JP3696373B2 - 無段変速機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、変速回転部材の摩擦伝達面に伝達回転部材を接触させ、その接触部を変速回転部材の母線に沿って移動させることにより、変速回転部材及び伝達回転部材間の動力伝達及び変速を行う無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる無段変速機は、例えば特公昭47−447号公報に記載されているように既に知られている。従来、この種の無段変速機の変速回転部材は、中心軸の回りに該中心線と交差する直線を回転させた回転体(円錐)から構成されており、従ってその回転体の母線は直線であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、かかる無段変速機の変速回転部材の摩耗等に対する耐久性を高めるには、変速回転部材と伝達回転部材との接触部の面圧を減少させることが考えられるが、このようにすると前記接触部にスリップが発生して伝達可能トルクが減少する問題がある。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、無段変速機の伝達可能トルクを確保しながら変速回転部材の接触部の摩耗等に対する耐久性を向上させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、第1回転軸と、第1回転軸に支持された伝達回転部材と、第1回転軸に対して傾斜して配置された第2回転軸と、第2回転軸に回転自在に支持され、該第2回転軸の軸線に対して傾斜した母線を該軸線回りに回転させて形成した摩擦伝達面を有する変速回転部材とを備えてなり、変速回転部材の摩擦伝達面に伝達回転部材を接触させるとともに、その接触部を相互間の相対位置関係を保ちつつ前記母線に沿って移動させることにより、伝達回転部材及び変速回転部材間の動力伝達と変速とを行う無段変速機において、前記母線を曲線としたことを特徴とする。
【0006】
上記構成によれば、変速回転部材と伝達回転部材との接触部の接触面積を任意に変化させることができるので、伝達可能トルクを減少させることなく、接触部の面圧を任意に調整して摩耗等に対する耐久性を高めることができる。
【0007】
また請求項2に記載された発明は、第1回転軸と、第1回転軸に支持された駆動回転部材と、駆動回転部材と一定の距離を保つように第1回転軸に支持された従動回転部材と、第1回転軸に対して傾斜して配置された第2回転軸と、第2回転軸に回転自在に支持され、該第2回転軸の軸線に対して傾斜し且つ互いに傾斜方向を反対にした第1、第2母線を該軸線回りに回転させて形成した第1、第2摩擦伝達面を有する変速回転部材とを備えてなり、変速回転部材の中心線を挟んで反対側で第1、第2摩擦伝達面に駆動回転部材及び従動回転部材をそれぞれ接触させるとともに、それら接触部をそれぞれ前記第1、第2母線に沿って移動させることにより、駆動回転部材及び従動回転部材間の動力伝達と変速とを行う無段変速機において、前記第1、第2母線を同一曲率半径を有する円弧曲線とし、且つ一方の母線を変速回転部材の半径方向外向きに湾曲させ他方の母線を変速回転部材の半径方向内向きに湾曲させたことを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、変速回転部材と駆動回転部材及び従動回転部材との第1、第2接触部の面積を任意に変化させることができるので、伝達可能トルクを減少させることなく、それら接触部の面圧を任意に調整して摩耗等に対する耐久性を高めることができる。また変速回転部材を駆動回転部材及び従動回転部材に対して相対移動させることにより第1、第2接触部の位置を移動させて変速を行うとき、第1、第2接触部間の距離を一定に保持することができる。
【0009】
また請求項3に記載された発明は、請求項2の構成に加えて、第1回転軸に近い側の母線を半径方向内向きに湾曲させ、遠い側の母線を半径方向外向きに湾曲させたことを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、第1回転軸に近いために伝達荷重が大きくなる側の摩擦伝達面の母線を変速回転部材の半径方向内向きに湾曲させて接触部の面積を増加させ、第1回転軸に遠いために伝達荷重が小さくなる側の摩擦伝達面の母線を変速回転部材の半径方向外向きに湾曲させて接触部の面積を減少させることができるので、第1、第2接触部の摩耗等が不均一になるのを防止して変速回転部材全体としての耐久性を高めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0012】
図1〜図6は本発明の一実施例を示すもので、図1は車両用パワーユニットの縦断面図、図2は図1の要部拡大図、図3は図2の要部拡大図(LOWレシオ)、図4は図2の要部拡大図(TOPレシオ)、図5は図2の5−5線断面図、図6は図2の6−6線断面図である。
【0013】
図1に示すように、このパワーユニットPは自動二輪車に搭載されるものであって、エンジンE及び無段変速機Tを収納するケーシング1を備える。ケーシング1は、センターケーシング2と、センターケーシング2の左側面に結合される左ケーシング3と、センターケーシング2の右側面に結合される右ケーシング4とに3分割される。センターケーシング2及び左ケーシング3に一対のボールベアリング5,5を介して支持されたクランクシャフト6は、同じくセンターケーシング2及び左ケーシング3に支持されたシリンダブロック7に摺動自在に嵌合するピストン8にコネクティングロッド9を介して連接される。
【0014】
クランクシャフト6の左端には発電機10が設けられており、この発電機10は左ケーシング3の左側面に結合された発電機カバー11により覆われる。右ケーシング4の内部に延出するクランクシャフト6の右端外周にドライブギヤ12が相対回転自在に支持されており、このドライブギヤ12は自動遠心クラッチ13によってクランクシャフト6に結合可能である。
【0015】
図2を併せて参照すると明らかなように、無段変速機Tの変速機主軸21(本発明の第1回転軸)には前記ドライブギヤ12に噛合するドリブンギヤ25が固定される。ドリブンギヤ25は変速機主軸21にスプライン結合された内側ギヤ半体26と、この内側ギヤ半体26に複数個のゴムダンパー28…を介して僅かに相対回転し得るように結合されて前記ドライブギヤ12に噛合する外側ギヤ半体27とから構成される。ドライブギヤ12からドリブンギヤ25を経て変速機主軸21に伝達されるエンジントルクが変動したとき、前記ゴムダンパー28…の変形によりショックの発生が軽減される。
【0016】
変速機主軸21の外周には、半径方向外側を向く摩擦接触面を備えた駆動回転部材29(本発明の伝達回転部材)がスプライン結合されるとともに、半径方向内側を向く摩擦接触面を備えた従動回転部材30(本発明の伝達回転部材)がニードルベアリング22を介して相対回転自在に支持される。概略円錐状に形成されたキャリア第1半体31が変速機主軸21の外周にニードルベアリング23を介して相対回転可能且つ軸方向摺動可能に支持され、このキャリア第1半体31に概略カップ状のキャリア第2半体32が結合される。
【0017】
図5を併せて参照すると明らかなように、両キャリア半体31,32をケーシング1に対して回り止めするトルクカム機構33は、キャリア第2半体32の外周に半径方向に植設したピン34と、このピン34に回転自在に支持したローラ36と、右ケーシング4の内壁面にボルト24,24で固定したガイドブロック35とから構成されており、このガイドブロック35に形成したガイド溝351 に前記ローラ36が係合する。ガイド溝351 の方向は変速機主軸21の軸線Lに対して角度αだけ傾斜している。
【0018】
図3及び図4から明らかなように、キャリア第1半体31に形成された複数の窓孔311 …を横切るように複数の支持軸37…(本発明の第2回転軸)が架設されており、各支持軸37にニードルベアリング38,38を介して変速回転部材39が回転自在且つ軸方向摺動自在に支持される。支持軸37…は変速機主軸21の軸線Lを中心線とする円錐母線上に配置されている。各変速回転部材39は大径部において接続された概略円錐状の第1摩擦伝達面40及び第2摩擦伝達面41を有しており、第1摩擦伝達面40は駆動回転部材29に第1接触部P1 において当接するとともに、第2摩擦伝達面41は従動回転部材30に第2接触部P2 において当接する。
【0019】
第1摩擦伝達面40及び第2摩擦伝達面41は厳密な意味での円錐ではなく、支持軸37の軸線を中心線とする第1摩擦伝達面40の母線は、変速回転部材39の半径方向内向きに湾曲した円弧曲線から構成され、支持軸37の軸線を中心線とする第2摩擦伝達面41の母線は、変速回転部材39の半径方向外向きに湾曲した円弧曲線から構成されており、両摩擦伝達面40,41の母線の曲率半径は一致している。従って、第1接触部P1 を含む第1摩擦伝達面40の母線を平行移動すると、第2接触部P2 を含む第2摩擦伝達面41の母線に重ね合わせることができる。
【0020】
図2に示すように、キャリア第2半体32の内部に、変速機主軸21の回転数に応じて両キャリア半体31,32を軸方向に摺動させて無段変速機Tの変速比を変更する遠心機構51が設けられる。遠心機構51は、変速機主軸21に固定された固定カム部材52と、変速機主軸21に軸方向摺動自在に支持されて前記固定カム部材52と一体に回転する可動カム部材53と、固定カム部材52のカム面521 及び可動カム部材53のカム面531 間に配置された複数の遠心ウエイト54…とから構成される。可動カム部材53とキャリア第2半体32とをボールベアリング55で結合することにより、両者は相対回転を許容された状態で軸方向に一体に移動する。
【0021】
変速機主軸21の右端近傍はセンターケーシング2に固定したカバー部材50にボールベアリング56を介して支持されており、そのカバー部材50とキャリア第2半体32との間に縮設したスプリング57の弾発力で、キャリア第1半体31及びキャリア第2半体32は左方向に付勢される。従って、変速機主軸21の回転数が増加すると遠心力で遠心ウエイト54…が半径方向外側に移動して両カム面521 ,531 を押圧するため、可動カム部材53がスプリング57の弾発力に抗して右方向に移動し、この可動カム部材53にボールベアリング55を介して接続されたキャリア第2半体32がキャリア第1半体31と共に右方向に移動する。
【0022】
図1及び図2から明らかなように、変速機主軸21の外周にボールベアリング58を介して相対回転自在に支持された出力ギヤ59の右端と、前記従動回転部材30の左端との間に調圧カム機構60が設けられる。図6から明らかなように、調圧カム機構60は、出力ギヤ59の右端に形成した複数の凹部591 …と従動回転部材30の左端に形成した複数の凹部301 …との間にボール61…を挟持したものであり、出力ギヤ59と従動回転部材30とに間には従動回転部材30を右方向に付勢する予荷重を与えるように皿バネ62が介装される。従動回転部材30にトルクが作用して出力ギヤ59との間に相対回転が生じると、調圧カム機構60により従動回転部材30が出力ギヤ59から離反する方向(右方向)に付勢される。
【0023】
第3減速ギヤ63が、左ケーシング3との間に配置したボールベアリング64、変速機主軸21との間に配置したニードルベアリング65及び出力ギヤ59との間に配置したボールベアリング66によって回転自在に支持される。左ケーシング3及び中央ケーシング2にボールベアリング67及びニードルベアリング68を介して減速軸69が支持されており、減速軸69に設けた第1減速ギヤ70及び第2減速ギヤ71がそれぞれ前記出力ギヤ59及び第3減速ギヤ63に噛合する。左ケーシング3から外部に突出する第3減速ギヤ63の軸部先端に、無端チェーン72を巻き掛けた駆動スプロケット73が設けられる。従って、変速機主軸21の回転は出力ギヤ59、第1減速ギヤ70、第2減速ギヤ71、第3減速ギヤ63、駆動スプロケット73及び無端チェーン72を介して駆動輪に伝達される。
【0024】
次に、前述の構成を備えた本発明の実施例の作用について説明する。
【0025】
図3及び図4に示すように、変速比が何れの状態でも変速機主軸21の軸線Lから測った駆動回転部材29の第1接触部P1 の距離Aは一定値となり、支持軸37から測った駆動回転部材29の第1接触部P1 の距離Bは可変値(BL ,BT )となる。また、支持軸37から測った従動回転部材30の第2接触部P2 の距離Cは可変値(CL ,CT )となり、変速機主軸21の軸線Lから測った従動回転部材30の第2接触部P2 の距離Dは一定値となる。
【0026】
駆動回転部材29の回転数をNDRとし、従動回転部材30の回転数をNDNとして変速比RをR=NDR/NDNで定義すると、変速比Rは、
R=NDR/NDN=(B/A)×(D/C)
により与えられる。
【0027】
さて、図3に示すように、エンジンEの低速回転時にはドライブギヤ12により駆動されるドリブンギヤ25の回転数が低いため、遠心機構51の遠心ウエイト54…に作用する遠心力も小さくなり、両キャリア半体31,32はスプリング57の弾発力で左方向に移動する。キャリア第1半体31が左方向に移動すると、駆動回転部材29の第1接触部P1 が第1摩擦伝達面40の大径部側に移動して距離Bは最大値BL に増加するとともに、従動回転部材30の第2接触部P2 が第2摩擦伝達面41の小径部側に移動して距離Cが最小値CL に減少する。
【0028】
このとき、前記距離A,Dは一定値であるため、距離Bが最大値BL に増加し、距離Cが最小値CL に減少すると、前記変速比Rが大きくなってLOWレシオに変速される。
【0029】
一方、図4に示すように、エンジンEの高速回転時にはドライブギヤ12により駆動されるドリブンギヤ25の回転数が高いため、遠心機構51の遠心ウエイト54…に作用する遠心力も大きくなり、両キャリア半体31,32は遠心力で半径方向外側に移動する遠心ウエイト54…の作用でスプリング57の弾発力に抗して右方向に移動する。キャリア第1半体31が右方向に移動すると、駆動回転部材29の第1接触部P1 が第1摩擦伝達面40の小径部側に移動して距離Bが最小値BT に減少するとともに、従動回転部材30の第2接触部P2 が第2摩擦伝達面41の大径部側に移動して距離Cが最大値CT に増加する。
【0030】
このとき、前記距離A,Dは一定値であるため、距離Bが最小値BT に減少し、距離Cが最大値CT に増加すると、前記変速比Rが小さくなってTOPレシオに変速される。
【0031】
而して、エンジンEの回転数に応じて無段変速機Tの変速比をLOWとTOPとの間で無段階に変化させることができる。しかも前記変速比制御は遠心機構51により自動的に行われるため、ケーシング1の外部から手動により変速操作を行う変速制御装置を設ける場合や、電子的な変速制御装置を設ける場合に比べて、構造の簡略化によるコストの削減と無段変速機Tの小型化とを図ることができる。
【0032】
上述のようにして駆動回転部材29の回転は変速回転部材39…を介して従動回転部材30に所定の変速比Rで伝達され、更に従動回転部材30の回転は調圧カム機構60を介して出力ギヤ59に伝達される。このとき、従動回転部材30に作用するトルクで出力ギヤ59との間に相対回転が生じると、調圧カム機構60により従動回転部材30が出力ギヤ59から離反する方向に付勢される。この付勢力は皿バネ62による付勢力と協働して、駆動回転部材29の第1接触部P1 を第1摩擦伝達面40に圧接する面圧と、従動回転部材30の第2接触部P2 を第2摩擦伝達面41に圧接する面圧とを発生させる。
【0033】
図3及び図4から明らかなように、第1接触部P1 において第1摩擦伝達面40の母線は上向きに湾曲し、それに接触する駆動回転部材29は上向きに湾曲しているため、前記第1接触部P1 の接触面積が増加する。一方、第2接触部P2 において第2摩擦伝達面41の母線は上向きに湾曲し、それに接触する従動回転部材30は下向きに湾曲しているため、前記第2接触部P2 の接触面積が減少する。第1接触部P1 及び第2接触部P2 が伝達するトルクは一定であるため、軸線Lからの距離Aが小さい第1接触部P1 の伝達荷重は大きくなり、軸線Lからの距離Dが大きい第2接触部P2 の伝達荷重は小さくなる。
【0034】
而して、伝達荷重が大きい第1接触部P1 の接触面積が増加し、伝達荷重が小さい第2接触部P2 の接触面積が減少するため、第1、第2接触部P1 ,P2 の摩耗等の程度が均一化されて変速回転部材39全体としての耐久性が向上する。
このように、第1、第2摩擦伝達面40,41の母線を曲線で構成することにより第1、第2接触部P1 ,P2 の接触面積、つまり接触面圧を任意に設定し、第1、第2接触部P1 ,P2 の摩耗等の状態を調整することができる。
【0035】
また、第1接触部P1 を含む第1摩擦伝達面40の母線を平行移動すると、第2接触部P2 を含む第2摩擦伝達面41の母線に重ね合わせることができる。つまり、軸線Lから測った第2接触部P2 までの距離Dと第1接触部P1 までの距離Aとの差D−Aは変速比に係わらず一定になる。
【0036】
ところで、無段変速機Tが変速を行っているとき、キャリア第2半体32は駆動回転部材29の伝達トルク反力によって変速機主軸21回りに回転しようとするが、その伝達トルク反力はキャリア第2半体32に支持したトルクカム機構33のローラ36がガイドブロック35に形成したガイド溝351 に係合することにより受け止められ、両キャリア半体31,32は回転することなく軸方向に摺動することができる。
【0037】
さて、車両の走行中に急加速しようとしてエンジントルクを急増させた場合、前記エンジントルクの急増に伴ってキャリア第2半体32に作用する伝達トルク反力も増大する。その結果、図5に示すように、ローラ36が傾斜したガイド溝351 の壁面に荷重Fで圧接され、その荷重Fのガイド溝351 方向の成分F1 によってキャリア第2半体32は図2の左側(LOWレシオ側)に付勢される。
即ち、トルクカム機構33の作用によって変速比が自動的にLOWレシオ側に変化するため、所謂キックダウン効果が発揮されて車両を効果的に加速することができる。
【0038】
しかも前記キックダウン時の変速比制御は、特別の変速制御装置を設けることなく、トルクカム機構33がエンジントルクの変化に応じて自動的に行うため、構造の簡略化によるコストの削減と無段変速機Tの小型化とを達成することができる。またトルクカム機構33のガイド溝351 の形状を変化させるだけで、変速比の変化特性を容易に調整することができる。
【0039】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0040】
例えば、実施例では変速回転部材39に駆動回転部材29及び従動回転部材30を接触させる形式の無段変速機を例示したが、請求項1に記載された発明は、変速回転部材に単一の伝達回転部材を接触させ、該変速回転部材及び伝達回転部材間で動力伝達を行う形式の無段変速機に対しても適用することができる。また請求項1に記載された発明では、変速回転部材の母線は円弧曲線に限定されず、それ以外の曲線であっても良い。
【0041】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、第1回転軸と、第1回転軸に支持された伝達回転部材と、第1回転軸に対して傾斜して配置された第2回転軸と、第2回転軸に回転自在に支持され、該第2回転軸の軸線に対して傾斜した母線を該軸線回りに回転させて形成した摩擦伝達面を有する変速回転部材とを備えてなり、変速回転部材の摩擦伝達面に伝達回転部材を接触させるとともに、その接触部を相互間の相対位置関係を保ちつつ前記母線に沿って移動させることにより、伝達回転部材及び変速回転部材間の動力伝達と変速とを行う無段変速機において、前記母線を曲線としたので、変速回転部材と伝達回転部材との接触部の面積を任意に調整して、伝達可能トルクを減少させることなく摩耗等に対する耐久性を高めることができる。
【0042】
また請求項2に記載された発明によれば、第1、第2母線を同一曲率半径を有する円弧曲線とし、且つ一方の母線を変速回転部材の半径方向外向きに湾曲させ他方の母線を変速回転部材の半径方向内向きに湾曲させたので、第1、第2接触部の接触面積を任意に調整して、伝達可能トルクを減少させることなく摩耗等に対する耐久性を高めることができ、しかも第1、第2接触部間の距離を一定に保つことができる。
【0043】
また請求項3に記載された発明によれば、第1回転軸に近い側の母線を変速回転部材の半径方向内向きに湾曲させ、遠い側の母線を変速回転部材の半径方向外向きに湾曲させたので、第1回転軸に近いために伝達荷重が大きくなる側の第1接触部の面積を増加させるとともに、第1回転軸に遠いために伝達荷重が小さくなる第2接触部の面積を減少させ、第1、第2接触部の摩耗等が不均一になるのを防止して変速回転部材全体としての耐久性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用パワーユニットの縦断面図
【図2】図1の要部拡大図
【図3】図2の要部拡大図(LOWレシオ)
【図4】図2の要部拡大図(TOPレシオ)
【図5】図2の5−5線断面図
【図6】図2の6−6線断面図
【符号の説明】
21 変速機主軸(第1回転軸)
29 駆動回転部材(伝達回転部材)
30 従動回転部材(伝達回転部材)
37 支持軸(第2回転軸)
39 変速回転部材
40 第1摩擦伝達面(摩擦伝達面)
41 第2摩擦伝達面(摩擦伝達面)
P1 第1接触部(接触部)
P2 第2接触部(接触部)
Claims (3)
- 第1回転軸(21)と、
第1回転軸(21)に支持された伝達回転部材(29,30)と、
第1回転軸(21)に対して傾斜して配置された第2回転軸(37)と、
第2回転軸(37)に回転自在に支持され、該第2回転軸(37)の軸線に対して傾斜した母線を該軸線回りに回転させて形成した摩擦伝達面(40,41)を有する変速回転部材(39)と、
を備えてなり、
変速回転部材(39)の摩擦伝達面(40,41)に伝達回転部材(29,30)を接触させるとともに、その接触部(P1 ,P2 )を相互間の相対位置関係を保ちつつ前記母線に沿って移動させることにより、伝達回転部材(29,30)及び変速回転部材(39)間の動力伝達と変速とを行う無段変速機において、
前記母線を曲線としたことを特徴とする無段変速機。 - 第1回転軸(21)と、
第1回転軸(21)に支持された駆動回転部材(29)と、
駆動回転部材(29)と一定の距離を保つように第1回転軸(21)に支持された従動回転部材(30)と、
第1回転軸(21)に対して傾斜して配置された第2回転軸(37)と、
第2回転軸(37)に回転自在に支持され、該第2回転軸(37)の軸線に対して傾斜し且つ互いに傾斜方向を反対にした第1、第2母線を該軸線回りに回転させて形成した第1、第2摩擦伝達面(40,41)を有する変速回転部材(39)と、
を備えてなり、
変速回転部材(39)の中心線を挟んで反対側で第1、第2摩擦伝達面(40,41)に駆動回転部材(29)及び従動回転部材(30)をそれぞれ接触させるとともに、それら接触部(P1 ,P2 )をそれぞれ前記第1、第2母線に沿って移動させることにより、駆動回転部材(29)及び従動回転部材(30)間の動力伝達と変速とを行う無段変速機において、
前記第1、第2母線を同一曲率半径を有する円弧曲線とし、且つ一方の母線を変速回転部材(39)の半径方向外向きに湾曲させ他方の母線を変速回転部材(39)の半径方向内向きに湾曲させたことを特徴とする無段変速機。 - 第1回転軸(21)に近い側の母線を変速回転部材(39)の半径方向内向きに湾曲させ、遠い側の母線を変速回転部材(39)の半径方向外向きに湾曲させたことを特徴とする、請求項2に記載の無段変速機。
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JP (1) | JP3696373B2 (ja) |
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JP3853963B2 (ja) * | 1998-03-20 | 2006-12-06 | 本田技研工業株式会社 | パワーユニット |
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1997
- 1997-06-05 JP JP14772297A patent/JP3696373B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10339362A (ja) | 1998-12-22 |
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