JP3701147B2 - 架橋ハフノセン化合物の製造方法 - Google Patents
架橋ハフノセン化合物の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は架橋ハフノセン化合物の製造方法、更に詳しくは生産効率の高い架橋ハフノセン化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
α−オレフィン重合用触媒として知られているメタロセン触媒は、重合活性が高く、分子量分布が狭い重合体が得られるという特徴を有する。特に二つのシクロペンタジエニル基が架橋された構造の配位子を有する立体剛直性な遷移金属錯体を用いることにより、アイソタクチックポリプロピレンが得られることが知られている(Journal of American Chemical Society, 106, p.6355, 1984)。
更に、2個のシクロペンタジエニル基がケイ素原子で架橋された遷移金属錯体により、高いアイソタクチシティーを持つポリプロピレンが得られることが公知である(特開昭63−295607号公報、特開平1−275609号公報、特開平2−131488号公報等)。
特に、シクロペンタジエン誘導体がアズレン誘導体である場合に、より高融点かつ高分子量のα−オレフィン重合体が得られることが特開平6−239914号公報に開示されている。
【0003】
通常、架橋メタロセン化合物を製造する場合、架橋シクロペンタジエン化合物にアルキルリチウム等の塩基を作用させてリチウム化合物とした後、四塩化ジルコニウムなどの金属化合物と反応させる方法が一般的である。
その際、反応媒体として種々の有機溶媒を用いることができる。例えばテトラヒドロフランを単独溶媒として用いる方法が知られている(Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 24(1985)507, J. Organomet. Chem., 342(1988)21)。この方法で製造される架橋メタロセン化合物は空気や水分に非常に敏感である。また副生物の除去のために、溶剤洗浄、抽出、再結晶などの多工程の後処理が必要である。さらには、得られる架橋メタロセン化合物中に、テトラヒドロフランが残存しやすい、という問題がある。
【0004】
含ハロゲン炭化水素を用いる方法も知られている。例えばジクロロメタンを単独溶媒として用いることもできる(特開平6−100579号公報)が、−78℃付近の極低温が必要であり、工業製造上問題がある。
特開平5−239083号公報には、ジエチルエーテルなどの弱塩基性エーテル類を単独に用いる製造方法が開示されている。この方法では、低沸点、引火性など危険性の高いジエチルエーテルを工業的に大量に用いるという問題点がある。
【0005】
脂肪族又は芳香族の炭化水素を単独に用いる製造方法も知られているが(特開平6−122692号公報、Organometallics, 13, 954(1994))、含ハロゲン置換基を有する架橋メタロセン化合物の製造においては、炭化水素の低極性の性質の影響で系内が不均一化し、反応性が低下する。
また混合溶媒を用いる製造方法も知られている。例えば特開平5−239083号公報には、ジエチルエーテルなどに脂肪族炭化水素を添加する方法が開示されている。しかし、含ハロゲン置換基を有する架橋メタロセン化合物の製造においては、脂肪族炭化水素の混合による反応系の低極性化で、反応性が低下する問題がある。
【0006】
特開平6−122692号公報には、脂肪族及び芳香族の炭化水素溶媒にエーテル類を添加する製造方法が開示されている。しかしこの方法は、インデン骨格を有する架橋シクロペンタジエン化合物を用いるときに限定され、またエーテル類の混合量については開示がない。
特開平10−45786号公報には、シクロペンタジエン化合物を脂肪族又は芳香族炭化水素のような非極性溶媒に溶解又は懸濁させた後、エーテル類のような溶媒を添加し、ブチルリチウムによるリチオ化処理を実施する、という製造方法が開示されている。しかし、溶媒添加方法に制約があるということは工業的製造上問題である。
さらに含ハロゲン置換基を有する架橋ハフノセン化合物の場合には、上記のいずれの方法を用いても収率が低く、好ましくない副生成物が大量に発生するという問題が生じる。
【0007】
また米国特許5760262号には、HfCl4のジアミン付加物と、メタル化した配位子とを反応させる架橋ハフノセン錯体の製法が開示されている。しかし含ハロゲン置換基を有する架橋ハフノセン化合物の場合には、このジアミン付加物を用いる方法では収率が低く、工業的製造上問題である。
またWO99/07717公報には、ハロゲン化ハフニウム化合物の脂肪族ポリエーテル付加物を使用し、かつTHFを本質的に含まない反応媒体で実施するラセミ体ハフノセンの選択的製造法が開示されている。この方法ではハロゲン化ハフニウム化合の付加物を形成させる、また、THF量を低減化させるという工程が増えるので、工業製造上問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、含ハロゲン置換基を有する架橋ハフノセン化合物を、工業的に高収率で効率よく製造する方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討した結果、一定の混合比範囲の芳香族炭化水素とエーテル類との混合溶媒を反応媒体とすることにより、高収率で効率よく含ハロゲン置換基を有する架橋ハフノセン化合物を製造する方法を見いだし、本発明を完成させた。
【0010】
すなわち、本発明は、含ハロゲン置換基を有する架橋シクロペンタジエン化合物と該化合物を脱プロトン化することのできる塩基との反応物を、ハフニウム化合物と溶媒中で反応させて架橋ハフノセン化合物を製造する方法において、該溶媒として、芳香族炭化水素とエーテル類との混合溶媒であって、芳香族炭化水素/エーテル類の体積比が30/1〜1/1の割合からなるものを用いることを特徴とする、架橋ハフノセン化合物の製造方法を提供する。
【0011】
また、本発明は、前記架橋シクロペンタジエン化合物が、下記一般式(I)で表されるものであることを特徴とする前記架橋ハフノセン化合物の製造方法を提供する。
【0012】
【化2】
【0013】
(一般式(I)中、R1、R2、R4、R5は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基又は炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基を示す。R3及びR6は、それぞれ独立して、それが結合する五員環に対して縮合環を形成する炭素数3〜10の飽和又は不飽和の2価の炭化水素基を示す。R7及びR8は縮合環R3又はR6上の水素原子と置き替わる置換基であって、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、アミノ基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基、又は炭素数1〜20の硫黄含有炭化水素基を示す。ただし、R1、R2、R4、R5、R7、R8のうち少なくとも1つはハロゲン原子又は炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。m及びnは、それぞれ独立して0〜20の整数を示す。m又はnが2以上の場合、それぞれ、R7同士又はR8同士が連結して新たな環構造を形成していてもよい。また、R7及びR8がそれぞれ2個以上あるときは、複数あるR7及びR8はそれぞれ同一であっても異っていてもよい。Qは、二つの五員環を結合する、炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基、オリゴシリレン基、ゲルミレン基のいずれかを示す。)
【0014】
また、本発明は、前記一般式(I)のR3及びR6の少なくとも一方がR3又はR6由来の不飽和結合を有する七員環からなる縮合環を形成している前記架橋ハフノセン化合物の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記芳香族炭化水素が炭素数6〜10の芳香族炭化水素であり、前記エーテル類が炭素数4〜10の脂肪族エーテルである、前記いずれかの架橋ハフノセン化合物の製造方法を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の方法は、含ハロゲン置換基を有する架橋シクロペンタジエン化合物と該化合物を脱プロトン化することのできる塩基との反応物を、ハフニウム化合物と溶媒中で反応させて架橋ハフノセン化合物を製造する方法である。
本発明において用いることのできる、含ハロゲン置換基を有する架橋シクロペンタジエン化合物は、好ましくは下記一般式(I)で表されるものである。
【0016】
【化3】
【0017】
ここで、一般式(I)中、R1、R2、R4、R5は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基、又は炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基を示す。
ハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子がある。これ等の中でも塩素原子が好ましい。
炭素数1〜10の炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル等のアルキル基、ビニル、プロペニル等のアルケニル基、ベンジル、フェニルエチル等のアリールアルキル基、フェニル、トリル、1−ナフチル等のアリール基が挙げられる。
【0018】
炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基の具体例としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル等のトリアルキルシリル基、トリフェニルシリル等のトリアリールシリル基、ジメチルフェニルシリル等の(アルキル)(アリール)シリル基、ビス(トリメチルシリル)メチル等のアルキルシリルアルキル基が挙げられる。
【0019】
炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。そして上記ハロゲン化炭化水素基は、ハロゲン原子が炭素数1〜20の炭化水素基の任意の位置に置換した化合物である。例えばフッ素原子の場合、フッ素原子が前記炭化水素基の任意の位置に置換した化合物である。かかる炭化水素基の具体例としては、上記炭素数1〜10の炭化水素基の具体例として例示したものが挙げられる。より具体的には、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ヨードメチル基等が挙げられる。
【0020】
一般式(I)中、R7及びR8は、縮合環R3又はR6上の水素原子と置き替わる置換基であって、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、アミノ基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基、又は炭素数1〜20の硫黄含有炭化水素基を示す。
ハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0021】
炭素数1〜20の炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル等のアルキル基、ビニル、プロペニル等のアルケニル基、ベンジル、フェニルエチル等のアリールアルキル基、フェニル、トリル、1−ナフチル、ビフェニル等のアリール基等が挙げられる。
【0022】
炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。そして上記ハロゲン化炭化水素基は、ハロゲン原子が炭素数1〜20の炭化水素基の任意の位置に置換した化合物である。例えばフッ素原子の場合、フッ素原子が前記炭化水素基の任意の位置に置換した化合物である。かかる炭化水素基の具体例としては、上記炭素数1〜20の炭化水素基の具体例として例示したものが挙げられる。より具体的には、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ヨードメチル基等が挙げられる。
【0023】
炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等のアルコキシ基、フェノキシ、メチルフェノキシ、ナフトキシ等のアリロキシ基、フェニルメトキシ、ナフチルメトキシ等のアリールアルコキシ基、フリル基等の酸素含有複素環基等が挙げられる。
炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基の具体例としては、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ等のアルキルアミノ基、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ等のアリールアミノ基、(メチル)(フェニル)アミノ等の(アルキル)(アリール)アミノ基、ピラゾリル、インドリル等の窒素含有複素環基等が挙げられる。
【0024】
炭素数1〜20の硫黄含有炭化水素基の具体例としては、前記含酸素化合物の酸素が硫黄に置換した置換基等が挙げられる。
ただし上記R1、R2、R4、R5、R7、R8のうち少なくとも1つはハロゲン原子又は炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。
【0025】
一般式(I)中、R3及びR6は、それぞれ独立して、それが結合する5員環に対して縮合環を形成する炭素数3〜10の飽和又は不飽和の2価の炭化水素基を示す。従って、当該縮合環は5〜12員環である。特に、R3及びR6の少なくとも一方が、特に好ましくは両方が、R3又はR6由来の不飽和結合を有する七員環からなる縮合環を形成しているのが好ましい。
【0026】
上記R3及びR6の具体例としては、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン等の2価の飽和炭化水素基、プロペニレン、2−ブテニレン、1,3−ブタジエニレン、1−ペンテニレン、2−ペンテニレン、1,3−ペンタジエニレン、1,4−ペンタジエニレン、1−ヘキセニレン、2−ヘキセニレン、3−ヘキセニレン、1,3−ヘキサジエニレン、1,4−ヘキサジエニレン、1,5−ヘキサジエニレン、2,4−ヘキサジエニレン、2,5−ヘキサジエニレン、1,3,5−ヘキサトリエニレン等の2価の不飽和炭化水素基が挙げられる。
【0027】
一般式(I)中、m及びnは、それぞれ独立して0〜20の整数を示す。m及びnは1〜5が好ましい。m及び/又はnが2〜20の整数の場合は、複数の基R7、R8は互いに同一でも異なっていても構わない。また、m又はnが2以上の場合、それぞれ、R7同士又はR8同士が連結して新たな環構造を形成していてもよい。
【0028】
Qは、二つの5員環を結合する、炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基、オリゴシリレン基、ゲルミレン基のいずれかを示す。上記のシリレン基、オリゴシリレン基又はゲルミレン基上に2個の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基が存在する場合は、それらが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
【0029】
上記Qの具体例としては、メチレン、1,2−エチレン等のアルキレン基、(メチル)(フェニル)メチレン、ジフェニルメチレン等のアリールアルキレン基、メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン等のアルキルシリレン基、メチルフェニルシリレン、メチルトリルシリレン等の(アルキル)(アリール)シリレン基、ジフェニルシリレン等のアリールシリレン基、テトラメチルジシリレン等のオリゴシリレン基、ゲルミレン基、上記の2価の炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリレン基のケイ素をゲルマニウムに置換したアルキルゲルミレン基、アリールゲルミレン基等が挙げられる。
【0030】
本発明においては、上記一般式(I)で示される架橋シクロペンタジエン化合物を、この化合物を脱プロトン化することのできる塩基と反応させた後、つづいてハフニウム化合物と反応させるときの反応媒体として、芳香族炭化水素/エーテル類の体積比が30/1〜1/1の割合からなる芳香族炭化水素及びエーテル類の混合溶媒を用いる。
【0031】
本発明においては、
1)架橋シクロペンタジエン化合物を芳香族炭化水素及びエーテル類の前記混合溶媒に溶解させ、これに架橋シクロペンタジエン化合物を脱プロトン化することのできる塩基を加えて反応させ、つづいてハフニウム化合物と反応させることにより、架橋ハフノセン化合物を製造する。
2)架橋シクロペンタジエン化合物を、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、エーテル類等の有機溶媒中又は無溶媒下に前記塩基で処理して架橋シクロペンタジエニル塩に転化した後、芳香族炭化水素及びエーテル類の前記混合溶媒に溶解させ、又は前記混合溶媒条件に調製し、つづいてハフニウム化合物と反応させて架橋ハフノセン化合物を製造する。ここで、前記混合溶媒条件に調製するとは、架橋シクロペンタジエン化合物と塩基との反応に用いた前記有機溶媒に、新たに芳香族炭化水素及び/又はエーテル類を添加する等の方法で、本発明の前記混合溶媒条件(混合体積比:芳香族炭化水素/エーテル類=30/1〜1/1)になるように調製することである。
3)架橋シクロペンタジエン化合物を、溶媒中又は無溶媒下に前記塩基で処理して、架橋シクロペンタジエニル塩に転化し、溶媒留去、溶剤洗浄等により精製単離したあと、芳香族炭化水素及びエーテル類の前記混合溶媒中でハフニウム化合物と反応させ、架橋ハフノセン化合物を製造する。
等の方法によって実施することができる。
【0032】
上記2)及び3)の場合、架橋シクロペンタジエン化合物と上記塩基との反応に使用する溶媒としては特に制限はなく、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル類等、及びそれらの混合溶媒を使用することができる。
【0033】
本発明の前記混合溶媒において使用される芳香族炭化水素としては、好ましくは炭素数6〜10までの芳香族炭化水素である。具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が挙げられ、好ましくは、ベンゼン、トルエンである。
【0034】
本発明の前記混合溶媒において使用されるエーテル類としては、好ましくは炭素数4〜10のエーテル類であり、より好ましくは炭素数4〜10の脂肪族エーテル類(脂肪族環状エーテル類を含む)である。具体例としては、ジエチルエーテル、ジ(n−プロピル)エーテル、ジ(i−プロピル)エーテル、ジ(n−ブチル)エーテル、メチル(n−ブチル)エーテル、メチル(t−ブチル)エーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等が挙げられる。この中では、ジエチルエーテル、ジ(i−プロピル)エーテル、テトラヒドロフランが好適である。
【0035】
芳香族炭化水素とエーテル類との混合体積比は、30/1〜1/1の範囲であり、好ましくは20/1〜1/1の範囲であり、さらに好ましくは10/1〜1/1の範囲である。この混合体積比が上記範囲未満では分離困難な副生成物が増加し、また上記範囲を超えると反応の進行が極めて遅くなる。どちらの場合でも目的とするハフノセン化合物の収率低下を招くことになるので好ましくない。
【0036】
また本発明において使用する芳香族炭化水素やエーテル類は、それぞれ2種以上の混合溶媒であってもよい。例えば上記2)において、あるエーテル類を溶媒として架橋シクロペンタジエン化合物と上記塩基とを反応させた後、これに別のエーテル類と芳香族炭化水素とを加えて本発明の前記混合溶媒条件となるように混合溶媒を調製し、そのままハフニウム化合物との反応を行わせることもできる。
【0037】
本発明に使用される塩基は、架橋シクロペンタジエン化合物を脱プロトン化することのできる塩基であり、好ましくは、該化合物のシクロペンタジエニル環からプロトンを引き抜くことができる化合物である。工業的に有利な塩基としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又はこれらの金属化合物である。具体例としては、アルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム及びそれらのアマルガムが挙げられる。アルカリ土類金属としてはカルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。アルカリ又はアルカリ土類の金属化合物としては、リチウムを例にとるとメチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムナフタレニド等が挙げられる。これらの中ではn−ブチルリチウムが好適である。
【0038】
上記の塩基は溶液として使用することもできる。具体的にはn−ブチルリチウムのヘキサン溶液もしくはトルエン溶液、メチルリチウムのジエチルエーテル溶液、sec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液などが例示される。
この場合には、上記の芳香族炭化水素とエーテル類との混合溶媒に、塩基溶液からの溶媒が追加されることもあるが、通常の条件下では本発明の効果にはまったく影響を与えない。
【0039】
これらの塩基の使用量は、架橋シクロペンタジエン化合物1モルに対し、通常0.1〜5.0、好ましくは1.8〜2.4モルである。
これらの塩基と架橋シクロペンタジエン化合物とを接触させる際の反応温度は、−100℃〜100℃、好ましくは−80℃〜30℃、さらに好ましくは−10℃〜25℃である。通常は低温において接触させ、その後徐々に室温まで昇温させる方法が用いられる。
【0040】
本発明に用いられるハフニウム化合物は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、アミノ基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基などと遷移金属が結合した化合物であり得る。また酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、砒素原子などを有する化合物が付加した化合物も含まれる。
【0041】
具体的には、
(1)HfCl4、HfBr4などのハロゲン化合物、
(2)HfCl4・nTHF、HfCl4・n(H2NCH2CH2NH2)などのハロゲン化合物付加物、
(3)(C5H5)2HfCl2、(C5H5)2Hf(CH3)2などのシクロペンタジエン化合物、
(4)Hf(acac)4、Hf(acac)2Cl2などのキレート配位子を有する化合物、
(5)Hf(NMe2)2Cl2、Hf(NEt2)2Cl2、 などのアミノ基を有する化合物、
等が例示され、好ましくはHfCl4、HfCl4・nTHFである。
なお、acacはアセチルアセトナート配位子、THFはテトラヒドロフラン、Meはメチル基、Etはエチル基である。
【0042】
これらのハフニウム化合物の使用量は、シクロペンタジエン化合物1モルに対し、通常0.5〜2.0、好ましくは0.8〜1.2モルである。
これらの遷移金属化合物を、架橋シクロペンタジエン化合物と上記の塩基との反応物に接触させる際の反応温度は、−100℃〜100℃、好ましくは−80℃〜30℃、さらに好ましくは−10℃〜25℃である。通常は低温において遷移金属化合物を作用させ、その後徐々に室温まで昇温させる方法が用いられる。
これらのハフニウム化合物を、架橋シクロペンタジエン化合物と上記の塩基との反応物に接触させる際の反応濃度については、特に制限はなく、公知の濃度で反応させることができる。
本発明により製造される架橋ハフノセン化合物としては、次に示す化合物が例示される。
【0043】
ジクロロ〔1,1’−ジメチルメチレンビス{2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウム、ジクロロ〔1,1’−ジメチルメチレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウム、ジクロロ〔1,1’−ジメチルメチレンビス{2−メチル−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウム、ジクロロ〔1,1’−エチレンビス{2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウム、ジクロロ〔1,1’−エチレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウム、ジクロロ〔1,1’−エチレンビス{2−メチル−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウム、ジクロロ〔1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウム、ジクロロ〔1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウム、ジクロロ〔1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(3−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウム、ジクロロ〔1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウム等。
【0044】
またさらに、ジクロロ〔1,1’−ジメチルメチレンビス{2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)インデニル}〕ハフニウム、ジクロロ〔1,1’−ジメチルメチレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)インデニル}〕ハフニウム、ジクロロ〔1,1’−ジメチルメチレンビス{2−メチル−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)インデニル}〕ハフニウム、ジクロロ〔1,1’−エチレンビス{2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)インデニル}〕ハフニウム、ジクロロ〔1,1’−エチレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)インデニル}〕ハフニウム、ジクロロ〔1,1’−エチレンビス{2−メチル−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)インデニル}〕ハフニウム、ジクロロ〔1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)インデニル}〕ハフニウム、ジクロロ〔1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)インデニル}〕ハフニウム、ジクロロ〔1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(3−クロロフェニル)インデニル}〕ハフニウム、ジクロロ〔1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)インデニル}〕ハフニウム等を挙げることができる。
【0045】
【実施例】
以下、実施例を示し、さらに詳しく本発明について説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
【0046】
【実施例1】
窒素雰囲気下、室温で、300mlの三口フラスコに、1,1’−ジメチルシリレンビス〔2−メチル−(4−クロロフェニル)−1,4−ジヒドロアズレン〕16.97g(30.0mmol)を仕込んだ。無水ジエチルエーテル66.7mlを加え溶解させたのち、−70℃に冷却した。そこへn−BuLiのn−ヘキサン溶液(1.61M)37.3ml(60.0mmol)を滴下した。冷浴を取り外し、室温下で2時間撹拌した後、溶媒を減圧下留去して、濃赤色固体を得た。
【0047】
そこへ無水ジエチルエーテル16.7ml、無水トルエン133.3mlを加え、均一溶液とした。−70℃に冷却し、四塩化ハフニウム9.61g(30.0mmol)を加えた。冷浴を取り外し、室温下で15時間撹拌したところ、黄色スラリー溶液が得られた。
溶媒を減圧下留去して、黄色粉末状固体を得た。1H−NMR分析より、ジクロロ〔1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウム10.0g(12.3mmol)が含まれていた。四塩化ハフニウム基準の収率は41%、うちラセミ体は28%であった。
【0048】
【比較例1】
窒素雰囲気下、室温で、200mlの三口フラスコに、1,1’−ジメチルシリレンビス〔2−メチル−(4−クロロフェニル)−1,4−ジヒドロアズレン〕16.97g(30.0mmol)を仕込んだ。無水ジエチルエーテル66.7mlを加え溶解させたのち、−70℃に冷却した。そこへn−BuLiのn−ヘキサン溶液(1.61M)37.3ml(60.0mmol)を滴下した。冷浴を取り外し、室温下で2時間撹拌した後、溶媒を減圧下留去して、濃赤色固体を得た。
【0049】
そこへ無水ジエチルエーテル2.4mlと無水トルエン97.6mlを加え、均一溶液とした。−70℃に冷却し、四塩化ハフニウム9.61g(30.0mmol)を加えた。冷浴を取り外し、室温下で15時間撹拌したところ、黄色スラリー溶液が得られた。
溶媒を減圧下留去して、黄色粉末状固体を得た。1H−NMR分析より、ジクロロ〔1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウム1.95g(2.4mmol)が含まれていた。四塩化ハフニウム基準の収率は8%、うちラセミ体は5%であった。
【0050】
【実施例2】
窒素雰囲気下、室温で、1Lの三口フラスコに、1,1’−ジメチルシリレンビス〔2−メチル−(4−クロロフェニル)−1,4−ジヒドロアズレン〕16.97g(30.0mmol)を仕込んだ。無水ジ(i−プロピル)エーテル66.7mlを加え溶解させたのち、−70℃に冷却した。そこへn−BuLiのn−ヘキサン溶液(1.61M)37.3ml(60.0mmol)を滴下した。冷浴を取り外し、室温下で2時間撹拌した後、無水ジ(i−プロピル)エーテル16.6mlと無水トルエン666.7mlを加え、均一溶液とした。−70℃に冷却し、四塩化ハフニウム9.61g(30.0mmol)を加えた。冷浴を取り外し、室温下で15時間撹拌したところ、黄色スラリー溶液が得られた。溶媒を減圧下留去して、黄色粉末状固体を得た。1H−NMR分析より、ジクロロ〔1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウム9.27g(11.4mmol)が含まれていた。四塩化ハフニウム基準の収率は38%、うちラセミ体は23%であった。
【0051】
【実施例3】
窒素雰囲気下、室温で、300mlの三口フラスコに、1,1’−ジメチルシリレンビス〔2−メチル−(4−クロロフェニル)−1,4−ジヒドロアズレン〕16.97g(30.0mmol)を仕込んだ。無水テトラヒドロフラン16.7mlと無水トルエン133.3mlを加え溶解させたのち、−10℃に冷却した。そこへn−BuLiのn−ヘキサン溶液(1.61M)37.3ml(60.0mmol)を滴下した。冷浴を取り外し、室温下で2時間撹拌した後、−10℃に冷却し、四塩化ハフニウム9.61g(30.0mmol)を加えた。冷浴を取り外し、室温下で15時間撹拌したところ、黄色スラリー溶液が得られた。
【0052】
減圧下溶媒を約130ml除去した後、G3ガラスフリット上に黄色沈澱をろ取し、無水トルエン20mlで2回洗浄した。無水エタノール50mlで1回、20mlで1回洗浄後、無水n−ヘキサン10mlで2回洗浄し、残存黄色粉体を室温で減圧乾燥したところ、ジクロロ〔1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウム9.51g(11.7mmol)が得られた。四塩化ハフニウム基準の収率は39%、うちラセミ体は23%であった。
【0053】
【実施例4】
窒素雰囲気下、室温で、100mlの三口フラスコに、1,1’−ジメチルシリレンビス〔2−メチル−(4−クロロフェニル)−1,4−ジヒドロアズレン〕16.97g(30.0mmol)を仕込んだ。無水ジエチルエーテル66.7mlを加え溶解させたのち、−70℃に冷却した。そこへn−BuLiのn−ヘキサン溶液(1.61M)37.3ml(60.0mmol)を滴下した。冷浴を取り外し、室温下で2時間撹拌後、溶媒を減圧下留去して、濃赤色固体を得た。そこへ無水ジエチルエーテル83.3mlと無水トルエン222.2mlを加え、均一溶液とした。これを溶液Aとする。
窒素雰囲気下、室温で、1Lの三口フラスコに四塩化ハフニウム9.61g(30.0mmol)を仕込み、無水トルエン222.2mlを加え、スラリー溶液とした。これを溶液Bとする。
【0054】
窒素雰囲気下、室温で、1Lの三口フラスコに、無水トルエン222.2mlを仕込んだ。そこへ、溶液Aと溶液Bを同時に1時間かけて滴下した。室温下で15時間撹拌し、黄色スラリー溶液が得られた。
減圧下溶媒を約650ml除去した後、G3ガラスフリット上に黄色沈澱をろ取し、無水トルエン20mlで2回洗浄した。無水エタノール50mlで1回、20mlで1回洗浄後、無水n−ヘキサン10mlで2回洗浄し、残存黄色粉体を室温で減圧乾燥したところ、ジクロロ〔1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウム10.0g(12.3mmol)が得られた。四塩化ハフニウム基準の収率は41%、うちラセミ体は28%であった。
【0055】
【実施例5】
窒素雰囲気下、室温で、100mlの三口フラスコに、四塩化ハフニウム5.0g(15.6mmol)を仕込み、無水ジクロロメタン40mlを加え、スラリー溶液とした。そこへ無水テトラヒドロフラン4.45g(61.7mmol)を、液温が25〜26℃を保つような速度で滴下した。30分撹拌したあと、G3ガラスフリット上に白色沈澱をろ取し、無水n−ペンタン5mlで5回洗浄し減圧乾燥して、四塩化ハフニウム・2THF付加物の白色粉末を3.11g得た。
窒素雰囲気下、室温で、1Lの三口フラスコに、1,1’−ジメチルシリレンビス〔2−メチル−(4−クロロフェニル)−1,4−ジヒドロアズレン〕16.97g(30.0mmol)を仕込んだ。無水ジエチルエーテル66.7mlを加え溶解させたのち、−70℃に冷却した。そこへn−BuLiのn−ヘキサン溶液(1.61M)37.3ml(60.0mmol)を滴下した。冷浴を取り外し、室温下で2時間撹拌した後、溶媒を減圧下留去して、濃赤色固体を得た。
【0056】
そこへ無水テトラヒドロフラン83.3mlと無水トルエン666.7mlを加え、均一溶液とした。−70℃に冷却し、上記で調製した四塩化ハフニウム・2THF付加物13.93g(30.0mmol)を加えた。冷浴を取り外し、室温下で15時間撹拌したところ、黄色スラリー溶液が得られた。
溶媒を減圧下留去して、黄色粉末状固体を得た。 1H−NMR分析より、ジクロロ〔1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウム10.96g(13.5mmol)が含まれていた。四塩化ハフニウム基準の収率は45%、うちラセミ体は29%であった。
【0057】
【実施例6】
窒素雰囲気下、室温で、500Lの三口フラスコに、1,1’−ジメチルシリレンビス〔2−メチル−(4−クロロフェニル)−1,4−ジヒドロアズレン〕16.97g(30.0mmol)を仕込んだ。無水ジ(i−プロピル)エーテル66.7mlを加え溶解させたのち氷冷下攪拌した。そこへn−BuLiのn−ヘキサン溶液(1.61M)37.3ml(60.0mmol)を滴下した。冷浴を取り外し、室温下で2時間撹拌した後、無水トルエン133.5mlと無水テトラヒドロフラン4.86mlとを加え、均一溶液とした。−10℃に冷却し、四塩化ハフニウム9.61g(30.0mmol)を加えた。冷浴を取り外し、室温下で15時間撹拌したところ、黄色スラリー溶液が得られた。
溶媒を減圧下留去して、黄色粉末状固体を得た。 1H−NMR分析より、ジクロロ〔1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ハフニウム7.07g(8.7mmol)が含まれていた。四塩化ハフニウム基準の収率は29%、うちラセミ体は25%であった。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、ハフニウム化合物との反応溶媒として特定の混合体積比の条件を満たす芳香族炭化水素とエーテル類の混合溶媒を用いることにより、含ハロゲン置換基を有する架橋ハフノセン化合物を、工業的に高収率で効率よく製造することができる。
Claims (4)
- 含ハロゲン置換基を有する架橋シクロペンタジエン化合物と該化合物を脱プロトン化することのできる塩基との反応物を、ハフニウム化合物と溶媒中で反応させて架橋ハフノセン化合物を製造する方法において、該溶媒として、芳香族炭化水素とエーテル類との混合溶媒であって、芳香族炭化水素/エーテル類の体積比が30/1〜1/1の割合からなるものを用いることを特徴とする、架橋ハフノセン化合物の製造方法。
- 前記架橋シクロペンタジエン化合物が、下記一般式(I)で表されるものであることを特徴とする、請求項1記載の架橋ハフノセン化合物の製造方法。
- 前記一般式(I)のR3及びR6の少なくとも一方が、R3又はR6由来の不飽和結合を有する七員環からなる縮合環を形成している請求項2記載の架橋ハフノセン化合物の製造方法。
- 前記芳香族炭化水素が炭素数6〜10の芳香族炭化水素であり、前記エーテル類が炭素数4〜10の脂肪族エーテルである、請求項1〜3のいずれかに記載の架橋ハフノセン化合物の製造方法。
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