JP3699749B2 - ピペット - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、所定容量の液体を1の容器から他の容器に移し変えるために用いられるピペットに係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ピペットは、例えば、検体用の試料を採取容器から検査容器に移し変える際に用いられており、該ピペットには、本体容器の先端に細径のノズルを有すると共に、本体容器の中央部に吸引室が形成されたものがある。
【0003】
そして、例えば、上記吸引室を収縮させた状態でノズルを採取容器の試料に浸漬し、吸引室を負圧状態にすると、試料を吸引する一方、ノズルを検査容器に挿入して上記吸引室を再び収縮させ、吸引した試料を排出して検査容器に移し変えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したピペットにおいて、従来、1回の試料の吸引量が一定の容量固定形のものであり、使用範囲が限定され、汎用性に乏しいという問題があった。つまり、例えば、健康診断等において、尿検査を行う場合、採取した尿を遠心分離して上澄を捨てて200μl(マイクロリットル)のサンプルにする。その後、この200μl(マイクロリットル)の液体部分と残渣とを混ぜ合わせた後、15μl(マイクロリットル)の尿沈渣試験用サンプルを採取することになる。
【0005】
したがって、従来のピペットでは、吸引量が固定であるため、200μl(マイクロリットル)のサンプリング設定と15μl(マイクロリットル)のサンプリングとを容易に行うことができないので、尿検査に手間を要するという問題があった。
【0006】
そこで、サンプリング量を可変にした容量可変のピペットが提案されている。しかしながら、この容量可変形では、汎用性はあるものの、サンプリング量の設定を要することから、操作が煩雑であるという問題がある。つまり、検査試料のサンプリングはピペットを片手で把持して行うことが多く、片手でピペットを把持し、他方の手で容量設定を行うのでは、両手の操作となり、検査作業を迅速に行い難いという問題がある。
【0007】
更に、上記容量可変のピペットは、汎用性はあるものの、構造が複雑であり、部品点数も多く、高価になるという問題がある。
【0008】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもので、大容量と小容量とのサンプリング量を選択できるようにすると共に、構造が簡単で安価なピペットを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明が講じた手段は、1つのシリンダに対して第1ピストンと第2ピストンとを2段に嵌め合わせ、この2つのピストンの移動操作によって大容量と小容量とのサンプリング量を選択可能にしたものである。
【0010】
具体的に、請求項1に係る発明が講じた手段は、先ず、筒状の本体ケーシング内における先端部にシリンダが形成されている。そして、該シリンダには、内端面に開口する第1吸引室が形成されると共に、上記シリンダの外端側には、第1吸引室に連通する吸引路を有するノズル部が本体ケーシング外に延長されて形成されている。
更に、上記本体ケーシング内には、第1吸引室に往復移動自在に挿入されてシリンダに気密状に摺接する第1ピストンが第1弾性体によって突出方向に押圧された状態で設けられている。該第1ピストンには、両端面に開口する第2吸引室が形成されている。
一方、上記本体ケーシング内には、第2吸引室に往復移動自在に挿入されて第1ピストンに気密状に摺接する第2ピストンが、第1弾性体より弾性力が弱い第2弾性体によって突出方向に押圧された状態で設けられている。
加えて、上記本体ケーシングの頭部には、内端が第2ピストンの頭部端面に当接し且つ外端に押圧片が形成されると共に、第2ピストンが第1ピストンに没入した小吸引位置と、第2ピストン及び第1ピストンがそれぞれ第1ピストン及びシリンダに没入した大吸引位置とに該第1ピストン及び第2ピストンを操作する操作杆が軸方向に移動自在に設けられている。
【0011】
また、請求項2に係る発明が講じた手段は、上記請求項1の発明において、操作杆が、本体ケーシングの軸方向に延びる複数のスライド片を有し且つ第2ピストンの頭部端面に当接する回転子と、本体ケーシング内の頭部に取付けられ、上記回転子と同心上に位置してスライド片の挿入及び離脱が自在なスライド溝を有するガイド部材と、該スライド溝内に位置し且つスライド片の端部に当接するカムを有し、上記回転子と同心上に位置するノック部材と、該ノック部材に同心上で連続すると共に押圧片が形成され、上記カムを介して回転子を本体ケーシングの軸方向に移動させるノックカバーとを備えた構成としている。そして、上記スライド片がスライド溝より抜け出た位置が小吸引位置に設定されている。
【0012】
また、請求項3に係る発明が講じた手段は、上記請求項1又は2の発明において、ノズル部の先端部には、延長ノズルが着脱自在に取付けられると共に、リング状のしごき片が軸方向に移動自在に且つ延長ノズルの基端部に当接可能に設けられ、本体ケーシングの先端キャップとしごき片との間には、該しごき片がノズル部の先端より離れる方向に押圧する弾性部材が設けられた構成としている。更に、上記延長ノズルがノズル部より離脱するようにしごき片を移動させる取外し手段が設けられている。
【0013】
【作用】
上記の構成により、請求項1に係る発明では、先ず、第1ピストンがシリンダより突出し、第2ピストンが第1ピストンより突出し、何れも最突出状態から、操作杆を押圧する。その際、請求項1〜請求項3に係る発明では、ノズル部に延長ノズルを挿入して該延長ノズルをシリンダに取付ける。そして、本体ケーシングを片手で把持し、親指で操作杆の押圧片を押圧する。
【0014】
具体的に、請求項2に係る発明では、ノックカバーを押し下げると、ノック部材が下方に移動してカムが当接するスライド片が押し下げられて回転子が下方に移動する。この回転子が下方に移動すると、第2ピストンが押し下げられることになるが、その際、第1弾性体の弾性力が第2弾性体より小さく設定されているので、先ず、第2ピストンが第2吸引室に挿入移動する。この結果、第2吸引室の容積が収縮する。
【0015】
続けて、上記ノックカバーを押し下げると、回転子のスライド片がガイド部材のスライド溝より抜け出ることになる。そして、スライド片がカムのカム面を滑って回転子がやや回転することになる。この回転子が回転する位置において、ほぼ第2ピストンが第2吸引室に最も挿入された状態となり、小容量をサンプリングする小吸引位置に第2ピストンがセットされることになる。
【0016】
その後、続けてノックカバーを押し下げると、ノック部材の軸部がスライド片に当接した状態で回転子が下方に移動し、第2ピストンが第1ピストンを押し下げ、第1ピストンが第1吸引室に挿入移動する。この結果、第1吸引室の容積が収縮する。そして、上記ノックカバーを最も押し下げると、第1ピストンが第1吸引室に最も挿入された状態となり、大容量をサンプリングする大吸引位置に第1ピストンがセットされることになる。
【0017】
この様にして操作杆の押圧操作のみでもって、小容量のサンプリングと大容量のサンプリングとを選択して行うことができる。
【0018】
【発明の効果】
従って、請求項1に係る発明によれば、シリンダに対して第1ピストンと第2ピストンとを2段に嵌合して該第1ピストン及び第2ピストンを往復移動させて大容量と小容量とのサンプリング量を選択するようにしたために、従来のように、一定容量のサンプリング量のみに固定されていたものに比して適用範囲を拡大することができる。特に、多数の試料を検査する際、必要容量のサンプリングを簡単に行うことができるので、検査作業を迅速に行うことができる。
【0019】
また、サンプリング量を任意に設定する容量可変のものに比して、構造を簡素にすることができ、且つ部品点数を少なくすることができることから、安価なものにすることができる。
【0020】
また、請求項2に係る発明によれば、大容量と小容量とのサンプリング量の選択を片手、つまり、親指1本で押圧片を押圧することによって行うことができるので、操作の簡略化を図ることができ、各種の検査作業の迅速化を図ることができる。
【0021】
また、請求項3に係る発明によれば、取外し手段を操作するのみで延長ノズルを取外すことができるので、手が試料等に触れることがないので、検査作業等を迅速且つ極めて衛生的に行うことができる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
−全体の構成−
図1〜図5に示すように、ピペット1は、各種の検査試料などを1の容器から他の容器に移し変えるためのものであって、該ピペット1は、本体ケーシング2に、シリンダ3、第1ピストン4、第2ピストン5及び操作杆6等が収納されて構成され、大容量と小容量とのサンプリングを選択して行えるように構成されている。
【0024】
上記本体ケーシング2は、円筒状に形成されたボディ部21の先端部に先端キャップ22が、頭部に頭部キャップ23がそれぞれネジ嵌合されて形成されている。そして、上記ボディ部21は、両端面が開口する中空円筒体に形成され、先端部側に大径孔24が、頭部側に小径孔25が段差を介して連続形成されている。
【0025】
上記シリンダ3は、図6の分解斜視図にも示すように、シリンダ本体31の先端部にフランジ32が形成されると共に、ノズル部33が一体形成されて構成されている。該シリンダ本体31は、本体ケーシング2におけるボディ部21の大径孔24に挿入されると共に、フランジ32がボディ部21の先端面に同径状態で当接するようになっている。更に、上記シリンダ本体31には、図3において上端になる内端面に開口する第1吸引室34が形成されている。
【0026】
上記ノズル部33は、フランジ32から本体ケーシング2の先端側に向かって突出するように連続形成され、先端キャップ22の開口2aを貫通している。そして、該ノズル部33は、フランジ32側から大径の基端部3aと、該基端部3aより小径の中間部3bと、該中間部3bより小径の先端部3cとが連続形成されている。更に、上記ノズル部33には、第1吸引室34に連通して先端面に開口する吸引路3dが形成されている。
【0027】
また、上記ノズル部33には、図8に示すように、延長ノズル7が取付けられるようになっている。該延長ノズル7は、細径状の筒体で、延長部71に先細部72が連続形成されてなり、該延長部71の端部に上記ノズル部33の中間部3bが挿入されると共に、該端部の外周面には、ノズル部33の基端部3aよりやや大径のリング状突起73が形成されている。
【0028】
上記ノズル部33の基端部3aには、リング状のしごき片11が軸方向に移動自在に取付けられている。該しごき片11と先端キャップ22との間には、弾性部材である圧縮スプリング12が介設されて、しごき片11がノズル部33の先端より離れる方向に押圧され、つまり、フランジ32に押圧されている。上記しごき片11は、後述する取外し手段8によってノズル部33の先端側に移動すると、延長ノズル7の突起73に当接して該延長ノズル7をノズル部33から離脱させるように構成されている。
【0029】
上記第1ピストン4は、円筒状のピストン本体41の一端にフランジ42が一体形成されて成り、内部空間が両端面に開口する第2吸引室43に形成されている。該ピストン本体41は、第1吸引室34に往復移動自在に挿入され、シリンダ3にシールリング13を介して気密状に摺接している。一方、上記フランジ42は、本体ケーシング2の大径孔24に摺接する径に形成されている。更に、上記フランジ42とシリンダ本体31との間には、第1弾性体である第1スプリング44が介設されて第1ピストン4が突出方向に押圧されている。そして、上記第1ピストン4は、ボディ部21における大径孔24と小径孔25との段差面にフランジ42が当接して最大突出位置に保持されている。
【0030】
上記第2ピストン5は、棒状のピストン本体51の一端にフランジ52が一体形成されて成り、該ピストン本体51が大径部5aと小径部5bとで形成されている。該ピストン本体51の小径部5bは、第2吸引室43に往復移動自在に挿入され、シリンダ3にシールリング14を介して気密状に摺接し、大径部5aが第1ピストン4のフランジ42に当接するように形成されている。一方、上記フランジ52は、本体ケーシング2の小径孔25に摺接する径に形成されている。更に、上記フランジ52と第1ピストン4のフランジ42との間には、第2弾性体である第2スプリング53が介設されて第2ピストン5が突出方向に押圧されており、該第2スプリング53は、本発明の特徴として、第1スプリング44のバネ力より小さく設定されている。そして、上記第2ピストン5は、後述する操作杆6がフランジ52に当接して最大突出位置に保持されている。尚、第2スプリング53と第1ピストン4のフランジ32との間には、シールリング14を止める止め部材15が介設されている。
【0031】
上記操作杆6は、図7にも示すように、ノック機構を備えており、回転子61とガイド部材62とノック部材63とノックカバー64とより形成されている。そして、該操作杆6は、第2ピストン5が第1ピストン4に没入した小吸引位置と、第2ピストン5及び第1ピストン4がそれぞれ第1ピストン4及びシリンダ3に没入した大吸引位置とに該第1ピストン4及び第2ピストン5を操作するように本体ケーシング2の軸方向に移動自在に設けられている。
【0032】
上記ガイド部材62は、略円筒状に形成されて本体ケーシング2におけるボディ部21の小径孔25の頭部に嵌合固定されており、複数のスライド溝6a,6a,…が形成されている。該スライド溝6a,6a,…は、例えば、6つ形成されて一端(図7の下端)が開放され、スライド溝6a,6a,…の間の短冊片6b,6b,…の下端面は、片側のスライド溝6aから隣り合う片側のスライド溝6aに向かって傾斜している。
【0033】
上記回転子61は、小径の軸部6cの一端(図7の下端)に軸方向に延びる複数のスライド片6d,6d,…が連続形成されて構成されている。そして、該回転子61は、下端面が第2ピストン5のフランジ52に当接する一方、軸部6cがガイド部材62と同心上に該ガイド部材62を貫通した状態で設けられている。上記スライド片6d,6d,…は、スライド溝6a,6a,…の半分の数、例えば、3つ形成されている。更に、上記スライド片6d,6d,…は、上端面が短冊片6b,6b,…の下端傾斜面に対応して傾斜しており、上記スライド溝6a,6a,…に挿入及び離脱が自在に形成されている。
【0034】
上記ノック部材63は、円筒状の軸部6eの一端(図7の下端)にほぼ楕円状の複数個のカム6f,6f,…が連続形成されて構成されている。そして、該ノック部材63の軸部6eは、ガイド部材62と同心上に該ガイド部材62を貫通すると共に、回転子61の軸部6cが貫通挿入されている。また、上記カム6f,6f,…は、例えば、スライド溝6a,6a,…の対応して6つ設けられ、該スライド溝6a,6a,…に位置すると共に、スライド片6d,6d,…が当接している。
【0035】
上記ノックカバー64は、軸部6gの一端(図4の上端)に円盤状の押圧片6hが一体形成されてなり、軸部6gの下端が本体ケーシング2の頭部キャップ23を貫通し、ノック部材63の軸部6eに嵌合されて該ノック部材63と同心上に設けられている。そして、該ノックカバー64を押圧すると、カム6f,6f,…がスライド片6d,6d,…を押し下げ、該スライド片6d,6d,…がスライド溝6a,6a,…から抜け出ると、回転子61が回転すると共に、第2ピストン5が小吸引位置にセットされる。
【0036】
また、上記取外し手段8は、本体ケーシング2におけるボディ部21の頭部側に形成された軸方向の取付け溝2bに摺動自在に取付けられたクリップ81と、本体ケーシング2におけるボディ部21に貫挿された取外しピン82とより構成されている。そして、上記取外し手段8は、図2の状態において、クリップ81を下方に押し下げると、取外しピン82ガ下方に移動し、上記シリンダ3のフランジ32を貫通してしごき片11を押し下げ、延長ノズル7が外れるように構成されている。
【0037】
−サンプリング動作−
次に、上述したピペット1を用いた試料のサンプリング動作について説明する。
【0038】
図2に示す状態は、試料の吸引前の状態であって、この状態において、しごき片11はシリンダ3のフランジ32に圧接される一方、第1ピストン4はシリンダ本体31より突出し、第2ピストン5は第1ピストン4より突出し、何れも最突出状態であって、第1吸引室34及び第2吸引室43は最大容積の状態になっている。
【0039】
上述の状態からノズル部33に延長ノズル7を挿入して該延長ノズル7をシリンダ3に取付ける。そして、本体ケーシング2のボディ部21を片手で把持し、親指で操作杆6の押圧片6hを押圧する。このノックカバー64を押し下げると、ノック部材63が下方に移動してカム6f,6f,…が当接するスライド片6d,6d,…が押し下げられて回転子61が下方に移動する。
【0040】
この回転子61が下方に移動すると、第2ピストン5が押し下げられることになるが、本発明の特徴として、第2スプリング53が第1スプリング44のバネ力より小さく設定されているので、先ず、第2スプリング53のみが撓み、第2ピストン5のピストン本体51が第2吸引室43に挿入移動する。この結果、第2吸引室43の容積が収縮する。
【0041】
続けて、上記ノックカバー64を押し下げると、回転子61のスライド片6d,6d,…がガイド部材62のスライド溝6a,6a,…より抜け出ることになる。そして、このスライド片6d,6d,…がスライド溝6a,6a,…より抜け出ると、カム6f,6f,…のカム面を滑って回転子61がやや回転し、スライド片6d,6d,…の上端面とガイド部材62の短冊片6b,6b,…の下端面とが接する状態となる。この回転子61の回転時にスライド片6d,6d,…が隣り合うカム6f,6f,…に当接してノック音を発することになる。
【0042】
この回転子61が回転する位置が、図9に示す状態となり、ほぼ第2ピストン5のピストン本体51における大径部5aの端面が止め部材15を介して第1ピストン4のフランジ42に当接する。つまり、第2ピストン5の小径部5bが第2吸引室43に最も挿入された状態となり、試料を小容量だけサンプリングする小吸引位置に第2ピストン5がセットされることになり、具体的に、上述したノック音が出ると、小吸引位置になる。この小吸引位置の容量は、例えば、15μl(マイクロリットル)の採取容量に設定されている。
【0043】
その後、続けてノックカバー64を押し下げると、ノック部材63の軸部6eがスライド片6d,6d,…に当接した状態で回転子61が更に下方に移動し、第2ピストン5の大径部5aが第1ピストン4に当接して該第1ピストン4を押し下げ、第1スプリング44も撓むことになり、第1ピストン4のピストン本体41が第1吸引室34に挿入移動する。この結果、第1吸引室34の容積が収縮する。
【0044】
そして、上記ノックカバー64を最も押し下げると、図10に示す状態となり、上記第1ピストン4のピストン本体41が第1吸引室34に最も挿入された状態となり、つまり、上記第2ピストン5が第2吸引室43に最も挿入された状態で第1ピストン4が第1吸引室34に最も挿入され、大容量の試料をサンプリングする大吸引位置に第1ピストン4がセットされることになる。この大吸引位置の容量は、例えば、500μl(マイクロリットル)の採取容量に設定されている。
【0045】
一方、上記ノックカバー64の押圧を解除すると、第1スプリング44及び第2スプリング53のバネ力によって第1ピストン4及び第2ピストン5は突出して元の図2の状態に戻ることになる。
【0046】
そこで、上述したピペット1における大容量と小容量とのサンプリング量の選択動作について具体的に説明する。
【0047】
例えば、健康診断等において、尿検査を行う場合、採取した尿を遠心分離して上澄を捨てて200μl(マイクロリットル)のサンプルにする。その際、上述したピペット1においては、ノックカバー64を最も押し込んだ大吸引位置にし(図10参照)、延長ノズル7を試料容器の試料に浸漬し、試料容器のサンプルが200μl(マイクロリットル)になるまでノックカバー64を戻し、上澄を除去する。
【0048】
その後、この200μl(マイクロリットル)の液体部分と残渣とのサンプルを混ぜ合わせた後、15μl(マイクロリットル)の尿沈渣試験用サンプルを採取することになるが、その際、上記ノックカバー64をやや押し込んだ小吸引位置にし(図9参照)、延長ノズル7を試料容器の試料に浸漬し、ノックカバー64を戻して上記サンプルを採取することになる。
【0049】
また、延長ノズル7を取り外す場合は、クリップ81を下方に押圧移動させると、取外しピン82が移動してしごき片11が下方に移動する。該しごき片11が移動すると、図示しないが、しごき片11の下端が延長ノズル7の突起73に当たって該延長ノズル7が外れることになる。
【0050】
−実施例の効果−
以上のように、本実施例によれば、シリンダ3に対して第1ピストン4と第2ピストン5とを2段に嵌合し、該第1ピストン4及び第2ピストン5を往復移動させて大容量と小容量とのサンプリング量を選択するようにしたために、従来のように、一定容量のサンプリング量のみに固定されていたものに比して適用範囲を拡大することができる。特に、多数の試料を検査する際、必要容量のサンプリングを簡単に行うことができるので、検査作業を迅速に行うことができる。
【0051】
また、サンプリング量を任意に設定する容量可変のものに比して、構造を簡素にすることができ、且つ部品点数を少なくすることができることから、安価なものにすることができる。
【0052】
また、大容量と小容量とのサンプリング量の選択を片手、つまり、親指1本で押圧片6hを押圧することによって行うことができるので、操作の簡略化を図ることができ、各種の検査作業の迅速化を図ることができる。
【0053】
また、クリップ81を操作するのみで延長ノズル7を取外すことができるので、手が試料等に触れることがないので、検査作業等を迅速且つ極めて衛生的に行うことができる。
【0054】
−他の変形例−
本実施例においては、上記操作杆6にノック機構を用いたが、請求項1に係る発明では第1ピストン4及び第2ピストン5を押圧操作するのみであってもよい。
【0055】
また、上記第1スプリング44、第2スプリング53及び圧縮スプリング12は、実施例のコイルスプリングに限られず、板バネやゴムなどの各種の弾性部材であってもよい。
【0056】
また、請求項1及び請求項2に係る発明では、延長ノズル7の取外し機構は設けなくともよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のピペットを示す正面図である。
【図2】ピペットを示す縦断面図である。
【図3】ピペットの先端側を示す拡大縦断面図である。
【図4】ピペットの頭部側を示す拡大縦断面図である。
【図5】図2のV−V線における横断面端面図である。
【図6】シリンダ、第1ピストン及び第2ピストン等の分解斜視図である。
【図7】操作杆の分解斜視図である。
【図8】延長ノズルの縦断面図である。
【図9】小吸引位置の操作状態を示すピペットの縦断面図である。
【図10】大吸引位置の操作状態を示すピペットの縦断面図である。
【符号の説明】
1 ピペット
11 しごき片
12 圧縮スプリング(弾性部材)
2 本体ケーシング
21 ボディ部
22 先端キャップ
23 頭部キャップ
3 シリンダ
31 シリンダ本体
33 ノズル部
34 第1吸引室
3d 吸引路
4 第1ピストン
41 ピストン本体
43 第2吸引室
44 第1スプリング(弾性体)
5 第2ピストン
51 ピストン本体
53 第2スプリング(弾性体)
6 操作杆
61 回転子
6d スライド片
62 ガイド部材
6a スライド溝
63 ノック部材
6f カム
64 ノックカバー
6h 押圧片
7 延長ノズル
8 取外し手段
Claims (3)
- 筒状の本体ケーシング内における先端部にシリンダが形成され、
該シリンダには、内端面に開口する第1吸引室が形成されると共に、上記シリンダの外端側には、第1吸引室に連通する吸引路を有するノズル部が本体ケーシング外に延長して形成され、
上記本体ケーシング内には、第1吸引室に往復移動自在に挿入されてシリンダに気密状に摺接する第1ピストンが第1弾性体によって突出方向に押圧された状態で設けられ、
該第1ピストンには、両端面に開口する第2吸引室が形成される一方、
上記本体ケーシング内には、第2吸引室に往復移動自在に挿入されて第1ピストンに気密状に摺接する第2ピストンが、第1弾性体より弾性力が弱い第2弾性体によって突出方向に押圧された状態で設けられ、
上記本体ケーシングの頭部には、内端が第2ピストンの頭部端面に当接し且つ外端に押圧片が形成されると共に、第2ピストンが第1ピストンに没入した小吸引位置と、第2ピストン及び第1ピストンがそれぞれ第1ピストン及びシリンダに没入した大吸引位置とに該第1ピストン及び第2ピストンを操作する操作杆が軸方向に移動自在に設けられている
ことを特徴とするピペット。 - 請求項1記載のピペットにおいて、
操作杆は、
本体ケーシングの軸方向に延びる複数のスライド片を有し且つ第2ピストンの頭部端面に当接する回転子と、
本体ケーシング内の頭部に取付けられ、上記回転子と同心上に位置してスライド片の挿入及び離脱が自在なスライド溝を有するガイド部材と、
該スライド溝内に位置し且つスライド片の端部に当接するカムを有し、上記回転子と同心上に位置するノック部材と、
該ノック部材に同心上で連続すると共に押圧片が形成され、上記カムを介して回転子を本体ケーシングの軸方向に移動させるノックカバーとを備え、
上記スライド片がスライド溝より抜け出た位置が小吸引位置に設定されている
ことを特徴とするピペット。 - 請求項1又は2記載のピペットにおいて、
ノズル部の先端部には、延長ノズルが着脱自在に取付けられると共に、リング状のしごき片が軸方向に移動自在に且つ延長ノズルの基端部に当接可能に設けられ、
本体ケーシングの先端キャップとしごき片との間には、該しごき片がノズル部の先端より離れる方向に押圧する弾性部材が設けられる一方、
上記延長ノズルがノズル部より離脱するようにしごき片を移動させる取外し手段が設けられている
ことを特徴とするピペット。
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