中に亜硝酸ナトリウム水溶液(亜硝酸ソーダ0.23g、水5ml)を0〜5℃で滴下し、同温度で2時間攪拌下反応させてジアゾ化を行った。
【0024】
硫酸銅3gを水60ml中に仕込み、95℃まで昇温し、この中に上記のジアゾ化反応液を95〜100℃で約10分間を要して少量づつ滴下した。滴下終了後、還流下で1時間反応後、室温まで冷却し、析出した結晶を濾別し、メタノール及び水で洗浄後乾燥し、暗赤色結晶0.9gを得た。この結晶をクロロホルムに溶解し、シリカゲルのカラムを通し精製した。
【0025】
得られた暗赤色結晶は、融点:304〜305℃、マススペクトルの親イオンピーク:435で、化合物(i)の融点及び分子量に一致していることが確認された。
【0026】
▲4▼ 化合物(i)の蛍光スペクトル
化合物(i)を0.025ミリモル/リットルの濃度でクロロホルムに溶解し、500nmの励起光で励起し、蛍光スペクトルを測定した結果、633nmに蛍光極大を示すスペクトルが得られた。
【0027】
▲5▼ 化合物(i)による樹脂の着色
化合物(i)0.05gをポリメチルメタクリレート(アクリペットMD:三菱レーヨン株式会社製品)100gに混合し、押出機を用いて200℃で処理し、着色ペレットを作製した。このペレットを射出成形機で200℃×5分間で成形し、着色成形板を作製した。得られた着色板は非常に強い蛍光性の赤色を示し、耐光性、耐移行性が優れていた。
【0028】
なお、射出成形の際、250℃で10分間滞留させたこと以外は上記と同様に成形した着色板の色調は、200℃×5分間で成形した着色板と同じ色調を示し、色素の熱分解による変色は無かった。
【0029】
比較例1: 前記一般式(I)においてAがエチル基である化合物の蛍光スペクトルの測定例
比較のために、下記構造式で示される化合物(vi)のクロロホルム溶液を、実施例1の▲4▼における化合物(i)と同濃度に調製し、同条件で蛍光スペクトルの測定を行った結果、632nmに蛍光極大を示すスペクトルが得られたが、蛍光の強度は化合物(i)の85%であった。
【0030】
【化6】
【0031】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、発光輝度が高く、堅牢性の良好なアザチオキサンテン系蛍光性赤色色素化合物が提供される。
【0032】
かかる本発明の蛍光性赤色色素化合物は、各種樹脂、塗料、インク等の着色、繊維等の染色、その他、色素レーザ、有機EL素子、蛍光標識試薬、蛍光コレクタ、蛍光センサ、シンチレータ、光ファイバー用増幅器などに用いられる機能性色素として工業的に極めて有用である。
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JP06978297A JP3704872B2 (ja) | 1997-03-24 | 1997-03-24 | アザチオキサンテン系蛍光性赤色色素化合物 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH10265686A JPH10265686A (ja) | 1998-10-06 |
JP3704872B2 true JP3704872B2 (ja) | 2005-10-12 |
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ID=13412688
Family Applications (1)
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JP06978297A Expired - Fee Related JP3704872B2 (ja) | 1997-03-24 | 1997-03-24 | アザチオキサンテン系蛍光性赤色色素化合物 |
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1997
- 1997-03-24 JP JP06978297A patent/JP3704872B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10265686A (ja) | 1998-10-06 |
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