JP3696778B2 - 綾振ドラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動ワインダー、二重撚糸機、仮撚機等における巻取装置、及び該巻取装置に用いられる綾振ドラムの構成に関し、特に、巻取パッケージの生産過程で形成されるリボン巻の防止を行い、糸品質の向上を目指した技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来繊維機械において、綾振ドラムの周面にトラバース溝を形成し、精紡ボビン等から解舒された糸条を該トラバース溝によって左右に綾振りさせることにより、該綾振ドラムに接触回転駆動される巻取パッケージを生産する自動ワインダーが公知である。また、二重撚糸機、仮撚機においても同様にトラバース溝を形成した綾振ドラムにより糸条を綾振りさせるよう構成したものが知られている。
【0003】
また、巻取パッケージにはトラバース溝によって綾振りされた糸条が順次巻き取られていくので、該巻取パッケージのパッケージ径は徐々に大きくなる。そして、該パッケージ径と、綾振ドラムのドラム径とがある一定の関係となった時には、巻取パッケージ上にリボン巻が発生する。リボン巻は巻取パッケージ上に巻き取られる糸条がある期間の間、略同じ糸道を通過する現象であり、パッケージ上での糸の交点が極端に少なくなる。このようなリボン巻の発生した巻取パッケージは、後工程での糸解舒の際に、スラッフィングやラッチング切れ等の原因となる。そこで、巻取パッケージのリボン巻防止に関してはドラム又はパッケージの周期的制動等、幾多の方法が提供されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術におけるリボン巻防止方法により、パッケージ外観上のリボン巻は略解決されているが、後工程において例えば高速解舒における解舒性能ではリボン層とそうでない層の差が今だに大きくリボン層の品質が劣っている。
そこで、綾振ドラムに形成されるトラバース溝の一部にワインド数を変化させるための短縮路を設けて、綾振ドラムのワインド数を2通りに切換可能としたものが公知となっている。しかし、この従来構成では、自動ワインダ等の巻取運転中に2通りのワインド数を常時切換える必要がある。例えば、2ワインド(2W)と3ワインド(3W)のワインド数をもつ綾振ドラムにおいて、1トラバースごとにワインド数を交互に変化させるようにしていたのである。このため制御が複雑であり、糸道を頻繁に変更させる必要があるため効率的ではなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上が本発明の解決しようとする課題であり、次に課題を解決するための手段について説明する。
即ち、請求項1記載の如く、2つの連続するトラバース溝を設け、何れのトラバース溝により糸条を綾振りするかを、切換可能に構成した綾振ドラムにおいて、該2つの連続するトラバース溝はトラバース溝の往路部分と復路部分でワインド数が異なり、かつ、該2つの連続するトラバース溝は実質的に完全に独立して形成され、かつ、該2つの連続するトラバース溝の往路部分と復路部分の全てにおいて共通路を具備せず、前記2つの連続するトラバース溝は分岐部を備え、前記分岐部において何れのトラバース溝により糸条を綾振りするかが切換えられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を添付の図面により説明する。図1は本発明のリボン巻防止装置を具備する自動ワインダの概略構成図、図2は通常運転時の糸道を示す綾振ドラムの展開図、図3はリボン巻運転時の糸道を示す綾振ドラムの展開図、図4はパッケージ径とリボン巻の発生の関係を示す図、図5(a)は1ワインドのリボン巻を示す図、図5(b)は1.5ワインドのリボン巻を示す図、図6はセンサレバーを示す図、図7は標準ドラムと本発明にかかる綾振ドラムとの性能比較グラフ、図8は綾振ドラムの別実施例であり2.5W時の糸道を示す展開図、図9は同じく綾振ドラムの別実施例であり2.0W時の糸道を示す展開図、図10は図8、図9の綾振ドラムにおけるパッケージ径とリボン巻の発生の関係を示す図である。
【0014】
まず、図1を用いて本発明に係るリボン巻防止装置を利用する一実施例として自動ワインダの構成について説明する。
自動ワインダ1はリング精紡機等において形成された精紡ボビン2をパッケージ3として巻返す装置である。
精紡ボビン2は図示せぬ機台上を搬送されて、自動ワインダ1の所定位置に配置され、該精紡ボビン1の糸端が捕捉されて、糸条Yが上方に送られる。糸条Yは途中、テンション装置4においてテンションが与えられ、糸欠陥検出ヘッド5を通過し、綾振ドラム6で綾振りされた後、パッケージ3に巻き取られる。
【0015】
また、糸欠陥検出ヘッド5から綾振ドラム6へと至る糸道には、スプライサー7が配設されており、糸条Yに欠陥を発見した場合の欠陥除去後の糸継ぎ、及び、空ボビン交換後の新たな精紡ボビン2との糸継ぎを行う。これによって、通常数本〜数十本の精紡ボビン2が連続的に巻き取られ、結び目のない高品質なパッケージ3を形成するのである。
【0016】
綾振ドラム6は、ドラム表面に連続したトラバース溝11が形成されている。トラバース溝11は、図1において左方向へと糸を搬送するトラバース往路11Fと、右方向へと糸を搬送するトラバース復路11Bからなり、トラバース往路11Fにおいて左方向へ綾振りされた糸条Yが、続いてトラバース復路11Bにより右方向に綾振りされてもとの位置に戻る。このようにして順次トラバース溝11で綾振りされた糸条Yが、該綾振ドラム6によって表面接触駆動されるパッケージ3に巻き取られる。
【0017】
そして、本発明に係る綾振ドラム6は、前述の如くリボン巻を防止するために、ワインド数(以下、適宜Wと記す)の異なる2種類の連続したトラバース溝11を形成している。
その1つは、トラバース往路11F、トラバース復路11Bが共に2.5Wで構成される通常運転時のトラバース溝11である。
他方は、トラバース往路11Fが3Wで、トラバース復路が2.5Wであり、2トラバース(2往復)より構成され平均ドラムワインド数が2.75Wのリボン巻径運転時のトラバース溝11である。
【0018】
まず、図2を用いて通常運転時のトラバース溝11について説明する。
糸条Yが図2におけるa点を起点としてトラバースされる場合、糸条Yは綾振ドラム6の回転に伴い、トラバース溝11内を点aから分岐部SPを通って溝L1を通過し点bへと至る。そして、点bから点c、点cから点dへと移動し、綾振ドラム6の左端に達する。つまり、点a・b・c・dを結ぶトラバース溝11によりトラバース往路11Fを構成している。この糸条Yの左方向への移動により綾振ドラム6は2.5回転していることとなるので、トラバース往路11Fのドラムワインド数は2.5Wである。
【0019】
さらに糸条Yは、綾振ドラム6の回転に伴い、トラバース溝11内を点dから点e、点eから点f、点fから点aへと移動し、綾振ドラムの右端に達する。つまり、点d・e・f・aを結ぶトラバース溝11によりトラバース復路11Bを構成している。この糸条Yの右方向への移動により綾振ドラム6は2.5回転しているので、トラバース往路11Fのドラムワインド数は2.5Wである。
以上より、通常運転時においては綾振ドラム6は往路2.5W、復路2.5Wのトラバース溝が形成されている。
【0020】
次に、図3を用いてリボン巻径運転時のトラバース溝11について説明する。糸条Yが図3におけるa点を起点としてトラバースされる場合、糸条Yは綾振ドラム6の回転に伴い、トラバース溝11内を点aから分岐部SPを通って溝L2を通過し点gに至る。そして点gから点h、点hから点iへと移動し、綾振ドラム6の左端に達する。つまり、点a・g・h・iを結ぶトラバース溝11によりトラバース往路11Fを構成している。この糸条Yの左方向への移動により綾振ドラム6は3回転していることとなるので、トラバース往路11Fのドラムワインド数は3Wである。
【0021】
さらに糸条Yは、綾振ドラム6の回転に伴い、トラバース溝11内を点iから点j、点jから点k、点kから点mへと移動し、綾振ドラムの右端に達する。つまり、点i・j・k・mを結ぶトラバース溝11によりトラバース復路11Bを構成している。この糸条Yの右方向への移動により綾振ドラム6は2.5回転しているので、トラバース復路11Bのワインド数は2.5Wである。これにより、糸条Yは1トラバース(往復)するが、点aには戻らずさらに2往復目のトラバースを行う。
【0022】
点mから再び左方向へと綾振りされる糸条Yは点nへ至り、点nから点b、点bから点c、点cから点dへと移動し、綾振ドラムの左端に達する。つまり、点m・n・b・c・dを結ぶ3Wのトラバース往路11Fを構成し、さらに点dから右方向へと綾振りされる糸条Yは、点d・e・f・aより構成される2.5Wのトラバース復路11B内を移動して綾振ドラム6の右端に達し起点aに戻るのである。
以上より、リボン巻径運転時においては綾振ドラム6は往路3W、復路2.5W、往路3W、復路2.5Wよりなる2往復のトラバース溝が形成されている。そして、このリボン巻径運転時の平均ドラムワインド数は(3W+2.5W+3W+2.5W)/4より求められ2.75Wとなる。
このように本発明においては、綾振ドラム6にドラムワインド数の異なる複数(本実施例では2種類)の連続したトラバース溝11を形成しているのである。
尚、この実施例では、ワインド数の異なる2つの連続したトラバース溝が完全に独立しているわけではなく、半分以上(大半)が互いに独立しているが、残りの部分(一部)で共通路となっている。
【0023】
上述した通常運転時及びリボン巻運転時のトラバース溝11は、前記分岐部SPにおいて分岐されるわけであるが、この分岐部SPにおけるトラバース溝11の切替は、前記糸欠陥検出ヘッド5と綾振ドラム6との間の糸道に配設された糸道の切替手段であるピンシリンダー24により行われる。ピンシリンダー24はON・OFF切替可能に構成され、ON状態では図1の位置Aに突出して糸条Yを屈折させる(このときの糸道をY1として図1に示す)。これによって糸条Yは溝L1側に案内され、往路、復路ともに2.5Wの通常運転を行う。また、OFF状態ではピンシリンダー24は引込まれ、糸条Yに対するテンションが開放され(このときの糸道をY2として図1に示す)、糸条Yは溝L2側に案内され、平均ワインド数2.75Wのリボン巻運転が行われるのである。
【0024】
以上の構成より、本発明のリボン巻防止装置及びその制御方法について説明する。
通常運転時には、前述した通常運転時のトラバース溝11より糸条Yを順次巻取パッケージ3に巻き取っていく。そして、巻取パッケージ3のパッケージ径RがR=D×Wd/Wp(D:綾振ドラムのドラム径、Wd:綾振ドラムワインド数、Wp:パッケージワインド数)の関係となった場合には、リボン巻が発生することとなる。例えば、ドラム径D=100mmとした場合には、Wd=2.5Wであるから、Wp=1Wのリボン巻パッケージはパッケージ径R=250mm近辺で発生することとなる。同様にWp=1.5Wのリボン巻パッケージはパッケージ径R=166mm近辺で発生することとなる。
【0025】
図4はパッケージ径Rとリボン巻のワインド数との関係を示している。図に示すように、リボン巻パッケージは他にも、2W、3W・・・と多数存在することとなるが、特に1W、1.5Wのリボン巻パッケージは影響が大きくなる。図5(a)は1Wのリボン巻、図5(b)は1.5Wのリボン巻を示すが、1Wのリボン巻においては、パッケージ上に巻き取られる糸の交点が1点しかなく、1.5Wのリボン巻においては、交点が2点しかない。このため、交点から次の交点までの糸がフリー状態であり、従って高速解舒になるとスラッフィングを発生しやすくなるのである。
【0026】
そこで、パッケージ径Rが1W及び1.5Wのリボン巻パッケージ径の近辺にある間は、前述したリボン巻運転時のトラバース溝11を使用することにより、パッケージ上に巻き取られる糸道をずらしてリボン巻を防止するのである。
なお、本実施例では、1W及び1.5Wのリボン巻を防止する構成としているが、その他の0.75W、1.25W、1.75W、2W等のリボン巻を防止する構成も同様に可能である。
【0027】
図6はリボン巻発生径の検出手段の構成を示す。センサレバー20は軸21を中心に回動自在であり、前記巻取パッケージ3を支持するクレイドル22と該センサレバー20が連動しており、軸21を中心に一体的に回動するよう構成している。センサレバー21の端部には、リボン巻径の検出孔20a・20bが穿設されており、センサレバー20の回動に伴う検出孔20a・20bの軌道とラップする位置には、近接スイッチ23が配設されている。近接スイッチ23は初期状態でONの状態になっており、検出孔20aが通過する間のみスイッチOFFされるように構成されている。
【0028】
そして、巻取パッケージ3の径が大きくなるにつれてクレイドル22が回動し、パッケージ径Rが1.5Wのリボン巻径近辺に達した時には、検出孔20aが近接スイッチ23上を通過するように構成されており、これによってスイッチがOFFされる。これによって前記ピンシリンダー24がOFFされることにより、糸条Yが分岐部SPから溝L2に送られ、リボン巻運転時のトラバース溝11側でトラバースされるのである。そして、検出孔20aが近接スイッチ23上を通過して離れると、再び前記ピンシリンダー24がONされて、ドラムワインド数2.5Wの通常運転に戻るのである。図4においてグラフF1はドラムワインド数が2.5Wによるパッケージ径Rとパッケージワインド数Wの関係を示し、グラフF2はドラムワインド数が2.75Wによるパッケージ径Rとパッケージワインド数Wの関係を示している。そして、上述の如く通常は2.5Wの運転が行われ、1.5Wのリボン巻が発生するパッケージ径R1の近辺では綾振ドラムは2.75Wに切換えられている。つまり、グラフF1・F2上、実線で示されている部分が実際の綾振ドラムのワインド数であり、グラフF1上の点x1から点x2間のみが2.75Wに切換えられていることを示している。
【0029】
同様に、パッケージ径Rが1Wのリボン径近辺に達した時には、検出孔20bが近接スイッチ23をON操作し、これによってリボン巻運転に切り換わる。そして、検出孔20bの通過によって再び通常運転に戻るのである。そして、図4に示すように、1Wのリボン巻が発生するパッケージ径R2の近辺(点x3から点x4の間)では綾振ドラム6のワインド数が2.75Wに切換えられているのである。
【0030】
これによって、リボン巻パッケージ径近辺においては、綾振ドラム6のワインド数が2.5Wから2.75Wに切換えられるため、パッケージ上の糸道がずれて、リボン巻の発生を防止できるのである。
このように本発明は綾振ドラム6に形成されたトラバース溝11により糸条を綾振りして巻取パッケージ3に巻き取る構成において、該綾振ドラム6にワインド数の異なる複数の連続したトラバース溝11を形成し、糸条の糸道を切換える手段であるピンシリンダー24を設け、複数の連続したトラバース溝11のうち、何れのトラバース溝11により糸条を綾振するかを切換可能に構成したので、ピンシリンダー24のON・OFF操作により、パッケージ巻取中の綾振ドラム6のワインド数を変更させることが可能となった。
【0031】
また、センサレバー20、近接スイッチ23等より構成されるリボン巻発生径の検出手段を設け、リボン巻発生径近辺において綾振ドラム6のワインド数を変化させるよう制御したので、ワインド数の切替操作がリボン巻発生径の近辺のみでよいので、制御がシンプルとなり巻取動作が安定した。つまり、従来のように巻取動作中(リボン巻径の近辺であるかどうかを問わず)、常時ワインド数を変化させる制御を行う場合には、制御が複雑となり、また糸道が頻繁に切換えられるため糸送りの安定性にとってはマイナスであったが、本発明によれば最小限の切替操作によりリボン巻防止が行われ、効率のよい構成となった。
【0032】
図7は、標準ドラムと本発明に係る綾振ドラムの性能比較グラフである。標準ドラムとは、常時ドラムワインド数が一定であるドラムであり、図7(a)は標準ドラムによって巻き取られたパッケージを、図7(b)は本発明に係る綾振ドラム6によって巻き取られたパッケージを、1Wのリボン層近辺において、それぞれ高速解舒(例えば1600m/min)した場合の糸条のテンションを表すグラフである。標準ドラムではリボン層におけるラッチング切れが17回発生している。一方、本発明の綾振ドラム6ではラッチング切れが発生していない。
【0033】
なお、本実施例では通常運転時に2.5Wのドラムワインド数で巻き取りを行い、リボン巻運転時に2.75Wのドラムワインド数で巻き取るよう制御しているが、逆に2.75Wを基調として通常運転を行い、リボン巻運転時に2.5Wへ切換える構成としてもよく、この場合でも同様な効果を奏するものである。
また、本実施例では、綾振ドラム6は2.5W基調のトラバース溝11に、平均2.75Wのトラバース溝11を加えた構成としているが、その他の例として、2W基調(往復が2W×2W)のトラバース溝に、3Wのトラバース溝を加える構成として、通常運転時には2Wのドラムワインド数で巻き取り、リボン巻運転時には3W−2W−3W−2W・・・の切換え運転(つまり平均2.5Wのドラムワインド数)で巻き取り、リボン巻発生を防止する構成とすることも可能である。
【0034】
また、前述の如くの、ワインド数の異なる連続した複数のトラバース溝が形成される綾振ドラムとして、往路及び復路が共に2.5Wのトラバース溝と、往路及び復路が共に2.0Wのトラバース溝とが形成される綾振ドラムに構成することも可能である。
例えば、図8、図9に示す綾振ドラム16には、第一トラバース往路17Fと第一トラバース復路17Bとが、共に2.5Wに構成される第一トラバース溝17、及び、第二トラバース往路18Fと第二トラバース復路18Bとが、共に2.0Wに構成される第二トラバース溝18が形成されている。
この実施例では、ワインド数の異なる2つの連続したトラバース溝17・18が完全に独立して形成されている。
【0035】
まず、図8により、糸条Yが2.5Wでトラバースされる第一トラバース溝17について説明する。
糸条Yが右端の点pを起点としてトラバースされる場合、糸条Yは綾振ドラム16の回転に伴い、第一トラバース溝17内を、点pから分岐点sp通じて点qへと至る。そして、点qから点r、点rから点s、点sから点tへと移動し、綾振ドラム16の左端に達する。
つまり、点pから、分岐点sp及び点q・r・sを通じて、点tまでを結ぶ第一トラバース溝17によりトラバース往路17Fを構成している。この点pから点tまでの糸条Yの左方向への移動により綾振ドラム16は2.5回転していることとなるので、トラバース往路17Fのドラムワインド数は2.5Wとなる。
【0036】
さらに糸条Yは、綾振ドラム16の回転に伴い、第一トラバース溝17内を点tから点u、点uから点v、点vから合流点cfを通じて点pへと移動し、綾振ドラムの右端に達する。つまり、各点t・u・v・cf・pを結ぶ第一トラバース溝17によりトラバース復路17Bを構成している。この糸条Yの右方向への移動により綾振ドラム16は2.5回転しているので、トラバース復路17Bのドラムワインド数は2.5Wである。
このように、第一トラバース溝17のトラバース往路17Fは2.5W、トラバース復路17Bは2.5Wに構成されている。
【0037】
次に、図9により、糸条Yが2.0Wでトラバースされる第二トラバース溝18について説明する。
糸条Yが右端の点pを起点としてトラバースされる場合、糸条Yは綾振ドラム16の回転に伴い、第二トラバース溝18内を、点pから分岐点sp通じて下端に表示される点xへと至る。そして、上端に表示される点xから下端に表示される点y、上端に表示される点yから点zへと移動し、綾振ドラム16の左端に達する。
つまり、点pから、分岐点sp及び点x・yを通じて、点zまでを結ぶ第二トラバース溝18によりトラバース往路18Fを構成している。この点pから点zまでの糸条Yの左方向への移動により綾振ドラム16は2.0回転していることとなるので、トラバース往路18Fのドラムワインド数は2.0Wとなる。
【0038】
さらに糸条Yは、綾振ドラム16の回転に伴い、第二トラバース溝18内を点zから下端に表示される点y、上端に表示される点yから下端に表示される点x、上端に表示される点xから合流点cfを通じて点pへと移動し、綾振ドラムの右端に達する。つまり、各点z・y・x・cf・pを結ぶ第二トラバース溝18によりトラバース復路18Bを構成している。この糸条Yの右方向への移動により綾振ドラム16は2.0回転しているので、トラバース復路18Bのドラムワインド数は2.0Wである。
このように、第二トラバース溝18のトラバース往路18Fは2.0W、トラバース復路18Bは2.0Wに構成されている。
【0039】
そして、綾振ドラム16における、第一トラバース溝17と第二トラバース溝18とは、実質的に共通した経路を有しておらず、互いに実質的に完全に独立した経路として形成されている。
このように、綾振ドラム16には、複数(本実施例では2種類)の独立した第一トラバース溝17及び第二トラバース溝18が形成されており、該第一トラバース溝17のワインド数と第二トラバース溝18のワインド数とは異なっている。 尚、綾振ドラム16においても、前述の綾振ドラム6の場合と同様に、ピンシリンダー24の切り替えにより、糸条Yがトラバースされる経路が、分岐点spにて第一トラバース溝17又は第二トラバース溝18の何れかに切り替えられる。
【0040】
図10には、綾振ドラム16を用いた場合のパッケージ径Rとリボン巻のワインド数Wとの関係を示しており、グラフF3は第二トラバース溝18によりトラバースされる2.0Wでのパッケージ径Rとパッケージワインド数Wとの関係を示し、グラフF4は第一トラバース溝17によりトラバースされる2.5Wでのパッケージ径Rとパッケージワインド数Wとの関係を示している。
【0041】
そして、2.0Wをメインにして巻き取りを行う際には、グラフF3の如く、1.5Wのリボン巻が発生するパッケージ径R3の近辺(点x5から点x6の間)、及び1Wのリボン巻が発生するパッケージ径R4の近辺(点x7から点x8の間)では2.5Wに切り替えて巻き取りを行い、その他の領域では2.0Wでの巻き取りを行って、リボン巻の発生を防止している。
また、2.5Wをメインにして巻き取りを行う際には、グラフF4の如く、1Wのリボン巻が発生するパッケージ径R5の近辺(点x9から点x10の間)では2.0Wに切り替えて巻き取りを行い、その他の領域では2.5Wでの巻き取りを行って、リボン巻の発生を防止している。
即ち、本綾振ドラム16においては、2.0Wを主にした巻き取りと2.5Wを主にした巻き取りとの両方を行うことを可能としている。
【0042】
以上の如く、2.0Wと2.5Wといったように、ワインド数の異なる独立した複数の連続したトラバース溝が形成される綾振ドラム16を構成することで、一種類の綾振ドラム16にて、リボン巻の発生を防止しながら、複数のワインド数で巻き取りを行うことが可能となり、該綾振ドラム16を汎用的に用いることができる。
尚、2.0Wで巻き取りを行ったパッケージは、巻き密度が小さくなるため、糸条Yの染色をパッケージ状態のままで行うことが可能であり、2.5Wや2.75Wの場合よりもさらに高速解舒することが可能である。
【0043】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、以下のような効果を奏するものである。
即ち、請求項1記載の如く、2つの連続するトラバース溝を設け、何れのトラバース溝により糸条を綾振りするかを、切換可能に構成した綾振ドラムにおいて、該2つの連続するトラバース溝はトラバース溝の往路部分と復路部分でワインド数が異なり、かつ、該2つの連続するトラバース溝は実質的に完全に独立して形成され、かつ、該2つの連続するトラバース溝の往路部分と復路部分の全てにおいて共通路を具備せず、前記2つの連続するトラバース溝は分岐部を備え、前記分岐部において何れのトラバース溝により糸条を綾振りするかが切換えられるので、次のような効果を奏するのである。
綾振ドラムにワインド数の異なる2つの連続するトラバース溝を形成し、往路部分と復路部分とでワインド数の異なる2つの連続したトラバース溝が互いに独立しているので、綾振ドラムのワインド数に選択範囲が得られる構成となった。
2つの連続するトラバース溝は、互いに実質的に完全に独立したトラバース溝に形成されているので、2つの連続するトラバース溝には共通路がなく、糸条のトラバース経路を何れかのトラバース溝に切り換えることで、1つの綾振ドラムにて実質的に完全に異なるワインド数で巻き取りを行うことができる。
また、綾振ドラムにワインド数の異なる2つの連続するトラバース溝を形成し、ワインド数の異なる2つの連続したトラバース溝の互いに独立させているので、リボン巻発生径の検出手段を設け、リボン巻発生径近辺において綾振ドラムのワインド数を変化させるよう制御することで、ワインド数の切替操作がリボン巻発生径の近辺のみでよいので、制御がシンプルとなり巻取動作が安定するのである。
また、2つの連続するトラバース溝が形成され、該2つの連続するトラバース溝は互いにワインド数が異なるとともに、互いに独立している綾振ドラムを構成したので、一種類の綾振ドラムにて、異なるワインド数で巻き取りを行うことができ、リボン巻の発生を防止しながら、複数のワインド数で巻き取りを行うことも可能となり、該綾振ドラムを汎用的に用いることができる。
また、最小限の切替操作によりリボン巻防止が出来、効率のよい構成となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリボン巻防止装置を具備する自動ワインダの概略構成図である。
【図2】通常運転時の糸道を示す綾振ドラムの展開図である。
【図3】リボン巻運転時の糸道を示す綾振ドラムの展開図である。
【図4】パッケージ径とリボン巻の発生の関係を示す図である。
【図5】(a)は1ワインドのリボン巻を示す図、(b)は1.5ワインドのリボン巻を示す図である。
【図6】センサレバーを示す図である。
【図7】標準ドラムと本発明にかかる綾振ドラムとの性能比較グラフを示す図である。
【図8】綾振ドラムの別実施例であり2.5W時の糸道を示す展開図である。
【図9】同じく綾振ドラムの別実施例であり2.0W時の糸道を示す展開図である。
【図10】図8、図9の綾振ドラムにおけるパッケージ径とリボン巻の発生の関係を示す図である。
【符号の説明】
3 巻取パッケージ
6 綾振ドラム
11 トラバース溝
11F トラバース往路
11B トラバース復路
20 センサレバー
23 近接スイッチ
24 シリンダピン
L1 (通常運転時用)溝
L2 (リボン巻運転時用)溝
SP 分岐点
Claims (1)
- 2つの連続するトラバース溝を設け、何れのトラバース溝により糸条を綾振りするかを、切換可能に構成した綾振ドラムにおいて、
該2つの連続するトラバース溝はトラバース溝の往路部分と復路部分でワインド数が異なり、
かつ、該2つの連続するトラバース溝は実質的に完全に独立して形成され、
かつ、該2つの連続するトラバース溝の往路部分と復路部分の全てにおいて共通路を具備せず、
前記2つの連続するトラバース溝は分岐部を備え、前記分岐部において何れのトラバース溝により糸条を綾振りするかが切換えられることを特徴と綾振ドラム。
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