JP3698792B2 - 筆記具 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はインクを中綿等に吸蔵させないで直接貯溜するインク室を有し、又インク室内の空気が温度上昇等によって膨張した場合にインク室から押し出されるインクをペン先や空気孔からボタ落ちさせないために一時的に保溜するインク保溜体を付設した筆記具のインク導出の誘導芯に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の直接貯溜方式の筆記具のインク室からペン先へのインク導出は保溜体の中心孔に付設された中側にインク流路を設けた誘導芯を付設し、インク室からインクをペン先へ導出するか、ペン先と誘導芯の間に繊維束等からなる中芯を接続させインク室からインクを誘導芯を経て中芯に供給しペン先に導出していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記、従来の直接貯溜方式の筆記具に於ける組立は、軸筒を上向きにしインクを充填し、次にペン先、誘導芯等の組み込まれた保溜体を軸筒に組み込んだ後、速やかに筆記先端部を下向き状態にしてペン先を吸引し初期のインク出し工程が行われている。これはインク誘導芯を押し出し成形で中に連通する間隙を設けて製作するが、インク誘導芯をポリアセタール樹脂で製作した場合、インクの濡れ性が濡れ性改質処理されたABS樹脂製の保溜体より低くなり、組立直後ペン先を下向きにしたときインクが保溜体の後部とインク誘導芯の後部に接触するが、この時保溜体の保溜溝の毛管力がインク誘導芯の毛管力より強いためインクは保溜溝へ先に引かれ、インク室内が負圧になり、空気がペン先から誘導芯を経てインク室内に入りインク室内は初期の圧力になる。このため更にインクは保溜溝に引かれる。するとインク室内は又負圧になりペン先よりインク誘導芯を経てインク室内に空気が流入する。以上の現象の繰り返しにより組み立て初期から保溜体にインクが入ってしまい保溜体の本来の性能が発揮できなくなり、温度上昇等によるインクの吹き出しの危険性が増大する。
【0004】
このため保溜体を軸筒に組み込んだ後、速やかに筆記先端部を下向き状態にしてペン先を吸引し初期のインク出し工程をする事で誘導芯の間隙にインクを充満させ空気がペン先からインク誘導芯を経てインク室に流入するのを防ぐ必要がある。よって組立工程が煩雑になると共に組立機械の構造も複雑になり生産性及び品質が安定しない等の不具合があった。又ペン先を吸引し筆先まで確実にインク導出を行うとどうしても余剰インクを筆先部に出す事になりその余剰インクが筆先部以外に付着しペン先の見てくれが悪くなるばかりか初筆時にインクの紙面へのボタ落ちといった不都合も生じる。
【0005】
本発明は、組立時に於いて組み立て直後ペン先を下に向けペン先を吸引し初期のインク出しをしなくてもよい筆記具を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために案出された本発明の筆記具のインク誘導芯の中側に連通する間隙により形成される最大の毛管幅を保溜溝の最小溝幅より小さく形成し、保溜溝がインクを引く力より強くすることで、ペン先を吸引し初期のインク出し工程をしなくとも、保溜溝にはインクが入らず自然にインクがペン先まで導出するようにするものである。
【0007】
【実施例】
図1は本発明の一実施例を示したもので、以下図面に基づき詳説する。筆記具本体はその軸筒1の後部をインク室2となし前方には外周面に多数形成された周溝を保溜溝3とし、その保溜溝3を連通させる縦溝4が形成され、その縦溝4はインク室2に通じ、インク室2の空気が温度上昇等によりインク室2から押し出されたインクが縦溝4を通り保溜溝3に保溜される役割を有するインク保溜体5が装着されている。またそのインク保溜体5の中心部には軸方向に貫通する縦孔6にインク誘導芯7が貫装され、更にインク誘導芯7の先は中芯8に当接又は刺さり、中芯8はその先のペン先10に接続されインクはインク誘導芯7を通り中芯8に渡りインク室2よりペン先10に供給されるようになっている。なおインク保溜体5はABS樹脂で成形され、そのままではインクが濡れないためプラズマによる濡れ性改質処理がされている。
【0008】
ここでインク誘導芯7はポリアセタール樹脂の押し出し成形により図4又は図5に示した如く断面が略放射状の間隙がインク誘導芯7の長手方向に連続し形成され毛管となしインクの流路14となっている。このインク誘導芯7の毛管の最大幅(例えば図4に示した形状の場合はLまた図5に示した形状の場合はMとなる)L又はMを保溜溝3の最小幅N未満にし保溜溝3より毛管力を強くしてある。例えば保溜溝3の最小幅Nを0.2mmとすれば毛管の最大幅LまたはMを0.2mm未満に、好ましくは0.15mm以下に形成されている。またこのインク誘導芯7は両端を円錐状にし、後端はインクを吸い易く、前端は中芯8に刺さり中芯8と接続しインク室2よりインクがインク誘導芯7を経て中芯8に渡りペン先10に導出される。尚インク誘導芯7は保溜体5の貫通孔6の後部で組立直後初めてインクが接触した時空気のインク室2へ流入が起こらない程度以上に外径が密着嵌合している。
【0009】
図2は他の実施例でインク誘導芯11の先端がペン先12に直接接続されインク室13のインクをペン先12に導出するようにしたもので、基本的には上記の実施例と同じである。
【0010】
【作用】
以上の如く構成された筆記具に於て、組立は軸筒1を上向きにしインクを充填し、次にペン先10、インク誘導芯7等の組み込まれたインク保溜体7を軸筒1に組み込んだ後、ペン先10を下向きまたは横向き状態にすれば、インクはインク保溜体5の後端部とインク誘導芯7の後端部に接触するが、インク保溜体5の保溜溝3の最小の毛管(保溜溝3の中で最も毛管力の強い保溜溝3)によるインクを引く力よりもインク誘導芯7の流路14の最大の毛管(流路14の毛管の中で毛管力の最も弱い部分)によるインクを引く力の方のが強く構成されているためインクは保溜溝3には入らずインク誘導芯7に入り中芯8を経てペン先10まで自然に導出される。
【0011】
【発明の効果】
本発明の構成及び作用は以上の通りであり、筆記具の組立においては、軸筒を上向きにしインクを充填し、次にペン先、誘導芯等の組み込まれた保溜体を軸筒に組み込んだ後、速やかに筆記先端部を下向き状態にしてペン先を吸引し初期のインク出し工程を行わなくとも、下向き又は横向きにすれば保溜体の保溜溝にインクが引かれることなく自然にインクはペン先先端に導出される。よって組立工程が簡略になると共に組立機械の構造も簡素になり生産性及び品質が安定する。 又インク出しによるペン先の筆先部に余剰インクが出る事もなくなるため、余剰インクが筆先部以外に付着してペン先の見てくれを悪くする事もなく、更に初筆時にインクを紙面へのボタ落ちさせるといった不都合も生じなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の筆記具の縦断面図である。
【図2】 他の実施例の筆記具の縦断面図である。
【図3】 図1及び図2のAA断面図である。
【図4】 図1及び図2のインク誘導芯の断面図である。
【図5】 図1及び図2のインク誘導芯の他の実施例の断面図である。
【符号の説明】
1 軸筒
2 インク室
3 保溜溝
4 縦溝
5 インク保溜体
6 縦孔
7 インク誘導芯
8 中芯
9 ペン先支持
10 ペン先
11 インク誘導芯
12 ペン先
13 インク室
14 流路
Claims (1)
- 軸筒後部にインクを直に貯溜するインク室を有し、かつ軸筒前方にインク保溜体を装着し、該インク保溜体には、外周面に多数形成された周溝である保溜溝と、該保留溝を連通させる縦溝とが形成され、前記縦溝はインク室に通じているとともに、その保溜体の中心に明けられた貫通孔にインク室からインクをペン先に導出するための誘導芯を設けたインク直接貯溜方式の筆記具において、ポリアセタール樹脂製のインク誘導芯は保溜体の貫通孔の後部で組立直後初めてインクが接触した時空気のインク室へ流入が起こらない程度以上に外径が密着嵌合しており、また、濡れ性改質されたABS樹脂製のインク保溜体の最小の保溜溝を0.2mmとしたときに、ポリアセタール樹脂製の誘導芯の中に設けたインク流路の毛管の最大幅を0.2mm未満、好ましくは0.15mm以下とした事を特徴とするインク直接貯溜方式の筆記具。
Priority Applications (1)
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JP02875196A JP3698792B2 (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | 筆記具 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP02875196A JP3698792B2 (ja) | 1996-01-24 | 1996-01-24 | 筆記具 |
Publications (2)
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JPH09202088A JPH09202088A (ja) | 1997-08-05 |
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Family
ID=12257122
Family Applications (1)
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1996
- 1996-01-24 JP JP02875196A patent/JP3698792B2/ja not_active Expired - Fee Related
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