JP3697551B2 - エアカーテン装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本件発明はエアカーテン装置に関し、特に、ペンキ等の塗装作業、防錆剤や離型剤等の溶剤塗布作業等における、ペンキ、溶剤、処理剤等が所定部所以外に飛散しないように隔離するため、更には、器具等の洗浄や湿式洗浄器の水切り(エアナイフ)として、粉塵や水を直接吹き飛ばすために使用されるエアカーテン装置に関する。
【0002】
例えば、洗浄分野においては、ガラス基板にエアを吹き付けて、ガラス基板上の水滴を吹き飛ばすことが、行われている。
この場合、均一な洗浄を行うためには、エアカーテン装置から吹き出すエアの圧力分布が極めて重要になる。
【0003】
このようなエアカーテン装置としては種々のものがあるが、これまでのエアカーテン装置1aは、例えば、図9に示すように、一端部が閉鎖された円筒体2aの一側面へ一定の間隔をおいて複数の高圧エア吹き出し開口即ちノズル3aを形成し、円筒体2aの開放されている端部4aへ高圧エアを導入し、前記吹き出しノズル開口3aからそれぞれエア5aを吹き出すというものであった。
【0004】
しかしながら、このような形態のエアカーテン装置1aにおいては、図9の圧力分布曲線6aから明きらかなように、円筒体2aへ対する高圧エアの導入部即ち開放端部4aに近接しているノズル開口3a側からのエア吹き出し量が多く、一方、閉鎖端部へ接近するに従いノズルからのエア吹き出し量が少なくなっており、その結果、円筒体2aの両端部におけるエア吹き出し量に大きなばらつきが発生していた。
【0005】
このため、均一な洗浄効果を得ることが難しい。
閉鎖端部に近接するに従い、ノズル開口3aの配置間隔を狭くしたりノズル開口の寸法を大きくすることも試みたが、製造コストが上昇し、エアの使用量が多くなるだけで、装置全長にわたり均一な圧力分布を提供するという望ましい結果を得ることは出来なかった。
その結果、図9に示すような構造のエアカーテン装置1aにおいては、その実用長範囲は、高々1000mm程度が限界であることが判明している。
【0006】
更に、図10に示すようなエアカーテン装置1bも知られている。
このエアカーテン装置1bは、両端部4b、4bが互いに開放した円筒体2bの一側面へ一定の間隔をおいて複数の吹き出し開口ノズル3bを形成し、円筒体2bの両端部4b、4bから高圧エアを導入し、前記吹き出し開口3bからそれぞれ高圧エア5bを吹き出すというものである。
【0007】
しかしながら、このような形態のエアカーテン装置1bにおいては、図10の圧力分布曲線6bから明きらかなように、円筒体2bの中間部付近において高圧エア同士が互いに圧力を打ち消し合う圧力損失を発生し、その付近に設けたノズル開口3bからのエア吹き出し量が減少し、一方、両端部付近に設けたノズル開口からのエア吹き出し量が多くなることが判明した。
【0008】
その結果、両端部と中間部とにおけるエア吹き出し量にばらつきが発生し、全領域のノズルから概ね均一なエア吹き出し量をもたらすという望ましい機能を提供することは出来なかった。
中間部に近接するに従い、ノズル開口3bの配置間隔を狭くしたりノズル開口の寸法を大きくすることも試みたが、加工が複雑になり、エアの使用量が多くなるだけで均一な分布を提供するような望ましい結果を得ることは出来なかった。
【0009】
その結果、図10に示すような構造のエアカーテン装置1bの実用長範囲は、図9の実施例よりは約20〜30%程度長くすることが出来るが、現実にはエア消費量が著しく増大し、円筒体2bの両端部からのエア導入に伴なう取り扱いが不便であり、実際的にはほぼ1000mmであることが判明している。
【0010】
更に、図11に示すようなエアカーテン装置1cも知られている。
この装置1cは、一側面へ一連のノズル開口3cを有している一端部閉鎖の円筒体即ち外筒体2cと、該円筒体2cの直径寸法よりも小さい直径寸法を有し一側面へ同様に一連のオリフィス8cを有するインナーパイプ即ち内筒体7cと、により構成されている。
【0011】
ここで、前記円筒体2cの内部には、その閉鎖端部へインナーパイプ7cの端部が衝接するまで当該インナーパイプが挿入され、かつ、インナーパイプのオリフィス8c列が円筒体のノズル開口3c列と相反する方向を向くように配置した二重パイプ構造の装置となっている。
高圧エアが内側インナーパイプ7cの開放端部より導入され、前記インナーパイプ7cのオリフィス8cから高圧エアが外側円筒体2c内へ放出され、ついで該円筒体の吹き出し開口3cからそれぞれ高圧エア5cを吹き出すというものである。
【0012】
この方式は、内側パイプ7cに設けたオリフィス8cの直径とピッチとを変化させることで外側パイプ2cからの吹き出し量のばらつきを少なくしようとするものである。
しかしながら、このような形態のエアカーテン装置1cにおいても、図11に示す圧力分布曲線6cから明きらかなように、内側パイプ7cへ導入された高圧エアは外側パイプ2cの両端部付近において中央部付近よりも大きいエア吹き出し量を示すことが判明した。
【0013】
その結果、両端部と中間部とにおけるエア吹き出し量のばらつきが図10の装置1bと同様に発生し、望ましい機能を提供することは出来なかった。
中間部に近接するに従い、ノズル開口3cの配置間隔を狭くしたりノズル開口の寸法を大きくすることも試みたが、エアの使用量が多くなるだけで均一な分布を提供するような望ましい結果を得ることは出来なかった。
その結果、図11に示すような構造のエアカーテン装置1cの実用長範囲は、約1300mm程度までは延長出来るが、内側と外側とのパイプを一定の間隔で保持しなければならず、製作費が高くなることが判明した。
【0014】
更に、図12に示すようなエアカーテン装置1dも知られている。
この装置1dは図11に示す装置の改良であり、図10の装置へ図11の内側パイプを挿入した形態の二重パイプ構造を有するエアカーテン装置1dである。
即ち、この装置1dによれば、図11の装置の欠点を解消するために外側パイプである円筒体2dの両端部を閉鎖し、更にその円筒体2d内部へ配置したインナーパイプ7dの両端部から高圧エアを導入し、オリフィス8dを介し、次いで円筒体2dに設けたノズル開口3dを介して放出すると云うものである。
【0015】
この装置によれば、図12の圧力曲線6dから明きらかなように、図11に示す圧力曲線6cにおいて発現したような装置中間部での圧力減少は大きく改善されている。
その結果、図12に示すような構造のエアカーテン装置1dの実用範囲は、約2500〜3000mm程度までは延長出来ることが判明した。
【0016】
しかしながら、例えば供給機械装置におけるように幅が4000〜5000mmに及ぶような長いローラーの表面処理に使用しようとすると、圧力曲線6dが中間部において急速に下降し、結局、長大ローラーに対して使用するには未だ不十分である。
その上、このような構成の装置ではインナーパイプ7dの両側から高圧エアが導入されることによる当該パイプ内での圧力損失が大きく、装置の製作費用が高くなり、加えて、取り扱いが困難であり、インナーパイプと円筒体との間からの高圧エアの流出損失も大きく、経済性にも欠けている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本件発明は、上記のような諸問題の解消を意図したものである。
即ち、この発明の目的は、極力、広幅にわたり、高圧エアをほぼ均一に吹き出す圧力分布を提供することが出来る、新規なエアカーテン装置を提供することである。
【0018】
更には、ノズル加工が容易であり、構造が簡単で、製作費用が安価で、清掃補修等の保全作業が簡単になり、取り扱い易いエアカーテン装置を提供することである。
また、流入する高圧エアの圧力損失を出来るだけ少なくすることと、当該高圧エアを有効に活用することで、使用するブロワを小型化して、運転コストを低く抑えることが出来るエアカーテン装置を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明者は、このような課題背景に対して鋭意研究を重ねた結果、意外にも、外筒体に両端開放された内筒体を配置することにより、圧力曲線がより均等化されることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。
【0020】
すなわち、本発明は、(1)、一方端が高圧エア導入端部で他方端が閉鎖部となっている外筒体と、その内部に配置されている両端開放された内筒体と、よりなる二重構造体を有しているエアカーテン装置であって、外筒体は、一側面に沿って断続的又は連続的に形成されている一連の吹き出しノズルを有しており、内筒体は、一側面に沿って断続的に形成されている一連のオリフィスと、を有しているエアカーテン装置に存する。
【0021】
そして、(2)、外筒体の吹き出しノズル位置と内筒体のオリフィス位置とは、内筒体のオリフィスから放出されるエアが外筒体の内壁面に沿って移動した後、外筒体の吹き出しノズルから吹き出される相互関係位置に配置してあるエアカーテン装置に存する。
【0022】
そしてまた、(3)、高圧エア導入端部が、外筒体本体に対して取り外し可能となっているエアカーテン装置に存する。
【0023】、
そしてまた、(4)、内筒体が円形断面形状を有し、外筒体が矩形断面形状を有しているエアカーテン装置に存する。
【0024】
そしてまた、(5)、内筒体が外筒体の角部へスライド嵌合するフィンを備えているエアカーテン装置に存する。
【0025】
そしてまた、(6)、内筒体に具備されている一連のオリフィスが内筒体の中間点から両側に向かってそれぞれ内筒体の全長の約1/2の長さにわたる領域に沿って形成されているエアカーテン装置に存する。
【0026】
そしてまた、(7)、高圧エア導入端部から導入されたエアは、そのエア量の2/3が内筒体へ、残りが内筒体と外筒体との間にへ導入され、更に前記内筒体へ導入されたエアの半分がオリフィスを介して外筒体内へ放出され、残りの半分が内筒体の他端部から外筒体内へ放出され、内筒体から外筒体内へ放出されたこれらのエアと、外筒体内へ直接導入されたエアとが一緒になって外筒体の吹き出しノズルから放出される、エアカーテン装置に存する。
【0027】
そしてまた、(8)、一方端が取り外し可能な高圧エア導入端部12Aで他方端が閉鎖部12Bとなっている矩形断面形状の外筒体12と、その内部に配置され両端開放された円形断面形状の内筒体14とよりなり、内筒体14が外筒体12の角部へスライド嵌合するフィン24を備えている二重構造体を有するエアカーテン装置10であって、外筒体12は、一側面に沿って一方端から他方端まで断続的に形成されている一連の吹き出しノズル16を有しており、内筒体14は、一側面に沿って中央部付近に断続的に形成されている一連のオリフィス18と、を有しており、外筒体12の吹き出しノズル位置と内筒体14のオリフィス位置とは、内筒体14のオリフィス18から放出されるエアが外筒体12の内壁面に沿って移動した後、外筒体の吹き出しノズル16から吹き出される相互位置に配置してあり、内筒体14へは、エアカーテン装置へ導入されるエア量の2/3が導入され、残りが内筒体14と外筒体12との間にへ導入され、更に前記内筒体14へ導入されたエアの半分がオリフィス18を介して外筒体12内へ放出され、残りの半分が内筒体14の他端部から外筒体12内へ放出され、内筒体14から外筒体12内へ放出されたこれらのエアと、外筒体12内へ直接導入されたエアとが一緒になって外筒体12の吹き出しノズル16から放出される、エアカーテン装置に存する。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について述べる。
図1及び図2は本件発明の構成及び効果を示す全体図である。
特に図1は、本件発明にかかるエアカーテン装置10の構造及び作用を示す概略図であり、図2は導入される高圧エアの流れ量を説明する図である。
【0029】
図1に示すように、エアカーテン装置10は、概括的には、一方端に、系外のブロアー装置(図5参照)より供給される高圧エアを内部へ導入するための高圧エア導入端部12Aを有し、他方端が閉鎖部12Bとなっている外筒体12と、該外筒体12の内部に配置されており同様に系外より供給される高圧エアを内部へ導入する両端開放の内筒体14と、より形成されている二重構造体を有している。
図示の実施例においては、外筒体12の長さがL1、内筒体14の長さがL2(但し、L1>L2)となっている。
これら筒体は共に化学薬品等に耐えうる素材、例えばステンレス鋼等の材料によって形成されることが望ましい。
【0030】
外筒体12は、図示の実施の形態の例においては、概ね矩形断面形状を有しており、この矩形形状の1角部に沿って一連の吹き出しノズル16が一方端から他端までほぼ全長に渡って(一方端から他方端まで)形成されている。
このような吹き出しノズル16は、ここでは断続的に形成されて独立したものとなっている場合で示したが、後述するように、連続的に形成されてスリット状になったものとすることもできる。
【0031】
一方、内筒体14は概ね円筒断面形状を有しており、図1及び図2に示すように、この内筒体14の長手方向中央部付近の1側面に一連のオリフィス18が一定の領域に渡って断続的に形成されている。
ここで、内筒体14に一連のオリフィス18が形成されている領域は、長手方向中央部付近であり、寸法は、{(1/2)×L2}であることが望ましい。
換言すれば、内筒体14の両端部の{(1/4)×L2}の部分にはオリフィス18を形成しないで、中間点から左右に{(1/4)×L2}の長さ部分へのみオリフィス18を形成することが好ましい。
【0032】
ここで、外筒体12と内筒体14とは、内筒体14のオリフィス18から放出されるエアが外筒体12の内壁面に沿って移動した後、外筒体の吹き出しノズル16から吹き出されるような相互関係位置に配置されていることに注意すべきである。
望ましくは、図3に示すように、内筒体14のオリフィス18が、外筒体12の吹き出しノズル16と互いに相反する方向を向くように配置される。
【0033】
更に、本件発明においては、図2においてより良く示しているように、外筒体12の一方端は概ね漏斗型を有している高圧エア導入端部12Aとなっている。
そして、この高圧エア導入端部12Aは、外筒体本体に取り外し自在(脱着自在)であり、取り付ける場合は、図しないシール手段を介して密封状態に取り付けられる。
【0034】
ここで、内筒体14の円形断面積及び外筒体12の矩形断面積から内筒体14の円形断面積を引いた断面積は、以下の条件を満たすような断面積を提供するように形成されていることが、エア流れの効率の点から好ましい。
即ち、高圧エア導入端部12Aから導入される高圧エアの量を(V)とした場合、内筒体14内へ導入される量V1が{(2/3)×V}であり、外筒体12と内筒体14との間に導入される量V2が{(1/3)×V}となるように内筒体及び外筒体の断面形状が形成される。
内筒体14へ導入された{(2/3)×V}の高圧エア量(V1)は、その後、内筒体の中央部に配置された複数のオリフィス18から{(1/3)×V}の量(V3)が、また該内筒体14の末端部から{(1/3)×V}の量(V4)がそれぞれ該外筒体12内へ流出するように構成されている。
【0035】
次いで、高圧エアは外筒体12に形成した吹き出しノズル16からそれぞれ吹き出される。
その結果、全吹き出しノズル16からの合計吹き出し量(V5)は高圧エア導入端部12Aから導入された高圧エアの量(V)と実質的に同量となり、これらのエアはノズル16から均等化された吹き出し状態で放出されるのである。
本件装置から吹き出される高圧エアは、図1において圧力曲線22によって示すように、ノズル装置10全長にわたってほぼ均一の高圧エア吹き出し量を有するエアカーテンを提供することが出来るのである。
【0036】
図4は本件発明にかかるエアカーテン装置10の全体斜視図を示す。
この図から明らかなように、矩形外筒体12の内部へ配置されている円筒内筒体14の両端部には、該内筒体14の周囲に約90度の間隔をおいて短い位置決め用のフィン24が固着されている(但し内筒体の手前側のフィンは省略している)。
これらのフィン24は、図6(後述する)に明確に示しているように、矩形をなす外筒体12の各角部へ嵌合するようになっている。
このため、外筒体12へ内筒体14を組み込む場合は、外筒体12内へ内筒体14を押し込み、フィン24が外筒体の角部に嵌まった状態で内筒体4をスライドさせればよい。
また、このような構造のために、外筒体12と内筒体14と分解組立が容易であり、掃除補修その他の保全作業が容易に実行出来るようになっている。
【0037】
なお、図4においては、外筒体本体と高圧エア導入端部12Aとは接続フランジ26を介して接続可能となっている例で示したが、両者の接続はこれに限定されるものではなく、カップリングその他の公知の密封連結手段を使用することが当然可能である。
また、図4においては示していないが、矩形外筒体12の閉鎖端部に近接した矩形角部の所定位置へ予めストッパーを固定しておくことにより、外筒体12へ対する内筒体14の位置決めが一層容易になる。
【0038】
図5及び図6は、本件発明にかかるエアカーテン装置10の使用状態の一例を示す図であり、図5は系全体を示し、図6はその一部断面を示す。
なお、系全体において、41はエア供給パイプ、42は風量調整バルブ、43はインバータ制御盤、44はターボブロワ、45はエアフィルタ、である。
また図示しないが、ターボブロワに極端な負担をかけないように逆止弁が装備されている。
【0039】
エアカーテン装置10は、例えば図にあるように、ガラス基板の水を切る場合に利用される。
この場合、エアカーテン装置10はガラス基板34から上方に一定距離離れた位置に配置されており、この位置からガラス基板34に対して高圧エアが吹き付けられる。
かかる配置状態においては、エアカーテン装置10から吹き出しエア28によって、ガラス基板上の水滴Wが、吹き飛ばされるのである。
エア吹き出し量がガラス基板34に対して一定であり、エアの圧力分布が均一であるために、ガラス基板上の水切りが同様に均一に行われ、いわゆるエアナイフとしての機能を確実にすることが出来る。
【0040】
【実施例】
以下に、本件出願人が本件発明に基づいて実際に製造したエアカーテン装置10の具体例について数値を挙げて述べる。
矩形外筒体12の長さ(L1)を5500mm、矩形外筒体の1辺の有効長(d1)を57mm、矩形外筒体に設けた吹き出しノズル16を10mm×0.6mmの矩形形状として、各吹き出しノズルをそれぞれ25mmピッチで合計156個配置した。
【0041】
一方、内筒体14の長さ(L2)を5450mm、円形内筒体12の内径(d2)を48.8mm、吹き出しオリフィス18を直径7mmの円形穴として、各オリフィスをそれぞれ50mmのピッチで内筒体12の中間の2725mmの範囲内に48個配置した。
また、内筒体14を外筒体12へ対して位置付けているフィン24を厚み3mm、幅10mmの素材にて12個形成し、これらを内筒体の円筒周囲へ90度の間隔をおいて3個づつ互いに空気流動に影響を与えないようにピッチをずらして配置した。
【0042】
かかるエアカーテン装置において、日立060E2ブロワを使用して図2に示す各位置におけるエア吹き出し量の静圧値を測定した。
その平均値を表1に示す。
この結果、入口付近で他の部分よりも僅かに高い静圧値を示したが、使用上においては、全体ばらつきが極めて少なく、良好なエアカーテン装置を提供出来ることが判明した。
【0043】
【表1】
【0044】
なお、この静圧傾向は外筒体の長さが約10メートル以内であれば、内筒体のオリフィスの直径と取り付け位置とピッチとを任意に設計することで、両端部と中央部とのエア吹き出し量のばらつきを±5%程度にすることが可能であることが、実験から判明した。
【0045】
以上、本発明の具体的な内容を説明したが、本発明は、実施の形態や実施例に限定されることなく、目的に沿う限り、いろいろな変形が可能である。
図7及び図8は、外筒体12の変形例を示すものであり、それぞれ正面図及び平面図である。
ここでの外筒体12の吹き出しノズル16は、一側面に沿って連続的に形成されており、いわゆるスリット状になっている。
そのため吹き出すエアも連続的になる。
【0046】
本件発明においては、位置決めフィン24は内筒体14の周囲に90度の角度をおいて4面上に配置されているが、これは図4において、例えば上下方向位置のみ又は左右方向位置のみに設けることも当然可能である。
また、いずれか3面方向位置のみに設置することも出来る。
更に、本件発明においては、外筒体及び内筒体は図示のような矩形断面筒体及び円形断面筒体にのみ限定されるものではなく、外筒体及び内筒体の形状は、それぞれ矩形断面筒体及び矩形断面筒体、円形断面筒体及び矩形断面筒体、円形断面筒体及び円形断面筒体とすることも可能である。
【0047】
更に内筒体に設けたオリフィス18は長手方向に1列に配置することに限定されるものではなく、例えば、当該オリフィスから吹き出すエアが直接外筒体のノズルへ吹き出さない限り、1列に整列配置する必要はなく、円周方向にランダムに配置することも可能である。
【0048】
【発明の効果】
本件発明のエアカーテン装置においては、長手方向中央部付近からのみエアを吹き出すオリフィスを備えた内筒体と、長手方向全体からエアを吹き出すノズルを備えた外筒体と、から成る二重パイプ構造としたため、中央部付近におけるエア吹き出し量の不足が解消される。
その結果、例えば供給機械装置等において使用されているような幅広の長大ローラー等においても満足に使用出来るように、少なくとも約5000〜6000mmの幅全体にわたり、ほぼ均一な圧力分布を提供するエアカーテン装置をもたらすことが出来る。
【0049】
更に、二重パイプだけの簡単な構造なので、ノズル配置及び加工が容易になり、製作費用が安価で、その上、摺動組立が可能なので、清掃補修等の保全作業が簡単になり、取り扱い易いエアカーテン装置を提供出来る。
【0050】
また、外筒体及び内筒体へそれぞれ流入する高圧エアの量が分散調整されているので、圧力損失が少なく、高圧エアを有効に活用出来るので、使用するブロワの小型化と運転コストの低減化に寄与するエアカーテン装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本件発明にかかるエアカーテン装置10の構造及び作用を示す図である。
【図2】図2は、本件発明にかかるエアカーテン装置10へ導入される高圧エアの流れ量を説明する図である。
【図3】図3は、図1の線3−3にて見た断面図である。
【図4】図4は、本件発明にかかるエアカーテン装置10の全体斜視図である。
【図5】図5は、本件発明にかかるエアカーテン装置10の使用状態の一例で、系全体を示す図である。
【図6】図6は、本件発明にかかるエアカーテン装置10の使用状態の一例で、一部断面を示す図である。
【図7】図7は、外筒体12の変形例を示す正面図である。
【図8】図8は、外筒体12の変形例を示す平面図である。
【図9】図9は、公知のエアカーテン装置の一例を示す図である。
【図10】図10は、別の公知のエアカーテン装置の一例を示す図である。
【図11】図11は、別の公知のエアカーテン装置の一例を示す図である。
【図12】図12は、別の公知のエアカーテン装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
10…エアカーテン装置
12…外筒体
12A…高圧エア導入端部
12B…閉鎖部
14…内筒体
16…吹き出しノズル
18…吹き出しオリフィス
22…圧力曲線
24…位置決めフィン
26…接続フランジ
28…吹き出しエア
30…溶剤塗布装置
32…霧状溶剤
34…散布対象物
40…ブロワ装置
41…高圧エアホース
42…風量調整バルブ
43…インバータ制御盤
44…ターボブロワ
45…エアフィルタ
Claims (7)
- 一方端が高圧エア導入端部12Aで他方端が閉鎖部12Bとなっている外筒体12と、その内部に配置されている両端開放された内筒体14と、よりなる二重構造体を有しているエアカーテン装置10であって、
外筒体12は、一側面に沿って断続的又は連続的に形成されている一連の吹き出しノズル16を有しており、内筒体14は、一側面に沿って断続的に形成されている一連のオリフィス18と、を有していて、高圧エア導入端部12Aから導入されたエアは、そのエア量の2/3が内筒体14へ、残りが内筒体14と外筒体12との間に各々分離して流入し、更に前記内筒体14へ流入したエアの半分がオリフィス18を介して外筒体12内へ放出され、残りの半分が内筒体14の他端部から外筒体12内へ放出され、内筒体14から外筒体12内へ放出され、内筒体14から外筒体12内へ放出されたこれらのエアと、外筒体12内へ直接導入されたエアとが一緒になって外筒体12の吹き出しノズル16から放出される、ことを特徴とするエアカーテン装置。 - 外筒体12の吹き出しノズル位置と内筒体14のオリフィス位置とは、内筒体14のオリフィス18から放出されるエアが外筒体12の内壁面にそって移動した後、外筒体の吹き出しノズル16から吹き出される相互関係位置に配置してあることを特徴とする請求項1記載のエアカーテン装置。
- 高圧エア導入端部12Aが、外筒体本体に対して取り外し可能となっていることを特徴とする請求項1に記載のエアカーテン装置。
- 内筒体14が円形断面形状を有し、外筒体12が矩形断面形状を有していることを特徴とする請求項3に記載のエアカーテン装置。
- 内筒体14が外筒体12の角部へスライド嵌合するフィン24を備えていることを特徴とする請求項4に記載のエアカーテン装置。
- 内筒体14に具備されている一連のオリフィス18が内筒体14の中間点から両側に向かってそれぞれ内筒体14の全長の約1/2の長さにわたる領域に沿って形成されていることを特徴とする請求項1に記載のエアカーテン装置。
- 一方端が取り外し可能な高圧エア導入端部12Aで他方端が閉鎖部12Bとなっている矩形断面形状の外筒体12と、その内部に配置され両端開放された円形断面形状の内筒体14とからなり、内筒体14が外筒体12の角部へスライド嵌合するフィン24を備えている二重構造体を有するエアカーテン装置10であって、
外筒体12は、一側面に沿って一方端から他方端まで断続的又は連続的に形成されている一連の吹き出しノズル16を有しており、
内筒体14は、一側面に沿って中央部付近に断続的に形成されている一連のオリフィス18と、を有しており、
外筒体12の吹き出しノズル位置と内筒体14のオリフィス位置とは、内筒体14のオリフィス18から放出されるエアが外筒体12の内壁面に沿って移動した後、外筒体の吹き出しノズル16から吹き出される相互位置に配置してあり、
内筒体14へは、エアカーテン装置へ導入されるエア量の2/3が導入され、残りが内筒体14と外筒体12との間に導入され、
更に前記内筒体14へ流入したエアの半分がオリフィス18を介して外筒体12内へ放出され、残りの半分が内筒体14の他端部から外筒体12内へ放出され、
内筒体14から外筒体12内へ放出されたこれらのエアと、外筒体12内へ直接導入されたエアとが一緒になって外筒体12の吹き出しノズル16から放出される、
ことを特徴とするエアカーテン装置。
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