JP3698295B2 - スピーカーユニットおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカーユニットに関する。より詳細には、本発明は、優れた振動伝達特性を有し、かつ、安価で製造効率に優れるスピーカーユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来のスピーカーユニットを説明するための概略断面図である。このスピーカーユニットは、各々別体である振動板4とエッジ2とガスケット5とを有する。エッジ2は、その外周端部2aがフレーム1の環状鍔部1aに座紙3を介して固着されている。エッジの内周端部2bは、接着剤を介して振動板4に貼り付けられている。さらに、エッジ2の外周端部2a上には、ガスケット5が接着されている。また、ガスケット部分に矢ゴムや補強紙が用いられることもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなスピーカーは、各々別体である振動板とエッジとガスケットとを互いに貼り付けて形成しているので、貼り付け部分でそれぞれの内部損失が不連続な部分を生じる。その結果、貼り付け部分で振動の反射が発生するので、従来のスピーカーは、音響特性の観点から非常に大きな問題を有している。さらに、このようなスピーカーは、部品点数が多くなってしまう。その結果、このようなスピーカーは、コストが高い、製造工程が多くなり製造効率が低いといった問題も有している。
【0004】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、優れた振動伝達特性を有し、かつ、安価で製造効率に優れるスピーカーユニットを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のスピーカーユニットは、振動板部分とエッジ部分とガスケット部分とを備え、該ガスケット部分の発泡倍率が該エッジ部分側から外側に向けて漸近的に増大するようにして、該エッジ部分と該ガスケット部分とが発泡弾性材料から一体成形されるとともに;該振動板部分と該エッジ部分との接合部におけるエッジ部分の発泡倍率が該エッジ部分側から該振動板の本体部分側に向けて漸近的に減少するようにして、該振動板部分と該エッジ部分とが熱プレスにより密着固定されている。
【0006】
好ましい実施形態においては、上記接合部の厚みは、上記振動板の本体部分の厚みと同一である。
【0007】
本発明の別の局面によれば、スピーカーユニットの製造方法が提供される。この製造方法は、周縁部に向かって漸近的に減少する断面厚みを有する振動板部分を形成する工程と;ガスケット部分の発泡倍率がエッジ部分側から外側に向けて漸近的に増大するようにして、エッジ部分とガスケット部分とを発泡弾性材料から一体成形するとともに、該振動板部分と該エッジ部分との接合部におけるエッジ部分の発泡倍率が該エッジ部分側から該振動板の本体部分側に向けて漸近的に減少するようにして、該振動板部分と該エッジ部分とを熱プレスにより密着固定する工程とを含む。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるスピーカーユニットの概略断面図である。このスピーカーユニット100は、振動板部分14とエッジ部分12とガスケット部分15とを有する。
【0009】
エッジ部分12とガスケット部分15とは、任意の適切な発泡弾性材料から一体成形されている。発泡弾性材料の代表例としては、発泡ゴム、ポリウレタンが挙げられる。内部損失が大きいという理由で、発泡ゴムが好ましい。ガスケット部分15の発泡倍率は、エッジ部分12の側から外側に向けて漸近的に増大する。発泡倍率は外側に向けて漸近的に増大しさえすればよく、増大の仕方は特に限定されない。ガスケット部分15の発泡倍率が漸近的に増大すれば、内部損失も連続的に変化するので、その結果、エッジ部分12を減衰しきれずに伝わってきた振動がガスケット部分によって減衰させられ、振動の反射が起こりにくくなるからである。
【0010】
図2は、振動板部分14とエッジ部分12との接合部20の拡大断面図である。図2に示すように、振動板部分14の外周端部14aは、外側(エッジ部分側)に向けてその厚みが連続的に減少するテーパー状の断面形状を有する。なお、本発明においては、振動板部分14を形成する材料は特に限定されず、任意の適切な振動板材料が用いられ得る。テーパー状断面の成形性およびエッジ部分との密着性を考慮すると、熱硬化性樹脂(例えば、不飽和ポリエステル樹脂)を含浸した絹不織布が好ましい。
【0011】
さらに、当該接合部20におけるエッジ部分12(すなわち、エッジ内周端部12b)の発泡倍率は、エッジ部分12側から振動板14の本体部分に向けて漸近的に減少している。振動板部分14の外周端部14aとエッジ内周端部12bとは、何ら接着剤を介することなく熱プレスにより密着固定されている。上記ガスケット部分の場合と同様に、エッジ内周端部12bの発泡倍率もまた、振動板部分14に向けて漸近的に減少しさえすればよく、減少の仕方は特に限定されない。エッジ内周端部12bの発泡倍率が連続的に変化すれば、接合部20における振動伝搬の媒質が連続的に変化するのに等しい。従って、振動板部分14からの振動が接合部20において良好に減衰させられ、振動の反射が起こりにくくなるからである。材質の差による振動伝搬のギャップを抑えるという観点からは、図2に示すように、接合部20の断面厚みが振動板14の本体部分の断面厚みと同一であることが好ましい。さらに、発泡倍率はできるだけ緩やかに変化するのが好ましい(例えば、図2の角度αは、好ましくは1〜5度、さらに好ましくは2〜3度である)。
【0012】
次に、本発明のスピーカーユニットの製造方法の好ましい一例について説明する。
【0013】
まず、任意の適切な方法で、所定の形状(例えば、コーン状)を有する振動板部分14を形成する。その際、振動板部分14の外周端部14aは、断面形状が周縁部に向かって漸近的に減少するテーパー形状に形成する。
【0014】
次いで、ガスケット部分15の発泡倍率がエッジ部分12側から外側に向けて漸近的に増大するようにして、エッジ部分12とガスケット部分15とを発泡弾性材料から一体成形すると同時に、接合部20におけるエッジ部分(すなわち、エッジ内周端部12b)の発泡倍率が当該エッジ部分12側から振動板の本体部分14側に向けて漸近的に減少するようにして、振動板外周端部14aとエッジ内周端部12bとを熱プレスにより密着固定する。具体的には、(i)所望の発泡倍率を有するエッジ内周端部12bおよびガスケット部分15が得られるような所定の傾斜面を有する金型を用意し;(ii)接合部20において所望の発泡倍率が得られるように位置決めして、この金型の下型に振動板部分(例えば、成形コーン)を配置し;(iii)発泡弾性材料を下型に配置し;(iv)任意の適切な条件で熱プレスして、成形と発泡とを同時に行う。熱プレスにより発泡弾性材料が金型内を流動して振動板外周端部14aに接触し、発泡により押し付けられて密着する。代表的には、加熱温度(金型温度)は110〜150℃、加熱時間は30〜50秒である。このような製造方法によれば、金型の形状を変えるだけで所定の部分の発泡倍率を精密に制御できる。
【0015】
【実施例】
(実施例1)
図1および図2に示すようなスピーカーユニットを作製した。ここで、図2における角度αを2.75度とした。得られたスピーカーユニットを床に配置し金属棒で強打したときの逆起電力と周波数特性を測定した。結果を図3に示す。
【0016】
(比較例1)
図6に示すようなスピーカーユニットを作製した。ただし、ガスケット5の代わりに矢ゴムを設けた。得られたスピーカーユニットを床に配置し金属棒で強打したときの逆起電力と周波数特性を測定した。結果を図4に示す。
【0017】
(比較例2)
矢ゴムがないこと以外は比較例1と同様にしてスピーカーユニットを作製した。得られたスピーカーユニットを床に配置し金属棒で強打したときの逆起電力と周波数特性を測定した。結果を図5に示す。
【0018】
図3と図4および図5とを比較すると明らかなように、本発明のスピーカーユニットは、従来のスピーカーユニットに比べて、時間に依存した逆起電力のぶれが少なく、かつ、特に高周波領域での周波数特性が良好である。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、ガスケット部分の発泡倍率を制御しながらガスケット部分とエッジ部分とを一体成形し、かつ、エッジ部分の発泡倍率を制御しながらエッジ部分と振動板部分とを熱プレスにより密着固定させることにより、振動の反射が極めて少なく振動伝達特性に優れた(結果的に、音響特性に優れた)スピーカーユニットが得られる。さらに、このスピーカーユニットは、部品点数が少ないので低コストであり、かつ、発泡と熱プレスによる密着固定とを1工程で行うので工程数が少なく製造効率に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるスピーカーユニットの概略断面図である。
【図2】図1のスピーカーユニットにおける接合部の拡大断面図である。
【図3】(a)は、本発明のスピーカーユニットについての逆起電力の測定結果を示すグラフであり;(b)は、本発明のスピーカーユニットの周波数特性を示すグラフである。
【図4】(a)は、従来のスピーカーユニットについての逆起電力の測定結果を示すグラフであり;(b)は、従来のスピーカーユニットの周波数特性を示すグラフである。
【図5】(a)は、従来のスピーカーユニットについての逆起電力の測定結果を示すグラフであり;(b)は、従来のスピーカーユニットの周波数特性を示すグラフである。
【図6】従来のスピーカーユニットの概略断面図である。
【符号の説明】
12 エッジ部分
12b エッジ内周端部
14 振動板部分
14a 振動板外周端部
15 ガスケット部分
20 接合部
100 スピーカーユニット
Claims (3)
- 振動板部分とエッジ部分とガスケット部分とを備えるスピーカーユニットであって、
該ガスケット部分の発泡倍率が該エッジ部分側から外側に向けて漸近的に増大するようにして、該エッジ部分と該ガスケット部分とが発泡弾性材料から一体成形されるとともに、
該振動板部分と該エッジ部分との接合部におけるエッジ部分の発泡倍率が該エッジ部分側から該振動板の本体部分側に向けて漸近的に減少するようにして、該振動板部分と該エッジ部分とが熱プレスにより密着固定されている、
スピーカーユニット。 - 前記接合部の厚みが、前記振動板の本体部分の厚みと同一である、請求項1に記載のスピーカーユニット。
- 周縁部に向かって漸近的に減少する断面厚みを有する振動板部分を形成する工程と、
ガスケット部分の発泡倍率がエッジ部分側から外側に向けて漸近的に増大するようにして、エッジ部分とガスケット部分とを発泡弾性材料から一体成形するとともに、該振動板部分と該エッジ部分との接合部におけるエッジ部分の発泡倍率が該エッジ部分側から該振動板の本体部分側に向けて漸近的に減少するようにして、該振動板部分と該エッジ部分とを熱プレスにより密着固定する工程と
を含む、スピーカーユニットの製造方法。
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